(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108961
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】情報処理システム、プログラム、及び製造方法
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20240805BHJP
G06F 3/0482 20130101ALN20240805BHJP
【FI】
G05B23/02 X
G06F3/0482
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013653
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】517425446
【氏名又は名称】リンクウィズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】塚本 雅海
【テーマコード(参考)】
3C223
5E555
【Fターム(参考)】
3C223AA12
3C223BB08
3C223EB02
3C223FF09
3C223FF42
3C223GG01
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3C223HH15
5E555AA71
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5E555CA41
5E555CC03
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5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】情報処理システム等において、ユーザビリティの向上を図る。
【解決手段】本発明の一態様は、作業を行なう作業部と、作業部を測定して測定データを生成するセンサと、を含む機械制御システムと、測定データを記憶する記憶部と、選択肢を有する選択可能情報を生成し、機械制御システムのユーザによって選択された選択肢を記録した目的項目情報を生成する目的項目特定部と、目的項目情報に基づいて、測定データを特定するための目的条件情報を生成する目的条件特定部と、目的条件情報に基づいて、記憶部に記憶された測定データから機械制御システムのユーザが希望する測定データを選択して選択測定データを生成する情報選択部と、目的情報生成部と、を含む情報処理部と、サービスコンピュータと、を備える、情報処理システムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業を行なう作業部と、前記作業部を測定して測定データを生成するセンサと、を含む機械制御システムと、
前記機械制御システムから受信した前記測定データを記憶する記憶部と、前記機械制御システムのユーザが選択可能な選択肢を有する選択可能情報を生成し、前記機械制御システムのユーザによって選択された前記選択肢を記録した目的項目情報を生成する目的項目特定部と、前記選択情報に基づいて、前記機械制御システムのユーザが希望する測定データを特定するための目的条件情報を生成する目的条件特定部と、前記目的条件情報に基づいて、前記記憶部に記憶された前記測定データから前記機械制御システムのユーザが希望する測定データを選択して選択測定データを生成する情報選択部と、前記目的条件情報、および、前記選択測定データに基づいて、目的情報を生成する目的情報生成部と、を含む情報処理部と、
前記機械制御システムのユーザが入力操作を行なうことによって入力操作情報を生成する入力部と、前記入力操作情報に基づいて、前記入力情報を生成するための入力情報生成部と、前記目的項目特定部が生成した前記選択可能情報、または、前記目的情報生成部が生成した前記目的情報を表示する表示部と、を含むサービスコンピュータと、
を備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記選択可能情報は、前記サービスコンピュータの前記表示部に表示される、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記選択可能情報は、2以上の副選択可能情報を含み、
前記副選択可能情報は、2以上の選択肢を有し、前記機械制御システムのユーザによって、前記サービスコンピュータの前記表示部に表示された、副選択可能情報が有する前記選択肢が選択されると、前記サービスコンピュータの前記表示部には、次の前記副選択可能情報が表示される、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記目的項目特定部は、前記機械制御システムのユーザが選択した、2以上の前記副選択可能情報が有する前記選択肢を記録した、目的項目情報を生成する、請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記表示部に表示される前記副選択可能情報は、前記機械制御システムのユーザごとに異なる、請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記表示部に表示される前記副選択可能情報は、前記機械制御システムのユーザの前記入力部に対する前記入力操作情報の水準に基づいて異なる、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記情報処理部は、仮想マシンである、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
情報処理システムに関するプログラムであって、
作業を行なう作業部を含む機械制御システムが、前記作業部を測定して測定データを生成し、
情報処理部が、前記機械制御システムから受信した前記測定データを記憶し、前記機械制御システムのユーザが選択可能な選択肢を有する選択可能情報を生成し、前記機械制御システムのユーザによって選択された前記選択肢を記録した目的項目情報を生成し、前記目的項目情報に基づいて、前記機械制御システムのユーザが希望する測定データを特定するための目的条件情報を生成し、前記目的条件情報に基づいて、記憶した前記測定データから前記機械制御システムのユーザが希望する選択測定データを選択し、前記目的条件情報、および、前記選択測定データに基づいて、目的情報を生成し、
サービスコンピュータが、前記機械制御システムのユーザが入力操作を行なうことによって入力操作情報を生成し、前記入力操作情報に基づいて前記入力情報を生成し、前記選択可能情報、または、前記目的情報を表示する、プログラム。
【請求項9】
情報処理システムが製造物を製造する製造方法であって、
作業部が、作業を行ない、
情報処理部が、前記機械制御システムから受信した前記測定データを記憶し、前記機械制御システムのユーザが選択可能な選択肢を有する選択可能情報を生成し、前記機械制御システムのユーザによって選択された前記選択肢を記録した目的項目情報を生成し、前記目的項目情報に基づいて、前記機械制御システムのユーザが希望する測定データを特定するための目的条件情報を生成し、前記目的条件情報に基づいて、記憶した前記測定データから前記機械制御システムのユーザが希望する選択測定データを選択し、前記選択可能情報、および、前記選択測定データに基づいて、目的情報を生成し、
サービスコンピュータが、前記機械制御システムのユーザが入力操作を行なうことによって入力操作情報を生成し、前記入力操作情報に基づいて前記入力情報を生成し、前記目的項目情報、または、前記目的情報を表示して製造物を製造する、製造方法。
