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  • 特開-トイレベンチ 図1
  • 特開-トイレベンチ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108897
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】トイレベンチ
(51)【国際特許分類】
   A47K 11/00 20060101AFI20240805BHJP
   A47C 13/00 20060101ALI20240805BHJP
   A47C 11/00 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A47K11/00 102
A47C13/00 Z
A47C11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013535
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】306024805
【氏名又は名称】株式会社 林物産発明研究所
(72)【発明者】
【氏名】林 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】林 和志郎
(72)【発明者】
【氏名】林 宏三郎
(72)【発明者】
【氏名】林 加奈子
【テーマコード(参考)】
2D036
3B095
【Fターム(参考)】
2D036AA02
2D036BA01
2D036CA05
2D036HA05
2D036HA12
2D036HA43
3B095AA09
3B095AA10
3B095AC03
3B095EA00
3B095EB00
(57)【要約】
【課題】 別途の倉庫を必要とすることなく、町や公園等に多数常設されているベンチを利用してトイレを提供し、さらには、個室トイレを提供する。
【解決手段】 上下面、前後面、左右側面を有する本体と、前記本体内部の細長形状の空間を有し、前記下面を下向きに配置したときに前記上面に着座できるベンチとして使用可能なベンチトイレであって、前記空間の長手方向の中間位置に便座をさらに有し、前記左右側面の一方を下向きに配置したときに個室トイレとして使用可能であることを特徴とするベンチトイレとした。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下面、前後面、左右側面を有する本体と、前記本体内部の細長形状の空間を有し、
前記下面を下向きに配置したときに前記上面に着座できるベンチとして使用可能なベンチトイレであって、
前記空間の長手方向の中間位置に便座をさらに有し、
前記左右側面の一方を下向きに配置したときに個室トイレとして使用可能であることを特徴とするベンチトイレ。
【請求項2】
前記前後面の伸縮式の壁材をさらに有し、
前記壁材を伸長させることで個室トイレのスペースを増減できる、請求項1のベンチトイレ。
【請求項3】
前記壁材の先端に取り付けられた開閉可能なドアをさらに有する、請求項1のベンチトイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害時にトイレを提供することのできるベンチに関する。
【背景技術】
【0002】
地震や火災等の災害時には、トイレの不足が問題となる。駅や公園の公衆トイレだけでは多数の被災者に対応することは困難であり、景観や用地確保、費用等の観点から、街中に多数のトイレを設置することは実際上不可能である。
【0003】
このため、災害用仮設トイレが種々提案されている(例えば、特許文献1,2)。しかし、これらは町や公園等の常設設備を利用するものではなく、倉庫等から備品等を搬出して組み立てるものであり、災害時に十分なトイレを提供することは困難であり、また、鍵が無いために倉庫を開くことができない事態も想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-122548号公報
【特許文献2】特開2016-221026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、別途の倉庫を必要とすることなく、町や公園等に多数常設されているベンチを利用してトイレを提供し、さらには、個室トイレを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願には、
上下面、前後面、左右側面を有する本体と、前記本体内部の細長形状の空間を有し、
前記下面を下向きに配置したときに前記上面に着座できるベンチとして使用可能なベンチトイレであって、
前記空間の長手方向の中間位置に便座をさらに有し、
