(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010889
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】名刺入れ
(51)【国際特許分類】
A45C 11/18 20060101AFI20240118BHJP
B42F 17/08 20060101ALI20240118BHJP
B42F 7/14 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A45C11/18 Z
B42F17/08 C
B42F7/14 C
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112458
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】518001427
【氏名又は名称】株式会社業態開発研究所
(72)【発明者】
【氏名】野村直之
(72)【発明者】
【氏名】岡一重
【テーマコード(参考)】
2C017
3B045
【Fターム(参考)】
2C017SA06
2C017SB05
2C017SD01
2C017VA02
2C017VB19
2C017VC03
3B045BA06
3B045CE07
3B045CE08
3B045CE09
3B045DA34
3B045EA06
3B045FC04
3B045FC06
3B045FC09
(57)【要約】
【課題】名刺の収納枚数が常に目視確認が出来る状態のままで、格納および取り出しが簡易な名刺入れを提供する。
【解決手段】側面3方を囲う枠体1と上面および底面を囲う内板2・3と固定ピン4で構成される箱体に名刺を収納することで、開口部より常に名刺が見える状態となるが、この状態では開口部から名刺がすぐに箱体から飛び出してくる。これを、枠体1と同じ厚み寸法で名刺bが開口部から飛出しを抑えることの出来る最小長さの開閉レバー5を、内板2・3と固定ピン4で回転移動が可能な状態で組み込むことで、ほぼ定寸化されている名刺あるいは同等寸法のカード限定で密封された空間と同様の閉塞された空間を有した箱体となり、内板の外側から構成部材の固定と製品の仕上げとなる仕上げ板6・7を接着固定することで構成されている名刺入れaである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体に名刺を格納する名刺入れであり、内部空間は、開口部以外の全ての面が平滑な状態を確保し、開閉レバーのみで名刺を格納することにより名刺の取り出し部開口の大半が見えている状態になっていることを特徴とする名刺入れ。
【請求項2】
凸部を保有する開閉レバーと凹部を保有する枠体を、固定ピンおよびピンと同一径の穴を適所に有した内板とで箱体を構成する名刺入れで、枠体の凹部が開閉レバーの凸部と合致することで、開閉レバーの固定機能を有し、開閉レバーの凸部の動きに連動して枠体の凹部が可動することによる弾性効果で、合致性と耐久性の向上を図る事を特徴とする名刺入れ。
【請求項3】
箱体を仕上げ板・枠体・開閉レバー・内板および固定ピンで構成しているが、閉塞時において上面・底面および側面部の全ての面において突起物を一切有していない形状であることを特徴とする名刺入れ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、名刺入れに関し、収容されている枚数が常に目視できる状態にありながら、名刺を格納できる開閉レバーを有する名刺入れに関する。
【背景技術】
【0002】
名刺を収納するための名刺入れが各種提案されている。例えば、特許文献1は、本体の蓋の開閉で機能する箱状の名刺入れが、また特許文献2は、本体から摩擦力で1枚ずつ名刺を取り出す名刺入れが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-136340
【特許文献2】特開2015-16055
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実際の名刺の交換は、相手が一人の場合や複数人数の場合があり、特に複数人数の時には、一枚ずつ名刺を出す行為や、蓋を開けたままの状態での名刺交換をした場合、名刺入れから名刺を取り出す時や名刺を渡す時、さらに名刺を受け取る時の名刺入れの動作が簡潔でなく、スムーズな名刺交換を行いにくいという課題がある。
また、蓋をあけなければ格納している名刺の収納数が分からない様な名刺入れが大半の状況の中で、格納している状態で現時点の収納数が把握できず補充のタイミングをのがしているという、潜在的な課題も存在している。
