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特開2024-108982ドラフトローラ組立体、ドラフト装置及び紡績機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108982
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】ドラフトローラ組立体、ドラフト装置及び紡績機
(51)【国際特許分類】
   D01H 5/56 20060101AFI20240805BHJP
   D01H 5/86 20060101ALI20240805BHJP
   D01H 5/72 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
D01H5/56
D01H5/86 B
D01H5/72
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013687
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】秋元 理宏
(72)【発明者】
【氏名】岡 正毅
(72)【発明者】
【氏名】窪田 勇一
【テーマコード(参考)】
4L056
【Fターム(参考)】
4L056AA19
4L056BC02
4L056BC38
4L056BC42
4L056BC46
4L056CA16
4L056FC06
(57)【要約】
【課題】ドラフトローラの円滑な変位を実現する。
【解決手段】ドラフトローラ組立体5pは、ドラフトベース50と、回転ハウジング62bと、ベアリング71と、ミドルボトムローラ52と、テンサバー56と、を備える。回転ハウジング62bには、貫通孔70が形成される。ベアリング71は、貫通孔70に挿入される。ミドルボトムローラ52は、ベアリング71により回転可能に支持される。テンサバー56は、ボトムエプロンベルト57を案内する。回転ハウジング62bはドラフトベース50に対して回転可能である。回転ハウジング62bがドラフトベース50に対して回転することにより、回転ハウジング62bとテンサバー56との間の距離が変化する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、
貫通孔が形成されたハウジングと、
前記貫通孔に挿入されるベアリングと、
前記ベアリングにより回転可能に支持されるドラフトローラと、
エプロンベルトを案内するベルト案内部材と、
を備え、
前記ハウジングは前記ベース部材に対して回転可能であり、
前記ハウジングが前記ベース部材に対して回転することにより、前記ハウジングと前記ベルト案内部材との間の距離が変化することを特徴とするドラフトローラ組立体。
【請求項2】
請求項1に記載のドラフトローラ組立体であって、
前記ドラフトローラと前記ベルト案内部材に巻き掛けられるエプロンベルトを備えることを特徴とするドラフトローラ組立体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のドラフトローラ組立体であって、
前記ハウジングを回転方向の一側へ付勢する付勢部材を備えることを特徴とするドラフトローラ組立体。
【請求項4】
請求項3に記載のドラフトローラ組立体であって、
前記ハウジングは、前記ベース部材に対して、回転軸を中心として回転可能であり、
前記付勢部材は、前記回転軸に取り付けられたバネであることを特徴とするドラフトローラ組立体。
【請求項5】
請求項4に記載のドラフトローラ組立体であって、
前記バネの固定位置を変更することによりバネ力の大きさを調整可能に構成されていることを特徴とするドラフトローラ組立体。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか一項に記載のドラフトローラ組立体であって、
前記ベース部材から突出する第1部材と、
前記第1部材に固定される第2部材と、
を備え、
前記ベルト案内部材が前記第2部材に固定されていることを特徴とするドラフトローラ組立体。
【請求項7】
請求項1から6までの何れか一項に記載のドラフトローラ組立体であって、
前記ハウジングの回転角度を固定する角度固定部を備えることを特徴とするドラフトローラ組立体。
【請求項8】
請求項7に記載のドラフトローラ組立体であって、
前記角度固定部は、前記ハウジングの回転軸線に平行な方向に固定される固定部材を備えることを特徴とするドラフトローラ組立体。
【請求項9】
請求項8に記載のドラフトローラ組立体であって、
繊維束を集束させる繊維束集束部材を備え、
前記繊維束集束部材は前記ハウジングに固定されていることを特徴とするドラフトローラ組立体。
【請求項10】
請求項6に記載のドラフトローラ組立体であって、
前記ベルト案内部材から離れる方向に前記ハウジングが所定角度を上回って回転するのを規制するストッパを備えることを特徴とするドラフトローラ組立体。
【請求項11】
請求項1から10までの何れか一項に記載のドラフトローラ組立体であって、
繊維束が走行可能な繊維束経路が2つ形成され、
2つの前記繊維束経路に対応して、前記ハウジング、前記ドラフトローラ、前記ベルト案内部材をそれぞれ2つ備え、
2つの前記ハウジングのそれぞれに、前記ハウジングの回転角度を固定する角度固定部が設けられ、
前記角度固定部は、前記ハウジングよりも、2つの前記繊維束経路の中間位置から遠い側に位置することを特徴とするドラフトローラ組立体。
【請求項12】
ベース部材と、
貫通孔が形成された第1ハウジングと、
前記貫通孔に挿入されるベアリングと、
前記ベアリングにより回転可能に支持される第1ドラフトローラと、
エプロンベルトを案内するベルト案内部材と、
を備え、
前記第1ハウジングは前記ベース部材に対して回転可能であり、
前記第1ハウジングが前記ベース部材に対して回転することにより、前記第1ハウジングと前記ベルト案内部材との間の距離が変化することを特徴とするドラフト装置。
【請求項13】
請求項12に記載のドラフト装置であって、
前記ベース部材から突出する第1部材と、
前記第1部材に固定される第2部材と、
を備え、
前記ベルト案内部材が前記第2部材に固定されていることを特徴とするドラフト装置。
【請求項14】
請求項12に記載のドラフト装置であって、
前記第1ドラフトローラよりも繊維走行方向下流に配置される第2ドラフトローラと、
前記第2ドラフトローラを回転可能に支持する第2ハウジングと、
前記第2ハウジングに固定的に設けられる被取付部と、
を備え、
前記ベルト案内部材が前記被取付部に固定されていることを特徴とするドラフト装置。
【請求項15】
請求項12に記載のドラフト装置であって、
前記第1ハウジングを回転可能に支持する支持部材と、
前記ベース部材に一体的に形成された第2ハウジングと、
前記第1ドラフトローラよりも繊維走行方向下流に配置され、前記第2ハウジングに支持される第2ドラフトローラと、
を備え、
前記支持部材は前記ベース部材に対して分離可能に固定されていることを特徴とするドラフト装置。
【請求項16】
請求項15に記載のドラフト装置であって、
前記第1ドラフトローラと前記ベルト案内部材に巻き掛けられるエプロンベルトをトラバースするトラバース装置を備え、
前記トラバース装置が備えるトラバース部材は、前記支持部材に対して位置決めされていることを特徴とするドラフト装置。
