(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108905
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】エレベータのリニューアル方法およびエレベータ
(51)【国際特許分類】
B66B 7/00 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
B66B7/00 K
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013546
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 俊太
(72)【発明者】
【氏名】木下 透
【テーマコード(参考)】
3F305
【Fターム(参考)】
3F305AA14
3F305DA15
3F305DA21
(57)【要約】
【課題】エレベータのリニューアルの工期を短くする。
【解決手段】実施形態のエレベータのリニューアル方法は、乗りかごと、乗りかごの昇降をガイドするかごガイドレールと、乗りかごを昇降させる油圧ジャッキと、配管と、配管を介して油圧ジャッキと接続され、油圧ジャッキを駆動する油圧ユニットと、を備えたエレベータのリニューアル方法であって、油圧ユニットを撤去する工程と、噛み合う二つのチェーンによって構成される柱部の長さを変化させることにより乗りかごを昇降させる駆動チェーン装置、を設置する工程と、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗りかごと、
乗りかごの昇降をガイドするかごガイドレールと、
前記乗りかごを昇降させる油圧ジャッキと、
配管と、
前記配管を介して前記油圧ジャッキと接続され、前記油圧ジャッキを駆動する油圧ユニットと、
を備えたエレベータのリニューアル方法であって、
前記油圧ユニットを撤去する工程と、
噛み合う二つのチェーンによって構成される柱部の長さを変化させることにより前記乗りかごを昇降させる駆動チェーン装置、を設置する工程と、
を含むエレベータのリニューアル方法。
【請求項2】
前記エレベータは、
一端部が前記乗りかごと一体に昇降し他端部が昇降路に対して固定されたロープと、
前記ロープが掛けられ、前記油圧ジャッキによって昇降されるシーブ装置と、
前記シーブ装置の昇降をガイドするシーブガイドレールと、
を備え、
前記エレベータのリニューアル方法は、
前記油圧ジャッキと、前記シーブ装置と、前記シーブガイドレールとのうち少なくとも一つを撤去せずに残す、
請求項1に記載のエレベータのリニューアル方法。
【請求項3】
乗りかごと、
乗りかごの昇降をガイドするかごガイドレールと、
噛み合う二つのチェーンによって構成される柱部の長さを変化させることにより前記乗りかごを昇降させる駆動チェーン装置と、
を備えたリニューアルされたエレベータ。
【請求項4】
前記チェーンは、凸部と凹部とを有したチェーン要素を有し、
二つの前記チェーンは、互いの前記凸部と前記凹部とが噛み合った状態で前記柱部を構成する、
請求項3に記載のリニューアルされたエレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータリニューアル方法およびリニューアルされたエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータは、昇降路内を乗りかごが移動することにより、乗りかごを任意の階床に移動させる。このようなエレベータでは種々の要求に応じて様々なリニューアルが行われることが知られている。例えば、油圧式のエレベータをマシンルームレス形のロープ式エレベータにリニューアルすることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、新たな機器を設置するために多くの機器を撤去しなければならず、リニューアルの工期が長いという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のエレベータのリニューアル方法は、乗りかごと、乗りかごの昇降をガイドするかごガイドレールと、前記乗りかごを昇降させる油圧ジャッキと、配管と、前記配管を介して前記油圧ジャッキと接続され、前記油圧ジャッキを駆動する油圧ユニットと、を備えたエレベータのリニューアル方法であって、前記油圧ユニットを撤去する工程と、噛み合う二つのチェーンによって構成される柱部の長さを変化させることにより前記乗りかごを昇降させる駆動チェーン装置、を設置する工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1の実施形態のリニューアル前のエレベータの構成例を示す構成図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態のリニューアル前のエレベータの一部の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態のエレベータのリニューアル方法のフローチャートである。
