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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108983
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】ゴミ自動分別装置
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/10 20060101AFI20240805BHJP
   B65F 1/00 20060101ALI20240805BHJP
   B65F 1/16 20060101ALI20240805BHJP
   B65F 1/14 20060101ALI20240805BHJP
   B07C 5/20 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
B07C5/10
B65F1/00 A
B65F1/16
B65F1/14 Z
B07C5/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023022009
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】523052720
【氏名又は名称】株式会社Aladdin
(72)【発明者】
【氏名】金井 優樹
【テーマコード(参考)】
3E023
3F079
【Fターム(参考)】
3E023AA20
3E023MA03
3E023MC02
3F079AD00
3F079CA29
3F079CA31
3F079CB12
3F079CB25
3F079CB28
3F079CB29
3F079CC02
3F079CC06
3F079DA06
3F079DA18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明のゴミ自動分別装置に関し、ゴミの投入を検知し、ゴミの種類を特定し、種類ごと仕分けをし、ゴミの種類ごとの所定の空間に収容するゴミ自動分別装置に関する。
【解決手段】対象のゴミ投入口3の周囲に設けたゴミ投入識別機と、ゴミ仕分装置11と、ゴミ収容空間7,8,9,10とから成るゴミ自動識別装置1であり、ゴミ仕分装置11は、ゴミ情報取得装置5と、ゴミ情報所得装置5から送信されたゴミ情報から、アルゴリズムによってゴミ種類別情報を特定し記憶する電子装置4と、電子装置4から送信されたゴミ種類別情報から、ゴミの種類に応じたゴミ収容空間7,8,9,10にゴミを振り分けるゴミ仕分装置11とからなり、ゴミ収容空間7,8,9,10には、ゴミ量検知装置14を設けてなることを特徴とするゴミ自動識別装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象のゴミを投入するための投入口と、回収箱内に取り付けられた、ゴミの投入を検知し後述の電子装置を起動させる物体検知センサと、画像データ等のゴミ情報を取得するゴミ情報取得装置と、検知したゴミ情報を受信してゴミ種類別情報を取得する電子装置と、前記ゴミ種類別情報に基づき稼働するゴミ圧縮装置と前記ゴミの種類別情報に基づきゴミを振り分ける振分装置と、ゴミを前記ゴミ種類別情報に対応させて収納する収容空間からなるゴミ自動識別装置であり、前記投入口から投入されると、重量測定が可能なステージや超音波センサ等からなる前記物体検知装置で投入を検知し前記電源装置を起動させ、カメラ等の前記検知ユニットにより画像データ等のゴミ情報を取得し前記電子装置に送信し、該電子装置は受信したゴミ情報を機械学習によるアルゴリズムによってゴミの種類別情報を取得し、前記ゴミ圧縮装置および前記振分装置に送信し、前記ゴミ圧縮装置は受信したゴミの種類別情報に基づきゴミを圧縮し、前記振分装置は受信したゴミの種類別情報に基づき収容空間へ振り分け収納することを特徴とするゴミ自動識別装置。
【請求項2】
前記検知ユニットが画像取得ユニットであり、ゴミの画像を撮像して画像データを取得し、前記電子装置4に送信することを特徴とする請求項1記載のゴミ自動識別装置。
【請求項3】