【請求項17】
請求項12から16までの何れか一項に記載のドラフト装置であって、
繊維束が走行可能な繊維束経路が2つ形成され、
2つの前記繊維束経路に対応して、前記第1ハウジング、前記第1ドラフトローラ、前記ベルト案内部材をそれぞれ2つ備え、
2つの前記第1ハウジングのそれぞれに、前記第1ハウジングの回転角度を固定する角度固定部が設けられ、
前記角度固定部は、前記第1ハウジングよりも、2つの前記繊維束経路の中間位置から遠い側に位置することを特徴とするドラフト装置。
【請求項18】
請求項1から11までの何れか一項に記載のドラフトローラ組立体を含むドラフト装置、又は、請求項12から17までの何れか一項に記載のドラフト装置と、
前記ドラフト装置によりドラフトされた繊維束に旋回空気流を作用させて糸を生成する紡績装置と、
前記紡績装置により生成された糸をパッケージに巻き取る巻取装置と、
を備えることを特徴とする紡績機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維束をドラフトするドラフトローラの位置調整に関する。
【背景技術】
【0002】
エプロンベルトを駆動させることにより繊維束をドラフトするドラフト装置が知られている。この種のドラフト装置は、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1のドラフト装置において、ガイドエプロンは、ボトムローラとガイドテーブルにループ掛けされる。ボトムローラは、ベアリングキャリッジに支持されている。ベアリングキャリッジは、繊維の移送方向に移動可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-522485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エプロンベルトに加えられる張力は、糸品質、操業性、消費電力、及びエプロンベルト自体の寿命に大きく影響する。近年の紡績の高速化に伴い、エプロンベルトの張力を適切に維持することが重要である。
【0006】
特許文献1の構成においては、ガイドテーブルとボトムローラの間の距離を変化させることにより、ガイドエプロンの張力を調整することができる。しかし、特許文献1においてはボトムローラの位置をスライド移動させる構成になっているため、こじれが発生し易く、ボトムローラをスムーズに変位させることができない場合があった。
【0007】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、ドラフトローラの円滑な変位を実現することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0008】
本発明の第1の観点によれば、以下の構成のドラフトローラ組立体が提供される。即ち、ドラフトローラ組立体は、ベース部材と、ハウジングと、ベアリングと、ドラフトローラと、ベルト案内部材と、を備える。前記ハウジングには、貫通孔が形成される。前記ベアリングは、前記貫通孔に挿入される。前記ドラフトローラは、前記ベアリングにより回転可能に支持される。前記ベルト案内部材は、エプロンベルトを案内する。前記ハウジングは前記ベース部材に対して回転可能である。前記ハウジングが前記ベース部材に対して回転することにより、前記ハウジングと前記ベルト案内部材との間の距離が変化する。
【0009】
これにより、ハウジングを回転させて、ドラフトローラとベルト案内部材との間の距離を円滑に変化させることができる。
【0010】
前記のドラフトローラ組立体においては、前記ドラフトローラと前記ベルト案内部材に巻き掛けられるエプロンベルトを備えることが好ましい。
【0011】
これにより、ハウジングを回転させて、エプロンベルトの張力の調整を円滑に行うことができる。
【0012】
前記のドラフトローラ組立体においては、前記ハウジングを回転方向の一側へ付勢する付勢部材を備えることが好ましい。
【0013】
これにより、付勢部材を用いて、エプロンベルトを張る方向にハウジングを所定の力で回転させることができる。
【0014】
前記のドラフトローラ組立体においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記ハウジングは、前記ベース部材に対して、回転軸を中心として回転可能である。前記付勢部材は、前記回転軸に取り付けられたバネである。
【0015】
これにより、簡単な構成により、ハウジングを回転方向の一側へ付勢することができる。
【0016】
前記のドラフトローラ組立体においては、前記バネの固定位置を変更することによりバネ力の大きさを調整可能に構成されていることが好ましい。
【0017】
これにより、エプロンベルトに加える張力を状況に応じて変更することができる。
【0018】
前記のドラフトローラ組立体においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、ドラフトローラ組立体は、第1部材と、第2部材と、を備える。前記第1部材は、前記ベース部材から突出する。前記第2部材は、前記第1部材に固定される。前記ベルト案内部材が前記第2部材に固定されている。
【0019】
これにより、ベルト案内部材を正確な位置で固定することができる。
【0020】
前記のドラフトローラ組立体においては、前記ハウジングの回転角度を固定する角度固定部を備えることが好ましい。
【0021】
これにより、ベルト案内部材とドラフトローラとの間の位置関係を確実に維持することができる。
【0022】
前記のドラフトローラ組立体においては、前記角度固定部は、前記ハウジングの回転軸線に平行な方向に固定される固定部材を備えることが好ましい。
【0023】
これにより、固定部材を用いてハウジングの角度を固定する場合に、ハウジングが意図せず回転することを防止できる。
【0024】
前記のドラフトローラ組立体においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、ドラフトローラ組立体は、繊維束を集束させる繊維束集束部材を備える。前記繊維束集束部材は前記ハウジングに固定されている。
【0025】
これにより、ドラフトローラに対する繊維束集束部材の位置精度を向上させることができる。従って、繊維束のドラフト品質が良好になる。
【0026】
前記のドラフトローラ組立体においては、前記ベルト案内部材から離れる方向に前記ハウジングが所定角度を上回って回転するのを規制するストッパを備えることが好ましい。
【0027】
これにより、組立性を向上させることができる。
【0028】
前記のドラフトローラ組立体においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、ドラフトローラ組立体には、繊維束が走行可能な繊維束経路が2つ形成される。2つの前記繊維束経路に対応して、前記ハウジング、前記ドラフトローラ、前記ベルト案内部材をそれぞれ2つ備える。2つの前記ハウジングのそれぞれに、前記ハウジングの回転角度を固定する角度固定部が設けられる。前記角度固定部は、前記ハウジングよりも、2つの前記繊維束経路の中間位置から遠い側に位置する。
【0029】
これにより、角度固定部への外部からのアクセスが容易になる。従って、ドラフトローラの位置を調整する場合の作業性が良好である。
【0030】