【
図4】
図4は、第1の実施形態のリニューアル後のエレベータの一部の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態の新設の駆動チェーン装置の一部の斜視図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態の新設の駆動チェーン装置の一部の斜視図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態の新設の駆動チェーン装置とシーブ装置との結合構造を示す側面図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態の新設の駆動チェーン装置と既設のシーブ装置との結合構造を示す正面図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態の既設のシーブ装置用の新設の取付金具を示す平面図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態の新設の駆動チェーン装置の取付金具を示す平面図である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態のエレベータのリニューアル方法と比較例のエレベータのリニューアル方法とを比較した図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態のエレベータの一部のリニューアル後の構成例を示す図である。
【
図13】
図13は、第2の実施形態のエレベータのリニューアル方法と比較例のエレベータのリニューアル方法とを比較した図である。
【
図14】
図14は、第3の実施形態のエレベータの一部のリニューアル後の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成や制御、ならびに当該構成や制御によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成や制御以外によっても実現可能である。また、本発明は、基本的な構成や制御によって得られる派生的な効果も含む種々の効果を得ることが可能である。なお、以下の例示的な複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が省略される。
【0008】
また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0009】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態のリニューアル前のエレベータの構成例を示す構成図である。
図1に示されるように、リニューアル前のエレベータ1は、油圧式のエレベータである。
【0010】
エレベータ1は、乗りかご11と、シーブ装置12と、メインロープ13と、油圧式駆動装置14と、乗場装置15と、を備える。メインロープ13は、ロープの一例である。
【0011】
乗りかご11は、昇降路16内に昇降可能に設けられている。乗りかご11は、二つのかごガイドレール21によって支持されている。かごガイドレール21は、乗りかご11の昇降をガイドする。乗りかご11には、着床装置22と、安全装置であるかごセフティ23と、が設けられている。また、乗りかご11は、テールコード24を介してエレベータ制御装置と接続されている。
【0012】
図2は、第1の実施形態のリニューアル前のエレベータの一部の構成例を示す図である。
図2に示されるように、メインロープ13は、一端部13aと、他端部13bと、を有する。一端部13aは、乗りかご11に固定され、乗りかご11と一体に昇降する。他端部13bは、昇降路16に対して固定されている。具体的には、他端部13bは、油圧式駆動装置14を介して昇降路16に対して固定されている。メインロープ13は、上に凸状となるようにシーブ装置12に掛けられている。
【0013】
