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特開2024-109014タッチ入力装置及び操作パネルの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109014
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】タッチ入力装置及び操作パネルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0354 20130101AFI20240805BHJP
【FI】
G06F3/0354 450
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023144448
(22)【出願日】2023-09-06
(31)【優先権主張番号】P 2023013590
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】山根 茂
(72)【発明者】
【氏名】田中 剛
【テーマコード(参考)】
5B087
【Fターム(参考)】
5B087AA00
5B087AE00
5B087BC31
(57)【要約】
【課題】入力領域と非入力領域との間の中間領域を目立ちにくくすることで、タッチ入力装置の表面のデザイン性を維持することと、この境界を触感で認識することができるタッチ入力装置等を提供する。
【解決手段】タッチ入力装置1は、操作入力を受け付ける第1入力領域と、第1入力領域の周囲に配置され、操作入力を受け付けない非入力領域と、第1入力領域を囲むように、第1入力領域と非入力領域との間に配置される中間領域とを有する操作パネル13と、少なくとも、第1入力領域に対する入力を受け付ける入力部2とを備える。また、操作パネル13の表面には、第1入力領域、非入力領域、及び、中間領域のそれぞれにおいて、凹状又は凸状の微細な三次元構造14c、14a、14bが形成される。そして、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aのうちの少なくとも1つは、形状が異なる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力を受け付ける第1入力領域と、前記第1入力領域の周囲に配置され、操作入力を受け付けない非入力領域と、前記第1入力領域を囲むように、前記第1入力領域と前記非入力領域との間に配置される中間領域とを有する操作パネルと、
少なくとも、前記第1入力領域に対する入力を受け付ける入力部とを備え、
前記操作パネルの表面には、前記第1入力領域、前記非入力領域、及び、前記中間領域のそれぞれにおいて、凹状又は凸状の微細な三次元構造が形成され、
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のうちの少なくとも1つは、形状が異なる
タッチ入力装置。
【請求項2】
前記中間領域は、操作入力を受け付けることが可能な領域である
請求項1に記載のタッチ入力装置。
【請求項3】
前記中間領域と前記非入力領域との間には、操作入力を受け付ける第2入力領域が形成されている
請求項2に記載のタッチ入力装置。
【請求項4】
前記中間領域の前記三次元構造は、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造と異なっている
請求項1に記載のタッチ入力装置。
【請求項5】
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、前記操作パネルを平面視した場合に、円形状の溝、多角形状の溝、円形状の壁、又は、多角形状の壁である
請求項1に記載のタッチ入力装置。
【請求項6】
前記中間領域の前記三次元構造の高さは、前記第1入力領域の前記三次元構造の高さ、及び、前記非入力領域の前記三次元構造の高さよりも高い
請求項1に記載のタッチ入力装置。
【請求項7】
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、錐状をなした凸部であり、
前記操作パネルの表面を平面視した場合、
前記第1入力領域における前記凸部の頂点、及び、前記非入力領域における前記凸部の頂点はそれぞれが中心に位置し、
前記中間領域における前記凸部の頂点は偏心している
請求項1、4又は6に記載のタッチ入力装置。
【請求項8】
前記中間領域における前記凸部の頂点は、前記非入力領域よりも前記第1入力領域に近づくように偏心している
請求項7に記載のタッチ入力装置。
【請求項9】
前記操作パネルの表面を平面視した場合に、前記中間領域で並んだそれぞれの前記凸部の頂点を並び方向に沿って一繋ぎで結んだときの仮想線がジグザグとなるように、前記中間領域における前記凸部の頂点が偏心している
請求項8に記載のタッチ入力装置。
【請求項10】
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、錐状をなした凸部であり、
前記中間領域における前記凸部の先端部分は、前記第1入力領域における前記凸部の先端部分、及び、前記非入力領域における前記凸部の先端部分よりも曲率が小さい
請求項1、4又は6に記載のタッチ入力装置。
【請求項11】
前記操作パネルの表面を平面視した場合、
前記第1入力領域における前記凸部の頂点、及び、前記非入力領域における前記凸部の頂点はそれぞれが中心に位置し、
前記中間領域における前記凸部の頂点は、偏心している
請求項10に記載のタッチ入力装置。
【請求項12】
前記操作パネルの表面を平面視した場合に、前記中間領域におけるそれぞれの前記凸部の頂点を並び方向に沿って一繋ぎで結んだときの仮想線がジグザグとなるように、前記中間領域における前記凸部の頂点が偏心している
請求項11に記載のタッチ入力装置。
【請求項13】
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、柱状をなした凸部であり、
前記中間領域における前記凸部の先端部分が有する前記第1入力領域側の端縁部は、前記第1入力領域における前記凸部の端縁部及び前記非入力領域における前記凸部の端縁部よりも曲率が小さい
請求項1、4又は6に記載のタッチ入力装置。
【請求項14】
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、凹部であり、
前記中間領域の前記三次元構造である前記凹部の開口部が有する前記非入力領域側の穴縁部は、前記第1入力領域における前記凹部の開口部、及び、前記非入力領域における前記凹部の開口部のそれぞれの穴縁部よりも曲率が小さい
請求項1又は4に記載のタッチ入力装置。
