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特開2024-108887遺失物管理システム、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108887
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】遺失物管理システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/907 20190101AFI20240805BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240805BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20240805BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20240805BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20240805BHJP
   G06T 7/90 20170101ALI20240805BHJP
   G06V 10/56 20220101ALI20240805BHJP
【FI】
G06F16/907
G06Q50/10
G06F3/16 650
G06F3/0482
G06T7/60 150S
G06T7/90 Z
G06V10/56
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013515
(22)【出願日】2023-01-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 「忘れ物システム 忘れ物登録の流れ」「忘れ物システム 利用者側の操作方法」のプレゼン資料。( 令和4年12月7日 新幹線メンテナンス東海株式会社(JR東海東京駅構内)にて特許を受ける権利を有する者がプレゼン資料として使用。 )
(71)【出願人】
【識別番号】500388176
【氏名又は名称】株式会社ティファナ ドットコム
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】藤井 亮
【テーマコード(参考)】
5B175
5E555
5L049
5L050
5L096
【Fターム(参考)】
5B175FB02
5B175FB03
5E555AA10
5E555AA27
5E555AA44
5E555AA46
5E555BA01
5E555BA35
5E555BB01
5E555BC17
5E555BC18
5E555CA12
5E555CA42
5E555CA47
5E555CB12
5E555CB33
5E555CB34
5E555CB45
5E555CB64
5E555CC03
5E555CC20
5E555DB16
5E555DB18
5E555DB20
5E555DB32
5E555DB41
5E555DC13
5E555DC29
5E555EA07
5E555EA22
5E555EA23
5E555EA26
5E555FA00
5L049CC11
5L050CC11
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA08
5L096CA02
5L096DA02
5L096FA70
5L096HA09
(57)【要約】
【課題】 利用者と対話を行う対話サービスによって遺失物の捜索を行うことができる遺失物管理システム、及びプログラムを提供する。
【解決手段】
作業者端末が、撮像した遺失物画像と、遺失物画像を画像認識して取得した所定の属性と、所定の申し送り事項を含む遺失物登録情報を遺失物管理サーバに登録し、施設内に設置された対話サービスを提供する対話部を備える利用者端末において、所定の属性及び/又は所定の申し送り事項の一部又は全部について利用者に質問し、利用者の回答に基づいて遺失物情報を取得する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設における遺失物を管理する遺失物管理システムであって、
前記遺失物を撮影した遺失物画像の画像認識を行うことにより、前記遺失物に関する所定の属性を取得する、遺失物属性取得部と、
前記所定の属性及び所定の申し送り事項を含む遺失物情報を登録する、遺失物登録部と、
前記所定の属性及び/又は前記所定の申し送り事項の一部又は全部に基づいて前記登録された遺失物情報を取得する、遺失物取得部と、
を備える遺失物管理サーバと、
前記遺失物画像を撮像する遺失物撮像部と、
前記所定の申し送り事項を入力する遺失物申し送り事項入力部と、
前記撮像部が撮像した画像から前記遺失物属性取得部が取得した所定の属性と、前記入力した前記所定の申し送り事項を含む前記遺失物情報の登録を前記遺失物管理サーバに要求する、遺失物登録要求部と、
を備える作業者端末と、
利用者との間で、映像による情報の授受、及び/又は、音声による情報の授受を行う対話型サービスを提供する対話部を有する利用者端末であって、
前記対話部を介して提示された質問に利用者が回答することにより、前記所定の属性及び/又は前記所定の申し送り事項の一部又は全部について入力する、遺失物検索条件入力部と、
前記入力した前記所定の属性及び/又は前記所定の申し送り事項の一部又は全部に基づいて前記遺失物取得部による前記遺失物情報の取得を行い、該取得した前記遺失物情報に基づいて前記遺失物の保管場所を提示する、遺失物検索部と、
を含むことを特徴とする、遺失物管理システム。
【請求項2】
前記遺失物申し送り事項入力部は、前記所定の申し送り事項の一部又は全部を音声入力によって入力する
ことを特徴とする、請求項1記載の遺失物管理システム。
【請求項3】
前記遺失物検索条件入力部は、
前記所定の属性及び/又は前記所定の申し送り事項の何れか一に関する質問を提示する質問提示部と、
前記質問に対する前記利用者の回答を音声又はタッチパネルにより入力する質問回答部と、
を備え、
前記遺失物取得部により一又は所定数の前記遺失物情報が取得可能となるまで前記質問の提示及び前記回答の入力を繰り返し行う
ことを特徴とする、請求項1記載の遺失物管理システム。
【請求項4】
前記所定の属性は、前記遺失物の名称と、種類と、形状と、色とを含む
ことを特徴とする、請求項1記載の遺失物管理システム。
【請求項5】
前記施設は鉄道施設であって、
前記申し送り事項は、前記遺失物を拾得した場所を示す拾得場所を含み、