【請求項10】
前記対象物は、塗装処理、溶接加工、切削加工、研削加工、旋削加工のうちの少なくとも1つで、前記情報処理システムによって製造される、請求項9に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、プログラム、及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、動作プログラムによって動作する複数台の産業機械を有する生産システムを管理するセルコントローラ溶接ロボット等が存在する(特許文献1参照)。特許文献1には、プログラムによって動作を変更可能な複数台の産業機械から稼働情報を受信し、生産システムのボトルネックを分析し、その分析結果をもとに生産システムの高速化に関係する動作プログラム部分を選択し、動作プログラムの該当部分を自動的に修正することができるセルコントローラが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の労働人材の多様化により、機械操作においてはユーザビリティの向上が求められる。特許文献1に開示の発明は、特に、熟練度の低い初心者ユーザ(作業者)でも容易に所望の(希望する)検査情報等を選択させることや、表示させるについて開示がなく、ユーザビリティ向上の観点から、改善の余地を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、作業を行なう作業部と、作業部を測定して測定データを生成するセンサと、を含む機械制御システムと、機械制御システムから受信した測定データを記憶する記憶部と、機械制御システムのユーザが選択可能な選択肢を有する選択可能情報を生成し、機械制御システムのユーザによって選択された選択肢を記録した目的項目情報を生成する目的項目特定部と、目的項目情報に基づいて、機械制御システムのユーザが希望する測定データを特定するための目的条件情報を生成する目的条件特定部と、目的条件情報に基づいて、記憶部に記憶された測定データから機械制御システムのユーザが希望する測定データを選択して選択測定データを生成する情報選択部と、目的条件情報、および、選択測定データに基づいて、目的情報を生成する目的情報生成部と、を含む情報処理部と、機械制御システムのユーザが入力操作を行なうことによって入力操作情報を生成する入力部と、入力操作情報に基づいて、入力情報を生成するための入力情報生成部と、目的項目特定部が生成した選択可能情報、または、目的情報生成部が生成した目的情報を表示する表示部と、を含むサービスコンピュータと、を備える、情報処理システムである。
【0006】
本発明の一態様の情報処理システムは、記憶部が、機械制御システムから受信した測定データを記憶し、目的項目特定部が、機械制御システムのユーザが選択可能な選択肢を有する選択可能情報を生成し、機械制御システムのユーザによって選択された選択肢を記録した目的項目情報を生成し、目的条件特定部が、目的項目情報に基づいて、機械制御システムのユーザが希望する測定データを特定するための目的条件情報を生成し、情報選択部が、目的条件情報に基づいて、記憶部に記憶された測定データから機械制御システムのユーザが希望する測定データを選択して選択測定データを生成し、目的情報生成部が、目的条件情報、および、選択測定データに基づいて、目的情報を生成する。このため、本情報処理システムは、ユーザビリティの向上が図られ、特に、熟練度の低いユーザ(作業者)でも容易に希望する検査情報等を選択させることや、表示させることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、情報処理システムは、ユーザビリティの向上が図られ、特に、熟練度の低いユーザ(作業者)でも容易に希望する検査情報等を選択させることや、表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一態様による情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】本発明の一態様による機械装置の構成例を示す図である。
【
図3】センサが生成した点群データの一例を示す図である。
【
図4】本発明の一態様による機械装置での作業の一例を示す図である。
【
図5】選択可能情報が含む副選択可能情報を示す図である。
【
図6】仮想マシンで構成された、
図1の情報処理部の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
<第1の実施の形態>
<情報処理システム1の構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態による情報処理システム1の構成の一例を示す図である。本実施の形態による情報処理システム1は、機械制御システム11と、システム記憶部12と、サービスコンピュータ13と、を備える。
【0011】
本実施の形態による情報処理システム1は、作業を行なう作業部111cと、作業部111cを測定して測定データを生成するセンサ112と、を含む機械制御システム11と、機械制御システム11から受信した測定データを記憶する記憶部121と、機械制御システム11のユーザが選択可能な選択肢を有する選択可能情報を生成し、機械制御システム11のユーザによって選択された選択肢を記録した目的項目情報を生成する目的項目特定部122と、目的項目情報に基づいて、機械制御システム11のユーザが希望する測定データを特定するための目的条件情報を生成する目的条件特定部123と、目的条件情報に基づいて、記憶部121に記憶された測定データから機械制御システム11のユーザが希望する測定データを選択して選択測定データを生成する情報選択部124と、目的条件情報、および、選択測定データに基づいて、目的情報を生成する目的情報生成部125と、を含む情報処理部12と、機械制御システム11のユーザが入力操作を行なうことによって入力操作情報を生成する入力部131と、入力操作情報に基づいて、入力情報を生成する入力情報生成部132と、目的項目特定部122が生成した選択可能情報、または、目的情報生成部125が生成した目的情報を表示する表示部133と、を含むサービスコンピュータ13と、を備える。
【0012】
これによって、本実施の形態による情報処理システム1は、目的項目特定部123が、機械制御システム11のユーザが選択可能な選択肢を有する選択可能情報を生成し、機械制御システム11のユーザによって選択された選択肢を記録した目的項目情報を生成し、目的条件特定部124が、目的項目情報に基づいて、記憶部121に記憶された測定データ情報の中から目的情報を選択するための目的条件情報を生成し、目的情報生成部125が、目的条件情報に基づいて目的情報を生成する。このため、本発明の情報処理システムは、機械制御システム11のユーザが、特に、熟練度の低いユーザ(作業者)でも、選択可能情報が有する希望する検査情報等の選択肢を選択することによって、希望する検査情報等を選択して、サービスコンピュータ13の表示部133に希望する検査情報等を表示することができる。
【0013】
本発明の情報処理システムは、機械制御システム11のユーザが、特に、熟練度の低いユーザ(作業者)でも、選択可能情報が有する希望する検査情報等の選択肢を何回も選択することによって、希望する検査情報等を何回も選択して、サービスコンピュータ13の表示部133に希望する検査情報等を何回も表示すれば、希望する検査情報等を選択する熟練度を上昇させることができる。これによって、機械制御システム11のユーザは、希望する検査情報等を容易に選択することによって、サービスコンピュータ13の表示部133に希望する検査情報等を容易に表示できるようになることも期待できる。