【請求項15】
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、凹状又は凸状をなし、
前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、連続的に配置され、
前記中間領域の前記三次元構造は、連続的に配置、又は、一定の周期で配置されている
請求項1に記載のタッチ入力装置。
【請求項16】
前記第1入力領域、前記非入力領域、及び、前記中間領域のうちの少なくとも1つは、光透過性を有する
請求項1に記載のタッチ入力装置。
【請求項17】
前記操作パネルの表面は、艶消しされている
請求項1に記載のタッチ入力装置。
【請求項18】
タッチ入力装置が有する操作パネルの製造方法であって、
前記操作パネルの表面には、操作入力を受け付ける第1入力領域と、前記第1入力領域の周囲に配置され、操作入力を受け付けない非入力領域と、前記第1入力領域を囲むように、前記第1入力領域と前記非入力領域との間に配置される中間領域とが形成され、
前記第1入力領域、前記非入力領域、及び、前記中間領域は、凹状又は凸状の微細な三次元構造が形成され、
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のうちの少なくとも1つは、形状が異なり、
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、金型を用いて前記操作パネルの表面に転写されることで形成される
操作パネルの製造方法。
【請求項19】
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、金型を用いた射出成形によって前記操作パネルの表面に転写形成される
請求項18に記載の操作パネルの製造方法。
【請求項20】
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、金型をフィルム又はパネル表面に押圧することによって前記操作パネルの表面に転写形成される
請求項18に記載の操作パネルの製造方法。
【請求項21】
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、金型表面に塗布した樹脂が硬化することによって前記操作パネルの表面に転写形成される
請求項18に記載の操作パネルの製造方法。
【請求項22】
タッチ入力装置が有する操作パネルの製造方法であって、
前記操作パネルの表面には、操作入力を受け付ける第1入力領域と、前記第1入力領域の周囲に配置され、操作入力を受け付けない非入力領域と、前記第1入力領域を囲むように、前記第1入力領域と前記非入力領域との間に配置される中間領域とが形成され、
前記第1入力領域、前記非入力領域、及び、前記中間領域は、凹状又は凸状の微細な三次元構造が形成され、
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のうちの少なくとも1つは、形状が異なり、
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、フィルム又はパネル表面に印刷することによって前記操作パネルの表面に形成される
操作パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タッチ入力装置及び操作パネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、タッチ入力可能なウィンドウと、微細凹凸部とを有するタッチ入力機能付き保護パネルが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、タッチ無効領域の縁部における第1の質感と、タッチ有効領域の縁部における第2の質感とを有するタッチパネルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2008/111505号
【特許文献2】特開2017-174027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の保護パネルでは、微細凹凸部を形成した領域と、微細凹凸部を形成していない領域とで、外観上の明らかな差が認識されてしまう。
【0006】
また、特許文献2のタッチパネルでは、タッチ入力部と非タッチ入力部との境界付近にそれぞれ質感の異なる領域を形成しているが、表面形状が互いに異なるため、質感の異なる境界が目立ってしまう。
【0007】
そこで、本開示は、入力領域と非入力領域との間の中間領域を目立ちにくくすることで、タッチ入力装置の表面のデザイン性を維持することと、この境界を触感で認識することができるタッチ入力装置及び操作パネルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係るタッチ入力装置は、操作入力を受け付ける第1入力領域と、前記第1入力領域の周囲に配置され、操作入力を受け付けない非入力領域と、前記第1入力領域を囲むように、前記第1入力領域と前記非入力領域との間に配置される中間領域とを有する操作パネルと、少なくとも、前記第1入力領域に対する入力を受け付ける入力部とを備え、前記操作パネルの表面には、前記第1入力領域、前記非入力領域、及び、前記中間領域のそれぞれにおいて、凹状又は凸状の微細な三次元構造が形成され、前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のうちの少なくとも1つは、形状が異なる。
【0009】
また、本開示の一態様に係る操作パネルの製造方法は、タッチ入力装置が有する操作パネルの製造方法であって、前記操作パネルの表面には、操作入力を受け付ける第1入力領域と、前記第1入力領域の周囲に配置され、操作入力を受け付けない非入力領域と、前記第1入力領域を囲むように、前記第1入力領域と前記非入力領域との間に配置される中間領域とが形成され、前記第1入力領域、前記非入力領域、及び、前記中間領域は、凹状又は凸状の微細な三次元構造が形成され、前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のうちの少なくとも1つは、形状が異なり、前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、金型を用いて前記操作パネルの表面に転写されることで形成される。
【0010】