シーブ装置12は、メインロープ13が掛けられ、油圧ジャッキ41によって昇降される。詳細には、シーブ装置12は、メインロープ13が掛けられたプランジャーシーブ31と、油圧ジャッキ41と結合された支持部32と、を有する。プランジャーシーブ31には、その上側(上半分)にメインロープ13が掛けられている。すなわち、メインロープ13における一端部13aと他端部13bとの間の頂部がメインロープ13に掛けられている。
【0014】
油圧式駆動装置14は、油圧によってシーブ装置12を昇降させることにより、乗りかご11を昇降させる。油圧式駆動装置14は、油圧ジャッキ41と、油圧ユニット42と、配管43と、を備える。
【0015】
油圧ジャッキ41は、シリンダ44と、シリンダ44に対して上下移動可能なプランジャー45と、を有する。シリンダ44は、ベース49を介してスタンド51に固定されている。スタンド51は昇降路16の底面に固定されている。シリンダ44の上端部には、シーブ装置12の支持部32が結合されている。油圧ジャッキ41は、プランジャー45の上下動によってシーブ装置12を上下動(昇降)させる。これにより、シーブ装置12の上下動に応じてメインロープ13の一端部13aの上下位置が変化し、乗りかご11が昇降する。
【0016】
油圧ユニット42は、ポンプ46と、モータ47と、制御装置48と、を有する。ポンプ46は、配管43を介して油圧ジャッキ41と接続されている。モータ47はポンプ46を駆動する。モータ47によって駆動されたポンプ46が、油圧ジャッキ41を駆動する。制御装置48は、モータ47を介してポンプ46の回転を制御することにより、油圧ジャッキ41を制御し、ひいては乗りかご11の昇降を制御する。
【0017】
また、
図1に示されるように、昇降路16には、バッファ81やリミットスイッチ82、調速機83等が設けられている。バッファ81は、落下する乗りかご11を受ける緩衝装置である。調速機83は、ガバナ84およびガバナロープ85を有し、乗りかご11の昇降速度を調整する。
【0018】
このような構成のエレベータ1のリニューアル方法(エレベータリニューアル方法)を
図3~
図10に基づいて説明する。
【0019】
図3は、第1の実施形態のエレベータのリニューアル方法のフローチャートである。
図4は、第1の実施形態のリニューアル後のエレベータの一部の構成例を示す図である。エレベータ1のリニューアル方法は、エレベータ1の駆動装置を油圧式駆動装置14からチェーン式駆動装置に変更するものであり、既設機器撤去工程(S101)と、新機器設置工程(S102)と、を含む。各工程の作業は、例えば、作業員が各種の工具や装置を用いて行う。なお、本実施形態では、エレベータ1において、乗りかご11の昇降にメインロープ13を用いる所謂ローピング方式は変更しない。
【0020】
S101において、作業員は、既設機器を撤去する。撤去する既設機器は、油圧式駆動装置14である。本実施形態では、油圧式駆動装置14の油圧ジャッキ41、油圧ユニット42、および配管43の全てを撤去する。
【0021】
S102において、作業員は、撤去した油圧式駆動装置14の替わりに、
図4に示されるチェーン式駆動装置101を設置する。
【0022】
図4に示されるように、チェーン式駆動装置101は、駆動チェーン装置102と、モータ103と、制御装置104と、を有する。駆動チェーン装置102は、油圧ジャッキ41に替えて設置され、モータ103は、モータ47に替えて設置され、制御装置104は、制御装置48に替えて設置される。
【0023】
図5は、第1の実施形態の新設の駆動チェーン装置の一部の斜視図である。
図6は、第1の実施形態の新設の駆動チェーン装置の一部の斜視図である。
図4~
図6に示されるように、駆動チェーン装置102は、収容部121と、チェーン機構122と、取付金具132と、を有する。
【0024】
収容部121は、ベース49を介してスタンド51に固定される。収容部121は、チェーン機構122の一部を収容している。
【0025】
図5に示されるように、チェーン機構122は、ジップチェーン機構であり、二つのチェーン124を有する。二つのチェーン124の噛み合った部分によって柱部126が構成されている。柱部126を構成するチェーン124が上下に移動することで柱部126の長さが変わる。すなわち、駆動チェーン装置102は、柱部126の長さを変更することが可能である。
【0026】