【0014】
機械制御システム11と、情報処理部12とは、第1の通信接続C1を介して有線、または、無線で相互に接続されている。これによって、機械制御システム11は、情報処理部12に、センサ112が生成した測定データを送信することができる。情報処理部12と、サービスコンピュータ13とは、第2の通信接続C2を介して有線、または、無線で相互に接続されている。これによって、サービスコンピュータ13は、情報処理部12に、後述の入力情報生成部132が生成した入力情報を送信することができる。また、情報処理部12は、サービスコンピュータ13に、後述の目的項目特定部123が生成した選択可能情報、および/または、目的情報生成部125が生成した目的情報を送信することができる。
【0015】
機械制御システム11と、情報処理部12と、サービスコンピュータ13とは、互いにネットワーク(例えば、インターネット)で接続されており、第1の通信接続C1、および、第2の通信接続C2は、それぞれ、ネットワーク網に設けられた仮想回線であってもよい。このようにすれば、機械制御システム11と、情報処理部12との間の第1の通信接続C1、および、情報処理部12と、サービスコンピュータ13との間の第2の通信接続C2は、より容易に構築することが可能になる。ネットワークは、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規則により通信が行われる。なお、ネットワークは、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)やWi-Fi等に例示される近距離通信インターフェースを備えていてもよい。仮想回線は、例えば、VPN(Virtual Private Network)、インターネットVPN(Virtual Private Network)、エントリーVPN(Virtual Private Network)、IP(Internet Protocol)-VPN(Virtual Private Network)、広域イーサネットなどであってもよい。
【0016】
<機械制御システム11>
機械制御システム11は、機械装置111と、センサ112と、制御部113と、機械通信部114と、を含む。
【0017】
機械装置111は、工場内で作業を行う産業用機械、工場外で作業を行う非産業用機械のいずれであってもよいし、両方を含んでいてもよい。機械装置111は、例えば、対象物等の加工、溶接、組立、検査、供給、搬送、把持などのための産業用ロボット(特に、産業用アームロボット)であってもよいし、サービス業や調理、掃除、医療、福祉、介護、受付、案内、農業、建設、災害、警備、エンターテインメントなどのための非産業用ロボット(いわゆるサービスロボット)であってもよい。対象物はワークと読み替えられてもよい。
【0018】
図2は、本発明の一態様による機械装置111の構成例を示す図である。
図2は、機械装置111が、例えば、アームロボットである場合を示している。機械装置111が、
図2に示すアームロボットである場合には、機械装置111は、一例として、機械装置本体111aと、アーム111bと、作業部111cと、作業具111dと、センサ112と、コントローラ111eと、を含む。
【0019】
アーム111bは、一方の端部が機械装置本体111aに動作可能に取り付けられている。作業部111cは、アーム111bの他方の端部(機械装置本体111aに動作可能に取り付けられている一方の端部とは反対側の端部)に動作可能に取り付けられている。作業部111cは、アーム111bに動作できないように取り付けられていてもよい。作業を行う作業具111dは、作業可能なように作業部111cに取り付けられている。作業環境を測定するセンサ112は、作業環境を測定可能なように作業部111cに取り付けられている。
【0020】
機械本体111a、および、アーム111bは、作業具111dが作業するために動作する。また、作業部111cは、アーム111bの他方の端部に動作可能に取り付けられている場合には、作業部111cも作業具111dが作業するために動作する。
【0021】
作業具111dは、塗装処理、溶接加工、切削加工、研削加工、旋削加工などを行う。作業具111dは、例えば、塗装用具(塗装用ガン)、溶接用具(溶接トーチ、溶接棒)、切削工具(ドリル、エンドミル、フライス)、研削工具(砥石、カップブラシ、ダイアモンドバー)、旋削工具(バイト)などであってもよい。作業具111dは、作業部111cに2以上取り付けられていてもよい。
【0022】
センサ112は、作業部111cの作業環境を測定して、測定データを生成する。センサ112が生成する測定データは、作業部111cが作業を行う作業環境の作業前や作業時や作業結果の画像データ(以下、単に、「画像データ」という。)や、作業部111cの作業前や作業時の外部環境データ(以下、単に、「外部環境データ」という。)、作業部111cの作業前や作業時の内部環境データ(以下、単に、「内部環境データ」という。)である。センサ112は、一般的には、作業部111cに2以上含まれている。ただし、センサ112は、作業部111cに1つのみ含まれていてもよい。また、センサ112は、機械装置111と独立して設けられていてもよい。さらに、センサ112は、例えば、作業部111cに取り付けられていてもよいし、作業部111cと独立して設けられていてもよい。
【0023】
画像データを生成するためのセンサ112(以下、単に、「画像データ生成センサ112」という。)は、例えば、画像センサ、レーザ変位計、カメラであってもよい。外部環境データを生成するためのセンサ112(以下、単に、「外部環境データ生成センサ112」という。)は、例えば、音センサ、超音波センサ、圧力センサ、照度センサ、ガスセンサ、温度センサなどであってもよい。内部環境データを生成するためのセンサ112(以下、単に、「内部環境データ生成センサ112」という。)は、例えば、電流センサ、電圧センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、温度センサなどであってもよい。
【0024】
ただし、機械装置111には、画像データ生成センサ112、外部環境データ生成センサ112、および、内部環境データ生成センサ112のうちのいずれか1つ、または、2つのみが設けられていてもよい。このため、センサ112によって生成されるデータは、画像データ、外部環境データ、および、内部環境データのうちのいずれか1つ、または、2つのみであってもよい。
【0025】
画像データ生成センサ112が生成した画像データは、例えば、作業具111dが作業を行う作業環境の二次元形状データ(二次元点群データ、二次元CAD(Computer Aided Design)データ)、三次元形状データ(三次元点群データ、三次元CAD(Computer Aided Design)データ)、画像データ(静止画像データ、動画像データ)などであってもよい。
【0026】
図3は、画像データ生成センサ112が生成した画像データの一例を示す図である。三次元形状データ1001は、三次元点群データで構成される。三次元形状データ1001は、レーザ変位計により製造対象物を測定することによって生成される。前述のように、レーザ変位計は、画像データ生成センサ112の一種である。