本発明の第2の観点によれば、以下の構成のドラフト装置が提供される。即ち、ドラフト装置は、ベース部材と、第1ハウジングと、ベアリングと、第1ドラフトローラと、ベルト案内部材と、を備える。前記第1ハウジングには、貫通孔が形成される。前記ベアリングは、前記貫通孔に挿入される。前記第1ドラフトローラは、前記ベアリングにより回転可能に支持される。前記ベルト案内部材は、エプロンベルトを案内する。前記第1ハウジングは前記ベース部材に対して回転可能である。前記第1ハウジングが前記ベース部材に対して回転することにより、前記第1ハウジングと前記ベルト案内部材との間の距離が変化する。
【0031】
これにより、ハウジングを回転させて、ドラフトローラとベルト案内部材との間の距離を円滑に変化させることができる。
【0032】
前記のドラフト装置においては、以下の構成とすることができる。即ち、ドラフト装置は、第1部材と、第2部材と、を備える。前記第1部材は、前記ベース部材から突出する。前記第2部材は、前記第1部材に固定される。前記ベルト案内部材が前記第2部材に固定されている。
【0033】
これにより、ベルト案内部材の位置精度を向上させることができる。
【0034】
前記のドラフト装置においては、以下の構成とすることができる。即ち、ドラフト装置は、第2ドラフトローラと、第2ハウジングと、被取付部と、を備える。前記第2ドラフトローラは、前記第1ドラフトローラよりも繊維走行方向下流に配置される。前記第2ハウジングは、前記第2ドラフトローラを回転可能に支持する。前記被取付部は、前記第2ハウジングに固定的に設けられる。前記ベルト案内部材が前記被取付部に固定されている。
【0035】
これにより、第2ドラフトローラに対するベルト案内部材の位置精度を向上させることができる。
【0036】
前記のドラフト装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、ドラフト装置は、支持部材と、第2ハウジングと、第2ドラフトローラと、を備える。前記支持部材は、前記第1ハウジングを回転可能に支持する。前記第2ハウジングは、前記ベース部材に一体的に形成される。前記第2ドラフトローラは、前記第1ドラフトローラよりも繊維走行方向下流に配置され、前記第2ハウジングに支持される。前記支持部材は前記ベース部材に対して分離可能に固定されている。
【0037】
これにより、第1ハウジング周辺のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0038】
前記のドラフト装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、ドラフト装置は、エプロンベルトをトラバースするトラバース装置を備える。前記エプロンベルトは、前記第1ドラフトローラと前記ベルト案内部材に巻き掛けられる。前記トラバース装置が備えるトラバース部材は、前記支持部材に対して位置決めされている。
【0039】
これにより、エプロンベルトに対するトラバース部材の位置精度が向上するので、トラバース部材の円滑なトラバース動作を実現することができる。
【0040】
前記のドラフト装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、ドラフト装置には、繊維束が走行可能な繊維束経路が2つ形成される。2つの前記繊維束経路に対応して、前記第1ハウジング、前記第1ドラフトローラ、前記ベルト案内部材をそれぞれ2つ備える。2つの前記第1ハウジングのそれぞれに、前記第1ハウジングの回転角度を固定する角度固定部が設けられる。前記角度固定部は、前記第1ハウジングよりも、2つの前記繊維束経路の間の空間から遠い側に位置する。
【0041】
これにより、角度固定部への外部からのアクセスが容易になる。従って、ドラフトローラの位置を調整する場合の作業性が良好である。
【0042】
本発明の第3の観点によれば、以下の構成の紡績機が提供される。即ち、この紡績機は、ドラフト装置と、紡績装置と、巻取装置と、を備える。前記ドラフト装置は、前述のドラフトローラ組立体を含むか、前述の構成である。前記紡績装置は、前記ドラフト装置によりドラフトされた繊維束に旋回空気流を作用させて糸を生成する。前記巻取装置は、前記紡績装置により生成された糸をパッケージに巻き取る。
【0043】
これにより、メンテナンス等のためにドラフトローラを円滑に変位させることが可能な紡績機を実現することができる。その結果、紡績機において生成される糸の品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明の一実施形態に係る紡績機の正面図。
図2】紡績ユニットの側面図。
図3】ドラフト装置を模式的に示す側面図。
図4】ドラフト装置の下側部分を示す斜視図。
図5】ドラフトローラ組立体を詳細に示す斜視図。
図6】ドラフトローラ組立体の分解斜視図。
図7】ドラフト装置の下側部分の側面を示す斜視図。
図8図7の状態から回転ハウジングが回転した状態を示す斜視図。
図9】ドラフト装置の下側部分を示す斜視図。
図10】第2支持部の変形例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0045】
次に、本発明の一実施形態に係るドラフト装置5を備える紡績機1について、図面を参照して説明する。図1に示す紡績機1は、並設された複数の紡績ユニット2と、フレーム3と、糸継台車30と、を備える。
【0046】
図2に示すように、各紡績ユニット2は、上流から下流へ向かって順に、繊維束ガイド4と、ドラフト装置5と、空気紡績装置(紡績装置)6と、糸監視装置7と、糸貯留装置8と、巻取装置9と、を備える。紡績ユニット2が備える各装置は、フレーム3によって支持されている。なお、本明細書において「上流」及び「下流」とは、紡績時での繊維束及び糸の走行方向における上流及び下流を意味する。
【0047】
繊維束ガイド4は、図略のスライバケースから供給される繊維束10をガイドする。繊維束ガイド4がガイドした繊維束10は、ドラフト装置5に供給される。
【0048】
ドラフト装置5は、繊維束10をドラフトする。ドラフト装置5は、ドラフトを行うための部材として、ドラフトボトムローラ群5aと、ドラフトトップローラ群5bと、を備える。ドラフトボトムローラ群5aは、複数のドラフトボトムローラを備える。ドラフトボトムローラは、図示しないモータにより回転駆動される。ドラフトトップローラ群5bは、複数のドラフトトップローラを有する。ドラフトボトムローラとドラフトトップローラは対向するように配置されている。ドラフトボトムローラとドラフトトップローラとの間に繊維束10を挟み込んで搬送することにより、繊維束10を引き延ばすことができる。ドラフト装置5の詳細については後述する。
【0049】
空気紡績装置6は、内部に旋回空気流を発生させて、空気紡績を行うことができる。空気紡績装置6は、ドラフト装置5から供給された繊維束10に対して旋回空気流により撚りを加えて紡績することにより、糸15を生成する。なお、空気紡績装置6に代えて、リング紡績を行う装置を用いてもよい。
【0050】