前記拾得場所は、前記遺失物を列車内で前記拾得した場合に列車名と、号車と、座席番号とを含む
ことを特徴とする、請求項1記載の遺失物管理システム
【請求項6】
前記対話部は、前記利用者端末の表示部にアバターを表示させて前記対話型サービスを提供することを特徴とする請求項1に記載の遺失物管理システム。
【請求項7】
コンピュータを請求項1乃至6の何れか一つに記載の管理サーバとして機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
コンピュータを請求項1乃至6の何れか一つに記載の作業者端末として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
コンピュータを請求項1乃至6の何れか一つに記載の利用者端末として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者と対話を行う対話サービスによって遺失物の捜索を行うことができる遺失物管理システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者の発話内容に対して人工知能技術を用いて回答するいわゆるAIチャットボットとして、例えば特許文献1の人工知能によるヒューマン・マシン間の知能チャットの方法及び装置が知られている。特許文献1の技術は、音声信号、画像信号、センサー信号及び/又はイベント駆動信号を含むマルチモーダルの入力信号からテキストデータを介してユーザの意図を取得し、これに対応する答えをマルチモーダルの出力信号として出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-010517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
AIチャットボットは利用者からの多種多様な問い合わせに対して適切な回答を行うことができるので、利用者の多い施設において有用性が認められている。
【0005】
利用者の多い施設において頻発する問い合わせとして遺失物に関する問い合わせが存在する。特に、鉄道施設のような施設では、例えば車両内で遺失した物品について、後日、利用者の近場の駅舎で問い合わせを行う場合がある。このような場合には、問い合わせを担当した駅員その他の従業員が遺失物が保管されている可能性のある他の駅舎に更に問い合わせをする等、多くの人的リソースの使用が要求される業務であり、AIチャットボットその他の利用者との対話を行う対話サービスとして遺失物の捜索を行う情報処理システムが求められていた。
【0006】
この発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、利用者と対話を行う対話サービスによって遺失物の捜索を行うことができる遺失物管理システム、及びプログラムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するために、請求項1の発明に係る遺失物管理システムは、施設における遺失物を管理する遺失物管理システムであって、前記遺失物を撮影した遺失物画像の画像認識を行うことにより、前記遺失物に関する所定の属性を取得する、遺失物属性取得部と、前記所定の属性及び所定の申し送り事項を含む遺失物情報を登録する、遺失物登録部と、前記所定の属性及び/又は前記所定の申し送り事項の一部又は全部に基づいて前記登録された遺失物情報を取得する、遺失物取得部と、を備える遺失物管理サーバと、前記遺失物画像を撮像する遺失物撮像部と、前記所定の申し送り事項を入力する遺失物申し送り事項入力部と、前記撮像部が撮像した画像から前記遺失物属性取得部が取得した所定の属性と、前記入力した前記所定の申し送り事項を含む前記遺失物情報の登録を前記遺失物管理サーバに要求する、遺失物登録要求部と、を備える作業者端末と、利用者との間で、映像による情報の授受、及び/又は、音声による情報の授受を行う対話型サービスを提供する対話部を有する利用者端末であって、前記対話部を介して提示された質問に利用者が回答することにより、前記所定の属性及び/又は前記所定の申し送り事項の一部又は全部について入力する、遺失物検索条件入力部と、前記入力した前記所定の属性及び/又は前記所定の申し送り事項の一部又は全部に基づいて前記遺失物取得部による前記遺失物情報の取得を行い、該取得した前記遺失物情報に基づいて前記遺失物の保管場所を提示する、遺失物検索部と、を含むことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記遺失物申し送り事項入力部は、前記所定の申し送り事項の一部又は全部を音声入力によって入力することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記遺失物検索条件入力部は、前記所定の属性及び/又は前記所定の申し送り事項の何れか一に関する質問を提示する質問提示部と、前記質問に対する前記利用者の回答を音声又はタッチパネルにより入力する質問回答部と、を備え、前記遺失物取得部により一又は所定数の前記遺失物情報が取得可能となるまで前記質問の提示及び前記回答の入力を繰り返し行うことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記所定の属性は、前記遺失物の名称と、種類と、形状と、色とを含むことを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記施設は鉄道施設であって、前記申し送り事項は、前記遺失物を拾得した場所を示す拾得場所を含み、前記拾得場所は、前記遺失物を列車内で前記拾得した場合に列車名と、号車と、座席番号とを含むことを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1の発明において、前記対話部は、前記利用者端末の表示部にアバターを表示させて前記対話型サービスを提供することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、コンピュータを請求項1乃至6の何れか一つに記載の管理サーバとして機能させることを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、コンピュータを請求項1乃至6の何れか一つに記載の作業者端末として機能させることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、コンピュータを請求項1乃至6の何れか一つに記載の利用者端末として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の構成によれば、遺失物登録部により登録される遺失物情報が所定の属性及び所定の申し送り事項を含み、利用者端末は、対話部を介して所定の属性及び/又は所定の申し送り事項の一部又は全部について利用者からの回答の入力を受けて遺失物情報を取得する。この構成により、利用者と対話を行う対話サービスによって遺失物の捜索を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係る遺失物管理システムの全体的な構成を概念的に示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態における遺失物登録の流れを示すフロー図である。
