(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108910
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】応援ツール提供システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240805BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013559
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】517147249
【氏名又は名称】フラッグス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】松江 慎太郎
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB21
5L049BB21
(57)【要約】
【課題】 声援や拍手に代わる応援ツールとして、容器入り菓子を利用した応援ツール提供システムを提供する。
【解決手段】
容器入り菓子商品Mの容器は、有底円筒形状を有する容器本体と、容器本体と同様に円筒形状を有する蓋体と、蓋体内に配置される円筒形状の小収納容器より構成される。使用者が容器を手でつかみ腕を振ると、容器全体が上下に振られ、容器本体内に収容された菓子が容器本体の内壁および小収納容器の底部に衝突することにより、例えば、シャカシャカ等の音が生起する。したがって、片手および小さな力で、拍手や声援に代わる音を出すことが可能となる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定のフレーバー粉末を収容するフレーバー収納部を備えた容器に、前記フレーバー粉末により調味される菓子を所定の容量収容した容器入り菓子を応援ツールとしての商品として事業者に販売し、
前記事業者は、スポーツ観戦施設内で前記容器入り菓子を購入者に所望のフレーバーを選択させて購入させ、
前記購入者が、当該施設における所定の音出しルールに従って、前記容器入り菓子の前記容器を振ることにより、前記フレーバー粉末による前記菓子の調味と、スポーツ観戦時の音出しによる応援行動とを同時に行えるようにした、
応援ツール提供システム。
【請求項2】
前記容器は、菓子を収容する容器本体部がポリエチレンテレフタレート製である、
請求項1に記載の応援ツール提供システム。
【請求項3】
前記事業者が保有する事業者端末と通信可能に接続された情報処理装置を備え、
前記情報処理装置は、前記事業者端末から受信した販売実績情報と、予め登録しておいた事業者情報とに基づいて、商品提案処理を実行する、
請求項1または請求項2に記載の応援ツール提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器入り菓子商品を応援ツールとした応援ツール提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多数人が集まるスポーツ観戦施設では、試合を行うチームおよび選手に対する応援が行われている。このような応援では、音を発生させる応援用具が使用されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、声を拡声するメガホンおよび2本を叩き合わせて音を出すスティック等の打撃により音を出す応援用具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたような応援用具では、打撃等により大きな音が出るため、特に屋内競技を行う施設では、持ち込みおよび/または使用に制限が設けられている場合がある。また、コロナ禍での応援マナーとして声を出して応援することが憚られる状況がある。
【0006】
さらに、試合が長時間に及ぶ競技の場合は、観客席で軽食(スナック菓子および/または飲料)を摂る場合もあり、その時は両手がふさがり、選手のファインプレーに対して、咄嗟に拍手ができないこともある。
【0007】
本発明は、声援や拍手に代わる応援ツールとして、容器入り菓子を利用した応援ツール提供システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された本発明に係る応援ツール提供システムは、特定のフレーバー粉末を収容するフレーバー収納部を備えた容器に、前記フレーバー粉末により調味される菓子を所定の容量収容した容器入り菓子を商品として事業者に販売し、前記事業者は、スポーツ観戦施設内で前記容器入り菓子を購入者に所望のフレーバーを選択させて購入させ、前記購入者が、当該施設における所定の音出しルールに従って、前記容器入り菓子の前記容器を振ることにより、前記フレーバー粉末による前記菓子の調味と、スポーツ観戦時の音出しによる応援行動とを同時に行えるようにした、ことを特徴とするものである。
【0009】
上記本発明に係る応援ツール提供システムにおいて、前記容器は、菓子を収容する容器本体部がポリエチレンテレフタレート製である。