空気紡績装置6により生成された糸15は、糸監視装置7を通過する。糸監視装置7は、走行する糸15の太さを、図略の光学式のセンサによって監視する。糸監視装置7は、糸15の糸欠陥(例えば糸15の太さ等に異常がある箇所)を検出した場合に、糸欠陥検出信号をユニット制御部26へ送信する。ユニット制御部26は、糸欠陥検出信号を受信した場合、糸15を切断する。ユニット制御部26は、空気紡績装置6を停止させて糸15を切断してもよいし、カッタを駆動して糸15を切断してもよい。なお、糸監視装置7は光学式のセンサに限らず、例えば静電容量式のセンサにより糸15の太さを監視してもよい。また、糸欠陥として、糸15に含まれる異物、及び/又は糸15のテンションの異常を監視してもよい。
【0051】
糸監視装置7を通過した糸15は、巻取装置9によってボビン17に巻き取られる。巻取装置9は、糸15を巻き取ってパッケージ18を形成する。巻取装置9は、クレードルアーム19と、巻取ドラム20と、トラバース装置21と、を備える。
【0052】
クレードルアーム19は、糸15を巻き取るためのボビン17を回転可能に支持する。巻取ドラム20は、前記ボビン17の外周面又は前記パッケージ18の外周面に接触して回転駆動されることにより、前記ボビン17(又はパッケージ18)を従動回転させる。トラバース装置21は、トラバースガイド22を備える。トラバースガイド22は、糸15に係合してボビン17の巻幅方向に駆動される。これにより、ボビン17に巻き取られる糸15をトラバースすることができる。
【0053】
以上の構成の紡績ユニット2により、繊維束10から糸15を生成して、ボビン17に巻き取ることができる。
【0054】
本実施形態の紡績機1では、糸監視装置7と巻取装置9の間に、糸貯留装置8が配置されている。糸貯留装置8は、図2に示すように、糸貯留ローラ23と、当該糸貯留ローラ23を回転駆動する電動モータ25と、を備える。
【0055】
電動モータ25が糸貯留ローラ23を回転駆動することにより、糸貯留装置8が空気紡績装置6から糸15を引き出す。糸貯留ローラ23は、引き出した糸15を外周面に巻き付けて一時的に貯留できる。このように糸15を一時的に貯留するので、糸貯留装置8は一種のバッファとして機能する。これにより、空気紡績装置6における紡績速度と、巻取装置9における巻取速度と、が何らかの理由により一致しない場合の不具合(例えば糸15の弛みなど)を解消することができる。
【0056】
それぞれの紡績ユニット2は、ユニット制御部26を備える。ユニット制御部26は、紡績ユニット2が備える各構成を制御する。1つのユニット制御部26が、2以上の所定数の紡績ユニット2を制御するように構成されてもよい。
【0057】
糸継台車30は、図1及び図2に示すように、糸継装置31と、サクションパイプ32と、サクションマウス33と、を備える。
【0058】
糸継装置31は、糸端同士を接合するための装置である。糸継装置31の構成は特に限定されないが、例えば旋回空気流によって糸端同士を撚り合わせる空気式のスプライサを採用できる。糸継装置31は、糸端同士を機械的に結ぶノッターであってもよい。前記サクションパイプ32は、空気紡績装置6から送出される糸端を吸い込みつつ捕捉して、糸継装置31へ案内する。サクションマウス33は、巻取装置9に支持されたパッケージ18から糸端を吸引しつつ捕捉して、糸継装置31へ案内する。
【0059】
糸継装置31は、サクションパイプ32及びサクションマウス33によって案内された糸端同士の接合を行う。これにより、切断された糸15が、空気紡績装置6と巻取装置9の間で再び連続状態になる。
【0060】
次に、図3を参照して、ドラフト装置5について説明する。
【0061】
図3に示すように、ドラフト装置5は、ドラフトベース(ベース部材)50を備える。ドラフトベース50は、フレーム状又はブロック状の部材である。ドラフトベース50は、適宜の手段によってフレーム3に固定される。
【0062】
ドラフトベース50には、ドラフトボトムローラ群5aと、空気紡績装置6と、が取り付けられている。ドラフトベース50は、ドラフトボトムローラ群5aと、空気紡績装置6と、を支持する。図3に示すように、ドラフトボトムローラ群5aは、繊維走行方向の下流から上流に向かって順に並べられた、フロントボトムローラ(第2ドラフトローラ)51と、ミドルボトムローラ(ドラフトローラ、第1ドラフトローラ)52と、サードボトムローラ53と、バックボトムローラ54と、から構成される。ミドルボトムローラ52よりも繊維走行方向の下流側には、テンサバー(ベルト案内部材)56が配置されている。ドラフト装置5において繊維束10は繊維走行方向にドラフトされるので、ドラフト方向は繊維走行方向と平行である。ミドルボトムローラ52及びテンサバー56には、ボトムエプロンベルト(エプロンベルト)57が巻き掛けられている。ミドルボトムローラ52とサードボトムローラ53の間には、コンデンサ(繊維束集束部材)58が配置されている。コンデンサ58は、ミドルボトムローラ52(言い換えれば、ボトムエプロンベルト57)に供給される繊維束10の幅を規制し、繊維束10を集束させる。
【0063】
ドラフト装置5は、図示しない複数のモータを備える。それぞれのモータは、フロントボトムローラ51、ミドルボトムローラ52、サードボトムローラ53及びバックボトムローラ54を回転駆動することができる。
【0064】
図3に示すように、ドラフト装置5は、ドラフトクレードル90を備える。ドラフトクレードル90にはドラフトトップローラ群5bが取り付けられており、ドラフトクレードル90はドラフトトップローラ群5bを支持する。ドラフトクレードル90は、ドラフトベース50に対して開閉可能である。ドラフトクレードル90を閉じることにより、ドラフトトップローラ群5bがドラフトボトムローラ群5aに接触又は近接する。図3に示すように、ドラフトトップローラ群5bは、繊維走行方向の下流から上流に向かって順に、フロントトップローラ91と、ミドルトップローラ92と、サードトップローラ93と、バックトップローラ94と、から構成される。ミドルトップローラ92には、トップエプロンベルト97が巻き掛けられている。
【0065】
図4に示すように、本実施形態では、1つのドラフトベース50に対し、2つのドラフトボトムローラ群5a及び2つの空気紡績装置6が並べて配置されている。言い換えれば、本実施形態では、1つのドラフトベース50に対して2つの繊維束経路が並べて配置される。1つのドラフトベース50における2つのドラフトボトムローラ群5aと2つの空気紡績装置6のそれぞれの並列方向は、ドラフトボトムローラ群5aを構成する各ドラフトローラの軸方向と平行である。以下、ドラフトボトムローラ群5aの各ドラフトローラの軸方向に平行な方向を、ローラ軸方向と呼ぶことがある。2つのドラフトボトムローラ群5a及びその支持構造は対称線L1に関して対称な構造であるため、まとめて説明する。対称線L1は、2つの繊維束経路の中間位置に配置されている。
【0066】
2つの繊維束経路に平行な平面へ、ドラフトベース50及び2つの繊維束経路が、平面に垂直な向きに投影された投影面を考える。この投影面において、ドラフトベース50は、2つの繊維束経路の間に配置されている。詳細には、ローラ軸方向及び繊維走行方向の両方に直交する方向で見たときに、投影面において、2つのドラフトボトムローラ群5aの間を含む位置にドラフトベース50が配置されている。これにより、2つのドラフトボトムローラ群5aに対して1つのドラフトベース50を設けることができる。ドラフトベース50は、前述の対称線L1に関して実質的に対称に形成されている。
【0067】
