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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108909
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】プログラム及びゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/2145 20140101AFI20240805BHJP
   A63F 13/426 20140101ALI20240805BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20240805BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20240805BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20240805BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20240805BHJP
【FI】
A63F13/2145
A63F13/426
A63F13/533
A63F13/45
G06F3/041 534
G06F3/0484
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013554
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】100201341
【弁理士】
【氏名又は名称】畠山 順一
(72)【発明者】
【氏名】武田 理志
(72)【発明者】
【氏名】西村 悠紀
(72)【発明者】
【氏名】飯田 一希
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA03
5E555AA25
5E555BA20
5E555BB20
5E555BC04
5E555CA12
5E555CA43
5E555CB16
5E555CB48
5E555DB41
5E555DB53
5E555DC09
5E555DC13
5E555DC35
5E555DC61
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ゲームの興趣性が年齢や身体の大きさに左右されないゲームを提供すること。
【課題を解決するための手段】ゲームをコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムは、コンピュータを、ゲームのゲーム画像を表示部に表示させる表示制御手段、ユーザの操作を感知する感知領域と、ユーザの操作を感知しない不感知領域と、を表示部に設定する感知領域制御手段、として機能させる。表示制御手段は、感知領域のみに操作画像を表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、
前記ゲームのゲーム画像を表示部に表示する表示制御手段、
ユーザの操作を感知する感知領域と、前記ユーザの操作を感知しない不感知領域と、を前記表示部に設定する感知領域制御手段、
として機能させ、
前記表示制御手段は、前記感知領域のみに操作画像を表示する、
プログラム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記操作画像の表示領域に対する操作が感知された場合と、前記操作画像以外の表示領域に対する操作が感知された場合とでは、異なるゲーム画像を表示する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記プログラムは、
前記操作画像の表示領域に対する操作が感知された場合、前記ゲームの進行が有利になるようにゲームを処理するゲーム処理手段、
として機能させる請求項1又は請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、ゲームの進行に応じて、異なる形の操作画像を提示する、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記感知領域に操作画像を複数表示する、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、ゲームの進行に応じて、前記操作画像の表示位置を変動させる、
請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記感知領域制御手段は、前記不感知領域よりも前記感知領域を広く設定する、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記感知領域制御手段は、ゲームの内容、及びゲームの進行の少なくとも何れかに応じて、前記感知領域及び前記不感知領域の形及び大きさの少なくとも一方を変化させる、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記感知領域制御手段は、前記表示部の表示領域の内周近傍の少なくとも一部を不感知領域として設定する、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記感知領域制御手段は、前記感知領域を取り囲む様にして前記不感知領域として設定する、