【0027】
図2に示す、外部環境データ生成センサ112が生成した外部環境データは、例えば、作業前や作業時の機械装置111や作業部111cの音データ、気圧データ、照度データ、外部温度データなどであってもよい。内部環境データ生成センサ112が生成した内部環境データは、例えば、作業前や作業時の機械装置111や作業部111cの内部温度データ、位置データ、電圧データ、電流データなどのデータであってよい。
【0028】
コントローラ111eは、機械装置111の操作者が機械装置111を制御するために操作する装置である。コントローラ111eは、例えば、機械装置111の機械本体111a、アーム111b、作業部111c、作業具111d、センサ112の動作開始の指示や、動作停止の指示を入力可能な装置である。コントローラ111eは、機械装置111に2以上設けられていてもよい。コントローラ111eは、有線、または、無線で機械装置111と接続されている。
【0029】
図4は、本発明の一態様による機械部11の作業の一例を示す図である。制御部113は、機械装置111の動作などを制御する。
図3では、作業具111dは溶接作業を行っている。制御部113は、作業具111dが溶接対象部材1100及び1101を溶接するために、作業前にセンサ112により取得した溶接パス1102の形状情報に応じて、作業具111dである溶接トーチの目標位置と目標角度が決定する。制御部113は、作業具111dが目標位置、目標角度となるようなアーム111bの軌道制御データを生成する。その後、アーム111bの動作を軌道制御データに応じて、アーム111bの動作を軌道制御するとともに、機械装置本体111aの動作を制御して、溶接作業を実行する。
【0030】
機械通信部114は、後述の情報処理部12の情報通信部126と第1の通信接続C1を介して有線、または、無線で通信する。機械通信部114は、情報処理部12の情報通信部126に、センサ112が生成した測定データを送信する。
【0031】
<情報処理部12>
情報処理部12は、記憶部121と、目的項目特定部122と、目的条件特定部123と、情報選択部124と、目的情報生成部125と、情報通信部126と、を含む。
【0032】
記憶部121は、機械制御システム11のセンサ112が生成した測定データを記憶する。記憶部121は、機械制御システム11のセンサ112が生成した測定データを記憶すれば、情報処理部12は、機械制御システム11のセンサ112が生成した測定データに情報処理を行なうことができる。
【0033】
記憶部121は、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、その他のストレージ等の1つあるいはそれらの任意の組み合わせによって構成される、不揮発性メモリ、または、不揮発性ストレージである。ただし、記憶部21は、揮発性メモリ、または、揮発性ストレージであってもよい。また、記憶部121には、RAM(Random Access Memory)が含まれていてもよい。
【0034】
目的項目特定部122は、機械制御システム11のユーザが選択可能な選択肢を有する選択可能情報を生成し、機械制御システム11のユーザによって選択された選択肢を記録した目的項目情報を生成する。
【0035】
選択可能情報は、後述のサービスコンピュータ13の表示部133に表示される。選択可能情報は、後述のサービスコンピュータ13の表示部133に表示されると、機械制御システム11のユーザは、選択可能情報が有する選択肢を選択できるようになる。
【0036】
目的項目特定部122は、後述のサービスコンピュータ13の入力情報生成部132が生成した、機械制御システム11のユーザが選択した後述の副選択可能情報の後述の選択肢に関する入力情報に基づいて、目的項目情報を生成する。この点について説明する。後述のサービスコンピュータ13の入力部131は、機械制御システム11のユーザによって副選択可能情報が有する選択肢が選択された場合には、副選択可能情報の選択肢に関する入力操作情報を生成する。後述のサービスコンピュータ13の入力情報生成部132は、入力部131が生成した副選択可能情報の選択肢に関する入力操作情報に基づいて、副選択可能情報の選択肢に関する入力情報を生成する。このため、目的項目特定部122は、後述のサービスコンピュータ13の入力情報生成部132が生成した、機械制御システム11のユーザが選択した副選択可能情報の選択肢に関する入力情報に基づいて、目的項目情報を生成する。
【0037】
図5は、選択可能情報が含む副選択可能情報を示す図である。選択可能情報は、一般的には、2以上の副選択可能情報を含む。選択可能情報が、2以上の副選択可能情報を含んでいれば、後述の目的条件特定部123は、目的項目特定部122が、機械制御システム11のユーザによって選択された、副選択可能情報が有する後述の選択肢に基づいて生成した目的項目情報に基づいて、後述の目的条件特定情報を生成することができる。
図5に示す選択可能情報は、副選択可能情報A、および、副選択可能情報Bを含んでいる。ただし、選択可能情報は、1つの副選択可能情報を含んでいてもよく、また、3以上の副選択可能情報を含んでいてもよい。
【0038】
選択可能情報は、2以上の副選択可能情報を含み、副選択可能情報は、2以上の選択肢を有し、機械制御システム11のユーザによって、サービスコンピュータ13の表示部133に表示された、副選択可能情報が有する選択肢が選択されると、サービスコンピュータ13の表示部133には、次の副選択可能情報が表示される。このようにすれば、機械制御システム11のユーザは、サービスコンピュータ13の表示部133に表示された、副選択可能情報が有する選択肢を選択すれば、サービスコンピュータ13の表示部133に、次に表示される副選択可能情報が有する選択肢を選択することができる。
【0039】
副選択可能情報が有する選択肢については、一例として、副選択可能情報Aが、選択肢A1、選択肢A2のように2以上の選択肢を有し、副選択可能情報Bが、選択肢B1、選択肢B2のように2以上の選択肢を有していてもよい。副選択可能情報は、一例として、検査の時系列データに関する選択肢の選択を求める副選択可能情報や、ロボットアームの制御データに関する選択肢の選択を求める副選択可能情報であってもよい。検査の時系列データに関する選択肢の選択を求める副選択可能情報は、一例として、実施された検査項目や、日時(所定時刻における所定部位の検査情報、等)に関する選択肢などを有していてもよい。ロボットアームの制御データに関する選択肢の選択を求める副選択可能情報は、一例として、アームの軌道制御データや、製造処理条件データや、所定部位の姿勢情報や、所定部位の動作速度情報に関する選択肢などを有していてもよい。
【0040】
目的項目特定部122は、機械制御システム11のユーザが選択した、2以上の副選択可能情報が有する選択肢を記録した目的項目情報を生成する。このようにすれば、後述の目的条件特定部123は、目的項目特定部122が生成した目的項目情報に基づいて、機械制御システム11のユーザが希望する測定データを特定するための目的条件情報を生成することができる。
【0041】
