(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108998
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】自動車用ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20240805BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20240805BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240805BHJP
G09G 5/373 20060101ALI20240805BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20240805BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20240805BHJP
【FI】
B60R11/02 C
B60K35/00 Z
G09G5/00 510A
G09G5/00 510H
G09G5/373 100
G09G5/373 200
G09G5/377 100
G09G5/00 550C
G09G5/00 530T
G06F3/0481
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095509
(22)【出願日】2023-06-09
(62)【分割の表示】P 2023013052の分割
【原出願日】2023-01-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 崇裕
(72)【発明者】
【氏名】寸田 剛司
(72)【発明者】
【氏名】古俣 亜伽音
(72)【発明者】
【氏名】太田 帆乃佳
【テーマコード(参考)】
3D020
3D344
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BB01
3D020BC02
3D020BD05
3D020BE03
3D344AA16
3D344AA26
3D344AA30
3D344AB01
3D344AD01
3D344AD05
5C182AB25
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC33
5C182AC43
5C182BA01
5C182BA02
5C182BA06
5C182BA23
5C182BA29
5C182BA37
5C182BA47
5C182BA65
5C182BA66
5C182BC26
5C182CA32
5C182CA35
5C182CB13
5C182CB14
5C182CB42
5C182CB47
5C182CC21
5C182DA64
5C182DA66
5E555AA29
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC08
5E555BE10
5E555BE12
5E555CA12
5E555CB41
5E555CC03
5E555DB03
5E555DC21
5E555DC26
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性がより高い自動車用ディスプレイを提供する。
【解決手段】自動車用ディスプレイの画面G2は、上段に配置され自動車のメータが表示されるメータエリアMと、下段に配置され、縮小された車両機能ページP1~P3のタブが表示されるタブエリアR3と、前記メータエリアと前記タブエリアとの間に配置され、拡大された前記車両機能ページが表示される拡大表示エリアR2とを有し、前記車両機能ページが前記タブエリアと前記拡大表示エリアとで切り替え可能に表示される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル式又はタッチレスパネル式の自動車用ディスプレイであって、
前記自動車用ディスプレイの画面は、上段に配置され自動車のメータが表示されるメータエリアと、下段に配置され、縮小された車両機能ページのタブが表示されるタブエリアと、前記メータエリアと前記タブエリアとの間に配置され、拡大された前記車両機能ページが表示される拡大表示エリアとを有し、
前記車両機能ページが前記タブエリアと前記拡大表示エリアとで切替え可能に表示される、
自動車用ディスプレイ。
【請求項2】
前記車両機能ページは、ユーザ操作により、前記拡大表示エリアに拡大表示されるか、又は前記タブエリアに縮小表示される、請求項1に記載の自動車用ディスプレイ。
【請求項3】