前記電子装置4は、予め大量のゴミの画像とその画像に紐づく缶、瓶、ペットボトルなどのゴミの種別を表した正解ラベルに紐づいたデータを学習させることで前記画像取得ユニットによって取得した画像について最も関連性の高い種類別情報を特定し、該種類別情報に基づいて制御信号を発送する人工神経回路網アルゴリズムであることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載のゴミ自動識別装置。
【請求項4】
上記ゴミはプラスチックピン、ペットボトル、一般ゴミ、紙類、鉄・アルミ缶、ガラスピン、紙パックまたは日常生活における廃棄物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1乃至3のいずれか1項に記載のゴミ自動識別装置。
【請求項5】
前記ゴミ圧縮装置は、前記電子装置4によって前記情味種類別情報と関連付けたゴミ圧縮情報を特定し、前記電子装置4から送信されたゴミ圧縮情報に基づき前記圧縮装置を稼働させ、圧縮可能なゴミに対して振り分け装置に移動する前に圧縮を行う、もしくは特定の収容空間にゴミが移動した後に、ゴミの総量を減らす目的でゴミ量検知装置14により判定された圧縮適正時期に収容空間におけるゴミの圧縮を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1乃至4のいずれか1項に記載のゴミ自動識別装置。
【請求項6】
前記ゴミ自動識別装置にゴミの収容量を検知し回収時期を専用アプリやSNS、SMS、電話を通じて通知する情報発信装置を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゴミ自動識別装置。
【請求項7】
前記ゴミ自動識別装置に人や障害物を避けながら回収場所や充電ステーションなどの特定エリアに自律的な移動を可能とするGPSセンサ16、LiDARのいずれか1つもしくは両方を組み合わせた障害物検知装置と自走装置とからなる自律走行装置17を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のゴミ自動識別装置。
【請求項8】
前記ゴミ自動識別装置に表情や年齢、外見といった利用者の特徴を捉え、市場調査に向けたデータを蓄積するための可視カメラと通信モジュールから成る情報提供装置を設けたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のゴミ自動識別装。
【請求項9】
前記ゴミ自動識別装置に各個人の端末とのアクセスを可能とするアクセスポイント装置を設けたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のゴミ自動識別装置。
【請求項10】
前記ゴミ自動識別装置に、外気温などの天候を観測し最適なゴミ回収ルートの決定、回収優先度の決定、マーケティングのいずれか一つ、もしくは複数を組み合わせた温度湿度センサと通信モジュールとから成る温度湿度測定装置15を設けたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のゴミ自動識別装置。
【請求項11】
前記ゴミ自動識別装置に情報伝達のための中継媒体や緊急時の救難信号の発信媒体となるための外部との通信を可能とする通信モジュールとスピーカー、もしくはディスプレイいずれか1つ、もしくは両方を組み合わせた情報提供装置を設けたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のゴミ自動識別装置。
【請求項12】
前記ゴミ自動識別装置にディスプレイ、紙等広告媒体のいずれか1つ、もしくは両方を組み合わせた広告装置18を設けたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のゴミ自動識別装置。
【請求項13】