請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
ゲーム装置であって、
前記ゲームのゲーム画像を表示部に表示させる表示制御手段と、
ユーザの操作を感知する感知領域と、前記ユーザの操作を感知しない不感知領域と、を前記表示部に設定する感知領域制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記感知領域のみに操作画像を表示する、
ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末のタッチパネルを用いて操作するゲームが多数存在し、人々に親しまれている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-170802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タッチパネルを操作してゲームを実行する装置は、大きな画面のタッチパネルを具備するアーケードゲームへも適用されており、大きな画面のタッチパネルにおいて、ゲームの興趣性が年齢や身体の大きさに左右されないゲームの提供が望まれている。
そこで、本発明は、ゲームの興趣性が年齢や身体の大きさに左右されないプログラム及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、ゲームをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、コンピュータを、ゲームのゲーム画像を表示部に表示させる表示制御手段、ユーザの操作を感知する感知領域と、ユーザの操作を感知しない不感知領域と、を表示部に設定する感知領域制御手段、として機能させ、表示制御手段は、感知領域のみに操作画像を表示する、プログラムである。
【0006】
本発明の一態様は、ゲーム装置であって、前記ゲームのゲーム画像を表示部に表示させる表示制御手段と、ユーザの操作を感知する感知領域と、前記ユーザの操作を感知しない不感知領域と、を前記表示部に設定する感知領域制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記感知領域のみに操作画像を表示する、ゲーム装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、年齢や身体の大きさを考慮した操作を可能にするプログラム及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は本実施形態に係るゲーム装置の外観図である。
図2図2は、本実施形態に係るゲーム装置のブロック図である。
図3図3は、カードの一例を示した図である。
図4図4は、カード情報の一例である。
図5図5は、キャラクター情報の一例である。
図6図6は、ゲーム画像の一例を示した図である。
図7図7は、ゲーム画像の一例を示した図である。
図8図8は、感知領域と不感知領域との一例を示した図である。
図9図9は、本実施の形態の動作を説明する為のフロー図である。
図10図10は、ゲーム画像の一例を示した図である。
図11図11は、ゲーム画像の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〈ゲーム装置100の構成〉
ゲーム装置100は、代価の支払いに基づいてゲームの実行を開始する装置である。図1は、本発明におけるゲーム装置の外観を例示した図である。より詳しくは、図1(a)、(b)及び(c)は、それぞれゲーム装置100の前方斜視図、側面図及び後方斜視図を示している。
【0010】
図示されるように、ゲーム装置100は、本体部160の天板に設けられた支柱130に、2つの表示装置である第1表示部131及び第2表示部132が取り付けられて構成されている。図1の例では、本体部160、支柱130、第1表示部131及び第2表示部132は、それぞれ分離可能に構成される例で示されている。また、本体部160の天板の上には、ゲーム装置100の操作に係る説明事項が記載された説明書や、ユーザが保有している物品が載置される台座部150が構成されている。
【0011】
図1において、矢印170で示される方向が鉛直方向(具体的には鉛直上方向)であり、支柱130は第1表示部131の下端と第2表示部132の上端とが当接するよう、取り付け部の形状が構成されている。
【0012】
また図1において、矢印180で示される方向が、ゲーム装置100の正面方向であり、ゲームのプレイ体験の提供中には、基本的には利用者が該正面方向に存在しているものとして、第1表示部131及び第2表示部132をはじめとした情報提示が行われる。換言すれば、第1表示部131及び第2表示部132を介して提示されるゲーム画面は、正面方向からの鑑賞に最適化された態様で構成される。