図3】本発明の実施の形態における撮像画面の構成を模式的に示す図である。
図4】本発明の実施の形態における属性表示画面の構成を模式的に示す図である。
図5】本発明の実施の形態における申し送り事項入力画面の構成を模式的に示す図である。
図6】本発明の実施の形態における登録完了画面の構成を模式的に示す図である。
図7】本発明の実施の形態における遺失物問合せ対応の流れを示すフロー図である。
図8】本発明の実施の形態における対話画面の構成を模式的に示す図である。
図9】本発明の実施の形態における対話画面において、遺失物の種類を問う質問を提示する例を示す図である。
図10】本発明の実施の形態における対話画面において、遺失物の種類を問う質問を提示する例を示す図である。
図11】本発明の実施の形態における対話画面において、遺失物の形状を問う質問を提示する例を示す図である。
図12】本発明の実施の形態における対話画面において、遺失した時間を問う質問を提示する例を示す図である。
図13】本発明の実施の形態における対話画面において、遺失物の特徴を問う質問を提示する例を示す図である。
図14】本発明の実施の形態における検索実行画面の構成を模式的に示す図である。
図15】本発明の実施の形態における検索結果画面の構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る遺失物管理システム1全体の構成を概念的に示すブロック図である。図1で示すように、本実施の形態における遺失物管理システム1は、遺失物管理サーバ2が、ネットワーク5を介して作業者端末3及び利用者端末4と通信可能に接続されている。本実施の形態における遺失物管理システム1は、具体的には、駅舎や車両その他の鉄道施設において発見された利用者の遺失物を管理する遺失物管理システムである。
【0019】
遺失物管理サーバ2は、発見された遺失物に関する情報を管理するサーバ装置である。本実施の形態において、遺失物管理サーバ2は、遺失物属性取得部21と、遺失物登録部22と、遺失物取得部23を備えている。
【0020】
なお、本実施の形態において、遺失物管理サーバ2は、周知のサーバ用コンピュータを用いて構成されている。サーバ用コンピュータのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)その他のストレージ装置には予めサーバ用コンピュータを遺失物管理サーバ2として機能させるプログラムが記録されており、当該プログラムをサーバ用コンピュータのメモリにロードしてCPU(中央演算装置)が実行することにより、サーバ用コンピュータを遺失物管理サーバ2として機能させる。
【0021】
遺失物属性取得部21は、後述する作業者端末3の遺失物撮像部31が撮像した遺失物画像から、画像認識により当該遺失物に関する所定の属性を取得する。本実施の形態では、遺失物の名称、種類、形状、及び色を所定の属性として取得する。
【0022】
遺失物登録部22は、遺失物に関する遺失物情報を遺失物管理サーバ2が備える遺失物データベース(図示しない)に登録する。本実施の形態において、遺失物情報は、遺失物を撮像した遺失物画像と、所定の属性と、所定の申し送り事項を含む情報である。登録された遺失物情報は、後述する遺失物取得部23が取得する対象となる情報である。
【0023】
遺失物取得部23は、所定の属性及び/所定の申し送り事項の一部又は全部に基づいて遺失物登録部22によって登録された遺失物情報を取得する。前述のとおり、本実施の形態では遺失物情報が遺失物登録部22によって遺失物データベースに登録されている。遺失物取得部23は所定の属性及び所定の申し送り事項の一部又は全部を検索条件として遺失物データベースを検索し、検索条件に合致する遺失物情報を取得する。
【0024】
作業者端末3は、施設の作業者が使用する端末である。本実施の形態において、施設は前述の通り駅舎や車両その他の鉄道施設であり、作業者は駅員その他の鉄道施設を運営する事業者の従業員である。作業者端末3は、遺失物撮像部31と、遺失物属性表示部32と、遺失物申し送り事項入力部33と、遺失物登録要求部34を備えており、施設において遺失物を発見した作業者が作業者端末3を用いて当該発見した遺失物に関する遺失物情報を遺失物管理サーバ2に登録する。
【0025】
遺失物撮像部31は、遺失物を撮像する。本実施の携帯において、作業者端末3は作業者端末3の正面及び/または背面を撮影するカメラ(図示しない)を備えており、遺失物撮像部31は当該カメラを用いて遺失物を撮像する。
【0026】
遺失物属性表示部32は、遺失物に関する所定の属性を表示する。前述のように、本実施の形態における遺失物管理サーバ2は遺失物属性取得部21を備えており、遺失物に関する所定の属性として、遺失物の名称、種類、形状、及び色を取得する。遺失物属性表示部32は、遺失物属性取得部21が取得した属性を作業者端末3が備えるディスプレイその他の表示装置(図示しない)に表示する。
【0027】
遺失物申し送り事項入力部33は、遺失物に関する所定の申し送り事項を入力する。所定の申し送り事項は、遺失物の管理に必要な情報を任意に所定の申し送り事項としてよいが、本実施の形態では、遺失物の発見日時、発見場所、及び、遺失物を保管する施設を所定の申し送り事項として用いる。
【0028】
遺失物登録要求部34は、遺失物情報の登録を遺失物管理サーバ2に要求する。前述のとおり、本実施の形態における遺失物情報は遺失物画像と、所定の属性と、所定の申し送り事項を含む情報であり、遺失物登録要求部34は遺失物撮像部31が撮像した遺失物画像と、遺失物属性表示部32に表示された所定の属性と、遺失物申し送り事項入力部33により入力された所定の申し送り事項を含む遺失物情報を生成し、当該生成した遺失物情報を遺失物管理サーバ2に送信して登録を要求する。当該要求を受けた遺失物管理サーバ2は、遺失物登録部22により遺失物情報を登録する。
【0029】
