IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 南亞塑膠工業股▲分▼有限公司の特許一覧

特開2024-109002靴、靴底、及び高分子材料の製造方法
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109002
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】靴、靴底、及び高分子材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A43B 1/14 20060101AFI20240805BHJP
   C08G 64/42 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A43B1/14
C08G64/42
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023119563
(22)【出願日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】112103271
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】501296612
【氏名又は名称】南亞塑膠工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NAN YA PLASTICS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲徳▼超
(72)【発明者】
【氏名】袁 敬堯
(72)【発明者】
【氏名】廖 偉棠
【テーマコード(参考)】
4F050
4J029
【Fターム(参考)】
4F050HA20
4F050HA59
4F050HA69
4F050HA77
4F050HA85
4F050MA01
4J029AE18
4J029BA00
4J029JE162
4J029JF251
4J029JF471
4J029KB05
4J029KB16
4J029KD02
4J029KG01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】靴、靴底、及び高分子材料の製造方法を提供する。
【解決手段】靴は、ミッドソールと、アウトソールと、アッパーと、タンと、インソールと、接着剤とを含む。ミッドソール、アウトソール、アッパー、タン、インソール、及び接着剤の材料は、ポリエステル材料である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミッドソールと、アウトソールと、アッパーと、タンと、インソールと、接着剤と
を含み、
前記ミッドソール、前記アウトソール、前記アッパー、前記タン、前記インソール、及び前記接着剤の材料は、ポリエステル材料である、
靴。
【請求項2】
前記ミッドソールと前記アウトソールのうちの少なくとも1つの材料は、リサイクルされた熱可塑性ポリエステルエラストマーである
請求項1に記載の靴。
【請求項3】
前記アッパーと前記タンと前記インソールのうちの少なくとも1つの材料は、リサイクルされたポリエステル糸である、
請求項1に記載の靴。
【請求項4】
靴紐を更に含み、
前記靴紐の材料は、ポリエステル材料である、
請求項1に記載の靴。
【請求項5】
靴紐を更に含み、
前記靴紐の材料は、リサイクルされたポリエステル糸である、
請求項1に記載の靴。
【請求項6】
靴全体がリサイクルされる、
請求項1に記載の靴。
【請求項7】
請求項1に記載の靴を提供することと、
ポリエステルオリゴマーを形成するため、ジオールで前記靴のアルコリシス反応を行うことと、
熱可塑性ポリエステルエラストマーを取得するため、前記ポリエステルオリゴマーとポリアルキレングリコールの重合反応を行うことと
を含む
高分子材料の製造方法。
【請求項8】
発泡材を取得するため、前記熱可塑性ポリエステルエラストマーに発泡処理を行うこと
を更に含む
請求項7に記載の高分子材料の製造方法。
【請求項9】
前記アルコリシス反応と前記重合反応のうちの少なくとも1つにおいて、酸化防止剤が使用される、
請求項7に記載の高分子材料の製造方法。
【請求項10】
熱可塑性ポリエステルエラストマー製である靴底であって、
前記熱可塑性ポリエステルエラストマーは、請求項7に記載の高分子材料の製造方法により形成される、
靴底。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴、靴底、及び高分子材料の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在の靴は様々な材料で製造されており、通常、ナイロン、ポリエステル材料、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、合成ゴム、繊維燃料、及び他の材料を含み、これらのほとんどは容易に分離又はリサイクルすることのできない材料である。このため、現在の靴はリサイクルや再利用が難しく、環境に有害である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、環境保護効果を効果的に達成可能な、靴、靴底、及び高分子材料の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の靴は、ポリエステル材料である、ミッドソールと、アウトソールと、アッパーと、タンと、インソールと、接着剤とを含む。