後述のサービスコンピュータ13の表示部133に表示される、後述の目的情報生成部125が生成した目的情報は、機械制御システム11のユーザによって選択可能な選択肢を有している場合がある。目的情報が、機械制御システム11のユーザによって選択可能な選択肢を有している場合には、目的項目特定部122は、後述のサービスコンピュータ13の入力情報生成部132が生成した、機械制御システム11のユーザが選択した目的情報の選択肢に関する入力情報に基づいても、目的項目情報を生成する。この点について説明する。後述のサービスコンピュータ13の入力部131は、機械制御システム11のユーザによって目的情報が有する選択肢が選択された場合には、目的情報の選択肢に関する入力操作情報を生成する。後述のサービスコンピュータ13の入力情報生成部132は、入力部131が生成した目的情報の選択肢に関する入力操作情報に基づいて、目的情報の選択肢に関する入力情報を生成する。このため、目的項目特定部122は、後述のサービスコンピュータ13の入力情報生成部132が生成した、機械制御システム11のユーザが選択した目的情報の選択肢に関する入力情報に基づいても、目的項目情報を生成する。
【0042】
本発明の情報処理システムは、機械制御システム11のユーザが、特に、熟練度の低いユーザ(作業者)でも、選択可能情報が有する希望する検査情報等の選択肢を選択することによって、希望する検査情報等を選択して、サービスコンピュータ13の表示部133に希望する検査情報等を表示することができる。
【0043】
本発明の情報処理システムは、機械制御システム11のユーザが、最初は、熟練度の低いユーザ(作業者)であったとしても、選択可能情報が有する2以上の選択肢を選択することによって、希望する検査情報等を選択して、サービスコンピュータ13の表示部133に希望する検査情報等を表示することを何回も繰り返せば、希望する検査情報等を選択する熟練度を上昇させることができる。これによって、機械制御システム11のユーザは、最初は、熟練度の低いユーザ(作業者)であったとしても、本発明の情報処理システム1を使用して、希望する検査情報等を選択する熟練度を上昇させることによって、希望する検査情報等を容易に選択して、サービスコンピュータ13の表示部133に希望する検査情報等を容易に表示できるようになることも期待できる。
【0044】
後述のサービスコンピュータ13の表示部133に表示される副選択可能情報は、機械制御システム11のユーザごとに異なっていてもよい。このようにすれば、サービスコンピュータ13の表示部133には、機械制御システム11のユーザごとに適切な副選択可能情報を表示することができる。
【0045】
後述のサービスコンピュータ13の表示部133に表示される副選択可能情報は、機械制御システム11のユーザのサービスコンピュータ13の入力部131に対する後述の入力操作情報の入力水準に基づいて異なっていてもよい。このようにすれば、サービスコンピュータ13の表示部133には、機械制御システム11のユーザのサービスコンピュータ13の入力部131に対する後述の入力操作情報の入力水準ごとに適切な副選択可能情報を表示することができる。
【0046】
目的条件特定部123は、目的項目特定部122が生成した、機械制御システム11のユーザによって選択された選択肢を記録した目的項目情報に基づいて、機械制御システム11のユーザが希望する測定データを特定するための目的条件情報を生成する。このようにすれば、目的条件特定部123は、機械制御システム11のユーザの副選択可能情報の選択肢の選択に基づいて、目的条件情報を生成することができる。
【0047】
情報選択部124は、目的条件特定部123が生成した目的条件情報に基づいて、記憶部121に記憶された測定データから機械制御システム11のユーザが希望する測定データを選択して選択測定データを生成する。このようにすれば、情報選択部124は、目的条件特定部123が、目的項目特定部122によって生成された機械制御システム11のユーザの副選択可能情報の選択肢の選択によって生成した目的項目情報に基づいて生成した、目的条件情報に基づいて、選択測定データを生成することができる。
【0048】
目的情報生成部125は、目的条件特定部123が生成した目的条件情報、および、情報選択部124が生成した選択測定データに基づいて、目的情報を生成する。このようにすれば、目的情報生成部125は、情報選択部124が、目的条件特定部123によって生成された目的条件情報に基づいて生成した選択測定データに対して目的条件情報に基づく統計処理を行なって、目的条件情報に基づくグラフに表示した目的情報を生成することができる。サービスコンピュータ13の表示部133に表示される目的情報については後述する。
【0049】
情報通信部126は、機械制御システム11の機械通信部114と第1の通信接続C1を介して有線、または、無線で通信する。また、情報通信部126は、サービスコンピュータ13のサービス通信部134と第2の通信接続C2を介して有線、または、無線で通信する。情報通信部126は、機械制御システム11の機械通信部114からセンサ112が生成した測定データを受信する。また、情報通信部126は、後述のサービスコンピュータ13のサービス通信部134から後述の入力情報生成部132が生成した入力情報を受信し、また、サービスコンピュータ13のサービス通信部134に、目的項目特定部122が生成した選択可能情報、および、目的情報生成部125が生成した目的情報を受信する。
【0050】
図6は、仮想マシンVMで構成された、
図1の情報処理部12の機能ブロック図である。情報処理部12は、ハードウエアで構成されていてもよく、また、仮想マシンVMであってもよい。情報処理部12が、仮想マシンVMであれば、情報処理部12の機能の拡張や変更が容易である。仮想マシンVMは、バーチャルマシンと読み替えられてもよい。また、仮想マシンVMは、クラウド14内で実行されてもよい。
【0051】
<サービスコンピュータ13>
サービスコンピュータ13は、入力部131と、入力情報生成部132と、表示部133と、サービス通信部134と、を含む。
【0052】
入力部131は、機械制御システム11のユーザが入力操作を行なうことによって入力操作情報を生成する。機械制御システム11のユーザが入力操作を行なうことによって、入力部131が入力操作情報を生成すれば、後述の入力情報生成部132は、後述の入力情報を生成することができる。機械制御システム11のユーザは、後述の表示部133に表示された、選択可能情報の副選択可能情報が有する選択肢を選択することができる。また、機械制御システム11のユーザは、目的情報に選択肢が表示されていれば、目的情報に表示された選択肢を選択することができる。入力操作情報は、機械制御システム11のユーザによって選択された、選択可能情報の副選択可能情報が有する選択肢を選択した情報や、目的情報に表示された選択肢を選択した情報である。入力部131は、機械制御システム11のユーザによって副選択可能情報が有する選択肢が選択された場合には、副選択可能情報の選択肢に関する入力操作情報を生成する。また、入力部131は、機械制御システム11のユーザによって目的情報が有する選択肢が選択された場合には、目的情報の選択肢に関する入力操作情報を生成する。
【0053】
入力情報生成部132は、入力部131が生成した入力操作情報に基づいて、入力情報を生成する。入力情報生成部132は、入力部131が生成した副選択可能情報の選択肢に関する入力操作情報に基づいて、副選択可能情報の選択肢に関する入力情報を生成する。また、入力情報生成部132は、入力部131が生成した目的情報の選択肢に関する入力操作情報に基づいて、目的情報の選択肢に関する入力情報を生成する。入力情報は、入力操作情報に基づいて生成されたコンピュータ読み取り可能な情報(例えば、テキスト情報)である。入力情報生成部132が、副選択可能情報の選択肢に関する入力情報、および/または、目的情報の選択肢に関する入力情報を生成して、また、後述のサービス通信部134が、情報処理部12の目的項目特定部122に副選択可能情報の選択肢に関する入力情報、および/または、目的情報の選択肢に関する入力情報を送信すれば、目的項目特定部122は、入力情報生成部132が生成した副選択可能情報の選択肢に関する入力情報、および/または、目的情報の選択肢に関する入力情報に基づいて、目的項目情報を生成することができる。