また、本開示の一態様に係る操作パネルの製造方法は、タッチ入力装置が有する操作パネルの製造方法であって、前記操作パネルの表面には、操作入力を受け付ける第1入力領域と、前記第1入力領域の周囲に配置され、操作入力を受け付けない非入力領域と、前記第1入力領域を囲むように、前記第1入力領域と前記非入力領域との間に配置される中間領域とが形成され、前記第1入力領域、前記非入力領域、及び、前記中間領域は、凹状又は凸状の微細な三次元構造が形成され、前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のうちの少なくとも1つは、形状が異なり、前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、フィルム又はパネル表面に印刷することによって前記操作パネルの表面に形成される。
【発明の効果】
【0011】
本開示のタッチ入力装置及び操作パネルの製造方法によれば、入力領域と非入力領域との間の中間領域を目立ちにくくすることで、タッチ入力装置の表面のデザイン性を維持することと、この境界を触感で認識することができるタッチ入力装置及び操作パネルの製造方法を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態に係るタッチ入力装置を示す模式図である。
図2図2は、実施の形態に係るタッチ入力装置及び表示装置を示すブロック図である。
図3図3は、タッチ入力装置の操作パネルの第1入力領域、非入力領域及び中間領域を示す図である。
図4図4は、図3のA-A線におけるタッチ入力装置の断面図である。
図5図5は、操作パネルの第1入力領域、非入力領域及び中間領域を示す別の図である。
図6図6は、変形例1におけるタッチ入力装置の操作パネルの第1入力領域、非入力領域及び中間領域を示す図である。
図7図7は、変形例2におけるタッチ入力装置の断面図である。
図8A図8Aは、変形例3におけるタッチ入力装置の平面図、及びタッチ入力装置の断面図である。
図8B図8Bは、変形例3における別のタッチ入力装置の平面図、及び別のタッチ入力装置の断面図である。
図9図9は、変形例3におけるタッチ入力装置の平面図、タッチ入力装置の部分拡大図である。
図10図10は、変形例4におけるタッチ入力装置の平面図、及びタッチ入力装置の断面図である。
図11A図11Aは、変形例4における別のタッチ入力装置の平面図、及び別のタッチ入力装置の断面図である。
図11B図11Bは、変形例4におけるさらに別のタッチ入力装置の平面図、及びさらに別のタッチ入力装置の断面図である。
図12A図12Aは、変形例5におけるタッチ入力装置の平面図、及びタッチ入力装置の断面図である。
図12B図12Bは、変形例5における別のタッチ入力装置の平面図、及び別のタッチ入力装置の断面図である。
図13図13は、変形例5におけるさらに別のタッチ入力装置の平面図、及びさらに別のタッチ入力装置の断面図である。
図14A図14Aは、変形例6におけるタッチ入力装置の平面図、及びタッチ入力装置の断面図である。
図14B図14Bは、変形例6における別のタッチ入力装置の平面図、及び別のタッチ入力装置の断面図である。
図15図15は、変形例7におけるタッチ入力装置の平面図、及びタッチ入力装置の断面図である。
図16図16は、変形例7における別のタッチ入力装置の平面図、及び別のタッチ入力装置の断面図である。
図17図17は、変形例8におけるタッチ入力装置の平面図、及びタッチ入力装置の断面図である。
図18図18は、変形例8における別のタッチ入力装置の平面図、及び別のタッチ入力装置の断面図である。
図19A図19Aは、変形例9におけるタッチ入力装置の平面図である。
図19B図19Bは、変形例9における別のタッチ入力装置の平面図である。
図19C図19Cは、変形例9におけるさらに別のタッチ入力装置の平面図である。
図19D図19Dは、変形例9におけるさらに別のタッチ入力装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0014】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0015】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0016】
(実施の形態)
<構成>
まず、タッチ入力装置1の構成について図1図5を用いて説明する。
【0017】
図1は、実施の形態に係るタッチ入力装置1を示す模式図である。図2は、実施の形態に係るタッチ入力装置1及び表示装置4を示すブロック図である。図3は、タッチ入力装置1の操作パネル13の第1入力領域、非入力領域及び中間領域を示す図である。図4は、図3のA-A線におけるタッチ入力装置1の断面図である。図5は、操作パネル13の第1入力領域、非入力領域及び中間領域を示す別の図である。
【0018】
図1に示すように、タッチ入力装置1は、表示装置4に表示された機能を操作するための操作入力装置である。例えば、タッチ入力装置1は、車両、航空機等の移動体、施設等に設けられている表示装置4の操作入力装置として用いられる。図1では、タッチ入力装置1は、車両に搭載されている場合を例示している。具体的には、タッチ入力装置1は、車両におけるステアリングに搭載されたステアリングホイール、センターコンソール、ドアパネル、インスツルメントパネル等に配置されている。また、デザイン性を高めるために、操作パネル13をこれらパネルの一部として組み込んで外観上一体化させ、継ぎ目のないシームレスな外観にする場合もある。
【0019】
タッチ入力装置1は、操作体によってユーザからの操作入力を受け付けることで、車両に搭載されている表示装置4を操作することができる。操作体は、人の指、タッチペン等である。これにより、表示装置4は、操作入力に応じた画像を表示することができる。
【0020】
タッチ入力装置1は、入力部2として例えば静電容量方式等のタッチセンサを有する装置である。また、タッチ入力装置1は、静電容量方式等以外の公知の方式を用いたタッチセンサを有する装置であってもよい。
【0021】
図2図4に示すように、具体的には、タッチ入力装置1は、操作パネル13と、入力部2と、制御部3とを備えている。
【0022】
操作パネル13は、矩形の板状又はシート状をなしたカバーである。操作パネル13は、入力部2を覆うように入力部2に積層されている。このため、ユーザは、操作体を用いて操作パネル13の表面に対してなぞり操作又はタッチ操作することで、入力部2に操作入力することができる。
【0023】
また、操作パネル13は、平面視で矩形状をなしているが、他の多角形状であってもよく、円形状であってもよい。
【0024】
例えば、操作パネル13は、ポリカーボネート、アクリル、ABS(Acryloni
trile、Butadiene、Styrene)樹脂等の材料で形成されている。
【0025】
図3及び図4に示すように、操作パネル13は、第1入力領域と、非入力領域と、中間領域とを有する。
