(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108925
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】建物の基礎設計方法、基礎設計プログラム及び基礎設計装置
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20240805BHJP
E04B 1/16 20060101ALI20240805BHJP
E02D 27/01 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
G06F30/13
E04B1/16 Z ESW
E02D27/01 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013586
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】599118919
【氏名又は名称】株式会社AQ Group
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮沢 俊哉
【テーマコード(参考)】
2D046
5B146
【Fターム(参考)】
2D046BA41
5B146AA04
5B146DC05
5B146DE11
(57)【要約】
【課題】建物の基礎設計を容易にすることができる建物の基礎設計方法、基礎設計プログラム及び基礎設計装置を得る。
【解決手段】建物の基礎設計方法は、建物の基礎上に立設された柱間に支持された梁の長さの最大値Smaxに基づいて基礎が負担する荷重を設定し、設定された荷重に基づいて、梁の長さの最大値Smaxと必要な耐荷重性能を備える基礎の仕様とを対応付けた基礎仕様表40を作成し、梁の長さを含む建物の設計情報と基礎仕様表40とを参照して建物の基礎の仕様を決定する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の基礎上に立設された柱間に支持された梁の長さの最大値に基づいて前記基礎が負担する荷重を設定し、
設定された前記荷重に基づいて、前記梁の長さの最大値と必要な耐荷重性能を備える基礎の仕様とを対応付けた基礎仕様表を作成し、
前記梁の長さを含む建物の設計情報と前記基礎仕様表とを参照して建物の基礎の仕様を決定する、
建物の基礎設計方法。
【請求項2】
前記設計情報には、建物の建築地の地耐力が含まれ、
前記基礎仕様表は、
前記梁の長さの最大値と、
前記建物の建築地の地耐力と、
基礎のフーチング幅の仕様と、が対応づけられたフーチング幅仕様表を含む、
請求項1に記載の建物の基礎設計方法。
【請求項3】
前記設計情報には、前記基礎上に立設された前記柱の柱間隔が含まれ、
前記梁の長さの最大値と、
前記基礎上に立設された前記柱の柱間隔と、
前記柱間隔が設けられる前記基礎に配置される長期荷重用追加鉄筋の仕様と、が対応づけられた長期荷重用追加鉄筋仕様表を含む、
請求項1に記載の建物の基礎設計方法。
【請求項4】
前記設計情報には、前記基礎上で耐力壁に隣接する柱間隔が含まれ、
前記基礎仕様表は、
前記梁の長さの最大値と、
前記基礎上で耐力壁に隣接する柱間隔と、
前記耐力壁の端部の前記柱にかかる引抜力と、
前記耐力壁が設けられる前記基礎に配置される短期荷重用追加鉄筋の仕様と、が対応づけられた短期荷重用追加鉄筋仕様表を含む、
請求項1に記載の建物の基礎設計方法。
【請求項5】
前記基礎仕様表には、前記梁の長さの最大値として、3640[mm]よりも大きい値が含まれる、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の建物の基礎設計方法。
【請求項6】
建物の基礎を設計するための基礎設計プログラムであって、
建物の基礎上に立設された柱間に支持された梁の長さの最大値に基づいて前記基礎が負担する荷重を設定し、
設定された前記荷重に基づいて、前記梁の長さの最大値と必要な耐荷重性能を備える基礎の仕様とを対応付けた基礎仕様表を作成し、
前記梁の長さを含む建物の設計情報と前記基礎仕様表とを参照して建物の基礎の仕様を決定する処理をコンピュータに実行させる基礎設計プログラム。
【請求項7】
建物の基礎を設計するための基礎設計装置であって、
建物の基礎上に立設された柱間に支持された梁の長さの最大値に基づいて前記基礎が負担する荷重を設定する設定部と、
設定された前記荷重に基づいて、前記梁の長さの最大値と必要な耐荷重性能を備える基礎の仕様とを対応付けた基礎仕様表を作成する作成部と、
前記梁の長さを含む建物の設計情報と前記基礎仕様表とを参照して建物の基礎の仕様を決定する決定部と、