図4に示すように、ドラフト装置5は、第1支持部(第2ハウジング)61と、第2支持部62と、第3支持部63と、第4支持部64と、を備える。第1支持部61、第2支持部62、第3支持部63、及び第4支持部64のそれぞれは、ドラフトベース50に一体的に形成され、又は、ドラフトベース50に取り付けられている。
【0068】
第1支持部61は、フロントボトムローラ51を片持ちで支持する。第2支持部62は、ミドルボトムローラ52を片持ちで支持する。第3支持部63は、サードボトムローラ53を両持ちで支持する。第4支持部64は、バックボトムローラ54を両持ちで支持する。
【0069】
第1支持部61は、1つのフロントボトムローラ51に対して1つ設けられている。第1支持部61は、フロントボトムローラ51の端部のうち、対称線L1に近い側の端部を支持する。第2支持部62は、1つのミドルボトムローラ52に対して1つ設けられている。第2支持部62は、ミドルボトムローラ52の端部のうち、対称線L1に近い側の端部を支持する。
【0070】
第1支持部61は、ドラフトベース50から上方へ突出するように、ドラフトベース50と一体的に形成されている。第2支持部62は、ドラフトベース50から上方へ突出するように設けられている。
【0071】
図5に示すように、第2支持部62は、支持部材(第1部材)62aと、回転ハウジング(ハウジング、第1ハウジング)62bと、を備える。図5において、回転ハウジング62bは鎖線で透視的に描かれている。また、図5及び図6においては、第3支持部63及び第4支持部64は、図面の簡潔さのために省略されている。
【0072】
支持部材62aは、ドラフトベース50から上方へ突出するように配置され、ドラフトベース50に固定されている。図6に示すように、支持部材62aは複数(本実施形態では、3つ)のネジ87によってドラフトベース50に固定されている。このネジ87を取り外すことにより、支持部材62aはドラフトベース50から分離可能である。
【0073】
図5に示すように、支持部材62aの下部は、ローラ軸方向に細長い筒状に形成されている。この筒状部分に、丸棒状の軸部材(回転軸)66が差し込まれて固定される。軸部材66はローラ軸方向と平行に向けられており、その両端が支持部材62aから突出している。軸部材66は、図示しないピン等の適宜の方法によって、支持部材62aに対して相対回転不能に固定される。
【0074】
回転ハウジング62bは、ミドルボトムローラ52の軸を回転可能に支持する筒部67を備える。筒部67は、ローラ軸方向に細長く形成されている。筒部67の両端部から下方へ突出するように、1対の支持アーム68が筒部67と一体的に形成されている。それぞれの支持アーム68の下端部には連結孔69が形成されており、この連結孔69が、軸部材66の端部に回転可能に連結される。軸部材66と連結孔69との間には、図示しないブッシュ状の軸受が配置される。これにより、回転ハウジング62bを、支持部材62a(言い換えれば、ドラフトベース50)に対して、軸部材66を中心として回転可能に支持することができる。
【0075】
図5に示すように、筒部67には、貫通孔70がローラ軸方向に沿って形成されている。この貫通孔70には、2つのベアリング71が挿入されている。2つのベアリング71を介して、ミドルボトムローラ52の軸が貫通孔70に取り付けられている。これにより、ミドルボトムローラ52は、ベアリング71により回転可能な状態で、回転ハウジング62bに支持されている。
【0076】
支持部材62aの上部には、固定用アーム(第2部材)72が固定されている。図6に示すように、固定用アーム72は複数(本実施形態では、2つ)のネジ88によって支持部材62aに固定されている。固定用アーム72は、対称線L1から離れる向きに支持部材62aから突出するように延びており、その端部にテンサバー56が固定されている。テンサバー56は、フロントボトムローラ51とミドルボトムローラ52の間に配置されている。
【0077】
支持部材62aにおいて、軸部材66の端部のうち、対称線L1から遠い側の端部付近には、付勢バネ(付勢部材)73が取り付けられている。付勢バネ73は捩りコイルバネ状に形成されており、コイル部分が軸部材66の外周に配置されている。付勢バネ73のコイル部分を収容するために、支持部材62aにはバネ収容空間74が軸部材66の周囲に形成されている。バネ収容空間74は、支持部材62aの軸方向一側を開放させ、かつ上方を開放させた凹部である。付勢バネ73のコイル部分は、対称線L1から遠い側の支持アーム68と、支持部材62aと、の間に配置される。
【0078】
捩りコイルバネ状に形成された付勢バネ73のバネ線の一端は、バネ収容空間74の内壁に形成された第1凹部75に差し込まれる。バネ線の他端は、バネ収容空間74から上方に延びて、支持アーム68に形成された第2凹部76に差し込まれる。付勢バネ73は、ミドルボトムローラ52がテンサバー56から離れる方向のバネ力を、回転ハウジング62bに作用させる。
【0079】
図5に示すように、第1凹部75は、位相を異ならせて複数形成されている。付勢バネ73のバネ線が差し込まれる第1凹部75を選択することにより、付勢バネ73の固定位置を変更することができる。この結果、ボトムエプロンベルト57の所望の張力を実現するように、付勢バネ73のバネ力を変更することができる。ただし、第1凹部75の数は1つであっても良い。
【0080】
軸部材66の端面のうち、対称線L1から遠い側の端面には、調整プレート77が相対回転不能に固定されている。調整プレート77には、円弧状に細長い調整孔78が形成されている。この調整孔78には、角度固定ネジ(固定部材)79が差し込まれる。角度固定ネジ79は、支持アーム68に形成されたネジ穴に固定される。角度固定ネジ79の軸方向は、ローラ軸方向と平行である。
【0081】
角度固定ネジ79を締め付けることにより、回転ハウジング62bが軸部材66(言い換えれば、支持部材62a)に対して相対回転しないように固定される。角度固定ネジ79を緩めると、回転ハウジング62bは相対回転可能になる。従って、付勢バネ73のバネ力により、回転ハウジング62bはテンサバー56から離れる方向に移動する。このように、調整プレート77及び角度固定ネジ79によって、回転ハウジング62bの回転角度を固定する角度固定部85が構成される。
【0082】
ドラフト装置5による繊維束10のドラフトは、角度固定ネジ79を締め付けた状態で行われる。ドラフト装置5の稼動に伴って、ボトムエプロンベルト57に伸びが生じ、張力が低下する場合がある。この場合、オペレータは、ドラフト装置5を停止させた図7の状態で、角度固定ネジ79を緩める。角度固定ネジ79による固定が解除された回転ハウジング62bは、付勢バネ73の作用により、ミドルボトムローラ52がテンサバー56に対して離れる向きに回転する。回転ハウジング62bは、ボトムエプロンベルト57の張力と付勢バネ73のバネ力が等しくなる角度まで図8に示すように回転し、停止する。この状態でオペレータは角度固定ネジ79を締め付ける。これにより、ボトムエプロンベルト57の張力を回復させた状態でドラフト装置5の稼動を再開することができる。上記の張力調整作業は、定期的に行われても良いし、糸監視装置7が検出する糸品質の低下等を契機として不定期に行われても良い。
【0083】