【0013】
〈ゲーム装置100の機能構成〉
以下、本実施形態のゲーム装置100の機能構成について、図2のブロック図を参照して説明する。
【0014】
表示部101は、ユーザに対して、ゲーム画像、メニュー画像等の各種情報を表示する。本実施形態のゲーム装置100では、表示部101は上述した第1表示部131及び第2表示部132から構成される。第1表示部131及び第2表示部132は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置であり、上述した通り、支柱130に取り付けられることで、鉛直方向において本体部160の上方に固定される。このとき、第1表示部131と第2表示部132は鉛直方向に並べられて配設される態様となる。本実施形態のゲーム装置100では、第1表示部131及び第2表示部132の2つの表示画面(表示領域)を用いてサービスに係る画面表示を行うため、ユーザが該画面表示を好適に視認できるよう、第1表示部131はゲーム装置100の正面方向に対して前傾する態様で支柱130に固定され、第2表示部132は正面方向に対して後傾する態様で支柱130に固定される。
【0015】
記憶部102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、データを保持可能な記録装置である。記憶部102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータの情報や、ゲーム装置100が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータ等を記憶する。記憶部102は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用されるメモリも記憶部102に含まれるものとする。また、メモリは、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられるメモリも含むものとする。
【0016】
取得部103は、ユーザが保持する物品からの情報取得に係るインタフェースである。具体的には取得部104は、物品に付された情報の取得が可能に構成されており、取得装置(リーダ)を介して、物品に付された情報を取得する。本実施形態のゲーム装置100では、ゲーム装置100が提供するゲームに登場するゲーム要素(キャラクター)が対応付けられた物品から情報の取得が可能なようにリーダを備える。以下の説明では、取得部103として、ゲーム装置100に設けられたカードリーダ120を用い、物品としてカード300を用いて説明するが、該物品から情報が取得可能であればプレート、駒、フィギュア等のように他の種類の物品であってもよい。
【0017】
カード300は、図3に例示されるように、矩形状に形成された主面を含んで構成されたカードを用いて説明するが、カードの形状は問わない。図3(a)はカード300のオモテ面を示し、図3(b)はカード300のウラ面(オモテ面の反対面)を示している。本実施の形態で説明する「矩形状」とは、カード300の主面に直交する方向に示す外形が概して矩形を構成するものを指し、端部や縁部に対して施される面取りによって厳密には矩形とならないものを含むものとして説明する。
【0018】
カード300は、図示されるように矩形状の主面の外形を長方形とする態様(垂直方向の1辺が水平方向の1辺より長い態様)が正位置に定義されており、該正位置にある場合に正しく視認されるよう、対応付けられたキャラクターの外観を示す画像がカード300のオモテ面に形成される。図3(a)に示されるように、カード300のオモテ面には、対応付けられたキャラクターの画像と該キャラクターの名称とが付されている。一方、カード300のウラ面には、図3(b)に示されるように、正位置における下部にカード情報800を変換した2次元コードが付されている。図3の例では、二次元コードとしてQRコード(Quick Responseコード:登録商標)を用いた例である。
【0019】
上記の通り、カードにはゲームに登場するキャラクターのいずれか1体が対応付けられており、カード情報800が付されている。カード情報800は、例えば図4に示されるように、カードを識別するカードID801に関連付けて、該カードに対応付けられたキャラクターを一意に特定するキャラクターID802を含んで構成されるものであってよい。1体のキャラクターについて管理されるキャラクター情報810は、図5に例示されるように、キャラクターを一意に特定するキャラクターID802に関連付けて、該キャラクターや関連アイテム等をゲームに登場させる際の画像生成に用いられるグラフィックスデータ等を含む描画情報812、及びキャラクターの名称、属性等に加え、該キャラクターを使用することで発動する効果等を記述したパラメータ情報813を含む。パラメータ情報813は、サポートキャラクターを登場させるゲームにおいて参照されるサポート情報を含んでも良く、該情報を使用することで提供されるゲームの進行制御が行われる。カード情報800及びキャラクター情報810は、記憶部102に記憶されているものとする。