前記タブエリアに縮小表示される車両機能ページには、前記拡大表示エリアに拡大表示される車両機能ページに比べて簡略化された機能操作ボタンが表示される、請求項1に記載の自動車用ディスプレイ。
【請求項4】
前記タブエリアに複数の前記車両機能ページが重畳的に表示され、
前記複数の車両機能ページのうち最前面にある車両機能ページに、前記簡略化された機能操作ボタンが表示される、
請求項3に記載の自動車用ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車用ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、ユーザの電子決済アプリケーションへの登録日時や、ユーザ情報、ユーザの位置情報に基づいて、コンテンツ表示領域のデザインを変更する情報処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ユーザの利便性がより高い自動車用ディスプレイが求められていることに鑑み、斯かる自動車用ディスプレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る自動車用ディスプレイは、タッチパネル式又はタッチレスパネル式の自動車用ディスプレイであって、前記自動車用ディスプレイの画面は、上段に配置され自動車のメータが表示されるメータエリアと、下段に配置され、縮小された車両機能ページのタブが表示されるタブエリアと、前記メータエリアと前記タブエリアとの間に配置され、拡大された前記車両機能ページが表示される拡大表示エリアとを有し、前記車両機能ページが前記タブエリアと前記拡大表示エリアとで切り替え可能に表示される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザの利便性がより高い自動車用ディスプレイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】車載システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】アニメーション表示処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】SOCに応じた処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】自動車用ディスプレイのコンピュータハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【
図10】自動車用ディスプレイのソフトウェア構成の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
【0009】
図1に示すように、自動車に搭載される車載システムSSは、自動車用のディスプレイ11と、上記自動車に搭載された車載バッテリの電圧を計測する電圧計12と、GNSS(global navigation satellite system)受信機13と、上記自動車の速度を検出する車速センサ14と、時計15とを備えている。
【0010】
ディスプレイ11は、自動車の車室内に設けられており、例えばインストルメントパネルの一部として設けることができる。ディスプレイ11は、タッチパネル型とすることができる。
【0011】
図2に、ディスプレイ11の画面表示部に表示される矩形状の画面G1を示す。この画面は上下方向に並んだ3つの矩形状領域に分けられ、上段領域R1と中段領域R2と下段領域R3とを有する。上段領域R1には、速度計、タコメータなどのメータ表示領域Mが設けられている。中段領域R2は、画面G1においてはブランクである。下段領域R3には、矩形状の機能ページP1、P2及びP3が縮小された状態で重なるように、そしてタブT1、T2及びT3(後述)が上下方向に並ぶように表示されている。
【0012】
機能ページP1、P2及びP3は、乗員が車両の機能の表示及び操作を行うためのページである。一例として、機能ページP1はカーナビゲーション機能のページであり、機能ページP2はオーディオ機能のページであり、機能ページP3はエアコン機能のページである。また、機能ページP1、P2及びP3の上辺にはそれぞれ、タブT1、T2及びT3が設けられている。
【0013】
画面G1のタブT1がタッチされた状態で画面上方にスライドさせる操作がユーザにより行われると、
図3に示す画面G2へと画面が切り替わる。画面G2においては、タブT1が設けられた機能ページP1が中段領域R2において拡大表示されている。
画面G2のタブT1がタッチされた状態で画面下方にスライドさせる操作がユーザにより行われると、