本実施の形態における作業者端末3は、作業者である駅員その他の従業員が所持するスマートフォンその他の携帯端末を用いて構成されている。携帯端末の不揮発性メモリその他のストレージ領域には、携帯端末を作業者端末3として機能させるプログラムが記録されており、当該プログラムを携帯端末のメモリにロードしてCPUが実行することにより、携帯端末を作業者端末3として機能させる。なお、本実施の形態における作業者端末3は、作業者が所持するスマートフォンその他の携帯端末を用いて構成しているが、作業者端末3をどのように構成するかは任意であり、例えば、駅舎の遺失物保管所その他の場所に設置されたコンピュータを用いて作業者端末3を構成するようにしてもよい。
【0030】
利用者端末4は、施設の利用者が使用する端末である。本実施の形態における施設は前述の通り鉄道施設であり、利用者は鉄道施設の利用客その他の利用者である。本実施の形態において、利用者端末4は駅舎の所定の場所に設置された端末であり、対話部41と、遺失物検索条件入力部42と、遺失物検索部43を備えている。
【0031】
対話部41は、利用者との間で映像による情報の授受及び/又は音声による情報の授受を行う対話型サービスを提供する。本実施の形態における利用者端末4は、表示装置としてタッチパネルディスプレイ(図示しない)を備えており、当該表示装置に後述する対話画面が表示されている。対話画面にはアバターが表示され、利用者は当該アバターと対話しながらサービスの提供を受ける。サービスは任意のサービスを提供するようにしてよいが、本実施の形態における利用者端末4は遺失物の検索サービスの他、駅舎や周囲の場所への道案内サービスや、乗り換え案内サービスを対話型サービスとして利用者に提供する。
【0032】
遺失物検索条件入力部42は、前述の対話部41による利用者との対話において、提示した質問に利用者が回答することにより、所定の属性及び/又は所定の申し送り事項の一部又は全部について入力する。本実施の形態における遺失物検索条件入力部42は、所定の属性及び/又は所定の申し送り事項のいずれか一に関する質問を提示する質問提示部421と、質問提示部421が提示した質問に対する利用者の回答を音声又はタッチパネルにより入力する質問回答部422を備えている。
【0033】
遺失物検索部43は、前述の遺失物検索条件入力部42により入力された所定の属性及び/又は所定の申し送り事項の一部または全部に基づいて、前述の遺失物取得部23による遺失物情報の取得を行い、当該取得した遺失物情報に基づいて遺失物の保管場所を提示する。
【0034】
本実施の形態における利用者端末4は、前述のとおり、駅舎の所定の場所に配置された端末である。本実施の形態において、利用者端末4はディスプレイその他の表示装置(図示しない)を備えるコンピュータであり、コンピュータのストレージ装置に記憶されたプログラムをメモリにロードしてCPUが実行することにより、当該コンピュータを利用者端末4として機能させる。なお、本実施の形態において利用者端末4は駅舎の所定の場所に配置された端末であるが、どのようなコンピュータを用いて利用者端末4を構成するかは任意に選択してよく、例えば、利用者が所持するスマートフォンを用いて利用者端末4を構成するようにしてもよい。
【0035】
ネットワーク5は、遺失物管理サーバ2を作業者端末3及び利用者端末4と通信可能に接続する。ネットワーク5としては周知の計算機ネットワークを用いることができ、例えばインターネット等の広域ネットワークを用いてもよいし、局所的なLAN(Local Area Network)を用いてもよいし、広域ネットワーク上に構築したVPN(Virtual Private Network)を用いてもよい。また、ネットワーク5は有線ネットワークでもよいし、無線ネットワークでもよいし、これらを組合わせたネットワークでもよい。
【0036】
以上が、本実施の形態における遺失物管理システム1全体の構成である。
【0037】
次いで、本実施の形態における、遺失物情報登録の処理の流れについて説明する。図2は、本実施の形態における、遺失物登録の流れを示すフロー図である。本実施の形態における遺失物登録は、駅舎や車両その他の鉄道施設において遺失物を発見した作業者である駅員その他の従業員が、作業者端末3を操作して行う。
【0038】
遺失物を発見した作業者は、作業者端末3を用いて発見した遺失物の画像を撮像する。作業者が作業者端末3を操作して遺失物の登録を開始すると、作業者端末3は作業者端末3の表示装置に遺失物撮像画面を表示する。
【0039】
図3は、本実施の形態における遺失物撮像画面の構成を模式的に示す図である。図3で示すように、本実施の形態における遺失物画像表示画面W1は、映像W11と撮像ボタンW12を備えている。映像W11は作業者端末3の遺失物撮像部31の撮像範囲を示す映像であり、当該撮像範囲に遺失物が収まるように作業者端末3の位置及び遺失物との距離を作業者が調整して撮像ボタンW12を押下すると、作業者端末3の遺失物撮像部31により、撮像ボタンW12を押下したタイミングにおける映像W11を遺失物画像として撮像する(ステップS11参照)。
【0040】
遺失物画像が撮像されると、次いで、作業者端末3は、当該撮像した遺失物に関する所定の属性を取得及び表示する(ステップS12参照)。作業者端末3は、前述のステップS11により遺失物画像が撮像されると、当該遺失物画像を含む遺失物属性要求情報を生成し遺失物管理サーバ2に送信する。遺失物管理サーバ2は遺失物属性要求情報を受信すると、遺失物属性取得部21により遺失物画像を画像認識して遺失物の所定の属性を取得して作業者端末3に送信する。作業者端末3は遺失物管理サーバ2から送信された所定の属性を受信すると、作業者端末3の遺失物属性表示部32により、表示装置に属性表示画面を表示する。
【0041】
遺失物の所定の情報を取得する方法については周知の特徴抽出及び検索方法を任意に選択してよく、例えば、遺失物画像から画像認識により形状、色その他の特徴を抽出し、当該抽出した情報を検索条件として、物品の所定の特徴を記録したデータベースから合致する物品を検索するようにしてもよい。又は、機械学習により生成された推論モデルを用いて、遺失物画像から所定の属性を推測するようにしてもよい。
【0042】