前記ゴミ自動識別装置内の投入されたゴミを振り分け装置に移動させるスライダ6の後方において、放射状仕切板によってゴミ載置空間を有する平面方向に回転する回転板と該回転板の下部で落下穴を有する底板とからなり、ゴミを前記ゴミ収容部に1つずつ落下させる機構を特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のゴミ自動識別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明のゴミ自動分別装置に関し、ゴミの投入を検知し、ゴミの種類を特定し、種類ごと仕分けをし、ゴミの種類ごとの所定の空間に収容するゴミ自動分別装置に関する。
【0002】
本発明のゴミ自動分別装置は、外部からの情報を受信し、音声や画像で伝達する情報提供装置を備えることもでき、情報伝達のための中継媒体や緊急時の救難信号の発信媒体とすることも可能。
【0003】
本発明のゴミ自動分別装置は、気温や湿度といった環境情報を取得する測定装置を備えることもでき、本自動分別装置を設置した地域の気温や湿度といった環境情報をクラウド上で蓄積・管理することで気象条件に伴うゴミ投入確率の推測が可能となり、効率的なゴミ回収のための自走ルートを割り出すことが可能。
【0004】
本発明のゴミ自動分別装置は、ディスプレイ、紙等の広告装置18を備えることもでき、広告媒体としても使用することが可能。
【0005】
本発明のゴミ自動分別装置は、投入され種類を特定したゴミを圧縮する圧縮装置を備えることもでき、ゴミの容積を減少させ、収容空間への収容を効率的に行うことも可能。また、ゴミの種類によって圧縮装置を稼働させるため、ガラス瓶のように圧縮できないものや、搭載した圧縮装置の能力では圧縮できない種類のゴミは圧縮しないというような設定も可能。
【0006】
本発明のゴミ自動分別装置は、ゴミ収容空間内ゴミの収容量を検知し回収時期を専用アプリやSNS、SMS、電話を通じて通知する情報発信装置を設けることもでき、本ゴミ自動分別装置に収容されているゴミを回収する時期を効率的に管理者に通知することも可能。
【0007】
本発明のゴミ自動分別装置は、自律走行装置を備えることもでき、ゴミ自動分別装置を移動させながらゴミを回収したり、人の多いエリアに移動してゴミを回収したりすることもでき、かつ充電も自動で行うことも可能。
【0008】
本発明のゴミ自動分別装置は、ゴミ投入者の表情や年齢、外見といった利用者の特徴を捉える情報提供装置を備えることもでき、この情報に基づき市場調査に向けたデータの取得や投入者に向けた広告等を表示することが可能。
【0009】
本発明のゴミ自動分別装置は、各個人の端末とのアクセスを可能とするアクセスポイント機能を備えることもでき、可能災害時や緊急時に、大手通信キャリア会社の通信網が遮断された場合には、アクセスポイントとして稼働し、各個人の端末からアクセス可能にするインフラ機器としての役割を担うことも可能。
【背景技術】
【0010】
家庭から排出される不燃ゴミは各機関で処理し粉々にした後、鉄やアルミなどの再利用可能な資源が回収される。この回収後に残った不燃破砕残渣は最終処分場として埋め立てられるが、近年では最終処分場の残余年数が懸念されている。さらに、埋め立て処置は固形廃棄物の多くに適用されるが、太陽光や微生物等自然の力によって分解されにくいゴミも少なくない。他方、可燃ゴミの焼却処分には化石燃料がしばしばしようされるが、周知の通り化石燃料は有限の枯渇資源であり、年々その値段が高騰し続けている。また、焼却時に排出される温室効果ガスによる温暖化問題や環境汚染につながる。
以上のことから、世界の抱える喫緊の問題としてゴミの減量と資源への再利用が強く求められている。しかしゴミの多様化により、ゴミ資源分別の標準化及び自動化が困難を極め、人の手作業による分別が強いられるが人力を頼る状況下において、コストや手間など廃棄物処理業者にとっての大きな負担となりうる。また、従来のゴミ箱ではからの容器をそのまま回収することで、収容空間に対して十分な個数のゴミを収容できない問題がある。このことはゴミ回収の機会を増やすだけでなく、ゴミ袋等のコストの増加につながる欠点として広く知られている。さらに、ゴミ箱の設置促進という観点からゴミの回収用途だけに留まらず災害時に有効となる機能等の消費者にとって有用な各種機能等を備えることも求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】実用新案登録第3222478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1に記載されたゴミ自動分別装置はゴミの種類を特定し仕分けをする装置がゴミを画像認識する手段を取っている。