【0010】
上記本発明に係る応援ツール提供システムにおいて、前記事業者が保有する事業者端末と通信可能に接続された情報処理装置を備え、前記情報処理装置は、前記事業者端末から受信した販売実績情報と、予め登録しておいた事業者情報とに基づいて、商品提案処理を実行するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る応援ツール提供システムによれば、特定のフレーバー粉末を収容するフレーバー収納部を備えた容器に、フレーバー粉末により調味される菓子を所定の容量収容した容器入り菓子を商品として事業者に販売することから、事業者側は菓子に対してフレーバー粉末の選択が自由に行えるとともに、メーカ側は調味済み菓子の在庫を持つ必要がなく、商品回転率を上げ廃棄率を下げることが可能となる。さらに、容器入り菓子は、フレーバー粉末により菓子を調味するときに購入者が容器自体を上下に振る行動によって音を発生させることができることから、事業者はスポーツ観戦施設を訪れる観戦客に応援時の音出しに使う応援ツールを提供することができる。すなわち、購入者にスポーツ観戦時の音出しによる応援行動とを同時に行えるようにしたことにより、事業者はスポーツ観戦における応援と菓子への調味という2つの楽しみを購入者に提供することが可能となる。
【0012】
また、本発明の他の態様に係る応援ツール提供システムによれば、菓子を収容する容器の容器本体部をポリエチレンテレフタレート製としたことにより、フレーバー粉末により菓子を調味するときに購入者が容器自体を上下に振ったときに、より軽やかな音出しが可能となる。
【0013】
また、本発明の他の態様に係る応援ツール提供システムによれば、事業者が保有する事業者端末と通信可能に接続された情報処理装置を備え情報処理装置は、事業者端末から受信した販売実績情報と、予め登録しておいた事業者情報とに基づいて、商品提案処理を実行することから、メーカに商品を発注する事業者は、個別のスポーツ観戦施設の状況に応じてフレーバーを選択して発注することができ、売れ残りの発生を低減できるととともに、売れ筋商品の販売機会を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る応援システムにおける応援ツールとしての容器入り菓子の容器の分解斜視図である。
【
図2】フレーバー収納部の下方向からの斜視図である。
【
図4】容器入り菓子を応援ツールとして使用する様子を示す説明図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る応援システムの概要説明図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る応援システムのフローを説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の要旨は、特定のフレーバー粉末を収容するフレーバー収納部を備えた容器に、フレーバー粉末により調味される菓子を所定の容量収容した容器入り菓子を商品として事業者に販売し、事業者は、スポーツ観戦施設内で前記容器入り菓子を購入者に所望のフレーバーを選択させて購入させ、購入者が、当該施設における所定の音出しルールに従って、容器入り菓子を振ることにより、フレーバー粉末による菓子の調味と、スポーツ観戦時の応援行動とを同時に行えるように構成したことにある。
【0016】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0017】
本発明の一実施形態に係る応援システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0018】
[1.応援ツールとしての容器入り菓子商品について]
[容器の構成]
図1および
図2に、本発明の一実施形態に係る応援システムにおける応援ツールとしての容器入り菓子商品Mの容器1の構成を示す。
【0019】
容器1は、有底円筒形状を有する容器本体部10と、容器本体部10と同様に円筒形状を有する蓋体20と、蓋体20内に配置される円筒形状のフレーバー収納部30より構成される。
【0020】
容器本体部10は、菓子を収納する部分であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET:Poly Ethylene Terephthalate)等の合成樹脂材料により形成されている。容器本体部10の上部開口13より僅かに下側の外周面には螺条14が設けられている。
【0021】
蓋体20は、円形の頂部21と筒状の外周壁部22とから成り、外周壁部22の内周面には、容器本体部10側の螺条14に螺合する螺条24が設けられている(
図3参照)。容器本体部10の上部開口13に蓋体20を被せ、容器本体部10側の螺条14に螺条24を螺合させることにより、容器本体部10に対して蓋体20が取り付けられる。容器本体部10と同様の合成樹脂材料により形成されている。
【0022】