図4は、本実施の形態における、属性表示画面の構成を模式的に示す図である。図4で示すように、本実施の形態における属性表示画面W2は、遺失物画像W21と、名称W22と、種類W23と、形状W24と、色W25と、次へボタンW26を備えている。属性表示画面W2において、遺失物画像W21はステップS11により撮像した遺失物画像であり、名称W22~色W25はステップS12で取得した所定の属性である。なお、本実施の形態では遺失物管理サーバ2から取得した所定の属性を作業者端末3に表示しているが、例えば、属性表示画面W2において、所定の属性を作業者が任意に変更その他の修正ができるようにしてもよい。例えば、属性表示画面W2の名称W22、種類W23、形状W24、色W25のうち少なくとも何れか一つを修正項目選択ボタンとして構成することもできる。この場合、利用者が、修正項目選択ボタンとして構成された名称W22、種類W23、形状W24、色W25の何れかを選択すると、選択された項目をテキスト入力等によって修正することができるように構成できる。
【0043】
作業者が作業者端末3を操作して属性表示画面W2の次へボタンW26を押下すると、作業者端末3の遺失物申し送り事項入力部33により、作業者端末3の表示装置に申し送り事項入力画面を表示して、所定の申し送り事項を作業者に入力させる(ステップS13)。
【0044】
図5は、本実施の形態における、申し送り事項入力画面の構成を示す図である。図5で示すように、申し送り事項入力画面W3は、申し送り事項入力フォームW31と、登録ボタンW32を備えている。前述のとおり、本実施の形態における申し送り事項は、遺失物の拾得日時と、遺失物の拾得場所と、遺失物の保管場所から構成されており、申し送り事項入力フォームW31も上記に対応する拾得日時フォームW31aと、列車名フォームW31bと、号車フォームW31cと、座席番号フォームW31dと、保管場所フォームW31eを備えている。
本実施の形態における遺失物管理システム1は前述のとおり鉄道施設における遺失物を管理する情報システムであり、所定の申し送り事項は、遺失物を列車内で拾得した場合に拾得場所として列車名と、号車と、座席番号を含むように構成されている。なお、所定の申し送り事項にどのような情報を含めるかは任意に選択してよく、例えば、列車以外の鉄道施設で遺失物を拾得した場合に備えて更に拾得施設フォームを設けてよい。
また、所定の申し送り事項の一部に基づいて、作業者に入力させる所定の申し送り事項を変更するようにしてもよい。例えば、駅舎で遺失物を拾得した場合には当該駅舎の階及び区画を拾得場所として入力させ、車両で遺失物を拾得した場合には図5で示すように列車名、号車、座席番号を拾得場所として入力させるようにしてもよい。
さらに、本実施の形態においては、申し送り事項は、作業者端末3によって自動的に作成されるように構成されてもよい。例えば、作業者端末3に設定された位置情報取得部(図示せず)や利用者情報設定部や乗車車両情報設定部や日時情報設定部などにより、作業者端末3によって遺失物情報が記録された場所(駅名や列車名や号車名なども含む)や日時や駅員や乗務員等の情報を自動的に取得できるように構成してもよい。この場合、図5に示す申し送り事項入力画面W3の申し送り事項入力フォームW31のうち、自動設定できる事項に対応するフォームが表示されないように構成することもできる(例えば、作業者端末3で遺失物取得日時を自動取得できる場合には、拾得日時フォームW31aを表示しない構成とすることもできる。)。
【0045】
作業者が作業者端末3を操作して所定の申し送り事項を入力し、登録ボタンW32を押下すると、作業者端末3の遺失物登録要求部34により、遺失物情報の登録が要求される(ステップS14参照)。本実施の形態では、ステップS11で撮像した遺失物画像と、ステップS12で取得及び表示した所定の属性と、ステップS13で入力された所定の申し送り事項を含む遺失物情報が生成され、遺失物管理サーバ2に遺失物情報を送信して登録を要求する。遺失物管理サーバ2が当該要求及び遺失物情報を受信すると、遺失物登録部22により遺失物管理サーバ2が備える遺失物データベースに遺失物情報が記録される。
【0046】
ステップS14による遺失物情報の登録が完了すると、作業者端末3は表示装置に登録完了画面を表示する。図6は、本実施の形態における登録完了画面の構成を模式的に示す図である。図6で示すように、登録完了画面W4は、登録完了メッセージW41と、次を撮影ボタンW42を備えている。次を撮影ボタンW42を押下すると、作業者端末3は表示装置に遺失物画像表示画面W1を再度表示し、ステップS11~S14の処理を繰り返し実行する。
【0047】
以上が、本実施の形態における遺失物登録の流れである。
【0048】
次いで、本実施の形態における遺失物問合せ対応の流れについて説明する。
【0049】
図7は、本実施の形態における遺失物問合せ対応の流れを示すフロー図であり、図8は、本実施の形態における対話画面の構成を模式的に示す図である。前述のとおり、本実施の形態における利用者端末4は、駅舎の所定の場所に設置された端末である。利用者端末4は、利用者端末4の表示装置に図8で示す対話画面W5を表示して、利用者からの問合せに応じて対話サービスを提供する。図8で示すように、対話画面W5は、アバターW51と、選択アイコンW52と、発話・質問表示部W53と、音声入力アイコンW54と、音量調整アイコンW55と、言語選択アイコンW56を備えている。
【0050】
アバターW51は、利用者と対話を行うキャラクターである。本実施の形態では、アバターW51は、利用者が発話する際にはうなずきや聞き耳を立てる動作のアニメーションを行い、利用者端末4が音声出力を行う際には、アバターW51が当該音声を発話しているようにアニメーションする。また、利用者端末4が音声出力した際には、当該出力した音声内容をテキスト化して発話・質問表示部W53に表示する。
【0051】
発話・質問表示部W53には、利用者端末4が利用者に提示する質問や、利用者の発話した音声がテキストで表示される。図8図12には、発話・質問表示部W53に、利用者端末4が利用者に提示する質問がテキスト表示された状態が示されている。図13には、発話・質問表示部W53に、利用者の発話した音声をテキスト表示した状態が示されている。
【0052】
なお、発話・質問表示部W53には、処理の過程ごとに、利用者に提示する質問と、利用者の発話した音声とが逐次表示されるように構成されてもよい。たとえば、利用者端末4が利用者の発話した音声を認識したときには発話・質問表示部W53に認識された音声がテキスト表示され、利用者端末4が利用者に質問を行う際には、発話・質問表示部W53に表示された音声認識結果のテキスト表示が利用者への質問文のテキスト表示に切り替わるように構成されてもよい。
【0053】
本実施の形態において、利用者端末4の表示装置はタッチスクリーン式のディスプレイで構成されている。利用者は音声の他に、対話画面W5の所定の場所に触れることで、当該触れた場所のアイコンやボタンを押下することができる。
【0054】