チェーン124は、並列された複数のチェーン部128が互いに結合されて構成されている。各チェーン部128は、複数のチェーン要素125が連結されて構成されている。チェーン要素125は、凸部125aと、凹部125bと、を有する。二つのチェーン124は、互いの凸部125aと凹部125bとが噛み合った状態で柱部126を構成する。柱部126は、収容部121から上方に突出し、二つのチェーン124のうちかみ合っていない部分は、収容部121に収容されている。
【0027】
各チェーン124は、スプロケット123に掛けられている。スプロケット123がモータ103によって回転駆動されることで、二つのチェーン124が移動され、二つのチェーン124の噛み合い量すなわち柱部126の長さが変化する。
【0028】
図7は、第1の実施形態の新設の駆動チェーン装置とシーブ装置との結合構造を示す側面図である。
図8は、第1の実施形態の新設の駆動チェーン装置と既設のシーブ装置との結合構造を示す正面図である。
図9は、第1の実施形態の既設のシーブ装置用の新設の取付金具を示す平面図である。
図10は、第1の実施形態の新設の駆動チェーン装置の取付金具を示す平面図である。
【0029】
図7および
図8に示されるように、取付金具132は、柱部126の上端部に設けられている。取付金具132は、二つのチェーン124の上端部を結合している。取付金具132は、既設のシーブ装置12用の新設の取付金具33に固定される。
図9および
図10に示されるように、取付金具33と取付金具132とには、それぞれ、ボルトが挿入される孔33a,132aが設けられている。作業員は、取付金具33をシーブ装置12の支持部32に取り付けた後、取付金具33と取付金具132とをボルトおよびナットによって結合する。
【0030】
制御装置104は、配線105を介してモータ103に接続される。制御装置104は、モータ103の回転を制御することにより、駆動チェーン装置102の柱部126の長さを制御し、ひいては乗りかご11の昇降を制御する。
【0031】
このようにしてリニューアルされたエレベータ1は、乗りかご11と、かごガイドレール21と、駆動チェーン装置102と、を備える。チェーン124は、凸部125aと凹部125bとを有したチェーン要素125を有し、二つのチェーン124は、互いの凸部125aと凹部125bとが噛み合った状態で柱部126を構成する。
【0032】
すなわち、エレベータ1のリニューアル方法では、乗りかご11と、かごガイドレール21と、を撤去せずに残す。また、エレベータ1のリニューアル方法は、油圧ジャッキ41と、シーブ装置12と、シーブガイドレール30とのうち少なくとも一つ(一例として、シーブ装置12およびシーブガイドレール30)を撤去せずに残す。
【0033】
図11は、第1の実施形態のエレベータのリニューアル方法と比較例のエレベータのリニューアル方法とを比較した図である。比較例のエレベータのリニューアル方法は、
図1に示されるエレベータ1をマシンルームレス形のロープ式エレベータのものにするものである。
図11には、本実施形態と比較例とのそれぞれにおいて、エレベータ1の機器が撤去するのか、そのまま流用するのかすなわち残すのかが示されている。
【0034】
以上のように、エレベータ1のリニューアル方法は、乗りかご11と、乗りかご11の昇降をガイドするかごガイドレール21と、乗りかご11を昇降させる油圧ジャッキ41と、配管43と、配管43を介して油圧ジャッキ41と接続され、油圧ジャッキ41を駆動する油圧ユニット42と、を備えたエレベータ1のリニューアル方法である。エレベータ1のリニューアル方法は、油圧ユニット42を撤去する工程と、噛み合う二つのチェーン124によって構成される柱部126の長さを変化させることにより乗りかご11を昇降させる駆動チェーン装置102、を設置する工程と、を含む。
【0035】
このような構成によれば、例えば、乗りかご11や、かごガイドレール21、着床装置22、シーブ装置12、バッファ81、リミットスイッチ82、調速機83、かごセフティ等を撤去する必要がない。よって、上記構成によれば、リニューアルの工期が長くなることを抑制することができる。すなわち、リニューアルの工期を短縮することができる。また、上記構成よれば、乗りかご11の駆動が油圧駆動からモータ駆動に変更されるので、使用される油の量が少なくすることができる。よって、油の廃棄量を少なくして環境負荷を低減することができる。
【0036】
<第2の実施形態>
図12は、第2の実施形態のエレベータの一部のリニューアル後の構成例を示す図である。
【0037】
本実施形態では、リニューアルの対象のエレベータは、乗りかご11の昇降にメインロープ13を用いずに油圧式駆動装置14によって直接乗りかご11を昇降させる構成のものである。