この手段はある程度有効ではあるが、ゴミは形状が似通っていても材質が異なることがあるため、このような場合は正確にゴミの仕分けをすることができず、結果として誤った仕分けでゴミが収集され、後工程のリサイクル、焼却等の作業を行う前に再仕分けが必要になっていた。また、ゴミの収集に際してゴミの容積を減少させる機能がないためゴミ収容の効率が悪く、本装置からゴミを回収する作業を頻繁に行う必要がある。さらに、本ゴミ自動分別装置はゴミを収集し分別するという機能の開示しかなく、ゴミ自動分別装置の設置促進という観点からの消費者にとって有用な各種機能等についての開示がない。また、特許文献1に記載されたゴミ自動分別装置はゴミ箱としての機能に関する記述しかない一方で、本稿提案する発明ではゴミ箱以外の機能を多く備えたマルチデバイスとしての役割を果たす。ゴミの圧縮及び仕分けることに加えて、ゴミの蓄積量に応じた回収時期の予告や、各地点での温度及び湿度などの環境情報の取得、アクセスポイントとしてのネットワークの中継器としての役割、そして自立走行を可能にするために可動広告媒体ともなり得る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の発明は、対象のゴミ投入口3の周囲に設け、ゴミを載置する板の重量変化を感知する重量センサ、もしくはゴミの通過を検知する超音波センサ、赤外線センサ、可視光カメラのいずれか一つから成る物体検知センサ13と、ゴミ仕分装置11と、ゴミ収容空間2とから成るゴミ自動識別装置であり、前記ゴミ仕分装置は、投入されたゴミからゴミの形状を取得する画像取得装置、ゴミの材料の光学スペクトルを取得する光学スペクトル取得装置、ゴミの表面温度を検出する温度取得装置、LiDARいずれか1つ、もしくは複数を組み合わせたゴミ情報取得装置5と、該ゴミ情報所得装置から送信されたゴミ情報から、アルゴリズムによってゴミ種類別情報を特定し記憶する電子装置4と、該電子装置から送信されたゴミ種類別情報から、ゴミの種類に応じたゴミ収容空間にゴミを振り分ける振分板、もしくはロボットアームから成るゴミ仕分装置とからなり、前記ゴミ収容空間には、投入されたゴミの数を検出するカウンター装置、ゴミ収容空間の重量を検知する重量センサ、ゴミ収容空間内のゴミの高さを検知する高さ測定装置のいずれかから成るゴミ量検知装置14を設けてなることを特徴とするゴミ自動識別装置を提供する。
【0014】
本発明の第2の発明は、本発明の第1の発明である前記ゴミ自動識別装置に、ゴミの画像を取得して画像を蓄積する画像取得装置及び電子装置4を設けたことを特徴とするゴミ自動識別装置を提供する。
【0015】
本発明の第3の発明は、本発明の第1の発明もしくは第2の発明である前記ゴミ自動識別装置に、予め学習して得た情報をもとに取得したゴミの画像に対してゴミの種類の識別を行うことが可能な電子装置4を設けたことを特徴とするゴミ自動識別装置を提供する。
【0016】
本発明の第4の発明は、本発明の第1の発明乃至第3の発明である前記ゴミ自動識別装置に、プラスチックピン、ペットボトル、一般ゴミ、紙類、鉄・アルミ缶、ガラスピン、紙パックまたは日常生活における廃棄物を投入可能な投入口を設けたことを特徴とするゴミ自動識別装置を提供する。
【0017】
本発明の第5の発明は、本発明の第1の発明乃至第4の発明のいずれか1つの発明である前記ゴミ自動識別装置にゴミの圧縮を可能とする圧縮装置を設け、かつ前記電子装置4によって前記情味種類別情報と関連付けたゴミ圧縮情報を特定し、前記電子装置から送信されたゴミ圧縮情報に基づき前記圧縮装置を稼働させることを特徴とするゴミ自動識別装置を提供する。
【0018】
本発明の第6の発明は、本発明の第1の発明乃至第5の発明のいずれか1つの発明である前記ゴミ自動識別装置にゴミの収容量を検知し回収時期を専用アプリやSNS、SMS、電話を通じて通知する情報発信装置を設けたことを特徴とするゴミ自動識別装置を提供する。