【0054】
表示部133は、目的項目特定部122が生成した選択可能情報、または、目的情報生成部125が生成した目的情報を表示する。表示部133は、一般的には、サービスコンピュータ13に設けられた画面である。このため、サービスコンピュータ13が、サーバ、パーソナルコンピュータ、スマートフォンなどであれば、表示部133は、サーバの画面、パーソナルコンピュータの画面、スマートフォンの画面などである。
【0055】
図7ないし
図9は、それぞれが目的情報の一例である。
図7ないし
図9に示す目的情報は、表示部133に表示される。目的情報生成部125は、目的条件特定部123が生成した目的条件情報に基づいて、情報選択部124が生成した選択測定データに対して統計処理を行なって、グラフに表示した目的情報を生成する。後述のサービス通信部134が、情報処理部12の情報通信部126から目的情報生成部125が生成した目的情報を受信すると、目的情報は、表示部133に表示される。
【0056】
図7に示す目的情報を説明する。
図7に示す目的情報は、溶接の検査結果を示す目的情報である。
図7に示す目的情報は、溶接の検査を必要とする箇所ごとに、溶接の検査結果が合格であるのか、または、溶接の検査結果が不合格であるのかを文字と色彩で表示している。それぞれの溶接の検査を必要とする箇所ごとに、溶接の検査結果の画像データ(例えば、二次元点群データ、または、三次元点群データ)に基づいて、溶接の検査結果が合格であるのか、または、溶接の検査結果が不合格であるのかを判断している。溶接の検査結果が合格である箇所には、OKの文字、および、OK色彩表示が表示される。溶接の検査結果が不合格である箇所には、NGの文字、および、NG色彩表示が表示される。OK色彩表示の色彩は、一例として、緑色であってもよい。NG色彩表示の色彩は、一例として、赤色であってもよい。このようにすれば、機械制御システム11のユーザは、それぞれの溶接の検査を行なった箇所に対して表示されたOKの文字、あるいは、NGの文字、または、OK色彩表示、あるいは、NG色彩表示の色彩を見れば、溶接の検査結果が合格であるのか、または、溶接の検査結果が不合格なのかが分かる。溶接の検査を必要とする箇所は、機械制御システム11のユーザが指定することも可能であり、また、情報処理システム1が指定することも可能である。
【0057】
OKの文字、および、OK色彩表示や、NGの文字、および、NG色彩表示は、一般的には、溶接の検査を行なった箇所の近傍に表示される。このため、OKの文字、および、OK色彩表示や、NGの文字、および、NG色彩表示は、一般的には、溶接の検査を行なった箇所の上下左右、斜めなどに表示される。ただし、OKの文字、および、OK色彩表示や、NGの文字、および、NG色彩表示は、溶接の検査を行なった箇所に対するOKの文字、および、OK色彩表示や、NGの文字、および、NG色彩表示であることが分かれば、溶接の検査を行なった箇所の近傍に表示されていなくてもよい。OK色彩表示、および、NG色彩表示の形状には、四角形、丸形、三角形、五角形、六角形など、ありとあらゆる形状がある。
【0058】
図7に示す溶接の検査を必要とする箇所は、NO1ないしNO5である。NO1、NO2、NO4、および、NO5は、溶接の検査結果が合格である。NO3は、溶接の検査結果が不合格である。NO1、NO2、NO4、および、NO5には、それぞれ、NO1、NO2、NO4、および、NO5の文字とともに、これらの文字の下に、OKの文字と、OKの文字の横に緑色の色彩が表示されている。OKの文字の横に表示された緑色の色彩の形状は、四角形である。NO3には、NO3の文字とともに、これらの文字の下に、NGの文字と、NGの文字の横に赤色の色彩が表示されている。NGの文字の横に表示された赤色の色彩の形状は、四角形である。
【0059】
図8に示す目的情報を説明する。
図8に示す目的情報も、溶接の検査を必要とする箇所ごとの溶接の検査結果を示す目的情報である。
図8に示す目的情報は、溶接の検査を必要とする箇所ごとに、溶接の検査結果が不合格である数(以下、単に、「不合格数」という。)を文字と色彩で表示している。溶接の検査を必要とする箇所は、機械制御システム11のユーザが指定することも可能であり、また、情報処理システム1が指定することも可能である。
【0060】
それぞれの溶接の検査を行なった箇所ごとに、溶接の検査結果の画像データ(例えば、二次元点群データ、または、三次元点群データ)に基づいて、溶接の検査結果が合格であるのか、または、溶接の検査結果が不合格であるのかを判断して、また、溶接の検査結果を統計処理して、溶接の検査結果が不合格である数を算出している。また、溶接の検査を行なった箇所については、不合格数が少ないこと、または、不合格数が多いことをヒートマップで表示している。ヒートマップの色彩については、一例として、不合格数が0%であれは緑色で表示して、不合格数が50%ぐらいであれは茶色で表示して、不合格数が100%であれは赤色で表示してもよい。また、不合格数が1%から99%の間の色彩は、一例として、1%から99%に向けて、色彩が、緑色から赤色に変化して行くように表示してもよい。このようにすれば、機械制御システム11のユーザは、それぞれの溶接の検査を行なった箇所に対して表示されたヒートマップの色彩を見れば、不合格数が少ないのか、または、多いのかが分かる。
【0061】
ヒートマップは、一般的には、溶接の検査を行なった箇所の近傍に表示される。このため、ヒートマップは、一般的には、溶接の検査を行なった箇所の上下左右、斜めなどに表示される。ただし、ヒートマップは、溶接の検査を行なった箇所に対するヒートマップであることが分かれば、溶接の検査を行なった箇所の近傍に表示されていなくてもよい。ヒートマップの形状には、四角形、丸形、三角形、五角形、六角形など、ありとあらゆる形状がある。
【0062】
図8に示す溶接の検査を必要とする箇所は、NO1ないしNO4である。NO1、および、NO2は、不合格数が0%に近いので、NO1、および、NO2には、それぞれ、NO1、および、NO2の文字とともに、これらの文字の下にヒートマップの色彩は緑色が表示されている。NO3は、不合格数が50%に近いので、NO3には、NO3の文字とともに、これらの文字の下にヒートマップの色彩は茶色が表示されている。NO4は、不合格数が100%に近いので、NO4には、NO4の文字とともに、これらの文字の下にヒートマップの色彩は赤色が表示されている。また、NO1ないしNO4のヒートマップの形状は、四角形である。
【0063】
図9に示す目的情報を説明する。
図9に示す目的情報は、一定期間ごとの複数のデータを1つのグラフにまとめたものである。機械制御システム11のユーザは、選択可能情報の副選択可能情報が有する選択肢で、集計期間は40日、表示されるデータは測定値管理図、ばらつき管理図、ヒストグラム、各種統計値を選択している。このため、