【0020】
カード300に付された2次元コードは、カードリーダ120である取得部103が読み取る。この取得部103は、図1のゲーム装置100の天板150に配置されているカードリーダ120である。カードリーダ120は、カード300がカードリーダ120上に載置されたことを受けて、2次元コードを読み取ることで該カード300に付されたカード情報を取得し、ゲーム制御部113に出力する。カードリーダ120は、カード300からの情報取得可能な状態に制御されている期間において、カードリーダ120上にカード300が載置されたことの検出及び該カード300からのカード情報の取得を、撮像により得られた画像に対して所定の画像処理を適用することで行う。
【0021】
尚、カード300は、代価の支払いの検出を条件として、ゲーム装置100内に設けられたカードディスペンサから取出口141に放出することで、ユーザに提供される。また、カード300は、販売店での店頭販売やインターネットを介してのネット販売によってユーザに提供されるものであってもよい。
【0022】
操作入力部104は、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。本実施形態のゲーム装置100では、第2表示部132と一体構成されるタッチパネルである。但し、第1表示部131にもタッチパネルを設けることを排除するものではない。操作入力部104は、第2表示部132の表示領域上になされたタッチ操作に反応して、センサ情報を出力する。このセンサ情報信号は、第2表示部132の表示領域においてユーザがタッチした位置を特定する信号であって、タッチ位置の表示領域における座標を特定する信号である。
音声出力部105は、例えばスピーカーであり、各種音声を出力する。
【0023】
通信部106は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部106は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部106は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワークを介してサーバ等の外部装置に送信する。また通信部106は、例えばネットワークを介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、記憶部102に格納する。また本実施形態のゲーム装置100は、ゲームに係る処理のプログラムをパッケージ化したプログラムデータを、通信部106を介して外部装置から受信可能に構成される。
【0024】
制御部110は、例えばCPUである。制御部110は、感知領域制御部111、表示制御部112及びゲーム制御部113、を有し、ゲーム装置100が有する各構成部の動作を制御する。例えば、制御部101は、記憶部102に記録されている各構成部の動作プログラムを読み出し、メモリに展開して実行することにより動作を制御する。
【0025】
更に、制御部110は、通信部106により該プログラムデータがプログラムの更新要求とともに受信された場合、更新要求に従って記憶部102に格納されているゲームに係る処理のプログラムを、受信したプログラムデータを用いて更新することができる。なお、ゲームに係る処理のプログラムの更新処理は、この他、例えば記憶部102に記録されているプログラムデータをゲーム装置が有する不図示の光学ドライブ等に挿入した際に自動実行される、あるいは挿入後に管理者が開始命令を行うことによっても実行可能である。
【0026】
感知領域制御部111は、第2表示部132(操作入力部104)の表示領域に、ユーザのタッチ操作を感知する領域である感知領域501と、ユーザのタッチ操作が行われても感知しない領域である不感知領域502と、を設定する。具体的には、感知領域制御部111は、第2表示部132の表示領域の所定位置を原点とする二次元の座標系を設定し、その座標系において、感知領域501を定める座標の範囲と不感知領域502を定める座標の範囲とを定める。そして、感知領域制御部111は、操作入力部104からのセンサ情報が示す座標が感知領域501を定める座標の範囲に含まれる場合、そのセンサ情報が示す座標をセンサ情報としてゲーム制御部113に出力する。また、感知領域制御部111は、操作入力部104からのセンサ情報が示す座標が不感知領域502を定める座標の範囲に含まれる場合、そのセンサ情報が示す座標をゲーム制御部113に出力しない。尚、感知領域501を定める座標の範囲のみを設定し、センサ情報が示す座標が感知領域501を定める座標の範囲に含まれている場合のみ、そのセンサ情報が示す座標をゲーム制御部113に出力するようにしても良い。
【0027】
感知領域501と不感知領域502とは、ゲームの対象年齢層の身体的特徴を考慮し、ゲームの進行やゲームの内容に応じて、大きさや形が可変であっても、常に固定であっても良い。例えば、年齢層が低いユーザが好むキャラクターが登場するゲームの場合、該年齢層の平均的な体形に合わせて感知領域と不感知領域とを適宜設定するのが好ましい。
