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  • 特開-災害対応植木鉢 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108956
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】災害対応植木鉢
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20180101AFI20240805BHJP
   A47K 11/00 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A01G9/02 101J
A47K11/00 102
A01G9/02 101G
A01G9/02 101N
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013641
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】306024805
【氏名又は名称】株式会社 林物産発明研究所
(72)【発明者】
【氏名】林 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】林 和志郎
(72)【発明者】
【氏名】林 宏三郎
(72)【発明者】
【氏名】林 加奈子
【テーマコード(参考)】
2B327
2D036
【Fターム(参考)】
2B327ND01
2B327NE20
2B327RA03
2B327RA14
2B327RD01
2D036AA02
2D036BA01
2D036CA05
2D036HA05
2D036HA12
2D036HA43
(57)【要約】
【課題】 街や公園等に多数設置可能な植木鉢を利用して、別途の倉庫を必要とすることなく個室トイレの提供を可能とする。
【解決手段】 便座として使用可能な底部と、上部に位置する返しを有する外側容器と、前記外側容器に収容可能な植樹用の内側容器を有する植木鉢であって、前記返しは、伸縮式柱が収容される収容空間を有し、前記内側容器を取り外し、前記外側容器を上下逆向きにし、前記返しに前記伸縮式柱を立設伸長させて個室トイレを形成可能であることを特徴とする、植木鉢とした。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座として使用可能な底部と、上部に位置する返しを有する外側容器と、
前記外側容器に収容可能な植樹用の内側容器を有する植木鉢であって、
前記返しは、伸縮式柱が収容される収容空間を有し、
前記内側容器を取り外し、前記外側容器を上下逆向きにし、前記返しに前記伸縮式柱を立設伸長させて個室トイレを形成可能であることを特徴とする、植木鉢。
【請求項2】
前記伸縮式柱の先端に接続された展開式天板が前記返しにさらに収容されている、請求項1の植木鉢。
【請求項3】
前記展開式天板から吊下可能な目隠シートが前記返しにさらに収容されている、請求項2の植木鉢。
【請求項4】
前記外側容器の側面に段部が形成され、
前記段部に前記内側容器の底部が着座した状態で前記内側容器が前記外側容器に収容される、請求項1~3のいずれかの植木鉢。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害時にトイレを提供することのできる植木鉢に関する。
【背景技術】
【0002】
地震や火災等の災害時には、トイレの不足が問題となる。駅や公園の公衆トイレだけでは多数の被災者に対応することは困難であり、景観や用地確保、費用等の観点から、街中に多数のトイレを設置することは実際上不可能である。
【0003】
災害用仮設トイレは種々提案されている(例えば、特許文献1,2)。しかし、特許文献1は遮蔽物が無く、個室トイレを提供できない。特許文献2は、ドームで個室を形成できる洋式トイレであるが、便器やドームは、別途の倉庫等から運んでくる必要があり、鍵が無いために倉庫を開くことができない事態も想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-132068号公報
【特許文献2】特開2012-219566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、別途の倉庫を必要とすることなく、家庭や街や公園等に常設可能な植木鉢を利用して個室トイレを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願には、
便座として使用可能な底部と、上部に位置する返しを有する外側容器と、
前記外側容器に収容可能な植樹用の内側容器を有する植木鉢であって、
前記返しは、伸縮式柱が収容される収容空間を有し、
前記内側容器を取り外し、前記外側容器を上下逆向きにし、前記返しに前記伸縮式柱を立設伸長させて個室トイレを形成可能であることを特徴とする、植木鉢が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の1実施形態の植木鉢1を示す。