を有する基礎設計装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の基礎設計方法、基礎設計プログラム及び基礎設計装置に関する。
【背景技術】
【0002】
木造建物を構築する方法の一例として特許文献1に記載のものが知られている。この工法では、まず、基礎上の土台の上に1階~2階に渡る通し柱を立て、この通し柱の中間部に1階横架材(胴差)を取付ける。次に、1階横架材で囲われた構面に、工場生産による遮音装置を組込んだ大型の2階床パネルを取り付ける。次に、通し柱の上端部に2階横架材(屋根梁)を取付け、2階横架材で囲われた構面に小屋組を取付ける。最後に、2階横架材および小屋組に、工場生産による断熱材および防水紙を取付けた大型の屋根パネルを取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
ところで、上記の木造建物の構築方法やそれ以外の在来の軸組工法においては、基礎に設置された土台の所定の位置に柱を立設するとともに柱間に梁を架設する。
【0005】
ここで、注文住宅等の建物の設計において、購入者の希望に対応して建物を設計しようとすると、基礎上に立設された柱間の距離が様々となり、柱間に支持される梁の長さが多種化する。
【0006】
このように梁の長さが多種化した場合、建物の自重によって梁、柱を介して基礎に伝達される荷重が位置によって異なるため、必要な耐荷重性能を備えるために複雑な基礎設計が必要となり、負担が大きいという課題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記課題を考慮してなされたものであり、建物の基礎設計を容易にすることができる建物の基礎設計方法、基礎設計プログラム及び基礎設計装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様に係る建物の基礎設計方法は、建物の基礎上に立設された柱間に支持された梁の長さの最大値に基づいて前記基礎が負担する荷重を設定し、設定された前記荷重に基づいて、前記梁の長さの最大値と必要な耐荷重性能を備える基礎の仕様とを対応付けた基礎仕様表を作成し、前記梁の長さを含む建物の設計情報と前記基礎仕様表とを参照して建物の基礎の仕様を決定する。
【0009】
一般的に、基礎上に立設された柱間の距離が遠く柱間に支持された梁の長さが増すほど、建物の自重によって、梁、柱を介して基礎に伝達される荷重が大きくなる。そこで、発明者は、柱間に支持される梁の長さの最大値に基づいて基礎が負担する荷重を設定し、設定された荷重に基づいて設計された建物の基礎の仕様は、必要な耐荷重性能を考慮する上で有効であるとの着想を得た。
【0010】
発明者の上記着想を具現化した一例として、本発明の第1の態様に係る基礎設計方法は、建物の基礎上に立設された柱間に支持された梁の長さの最大値に基づいて基礎が負担する荷重を設定し、設定された荷重に基づいて、当該梁の長さの最大値と必要な耐荷重性能を備える基礎の仕様とを対応付けた基礎仕様表を作成する。そして、当該梁の長さを含む建物の設計情報と基礎仕様表とを参照して建物の基礎の仕様を決定する。
【0011】
即ち、建物の設計情報から柱間に支持される梁の長さの最大値を特定し、当該梁の長さの最大値に応じた基礎の仕様を基礎仕様表から選択することで、必要な耐荷重性能を備える基礎の仕様が決定される。これにより、基礎の仕様を決定するにあたり、基本的な設計情報が分かればよく、複雑な計算を要しない。その結果、建物の基礎設計を容易にすることができる。
【0012】
第2の態様に係る建物の基礎設計方法は、第1の態様に記載の構成において、前記設計情報には、建物の建築地の地耐力が含まれ、前記基礎仕様表は、前記梁の長さの最大値と、前記建物の建築地の地耐力と、基礎のフーチング幅の仕様と、が対応づけられたフーチング幅仕様表を含む。
【0013】
第2の態様では、建物の設計情報から、柱間に支持される梁の長さの最大値と、建物の建築地の地耐力とを特定することにより、フーチング幅仕様表に基づいて基礎のフーチング幅の仕様が決定される。これにより、基本的な設計情報によって基礎のフーチング幅の仕様を決定することができるため、建物の基礎設計を容易にすることができる。
【0014】
第3の態様に係る建物の基礎設計方法は、第1の態様に記載の構成において、前記設計情報には、前記基礎上に立設された前記柱の柱間隔が含まれ、前記梁の長さの最大値と、前記基礎上に立設された前記柱の柱間隔と、前記柱間隔が設けられる前記基礎に配置される長期荷重用追加鉄筋の仕様と、が対応づけられた長期荷重用追加鉄筋仕様表を含む。
【0015】