利用者が音声入力アイコンW54を押下して遺失物に対する問合せを行いたい旨発話すると、利用者端末4は遺失物問合せ対応の処理を開始する。本実施の形態における遺失物問合せ対応の処理は、遺失物検索条件入力処理(ステップS21参照)と、遺失物検索処理(ステップS22参照)から構成されている。
【0055】
ステップS21は、利用者に質問を提示し、当該提示した質問に利用者が回答することにより、所定の属性及び/又は所定の申し送り事項の一部又は全部を検索条件として入力する。本実施の形態では、ステップS21は利用者端末4の遺失物検索条件入力部42によって行われる処理である。
【0056】
具体的には、質問提示部421が所定の属性及び/所定の申し送り事項の何れか一について対話画面W5に表示することにより利用者に質問を提示し(ステップS211参照)、提示した質問に対して利用者が音声入力アイコンW54を押下して発話するか、又は、選択アイコンW52の何れかを選択することにより回答の入力を受ける(ステップS212)。
【0057】
図8においては、選択アイコンW52の中に「忘れ物」ボタンW52aが設けられている。利用者がこの「忘れ物」ボタンW52aを選択すると、遺失物管理システム1において遺失物の特定を行うための処理を実行させることができる。また、利用者が音声入力アイコンW54を押下して「忘れ物をしました。」「落とし物を探しています。」等、遺失物の特定を要求するための音声を発話すると、遺失物管理システム1において遺失物の特定を行うための処理を実行させることができる。
【0058】
利用者端末4は、利用者の選択アイコンW52の選択や音声入力アイコン54の選択後に音声によって入力された回答により、一又は所定数の遺失物を特定可能となるまでステップS211、S212を繰り返す。
【0059】
これにより、遺失物管理システム1は、利用者端末4の利用者に対し、対話型サービスの提供、すなわち、利用者端末4と利用者とが質問と応答とを1回ないし複数回行うことで、利用者の所望するサービスの提供(ここでは忘れ物の特定など)を行うことができる。
【0060】
なお、利用者端末4は、選択アイコンW52の選択と発話による音声入力を併用できるように構成し、利用者に対し、選択アイコンW52の選択による情報入力と音声入力による情報入力を併用させることもできる。
【0061】
なお、遺失物が特定可能か否かを判定する方法は任意に選択してよく、例えば、ステップS211、S212で得られた回答に基づいて遺失物管理サーバ2に該当する遺失物情報の数を取得する要求を送信して、当該要求に対する遺失物管理サーバ2の返信に含まれる遺失物情報の数が一又は所定数以下かを判定するようにしてよい。また、遺失物検索部43又は遺失物管理サーバ2の遺失物取得部23を用いて遺失物情報を取得し、当該取得した遺失物情報の数が一又は所定数以下かを判定するようにしてもよい。
【0062】
図9図13は、本実施の形態における対話画面による質問提示の例を示す図である。
【0063】
図9の対話画面W5は、図8の対話画面W5で「忘れ物」ボタンW52aが押下された結果表示される画面の一例である。図9の対話画面W5は、利用者に遺失物の種類に関する質問を提示する例であり、質問表示部W53には「何をお忘れになりましたか?」という、利用者端末4から利用者への質問がテキスト表示され、選択アイコンW52には遺失物の対象物を選択するボタンが複数設けられている。
【0064】
図9において、利用者が「財布」の選択ボタンW52bを押下すると、図10に示すように、対話画面W5には遺失物の形状に関する質問が提示される。即ち、質問表示部W53には「どのような「形状」ですか?」という、利用者端末4から利用者への質問がテキスト表示され、選択アイコンW52には遺失物の「財布」の形状を選択するボタンが複数設けられている。
【0065】
図10において、利用者が「長財布」の選択ボタンW52cを押下すると、図11に示すように、対話画面W5には遺失物の色に関する質問が提示される。即ち、質問表示部W53には「どのような「色」ですか?」という、利用者端末4から利用者への質問がテキスト表示され、選択アイコンW52には遺失物の「長財布」の色を選択するボタンが複数設けられている。
【0066】
図11において、利用者が「茶色」の選択ボタンW52dを押下すると、図12に示すように、対話画面W5には遺失物の遺失時期に関する質問が提示される。即ち、質問表示部W53には「いつ落としましたか?」という、利用者端末4から利用者への質問がテキスト表示され、選択アイコンW52には遺失物の遺失時期を選択するボタンが複数設けられている。利用者は、選択アイコンW52の中から該当するアイコン、たとえば昨日遺失したことを示す「昨日」ボタンW52eを押下することで遺失物の特定を行う。
【0067】
図8図12に示すように、利用者端末4は、対話型サービスによって利用者の遺失物特定を行わせる。
【0068】
一方、図13は、図8の対話画面W5において、音声入力アイコン54が押下された際の対話画面W5表示の一例である。図13においては、図9図12の選択アイコンW52に替えて、発話表示部W57が示される。ここでは、質問表示部W53には、利用者端末4から利用者への質問がテキスト表示され、発話表示部W57には、利用者の発話を利用者端末4が音声認識機能によって認識した結果がテキスト表示される。図13の対話画面13においては、質問表示部53に、図9図12において例示したものと同様の利用者に対する質問がテキスト表示され、それに対して利用者が音声発話で回答すると、利用者端末4が利用者の発話内容を音声認識し、発話表示部57に表示する。即ち、利用者端末4は、利用者の音声発話の認識により、利用者が「忘れ物を探している」「茶色の長財布である。」「昨日遺失した」等の遺失物情報を取得する。
【0069】
図8図13に示すように、利用者端末4は、対話型サービスによって利用者の遺失物特定を行わせる。
【0070】
なお、本実施の形態において、利用者端末4の対話画面W5において、検索条件の入力方法は任意に選択されるようにできる。
【0071】
例えば、利用者端末4においては、図9に示す対話画面W5の選択アイコンW52に替えて、利用者にテキストによる自由入力で遺失物の情報を入力させるようにしてもよいし、図13に示す対話画面W5において、利用者の自由発話による遺失物の特定(まず「財布」、次に「長財布」、次に「茶色」、・・・のように項目を区切って質問に応えさせるのではなく、「〇月×日に△△駅で茶色い長財布を落としてしまいました。」等のように、利用者に遺失物を特定する複数の項目を一気に発話させて、その発話内容を音声認識機能によって解析し、「長財布」「茶色」等の遺失物の特定に要する項目を抽出する構成とする、などが考えられる。)を行うように構成してもよい。