【0019】
本発明の第7の発明は、本発明の第1の発明乃至第6の発明のいずれか1つの発明である前記ゴミ自動識別装置に人や障害物を避けながら回収場所や充電ステーションなどの特定エリアに自律的な移動を可能とするGPSセンサ16、LiDARのいずれか1つもしくは両方を組み合わせた障害物検知装置と自走装置とからなる自律走行装置17を設けたことを特徴とするゴミ自動識別装置を提供する。
【0020】
本発明の第8の発明は、前記第1の発明乃至第7の発明のいずれか1つの発明である前記ゴミ自動識別装置に表情や年齢、外見といった利用者の特徴を捉え、市場調査に向けたデータを蓄積するための可視カメラと通信モジュールから成る情報提供装置を設けたことを特徴とするゴミ自動識別装を提供する。
【0021】
本発明の第9の発明は、前記第1の発明乃至第8の発明のいずれか1つの発明である前記ゴミ自動識別装置に各個人の端末とのアクセスを可能とするアクセスポイント装置を設けたことを特徴とするゴミ自動識別装置を提供する。
【0022】
本発明の第10の発明は、本発明の第1の発明もしくは第9の発明である前記ゴミ自動識別装置に、天候を観測し最適なゴミ回収ルート及び回収優先度の決定を可能にする温度湿度センサと通信モジュールとから成る温度湿度測定装置15を設けたことを特徴とするゴミ自動識別装置を提供する。
【0023】
本発明の第11の発明は、本発明の第1の発明もしくは第10の発明である前記ゴミ自動識別装置に情報伝達のための中継媒体や緊急時の救難信号の発信媒体となるための外部との通信を可能とする通信モジュールとスピーカー、もしくはディスプレイいずれか1つ、もしくは両方を組み合わせた情報提供装置を設けたことを特徴とするゴミ自動識別装置を提供する。
【0024】
本発明の第12の発明は、本発明の第1の発明乃至第11の発明のいずれか1つの発明である前記ゴミ自動識別装置にディスプレイ、紙等広告媒体のいずれか1つ、もしくは両方を組み合わせた広告装置18を設けたことを特徴とするゴミ自動識別装置を提供する。
【0025】
本発明の第13の発明は、本発明の第1の発明乃至第12の発明のいずれか1つの発明である前記ゴミ自動識別装置に、ゴミを一つずつ収容空間に落下させるための回転機構及びバネを組み合わせた機構を設けたことを特徴とするゴミ自動識別装置を提供する。
【発明の効果】
【0026】
本発明の第1の発明のゴミ自動分別装置はゴミの投入を検知し、ゴミの種類を特定し、種類ごと仕分けをし、ゴミの種類ごとの所定の空間に収容することが可能。
【0027】
本発明の第2の発明のゴミ自動分別装置は、投入されたゴミを撮像し、その画像データを蓄積することでより優れたゴミの識別制度の貢献に役立たせることが可能。
【0028】
本発明の第3の発明のゴミ自動分別装置は、予め取り込んだゴミの画像と正解ラベル関係を学習することで撮像したゴミの種類を識別することが可能。
【0029】
本発明の第4の発明のゴミ自動分別装置はプラスチックピン、ペットボトル、一般ゴミ、紙類、鉄・アルミ缶、ガラスピン、紙パックまたは日常生活におけるあらゆる廃棄物においてゴミの種類を特定し、種類ごと仕分けをし、ゴミの種類ごとの所定の空間に収容することが可能。
【0030】
本発明の第5の発明のゴミ自動分別装置は、投入され種類を特定したゴミを圧縮する圧縮装置を備えるており、ゴミの容積を減少させ、収容空間への収容を効率的に行うことが可能。また、ゴミの種類によって圧縮装置を稼働させるため、ガラス瓶のように圧縮できないものや、搭載した圧縮装置の能力では圧縮できない種類のゴミは圧縮しないというような設定も可能。
【0031】
本発明の第6の発明のゴミ自動分別装置は、ゴミ収容空間内ゴミの収容量を検知し回収時期を専用アプリやSNS、SMS、電話を通じて通知する情報発信装置を設けており、本ゴミ自動分別装置に収容されているゴミを回収する時期を効率的に管理者に通知することが可能。
【0032】
本発明の第7の発明のゴミ自動分別装置は、自律走行装置を備えるており、ゴミ自動分別装置を移動させながらゴミを回収したり、人の多いエリアに移動してゴミを回収したりすることができ、かつ充電も自動で行うことも可能。
【0033】