【0028】
ここで、感知領域と不感知領域との設定の例を、図8を用いて複数説明する。図8(a)は、第2表示部132の表示領域504の中央に矩形の感知領域501を設定し、その周囲を不感知領域502、即ち、表示領域の内周を不感知領域502と設定した例である。図8(b)は、表示画面の中央に楕円形の感知領域501を設定し、その周囲を不感知領域502と設定した例である。図8(c)は、矩形画面の4隅を不感知領域502に設定し、その内側を感知領域501に設定した例である。感知領域501と不感知領域502の表示領域504での割合は、感知領域501の方を大きく設定しても不感知領域の方を大きく設定してもよいが、図8に示す通り、感知領域501を大きくする方がゲームにおける様々な操作に対応できる領域が広くなり好ましい。また、ユーザが子供の場合、体を支えるため、ユーザが操作する手とは反対側の手を表示領域に載せることは良くあることである。しかし、図8(a)及び図8(b)のように、表示領域504の左右を広く不感知領域502に設定することにより、操作とは関係のない手を表示領域504に載せてもその接触を感知することはなく、その接触がゲームに影響を与えることはない。
【0029】
表示制御部112は、例えばGPU等の描画装置を含み、ゲーム制御部113から出力されるゲーム結果を第1表示部131及び第2表示部132にゲーム画像として表示する。具体的には、ゲーム実行中にゲーム制御部113から出力されたゲーム結果に基づいて必要な描画用オブジェクト(グラフィックスデータ)に対して描画処理を実行し、ゲーム画像、メニュー画像等の表示画像を第1表示部131及び第2表示部132に表示させる。上記の通り、第2表示部132はタッチパネルであり、操作入力部104を兼ねている。そのため、表示制御部112は、ユーザがタッチ操作を行う領域を示す画像である操作画像を表示する必要がある。ここで、操作画像は、その形状は問わないが、タッチ操作を行う領域を示す画像形態だけでなく、タッチ、スライド、スワイプ等のタッチ操作の種類を表す形態の画像であっても良い。
【0030】
表示制御部112は、キャラクター情報810を用いて生成したキャラクター画像に操作画像を重畳したゲーム画像を、第2表示部132が表示するゲーム画像として出力する。図6及び図7に、キャラクター画像500に操作画像503を重畳したゲーム画像の一例を示す。ここで、図6はゲーム画像のうちタッチ操作を行う領域を示した操作画像の一例を示した図である。図7はタッチ操作がスライドであり、そのスライドの方向、スライドする領域を示した操作画像の一例を示した図である。
【0031】
表示制御部112は、第2表示部132にゲーム画像を表示させるにあたって、感知領域制御部111が設定した感知領域501内に操作画像503が表示されるようにゲーム画像を生成する。図6及び図7に示す通り、感知領域制御部111は、少なくとも感知領域501内に表示されるように操作画像503を表示する制御を行うが、キャラクターの動き等に応じて操作画像の大きさ、形、及び表示位置を変更するとゲームの興趣性が上がるため好ましい。また、操作画像503の大きさ、形、及び表示位置は、ゲームの勝利回数や一連のゲームの進行に応じて大きさ、形、及び表示位置の少なくともいずれか1つを変更してゲームの難易度を向上させると、ゲームの興趣性が向上するため好ましい。
【0032】
表示制御部112は、操作画像503の近傍に、ユーザに対してタッチ操作を促す操作指示のテキスト505を重畳してゲーム画像を生成する。操作指示のテキストの表示は、感知領域501内及び不感知領域502内のいずれかであっても、両方に跨る形態であってもよい。
【0033】
ゲーム制御部113は、代価の支払いが検出されると、取得部103から出力されたカード情報800に基づいてキャラクター情報810を読み出し、一連のゲームを実行する。
ゲーム制御部113は、操作画像503が表示されている間、操作入力部104から出力されるセンサ情報に基づいて、操作画像の表示領域に対するユーザの操作入力を判定する。操作入力の判定は、操作の有無、操作の方向(軌跡を含む)、操作のタイミング等の少なくともいずれか1つが行われる。ゲーム制御部113は、操作入力の判定結果を示す画像信号を出力する。尚、以下の説明では、説明を簡略化するため、操作画像503の表示領域に対するユーザの操作入力を判定することをミニゲームと記載して説明する。
【0034】
ゲーム制御部113は、操作入力の判定結果によってミニゲームを連続して実行する場合には、該ミニゲームが所定回数実行されたかの確認を、操作入力の判定結果を示す画像信号を出力した後に行う。
【0035】
ゲーム制御部113は、操作入力の判定結果を示すゲーム画像の画像信号を出力すると、ミニゲーム実行処理が所定回数行われたかを確認し、所定回数行われたことを確認すると、ミニゲーム実行処理を終了する。
【0036】
〈ゲーム装置100の動作〉
ゲーム装置100の動作について図9を用いて説明する。尚、本実施形態のゲーム装置100は、感知領域と不感知領域とが予め設定されているものとして説明する。