【0072】
以上のように、ステップS21に検索条件入力の手順が行われる。
【0073】
ステップS21の検索条件入力が完了すると、利用者端末4は遺失物検索部43により、入力された検索条件である所定の属性及び/又は所定の申し送り事項の一部又は全部に基づく遺失物の検索を行う(ステップS22)。
【0074】
本実施の形態におけるステップS22は、具体的には遺失物情報の取得と(ステップS221参照)、検索結果の表示(ステップS222参照)から構成されている。
【0075】
ステップS221は、ステップS21で入力された所定の属性及び/又は所定の申し送り事項の一部又は全部に基づいて、遺失物管理サーバ2の遺失物取得部23により遺失物情報を取得する。
【0076】
図14は、本実施の形態における、検索実行画面W6の構成を模式的に示す図である。図14で示すように、検索実行画面W6は検索中メッセージW61と、検索進捗W62を備えている。検索実行画面W6は、ステップS221が実行されている間、利用者端末4の表示装置に表示される。
【0077】
ステップS221による遺失物情報の取得が完了すると、次いで、利用者端末4は、取得した遺失物情報に基づいて、遺失物の保管場所を提示する(ステップS222)。
【0078】
図15は、本実施の形態における、検索結果画面W7の構成を模式的に示す図である。図15で示すように、検索結果画面W7は、保管場所W71と、注意事項W72から構成されている。
【0079】
本実施の形態における遺失物問合せ対応の流れは以上である。本実施の形態では、作業者端末3によって登録される遺失物情報は、遺失物画像と、所定の属性と、所定の申し送り事項を含んでおり、利用者端末4を介して利用者の遺失物に関する問合せに対応する際には、対話画面W5のアバターW51が利用者と対話して、所定の属性及び/又は所定の申し送り事項について質問を提示し、回答の入力を受ける。本実施の形態では、この構成により、遺失物を拾得した作業者が当該遺失物を登録する際の情報と、利用者に対して対話する情報が対応しているので、対話サービスによって遺失物の捜索を行うことができる。
【0080】
本実施の形態の説明は以上であるが、本発明の構成は上記実施の形態に限られるものではない。
【0081】
例えば、上記実施の形態において、遺失物管理システム1は、鉄道施設における遺失物を管理するシステムとしたが、鉄道以外の交通機関、例えば、乗合バス、観光バス、タクシー、航空機、旅客船などの各種の交通機関での遺失物管理に用いられるシステムであってもよい。
【0082】
また、本実施形態の遺失物管理システム1は、交通機関以外の、不特定の利用者の遺失物が発生しうる施設や機関での遺失物管理に用いられるシステムであってもよい。具体的には、遺失物管理システム1は、例えば、市区町村の運営する公民館や集会場や体育館や公園、民間の野球場やサッカー場やイベントホール、チェーン店で店舗展開される居酒屋やレストランやコンビニエンスストアや各種量販店等での遺失物管理に用いられるシステムであってもよい。
【0083】
また、上記実施の形態において、遺失物管理システム1は、利用者端末4は、鉄道施設であり、駅舎の所定の場所に設置された端末としたが、これに限定されず、多様な端末において実現可能である。
【0084】
例えば、本実施の形態の利用者端末4は、駅舎や鉄道施設以外の場所、例えば、街頭の大通りや商店街、公園や公民館等の公共施設などに設置された、デジタルサイネージ等の電子掲示板であってもよい。
【0085】
また例えば、本実施の形態の利用者端末4は、利用者の所持するスマートフォンやタブレット等の携帯情報端末であり、利用者が、自らの携帯情報端末を利用者端末4として用いることで、本実施の形態の遺失物管理システム1を利用できる構成とすることもできる。さらにまた例えば、本実施の形態の利用者端末4は、遺失物管理サーバ2等と通信可能であり、利用者にVR(Virtual Reality)システム等のような仮想空間を提供し、この仮想空間内で利用者が忘れ物検索を行える装置として構成することもできる。
【0086】
また例えば、本実施の形態におけるステップS13では、申し送り事項入力画面W3では、申し送り事項入力フォームW31を用いて所定の申し送り事項を作業者に入力させるが、所定の申し送り事項の一部又は全部を音声入力によって入力させるようにしてもよい。
【0087】
その他の具体的な構成も本実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 遺失物管理システム
2 遺失物管理サーバ
21 遺失物属性取得部
22 遺失物登録部
23 遺失物取得部
3 作業者端末
31 遺失物撮像部
32 遺失物属性表示部
33 遺失物申し送り事項入力部
34 遺失物登録要求部
4 利用者端末
41 対話部
42 遺失物検索条件入力部
421 質問提示部
422 質問回答部
5 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-07-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設における遺失物を管理する遺失物管理システムであって、
前記遺失物を撮影した遺失物画像の画像認識を行うことにより、前記遺失物に関する所定の属性を取得する、遺失物属性取得部、及び
前記所定の属性及び所定の申し送り事項を含む遺失物情報を登録する、遺失物登録部、及び、前記所定の属性及び/又は前記所定の申し送り事項の一部又は全部に基づいて前記登録された遺失物情報を取得する、遺失物取得部、
を備える遺失物管理サーバと、
前記遺失物画像を撮像する遺失物撮像部、及び
前記所定の申し送り事項を入力する遺失物申し送り事項入力部、及び
前記遺失物撮像部が撮像した画像から前記遺失物属性取得部が取得した所定の属性と、前記入力した前記所定の申し送り事項を含む前記遺失物情報の登録を前記遺失物管理サーバに要求する、遺失物登録要求部、
を備える作業者端末と、
利用者との間で、映像による情報の授受、及び/又は、音声による情報の授受を行う対話型サービスを提供する対話部及び、
前記利用者に前記遺失物を検索させるための情報を出力すると共に前記利用者が入力した前記遺失物を検索させるための情報を取得する遺失物検索条件入力部、及び
前記入力した前記所定の属性及び/又は前記所定の申し送り事項の一部又は全部に基づいて前記遺失物取得部による前記遺失物情報の取得を行い、該取得した前記遺失物情報に基づいて前記遺失物の保管場所を提示する、遺失物検索部、
を備える利用者端末とを備え、