【0038】
図12に示されるように、本実施形態では、作業員は、油圧式駆動装置14を撤去した後、チェーン式駆動装置101を乗りかご11の下方に設置し、駆動チェーン装置102の柱部126の上端部を、取付金具132を介して乗りかご11の下面に固定する。この場合、作業員は、シーブ装置12およびシーブガイドレール30を撤去してもよいし、そのまま残しておいてもよい。
【0039】
リニューアルされたエレベータ1では、チェーン式駆動装置101の柱部126の長さの変化に応じて乗りかご11が昇降される。
【0040】
このようにしてリニューアルされたエレベータ1は、乗りかご11と、かごガイドレール21と、駆動チェーン装置102と、を備える。
【0041】
すなわち、エレベータ1のリニューアル方法では、乗りかご11と、かごガイドレール21と、を撤去せずに残す。
【0042】
図13は、第2の実施形態のエレベータのリニューアル方法と比較例のエレベータのリニューアル方法とを比較した図である。比較例のエレベータのリニューアル方法は、
図1に示されるエレベータ1をマシンルームレス形のロープ式エレベータのものにするものである。
図13には、本実施形態と比較例とのそれぞれにおいて、エレベータ1の機器が撤去するのか、そのまま流用するのかすなわち残すのかが示されている。
【0043】
以上の構成によれば、例えば、乗りかご11や、かごガイドレール21、着床装置22等を撤去する必要がない。よって、上記構成によれば、リニューアルの工期が長くなることを抑制することができる。すなわち、リニューアルの工期を短縮することができる。
【0044】
<第3の実施形態>
図14は、第3の実施形態のエレベータの一部のリニューアル後の構成例を示す図である。
【0045】
本実施形態は、エレベータ1のリニューアル方法において、リニューアル前のエレベータ1の油圧式駆動装置14の一部を残し、チェーン式駆動装置101を新設する点が第1の実施形態と異なる。
【0046】
図14に示されるように、本実施形態では、作業員は、油圧式駆動装置14のうち少なくとも油圧ジャッキ41を撤去せず、油圧ユニット42を撤去する。次に、作業員は、複数(一例として二つ)のチェーン式駆動装置101を設置する。作業員は、各チェーン式駆動装置101の取付金具132を、ブラケット311を介してシーブ装置12の支持部32に連結する。
【0047】
このようにしてリニューアルされたエレベータ1は、乗りかご11と、かごガイドレール21と、駆動チェーン装置102と、を備える。リニューアルされたエレベータ1では、チェーン式駆動装置101の柱部126の長さの変化に応じて乗りかご11が昇降される。
【0048】
このように、エレベータ1のリニューアル方法では、乗りかご11と、かごガイドレール21と、を撤去せずに残す。また、エレベータ1のリニューアル方法は、油圧ジャッキ41と、シーブ装置12と、シーブガイドレール30とのうち少なくとも一つ(一例として、全部)を撤去せずに残す。
【0049】
以上の構成によれば、例えば、乗りかご11や、かごガイドレール21、着床装置22等を撤去する必要がない。よって、上記構成によれば、リニューアルの工期が長くなることを抑制することができる。すなわち、リニューアルの工期を短縮することができる。
【0050】
以上で説明した実施形態のエレベータリニューアル方法によれば、短い工期でエレベータをリニューアルすることができる。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0052】
1…エレベータ、11…乗りかご、12…シーブ装置、13…メインロープ(ロープ)、13a…一端部、13b…他端部、16…昇降路、21…かごガイドレール、41…油圧ジャッキ、30…シーブガイドレール、42…油圧ユニット、43…配管、102…駆動チェーン装置、124…チェーン、125a…凸部、125b…凹部、126…柱部。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗りかごと、
乗りかごの昇降をガイドするかごガイドレールと、
一端部が前記乗りかごと一体に昇降し他端部が昇降路に対して固定されたロープと、
前記ロープが掛けられたシーブ装置と、
前記シーブ装置の昇降をガイドするシーブガイドレールと、
前記シーブ装置を昇降させることにより前記乗りかごを昇降させる油圧ジャッキと、
前記油圧ジャッキが固定されたスタンドと、
配管と、
前記配管を介して前記油圧ジャッキと接続され、前記油圧ジャッキを駆動する油圧ユニットと、