前記左右側面の一方を下向きに配置したときに個室トイレとして使用可能であることを特徴とするベンチトイレが開示される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の1実施形態のベンチトイレ1を示す。
図2】壁材41,51を収縮させたベンチトイレ1を左側面60方向から見た透視図を示す。
図3】壁材41,51を伸長させたベンチトイレ1を左側面60方向から見た透視図を示す。
図4】ベンチトイレ1のトイレとしての使用状態を説明する側方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1~4に、本発明の1実施形態のベンチトイレ1を示す。ベンチトイレ1は、上面20、下面30、前面40、後面50、左側面60、右側面70を有する本体10を有する。本体10は例えば、概略直方体形状である。本体10は、通常のベンチと同様の材料(木、金属等)で形成できる。
【0009】
上面20は、上面材21等に設置されたソーラーパネル22を有するとよい。ソーラーパネル22は上部をカバー23で保護するとよい。カバー23により着座感を良好にできる。
【0010】
ベンチトイレ1は、図1のように下面30を下向きに配置したときに上面20に着座可能なベンチとして使用することができる。
【0011】
下面30、前後面40,50、左右側面60,70は、壁材41,51,61,71を有するとよい。壁材41,51,61,71は、ベンチの脚として機能し得る。本体10に別途の脚11(図1)を設ける場合、壁材61,71等は省略可能である。
【0012】
ベンチトイレ1は、本体10の内部の細長形状の空間80(図4参照)を有する。空間80の長手方向は左右方向とするとよい。これにより、本体10の長手方向(左右方向)に数名が並んで着座可能なベンチとできる。
【0013】
ベンチトイレ1は、空間80の長手方向の中間位置の便座81をさらに有する(図2~4)。便座81は、垂下状態で上面材21に固定してもよく、ヒンジ等で上面材21に回転可能に取り付けてもよい。便座81は金属、琺瑯、プラスチック等で形成できる。
【0014】
上記ベンチトイレ1では、左側面60(又は右側面70)を下向きに配置することでトイレとして使用することができる(図4参照)。この時、上面20を南側に向けるとソーラーパネル22の発電効率を高くなる。
【0015】
空間80には、トイレットペーパー、便袋、トイレ用凝固剤、ウェットティッシュ等の備品を収容可能である。災害用のテントを組み立てるための部材、非常用の飲料提供のための浄水装置、ポータブル発電機やバッテリーを収容してもよい。周囲が上面材21、壁材41~71,43等で囲まれているので保管性がよい。
【0016】
前後面40,50の壁材41,51は伸縮式とするとよい。図2~4の例では、壁材41,51は、壁材41,51からスライド式に伸張可能なスライド部材42,52を有する。トイレとしての使用時(図2~4)に、スライド部材42,52のスライドで壁材41,51を伸張させることで、十分なスペースの個室トイレを提供できる(図3,4)。
【0017】
スライド部材42,52の一方又は両方の先端にドア43を設けるとよい。これにより、個室性を高めることができる。ドア43はヒンジ44等でスライド部材42に対して回転可能とするとよい。ドア43は、ベンチとしての使用時に空間80内部へのホコリ等の侵入防止にも役立つ。
【0018】
スライド部材42,52の位置固定やドア43の開閉状態の固定等のためのロックを設けても良い。
【0019】
上記ベンチトイレ1では、別途の倉庫を準備することなく、災害時に、町や公園等に多数常設されているベンチに備え付けの備品のみで個室トイレを提供することができる。ベンチトイレ1で提供される個室トイレを災害時の避難テントとして使用してもよい。
【0020】
変形形態のベンチトイレ1では、壁材61,71及び/又はドア43を省略し、代わりに一方の側面(例えば、右側面70)に伸縮式のレールを設け、他方の側面(例えば、左側面60)を下向きに配置(図4参照)したときに、レールからシート(カーテン等)を吊り下げて個室トイレを形成してもよい。シートにより外部からの視線を遮ることができる。
【0021】
上記実施形態に記載したベンチトイレやその要素の寸法、形状、配置、個数、材料等は例示であり、他の態様も可能である。
【符号の説明】
【0022】
1・・・ベンチトイレ
10・・・本体
11・・・脚
20・・・上面
30・・・下面
40・・・前面
50・・・後面
60・・・左側面
70・・・右側面
21・・・上面材
22・・・ソーラーパネル
23・・・カバー
41,51,61,71・・・壁材
42,52・・・スライド部材
43・・・ドア
44・・・ヒンジ
80・・・空間
81・・・便座
図1
図2
図3
図4