本発明の第8のゴミ自動分別装置は、ゴミ投入者の表情や年齢、外見といった利用者の特徴を捉える情報提供装置を備えており、この情報に基づき市場調査に向けたデータの取得や投入者に向けた広告等を表示することが可能。
【0034】
本発明の第9のゴミ各個人の端末とのアクセスを可能とするアクセスポイント機能を備えることもでき、可能災害時や緊急時に、大手通信キャリア会社の通信網が遮断された場合には、アクセスポイントとして稼働し、各個人の端末からアクセス可能にするインフラ機器としての役割を担うことも可能。
【0035】
本発明の第10の発明のゴミ自動分別装置は、気温や湿度といった環境情報を取得する測定装置を備えており、本自動分別装置を設置した地域の気温や湿度といった環境情報をクラウド上で蓄積・管理することで気象条件に伴うゴミ投入確率の推測が可能となり、効率的なゴミ回収のための自走ルートを割り出すことが可能。
【0036】
本発明の第11の発明のゴミ自動分別装置は、外部からの情報を受信し、音声や画像で伝達する情報提供装置を備えており、情報伝達のための中継媒体や緊急時の救難信号の発信媒体とすることが可能。
【0037】
本発明の第12の発明のゴミ自動分別装置は、ディスプレイ、紙等の広告装置18を備えており、広告媒体、啓発媒体、としても使用することが可能。
【0038】
本発明の第12の発明のゴミ自動分別装置は、ばねと回転機構を組み合わせた機構を備えており複数のゴミが投入口から投入された場合でも一つずつ識別及び収容空間への移動が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明に係るゴミ自動分別装置の内部構成を示す側部断面図である。
図2】本発明に係るゴミ自動分別装置を通したゴミの分別に至るまでのゴミ箱に内在する各種機器の動きに関するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の実施例を図1により説明する。本発明のゴミ自動分別装置1の形状、寸法は、必要な各種装置が内蔵でき、所定容量のゴミを収納できる空間を備えることができていれば自由に設定することが可能。本実施例においてはゴミ自動分別装置1を直方体とし、下部にゴミ収容空間2を有し、該ゴミ収容空間2を平面方向に4つに区画して、4種類のゴミを仕分けして収容できるような構成にしている。
ゴミ自動分別装置1は上部にゴミ投入口3を有し、ゴミ投入口3の内部近傍に物体感知センサ13を有する。本実施例ではベルトコンベア状の搬送装置に重量の変化を感知する重量センサとしている。前記物体感知センサ13は、他にはゴミの通過を検知する超音波センサ、赤外線センサ、可視光カメラなどを採用することが可能。前記物体感知センサ13によりゴミの投入を検出すると、後記するゴミ情報取得装置5、ゴミ圧縮装置12、ゴミ仕分装置11、電子装置4が稼働する。
【0041】
投入されたゴミはベルトコンベア状の搬送装置で搬送された後にゴミ情報取得装置5によってゴミを特定するための情報を取得する。本実施例ではカメラによってゴミの形状を取得する画像取得装置としている。前記ゴミ情報所得装置で取得した情報は、電子装置4に送信される。該電子装置4から送信されたゴミ情報から、アルゴリズムによってゴミ種類別情報を特定し、内部の記憶装置に記憶する。該アルゴリズムによるゴミ種類別情報の特定は、電子装置4内に記憶されたアルゴリズムに基づき判定することもできるし、前記電子装置4と通信可能な外部の電子装置4に記憶されたアルゴリズムに基づき判定し、通信によって前記電子装置4がゴミ種類別情報を記憶しても良い。また、ゴミ情報取得装置5として本実施例の他に、ゴミの材料の光学スペクトルを取得する光学スペクトル取得装置、ゴミの表面温度を検出する温度取得装置、LiDARを採用することが可能。特に光学スペクトル取得装置を用いることによってゴミの種別をより詳細に取得しゴミの判別をより細かく行うことが可能。例えば、缶形状のゴミであっても材質が金属とアルミを区別でき、ボトル形状のゴミであってもガラス製、ペット製等の区別が可能。この詳細な区別によりゴミの選別をよりきめ細やかに行うことができるようになり、ゴミの最終処分場における仕分け作業を効率化することもできるようになる。