を備えたエレベータのリニューアル方法であって、
前記油圧ユニットおよび前記油圧ジャッキを撤去する工程と、
噛み合う二つのチェーンによって構成される柱部の長さを変化させることにより前記シーブ装置を昇降させて、当該シーブ装置を昇降させることにより前記乗りかごを昇降させる駆動チェーン装置、を前記スタンドに設置する工程と、
を含むエレベータのリニューアル方法。
【請求項2】
乗りかごと、
乗りかごの昇降をガイドするかごガイドレールと、
一端部が前記乗りかごと一体に昇降し他端部が昇降路に対して固定されたロープと、
前記ロープが掛けられたシーブ装置と、
前記シーブ装置の昇降をガイドするシーブガイドレールと、
前記シーブ装置を昇降させることにより前記乗りかごを昇降させる油圧ジャッキと、
配管と、
前記配管を介して前記油圧ジャッキと接続され、前記油圧ジャッキを駆動する油圧ユニットと、
を備えたエレベータのリニューアル方法であって、
前記油圧ユニットを撤去する工程と、
噛み合う二つのチェーンによって構成される柱部の長さを変化させることにより前記シーブ装置を昇降させて、当該シーブ装置を昇降させることにより前記乗りかごを昇降させる駆動チェーン装置、を設置する工程と、
を含むエレベータのリニューアル方法。
【請求項3】
前記エレベータのリニューアル方法は、
前記油圧ジャッキと、前記シーブ装置と、前記シーブガイドレールとのうち少なくとも一つを撤去せずに残す、
請求項1または2に記載のエレベータのリニューアル方法。
【請求項4】
乗りかごと、
乗りかごの昇降をガイドするかごガイドレールと、
一端部が前記乗りかごと一体に昇降し他端部が昇降路に対して固定されたロープと、
前記ロープが掛けられたシーブ装置と、
前記シーブ装置の昇降をガイドするシーブガイドレールと、
噛み合う二つのチェーンによって構成される柱部の長さを変化させることにより前記シーブ装置を昇降させて、当該シーブ装置を昇降させることにより前記乗りかごを昇降させる駆動チェーン装置と、
前記駆動チェーン装置が固定されたスタンドと、
を備えたエレベータ。
【請求項5】
乗りかごと、
乗りかごの昇降をガイドするかごガイドレールと、
一端部が前記乗りかごと一体に昇降し他端部が昇降路に対して固定されたロープと、
前記ロープが掛けられたシーブ装置と、
前記シーブ装置の昇降をガイドするシーブガイドレールと、
噛み合う二つのチェーンによって構成される柱部の長さを変化させることにより前記シーブ装置を昇降させて、当該シーブ装置を昇降させることにより前記乗りかごを昇降させる駆動チェーン装置と、
を備えたエレベータ。
【請求項6】
前記チェーンは、凸部と凹部とを有したチェーン要素を有し、
二つの前記チェーンは、互いの前記凸部と前記凹部とが噛み合った状態で前記柱部を構成する、
請求項4または5に記載のエレベータ。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータリニューアル方法およびエレベータに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
実施形態のエレベータのリニューアル方法は、乗りかごと、乗りかごの昇降をガイドするかごガイドレールと、一端部が前記乗りかごと一体に昇降し他端部が昇降路に対して固定されたロープと、前記ロープが掛けられ、前記油圧ジャッキによって昇降されるシーブ装置と、前記シーブ装置の昇降をガイドするシーブガイドレールと、前記シーブ装置を昇降させることにより前記乗りかごを昇降させる油圧ジャッキと、前記油圧ジャッキが固定されたスタンドと、配管と、前記配管を介して前記油圧ジャッキと接続され、前記油圧ジャッキを駆動する油圧ユニットと、を備えたエレベータのリニューアル方法であって、前記油圧ユニットおよび前記油圧ジャッキを撤去する工程と、噛み合う二つのチェーンによって構成される柱部の長さを変化させることにより前記シーブ装置を昇降させて、当該シーブ装置を昇降させることにより前記乗りかごを昇降させる駆動チェーン装置、を前記スタンドに設置する工程と、を含む。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
1…エレベータ、11…乗りかご、12…シーブ装置、13…メインロープ(ロープ)、13a…一端部、13b…他端部、16…昇降路、21…かごガイドレール、41…油圧ジャッキ、30…シーブガイドレール、42…油圧ユニット、43…配管、51…スタンド、102…駆動チェーン装置、124…チェーン、125a…凸部、125b…凹部、126…柱部。