【0005】
本発明の1つの実施形態において、ミッドソールとアウトソールのうちの少なくとも1つの材料は、リサイクルされた熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)である。
【0006】
本発明の1つの実施形態において、アッパーとタンとインソールのうちの少なくとも1つの材料は、リサイクルされたポリエステル糸である。
【0007】
本発明の1つの実施形態において、靴は靴紐を更に含む。靴紐の材料は、ポリエステル材料である。
【0008】
本発明の1つの実施形態において、靴は靴紐を更に含む。靴紐の材料は、リサイクルされたポリエステル糸である。
【0009】
本発明の1つの実施形態において、靴は靴全体がリサイクルされる。
【0010】
本発明の高分子材料の製造方法は、上述した靴を提供することと、ポリエステルオリゴマーを形成するため、ジオールで靴のアルコリシス反応を行うことと、熱可塑性ポリエステルエラストマーを取得するため、ポリエステルオリゴマーとポリアルキレングリコールの重合反応を行うこととを含む。
【0011】
本発明の1つの実施形態において、高分子材料の製造方法は、発泡材を取得するため、熱可塑性ポリエステルエラストマーに発泡処理を行うことを更に含む。
【0012】
本発明の1つの実施形態において、アルコリシス反応と重合反応のうちの少なくとも1つにおいて、酸化防止剤が使用される。
【0013】
本発明の靴底は、熱可塑性ポリエステルエラストマー製である。熱可塑性ポリエステルエラストマーは、上述した高分子材料の製造方法により形成される。
【発明の効果】
【0014】
上記に基づき、本発明の靴に含まれる部品の材料はポリエステル材料である。よって、靴は高分子材料の製造方法によりリサイクルされることができ、これにより環境保護の効果を達成する。加えて、高分子材料の製造方法により取得される熱可塑性ポリエステルエラストマーは更に、再利用の効果を達成するため靴底に形成することができる。
【0015】
本発明の特徴及び利点をより理解し易くするため、以下に実施形態を詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下は、本発明の内容を詳細に説明する実施形態である。実施形態において提供される実装の詳細は例示を目的としており、本発明の内容の保護範囲を限定することを意図していない。 当業者は、実際の実装での必要に応じて、これらの実装の詳細を改変又は変更することができる。
<靴>
【0017】
本発明の靴は、ミッドソールと、アウトソールと、アッパーと、タンと、インソールと、接着剤とを含む。加えて、本発明の靴は、靴紐又は他の部品を更に含んでよい。
【0018】
ミッドソールとアウトソールの材料は、ポリエステル材料である。ミッドソールとアウトソールを形成するポリエステル材料は、同一であっても異なってもよい。本実施形態において、ミッドソールとアウトソールのうちの少なくとも1つの材料は、リサイクルされた熱可塑性ポリエステルエラストマーであり、ミッドソールとアウトソールの両方がリサイクルされた熱可塑性ポリエステルエラストマーであることが好ましい。リサイクルされた熱可塑性ポリエステルエラストマーは、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む物体又は廃棄物をリサイクルすることにより取得されてよい。例えば、ポリエチレンテレフタレートを含む物体又は廃棄物には、プラスチックボトル、工業端切れ、糸等を含んでよい。ミッドソールとアウトソールを形成するリサイクルされた熱可塑性ポリエステルエラストマーは、同一であっても異なってもよい。
【0019】
アッパー、タン、及びインソールの材料は、ポリエステル材料である。アッパー、タン、及びインソールを形成するポリエステル材料は、同一であっても異なってもよい。本実施形態において、アッパーとタンとインソールのうちの少なくとも1つの材料は、リサイクルされたポリエステル糸であり、アッパーとタンとインソールの全ての材料がリサイクルされたポリエステル糸であることが好ましい。リサイクルされたポリエステル糸は、プラスチックボトルをリサイクルすることにより取得されてよい。市販のポリエステル糸の具体的な例には、SAYA(商品名、製造元は南亜プラスチック)又は他の適切なリサイクルされたポリエステル糸を含んでよい。アッパーとタンとインソールを形成するリサイクルされたポリエステル糸は、同一であっても異なってもよい。
【0020】
接着剤の材料は、ポリエステル接着剤といったポリエステル材料である。市販のポリエステル接着剤の具体的な例には、A-9318PD(商品名、製造元は南亜プラスチック)又は他の適切なポリエステル接着剤を含んでよい。
【0021】
本実施形態において、靴は靴紐を更に含む。靴紐の材料は、リサイクルされたポリエステル糸といったポリエステル材料である。靴紐を形成するリサイクルされたポリエステル糸は、アッパー、タン、及びインソールを形成するリサイクルされたポリエステル糸と同一であっても異なってもよい。
【0022】
靴に含まれる部品の全ての材料がポリエステル材料であるとき、靴は靴全体がリサイクルされることができ、これにより環境保護の効果を達成する。
