(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108989
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】八木アンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 19/30 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
H01Q19/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023025609
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】301079316
【氏名又は名称】辻 正敏
(72)【発明者】
【氏名】辻 正敏
【テーマコード(参考)】
5J020
【Fターム(参考)】
5J020AA01
5J020AA03
5J020BA04
5J020BC09
5J020BD04
5J020CA04
5J020CA05
5J020DA04
(57)【要約】
【課題】 小形筐体に収納するための折り畳み八木アンテナを製作する際,シンプルな構造が求められる.従来の八木アンテナのラジエター部は整合のために折り返しアンテナやTマッチ給電法,Γマッチ給電法が使われていた.しかしこれらの構造は複雑なため収納させたアンテナを展開させるのが難しかった.
【解決手段】 ラジエター部にダイポールアンテナを採用し,整合は,アンテナのエレメントの長さと間隔の比を特定の値にすることで行う.
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジエター部にダイポールアンテナを用いた八木アンテナ
【請求項2】
図1で示された八木アンテナの4本のエレメント間隔と4本のエレメントの長さの比が同等なアンテナ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジエター部にダイポールアンテナを用いたシンプル構造の八木アンテナである.
【背景技術】
【0002】
八木アンテナは,1924年に八木秀次氏と宇田新太郎氏の共同で発明された指向性アンテナである.
八木アンテナの内部インピーダンスは,数十Ωであり,機器の負荷である50Ωより小さいため,アンテナと負荷の間では,不整合となる.そのため受信感度が低下したり,送信出力が低下したりする問題が発生する.これを解決するために八木アンテナのラジエター部に折り返しアンテナを使用したり,Tマッチやガンママッチの給電方法を使用したりしていた[1].
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】[1]アンテナハンドブック CQ出版 P323~333
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
超小型人工衛星(KOSEN-2)は,海上に浮かぶ地殻変動調査装置のデータを地上の基地局に中継する人工衛星である.
KOSEN-2は,10×10×20cmの小型筐体であり,指向性アンテナの八木アンテナが搭載される.
KOSEN-2で搭載された八木アンテナは,小形に折りたたむことができるように,アンテナエレメントとブームに巻き尺の素材が使われ,自立で八木アンテナの形に復元する構造になっている.
その際,従来の整合方法では,構造が複雑であるため,収納した状態から展開して,本来の八木アンテナの形に復元させるのが難しかった.そのためシンプルな構造の給電方法が求められていた.
【課題を解決するための手段】
【0005】
アンテナエレメントの間隔と長さの比を
図1,
図2に示されたサイズにする.
図1,
図2の長さは,周波数が436.5MHzで動作するように決定されている.
【発明の効果】
【0006】
■シミュレーション条件
3D電磁界シミュレータの有限要素法で解析を行う.
図2に給電部の拡大図を示す.
【0007】
■シミュレーション結果
図3は,シミュレータで解析された放射特性である.アンテナ利得は9.7dB得られ,八木アンテナとして動作している.
図4は,LogMag S
11の周波数特性である.436.5MHzの値は-46dBであり,マッチングが取れている.
図5は,S
11がスミスチャート上でプロットされており,八木アンテナの内部インピーダンスを表す.内部インピーダンスは,ほぼ50Ωである.
【図面の簡単な説明】
【0008】
【実施例0009】
実施例は,[0004]で述べている