本実施形態において、テンサバー56に対するミドルボトムローラ52の変位は、特許文献1のような平行移動ではなく、回転ハウジング62bの回転によって実現される。従って、こじれ、引っ掛かり等が生じにくく、ミドルボトムローラ52のスムーズな変位を容易に実現することができる。
【0084】
角度固定ネジ79によって調整孔78が締め付けられる向きは、回転ハウジング62bの回転軸線と平行である。従って、角度固定ネジ79の締付時に回転ハウジング62bに回転方向の力が加わりにくいので、ミドルボトムローラ52の位置精度を向上させることができる。
【0085】
一側の支持アーム68には、円弧状に細長いガイド孔80が形成されている。このガイド孔80に対応させて、支持部材62aには規制ピン(ストッパ)81が突出状に固定される。規制ピン81はローラ軸方向に延在する状態で、ガイド孔80に差し込まれる。
【0086】
角度固定ネジ79が調整孔78から完全に取り外された状態では、付勢バネ73のバネ力が作用する回転ハウジング62bは、支持部材62aに対して大きく回転しようとする。しかし、規制ピン81がガイド孔80の端部に当たることにより、回転ハウジング62bが支持部材62aに対して所定角度を上回って回転することが防止される。回転ハウジング62bの回転角度範囲が適度に制限されることにより、例えば組立時における第2支持部62のコンパクト性を保つことができ、また、組立作業性を向上することができる。
【0087】
第3支持部63は、図4に示すように2つのサードボトムローラ53に対して1つ設けられ、2つのサードボトムローラ53の間を繋ぐように配置されている。第4支持部64は、2つのバックボトムローラ54に対して1つ設けられ、2つのバックボトムローラ54の間を繋ぐように配置されている。第3支持部63及び第4支持部64のそれぞれは、ドラフトベース50に固定される。
【0088】
次に、ボトムエプロンベルト57を所定のストロークでトラバースさせるエプロントラバース装置40について説明する。
【0089】
エプロントラバース装置40は、ドラフトベース50に配置される。エプロントラバース装置40は、アーム部材(トラバース部材)41と、モータ(駆動部)43と、を備える。
【0090】
アーム部材41は、2つのボトムエプロンベルト57に対して1つ設けられている。アーム部材41は、ローラ軸方向に細長い板状の部材である。アーム部材41は、2つの部分が接合されることにより構成されていてもよい。図7等に示すように、第2支持部62が備える支持部材62aと回転ハウジング62bの間には、ローラ軸方向に細長い隙間が形成されている。アーム部材41は、その厚み方向を繊維走行方向に向けた状態で、この隙間に差し込まれて配置される。アーム部材41は、ローラ軸方向にスライド移動可能に、支持部材62aに支持されている。
【0091】
図9に示すように、1つの支持部材62aには、2つの支点部材82が並べて配置されている。2つの支点部材82は、ボトムエプロンベルト57のトラバース方向を案内するスライド案内部を構成する。それぞれの支点部材82は、外周にリング溝が形成された短い円柱状の部材である。リング溝の幅は、アーム部材41の厚みにほぼ等しい。それぞれの支点部材82は、支持部材62aに対して回転可能に支持される。2つの支点部材82が並べられる方向はローラ軸方向と一致している。アーム部材41には、4つの長孔47が形成されている。それぞれの長孔47は、ローラ軸方向に細長く形成されている。長孔47の幅は、前記リング溝の部分における支点部材82の直径とほぼ等しい。それぞれの支点部材82のリング溝の部分が、長孔47に差し込まれる。これにより、支点部材82は、アーム部材41の移動方向がローラ軸方向に沿うように案内することができる。
【0092】
支点部材82の大径部分は、適宜の機構によって、リング溝の部分に対して分離可能に構成されている。これにより、アーム部材41の長孔47の部分を、支点部材82のリング溝に挿入することができる。
【0093】
アーム部材41の長手方向の一端部は、対称線L1から離れる向きに第2支持部62から突出する。この突出部分は、テンサバー56の下方に位置している。アーム部材41の前記突出部分に、作用部42が形成されている。作用部42は、上方を開放させた凹部である。同様に、アーム部材41の他端部にも作用部42が形成されている。凹部の幅は、ボトムエプロンベルト57の幅に対応している。ミドルボトムローラ52とテンサバー56に巻き掛けられたボトムエプロンベルト57は、凹部を通過する。
【0094】
アーム部材41をローラ軸方向に往復移動させることにより、2つの作用部42を介して、2つのボトムエプロンベルト57をローラ軸方向に往復移動させることができる。これにより、繊維束経路に対してボトムエプロンベルト57を周期的に移動させることができる。この結果、ボトムエプロンベルト57の摩耗を軽減できるので、ボトムエプロンベルト57の交換等のメンテナンス作業の頻度を減らすことができる。
【0095】
図9等に示すように、モータ43は、2つのボトムエプロンベルト57に対して1つ設けられている。モータ43は、1対で配置された第2支持部62の間に配置されている。モータ43のハウジングは、側面視においてL字状に形成されたモータブラケット44を介して、ドラフトベース50に固定されている。
【0096】
モータ43の出力軸は繊維走行方向とほぼ平行に配置されている。モータ43の出力軸には偏心カム45が固定されている。アーム部材41の長手方向中央部には、上下方向に細長いカム孔46が形成されている。カム孔46には、偏心カム45が差し込まれる。これにより、カム機構が構成される。
【0097】
モータ43が駆動すると偏心カム45が回転する。この回転運動は、カム孔46を介して、アーム部材41のローラ軸方向の往復運動に変換される。これにより、2つのボトムエプロンベルト57をトラバースさせることができる。
【0098】
アーム部材41は、4つの支点部材82により支持されながら一体的に往復移動する。仮に4つの支点部材82のうち1つでも位置ズレが生じていると、抵抗が生じて、円滑な往復移動が妨げられてしまう。これは、モータ43の脱調、省エネルギー性の低下等の原因となる。また、ボトムエプロンベルト57は図7等に示すように、アーム部材41の作用部42に対して斜めに走行している。アーム部材41に位置ズレ(特に、ドラフト方向の位置ズレ)が仮に生じると、ボトムエプロンベルト57が作用部42から外れてしまう等の異常が生じ易い。
【0099】
この点、本実施形態においては、4つの支点部材82は何れも、回転ハウジング62bではなく、ドラフトベース50に対して不動である支持部材62aに取り付けられている。この結果、支点部材82の位置精度が向上するので、アーム部材41の往復移動を正確かつ円滑に行うことができる。従って、ボトムエプロンベルト57が作用部42から抜けてしまう等の異常を減らすことができる。
【0100】
図6等に示すように、回転ハウジング62bの上部において、繊維走行方向上流側の面には、ブラケット83が固定されている。ブラケット83は対称線L1から離れる方向に延在しており、その先端にコンデンサ58が固定されている。
【0101】
このように、コンデンサ58は回転ハウジング62bに間接的に固定されている。前述のとおりミドルボトムローラ52は回転ハウジング62bに支持されているため、ミドルボトムローラ52に対するコンデンサ58の位置精度を向上することができる。
【0102】