図2に示した画面G1へと画面が切り替わる。
タブT1を例にして説明したが、タブT2及びT3についても同様に、対応する車両機能ページの拡大表示及び縮小表示の一方から他方への切替えが可能である。
【0014】
図4に、ディスプレイ11が備えるプロセッサにより行われる処理の流れを示す。
ステップST11にて、制御ユニットは、車速センサ14と先行車検出部(後述)と信号機検出部(後述)との少なくともいずれかの検出結果に基づいて、自車両が走行中であるか否かを判定する。自車両が走行中と判定された場合には続いてステップST13が行われ、さもなければステップST12が行われる。
【0015】
ステップST12にて、制御ユニットは、ディスプレイ11の表示を
図5に示す画面G3に制御する。具体的には、上段領域R1と中段領域R2と下段領域R3との全体にわたって花火のアニメーションAM1を表示する。花火のアニメーションAM1の打ち上げ速度及び開く速度は比較的速い。本ステップののち、リターン処理が行われる。
【0016】
ステップST13にて、制御ユニットは、自車両のドライバへ告知すべきメッセージが有るか否かを判定する。メッセージの例としては、自車両に搭載された横滑り防止装置が作動中であることを示すメッセージが挙げられる。メッセージが有ると判定された場合には続いてステップST15が行われ、さもなければステップST14が行われる。
【0017】
ステップST14にて、制御ユニットは、ディスプレイ11の表示を
図6に示す画面G4に制御する。具体的には、中段領域R2と下段領域R3とにわたって花火のアニメーションAM2を表示する。花火のアニメーションAM2は、メータ表示領域Mが設けられた上段領域R1には表示されない。花火のアニメーションAM2は花火のアニメーションAM1に比べて打ち上げ速度及び開く速度が遅い。本ステップののち、リターン処理が行われる。
【0018】
ステップST15にて、制御ユニットは、ディスプレイ11の表示を
図7に示す画面G5に制御する。具体的には、メータ表示領域M内にメッセージMSが表示される一方、アニメーションの表示は行われない。本ステップののち、リターン処理が行われる。
【0019】
図8に、ディスプレイ11が備える制御ユニットにより行われる別の処理(SOCに応じた処理)の流れを示す。
ステップS21にて制御装置は、車載バッテリのSOC(充電状態)が所定の閾値以上であるか否かを判定する。
SOCが所定の閾値以上であると判定された場合には続いてステップST22が行われ、さもなければステップST23が行われる。
ステップST22にて、制御装置は通常の表示を行う。本ステップののち、リターン処理が行われる。
ステップST23にて、制御装置は省エネルギー表示を行う。具体的には、アニメーションの速度を遅くし、背景色を省エネルギーに適した色に変更する。例えば有彩色から無彩色へ変更することができる。本ステップののち、リターン処理が行われる。
【0020】
ディスプレイの背景(色や模様、アニメーションなど)を、場所や時間、季節、個人などにより自動で変えることができる。例えば以下のとおりである。
a)停車中、走行中などの走行状態に応じて、アニメーションの表示領域、動きの速度を変える。
b)アニメーションの動きの速度について、走行時のアニメーションの動きを停車時に比べて遅くする。ドライバへの告知がある場合には、アニメーションを非表示とすることができる。
c)停車時は、メータ表示領域を含めて画面全体にわたりアニメーションを表示し、走行時は、メータ表示領域以外の領域にアニメーションを表示することができる。
d)走行時、停車時の表示の切り替えタイミングを以下のようにする。
・停車中から走行中に切り替わるとき
先行車が存在する場合は、先行車が発進したタイミングで自車の車速がゼロであっても自車を走行中扱いとする。
先行車が存在しない場合には、信号機の信号が赤信号から青信号へ切り替わったタイミングで車速がゼロであっても走行中扱いとする。信号機がない場合は、車速センサによる速度が非ゼロになったときに走行中扱いとする。
・走行中から停車中へ切り替わるとき
車速センサによる車速がゼロになったタイミングで停車扱いとする。停車中と判定されると、アニメーションの表示領域及び速度を少しずつ変える。
e) 車両の充電状態(SOC)により、背景(色や模様、アニメーションなど)を変える。
SOCが比較的小さい場合は、アニメーションの速度を遅くし、背景色を省エネルギーに適した色にする。
【0021】
上記a)により、運転中のドライバにとってアニメーションが邪魔にならないようにすることができる。
上記b)により、走行中のアニメーションの速度が比較的遅いため、より安全、安心して運転できる。