第3の態様では、建物の設計情報から、柱間に支持される梁の長さの最大値と、基礎上に立設された柱の柱間隔とを特定することにより、長期荷重用追加鉄筋仕様表に基づいて長期荷重用追加鉄筋の仕様が決定される。これにより、基本的な設計情報によって基礎の長期荷重用追加鉄筋の仕様を決定することができるため、建物の基礎設計を容易にすることができる。
【0016】
第4の態様に係る建物の基礎設計方法は、第1の態様に記載の構成において、前記設計情報には、前記基礎上で耐力壁に隣接する柱間隔が含まれ、前記基礎仕様表は、前記梁の長さの最大値と、前記基礎上で耐力壁に隣接する柱間隔と、前記耐力壁の端部の前記柱にかかる引抜力と、前記耐力壁が設けられる前記基礎に配置される短期荷重用追加鉄筋の仕様と、が対応づけられた短期荷重用追加鉄筋仕様表を含む。
【0017】
第4の態様では、建物の設計情報から、柱間に支持される梁の長さの最大値と、基礎上で耐力壁に隣接する柱間隔と、耐力壁の端部の前記柱にかかる引抜力とを特定することにより、短期荷重用追加鉄筋仕様表に基づいて短期荷重用追加鉄筋の仕様が決定される。これにより、基本的な設計情報によって基礎の短期荷重用追加鉄筋の仕様を決定することができるため、建物の基礎設計を容易にすることができる。
【0018】
第5の態様に係る建物の基礎設計方法は、第1の態様~第4の態様の何れか1態様に記載の構成において、前記基礎仕様表には、前記梁の長さの最大値として、3640[mm]よりも大きい値が含まれる。
【0019】
尺モジュールを基本モジュールとする注文住宅の間取りでは、一般的に、基礎上に立設される柱間の距離の上限、即ち、柱間に支持される梁の長さの上限が、3640[mm]に設定されている。これに対し、本発明の第5の態様によれば、基礎仕様表には、柱間に支持される梁の長さの最大値として、3640[mm]よりも大きい値が含まれる。これにより、短辺が3640[mm]よりも長くなるような大空間を有する建物の基礎設計も容易に行うことができ、住宅のプランニングの自由度の更なる向上と、設計容易性とを両立させることができる。
【0020】
第6の態様に係る基礎設計プログラムは、建物の基礎を設計するための基礎設計プログラムであって、建物の基礎上に立設された柱間に支持された梁の長さの最大値に基づいて前記基礎が負担する荷重を設定し、設定された前記荷重に基づいて、前記梁の長さの最大値と必要な耐荷重性能を備える基礎の仕様とを対応付けた基礎仕様表を作成し、前記梁の長さを含む建物の設計情報と前記基礎仕様表とを参照して建物の基礎の仕様を決定する処理をコンピュータに実行させる。
【0021】
第7の態様に係る基礎設計装置は、建物の基礎を設計するための基礎設計装置であって、建物の基礎上に立設された柱間に支持された梁の長さの最大値に基づいて前記基礎が負担する荷重を設定する設定部と、設定された前記荷重に基づいて、前記梁の長さの最大値と必要な耐荷重性能を備える基礎の仕様とを対応付けた基礎仕様表を作成する作成部と、前記梁の長さを含む建物の設計情報と前記基礎仕様表とを参照して建物の基礎の仕様を決定する決定部と、を有する。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明に係る建物の基礎設計方法、基礎設計プログラム及び基礎設計装置によれば、建物の基礎設計を容易にすることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本実施形態に係る基礎の一例を示す基礎の平面図である。
【
図2】
図1の2-2線に沿って切断した状態を示す基礎の断面図である。
【
図3】本実施形態に係る基礎設計方法による建物の例であり、1階部分の基礎を平面視で示す基礎伏図である。
【
図4】
図3に示す建物の1階に配置された柱と柱に支持された2階の床梁とを模式的に示す構造材の伏図である。
【
図5】基礎仕様表の一例であり、(A)は、フーチング幅仕様表を示しており、(B)は、長期荷重用追加鉄筋仕様表を示しており、(C)は、短期荷重用追加鉄筋仕様表を示している。
【
図6】本実施形態に係る基礎設計装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図7】本実施形態に係る基礎設計装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図8】本実施形態に係る基礎設計装置による基礎設計処置の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、
図1~
図8を参照し、本実施形態に係る建物の基礎設計方法について説明する。本実施形態に係る建物の基礎設計方法では、一例として、木造軸組み工法によって建築される2階建て又は平屋造りの木造建物の基礎30の仕様を決定することができる。基礎30は、鉄筋コンクリート造りの基礎で構成され、基礎30の内部に鉄筋が配設されている。