ドラフト装置5は、ドラフトベース50に複数の部品が取り付けられたドラフトローラ組立体5pを含んで構成される。ドラフトローラ組立体5pは、ドラフトベース50と、回転ハウジング62bと、ベアリング71と、ミドルボトムローラ52と、テンサバー56と、を備える。
【0103】
以上に説明したように、本実施形態のドラフトローラ組立体5pは、ドラフトベース50と、回転ハウジング62bと、ベアリング71と、ミドルボトムローラ52と、テンサバー56と、を備える。回転ハウジング62bには、貫通孔70が形成される。ベアリング71は、貫通孔70に挿入される。ミドルボトムローラ52は、ベアリング71により回転可能に支持される。テンサバー56は、ボトムエプロンベルト57を案内する。回転ハウジング62bはドラフトベース50に対して回転可能である。回転ハウジング62bがドラフトベース50に対して回転することにより、回転ハウジング62bとテンサバー56との間の距離が変化する。
【0104】
これにより、回転ハウジング62bを回転させて、ミドルボトムローラ52とテンサバー56との間の距離を円滑に変化させることができる。
【0105】
本実施形態のドラフトローラ組立体5pは、ミドルボトムローラ52とテンサバー56に巻き掛けられるボトムエプロンベルト57を備える。
【0106】
これにより、回転ハウジング62bを回転させて、ボトムエプロンベルト57の張力の調整を円滑に行うことができる。
【0107】
本実施形態のドラフトローラ組立体5pは、回転ハウジング62bを回転方向の一側へ付勢する付勢バネ73を備える。
【0108】
これにより、付勢バネ73を用いて、ボトムエプロンベルト57を張る方向に回転ハウジング62bを所定の力で回転させることができる。
【0109】
本実施形態のドラフトローラ組立体5pにおいて、回転ハウジング62bは、ドラフトベース50に対して、軸部材66を中心として回転可能である。付勢バネ73は、軸部材66に取り付けられたバネである。
【0110】
これにより、簡単な構成により、回転ハウジング62bを回転方向の一側へ付勢することができる。
【0111】
本実施形態のドラフトローラ組立体5pにおいて、付勢バネ73を固定する位置を、複数の第1凹部75の間で変更することにより、バネ力の大きさを調整可能である。
【0112】
これにより、ボトムエプロンベルト57に加える張力を状況に応じて変更することができる。
【0113】
本実施形態のドラフトローラ組立体5pは、支持部材62aと、固定用アーム72と、を備える。支持部材62aは、ドラフトベース50から突出する。固定用アーム72は、支持部材62aに固定される。テンサバー56が固定用アーム72に固定されている。
【0114】
これにより、テンサバー56を正確な位置で固定することができる。
【0115】
本実施形態のドラフトローラ組立体5pは、回転ハウジング62bの回転角度を固定する角度固定部85を備える。
【0116】
これにより、テンサバー56とミドルボトムローラ52との間の位置関係を確実に維持することができる。
【0117】
本実施形態のドラフトローラ組立体5pにおいて、角度固定部85は、回転ハウジング62bの回転軸線に平行な方向に固定される角度固定ネジ79を備える。
【0118】
これにより、角度固定ネジ79を用いて回転ハウジング62bの角度を固定する場合に、回転ハウジング62bが意図せず回転することを防止できる。
【0119】
本実施形態のドラフトローラ組立体5pは、繊維束10を集束させるコンデンサ58を備える。コンデンサ58は回転ハウジング62bに固定されている。
【0120】
これにより、ミドルボトムローラ52に対するコンデンサ58の位置精度を向上させることができる。従って、繊維束10のドラフト品質が良好になる。
【0121】
本実施形態のドラフトローラ組立体5pは、テンサバー56から離れる方向に回転ハウジング62bが所定角度を上回って回転するのを規制する規制ピン81を備える。
【0122】
これにより、組立性を向上させることができる。
【0123】
本実施形態のドラフトローラ組立体5pにおいて、繊維束10が走行可能な繊維束経路が2つ形成される。ドラフトローラ組立体5pは、2つの繊維束経路に対応して、回転ハウジング62b、ミドルボトムローラ52、テンサバー56をそれぞれ2つ備える。2つの回転ハウジング62bのそれぞれに、回転ハウジング62bの回転角度を固定する角度固定部85が設けられる。角度固定部85は、回転ハウジング62bよりも、2つの繊維束経路の中間位置(対称線L1の位置)から遠い側に位置する。
【0124】
これにより、角度固定部85への外部からのアクセスが容易になる。従って、ミドルボトムローラ52の位置を調整する場合の作業性が良好である。
【0125】
本実施形態のドラフト装置5は、ドラフトベース50と、回転ハウジング62bと、ベアリング71と、ミドルボトムローラ52と、テンサバー56と、を備える。回転ハウジング62bには、貫通孔70が形成される。ベアリング71は、貫通孔70に挿入される。ミドルボトムローラ52は、ベアリング71により回転可能に支持される。テンサバー56は、ボトムエプロンベルト57を案内する。回転ハウジング62bはドラフトベース50に対して回転可能である。回転ハウジング62bがドラフトベース50に対して回転することにより、回転ハウジング62bとテンサバー56との間の距離が変化する。
【0126】
これにより、回転ハウジング62bを回転させて、ミドルボトムローラ52とテンサバー56との間の距離を円滑に変化させることができる。
【0127】
本実施形態のドラフト装置5は、支持部材62aと、固定用アーム72と、を備える。支持部材62aは、ドラフトベース50から突出する。固定用アーム72は、支持部材62aに固定される。テンサバー56が固定用アーム72に固定されている。
【0128】
これにより、テンサバー56の位置精度を向上させることができる。
【0129】
ただし、固定用アーム72を、第2支持部62に代えて、第1支持部61に固定しても良い。この構成では、固定用アーム72が被取付部に相当する。固定用アーム72が第1支持部61に一体的に形成されても良い。
【0130】
この場合においても、テンサバー56の位置精度を向上させることができる。
【0131】
本実施形態のドラフト装置5は、支持部材62aと、第1支持部61と、フロントボトムローラ51と、を備える。支持部材62aは、回転ハウジング62bを回転可能に支持する。第1支持部61は、ドラフトベース50に一体的に形成される。フロントボトムローラ51は、ミドルボトムローラ52よりも繊維走行方向下流に配置され、第1支持部61に支持される。支持部材62aはドラフトベース50に対して分離可能に固定されている。
【0132】
これにより、回転ハウジング62b周辺のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0133】
本実施形態のドラフト装置5は、ボトムエプロンベルト57をトラバースするトラバース装置21を備える。ボトムエプロンベルト57は、ミドルボトムローラ52とテンサバー56に巻き掛けられる。トラバース装置21が備えるアーム部材41は、支持部材62aに対して位置決めされている。
【0134】
これにより、ボトムエプロンベルト57に対するアーム部材41の位置精度が向上するので、アーム部材41の円滑なトラバース動作を実現できる。
【0135】