【0026】
第1入力領域は、操作入力を受け付ける領域である。つまり、第1入力領域は、操作パネル13と入力部2とを重ねて見た場合に、入力部2と重なっている。このため、ユーザが第1入力領域における操作パネル13の表面に操作入力をした場合、入力部2は、その操作入力を受け付けることができる。
【0027】
また、第1入力領域は、入力部2の表面における中央部分に配置されている。これより、ユーザが第1入力領域に対して操作入力しやすくなっている。
【0028】
非入力領域は、操作入力を受け付けない領域である。つまり、非入力領域は、操作パネル13と入力部2とを重ねて見た場合に、入力部2と重なっていない。このため、ユーザが非入力領域における操作パネル13の表面に操作入力をした場合、入力部2は、その操作入力を受け付けない。
【0029】
非入力領域は、中間領域の外周に接し、第1入力領域かつ中間領域を囲むように、第1入力領域及び中間領域の周囲に配置されている。つまり、非入力領域は、操作パネル13の外縁側の領域である。
【0030】
中間領域は、第1入力領域の外周に接し、第1入力領域を囲むように、第1入力領域と非入力領域との間に配置されている。操作パネル13と入力部2とを重ねて見た場合に、中間領域は、入力部2から入力部2の外側に張り出し、入力部2と入力部2の外側との境界を跨ぐように配置されている。このため、中間領域は、操作入力を受け付けることが可能な領域と、操作入力を受け付けることができない領域とを含む。
【0031】
また、図3の(a)に示すように、中間領域は多角形状をなした領域であってもよく、図3の(b)に示すように、円形状をなした領域であってもよい。また、図3の(a)では、矩形状の中間領域を例示しているが、他の多角形状であってもよい。
【0032】
なお、中間領域は、操作入力を受け付けることが可能な領域と、及び、操作入力を受け付けることができない領域の一方だけで構成されていてもよい。中間領域が操作入力を受け付けることが可能な領域にのみ位置している場合、中間領域は、操作パネル13と入力部2とを重ねて見た場合に、入力部2の外縁上に沿って位置している。
【0033】
操作パネル13の表面には、第1入力領域において、凹状又は凸状の微細な三次元構造14cが形成され、非入力領域において、凹状又は凸状の微細な三次元構造14aが形成され、中間領域において、凹状又は凸状の微細な三次元構造14bが形成されている。図4では半球状をなした三次元構造14a、14b、14cを例示している。
【0034】
微細な三次元構造14a、14b、14cとは、複数の凹状又は/及び複数の凸状をなした構造体が、規則的又はランダムに配列された、数cm以下の立体構造である。例えば、三次元構造14a、14b、14cとは、錐状、錐台状、柱状、半球状等の構造体である。また、三次元構造14a、14b、14cは、三次元構造14a、14b、14cの断面が矩形波又は正弦波となるような、波面状の模様であってもよい。
【0035】
また、複数の凹状の構造体は、離散的に配列された複数の凹状、及び、連続的な複数の溝状の構造体を含む。また、複数の凸状の構造体は、離散的に配列された複数の凸状、及び、連続的な複数の壁状の構造体を含む。図5では壁状をなした三次元構造14dを例示している。つまり、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aのそれぞれは、円形状の溝、多角形状の溝、円形状の壁、又は、多角形状の壁であってもよい。なお、中間領域は、図3(a)、(b)に示す閉じた形状に限定されず、例えば図3(a)の上下方向への直線状、もしくは曲線状であってもよい。
【0036】
また、微細な三次元構造14a、14b、14cはこれらに限定されない。微細な三次元構造の一例として、規則的に配列された幾何学的な三次元構造、不規則に形成された凹構造及び凸構造を連続的に配列した幾何学的な三次元構造であってもよい。例えば、凹状又は凸状の三角形が規則的に配列された三次元構造、言い換えれば格子と斜め格子とを重ね合わせた三次元構造であってもよい。また、凹状又は凸状の四角形が規則的に配列された三次元構造、つまり格子状の三次元構造であってもよい。また、凹状又は凸状の六角形が規則的に配列された三次元構造、つまりハニカム状の三次元構造であってもよい。また、凹状又は凸状の三角錐が規則的に配列された三次元構造であってもよい。また、複数種類の多角形状の平面を組み合わせることで不規則に形成された凹構造及び凸構造を連続的に配列した幾何学的な三次元構造であってもよい。また、凹状又は凸状からなる複数の矩形の枠が次第に大きくなるように重ねられた幾何学的なデザインが格子状に配列された三次元構造であってもよい。
【0037】
さらに、微細な三次元構造の別の一例として、不規則な凹構造又は/及び凸構造からなる三次元構造であってもよい。例えば、凹状又は凸状の不規則な複数の曲線からなる三次元構造であってもよい。また、岩模様のような不規則な凹状及び凸状の三次元構造であってもよい。また、網目状のような不規則な凹状又は凸状の三次元構造であってもよい。
【0038】
さらに、微細な三次元構造のさらに別の一例として、規則的な凹構造又は/及び凸構造からなるデザイン性のある三次元構造であってもよい。例えば、繊維質状の帯を格子状に配列した凹状及び凸状からなる三次元構造であってもよい。また、矩形の枠に特定のエンブレムを付加したデザインを規則に配列した凹状又は凸状の三次元構造であってもよい。また、波打つ網目状の模様を規則に配列した凹状又は凸状の三次元構造であってもよい。また、複数の曲線からなるデザインを規則的に配列した凹状又は凸状の三次元構造であってもよい。また、流線型をなした類似する複数のデザインを連続的に配列した凹状又は凸状の三次元構造を例示している。
【0039】
中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aのうちの少なくとも1つは、形状が異なる。
【0040】
具体的には、図4に示すように、操作パネル13には、基部13aに対して突出した凸部である三次元構造14a、14b、14cが形成されている。第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aは、半球状をなした凸状の三次元構造である。本実施の形態では、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aは、同一の形状である。また、中間領域の三次元構造14bは、円柱状又は角柱状をなした凸状の三次元構造である。本実施の形態では、中間領域の三次元構造14bは、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aと異なっている。