【0025】
(基礎)
図1には、本実施形態に係る建物の基礎設計方法による建物の一例としての建物10の一例として、建物10Aが示されている。この図に示されるように、基礎30は、建物10Aの外周に沿って配置される外周基礎30A、外周基礎30Aの内側において、外周基礎30Aの立上り部34間を連結する内周基礎30B、外周基礎30Aの内側に独立して設けられる独立基礎30Cを構成する。
【0026】
図2に示されるように、基礎30の種類は、布基礎又は独立基礎であり、地中Eに埋設されるフーチング部32とフーチング部32から立設する立上り部34を有している。
【0027】
ここで、立上り部34の建物上方側には、木質の土台12が設けられている。土台12は、立上り部34に沿って延びる角材である。土台12の上方側には、木質の柱22が立設されている。柱22は、基礎30上に立設されて建物の高さ方向に延びる角材である。
【0028】
フーチング部32には、幅方向に延びる複数のベース筋33が基礎の延在方向に沿って間隔を空けて配置されている。また、フーチング部32には、基礎の延在方向に沿って延びると共に各ベース筋33と直交する下端主筋35が配置されている。
【0029】
立上り部34には、鉛直方向に延び、各ベース筋33のそれぞれと直交する複数の縦筋38が配置されており、縦筋38の上端部には、下端主筋35と平行に延びる上端主筋36が配置されている。また、下端主筋35と上端主筋36との間には、これらと平行に延びる腹筋37が配置されている。さらに、下端主筋35の直上と上端主筋36の直下には、これらと平行に延びる補強筋39が配置されている。
【0030】
なお、補強筋39は必須ではなく、下端主筋35と上端主筋36で耐荷重性能が充分に確保される箇所では、補強筋39を省略してもよい。補強筋39は、建物10の自重から計算される長期荷重や、地震等で建物10に入力される水平方向の荷重(短期荷重)に対する耐荷重性能を確保するために必要な場合に追加される。
【0031】
本実施形態に係る建物の基礎設計方法では、建築予定の建物10の設計情報と、後述する基礎仕様表40(
図5参照)とを参照して、必要な耐荷重性能を備える基礎30の使用を決定する。
【0032】
具体的に、基礎仕様表40では、建物10の設計情報に基づいて、一例として、基礎30のフーチング幅Wと所定の部位における補強筋39の要否、並びに、補強筋39の種類(規格)等が決定することができる。従って、基礎30の立上り部34の高さH、ベース筋33の規格及び配置間隔、縦筋38の規格及び配置間隔等は、予め設定されている。以下、基礎の設計方法について詳細に説明する。
【0033】
図3及び
図4には、本実施形態に係る基礎設計方法による建物10の一例として、建物10Bが示されている。建物10Bは、二階建ての木造建物である。
図3は、建物10Bの基礎30を示す伏図であり、
図4は、建物10Bの1階部分に配置された構造材(柱22及び耐力壁20)と、当該構造材に支持された2階部分の床梁(梁23)の位置を示す構造材の伏図である。なお、以下に説明される建物10Bの基礎の構成は一例であり、必須ではない。
【0034】
図3に示されるように、建物10Bには、外周に沿って配置される外周基礎30Aと、外周基礎の内側において、2箇所に設けられた独立基礎30Cとを有している。一例として、二箇所の独立基礎30Cの間には、1階フロアと2階フロアとを連結する階段室(符号省略)が設けられる。階段室は、独立基礎30Cと独立基礎30C上に立設された複数の柱22(内周柱22B)とで支持される。なお、階段室を設けることは一例であり、必須ではない。
【0035】
図4に示されるように、建物10Bの1階部分には、構造材として、基礎30の上から立設された複数の柱22が設けられている。複数の柱22は、建物10Bの外周部に設けられた外周柱22Aと、建物10Bの内部に設けられた内周柱22Bと、で構成される。
【0036】
外周柱22Aは、外周基礎30Aから立設されている。内周柱22Bは、図示の例では、二箇所の独立基礎30Cから立設されている。また、図示はしないが、建物10Bの内部に、外周基礎30Aの立上り部34間を連結する内周基礎30B(
図1)を有する場合には、内周柱22Bには、内周基礎30Bから立設された柱も含まれる。
【0037】
また、建物10Bの1階部分には、構造材として、複数の耐力壁20が配置されている。各耐力壁20の構造について特に限定はないが、本実施形態の一例では、基礎30上に立設された一対の柱22(外周柱22A又は内周柱22B)と、一対の柱22間を連結する面材(符号省略)とを含んで構成されている。
【0038】
即ち、建物10Bの基礎30上に立設された柱22の一部は、耐力壁20の端部を構成している。また、耐力壁20を構成しない柱22間には、雑壁(非耐力壁)や窓等の開口部が設けられている。