本実施形態のドラフト装置5において、繊維束10が走行可能な繊維束経路が2つ形成される。ドラフト装置5は、2つの繊維束経路に対応して、回転ハウジング62b、ミドルボトムローラ52、テンサバー56をそれぞれ2つ備える。2つの回転ハウジング62bのそれぞれに、回転ハウジング62bの回転角度を固定する角度固定部85が設けられる。角度固定部85は、回転ハウジング62bよりも、2つの繊維束経路の中間位置から遠い側に位置する。
【0136】
これにより、角度固定部85への外部からのアクセスが容易になる。従って、ミドルボトムローラ52の位置を調整する場合の作業性が良好である。
【0137】
本実施形態の紡績機1は、ドラフト装置5と、空気紡績装置6と、巻取装置9と、を備える。ドラフト装置5は、ドラフトローラ組立体5pを含む。空気紡績装置6は、ドラフト装置5によりドラフトされた繊維束10に旋回空気流を作用させて糸15を生成する。巻取装置9は、空気紡績装置6により生成された糸15をパッケージ18に巻き取る。
【0138】
これにより、メンテナンス等のためにミドルボトムローラ52を円滑に変位させることが可能な紡績機1を実現することができる。その結果、紡績機1において生成される糸15の品質が向上する。
【0139】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。変更は単独で行われても良いし、複数の変更が任意に組み合わせて行われても良い。
【0140】
軸部材66を支持アーム68から突出するように延長し、付勢バネ73を、その延長部分に配置しても良い。この構成では、付勢バネ73は例えば、回転ハウジング62bよりも対称線L1から遠い側に配置される。
【0141】
付勢バネ73として、捩りコイルバネの代わりに、例えば圧縮バネを用いることができる。圧縮バネは、例えば、支持部材62aと回転ハウジング62bの間に配置することができる。
【0142】
ボトムエプロンベルト57の張力調整時に用いられる、ドラフト装置5(ドラフトローラ組立体5p)に対して取外し可能な治具に、付勢バネが設けられても良い。第2支持部62に治具を取り付けた状態で角度固定ネジ79を緩めることにより、治具の付勢バネの作用によって、回転ハウジング62bを支持部材62aに対して回転させることができる。その後、角度固定ネジ79が締め付けられる。この構成では、第2支持部62側の付勢バネ73を省略することができるので、ドラフト装置5(ドラフトローラ組立体5p)における部品点数を減らすことができる。
【0143】
図10の変形例に示すように、角度固定ネジ79の向きを、ローラ軸方向に垂直となるように変更することができる。図10の変形例の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。図10に示す変形例の角度固定部85xは、調整プレート77xを備える。調整プレート77xは1対の支持アーム68の間に配置され、回転ハウジング62bの筒部67の下面に固定されている。支持部材62aは、軸部材66を支持するための筒状部分84を有している。調整プレート77xは、この筒状部分84の外側を覆うように配置されている。調整プレート77xを貫通するようにネジ孔78xが形成され、角度固定ネジ79がネジ孔78xに取り付けられる。角度固定ネジ79の先端は、筒状部分84の外周面に接触する。
【0144】
調整プレート77xは、回転ハウジング62bと一体的に回転する。調整プレート77xに取り付けられている角度固定ネジ79を緩めると、角度固定ネジ79の先端が筒状部分84の外周面から離れるため、回転ハウジング62bが回転可能となる。角度固定ネジ79を締め付けると、角度固定ネジ79の先端が筒状部分84に強く接触するので、回転ハウジング62bを回転しないように固定することができる。
【0145】
第1支持部61が、ドラフトベース50とは別の部品として構成されても良い。
【0146】
ガイド孔80及び規制ピン81に代えて、例えば支持アーム68に凸部を形成することによって、回転ハウジング62bの回転角度範囲を規制することもできる。この構成では、回転ハウジング62bが所定角度を上回って回転しようとすると、例えば支持部材62aの適宜の部位に凸部が接触することにより、その回転が規制される。
【0147】
調整孔78及び角度固定ネジ79は、省略することもできる。
【0148】
ガイド孔80及び規制ピン81は、省略することもできる。
【0149】
コンデンサ58は、第2支持部62に対して位置決めされていなくてもよい。例えば、コンデンサ58は、ドラフトベース50に固定されていてもよい。
【0150】
ドラフトベース50の上面にローラ軸方向のキー溝を形成し、支持部材62aの底面にローラ軸方向のキーを固定し、支持部材62aをキー結合によってドラフトベース50に取り付けることもできる。この場合、フロントボトムローラ51とミドルボトムローラ52を、精密に平行となるように配置することが容易である。
【0151】
エプロントラバース装置40は、省略することもできる。
【0152】
ドラフト装置5及びドラフトローラ組立体5pにおいて、2つのドラフトボトムローラ群5aが非対称的に配置されても良い。ドラフト装置5及びドラフトローラ組立体5pが、1つだけのドラフトボトムローラ群5aを有していても良い。この場合、ドラフトクレードル90は、1つの紡績ユニット2のドラフトトップローラ群5bを支持する。
【0153】
上記実施形態では、機台高さ方向において、上側から供給された糸15が下側において巻き取られるように各装置が配置されていた。しかし、下側から供給された糸15が上側において巻き取られるように各装置が配置されていてもよい。
【0154】
上記実施形態では、糸貯留ローラ23により糸15を空気紡績装置6から引き出していた。しかし、公知のデリベリローラとニップローラにより糸15を空気紡績装置6から引き出してもよい。この場合、デリベリローラとニップローラよりも下流に、糸貯留ローラ23と、機械式のコンペンセータと、吸引式のスラックチューブとの少なくとも何れかを配置してもよい。
【0155】
上記実施形態では、紡績機1が糸継台車30を備えているが、糸継ぎに関連する装置の少なくとも1つが各紡績ユニット2に設けられていてもよい。また、糸継ぎ方法も、糸継装置31に限定されず、紡績機1はピーシングにより糸継ぎを行ってもよい。
【符号の説明】
【0156】
1 紡績機
5 ドラフト装置
5p ドラフトローラ組立体
6 空気紡績装置(紡績装置)
9 巻取装置
10 繊維束
15 糸
18 パッケージ
21 トラバース装置
41 アーム部材(トラバース部材)
42 作用部(凹部)
50 ドラフトベース(ベース部材)
51 フロントボトムローラ(第2ドラフトローラ)
52 ミドルボトムローラ(第1ドラフトローラ)
56 テンサバー(ベルト案内部材)
57 ボトムエプロンベルト(エプロンベルト)
58 コンデンサ(繊維束集束部材)
61 第1支持部(第2ハウジング)
62a 支持部材(第1部材)
62a 支持部材
62b 回転ハウジング(第1ハウジング)
66 軸部材(回転軸)
70 貫通孔
71 ベアリング
72 固定用アーム(第2部材)
73 付勢バネ(付勢部材)
73 付勢バネ(バネ)
79 角度固定ネジ(固定部材)
81 規制ピン(ストッパ)
85 角度固定部
図1
図2
図3
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図10