よりスムーズな名刺交換と適時での名刺補充が可能となる名刺入れの提案要望が強くある。
【0005】
本発明は、このような要望を実現できるもので、よりスムーズな名刺交換と適時での名刺補充が可能となる名刺入れの提案になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、名刺入れに係る請求項1の発明は、箱体の空間に名刺を格納する名刺入れであり、内部空間は、開口部以外の全ての面が平滑な状態を確保し、開口部には開閉レバーを取り付ける。開閉レバーは、固定ピンを中心に限定された回転角の範囲で回転し、開閉レバーの羽部の長さは、閉塞時に開口部と名刺の差よりも若干長く寸法を設定し、開放時に開口部分に干渉しない長さで寸法設定されることで、開閉レバーが開放する位置にある時は開閉レバーは開口部に干渉することなく名刺の出し入れが出来ることと、開閉レバーが閉塞する位置にある時は、名刺の一部分を開閉レバーで抑えることで、開口部から名刺の出し入れが出来なくなることを特徴とする。
本発明によれば、閉塞時に開口部と名刺の差よりも若干長く寸法を設定し、開放時に開口部分に干渉しない長さで寸法設定された長さの開閉レバーを使うことにより、よりスムーズな名刺交換と適時での名刺補充が可能となる名刺入れを実現することが出来る。
【0007】
上記課題を解決するために、名刺入れに係る請求項2の発明は、凸部を保有する開閉レバーと凹部を保有する枠体を内板と固定ピンで構成する箱体で、枠体の凹部が開閉レバーの凸部と合致することで、開閉レバーの固定機能を有することを特徴とする。
また、枠体を内板は接着固定により、箱体の内部空間は密閉されている状態とするが、枠体の凹部のある部分については、内板と接着固定は行わず、開閉レバーの凸部の動きに連動して枠体の凹部が可動することによる弾性効果で、合致性と耐久性の向上を図る事を特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するために、名刺入れに係る請求項3の発明は、箱体を枠体・開閉レバー・内板および固定ピンで構成している上面および底面は、構成された閉塞時の外形と同一の形状を有した仕上げ板を接着固定することで、上面および底面に突起物を一切有していない状態にあり、側面部においても平滑な枠体・開閉レバーおよび仕上げ板の側面が外形の柱体状態となり、全ての面において突起物を一切有していない形状であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、よりスムーズな名刺交換と適時での名刺補充が可能となる名刺入れを実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態における実施例1を示す名刺入れの構成を示す隠線表示の斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態における実施例1を示す名刺入れの開閉レバーを閉塞した状態で、内板3および仕上げ板7を明示しないことで箱体の内部空間が閉塞状態にあることを示し、名刺bが格納されている状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態における実施例1を示す名刺入れの開閉レバーを開放した状態で、内板3および仕上げ板7を明示しないことで、箱体の内部空間が開放状況にあることを示し、名刺bの出し入れが可能な状態を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態における実施例1を示す名刺入れの開閉レバーを開放した状態で、内板3および仕上げ板7を明示しないことで、箱体の内部空間が閉塞状態にあることを示し、名刺bを取り出しまたは収納の動作の中で名刺bが開閉レバー5と干渉しないことを示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態における実施例1を示す名刺入れの開閉レバーを閉塞した状態で、内板3および仕上げ板7を明示しないことで、箱体の内部空間が閉塞状態にあることを示し、名刺bが格納されている状態を示す上面図である。
【
図6】本発明の実施形態における実施例1を示す名刺入れの開閉レバーを開放した状態で、内板3および仕上げ板7を明示しないことで、箱体の内部空間が開放状況であること示し、名刺bを取り出しまたは収納の動作の中で名刺bが開閉レバー5と干渉しないことを開口部の延長ラインを11で示す上面図である。
【