上記c)により、運転中にドライバが良く見る部分(メータ表示領域)にはアニメーションが表示されないため、ドライバは気が散りにくい運転ができる。
上記d)により、停車中から走行中への切り替えが早まり、アニメーションの表示領域及び速度が、車速が非ゼロになってから変わる可能性を減らすことができる。ドライバの意識が散りにくくできる。
走行中から停車中となるときには、急な切り替わりがないので、ドライバが注意散漫になりにくいようにできる。
上記e)により、充電状態に応じた表示に変更可能なため、必要な状況下で省エネルギー化が図られる。
【0022】
イグニッションキーがオンになってから走行中となるまでの間に、パーキングブレーキが引かれたときは自由に背景を変えることができる。背景の変更が頻繁でもより安全なため、そのような状況下では背景をスライドショー的に変えることで、ドライバが退屈するのを抑制することができる。
アイドリングストップのときには省エネルギー表示とする。
【0023】
上述の実施形態によれば、メータ表示領域のある上段領域よりも下にある中段領域及び下段領域を、タブが設けられた機能ページの拡大表示あるいは縮小表示のための領域として有効に利用できる。
車両機能ページの拡大表示及び縮小表示の一方から他方への変更を、タブの操作により容易に行うことができる。操作性、快適性が向上する。
【0024】
そのほか、イグニッションキーがオフとなったときの車両機能ページの表示状態(拡大表示か縮小表示)を保存しておくことができる。イグニッションキーが再びオンとなったときに、車両機能ページの表示状態を、保存された表示状態と同じ表示状態とすることができる。
【0025】
アニメーションの速度は、車両停車中かつ非操作中が一番速く、車両停車中かつ操作中がその次に速く、車両走行中が一番遅くなるように定めることができる。
【0026】
図9に、自動車用ディスプレイ11のコンピュータハードウェア構成例を示す。自動車用ディスプレイ11は、CPU(プロセッサ)110と、インタフェース装置120と、表示装置130と、入力装置140と、ドライブ装置150と、補助記憶装置160と、メモリ装置170とを備えており、これらがバス180により相互に接続されている。
【0027】
自動車用ディスプレイ11の機能を実現するプログラムは、CD-ROM等の記録媒体190によって提供される。プログラムを記録した記録媒体190がドライブ装置150にセットされると、プログラムが記録媒体190からドライブ装置150を介して補助記憶装置160にインストールされる。あるいは、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体190により行う必要はなく、ネットワーク経由で行うこともできる。補助記憶装置160は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0028】
メモリ装置170は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置160からプログラムを読み出して格納する。CPU110は、メモリ装置170に格納されたプログラムにしたがって自動車用ディスプレイ11の機能を実現する。インタフェース装置120は、ネットワークを通して他のコンピュータに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置130は、プログラムによるGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)等を表示する。このGUIの例は先に述べたとおりである。入力装置140は、タッチパネル等である。
【0029】
図10に、自動車ディスプレイ11のソフトウェア機能の構成例を示す。自動車ディスプレイ11は、ユーザの操作(スライド操作など)を受け付ける操作受付部21と、操作受付部21が受け付けた操作に応じて画面の表示を制御する表示制御部22とを有する。表示制御部22は、電圧計12、GNSS受信機13、車速センサ14及び時計15の少なくとも一つから受信したデータにも基づいて画面の表示を制御することができる。
【0030】
自動車ディスプレイ11は、後述する先行車検出部と信号機検出部とをさらに備えていてもよい。この場合、表示制御部22は、先行車検出部及び信号機検出部の検出情報にも基づいて画面の表示を制御することができる。
【0031】
ユーザの操作時間の短縮、煩わしさの低減により、自動車用ディスプレイへの不必要な入力が減少し、自動車用ディスプレイにおける演算負荷を減らすことができる。
【0032】
ディスプレイ11は、タッチパネル型に限られず、タッチレスパネル型(指を近づけるだけで、直に触れなくても操作できる型式)であってもよい。
【0033】