【0042】
前記ゴミ情報取得装置5、および電子装置4によってゴミ種類別情報を判定され記憶されたゴミは下方に落下し、ゴミ圧縮装置12に投入される。圧縮装置12は本実施例では互いに内側下向きに回転するローラーの間にゴミを通し圧縮する装置としている。圧縮装置12としては本実施例の他に、左右一対の圧縮板を互いに内側、外側に水平移動させる構造のもの等やプレス機を採用することが可能。
ガラス瓶のように圧縮できないゴミも存在するため、前記ゴミ情報取得装置5、および電子装置4によってゴミ種類別情報によって判定、記憶されたゴミ種類別情報に関連付けて、圧縮の可否を判定し、圧縮可能と判定したゴミに対してゴミ圧縮情報を付与し前記電子装置4に記憶させておくと良い。ゴミ圧縮情報が圧縮可能の場合は、前記電子装置4からゴミ圧縮情報を前記圧縮装置12に送信し稼働させゴミを圧縮する。ゴミ圧縮情報が圧縮不可の場合は電子装置4から圧縮装置12にゴミ圧縮情報自体を送信しない、もしくは圧縮不可命令を伝達することにより、ゴミ圧縮装置12は稼働せず、ゴミをそのまま通過させる。なお、前記ゴミ圧縮装置12は本発明ゴミ自動識別装置1に必須のものではなく、全体の形状をコンパクトにしたい場合にはゴミ圧縮装置12を設けない構成とすることも可能。その場合は、ゴミ情報取得装置5を通過したゴミは後記するゴミ仕分装置11に落下することになる。また、本実施例ではゴミ圧縮装置12はゴミ投入口3の真下に配置するように記載をしているが、各収容空間7-9においてゴミ圧縮機構を設けることで、ゴミ量検知装置14により判定されたゴミ圧縮適正時期にゴミの総量を減らす目的で蓄積されたゴミの圧縮を行うこと可能。
【0043】
ゴミ圧縮装置12及びスライダ6の後方に、放射状仕切板によってゴミ載置空間を有し平面方向に回転する回転板と該回転板の下部で落下穴を有する底板とからなり、放射状仕切板で仕切られた各空間にそれぞれ保持したゴミを1つずつゴミ振り分け装置9へ落下させる機構を設ける。この機構により連続したゴミの投入を可能とし、振り分け装置によるゴミ振り分けまでの時間を稼ぐ一時格納庫の役割を果たすことが可能。
ゴミ仕分装置11は本実施例では、傾斜し平面方向に360度軸回転をする振分板と振分板の下部に位置し、回転軸で連結したモーター(図示せず)から成る。ゴミ仕分装置11は前記電子装置4によって特定、記憶されたゴミ種類別情報に基づき、前記電子装置により、ゴミの種別に応じたゴミ収容空間内に一致する位置に回転させる回転量を演算しモーターを所定位置に回転させる。放射状仕切板を有する前記ゴミの保持機構を通過し1つずつ落下してきたゴミは振分板の上面に当たり、振分板が傾斜している方向にはね返ることで、ゴミ種別情報に一致したゴミ収納空間2に収納される。
その他、ゴミを1つずつゴミ振り分け装置9へ落下させる機構としては、例えばアルキメディアン・スクリューなど、あるいは球体のカプセル状容器内に収納された玩具等を1つずつ収納空間から取り出すための周知の構造を採用することも可能。
【0044】
前記ゴミ収容空間は、各空間の上部に投入されたゴミの数を検出するカウンター装置から成るゴミ量検知装置14を設けることでゴミの収容状態を検知することができ収容空間が満杯になる前に管理者に知らせることが可能。ゴミの収容状態を知らせる方法としてはランプ等の目視可能な装置や、ゴミ自動識別装置に通信装置を設けて管理者端末に情報を送信することが可能。ゴミの収容状態を検知するゴミ量検知装置14の他の方法としては、ゴミ収容空間の重量を検知する重量センサを設けることや、ゴミ収容空間内のゴミの高さを検知する高さ測定装置等を使用することが可能。
【0045】
ゴミ自動識別装置はゴミを収集するという特性から人が多く集まる場所に設置することが好ましい。一方で、人が多く集まる場所は美観やスペースの観点からゴミ箱等の設置を敬遠する傾向もある。これら両方の観点を同時に満たし、人が集まる場所にゴミを収集する器機の設置を促進する機能を本ゴミ自動識別装置は設けることが可能。