図7】本発明の実施形態における実施例1を示す名刺入れの開閉レバーを閉塞している状態で、名刺bが格納されている状態を示す側面図である。
【
図8】本発明の実施形態における実施例1を示す名刺入れの開閉レバー5を開放している状態で、開口部から名刺bの大半が見えている状態を示す側面図である。
【
図9】本発明の実施形態における実施例1を示す名刺入れの開閉レバー5を閉塞している状態で、名刺bと開閉レバーの重なる部分を確認出来る隠線表示の側面図である。
【
図10】本発明の実施形態における実施例2を示す名刺入れの開閉レバー5を閉塞している状態で、枠体1の凹部と開閉レバー5の凸部が固定されている状態を、枠体1と固定ピン4と開閉レバー5および名刺bを明示した上面図である。
【
図11】本発明の実施形態における実施例2を示す名刺入れの開閉レバー5を開放している状態で、枠体1の凹部と開閉レバー5の凸部が固定されている状態を、枠体1と固定ピン4と開閉レバー5および名刺bを明示した上面図である。
【
図12】本発明の実施形態における実施例2を示す名刺入れの、開閉レバー5を開放から閉塞あるいは閉塞から開放に切り替える動作を行ったときに、開閉レバー凸部が枠体1に干渉する状態を枠体1の先端部と開閉レバー5の突起5-2の交差する線で明示した上面図である。
【
図13】本発明の実施形態における実施例2を示す名刺入れの、開閉レバー5を開放から閉塞あるいは閉塞から開放に切り替える動作中に開閉レバー凸部が、枠体1に干渉しながら枠体1の先端部が開閉レバー5の突起5-2の動きに合わせて可動する状態と斜線部で枠体1と内板の接着固定の範囲を明示した上面図である。
【
図14】本発明の実施形態における実施例2を示す名刺入れの開閉レバー5を閉塞している状態で、枠体1の凹部と開閉レバー5の凸部が固定されている状態と斜線部で枠体1と内板の接着固定の範囲を明示した上面図である。
【
図15】本発明の実施形態における実施例3を示す名刺入れの構成を示す外観表示の名刺の取り出し側をみた斜視図である。
【
図16】本発明の実施形態における実施例3を示す名刺入れの構成を示す外観表示の名刺の取り出しの対面側を底面からみた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施するための形態は、図面を参照して説明する。本発明の名刺入れaは、枠体1と内板2および3を固定ピン4で構成することで箱体を形成し名刺を格納する。この箱体の名刺bを出し入れするための開口を蓋もしくはカバーの様な閉塞具を使用すれば簡易に名刺bを格納することが可能であるが、その場合においては、収納されている名刺bの収納枚数が可視出来ない状態となるが本発明は、開閉レバー5を枠体1と内板2および3を構成する固定ピン4を回転軸として使用し、開閉レバー5の長さを最小とすることで、名刺bを出し入れするための開口をほぼオープンな状態にしている。以下、名刺入れaの詳細を実施例1ないし4において説明する。
【実施例0012】
[実施例1]
本発明の実施例1について
図1ないし
図9を参照して説明する。
図1に示すように三方を囲う枠体1と両側面を囲う内板2・3と固定ピン4で構成される箱体に開閉レバー5を内板2・3と固定ピン4で回転移動が可能な状態で組み込み、両側面から構成部材の固定と製品の仕上げとなる仕上げ板6・7を接着固定することで構成されている。固定ピン4は、金属製の材料で構成され、枠体1内板2・3開閉レバー5および仕上げ板6・7は、木製または樹脂製または軽金属製の材料で構成されている。
【0013】
次に、箱体に収納される名刺bを内板3および仕上げ板7を明示しない状態で内部空間の説明をする。
図2に示すように、収納される名刺bは、定寸化されている名刺より若干大きめ設定し、名刺bが開閉レバー5から一番離れた位置に収納された場合でも、開閉レバー5が名刺bの一部を保持する長さに設定することで、閉塞状態を形成している。
【0014】
続いて、
図3に示すように、開閉レバー5を回転することで、開口寸法が名刺bより大きく確保される状態となり、
図4に示すように、名刺bの出し入れが可能となる開放状態を形成されている。
【0015】
ここで、
図2の状態の上面図を
図5で示し、
図4の状態の上面図を
図6で示すことで、名刺bが開閉レバー5にの位置よって閉塞と開放の制御が出来ていることを説明する。
【0016】
すなわち、名刺bの大きさより開口部の大きさが少しでも小さい状態が確保出来ている
図2または
図5の状態おいては、名刺bが格納されている状態にあり、名刺bの大きさより開口部の大きさが少しでも大きい状態が確保出来ている。さらに
図5に名刺bが空間内部のクリアランスを利用することでは、開口部から取り出すことが出来ないことを表示する。そして