これまでに述べた形態に関し、以下の付記を開示する。
[付記A1]
タッチパネル式又はタッチレスパネル式の自動車用ディスプレイであって、
前記自動車用ディスプレイの画面は、上段に配置され自動車のメータが表示されるメータエリアと、下段に配置され、縮小された車両機能ページのタブが表示されるタブエリアと、前記メータエリアと前記タブエリアとの間に配置され、拡大された前記機能ページが表示される拡大表示エリアとを有し、
前記タブエリアに表示された前記タブを画面上向きにスライドさせる操作が受け付けられると、前記タブに対応する前記車両機能ページが前記拡大表示エリアに拡大表示され、
前記拡大表示エリアに拡大表示された前記車両機能ページを画面下向きにスライドさせる操作が受け付けられると、前記車両機能ページが縮小し前記車両機能ページのタブが前記タブエリアに表示される、
自動車用ディスプレイ。
[付記A1の効果]
上段に設けられたメータエリアよりも下の領域を、タブと拡大表示された車両機能ページとにより有効に利用できる。
必要に応じて、車両機能ページをタブの操作により縮小させ、あるいは、スライド操作により容易に拡大表示して機能の操作を行うことができる。これにより、操作性及び快適性が向上する。
[付記A2]
イグニッションキーがオフとなって前記自動車用ディスプレイが非表示となるときに、非表示となる直前の前記車両機能ページの表示状態が保存され、
前記イグニッションキーがオンとなって前記自動車用ディスプレイの再表示が行われるときに、保存された前記表示状態と同じ表示状態で前記車両機能ページが表示される、
付記A1に記載の自動車用ディスプレイ。
[付記A2の効果]
イグニッションキーがオフとなる直前に車両機能ページが拡大表示されていれば、再びイグニッションキーがオンとなると当該車両機能ページが拡大表示される。また、イグニッションキーがオフとなる直前に車両機能ページが縮小表示されていれば、再びイグニッションキーがオンとなると当該車両機能ページが縮小表示される。このように、前回オフ時の表示状態が保持されるため、ユーザにとっての使い勝手が良い。
前回オフ時の表示状態が保持されない場合、例えばエアコン機能を高い頻度で操作したいユーザは、イグニッションキーをオンにするたびにエアコン機能画面の拡大操作をすることになって利便性が悪い。
前回オフ時の表示状態が保持されることにより、イグニッションキーがオフとなるときに拡大表示されていた車両機能ページは、イグニッションキーが再びオンとなったときに当初から拡大表示されるため、ユーザにとって快適である。ユーザは無駄な操作をしなくて済むため、操作効率が向上する。無駄な操作が減ることから、自動車用ディスプレイのソフトウェアによる処理量も減少する。
[付記A3]
前記タブエリアに表示された前記タブを画面上向きにスライドさせる操作が受け付けられると、
前記タブに対応した前記車両機能ページの上端が途中で止まることなく前記拡大表示エリアの上端まで自動的に移動し、前記拡大表示エリアに前記車両機能ページが拡大表示され、
前記拡大表示エリアに拡大表示された前記車両機能ページのタブを画面下向きにスライドさせる操作が受け付けられると、当該車両機能ページの上端が途中で止まることなく前記タブエリアに自動的に移動する、
付記A1に記載の自動車用ディスプレイ。
[付記A3の効果]
タブの上下方向の操作によって、車両機能ページの拡大表示あるいは縮小表示の表示変更を瞬時に行うことができる。
車両機能ページの表示状態に関わらず、メータの表示が維持されつつも、ユーザの運転や快適性を保つことができる。車両機能ページの拡大表示も可能である。
車両機能ページの表示状態としては縮小表示と拡大表示の2つのみであり、タブをスライドさせて拡大表示させる際に、拡大表示でもなく縮小表示でもない中途半端な表示状態(例えば、車両機能ページが拡大表示の半分程度の大きさで表示された状態)で止まってしまうことがない。そのため、ユーザは拡大表示をさせたいときには当該車両機能ページのタブをスライドさせればすぐに当該車両機能ページが拡大表示される。その結果、すぐに使いたい機能の操作ができる。
拡大表示から縮小表示に切り替える際も同様に、拡大表示でもなく縮小表示でもない中途半端な表示状態で止まってしまうことがない。そのため、対象の車両機能ページを速やかに縮小表示に切り替えることができる。
[付記A4]
全ての前記車両機能ページが縮小表示されているときに、特定の条件によりアニメーションが表示される、付記A1に記載の自動車用ディスプレイ。
[付記A4の効果]
全ての車両機能ページが縮小表示されているときに、ディスプレイのメータエリアとタブエリアとの間に何も表示されないのではなく、アニメーションが表示され、そのアニメーションを視認したユーザにとっての快適性を向上させることができる。