図9には、集計単位を1日ごとにした、40日分の測定値管理図、ばらつき管理図、ヒストグラム、各種統計値のデータを表示した目的情報が示されている。また、機械制御システム11のユーザが、特に、熟練度の低いユーザ(作業者)であったとしても、機械制御システム11のユーザは、選択可能情報の副選択可能情報が有する選択肢で、集計期間は40日、表示されるデータは測定値管理図、ばらつき管理図、ヒストグラム、各種統計値を繰り返し選択することによって、目的情報に表示する測定データ、および、測定データの表示を選択する熟練度が上がることによって、容易にサービスコンピュータ13の表示部133に、集計期間は40日、表示されるデータは測定値管理図、ばらつき管理図、ヒストグラム、各種統計値を容易に表示できるようになることも期待できる。
【0064】
集計単位については、一例として、検査ごと、1時間ごと、1日ごと、1ヶ月ごとがある。集計単位については、機械制御システム11のユーザが、
図9に示す目的情報に表示された集計単位の選択肢で1日ごとを選択しているので、
図9に示す目的情報では、集計単位は1日ごとになっている。
【0065】
測定値管理図には、一例として、箱ひげ図、平均値、中央値、個別値がある。測定値管理図については、機械制御システム11のユーザが、
図9に示す目的情報に表示された測定値管理図の選択肢で箱ひげ図を選択しているので、
図9に示す目的情報では、測定値管理図は箱ひげ図になっている。
【0066】
ばらつき管理図には、一例として、標準偏差(n≧10の場合)、最大最小範囲、移動範囲(個別値の場合)、集計単位内のCp、Cpkがある。測定値管理図については、機械制御システム11のユーザが、
図9に示す目的情報に表示されたばらつき管理図の選択肢で標準偏差を選択しているので、
図9に示す目的情報では、ばらつき管理図は標準偏差になっている。
【0067】
ヒストグラムについては、期間中の頻度分布が表示される。ヒストグラムについては、機械制御システム11のユーザが、
図9に示す目的情報に表示された選択肢に対する選択によって、
図9に示す目的情報では、横軸を穴径推移グラフにした個別ヒストグラムが表示されている。また、ヒストグラムの補助線については、機械制御システム11のユーザが、
図9に示す目的情報に表示された選択肢に対する選択によって、
図9に示す目的情報では、目標、上限/下限、平均/中央、平均±3σが表示されている。
【0068】
機械制御システム11のユーザが、
図9に示す詳細表示ボタンを押すと、全データがエクスポートされて、
図9に示す目的情報には、全データが表示される。
図9に示す目的情報には、グラフ拡大表示ボタン、グラフ画像ダウンロードボタン、csv形式ダウンロードボタン、Excel形式ダウンロードボタンも表示されている。
【0069】
各種統計値については、機械制御システム11のユーザは、選択可能情報の副選択可能情報が有する各種統計値の選択肢で指定期間中の集計結果を選択しているので、
図9に示す目的情報の各種統計値には、指定期間中の集計結果が表示されている。
【0070】
サービス通信部134は、情報処理部12の情報通信部126と第2の通信接続C2を介して有線、または、無線で通信する。サービス通信部134は、情報処理部12の情報通信部126に、入力情報生成部132が生成した入力情報を送信する。
【0071】
本実施の形態の情報処理システム1は、プログラムとして把握することもできる。本実施の形態の情報処理システム1は、プログラムとして把握すると、次のようになる。
【0072】
情報処理システム1に関するプログラムであって、作業部111cが、作業を行ない、機械制御システム11が、作業部111cを測定して測定データを生成し、情報処理部12が、機械制御システム11から受信した測定データを記憶し、機械制御システム11のユーザが選択可能な選択肢を有する選択可能情報を生成し、機械制御システム11のユーザによって選択された選択肢を記録した目的項目情報を生成し、目的項目情報に基づいて、機械制御システム11のユーザが希望する測定データを特定するための目的条件情報を生成し、目的条件情報に基づいて、記憶した測定データから機械制御システム11のユーザが希望する選択測定データを選択し、目的条件情報、および、選択測定データに基づいて、目的情報を生成し、サービスコンピュータ13が、機械制御システム11のユーザが入力操作を行なうことによって入力操作情報を生成し、入力操作情報に基づいて入力情報を生成し、選択可能情報、または、目的情報を表示する、コンピュータ読み取り可能な不揮発性の記録媒体に記録されたプログラム。本実施の形態の情報処理システム1は、コンピュータ読み取り可能な不揮発性の記録媒体に記録されたプログラムとして把握すると、本実施の形態の情報処理システム1の機能の拡張、または、変更は、コンピュータ読み取り可能な不揮発性の記録媒体に記録されたプログラムを変更することによって、改良、拡張、または、変更することによって、容易に行なうことが可能になる。本実施の形態の情報処理システム1のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な不揮発性の記録媒体に記録されているので、非一時的にコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。
【0073】
記録媒体は、CD-ROM(Compact Disc Read only memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、その他のストレージ等の1つあるいはそれらの任意の組み合わせによって構成される、メモリ、または、ストレージである。本実施の形態の情報処理システム1のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な不揮発性の記録媒体に記録されているので、プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体、または、プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含むハードウエアは、電源の遮断や、停電などによって、電力が供給されなくても、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムが消滅することはない。コンピュータ読み取り可能な不揮発性の記録媒体に記録された本実施の形態の情報処理システム1のプログラムは、RAM(Random Access Memory)にも記録可能である。
【0074】
本実施の形態の情報処理システム1によって製造物を製造する製造物の製造方法は、次のようになる。
【0075】
機械制御システムを用いた製造物の製造方法であって、作業部111cが、作業を行ない、機械制御システム11が、作業部111cを測定して測定データを生成し、情報処理部12が、機械制御システム11から受信した測定データを記憶し、機械制御システム11のユーザが選択可能な選択肢を有する選択可能情報を生成し、機械制御システム11のユーザによって選択された選択肢を記録した目的項目情報を生成し、目的項目情報に基づいて、機械制御システム11のユーザが希望する測定データを特定するための目的条件情報を生成し、目的条件情報に基づいて、記憶した測定データから機械制御システム11のユーザが希望する選択測定データを選択し、目的条件情報、および、選択測定データに基づいて、目的情報を生成し、サービスコンピュータ13が、機械制御システム11のユーザが入力操作を行なうことによって入力操作情報を生成し、入力操作情報に基づいて入力情報を生成し、選択可能情報、または、目的情報を表示して製造物を製造する、製造方法。情報処理システム1を用いた製造