図3または
図4または
図6の状態においては、名刺bが開放されている状態にある。
【0017】
このように、開閉レバー5の大きさを名刺bの閉塞に必要な最小寸法に設定をすることで、開口部の大半が見えている名刺入れが構成できる。ここで、
図7により格納されている名刺bがどのような見え方になるのかを示す。また、
図8により開閉レバー5を開放位置に保持した状態で、開口部の全てが開放されていることを示す。
【0018】
つまり、開閉レバー5が内部空間のクリアランス寸法を含めて名刺bの一部分を閉塞することができれば、開口の大半が見えている状態で名刺bを格納することが出来る。ここで、
図9により開閉レバー5と名刺bの干渉している状態を隠線表示により示す。
【0019】
[実施例2]
本発明の実施例2について
図10ないし
図14を参照して説明する。
図10に示すように、開閉レバー5が名刺bを閉塞状態にする位置においては、枠体1の凹部1-1と開閉レバー5の凸部5-1が嵌っている状態にあり、開閉レバー5を名刺bから離れる方向へ回転させる場合には、枠体1の先端部がある程度の弾性を保有することを条件に、枠体1の先端部を移動させるのに必要な力を加える必要がある。すなわち開閉レバー5に力が加わらない限り開閉レバー5は、閉塞状態の位置で保持されることになる。
【0020】
次に、開口部が開放されている開閉レバー5について説明する。
図11に示すように、開閉レバー5が名刺bを開放状態にする位置においては、枠体1の凹部1-1と開閉レバー5の凸部5-2が嵌っている状態にあり、開閉レバー5を名刺1に戻していく方向へ回転させる場合には、枠体1の先端部を移動させるのに必要な力を加える必要がある。すなわち開閉レバー5に力が加わらない限り開閉レバー5は、開放状態の位置で保持されることになる。
また、この位置における開閉レバー5の羽部と名刺の出入り口となる開口部の延長ラインを11が干渉しない長さで設定されていることも示している。
【0021】
開閉レバー5を開放から閉塞あるいは閉塞から開放に切り替える動作中に開閉レバー凸部の5-1および5-2が、枠体1に干渉する状態およびこの動作が完了した時に開閉レバー5が閉塞あるいは開放の状態を保持出来ていることを、
図12ないし
図13にて説明する。
図12は、開放状態から閉塞状態にするべく開閉レバー5を回転させた位置において、5-1および5-2が枠体1と干渉することをしめしている。この枠体1の干渉している部分が固定されていた場合、開閉レバー5は回転できない状態になるが、
図13のように枠体1の接着固定をする範囲を斜線部分に限定することで、開閉レバー5と接している枠体1の先端部分は枠体1の弾性が許容する範囲で、開閉レバー5の5-2の突起の移動に合わせて可動することで、開閉レバー5の回転を妨げることがなくなる。
【0022】
続いて、
図14に示すように、開閉レバー5が閉塞状態になる位置にある時の突起5-1および5-2は、それぞれ1-1および1-2の凹部に嵌る状態となり、枠体1の先端部がある程度の弾性を保有することを条件に、枠体1の先端部を可動させるに必要な力を開閉レバー5に加えない限り開閉レバー5は、この閉塞状態の位置で保持されることになる。
【0023】
つまり、この名刺の出し入れを制御している開閉レバー5は、箱体を形成している構成部材に追加の部材を要することなく、開閉機能を具現化出来ている名刺入れとなっている。
【0024】
[実施例3]
本発明の実施例3について
図15ないし
図16を参照して説明する。
図15に示すように、開閉レバー5が閉塞状態の位置にある状態において、仕上げ板6および7と同一の側面形状となっているため、名刺の出し入れと収納枚数を確認するための開口をのぞいて、角が半円形状の直方体で、側面および上面に突出するような部分を保有していない。
また、
図16に示すように、名刺の出し入れする面の反対側の底面において、開口部もない直方体で、側面および上面に突出するような部分を保有していない。
【0025】
つまり、この名刺入れには突起物がなく、通常名刺を交換する際の先方の名刺を置く名刺入れの上面および底面においても平滑な面となっているため、名刺入れの上下を意識する事を必要としない状態で、スムーズな名刺交換を可能とする形状を有した名刺入れになっている。
本発明は、名刺の収容枚数が常時確認ができる開閉レバーを単純な部品構成で構成し、簡潔かつ名刺の取り扱いが簡易な形状を提供することで、よりスムーズな名刺交換を現実のものとしている。またビジネスシーンには外せないスマートフォンなどとの持ち合わせの相性がいいため、業界を選ぶことなくビジネスの進展に貢献が出来る。