【0041】
また、操作パネル13の表面は、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aと異なる中間領域の三次元構造14bをより目立たなくさせるように艶消しされていてもよい。
【0042】
入力部2は、操作パネル13と重ねて見た場合に、少なくとも、第1入力領域と重なっている。つまり、入力部2は、操作パネル13の第1入力領域に対するユーザからの操作入力を受け付けることが可能なように、第1入力領域と対応するように配置されている。このため、入力部2は、少なくとも、第1入力領域での入力を受け付ける。
【0043】
また、本実施の形態では、入力部2は、操作パネル13と重ねて見た場合に、中間領域の一部と重なっている。つまり、入力部2は、操作パネル13の中間領域に対するユーザからの操作入力を受け付けることが可能なように、中間領域の一部と対応するように配置されている。本実施の形態では、中間領域の一部は、中間領域における第1入力領域側の内周部分である。このため、入力部2は、中間領域の一部において入力を受け付ける。
【0044】
入力部2は、操作体によってユーザから受け付けた操作入力に応じた信号を制御部3に出力するタッチセンサである。
【0045】
制御部3は、入力部2から出力された信号を取得し、取得した信号に基づいて、表示装置4を制御する。制御部3は、例えば、信号に示される入力部2における静電容量の変化に基づき、操作体による入力位置を特定する。そして、制御部3は、特定した入力位置に応じて表示装置4との通信・制御が行われる。このような、制御部3は、専用の制御回路又は汎用プロセッサ等で構成されている。
【0046】
このような、本実施の形態における操作パネル13は、例えば、金型を用いた射出成形によって得ることができる。具体的には、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aが表面に微細加工された金型と、操作パネル13の基部13aを形成可能な金型とを用意する。この2つの金型を合わせ、内部に樹脂を注入することで、これら三次元構造14b、14c、14aがパネル表面に転写形成された操作パネル13を得ることができる。
【0047】
さらに別の方法として、先に液体状樹脂を金型の表面に薄く塗布し、塗布した液体状樹脂が硬化した後、ベース材となる樹脂をさらに金型の内部に注入して一体成形することでも、転写形成された操作パネル13が得られる。
【0048】
また、本実施の形態における操作パネル13は、例えば、金型をフィルムに押圧することによって得ることができてもよい。具体的には、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aを転写可能な金型用意する。この金型をフィルムに押圧することによって、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aのそれぞれがフィルムの表面に形成される。このフィルムをパネルに貼り合わせたり、インサート成形したりすることで、操作パネル13の母体となるパネル表面にフィルムを積層する。これにより、フィルムに中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aが転写された操作パネル13を得ることができる。なお、加熱した金型を樹脂製のパネル表面に直接押圧し熱変形させることでも、これら三次元構造14b、14c、14aが形成された操作パネル13を得ることができる。
【0049】
また、本実施の形態における操作パネル13は、例えば、フィルムに印刷することによって得ることができてもよい。具体的には、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aのデータを記憶した印刷設備を用いることで、フィルムの表面に中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aを印刷(スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷、グラビア印刷、及びインクジェット印刷等)により形成する。このフィルムをパネルに貼り合わせたり、インサート射出成形したりすることで、操作パネル13の母体となるパネル表面に積層する。これにより、フィルムに中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aが印刷された操作パネル13を得ることができる。なお、三次元構造14b、14c、14aは、パネル表面に直接印刷することでパネル表面にも形成できる。
【0050】
<作用効果>
次に、本実施の形態におけるタッチ入力装置1及び操作パネル13の製造方法の作用効果について説明する。
【0051】
そこで、上述したように、本実施の形態に係るタッチ入力装置1は、操作入力を受け付ける第1入力領域と、第1入力領域の周囲に配置され、操作入力を受け付けない非入力領域と、第1入力領域を囲むように、第1入力領域と非入力領域との間に配置される中間領域とを有する操作パネル13と、少なくとも、第1入力領域に対する入力を受け付ける入力部2とを備える。また、操作パネル13の表面には、第1入力領域、非入力領域、及び、中間領域のそれぞれにおいて、凹状又は凸状の微細な三次元構造14c、14a、14bが形成される。そして、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aのうちの少なくとも1つは、形状が異なる。
【0052】
このように、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aのうちの少なくとも1つの構造を僅かに異ならせるようにするため、構造の異なる領域を目立たないようにすることができる。これにより、ユーザがタッチ入力装置1を見た場合に、構造の異なる微細な三次元構造14a、14b、14cが目立ち難く、シームレスな外観を実現することができる。
【0053】
また、タッチ入力装置1に対してなぞり操作を行っている操作体が、第1入力領域から非入力領域に向かってはみ出す際に、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aのうちの少なくとも1つの形状が異なることで、触感の違いを認識することができる。
【0054】
したがって、タッチ入力装置1によれば、入力領域(第1入力領域)と非入力領域との間の中間領域を目立ちにくくすることで、タッチ入力装置1の表面のデザイン性を維持することと、この境界を触感で認識することとを実現することができる。
【0055】