ユーザは、全ての車両機能ページを縮小表示させることでアニメーションの表示を楽しむことができ、快適性が向上する。
いずれかの車両機能ページのタブをスライドさせて当該車両機能ページが拡大表示されると、アニメーションが表示されない。そのため、当該車両機能ページの操作の邪魔になることはなく、操作効率を上げることができる。
アニメーションが表示されている状態でイグニッションキーがオンからオフになった場合は、イグニッションキーが次回、オンとなったときにアニメーションが再び表示される。そのため、アニメーションを表示して楽しむユーザは、イグニッションキーがオンとなるたびにアニメーションを表示させるための無駄な操作をしなくて済む。
特定の条件とは、自動車の場所や、時刻、季節、ユーザなどの少なくともいずれかとすることができる。
[付記A5]
前記アニメーションは、前記自動車用ディスプレイが搭載された自動車の走行中よりも停車中の方が速度が速い、付記A4に記載の自動車用ディスプレイ。
[付記A5の効果]
走行中のアニメーションの速度を比較的遅くすることで運転中にユーザの気が散ってしまう可能性を抑えることができる。
ユーザは、停車中と走行中のアニメーションの違いを楽しむことができ、快適性向上が図られる。
[付記A6]
前記タブエリアに複数の前記車両機能ページが重畳的に表示され、
最前面にある前記車両機能ページには、簡略化された機能操作ボタンが表示され、
前記機能操作ボタンの操作がなされている間は、前記機能操作ボタンの操作がなされていないときよりも遅い速度で前記アニメーションが表示されるか、又は前記アニメーションが非表示となる、
付記A5に記載の自動車用ディスプレイ。
[付記A6の効果]
タブエリアに縮小表示されている複数の車両機能ページのうち、最前面にある車両機能ページ(例えば、
図3のエアコン機能の車両機能ページP3)については簡略化された機能操作ボタン(
図3の車両機能ページP3上のボタンB3)を用いて簡易な機能操作を行うことができる。簡易な機能操作中にはアニメーションの速度を比較的遅くするか又は非表示とすることで、アニメーションがユーザの操作を妨げる可能性を低減できる。
【0034】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0035】
SS 車載システム
11 ディスプレイ
12 電圧計
13 GNSS受信機
14 車速センサ
15 時計
21 操作受付部
22 表示制御部
G1~G5 画面
T1~T3 タブ
P1~P3 車両機能ページ
R1~R3 領域
M メータ表示領域
AM1、AM2 アニメーション
MS メッセージ
【手続補正書】
【提出日】2023-08-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル式又はタッチレスパネル式の自動車用ディスプレイであって、
前記自動車用ディスプレイの画面は、上段に配置され自動車のメータが表示されるメータエリアと、下段に配置され、縮小された車両機能ページのタブが表示されるタブエリアと、前記メータエリアと前記タブエリアとの間に配置され、前記車両機能ページの拡大表示及び非表示が選択的に行われる拡大表示エリアとを有し、
前記車両機能ページが前記タブエリアと前記拡大表示エリアとで切替え可能に表示される、
自動車用ディスプレイ。
【請求項2】
前記車両機能ページは、ユーザ操作により、前記拡大表示エリアに拡大表示されるか、又は前記タブエリアに縮小表示される、請求項1に記載の自動車用ディスプレイ。
【請求項3】
前記タブエリアに縮小表示される車両機能ページには、前記拡大表示エリアに拡大表示される車両機能ページに比べて簡略化された機能操作ボタンが表示される、請求項1に記載の自動車用ディスプレイ。
【請求項4】
前記タブエリアに複数の前記車両機能ページが重畳的に表示され、
前記複数の車両機能ページのうち最前面にある車両機能ページに、前記簡略化された機能操作ボタンが表示される、
請求項3に記載の自動車用ディスプレイ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明に係る自動車用ディスプレイは、タッチパネル式又はタッチレスパネル式の自動車用ディスプレイであって、前記自動車用ディスプレイの画面は、上段に配置され自動車のメータが表示されるメータエリアと、下段に配置され、縮小された車両機能ページのタブが表示されるタブエリアと、前記メータエリアと前記タブエリアとの間に配置され、前記車両機能ページの拡大表示及び非表示が選択的に行われる拡大表示エリアとを有し、前記車両機能ページが前記タブエリアと前記拡大表示エリアとで切り替え可能に表示される。