【0037】
取得部103は、カードのウラ面の二次元コードからカード情報(カードID801及びキャラクターID802)を取得し、ゲーム制御部113に出力する(ステップS601)。
【0038】
ゲーム制御部113は、取得部103から出力されたカード情報800のキャラクターID802に基づいてキャラクター情報810(描画情報812及びパラメータ情報813)を読み出し(ステップS602)、ミニゲーム実行処理を開始する(ステップS603)。
ゲーム制御部113は、ゲーム結果を表示制御部112に出力する(ステップS604)。
【0039】
表示制御部112は、ゲーム結果に基づいて生成したゲーム画像を第1表示部131及び第2表示部132に表示させる(ステップS605)。このとき、第2表示部132に表示されるゲーム画像の一例が、図6又は図7である。
【0040】
操作入力部104は、感知領域内におけるユーザの操作を感知すると、センサ情報を出力する(ステップS606)。
【0041】
感知領域制御部111は、操作入力部104からのセンサ情報が示す座標が感知領域501を定める座標の範囲に含まれるかを判断し(ステップS607)、含まれると判断した場合はそのセンサ情報をゲーム制御部113に出力する(ステップS607:Yes)。含まれないと判断した場合は操作感知を継続する(ステップS606)。
【0042】
ゲーム制御部113は、センサ情報に基づいて、操作画像503の表示領域に対するユーザの操作入力を判定する(ステップS608)。ここで、負けを意味する「失敗」と判定されると(ステップS608:No)、図10に示すような判定結果が第2表示部132に表示され(ステップS612)、ゲーム終了となる。一方、勝利を意味する「成功」と判定されると(ステップS608:Yes)、図11に示すような判定結果が第2表示部132に表示される(ステップS609)。
【0043】
ゲーム制御部113は、ミニゲーム実行処理が所定回数行われたかを確認し(ステップS610)、所定回数行われたことを確認すると、ミニゲーム実行処理を終了する(ステップS611)。
【0044】
上記本発明によると、タッチパネルを用いたゲームにおいて、感知領域と不感知領域とを表示領域に設定し、操作画像を感知領域に表示しているため、年齢や身体の大きさに左右されずにゲーム操作が可能になる。また、感知領域を表示領域の中央付近にすることによって、視野角の狭い子供であっても操作画像を認識しやすくなるため操作が容易になる。更には、感知領域を表示領域の中央付近にすることによって、操作入力時に第2表示部132の外枠への指の接触を回避することが可能である。
【0045】
上記説明では、操作画像503が1つ表示される形態を用いて説明したが、操作画像503を複数表示される形態であってもよい。このような形態の場合、操作入力が複雑になりゲームの興趣性が高まる。
【0046】
また、上記説明では、感知領域501と不感知領域502との境目がユーザからは視認不可能であったが、不感知領域502であることが視認できるように、色、透かし、不感知領域であることがわかる装飾画像等を表示させる形態であってもよい。このような形態の場合、ユーザは感覚的に操作入力が反映されない領域であることが理解でき、操作しやすくなる。
【0047】
更に、上記説明では、2次元コードが目視できる形態で印字されている例を挙げて説明したが、例えばステルスインクによって印字されていてもよい。このような構成の場合、カードの外観を損ねないという効果が得られる。また、上記説明では、2次元コードが印字されている例を用いて説明したが、例えばICタグやRFタグが埋め込まれていても良い。このような構成の場合、情報量を増やすことが可能であるため、上記図5で説明したキャラクター情報810をICタグ又はRFタグに記すことが可能となる。
【0048】
更に、上記説明では、操作入力部104は、感知領域及び不感知領域にかかわらず、タッチ操作に反応してセンサ情報を出力するように構成し、感知領域制御部111が、センサ情報に基づいて、そのタッチ操作が感知領域又は不感知領域のいずれの領域のものかを判断する例を説明した。しかし、感知領域制御部111は操作入力部104(タッチパネル)自体に感知領域又は不感知領域を設定し、操作入力部104(タッチパネル)は感知領域のタッチ操作のみに反応してセンサ情報を出力するように構成しても良い。この場合、表示制御部112は、操作入力部104(タッチパネル)に設定された感知領域に操作画像を表示する。ゲーム制御部113は、操作入力部104(タッチパネル)から出力されるセンサ情報を用いてタッチ操作を判定する。このように構成しても、同様な効果を得ることができる。
【0049】
尚、上記説明では、ゲーム装置100は、制御部110が各構成部の動作プログラムを読み出し、メモリに展開して実行する構成について説明したが、各構成部の動作を実現するハードウェアによって構成されていても実現可能である。
【0050】
[付記1]
ゲームをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、