また、ステアリングホイール、ドアパネル、センターコンソール及びインスツルメントパネル等に、車室内の表示装置4の画面を操作するための本開示のタッチ入力装置1を適用してもよい。この場合、シームレスな外観を構成したタッチ入力装置1では、車両の車室内に好適に適用することができる。
【0056】
また、本実施の形態に係る操作パネル13の製造方法は、タッチ入力装置1が有する操作パネル13の製造方法であって、操作パネル13の表面には、操作入力を受け付ける第1入力領域と、第1入力領域の周囲に配置され、操作入力を受け付けない非入力領域と、第1入力領域を囲むように、第1入力領域と非入力領域との間に配置される中間領域とが形成され、第1入力領域、非入力領域、及び、中間領域は、凹状又は凸状の微細な三次元構造14c、14a、14bが形成される。また、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aのうちの少なくとも1つは、形状が異なる。そして、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aのそれぞれは、金型を用いて操作パネル13の表面に転写されることで形成される。
【0057】
この操作パネル13の製造方法によれば、入力領域と非入力領域との間の中間領域を目立ちにくくすることで、タッチ入力装置1の表面のデザイン性を維持することと、この境界を触感で認識することとを実現することができる操作パネル13を容易に得ることができる。
【0058】
また、本実施の形態に係る操作パネル13の製造方法において、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aのそれぞれは、金型を用いた射出成形によって操作パネル13の表面に転写形成される。
【0059】
この操作パネル13の製造方法においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0060】
また、本実施の形態に係る操作パネル13の製造方法において、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aのそれぞれは、金型をフィルム又はパネル表面に押圧することによって操作パネル13の表面に転写形成される。
【0061】
この操作パネル13の製造方法においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0062】
また、本実施の形態に係る操作パネル13の製造方法において、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aのそれぞれは、金型表面に塗布した樹脂が硬化することによって操作パネル13の表面に転写形成される。
【0063】
この操作パネル13の製造方法においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0064】
また、本実施の形態に係る操作パネル13の製造方法において、タッチ入力装置1が有する操作パネル13の製造方法であって、操作パネル13の表面には、操作入力を受け付ける第1入力領域と、第1入力領域の周囲に配置され、操作入力を受け付けない非入力領域と、第1入力領域を囲むように、第1入力領域と非入力領域との間に配置される中間領域とが形成され、第1入力領域、非入力領域、及び、中間領域は、凹状又は凸状の微細な三次元構造14c、14a、14bが形成され、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aのうちの少なくとも1つは、形状が異なり、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aのそれぞれは、フィルム又はパネル表面に印刷することによって操作パネル13の表面に形成される。
【0065】
この操作パネル13の製造方法においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0066】
また、本実施の形態に係るタッチ入力装置1において、中間領域は、操作入力を受け付けることが可能な領域である。
【0067】
つまり、中間領域は、入力部2と操作パネル13とを重ねて見た場合に、入力部2と重なる位置に配置されていることとなる。このため、入力部2に対応する第1入力領域及び中間領域から操作体がはみ出そうとしていることを、触感で認識することができる。これにより、操作者は、なぞり操作を止めて操作体の位置を修正し、別の位置からなぞり操作を再開することができる。
【0068】
また、本実施の形態に係るタッチ入力装置1において、中間領域の三次元構造14bは、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aと異なっている。
【0069】
これによれば、第1入力領域の三次元構造14cと非入力領域の三次元構造14aとの間に中間領域の微細な三次元構造14bが設けられることで、タッチ入力装置1の非使用時において、例えば中間領域の三次元構造14bの形状だけ、入力領域の三次元構造14b及び非入力領域の三次元構造14aに対して僅かに異ならせることで、中間領域が目立たないようにすることができる。これにより、タッチ入力装置1を見た場合に、中間領域の微細な三次元構造14bが目立ち難く、シームレスな外観を実現することができる。
【0070】
また、本実施の形態に係るタッチ入力装置1において、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aのそれぞれは、操作パネル13を平面視した場合に、円形状の溝、多角形状の溝、円形状の壁、又は、多角形状の壁である。
【0071】
この場合においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0072】
また、本実施の形態に係るタッチ入力装置1において、操作パネル13の表面は、艶消しされている。
【0073】
これによれば、中間領域の三次元構造14b、第1入力領域の三次元構造14c、及び、非入力領域の三次元構造14aのうちの、僅かに形状の異なる少なくとも1つの3次元構造をより目立たなくさせることができる。
【0074】
なお、本実施の形態では、以下のような変形例1~9も本実施の形態に含まれる。
【0075】
(変形例1)
まず、本変形例について、図6を用いて説明する。
【0076】
図6は、変形例1におけるタッチ入力装置1aの操作パネル23の第1入力領域、非入力領域及び中間領域を示す図である。図6の(a)では、矩形状の第1入力領域、非入力領域及び中間領域を例示している。また、図6の(b)では、円形状の第1入力領域、非入力領域及び中間領域を例示している。なお、図6の(a)、(b)は、あくまでも一例であり、多角形状、他の公知の形状であってもよい。
