(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108986
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】冷凍食品製造装置および容器入り冷凍食品
(51)【国際特許分類】
B65D 81/34 20060101AFI20240805BHJP
A23L 3/36 20060101ALI20240805BHJP
A47J 27/00 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
B65D81/34 W
A23L3/36 A
A23L3/36 Z
A47J27/00 107
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023022938
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】711010884
【氏名又は名称】千々松 学
(72)【発明者】
【氏名】千々松 学
【テーマコード(参考)】
3E013
4B022
4B055
【Fターム(参考)】
3E013BA28
3E013BB06
3E013BC01
3E013BC04
3E013BE01
3E013BG12
4B022LA02
4B022LB02
4B022LN10
4B022LQ07
4B022LS02
4B022LT13
4B055AA10
4B055BA63
4B055CA01
4B055CB02
(57)【要約】
【課題】電子レンジによる冷凍食品の温めは解凍ムラが起こる。
【解決手段】食品を入れた容器ごと凍結した冷凍食品と密着する容器を製造工程で剥離する装置を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を入れた容器ごと凍結した冷凍食品と容器を剥離する装置であり、容器の形状を変形させる力を加除する剥離装置ならびに食品片を放出する食品投入装置ならびに容器と接せず容器の上に配置する飛び出し防止器具から構成し、
剥離装置が容器に成形時の形状から変形する力を加え食品を入れた容器ごと凍結した冷凍食品と密着する容器を剥離するステップと、
冷凍食品が容器から飛び出した際に冷凍食品が飛び出し防止器具に衝突し容器の内に入るステップと、
食品投入装置が冷凍食品と変形する容器の間に食品片を投入するステップと、
剥離装置が容器を成形時の形状から変形する力を除き容器が成形時の形状に戻るステップを実施する冷凍食品製造装置。
【請求項2】
請求項1により製造する容器入り冷凍食品の形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【001】
本発明は容器ごと加熱してそのまま喫食可能な容器入り冷凍食品に関する。
【背景技術】
【002】
電子レンジによるマイクロ波を利用する冷凍食品の温めは解凍ムラが起こる。
【003】
水はマイクロ波により発熱し易いが、氷は発熱しにくい特徴がある。
【004】
非特許文献1で示す食品投入機構は本発明に好適である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【005】
【非特許文献1】一般社団法人日本即席食品工業協会,インスタントラーメン工場見学#0 イメージ動画,画開始から18秒後付近,[online],令和2年1月8日,JCFIAofficial,YouTube(登録商標),[令和5年1月1日検索],インターネット<URL:https://www.youtube.com/watch?v=xZyuWRvN81A>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【006】
電子レンジによる冷凍食品の温めは解凍ムラが起こる。
【007】
冷凍食品の表面は開封直後に気温で氷が水になりマイクロ波により発熱しやすい。
【008】
冷凍食品の食品底面は容器と密着し開封後も気温で氷が水にならないためマイクロ波により発熱しにくい。
【009】
【課題を解決するための手段】
【010】
本発明者は凍結した食品底面がマイクロ波により発熱しやすい状態つまり冷凍食品開封直後に気温で氷から水になるよう冷凍食品底面と容器の間に空気が入る間を冷凍食品製造工程で作る有効性を見出し、製造装置と容器入り冷凍食品の形体を提供する。
【011】
本発明は食品を入れた容器ごと凍結した冷凍食品と密着する容器の剥離であり、冷凍した食品を後から容器に入れたものとは異なる。
【発明の効果】
【012】
食品を入れた容器ごと凍結した冷凍食品を電子レンジにより解凍ムラなく加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【013】
【
図1】本発明における実施形態に係る装置の構成図。
【
図4】冷凍食品と容器が再密着しないよう食品片を投入する動作図。
【発明を実施するための形態】
【014】
異なる図面中の同じ参照番号は、同一または類似の要素を識別し得る。
【015】
図面中の参照番号がないものは、同一または異なる図面中の要素を識別し得る。
【016】
【017】
本発明は剥離装置01と食品投入装置11と飛び出し防止器具21で構成する。
【018】
剥離装置01は容器25の形状を変形する力を加除する。
【019】
食品投入装置11は容器25に食品を投入する。
【020】
飛び出し防止器具21は容器25と接しない容器25を囲む器具であり、容器25の前方と後方に配置することは本発明に好適である。
【021】
剥離装置01はフック06を接続するフック伸縮スライダ05がフック伸縮シリンダ04を往復運動する機構を有し、フック伸縮シリンダ04を支持するフック昇降スライダ03がフック昇降シリンダ02を往復運動する機構を有する。