【0039】
なお、耐力壁20を構成する面材は、構造用の合板などで構成される。また、複数の耐力壁20が隣接して配置される箇所では、一対の柱22のうち一方又は両方が、隣接する耐力壁20間で共有される。
【0040】
上述のように基礎30上に立設された複数の柱22は、延在方向の上端部において、当該柱22と直交する複数の梁23に接合されている。複数の梁23は、外周柱22A間で支持される外周梁23Aと、外周柱22Aと内周柱22Bとで支持される内周梁23Bとを含んでいる。
【0041】
ところで、建物の自重は、構造材としての梁、柱を介して基礎に伝達される。また、一般的に、基礎30上に立設された柱間の距離が遠く、柱間に支持された梁の長さが増すほど、梁、柱を介して基礎に伝達される荷重が大きくなる。
【0042】
従って、建物の基礎上に立設された柱間に支持される梁の長さの最大値に基づいて基礎が負担する荷重を設定した場合、設定された荷重に基づいて設計された基礎30の仕様は、必要な耐荷重性能を考慮する上で有効である。
【0043】
そこで、本実施形態に係る建物の基礎設計方法では、二階建て又は平屋造りの建物の柱間に支持される梁の長さの最大値に基づいて基礎30が負担する荷重を設定した。この設定値は、梁の長さの最大値に基づいて算出される推定値であり、建物の基礎30が負担する最大推定荷重とも言い換えることができる。
【0044】
そして、予め設定された荷重(最大推定荷重)に基づいて、梁の長さの最大値と必要な耐荷重性能を備える基礎の仕様とを対応付けた基礎仕様表40(
図5参照)を作成した。この基礎仕様表40は、建築予定の建物10の設計情報と合わせて参照されることで、建物10の基礎の仕様を決定することができる。
【0045】
なお、「柱間に支持される梁の長さ」は、梁23そのものの長さを定義しているのではなく、柱22間で支持された部分の長さである。従って、柱22と柱22の間の柱間隔に近似する。
【0046】
(基礎仕様表)
図5(A)~
図5(C)には、基礎仕様表40の一例が示されている。この図に示されるように、本実施形態に係る基礎仕様表40は、フーチング幅仕様表41と、長期荷重用追加鉄筋仕様表42と、短期荷重用追加鉄筋仕様表43とを含んでいる。なお、本実施形態の基礎仕様表40は、1.0P=910[mm]を標準モジュールとする所謂尺モジュールで設計される建物の基礎仕様表とされている。
【0047】
(フーチング幅仕様表)
図5(A)に示されるように、フーチング幅仕様表41は、梁の長さの最大値Smax[mm]と、建物の建築地の地耐力[kN/m2]と、基礎のフーチング幅[mm]の仕様とが対応付けられている。フーチング幅仕様表41では、梁の長さの最大値Smax[mm]として、2730[mm](=3.0P),3185[mm](=3.5P),3640[mm](4.0P),4095[mm](=4.5P),4550[mm](=5.0P)が設定されている。
【0048】
基礎30の設計者は、建築予定の建物の設計情報から柱22間に支持された梁23の長さの最大値Smax[mm]と、建築地の地耐力とを特定し、フーチング幅仕様表41とを参照して基礎30のフーチン具幅W[mm]を決定することができる。
【0049】
例えば、
図4に示される建物10Bでは、外周柱22Aと内周柱22Bとの間に支持された内周柱22Bの長さS1が、柱22間に支持される梁23の長さの最大値Smax=3640[mm]となっている。従って、Smax[mm]=3640[mm]に対応する縦列の中で、建物10Bの建築地の地耐力[kN/m2]に応じた数値を選択すればよい。
【0050】
(長期荷重用追加鉄筋仕様表)
図5(B)には、長期荷重用追加鉄筋仕様表42の一例が示されている。この長期荷重用追加鉄筋仕様表42は、梁の長さの最大値Smax[mm]に対応付けて設けられており、一例として、梁の長さの最大値Smax[mm]≦2730[mm](=3.0P),≦3185[mm](=3.5P),≦3640[mm](4.0P),≦4095[mm](=4.5P),≦4550[mm](=5.0P)の場合について作成される。
【0051】
図5(B)には、梁の長さの最大値Smax[mm]が、Smax[mm]≦3640[mm](4.0P)である建物10に適用可能な長期荷重用追加鉄筋仕様表42が示されている。この図に示されるように、長期荷重用追加鉄筋仕様表42は、梁の長さの最大値Smax[mm]と、基礎上に立設された柱の柱間隔[mm]と、柱間隔が設けられる基礎に配置される長期荷重用追加鉄筋の仕様と、が対応づけられている。
【0052】
なお、ここで言う「基礎上に立設された柱の柱間隔」は、