図2】本発明の1実施形態の植木鉢1を示す。(a)は平面図。(b)は(a)のA-A断面図。
図3】(a)は伸長途中の伸縮式柱31を示す。(b)は基部31aの配置を示す。(c)は展開後の展開式天板32の側面図、(d)は展開後の展開式天板32の平面図。
図4】植木鉢1により形成される個室トイレ2。
図5】他の実施形態の植木鉢1Aを示す。(a)は植木鉢1A。(b)は内側容器20。
図6】他の実施形態の植木鉢1Aを示す。(a)は平面図。(b)は断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1,2に、本発明の1実施形態の植木鉢1を示す。植木鉢1は、外側容器10と、外側容器10に収容可能な植樹用の内側容器20を有する。外側容器10及び内側容器20は、例えば、プラスチックやFRP、金属等で形成できる。
【0009】
内側容器20は、通常の植木鉢と同様の構成を有し得る。内側容器20の中に土を入れて植物を植えると植木鉢として使用できる。よって、植木鉢1は、家庭や街や公園、運動場等に設置して緑化や景観向上等に貢献できる。
【0010】
外側容器10は、便座として使用可能な底部11を有する。底部11は、便座としての使用に便宜な形状・サイズを有し得る。底部11は、便孔として使用可能な開口12を有するとよい。外側容器10は、さらに、上部に返し13を有する。返し13の内側には収容空間が形成されており、当該収容空間に伸縮式柱31が収容されている。返し13は、伸縮式柱31に接続された展開式天板32と、展開式天板32から吊下可能な目隠シート34をさらに収容するとよい。目隠シート34は展開式天板32に接続されているのがよい。外側容器10と内側容器20の間にティッシュ等のトイレ用品を収容できる空間14を有するとよい。空間14に目隠シート34を収容してもよい。
【0011】
図3は、伸縮式柱31及び展開式天板32の伸長/展開の様子を示す。
【0012】
図3(a)は、伸縮途中の伸縮式柱31を示す。図のように、伸縮式柱31は、基部31aと基部31aに接続された複数の折畳可能なロッド31b~31eを有し、ロッド31b~31eは折畳式で伸縮が可能である。テレスコピック式など他の方法で伸縮してもよい。基部31aは、図3(b)のように、返し13底部の四隅に設置又は固定するとよい。これにより、返し13の底部の四隅を礎盤として伸縮式柱31を立設することが容易になる。伸縮式柱31と展開式天板32は接続部31fで接続されている。接続部31fは蝶番とするとよい。
【0013】
図2(a)、図3(a)、(c)、(d)のように、展開式天板32は、複数の天板32a~32cで構成し得る。天板32a~32cの間は蝶番32d等で接続し、回転式で展開可能とするとよい。図3(d)のように、天板32a~32cは枠体とするとよい。枠体中央の空間は後述のように目隠シート34で覆うとよい。
【0014】
図4は、本実施形態の植木鉢1により形成される個室トイレ2を示す。内側容器20を取り外し、外側容器10の上下を逆向きにすると、底部11を便座とする便器として使用できる。外側容器10を下水道や排水溝等の上に設置すれば便をそのまま流すことができる。図のように底部11から開口12の周囲を覆う便袋15を吊下してもよい。
【0015】
図のように、伸長/展開(図3参照)させた伸縮式柱31及び展開式天板32により個室トイレ2を形成できる。展開式天板32から目隠シート34を吊下することで外部の視線を遮断できる。展開式天板32が枠体の場合、図のように、目隠シート34で展開式天板32の上部を覆うとよい。
【0016】
上記植木鉢1は安価であり、景観上の有益性から街や公園など各所に植木鉢1を設置できるため、災害時の必要に応じた十分な数の個室トイレを提供できる。植木鉢1に収容した部材のみで個室トイレを形成できるため、別途の倉庫を準備する必要もなく、鍵が無いなどで必要なときに使用できないなどの事態も回避できる。
【0017】
図5,6は、他の実施形態の植木鉢1Aを示す。図のように、植木鉢1Aは、外側容器10の側部に段16が形成されており、内側容器20の底部21が段16に着座可能である。よって、外側容器10に収容したときに、内側容器20を安定に支持できる。
【0018】
上記実施形態に記載した災害対応植木鉢やその要素の寸法、形状、配置、個数、材料等は例示であり、他の態様も可能である。
【符号の説明】
【0019】
1,1A・・・植木鉢
2・・・個室トイレ
10・・・外側容器
11・・・底部
12・・・開口
13・・・返し
14・・・空間
15・・・便袋
16・・・段
20・・・内側容器
21・・・底部
31・・・伸縮式柱
31a・・・基部
31b~e・・・ロッド
31f・・・接続部
32・・・展開式天板
32a~32c・・・天板
32d・・・蝶番
34・・・目隠シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6