本ゴミ自動識別装置に情報伝達のための中継媒体や緊急時の救難信号の発信媒体となるための外部との通信を可能とする通信モジュールとスピーカー、もしくはディスプレイのいずれか1つ、もしくは両方を組み合わせた情報提供装置を本ゴミ自動分別装置1の筐体内、もしくは筐体の外面に設けることで、災害時の情報発信機としての機能を設け、通常時はゴミ箱として、災害時は情報発信機として活用可能。
【0046】
本ゴミ自動識別装置に、天候を観測し最適なゴミ回収ルート及び回収優先度の決定を可能にするために、温度湿度センサと通信モジュールとから成る温度湿度測定装置15を設けることも可能。これにより本ゴミ自動分別装置1を設置した地域の気温や湿度などの外的要因のデータを取得することが可能。また、ゴミ回収者が目視で、もしくは前記したゴミ量検知装置14を設け、ゴミの蓄積量を併せて検知することで、ゴミの種類と本ゴミ自動分別装置1を設置した地域の気温や湿度などの外的要因との相関を知るための統計データが得られる、また、ゴミ自動判別装置の効率的なゴミ回収ルート(気温によるペットボトルを早く回収するルートとか、雨が降りそうなルートを迂回するなど)をゴミ回収者が決定可能。また、温湿度センサデバイスに加えてGPSセンサ16も併せて設けることも可能。これにより本ゴミ自動分別装置1を設置した地域のゲリラ豪雨などの災害予測に使えるような気象データをより細かいポイントで取得することが可能になる。
【0047】
本ゴミ自動分別装置1の筐体外面に ディスプレイ、紙等広告媒体のいずれか1つ、もしくは両方を組み合わせた広告装置18を設けることも可能。これにより、本ゴミ自動分別装置1の外観上の美観を向上させることができ、さらに設置者は広告収入を得ることが可能。また、環境美化の啓発として地域のSDGs達成に対する意識を向上することが可能。
【0048】
本ゴミ自動識別装置1に、人や障害物を避けながら回収場所や充電ステーションなどの特定エリアに自律的な移動を可能とするGPSセンサ、LiDARのいずれか1つもしくは両方を組み合わせた障害物検知装置と自走装置とからなる自律走行装置17を設けることも可能。GPSセンサ、LiDARは本ゴミ自動識別装置1の筐体内部に設け、自律走行装置17は車輪とモータ、ギア等の駆動機構、およびカメラ等のセンサから送信された情報を受信し、内部の記憶装置、もしくは通信によって接続された外部記憶装置に記憶されたアルゴリズムに基づき自走ルートを算出し、前記駆動装置に走行データを送信する電子装置4とならなる。これにより、ゴミ自動分別装置を移動させながらゴミを回収したり、人の多いエリアに移動してゴミを回収したりすることができ、かつ充電も自動で行うことも可能。
【0049】
本ゴミ分別装置1に、ゴミ投入者の表情や年齢、外見、道路の状態といったゴミ分別装置周辺の特徴を捉える情報提供装置を備えることも可能。情報提供装置としては利用者の外観の画像を撮るカメラと該カメラから送信されたデータを受信し、内部の記憶装置、もしくは通信によって接続された外部記憶装置に記憶されたアルゴリズムに基づき個人の表情等の識別情報を算出する電子装置4と該電子装置が記憶した識別情報を外部端末に送信する通信モジュールから成る。これによりゴミを投入した人の識別情報と投入したゴミの情報との相関関係を取得することができ、ゴミのもととなった製品の市場調査に活用することが可能。
【0050】
本ゴミ分別装置1に、現金や電子マネーの取り扱いや、ポイント連携機能を設けることも可能。これにより、ゴミを正しく分別することへの利用者の動機として環境美化の役割を担うことも可能。
【0051】
本ゴミ分別装置1に、本ゴミ分別装置の周辺に位置する各個人の情報端末とのアクセスを可能とするアクセスポイント装置を設けることも可能。これにより、可能災害時や緊急時に、大手通信キャリア会社の通信網が遮断された場合には、アクセスポイントとして稼働し、各個人の端末からアクセス可能にするインフラ機器としての役割を担うことも可能。
【符号の説明】
【0052】
1 ゴミ自動分別装置
2 ゴミ収容空間
3 ゴミ投入口
4 電子装置
5 ゴミ情報取得装置
6 スライダ
7 ゴミ収容空間A
8 ゴミ収容空間B
9 ゴミ収容空間C
10 ゴミ収容空間D
11 ゴミ仕分装置
12 ゴミ圧縮装置
13 物体感知センサ
14 ゴミ量検知装置
15 温度湿度測定装置
16 GPSセンサ
17 自律走行装置
18 広告装置
図1
図2