【0077】
実施の形態1では、操作パネルと入力部とを重ねて見た場合に中間領域は、入力部と入力部の外側との境界を跨ぐように位置しているが、図6の(a)、(b)に示すように、本変形例における操作パネル23の中間領域は、当該境界よりも内周側(第1入力領域側)に位置している。言い換えれば、中間領域は、操作パネル23と入力部2とを重ねて見た場合に、入力部2の外縁側に位置している。
【0078】
この場合、中間領域と非入力領域との間には、操作入力を受け付ける第2入力領域が形成される。第2入力領域は、操作パネル23と入力部2とを重ねて見た場合に、中間領域に接した外周側であり、入力部2の外縁側に位置している。このため、第2入力領域は、第1入力領域と同様に操作体によってユーザからの操作入力を受け付ける。
【0079】
このような、第2入力領域の幅は、例えば、10mm~50mm程度である。
【0080】
このような、本変形例に係るタッチ入力装置1aにおいて、中間領域と非入力領域との間には、操作入力を受け付ける第2入力領域が形成されている。
【0081】
これによれば、中間領域は、入力部2と操作パネル23とを重ねて見た場合に、入力部2の端縁よりも内側に配置されていることとなる。このため、タッチ入力装置1aでは、入力部2に対応する第1入力領域及び中間領域から操作体がはみ出そうとしていることを、触感で認識させる予告機能を持たせることができる。これにより、操作者は、なぞり操作を止めて操作体の位置を修正し、別の位置からなぞり操作を再開することができる。
【0082】
また、第1入力領域及び中間領域から操作体がはみ出したとしても、第2入力領域において操作体による操作入力を継続することができるため、操作体によるなぞり操作が途切れないようにすることができる。その結果、ユーザに対する操作入力のやり直しを抑制することができる。
【0083】
(変形例2)
まず、本変形例について、図7を用いて説明する。
【0084】
図7は、変形例1におけるタッチ入力装置1bの断面図である。
【0085】
実施の形態1では、それぞれが凸状であり、第1入力領域の三次元構造、中間領域の三次元構造、及び、非入力領域の三次元構造の高さは同等の高さであるが、図7に示すように、本変形例の操作パネル123における中間領域の三次元構造124bの高さは、第1入力領域の三次元構造124c、及び、非入力領域の三次元構造124aの高さと異なっている。
【0086】
具体的には、中間領域の三次元構造124bに対する第1入力領域の三次元構造124c、及び、非入力領域の三次元構造124aのそれぞれの高さの差、つまり段差は、操作体によるなぞり操作において引っ掛かり過ぎず、かつ、段差が目立たない程度の高さであることが好ましい。例えば、中間領域における凸状の三次元構造124bの高さは、第1入力領域における凸状の三次元構造124c、及び、非入力領域における凸状の三次元構造124aのそれぞれの高さの2倍以下の高さであることが好ましい。
【0087】
また、段差の大きさは、三次元構造の大きさ、三次元構造の高さ、及び、三次元構造のピッチ間に応じて決められてもよい。この場合、段差の大きさは、数μm~数mmの範囲で適宜設定される。
【0088】
なお、本変形例において、僅かに形状が異なる箇所の段差が、目立たない程度の高さであり、かつ、触感で分かる段差であることを考慮すると、例えば0.1~0.6mm程度で形成されている。
【0089】
本変形例において、第1入力領域の三次元構造124c、中間領域の三次元構造124b、及び、非入力領域の三次元構造124aが円柱状である場合、あくまでも一例であるが、第1入力領域の三次元構造124c、及び、非入力領域の三次元構造124aは、円柱直径が2.5mm、円柱高さが1mm、円柱ピッチが5mmである。また、中間領域の三次元構造124bは、円柱直径が2.5mm、円柱高さが1.1~1.6mm、円柱ピッチが5mmである。
【0090】
このような変形例に係るタッチ入力装置1bにおいて、中間領域の三次元構造124bの高さは、第1入力領域の三次元構造124cの高さ、及び、非入力領域の三次元構造124aの高さよりも高い。
【0091】
これによれば、ユーザは、なぞり操作を行う際に、操作体を介した触感で、中間領域の三次元構造124bが第1入力領域の三次元構造124c及び非入力領域の三次元構造124aと形状が異なることを認識することができる。つまり、僅かな段差を設けることで、ユーザは、入力部2と入力部2の外側との境界上の中間領域を認識することができる。
【0092】
(変形例3)
まず、本変形例について、図8A図8B及び図9を用いて説明する。
【0093】
図8Aは、変形例3におけるタッチ入力装置1cの平面図、及びタッチ入力装置1cの断面図である。図8Bは、変形例3における別のタッチ入力装置1c1の平面図、及び別のタッチ入力装置1c1の断面図である。図9は、変形例3におけるタッチ入力装置1cの平面図、タッチ入力装置1cの部分拡大図である。図9の(a)では、矩形状の第1入力領域、非入力領域及び中間領域を例示している。また、図9の(b)では、円形状の第1入力領域、非入力領域及び中間領域を例示している。なお、図9の(a)、(b)は、あくまでも一例であり、多角形状、他の公知の形状であってもよい。
【0094】
実施の形態1では、第1入力領域、中間領域、及び、非入力領域におけるそれぞれの凸状の三次元構造は、半球状及び円柱状等であるが、本変形例の操作パネル33では、図8Aに示すように、第1入力領域、中間領域、及び、非入力領域におけるそれぞれの凸状の三次元構造34a、34b、34cは、錐状をなした凸部である。
【0095】
中間領域における凸部(凸状の三次元構造34b)の頂点は、三次元構造34bを俯瞰して見た場合に、偏心している。また、操作パネル33の表面を平面視した場合、第1入力領域における凸部(凸状の三次元構造34c)の頂点、及び、非入力領域における凸部(凸状の三次元構造34a)の頂点は、中心に位置している。つまり、中間領域における凸状の三次元構造34bは、第1入力領域における凸部の三次元構造34c、及び、非入力領域における凸部の三次元構造34aと形状が異なる。
【0096】
本変形例において、第1入力領域の三次元構造34c、中間領域の三次元構造34b、及び、非入力領域の三次元構造34aが円錐状である場合、あくまでも一例であるが、第1入力領域の三次元構造34c、中間領域の三次元構造34b、及び、非入力領域の三次元構造34aは、円錐直径が5mm、円錐高さが2.5mm、円錐ピッチが5mmである。
【0097】