フレーバー収納部30は、菓子の味付け用のフレーバー粉末を収容する有底容器であり、断面視略逆台形状の収納部31と、上部開口33の縁に亘って設けられた環状のフランジ32を有する。
【0023】
フランジ32は、蓋体20の内周と略同一の直径を有する。フランジ32の上面は平坦面に形成され、フレーバー粉末を収納部31に収納した後に、上部開口33をシール部材34により封止可能に構成されている。
【0024】
フレーバー収納部30の底部には、収納部31に収納したフレーバー粉末が通過可能な複数の孔部35が設けられている。これらの孔部35は、フレーバー粉末の封入時および容器入り菓子の輸送時においては、フレーバー粉末が当該孔部35より抜け出ることがないように、シール部材36により封止されている。
【0025】
フレーバー収納部30の上部開口33を覆うシール部材34の上面は、接着剤又は粘着剤で形成された貼着部材37(
図3参照)を介して蓋体20の円形の頂部21の裏面に貼り付けられる。
【0026】
フレーバー収納部30は、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂材料で構成される。また、フレーバー収納部30は、例えば、人が指でつまむ程度の外力により変形が可能な可撓性を有している。なお、フレーバー収納部30は、適度な可撓性を有する材料であれば、例えば、容器本体部10と同様にポリエチレンテレフタレート製であってもよい。フレーバー収納部30を蓋体20に取り付けるときには、外力により変形させて、蓋体20の外周壁部22の内周面に設けられた螺条24とフランジ32を避けてフレーバー収納部30を蓋体20に装着する。また、蓋体20の頂部21の裏面にフレーバー収納部30を貼設した後には、蓋体20の螺条24は、フレーバー収納部30のフランジ32を下から支えるように当接することで、貼着部材37の粘着力が弱くなった場合でも、フレーバー収納部30の蓋体20からの脱落が防止される。
【0027】
[菓子]
容器本体部10に収容する菓子としては、容器1を上下に振動させて互いに衝突或いは菓子が容器本体部10の内壁部に衝突したときに粉砕されない程度の硬さを有するものが採用される。例えば、あられ菓子、かき餅、豆菓子、ナッツ類、ドライフルーツ、小魚或いは所定の大きさに刻んだ昆布等の乾物、金平糖等の砂糖菓子、および、それらから選択される2種以上の任意の組み合わせによる混合物を採用することができる。
【0028】
[フレーバー粉末]
フレーバー収納部30に収納するフレーバー粉末としては、塩、砂糖、しょう油、コンソメ、明太子、海苔、抹茶、きな粉、ショウガ、香辛料、カレー、焼きそば、チーズ等の風味成分・呈味成分を含む粉末調味料を採用することができる。
【0029】
[容器入り菓子商品による音発生と調味]
図4に示すように、使用者が容器1の容器本体部10を手でつかみ腕を振ると、当該容器1全体が上下に振られ、容器本体部10内に収容された菓子が容器本体部10の内壁およびフレーバー収納部30の底部に衝突することで、例えば、シャカシャカ等の音が生起する。したがって、片手および小さな力で、拍手および声援に代わる音を出すことが可能となる。
【0030】
[2.応援ツール提供システムのビジネスモデルについて]
[情報処理システムの構成]
図5に示すように、応援ツール提供システムは、事業者からのメーカへの発注、メーカから事業者への納品を管理する情報処理システム100を含んでいる。この情報処理システム100は、システム全体を管理するシステムサーバ110と、応援ツールとしての容器入り菓子商品Mを提供するメーカが保有するメーカ端末120と、メーカから容器入り菓子の供給を受けスポーツ施設を訪れる観客に販売する事業者が保有する事業者端末130とで構成される。
【0031】
事業者は、スポーツ観戦施設の運営者、スポーツチームのオーナー、および、スポーツチームのスポンサー、あるいは、これらの者から販売を委託された販売事業者等である。
【0032】
システムサーバ110、メーカ端末120および事業者端末130は、公衆通信回線網150を介して、それぞれ相互に通信可能に接続されている。システムサーバ110、メーカ端末120および事業者端末130としては、中央演算装置(CPU)、メモリ装置(RAM,ROM)および通信インターフェースを有する周知のコンピュータ装置が使用される。また、公衆通信回線網150は、インターネット回線、携帯電話通信回線、電話回線、通信衛星回線等である。
【0033】
システムサーバ110は、メーカ端末120および事業者端末130から送信された情報を蓄積するとともに、当該蓄積した情報の分析プログラムを格納し実行する情報処理装置である。システムサーバ110には、事業者情報が予め登録されている。事業者情報には、スポーツ観戦施設の場所、試合日程、過去の集客情報等が含まれる。また、システムサーバ110は、スポーツ観戦施設の場所、開催日情報および天候等に応じて、販売される容器入り菓子商品Mにおいて選択されるフレーバーの傾向を分析する商品分析処理を実行し、商品分析結果に基づく情報(おすすめ商品情報)を事業者に提供する。
【0034】