図4に示されるように、耐力壁20を構成しない柱22と柱22の間の柱間隔T1を意味している。
【0053】
基礎30の設計者は、建築予定の建物の設計情報から、柱22間に支持された梁23の長さの最大値Smax[mm]と、基礎上に立設された柱の柱間隔T1とを特定し、長期荷重用追加鉄筋仕様表42に基づいて長期荷重用追加鉄筋の仕様を決定する。
【0054】
例えば
図5(B)を参照すると、建物10の所定の位置において、柱間隔T1が1820[mm](=2.0P)である場合、当該柱間隔T1が設けられた基礎30の部分には、長期荷重用追加鉄筋が不要であることが分かる。また例えば、建物の所定の位置において、柱間隔T1が3640[mm]である場合、当該間隔が設けられた基礎30の部分に、長期荷重用追加鉄筋として+D13規格(JIS規格)の補強筋39が必要であることが分かる。
【0055】
(短期荷重用追加鉄筋仕様表)
図5(C)には、短期荷重用追加鉄筋仕様表43の一例が示されている。この短期荷重用追加鉄筋仕様表43は、梁の長さの最大値Smax[mm]に対応付けて設けられており、一例として、梁の長さの最大値Smax[mm]≦2730[mm](=3.0P),≦3185[mm](=3.5P),≦3640[mm](4.0P),≦4095[mm](=4.5P),≦4550[mm](=5.0P)の場合について作成される。
【0056】
図5(C)には、梁の長さの最大値Smax[mm]が、Smax[mm]≦3640[mm](4.0P)である建物10に適用可能な短期荷重用追加鉄筋仕様表43が示されている。この図に示されるように、短期荷重用追加鉄筋仕様表43は、梁の長さの最大値Smax[mm]と、基礎上で耐力壁に隣接する柱間隔[mm]と、耐力壁の端部の柱にかかる引抜力を示すNc値[kN]と、前記耐力壁が設けられる前記基礎に配置される短期荷重用追加鉄筋の仕様と、が対応付けられている。
【0057】
なお、ここで言う「基礎上で耐力壁に隣接する柱間隔」は、
図4に示されるように、耐力壁20の端部に配置された柱22と、当該柱22に隣接する柱22との間の柱間隔T2を意味している。
【0058】
また、耐力壁の端部の柱にかかる引抜力は、「建設省住宅局建築指導課監修 改正建築基準法(二年目施行)の解説」の中で提案された公知のN値計算法により算出されるN値[kN]を用いてもよいが、本実施形態では、N値[kN]に所定の補正係数(1.96×2.7)を乗じたNc値[kN]が用いられている。
【0059】
基礎30の設計者は、建築予定の建物の設計情報から、柱22間に支持された梁23の長さの最大値Smax[mm]と、基礎上で耐力壁20に隣接する柱間隔T2と、耐力壁の端部の柱にかかる引抜力を示すNc値[kN]と、を特定し、短期荷重用追加鉄筋仕様表43に基づいて短期荷重用追加鉄筋の仕様を決定する。
【0060】
例えば
図5(C)を参照すると、建物10の所定の位置において、柱間隔T2が910[mm](=1.0P)であり、Nc値[kN]が8.5[kN]である場合、対応する耐力壁20が設けられた基礎30の部分には、短期荷重用追加鉄筋が不要であることが分かる。また例えば、建物の所定の位置において、柱間隔T2が3640[mm]であり、Nc値[kN]が26.5[kN]である場合、対応する耐力壁20が設けられた基礎30の部分に、短期荷重用追加鉄筋として+D16規格(JIS規格)の補強筋39が必要であることが分かる。
【0061】
(基礎設計装置)
次に、
図6~
図8を参照して、上述した建物の基礎設計方法により建物10の基礎の設計をすることができる基礎設計装置1について説明する。
【0062】
(基礎設計装置のハードウェア構成)
図6は、基礎設計装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この図に示されるように、基礎設計装置1は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)52、ROM(Read Only Memory)54、RAM(Random Access Memory)56、ストレージ58、通信インタフェース60及び入出力インタフェース62を含んで構成されている。各構成は、バス64を介して相互に通信可能に接続されている。
【0063】
CPU52は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU52は、ROM54又はストレージ58からプログラムを読み出し、RAM56を作業領域としてプログラムを実行する。
【0064】
ストレージ58は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0065】