<高分子材料の製造方法>
【0023】
本実施形態の高分子材料の製造方法は、上述した靴を提供することと、ポリエステルオリゴマーを形成するため、ジオールで靴のアルコリシス反応を行うことと、熱可塑性ポリエステルエラストマーを取得するため、ポリエステルオリゴマーとポリアルキレングリコールの重合反応を行うこととを含む。
【0024】
ジオールは脂肪族ジオールを含んでよく、炭素数2~10の脂肪族ジオールであることが好ましい。例えば、ジオールは、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、これらの組合せ、又は他の適切なジオールを含んでよい。靴に対するジオールの重量比は、1:0.5、1:1、1:1.5、1:2、1;2.5、1:3、又は1:0.5~1:3の間の任意の比率といった、1:0.5~1:3であってよい。
【0025】
アルコリシス反応の反応条件は特に限定されず、必要に応じて適切な反応条件が選択されてよい。例えば、アルコリシス反応は、200℃、210℃、220℃、230℃、240℃、250℃、又は200℃~250℃の間の任意の温度といった、200℃~250℃の温度で実行されてよい。アルコリシス反応は、80kPa、90kPa、100kPa、110kPa、120kPa、130kPa、又は80kPa~130kPaの間の任意の圧力といった、は80kPa~130kPaの圧力下で実行されてよい。アルコリシス反応の反応時間は、150分、180分、210分、240分、270分、又は150分~270分の間の任意の時間といった、150分~270分間であってよい。
【0026】
アルコリシス反応において、アルコリシス触媒が用いられてよい。アルコリシス触媒には、チタン化合物、スズ化合物、アンチモン化合物、これらの組合せ、又は他の適切なアルコリシス触媒を含んでよい。例えば、チタン化合物には、チタン酸テトラブチル、シュウ酸チタン塩、又は他の適切なチタン化合物を含んでよい。スズ化合物には、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズ、酸化スズ、又は他の適切なスズ化合物を含んでよい。アンチモン化合物には、三酸化アンチモン、三酢酸アンチモン、又は他の適切なアンチモン化合物を含んでよい。アルコリシス触媒の添加量は、50ppm、100ppm、150ppm、200ppm、250ppm、300ppm、400ppm、500ppm、又は50ppm~500ppmの間の任意の添加量といった、50ppm~500ppmであってよい。
【0027】
ポリエステルオリゴマーは、ビス-2-ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)又は他の中間生成物を含んでよい。ポリエステルオリゴマーは、熱可塑性ポリエステルエラストマーのハードセグメントとして用いられてよい。例えば、ハードセグメントとしてのポリエステルオリゴマーは、熱可塑性ポリエステルエラストマーの、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、又は30重量%~80重量%の間の任意の重量比といった、30重量%~80重量%を占めてよい。
【0028】
ポリアルキレングリコールには、ポリテトラメチレンエーテルグリコールといった、長鎖のポリアルキレングリコールジエーテルを含んでよい。ポリアルキレングリコールは、熱可塑性ポリエステルエラストマーのソフトセグメントとして用いられてよい。例えば、ソフトセグメントとしてのポリアルキレングリコールは、熱可塑性ポリエステルエラストマーの、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、又は20重量%~70重量%の間の任意の重量比といった、20重量%~70重量%を占めてよい。
【0029】
重合反応の反応条件は特に限定されず、必要に応じて適切な反応条件が選択されてよい。例えば、重合反応は、230℃、240℃、250℃、260℃、270℃、280℃、又は230℃~280℃の間の任意温度といった、230℃~280℃の温度で実行されてよい。重合反応は、0kPa、10kPa、20kPa、30kPa、40kPa、50kPa、又は0kPa~50kPaの間の任意の圧力といった、0kPa~50kPaの圧力下で実行されてよい。重合反応の反応時間は、90分、120分、150分、180分、210分、240分、270分、又は90分~270分の間の任意の時間といった、90分~270分間であってよい。
【0030】
重合反応において、重合触媒が用いられてよい。重合触媒には、チタン化合物、マグネシウム化合物、ナトリウム化合物、リン化合物、スズ化合物、アンチモン化合物、これらの組合せ、又は他の適切な重合触媒を含んでよい。例えば、チタン化合物には、チタン酸テトラブチル、酢酸チタン塩、又は他の適切なチタン化合物を含んでよい。マグネシウム化合物には、酸化マグネシウム、酢酸マグネシウム塩、又は他の適切なマグネシウム化合物を含んでよい。ナトリウム化合物には、酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム塩、又は他の適切なナトリウム化合物を含んでよい。リン化合物には、酸化リン、酢酸リン塩、又は他の適切なナトリウム化合物を含んでよい。スズ化合物には、ジオクチルスズ、酸化スズ、又は他の適切なスズ化合物を含んでよい。アンチモン化合物には、三酸化アンチモン、三酢酸アンチモン、又は他の適切なアンチモン化合物を含んでよい。重合触媒の添加量は、50ppm、100ppm、300ppm、500ppm、700ppm、1000ppm、又は50ppm~1000ppmの間の任意の添加量といった、50ppm~1000ppmであってよい。