メーカ端末120は、公衆通信回線網150を介して事業者端末130からの発注に応じた内容(特定のフレーバーと菓子とを組み合わせ)および数量の容器入り菓子商品Mを事業者に納品するための納品処理を実行する。
【0035】
事業者端末130は、在庫の賞味期限、在庫数の減少、および、システムサーバ110から受信したおすすめ商品情報に基づいて、公衆通信回線網150を介して、メーカ端末120へ容器入り菓子商品Mを発注する商品発注処理を実行する。
【0036】
[情報処理システムの処理の概要]
以下、
図6を参照して、システムサーバ110、メーカ端末120および事業者端末130で実行される一連の処理の概要を説明する。
【0037】
事業者は、現在の在庫数および試合の開催時期によって好まれるフレーバーに応じて、容器入り菓子商品の種類および数量を決定し、公衆通信回線網150を介して、メーカ端末120へ容器入り菓子商品Mを発注する(ステップS1)。
【0038】
メーカ端末120は、事業者端末130からの容器入り菓子商品Mの発注を受信し(ステップS2)、受注処理を実行する。メーカ側では、受注内容に応じた種類および数量の容器入り菓子商品が準備される。メーカ側は、予めフレーバー粉末を収納したフレーバー収納部30と、菓子を収納した容器本体部10を別体として準備しておき、菓子を収納した容器本体部10にフレーバー粉末入りのフレーバー収納部30を貼設した蓋体20を組み合わせることにより、受注した種類および数量の容器入り菓子商品を準備する。すなわち、容器入り菓子商品Mは、菓子を収納した容器本体部10とフレーバー粉末を収納したフレーバー粉末収納容器(フレーバー収納部30)が容器1の蓋体20と一体としてパッケージされたものとなる。パッケージ化においては、事業者に応じた印刷が施された包装フィルムを容器1の外周に巻き付けたものとすることができる。
【0039】
メーカ側の受注、納品処理においては、受注を受けてから菓子とフレーバーを組み合わせるようにしている。一般的に、フレーバー粉末の賞味期限に対して、容器本体部10に収容する菓子の方の賞味期限が短い場合が多い。このような場合に、初めから菓子をフレーバーで調味して在庫として在庫管理を行うと、賞味期限が短い菓子に合わせて、商品を廃棄処分することになる。本システムにおける受注、納品処理においては、フレーバーを菓子とは別容器体とし菓子とは別に管理可能としたことで、メーカ側はフレーバー毎の調味済み菓子の在庫を持つ必要がない。これにより、メーカ側は菓子の商品回転率を高い状態に安定的に保つことができ、商品の廃棄率を下げることが可能となる。
【0040】
メーカ側で準備された商品は、運送事業者により、メーカ側の商品倉庫から販売事業者に配送される。
【0041】
メーカ端末120は、発送納品処理(ステップS3)を実行し納品情報を、公衆通信回線網150を介して、システムサーバ110および事業者端末130に送信する。納品情報には、容器入り菓子商品Mの種類(フレーバーの種類)、数量、製造年月日、賞味期限を含む。
【0042】
事業者端末130は、メーカ端末120から送信された納品情報を受信し、商品の受領処理を実行する(ステップS4)。より具体的には、納品情報を入荷情報として在庫管理リストに追加する在庫更新処理を実行する。また、事業者端末130は、販売実績情報をシステムサーバ110に送信する(ステップS5)。
【0043】
システムサーバ110は、メーカ端末120から商品情報を受信し(ステップS6)、例えば、HDD(Hard Disk Drive)若しくはSSD(Solid State Drive)等の記憶装置に格納する。また、システムサーバ110は、事業者端末130から販売実績情報を受信し(ステップS7)、記憶装置に格納する。
【0044】
システムサーバ110は、メーカ端末120から受信した商品情報と、事業者端末130から受信した販売実績情報と、予め登録しておいた事業者情報とに基づいて、販売される容器入り菓子商品Mにおいて選択されるフレーバーの傾向を分析する商品分析処理を実行する(ステップS8)。試合が開催される曜日および時間帯によって、観客の年齢層に差があり、年齢による嗜好の違いがフレーバーの選択に影響を及ぼす。このため、スポーツ観戦施設の場所、試合日程等を含む事業者情報を商品分析に加えることで、各スポーツ観戦施設で良好な販売が期待できるフレーバーの容器入り菓子商品を抽出することができる。しかる後、システムサーバ110は、商品分析結果を商品発注の提案として事業者端末130に送信する(ステップS9)。
【0045】
システムサーバ110は、商品分析結果を商品発注の提案(参考)として事業者端末130に送信する(ステップS9)。事業者端末130は、システムサーバ110からの商品発注の提案を受信し(ステップS10)、提案に応じた容器入り菓子商品Mの種類(フレーバー)と数を決定する(ステップS11)。事業者端末130は、ここでの決定に対する事業者からの承認および/または変更入力を受け付けた後、メーカ端末120への容器入り菓子商品Mの発注(ステップS1)を実行する。
【0046】