前記ゲームのゲーム画像を表示部に表示する表示制御手段、
ユーザの操作を感知する感知領域と、前記ユーザの操作を感知しない不感知領域と、を前記表示部に設定する感知領域制御手段、
として機能させ、
前記表示制御手段は、前記感知領域のみに操作画像を表示する、
プログラム。
【0051】
[付記2]
前記表示制御手段は、前記操作画像の表示領域に対する操作が感知された場合と、前記操作画像以外の表示領域に対する操作が感知された場合とでは、異なるゲーム画像を表示する、
付記1に記載のプログラム。
【0052】
[付記3]
前記プログラムは、
前記操作画像の表示領域に対する操作が感知された場合、前記ゲームの進行が有利になるようにゲームを処理するゲーム処理手段、
として機能させる付記1又は付記2に記載のプログラム。
【0053】
[付記4]
前記表示制御手段は、ゲームの進行に応じて、異なる形の操作画像を提示する、
付記1から付記3のいずれかに記載のプログラム。
【0054】
[付記5]
前記表示制御手段は、前記感知領域に操作画像を複数表示する、
付記1から付記4のいずれかに記載のプログラム。
【0055】
[付記6]
前記表示制御手段は、ゲームの進行に応じて、前記操作画像の表示位置を変動させる、
付記1から付記5のいずれかに記載のプログラム。
【0056】
[付記7]
前記感知領域制御手段は、前記不感知領域よりも前記感知領域を広く設定する、
付記1から付記6のいずれかに記載のプログラム。
【0057】
[付記8]
前記感知領域制御手段は、ゲームの内容、及びゲームの進行の少なくとも何れかに応じて、前記感知領域及び前記不感知領域の形及び大きさの少なくとも一方を変化させる、
付記1から付記7のいずれかに記載のプログラム。
【0058】
[付記9]
前記感知領域制御手段は、前記表示部の表示領域の内周近傍の少なくとも一部を不感知領域として設定する、
付記1から付記8のいずれかに記載のプログラム。
【0059】
[付記10]
前記感知領域制御手段は、前記感知領域を取り囲む様にして前記不感知領域として設定する、
付記1から付記9のいずれかに記載のプログラム。
【0060】
[付記11]
ゲーム装置であって、
前記ゲームのゲーム画像を表示部に表示させる表示制御手段と、
ユーザの操作を感知する感知領域と、前記ユーザの操作を感知しない不感知領域と、を前記表示部に設定する感知領域制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記感知領域のみに操作画像を表示する、
ゲーム装置。
【0061】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し、組み合わせて実施することが出来る。
【符号の説明】
【0062】
100 ゲーム装置
101 表示部
102 記憶部
103 取得部
104 操作入力部
105 音声出力部
106 通信部
110 制御部
111 感知領域制御部
112 表示制御部
113 ゲーム制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、
ゲーム要素を取得する取得手段、
前記取得したゲーム要素に関連付けられたキャラクター画像に操作画像重畳して表示部に表示する表示制御手段、
ユーザの操作を感知する感知領域と、前記ユーザの操作を感知しない不感知領域と、を前記表示部に設定する感知領域制御手段、
として機能させ、
前記表示制御手段は、前記キャラクターの動きに応じて前記操作画像の大きさを変更し、且つ、前記感知領域のみに前記操作画像を表示し、
前記感知領域制御手段は、前記表示部の左右方向において、前記表示部の上下方向よりも広く前記不感知領域を設定する、
プログラム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記操作画像の表示領域に対する操作が感知された場合と、前記操作画像以外の表示領域に対する操作が感知された場合とでは、異なるゲーム画像を表示する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記プログラムは、
前記操作画像の表示領域に対する操作が感知された場合、前記ゲームの進行が有利になるようにゲームを処理するゲーム処理手段、
として機能させる請求項1又は請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、ゲームの進行に応じて、異なる形の操作画像を提示する、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記感知領域に操作画像を複数表示する、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、ゲームの進行に応じて、前記操作画像の表示位置を変動させる、