【0031】
本実施形態において、アルコリシス反応と重合反応のうちの少なくとも1つにおいて酸化防止剤が用いられてよい。よって、製品の色安定性が更に維持されることができる。酸化防止剤には、少なくとも次の材料が用いられてよい:テトラキス[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸]ペンタエリスリトールエステル、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、及び、オクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート。酸化防止剤の添加量は、100ppm、300ppm、500ppm、800ppm、1000ppm、3000ppm、5000ppm、又は100ppm~5000ppmの間の任意の添加量といった、100ppm~5000ppmであってよい。
【0032】
本実施形態において、高分子材料の製造方法は、発泡材を取得するため、熱可塑性ポリエステルエラストマーに発泡処理を実行することを更に含んでよい。例えば、鎖延長剤、酸化防止剤、難燃剤、熱安定剤といった添加剤が熱可塑性ポリエステルエラストマーと混合され、その後、混練して発泡剤マスターバッチを得るために二軸押出機が用いられる。次に、超臨界流体注入機を通じて発泡剤マスターバッチは超臨界流体(例えば、窒素、二酸化炭素等)と混合されて、発泡材を得るため射出成形される。発泡材は、軽量、高剛性、高比強度、良好な電気絶縁性、良好な遮音性、及び断熱性といった、優れた特性を有する。高分子材料の製造方法により作製される発泡材は、ショア25D~45Dの強度、0.15~0.3g/cmの密度、5~15kgf/cmの引っ張り強度、60%~70%の弾性を有する。よって、発泡材は、靴底といった靴の部品に応用することができる。
<靴底>
【0033】
本実施形態の靴底は熱可塑性ポリエステルエラストマー製であり、前記熱可塑性ポリエステルエラストマーは上述した高分子材料の製造方法により形成される。靴底は、上述した靴に用いられることができる。
【0034】
例えば、高分子材料の製造方法において、超臨界流体注入機を通じて発泡剤マスターバッチは超臨界流体(例えば、窒素、二酸化炭素等)と混合されて、発泡材を得るため射出成形される。靴底は、ミッドソールとアウトソールとを含んでよい。ミッドソールとアウトソールとを含む靴族が射出成形により一体形成される場合、ミッドソールとアウトソールとの間の接着材を省くことができる。
【0035】
以下に、本発明の靴、靴族、及び高分子材料の製造方法の実施例を提供する。ただし、これら実施例は例示目的であり、本発明はこれら実施例の範囲に限定されない。
【0036】
実施例
【0037】
約297gの靴を粉砕機(モデル:KM210、製造元はCHANG WOEN MACHINERY CO., LTD.)で粉砕した。約297gの靴に、198gの靴底(ミッドソールとアウトソール)、約54gのアッパー、約21gのタン、約14gのインソール、約5gの靴紐、約5gの接着剤が含まれていた。靴の材料は、リサイクルされた熱可塑性ポリエステルエラストマーであり、本発明の高分子材料の製造方法により形成された。アッパー、タン、インソール、及び靴紐は、リサイクルされたポリエステル糸(商品名:SAYA、製造元は南亜プラスチック)であった。接着剤の材料は、ポリエステル接着剤(商品名:A-9318PD、製造元は南亜プラスチック)であった。
【0038】
次に、粉砕した靴を、450gの脂肪族ジオール、200ppmのチタン酸テトラブチル、200ppmの三酸化アンチモンと混合し、約300gのポリエステルオリゴマーを形成するため、アルコリシス反応を240分間、240℃の温度及び110kPaの圧力下で実行した。次いで、300gのポリテトラメチレンエーテルグリコール、300ppmのチタン酸テトラブチル、300ppmの酢酸ナトリウム塩、500ppmのテトラキス[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸]ペンタエリスリトールエステル、及び500ppmのトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトをそこに添加し、約550gのリサイクルされた熱可塑性ポリエステルエラストマーを得るため、重合反応を240分間、270℃の温度及び5kPaの圧力下で実行した(回収率:20~70%)。
【0039】
上記に基づき、本発明の靴に含まれる部品の材料は全てポリエステル材料であり、靴は高分子材料の製造方法によりリサイクルされることができ、環境保護の効果を達成する。加えて、高分子材料の製造方法により得られる熱可塑性ポリエステルエラストマーは、他の靴に用いられることのできる靴底を更に形成することができ、再利用の効果を達成する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の靴、靴底、及び高分子材料の製造方法は、靴の部品に応用されることができる。

【外国語明細書】