【022】
スライダがシリンダを往復運動する原動力は圧力やモータを用いるのが一般的であり本発明において限定しない。
【023】
食品投入装置11は食品を投入する食品投入口16を有する食品投入軸15を回転可能に支持する食品投入軸受14を有し食品投入装置支柱12は食品投入軸受14を支持する。
【024】
容器25は紙やプラスチックを原料として成形したものであり、外部から力を加えると変形し、外部からの力を除くと成形時の形状に戻る。
【025】
本発明では剥離装置01と食品投入装置11と飛び出し防止器具21を土台24に配置し、ベルトコンベヤー23上に冷凍食品31を入れた容器25を配置し、容器25を飛び出し防止器具21の下に配置する。
【026】
(図示なし)剥離装置01と食品投入装置11は容器25の周りに複数台設置でき、装置の動作は個々に制御できることは本発明に好適である。
【027】
(図示なし)本発明は仕切りのある容器25に対しても効果がある。
【028】
【029】
説明のため本機構の回転基準位置を図中に記す。
【030】
図2ステップ1は本機構の初期状態を示し、食品投入軸15内部に食品片33がある。
【031】
食品片33は冷凍食品31の断片など冷凍食品31の調理により喫食可能なものである。
【032】
図2ステップ2は食品投入軸15が食品投入軸受14に対して上方回転する動作を示し、回転により発生する遠心力により食品片33は食品投入軸15内部で回転方向に集まる。
【033】
図2ステップ3は食品投入軸15が下方回転する動作を示し、回転により発生する遠心力と重力により食品片33は食品投入口16から落下する。
【034】
図2は食品片33の投入方法の例であり、食品片33の補充方法も含め本発明において限定しない。
【035】
図3と
図4では図を簡単にするために飛び出し防止器具21を省略する。
【036】
図3と
図4では説明のために剥離装置01と食品投入装置11以外を断面図で記す。
【037】
図3と
図4では図を簡単にするために剥離装置01と食品投入装置11の説明が不要なステップでは装置を点線で記す。
【038】
図3は冷凍食品31と密着する容器25を剥離する動作図。
【039】
図3ステップ1は本発明の初期状態を示し、フック06は容器25の外にある。
【040】
図3ステップ2はフック06が容器25の内に入る動作を示し、フック昇降シリンダ02がフック昇降スライダ03を引き込み、フック06が降下する。
【041】
図3ステップ3は容器25を成形状態から変形する動作を示し、フック伸縮シリンダ04がフック伸縮スライダ05を引き込み、フック06を容器25内壁に近づける。
【042】
フック06が容器25内壁を牽引することで容器25が変形し、冷凍食品31と密着する容器25を剥離する。
【043】
(図示なし)冷凍食品31が容器25から剥離する際に容器25から飛び出す場合、
図1に示す飛び出し防止器具21に衝突し、冷凍食品31は容器25の内に入る。
【044】
(図示なし)フック06の容器25内壁と接する部分の形状は、フック06が容器25内壁と接する部分と同じ形状であり、フック06とフック伸縮スライダ05の接続はフック06が左右方向に首振りする機構を有することは本発明に好適である。
【045】
図4は冷凍食品31と容器25が再密着しないよう食品片33を投入する動作図。
【046】
図4ステップ1において、食品投入装置11は
図3ステップ3により生じる冷凍食品31と容器25の間に
図2に示す方法などで食品片33を投入する。
【047】
図4ステップ2は容器25を成形状態に復元する動作を示し、フック伸縮シリンダ04がフック伸縮スライダ05を押し出し、フック06を容器25内壁と接しない位置まで遠ざける。
【048】
食品片33が容器25と冷凍食品31の間に挟まり、冷凍食品開封直後に冷凍食品31底面が空気に触れる間が生じる。
【049】
図4ステップ3はフック06が容器25の外に出る動作を示し、フック昇降シリンダ02がフック昇降スライダ03を押し出し、フック06が上昇する。
【050】
(図示なし)本発明においてフック06は接続する剥離装置01と反対側の容器25内壁を押してもよい。
【051】
(図示なし)容器25が持ち手を有する場合、
図3と
図4の説明において容器25の持ち手を牽引または押してもよい。
【052】
【053】
図5では図を簡単にするために剥離装置01と食品投入装置11を省略する。
【054】
図5では説明のために飛び出し防止器具21以外を断面図で記す。
【055】
図5では説明のため飛び出し防止器具21の梁下面から土台24までの距離を梁高と図中に記す。
【056】
図5(a)は
図3ステップ1における飛び出し防止器具21の条件を示す。
【057】
図5(b)は
図3ステップ3で冷凍食品31が容器25から飛び出す場合、冷凍食品31が容器25の内に入る飛び出し防止器具21の条件を示す。
【058】
図5(a)では説明のため容器25の上面から土台24までの高さを容器成形時高と図中に記す。
【059】
図5(b)では説明のため容器25の上面から土台24までの高さを容器変形時高と図中に記し、冷凍食品31の最も厚みのある場所を食品高と図中に記す。
【060】
飛び出し防止器具21の梁高は容器成形時高より高く、容器変形時高と食品高を足した高さより低い。
【産業上の利用可能性】
【061】
本発明は、消費者に電子レンジにより温め解凍する冷凍食品の好適な形体を提供する。
【符号の説明】
【062】
01剥離装置
02フック昇降シリンダ
03フック昇降スライダ
04フック伸縮シリンダ
05フック伸縮スライダ
06フック
11食品投入装置
12食品投入装置支柱
14食品投入軸受
15食品投入軸
16食品投入口
21飛び出し防止器具
23ベルトコンベヤー
24土台
25容器
31冷凍食品
33食品片