請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記感知領域制御手段は、前記不感知領域よりも前記感知領域を広く設定する、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記感知領域制御手段は、ゲームの内容、及びゲームの進行の少なくとも何れかに応じて、前記感知領域及び前記不感知領域の形及び大きさの少なくとも一方を変化させる、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記感知領域制御手段は、前記表示部の表示領域の内周近傍の少なくとも一部を不感知領域として設定する、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記感知領域制御手段は、前記感知領域を取り囲む様にして前記不感知領域として設定する、
請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
ゲーム装置であって、
ゲーム要素を取得する取得手段、
前記取得したゲーム要素に関連付けられたキャラクター画像に操作画像重畳して表示部に表示させる表示制御手段と、
ユーザの操作を感知する感知領域と、前記ユーザの操作を感知しない不感知領域と、を前記表示部に設定する感知領域制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記キャラクターの動きに応じて前記操作画像の大きさを変更し、且つ、前記感知領域のみに前記操作画像を表示し、
前記感知領域制御手段は、前記表示部の左右方向において、前記表示部の上下方向よりも広く前記不感知領域を設定する、
ゲーム装置。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、
ゲーム要素を取得する取得手段、
前記取得したゲーム要素に関連付けられたキャラクターのキャラクター画像に操作画像を重畳して表示部に表示する表示制御手段、
ユーザの操作を感知する感知領域と、前記ユーザの操作を感知しない不感知領域と、を前記表示部に設定する感知領域制御手段、
として機能させ、
前記表示制御手段は、前記キャラクターの動きに応じて前記操作画像の大きさを変更し、且つ、前記感知領域のみに前記操作画像を表示し、
前記感知領域制御手段は、前記表示部の左右方向において、前記表示部の上下方向よりも広く前記不感知領域を設定する、
プログラム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記操作画像の表示領域に対する操作が感知された場合と、前記操作画像以外の表示領域に対する操作が感知された場合とでは、異なるゲーム画像を表示する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記プログラムは、
前記操作画像の表示領域に対する操作が感知された場合、前記ゲームの進行が有利になるようにゲームを処理するゲーム処理手段、
として機能させる請求項1又は請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、ゲームの進行に応じて、異なる形の操作画像を提示する、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記感知領域に操作画像を複数表示する、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、ゲームの進行に応じて、前記操作画像の表示位置を変動させる、
請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記感知領域制御手段は、前記不感知領域よりも前記感知領域を広く設定する、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記感知領域制御手段は、ゲームの内容、及びゲームの進行の少なくとも何れかに応じて、前記感知領域及び前記不感知領域の、形及び大きさの少なくとも一方を変化させる、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記感知領域制御手段は、前記表示部の表示領域の内周近傍の少なくとも一部を不感知領域として設定する、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記感知領域制御手段は、前記感知領域を取り囲む様にして前記不感知領域として設定する、
請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
ゲーム装置であって、
ゲーム要素を取得する取得手段、
前記取得したゲーム要素に関連付けられたキャラクターのキャラクター画像に操作画像を重畳して表示部に表示させる表示制御手段と、
ユーザの操作を感知する感知領域と、前記ユーザの操作を感知しない不感知領域と、を前記表示部に設定する感知領域制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記キャラクターの動きに応じて前記操作画像の大きさを変更し、且つ、前記感知領域のみに前記操作画像を表示し、
前記感知領域制御手段は、前記表示部の左右方向において、前記表示部の上下方向よりも広く前記不感知領域を設定する、
ゲーム装置。