通信インタフェース60は、CPU52が外部サーバや他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)などの規格が用いられる。
【0066】
入出力インタフェース62は、基礎設計装置1に外部装置を接続するためのインタフェースであり、本実施形態では、入力装置65と出力装置66が接続されている。入力装置65は、例えば、マウスやキーボード等の操作端末であり、出力装置66はディスプレイ等の表示装置で構成することができる。なお、入力装置65及び出力装置66は、タッチディスプレイ等によって一体化されてもよい。
【0067】
(基礎設計装置の機能構成)
図7に示されるように、基礎設計装置1は、機能構成として、設定部70と、作成部72と、取得部74と、決定部76と、を含んでいる。これらの機能は、上述したハードウェア資源を用いて実現される。即ち、各機能構成は、CPU52がROM54又はストレージ58に記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0068】
設定部70は、建物の基礎上に立設された柱間に支持された梁の長さの最大値に基づいて、基礎が負担する荷重を設定する。具体的には、上述したように、基礎が負担する最大推定荷重を推定する。
【0069】
作成部72は、設定部70で設定された荷重に基づいて、建物の基礎上に立設された柱間に支持される梁の長さの最大値Smax[mm]と必要な耐荷重性能を備える基礎の仕様とを対応付けた基礎仕様表40を作成する。
【0070】
取得部74は、基礎の設計対象となる建物10の設計情報を取得する。建物10の設計情報には、建物10に構造材として配置される柱22、耐力壁20、梁23に関する情報であり、柱22間に支持される梁23の長さ、柱22の配置間隔、耐力壁20の壁倍率、及び引抜力が含まれる。また、設計情報には、建築地の地耐力が含まれていてもよい。これらは、建物10の設計図面から取得されてもよいし、入力装置65に入力された入力情報に基づいて取得してもよい。
【0071】
決定部76は、取得部74で取得した建物10の設計情報と基礎仕様表40とを参照して建物10の基礎30の仕様を決定する。具体的に、決定部76は、
図5(A)に示されるように、フーチング幅仕様表41を参照して、基礎30のフーチング幅W(
図2参照)を決定する。また、
図5(B)に示されるように、長期荷重用追加鉄筋仕様表42を参照して、所定の柱間隔T1が設けられる基礎30の部位における長期荷重用追加鉄筋の仕様を決定する。また、
図5(C)に示されるように、短期荷重用追加鉄筋仕様表を参照して、耐力壁20が設けられる基礎30の部位における短期荷重用追加鉄筋の仕様を決定する。
【0072】
(基礎設計装置の動作)
次に、基礎設計装置1で実行される基礎設計処理の流れの一例について、
図8のフローチャートを参照して説明する。基礎設計処理は、予めストレージ58に記憶された基礎仕様表40を参照し、基礎の設計対象となる建物10の基礎30の仕様を決定する。基礎設計処置は、CPU52がROM54又はストレージ58からプログラムを読み出して、RAM56に展開して実行することによって行われる。
【0073】
ステップS10で、CPU52は、基礎30の設計対象となる建物10の設計情報を取得する。
【0074】
ステップS11で、CPU52は、建物10の設計情報に基づいて、基礎仕様表40を参照する。
【0075】
ステップS土台12で、CPU52は、建物10の基礎30の仕様を決定する。具体的には、基礎仕様表40に基づいて、基礎30のフーチング幅W、長期荷重用追加鉄筋の仕様及び短期荷重用追加鉄筋の仕様が決定される。
【0076】
ステップS13で、CPU52は、出力装置66に建物10の基礎30の仕様を出力し、基礎設計処理を終了する。なお、出力装置66に出力される情報は、建物10の基礎の設計図面でもよいし、基礎の仕様を一覧にした情報でもよい。若しくは、設計情報として取得した設計図面に基礎30の仕様を追記した情報を出力してもよい。
【0077】
(作用並びに効果)
以上説明したように、本実施形態に係る建物の基礎設計方法では、建物10の設計情報から柱22間に支持される梁23の長さの最大値Smax[mm](
図4参照)を特定し、当該梁の長さの最大値Smax[mm]に応じた基礎の仕様を基礎仕様表40から選択することで、必要な耐荷重性能を備える基礎30の仕様が決定される。これにより、基礎30の仕様を決定するにあたり、基本的な設計情報が分かればよく、複雑な計算を要しない。その結果、建物10の基礎設計を容易にすることができる。
【0078】
具体的には、
図5(A)に示されるように、建物10の設計情報から、柱22間に支持される梁23の長さの最大値Smax[mm]と、建物10の建築地の地耐力[kN/m2]とを特定することにより、フーチング幅仕様表41に基づいて基礎30のフーチング幅W(