上述したステップS1からステップS11は、システムサーバ110における商品提案処理を含む、事業者およびメーカとの商品の発注・受注処理である。なお、上述したシステムサーバ110における商品提案処理では、メーカ端末120から受信した出荷時の商品情報と、事業者端末130から受信した販売実績情報と、予め登録しておいた事業者情報とに基づいて、商品分析処理を行ったが、これに限定されない。事業者端末130から受信した販売実績情報と、予め登録しておいた事業者情報とに基づいて、商品分析処理を行ってもよい。
【0047】
事業者は、納品された容器入り菓子商品Mをスポーツ観戦施設において他の応援グッズとともに売店等の店頭に陳列して販売する。販売時においては、容器入り菓子商品Mの応援ツールとしての使い方、および、フレーバー粉末による調味の説明を行う。このような容器入り菓子商品Mの説明情報の提供においては、システムサーバ110の記憶装置に予め説明文書および/または説明動画を記憶させておき、購入者が売店に掲示もしくは商品パッケージに印刷されたURLにアクセスさせることで提供するようにしてもよい。
【0048】
購入者は、購入した容器入り菓子商品Mの蓋体20に設けられた所望のフレーバー粉末が封入されたフレーバー収納部30の底部に貼着されたシール部材36を剥がし、複数の孔部35をフレーバー粉末が通過可能な状態とする。そして、容器本体部10に蓋体20を装着する。容器本体部10の螺条14と蓋体20の螺条24とが互いに係合することにより、フレーバー収納部30のフランジ32が容器本体部10の上部開口13の縁部と蓋体20の頂部21の裏面との間に挟まれ、フレーバー収納部30および蓋体20が容器本体部10に対して固定される。複数の孔部35から落下するフレーバー粉末を、菓子全体に均一に行き渡らせるため、
図4に示すように、購入者は、容器1を片手で掴んで上下に振る。これにより、所望のフレーバー粉末による容器本体部10内の菓子の調味が行われる。同時に、購入者が容器1全体を振ることで、音出し機能を生起させることができる。例えば、試合の休憩時間または中断時間に行われるパフォーマンスショーにおいて、観客がショーの内容に合わせて当該容器1を振ることによる同期した音出しを行うことにより、パフォーマーと観客による一体的な応援ショーを実現することが可能となる。
【0049】
上述のように、単に菓子とフレーバー粉末との組み合わせ商品の販売ビジネスではなく、各スポーツ観戦施設の状況、試合日程に応じて、菓子とフレーバー粉末の選択を自由にするとともに、スポーツ観戦における応援と菓子への調味という2つの楽しみを購入者に提供するビジネスモデルが構築される。すなわち、スポーツ観戦施設において、特定のフレーバー粉末により所望の味への調味を実現可能な「容器入り菓子」を販売商品として、容器入り菓子商品Mの製造者、販売者(施設運営者等)、その購入者により構成されるビジネスモデルを構築することができる。
【0050】
例えば、プロスポーツの場合、それぞれのチームにホームと呼ばれる競技施設がある。施設運営者がチームの運営母体およびスポンサーと共同して「容器入り菓子」を応援ツールとして販売し、購入者は、「容器入り菓子」を振ることにより、各チームの公認応援団と一体的な音が出る応援を体験できる。さらに、「容器入り菓子」の「菓子」は調味を控えめにして購入者の所望のフレーバー粉末を別容器とし、購入者が応援中に容器を振ることによりさらに菓子を調味するようにしていることから、施設運営者等の販売者は、購入者に対して、贔屓のチームの応援に参加することと、菓子の味を楽しむことの、2つの楽しみを提供することが可能となる。したがって、スポーツ観戦の集客において、応援を楽しめる施設として差別化を図ることができる。
【0051】
上述した実施形態の説明は本発明の一例であり、本発明に係る応援システムは上述の実施形態に限定されることはない。このため、上述した実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。また、本開示に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0052】
上述した実施形態では、メーカから事業者に出荷するときに、容器入り菓子商品Mを、菓子を入れた容器本体部10と特定のフレーバー粉末を収納したフレーバー収納部30を有する蓋体20とを一体としていたが、これに限定されない。メーカは菓子を入れた容器本体部10の上部開口13をシール部材で封止した菓子部分と、フレーバー収納部30を有する蓋体20とを別体として出荷し、事業者は、観客への販売時に、購入者に特定のフレーバーのフレーバー収納部30を有する蓋体20を選択させて、菓子部分と蓋部分をセット販売するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 容器
10 容器本体部
13 上部開口
14 螺条
20 蓋体
22 外周壁部
24 螺条
30 小収納容器
32 フランジ
33 上部開口
35 孔部
36 シール部材
110 システムサーバ
120 メーカ端末
130 事業者端末