前記遺失物検索条件入出力部は、前記遺失物管理サーバの前記遺失物登録部に登録された前記所定の属性、及び/又は、前記所定の申し送り事項を特定するための質問を前記利用者に提示する質問提示部と、該質問提示部によって提示された前記質問に対する前記利用者の回答を取得する質問回答部とを備え、
前記質問提示部は、文字、又は、画像を含む前記映像の表示にて前記利用者に前記遺失物管理サーバの前記遺失物登録部に登録された前記遺失物情報を特定するための質問を生成し提示する第一質問提示部及び、前記音声にて前記利用者に前記遺失物管理サーバの前記遺失物登録部に登録された前記遺失物情報を特定するための質問を生成し提示する第二質問提示部を有し、
前記質問回答部は、前記第一質問提示部、又は、前記第二質問提示部によって提示された前記質問に対し、前記利用者の操作手段を用いた所定の手動操作によって入力された前記利用者の回答を取得する第一質問回答部及び、前記第一質問提示部、又は、前記第二質問提示部によって提示された前記質問に対し、前記利用者の発話による音声によって入力された前記利用者の回答を取得する第二質問回答部を有し、
前記質問提示部は、前記利用者に対し、
前記第一質問提示部による、一の前記遺失物を特定するための前記遺失物情報の前記映像による提示、及び/又は、前記第二質問提示部による、一の前記遺失物を特定するための前記音声による提示を行い、
前記利用者に対し、
前記利用者の前記操作手段による回答、及び、
前記利用者の前記発話による、複数の前記遺失物情報のそれぞれを順次入力する回答、及び、前記利用者の前記発話による、複数遺失物情報を一度に入力する回答、のいずれかを任意選択可能に提供することを特徴とする、遺失物管理システム。
【請求項2】
前記遺失物申し送り事項入力部は、前記所定の申し送り事項の一部又は全部を音声入力
によって入力する
ことを特徴とする、請求項1記載の遺失物管理システム。
【請求項3】
前記所定の属性は、前記遺失物の名称と、種類と、形状と、色とを含む
ことを特徴とする、請求項1記載の遺失物管理システム。
【請求項4】
前記施設は鉄道施設であって、
前記申し送り事項は、前記遺失物を拾得した場所を示す拾得場所を含み、
前記拾得場所は、前記遺失物を列車内で前記拾得した場合に列車名と、号車と、座席番
号とを含む
ことを特徴とする、請求項1記載の遺失物管理システム
【請求項5】
前記対話部は、前記利用者端末の表示部にアバターを表示させて前記対話型サービスを
提供することを特徴とする請求項1に記載の遺失物管理システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
かかる課題を解決するために、請求項1の発明に係る遺失物管理システムは、施設における遺失物を管理する遺失物管理システムであって、前記遺失物を撮影した遺失物画像の画像認識を行うことにより、前記遺失物に関する所定の属性を取得する、遺失物属性取得部、及び、前記所定の属性及び所定の申し送り事項を含む遺失物情報を登録する、遺失物登録部、及び、前記所定の属性及び/又は前記所定の申し送り事項の一部又は全部に基づいて前記登録された遺失物情報を取得する、遺失物取得部、を備える遺失物管理サーバと、前記遺失物画像を撮像する遺失物撮像部、及び、前記所定の申し送り事項を入力する遺失物申し送り事項入力部、及び、前記遺失物撮像部が撮像した画像から前記遺失物属性取得部が取得した所定の属性と、前記入力した前記所定の申し送り事項を含む前記遺失物情報の登録を前記遺失物管理サーバに要求する、遺失物登録要求部、を備える作業者端末と、利用者との間で、映像による情報の授受、及び/又は、音声による情報の授受を行う対話型サービスを提供する対話部及び、前記利用者に前記遺失物を検索させるための情報を出力すると共に前記利用者が入力した前記遺失物を検索させるための情報を取得する遺失物検索条件入力部、及び、前記入力した前記所定の属性及び/又は前記所定の申し送り事項の一部又は全部に基づいて前記遺失物取得部による前記遺失物情報の取得を行い、該取得した前記遺失物情報に基づいて前記遺失物の保管場所を提示する、遺失物検索部、
を備える利用者端末とを備え、前記遺失物検索条件入出力部は、前記遺失物管理サーバの前記遺失物登録部に登録された前記所定の属性、及び/又は、前記所定の申し送り事項を特定するための質問を前記利用者に提示する質問提示部と、該質問提示部によって提示された前記質問に対する前記利用者の回答を取得する質問回答部とを備え、前記質問提示部は、文字、又は、画像を含む前記映像の表示にて前記利用者に前記遺失物管理サーバの前記遺失物登録部に登録された前記遺失物情報を特定するための質問を生成し提示する第一質問提示部及び、前記音声にて前記利用者に前記遺失物管理サーバの前記遺失物登録部に登録された前記遺失物情報を特定するための質問を生成し提示する第二質問提示部を有し、前記質問回答部は、前記第一質問提示部、又は、前記第二質問提示部によって提示された前記質問に対し、前記利用者の操作手段を用いた所定の手動操作によって入力された前記利用者の回答を取得する第一質問回答部及び、前記第一質問提示部、又は、前記第二質問提示部によって提示された前記質問に対し、前記利用者の発話による音声によって入力された前記利用者の回答を取得する第二質問回答部を有し、前記質問提示部は、前記利用者に対し、前記第一質問提示部による、一の前記遺失物を特定するための前記遺失物情報の前記映像による提示、及び/又は、前記第二質問提示部による、一の前記遺失物を特定するための前記音声による提示を行い、前記利用者に対し、前記利用者の前記操作手段による回答、及び、前記利用者の前記発話による、複数の前記遺失物情報のそれぞれを順次入力する回答、及び、前記利用者の前記発話による、複数遺失物情報を一度に入力する回答、のいずれかを任意選択可能に提供することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記所定の属性は、前記遺失物の名称と、種類と、形状と、色とを含むことを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記施設は鉄道施設であって、前記申し送り事項は、前記遺失物を拾得した場所を示す拾得場所を含み、前記拾得場所は、前記遺失物を列車内で前記拾得した場合に列車名と、号車と、座席番号とを含むことを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記対話部は、前記利用者端末の表示部にアバターを表示させて前記対話型サービスを提供することを特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】