図2参照)の仕様が決定される。これにより、基本的な設計情報によってフーチング幅Wの仕様を決定することができるため、建物10の基礎設計を容易にすることができる。
【0079】
また、
図5(B)に示されるように、建物10の設計情報から、柱22間に支持される梁23の長さの最大値Smax[mm]と、基礎30上に立設された柱22の柱間隔T1[mm]とを特定することにより、長期荷重用追加鉄筋仕様表42に基づいて長期荷重用追加鉄筋の仕様が決定される。これにより、基本的な設計情報によって長期荷重用追加鉄筋の仕様を決定することができるため、建物10の基礎設計を容易にすることができる。
【0080】
また、
図5(C)に示されるように、建物10の設計情報から、柱22間に支持される梁23の長さの最大値Smax[mm]と、基礎30上で耐力壁20に隣接する柱間隔T2[mm]と、耐力壁20の端部の柱22にかかる引抜力を示すNc値[kN]とを特定することにより、短期荷重用追加鉄筋仕様表43に基づいて短期荷重用追加鉄筋の仕様が決定される。これにより、基本的な設計情報によって短期荷重用追加鉄筋の仕様を決定することができるため、建物10の基礎設計を容易にすることができる。
【0081】
さらに、上記基礎仕様表40には、梁23の長さの最大値Smax[mm]として、3640[mm]よりも大きい値が含まれる。
【0082】
尺モジュールを基本モジュールとする注文住宅の間取りでは、一般的に、基礎上に立設される柱間の距離の上限、即ち、柱間に支持される梁の長さの上限が、3640[mm]に設定されている。これに対し、本実施形態の基礎仕様表40には、柱22間に支持される梁23の長さの最大値Smax[mm]として、3640[mm]よりも大きい値が含まれている。これにより、短辺が3640[mm]よりも長くなるような大空間を有する建物の基礎設計も容易に行うことができ、住宅のプランニングの自由度の更なる向上と、設計容易性とを両立させることができる。
【0083】
また、本実施形態の基礎仕様表40では、布基礎又は独立基礎の仕様を決定する。これにより、建物の基礎をべた基礎で構成する場合と比較して、コンクリート材料の使用量を大幅に削減する設計ができ、材料コストの削減を図ることができる。
【0084】
[補足説明]
なお、本発明は上記各実施形態に限定されない。例えば、基礎仕様表で提示される基礎の仕様がべた基礎の仕様でもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、尺モジュールで設計される建物の基礎仕様表について説明したが、これに限らない。例えば、1P=1000[mm]を基本モジュールとするメータモジュールで設計される建物の基礎仕様表であってもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、
図8に示す基礎設計処理の各ステップ(工程)を基礎設計装置1が実行することで建物の基礎設計方法が実施される場合を説明したが、これに限らない。基礎設計処理の一部又は全てのステップが手動で行われてもよいし、一部のステップが他の外部装置で行われてもよい。
【0087】
また、本発明に係る基礎設計方法は、上記実施形態のように木造軸組工法で設計される建物の基礎設計に限らず、鉄骨軸組工法、ユニット工法等、種々の工法により建築される建物の基礎設計に適用可能である。
【0088】
さらに、上記実施形態でCPU52がプログラムを読み込んで実行した処理を、CPU52以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、上記処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせで実行してもよく、例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0089】
さらに、上記実施形態では、ストレージ58に種々のデータを記憶させる構成としたが、これに限定されない。例えば、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的記録媒体を記憶部としてもよい。この場合、これらの記録媒体に各種プログラム及びデータなどが格納されることとなる。
【符号の説明】
【0090】
1 基礎設計装置
10 建物
20 耐力壁
22 柱
23 梁
40 基礎スパン表
41 フーチング幅仕様表
42 長期荷重用追加鉄筋仕様表
43 短期荷重用追加鉄筋仕様表
Smax 梁の長さの最大値(柱間に支持される梁の長さ)
T1 柱間隔(基礎上に立設された柱の柱間隔)
T2 柱間隔(基礎上に設けられた耐力壁に隣接する柱間隔)