物の製造方法では、作業具111cを変更することによって、作業を変更して、様々な製造物を製造することができる。
【0076】
製造物は、動産であってもよく、または、不動産であってもよい。また、製造物は、動産として製造された後に、不動産の内部、または、外部に設置されてもよい。
【0077】
情報処理システム1を用いた製造方法によって製造される製造物は、塗装処理、溶接加工、切削加工、研削加工、旋削加工のうちの少なくとも1つで、情報処理システム1を用いた製造方法によって製造される。情報処理システム1を用いた製造方法によって製造される製造物は、作業具111dを変更することによって、塗装処理、溶接加工、切削加工、研削加工、旋削加工のうちの少なくとも1つの作業を行なうことによって、様々な製造物が製造される
【0078】
最後に、本発明の実施の形態を図面及び対応する記載等を用いて以下に総括する。
【0079】
(請求項1)
作業を行なう作業部(111c)と、前記作業部(111c)を測定して測定データを生成するセンサ(112)と、を含む機械制御システム(11)と、
前記機械制御システム(11)から受信した前記測定データを記憶する記憶部(121)と、前記機械制御システム(11)のユーザが選択可能な選択肢を有する選択可能情報を生成し、前記機械制御システム(11)のユーザによって選択された前記選択肢を記録した目的項目情報を生成する目的項目特定部(122)と、前記目的項目情報に基づいて、前記機械制御システム(11)のユーザが希望する測定データを特定するための目的条件情報を生成する目的条件特定部(123)と、前記目的条件情報に基づいて、前記記憶部(121)に記憶された前記測定データから前記機械制御システム(11)のユーザが希望する測定データを選択して選択測定データを生成する情報選択部(124)と、前記目的条件情報、および、前記選択測定データに基づいて、目的情報を生成する目的情報生成部(125)と、を含む情報処理部(12)と、
前記機械制御システム(11)のユーザが入力操作を行なうことによって入力操作情報を生成する入力部(131)と、前記入力操作情報に基づいて、前記入力情報を生成するための入力情報生成部(132)と、前記目的項目特定部(122)が生成した前記選択可能情報、または、前記目的情報生成部(125)が生成した前記目的情報を表示する表示部(133)と、を含むサービスコンピュータ(13)と、
を備える、情報処理システム(1)。
(請求項2)
前記選択可能情報は、前記サービスコンピュータ(13)の前記表示部(133)に表示される、請求項1に記載の情報処理システム(1)。
(請求項3)
前記選択可能情報は、2以上の副選択可能情報を含み、
前記副選択可能情報は、2以上の選択肢を有し、前記機械制御システム(11)のユーザによって、前記サービスコンピュータ(13)の前記表示部(133)に表示された、副選択可能情報が有する前記選択肢が選択されると、前記サービスコンピュータ(13)の前記表示部(133)には、次の前記副選択可能情報が表示される、請求項1または請求項2のいずれかに記載の情報処理システム(1)。
(請求項4)
前記目的項目特定部は、前記機械制御システムのユーザが選択した、2以上の前記副選択可能情報が有する前記選択肢を記録した、目的項目情報を生成する、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の情報処理システム(1)。
(請求項5)
前記表示部(133)に表示される前記副選択可能情報は、前記機械制御システム(11)のユーザごとに異なる、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の情報処理システム(1)。
(請求項6)
前記表示部(133)に表示される前記副選択可能情報は、前記機械制御システム(11)のユーザの前記入力部(131)に対する前記入力操作情報の水準に基づいて異なる、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の情報処理システム(1)。
(請求項7)
前記情報処理部(12)は、仮想マシン(VM)である、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の情報処理システム(1)。
(請求項8)
情報処理システム(1)に関するプログラムであって、
作業を行なう作業部(111c)を含む機械制御システム(11)が、前記作業部(111c)を測定して測定データを生成し、
情報処理部(12)が、前記機械制御システム(11)から受信した前記測定データを記憶し、前記機械制御システム(11)のユーザが選択可能な選択肢を有する選択可能情報を生成し、前記機械制御システムのユーザ(11)によって選択された前記選択肢を記録した目的項目情報を生成し、前記目的項目情報に基づいて、前記機械制御システム(11)のユーザが希望する測定データを特定するための目的条件情報を生成し、前記目的条件情報に基づいて、記憶した前記測定データから前記機械制御システム(11)のユーザが希望する選択測定データを選択し、前記目的条件情報、および、前記選択測定データに基づいて、目的情報を生成し、
サービスコンピュータ(13)が、前記機械制御システム(11)のユーザが入力操作を行なうことによって入力操作情報を生成し、前記入力操作情報に基づいて前記入力情報を生成し、前記選択可能情報、または、前記目的情報を表示する、プログラム。
(請求項9)
情報処理システム(1)が製造物を製造する製造方法であって、
作業を行なう作業部(111c)を含む機械制御システム(11)が、前記作業部(111c)を測定して測定データを生成し、
情報処理部(12)が、前記機械制御システム(11)から受信した前記測定データを記憶し、前記機械制御システム(11)のユーザが選択可能な選択肢を有する選択可能情報を生成し、前記機械制御システムのユーザ(11)によって選択された前記選択肢を記録した目的項目情報を生成し、前記目的項目情報に基づいて、前記機械制御システム(11)のユーザが希望する測定データを特定するための目的条件情報を生成し、前記目的条件情報に基づいて、記憶した前記測定データから前記機械制御システム(11)のユーザが希望する選択測定データを選択し、前記目的条件情報、および、前記選択測定データに基づいて、目的情報を生成し、
サービスコンピュータ(13)が、前記機械制御システム(11)のユーザが入力操作を行なうことによって入力操作情報を生成し、前記入力操作情報に基づいて前記入力情報を生成し、前記選択可能情報、または、前記目的情報を表示して製造物を製造する、製造方法。
(請求項10)
前記対象物は、塗装処理、溶接加工、切削加工、研削加工、旋削加工のうちの少なくとも1つで、前記情報処理システム(1)によって製造される、請求項9に記載の製造方法。
【符号の説明】
【0080】
1 情報処理システム
11 機械制御システム
111 機械装置
111a 機械装置本体
111b アーム
111c 作業部
111d 作業具
111e コントローラ
112 センサ
113 制御部
114 機械通信部
12 情報処理部
121 記憶部
122 目的項目特定部
123 目的条件特定部
124 情報選択部
125 目的情報生成部
126 情報通信部
13 サービスコンピュータ
131 入力部
132 入力情報生成部
133 表示部
134 サービス通信部
VM 仮想マシン
14 クラウド
C1 第1の通信接続
C2 第2の通信接続
1001 三次元形状データ
1100 溶接対象部材
1101 溶接対象部材
1102 溶接パス