また、図8Bに示すように、中間領域における凸状の三次元構造134bの頂点は、三次元構造134bを俯瞰して見た場合に、中間領域で並んだそれぞれの凸部(凸状の三次元構造134b)の頂点を並び方向に沿って一繋ぎで結んだときの二点鎖線で示す仮想線がジグザグとなるように、凸状の三次元構造134bの頂点が偏心していてもよい。つまり、凸状の三次元構造134bの頂点のそれぞれが異なるように位置していてもよい。このように、形状の異なる複数の三次元構造134bを用いることができるため、三次元構造134bの頂点の位置が図8Bの平面図の上下方向における位置に応じて変化するように複数の三次元構造134bを並べることができる。
【0098】
なお、中間領域における複数ある凸状の三次元構造34b、134bの頂点のうちの少なくとも一部が、非入力領域よりも第1入力領域に近づくように偏心していてもよい。
【0099】
また、複数ある凸状の三次元構造34b、134bのうちの一部は、第1入力領域における凸状の三次元構造134c、及び、非入力領域における凸状の三次元構造134aと同様の形状であってもよい。
【0100】
また、図9の(a)に示すように、中間領域における凸状の三次元構造34bにおいて、中間領域が多角形状の場合、コーナ部分における凸状の三次元構造34bの頂点は、第1入力領域側であり、入力部2と入力部2の外側との境界の二点鎖線で示す内接円の法線方向に偏心している。具体的には、二点鎖線で示す当該境界の内接円の法線方向において、三次元構造34bの中心から第1入力領域側に、三次元構造34bを俯瞰して見た場合の円の半径の1/2程度、矢印で示す方向に偏心していてもよい。コーナ部分において、タッチ入力装置1cに対してなぞり操作を行っている操作体が、第1入力領域から非入力領域に向かってはみ出す際に、偏心している中間領域の三次元構造34bの先端に引っ掛かることで、ユーザは、動かし難いと認識し、その逆は動かしやすいと認識する。このため、ユーザは、中間領域における触感の違いを認識するだけでなく、直感的に操作体の正しいなぞり方向を認識することができる。
【0101】
また、図9の(b)では、中間領域が円形状の場合、全周が矢印で示す方向に偏心している。なお、図9の(b)では、図9の(a)のようなタッチ入力装置1cの部分拡大図は図9の(a)と同様となるため省略している。
【0102】
このような変形例に係るタッチ入力装置1c、1c1において、中間領域の三次元構造34b、134b、第1入力領域の三次元構造34c、134c、及び、非入力領域の三次元構造34a、134aのそれぞれは、錐状をなした凸部である。また、操作パネル33、133の表面を平面視した場合、第1入力領域における凸部(凸状の三次元構造34c、134c)の頂点、及び、非入力領域における凸部(凸状の三次元構造34a、134a)の頂点はそれぞれが中心に位置し、中間領域における凸部(凸状の三次元構造34b、134b)の頂点は偏心している。
【0103】
これによれば、タッチ入力装置1c、1c1に対してなぞり操作を行っている操作体が、第1入力領域から非入力領域に向かってはみ出す際に、偏心している中間領域の三次元構造34b、134bの先端(凸部の頂点)に引っ掛かるため、ユーザは、入力部2と入力部2の外側との境界上の中間領域を認識することができる。
【0104】
さらに、このような変形例に係るタッチ入力装置1c1(図8B参照)において、操作パネル33の表面を平面視した場合に、中間領域で並んだそれぞれの凸部(凸状の三次元構造134b)の頂点を並び方向に沿って一繋ぎで結んだときの仮想線がジグザグとなるように、中間領域における凸部の頂点が偏心している。
【0105】
これによれば、中間領域において、頂点の位置が異なる複数の三次元構造134bを並べることができる。このため、タッチ入力装置1c1に対してなぞり操作を行っている操作体が第1入力領域から非入力領域に向かってはみ出す際に、ユーザは、段差だけでなく、指先に対する上下方向及び左右方向の変化(三次元構造134bの形状の変化)を認識することができる。したがって、ユーザは、中間領域を触感でより認識しやすくなる。
【0106】
(変形例4)
まず、本変形例について、図10図11A及び図11Bを用いて説明する。
【0107】
図10は、変形例4におけるタッチ入力装置1dの平面図、及びタッチ入力装置1dの断面図である。図11Aは、変形例4における別のタッチ入力装置1d1の平面図、及び別のタッチ入力装置1d1の断面図である。図11Bは、変形例4におけるさらに別のタッチ入力装置1d2の平面図、及びさらに別のタッチ入力装置1d2の断面図である。
【0108】
実施の形態1では、第1入力領域、中間領域、及び、非入力領域におけるそれぞれの凸状の三次元構造は、半球状及び円柱状等であるが、図10に示すように、本変形例の操作パネル43では、第1入力領域、中間領域、及び、非入力領域におけるそれぞれの凸状の三次元構造44c、44b、44aは、錐状をなした凸部である。
【0109】
中間領域における凸状の三次元構造44bの高さは、第1入力領域の三次元構造44c、及び、非入力領域の三次元構造44aの高さよりも高い。具体的には、中間領域の三次元構造44bに対する第1入力領域の三次元構造44c、及び、非入力領域の三次元構造44aのそれぞれの段差は、操作体によるなぞり操作において引っ掛かり過ぎず、かつ、段差が目立たない程度の高さであることが好ましい。例えば、中間領域における凸状の三次元構造44bの高さは、第1入力領域における凸状の三次元構造44c、及び、非入力領域における凸状の三次元構造44aのそれぞれの高さの2倍以下の高さであることが好ましい。
【0110】
また、図11Aに示すように、中間領域における凸状の三次元構造144bの頂点は、三次元構造144bを俯瞰して見た場合に、偏心していてもよい。本変形例では、中間領域における凸部(凸状の三次元構造144b)の頂点が非入力領域よりも第1入力領域に近づくように偏心している。また、操作パネル143の表面を平面視した場合、第1入力領域における凸部(凸状の三次元構造144c)の頂点、及び、非入力領域における凸部(凸状の三次元構造144a)の頂点は、それぞれが中心に位置している。つまり、凸状の三次元構造144bは、第1入力領域における凸状の三次元構造144c、及び、非入力領域における凸状の三次元構造144aと形状が異なる。
【0111】
また、図11Bに示すように、中間領域における凸状の三次元構造244bの頂点は、三次元構造244bを俯瞰して見た場合に、中間領域で並んだそれぞれの凸部(凸状の三次元構造244b)の頂点を並び方向に沿って一繋ぎで結んだときの二点鎖線で示す仮想線がジグザグとなるように、凸状の三次元構造244bの頂点が偏心していてもよい。つまり、凸状の三次元構造244bの頂点の位置がそれぞれ異なるように位置していてもよい。本変形例では、中間領域における複数ある凸状の三次元構造244bの頂点のうちの少なくとも一部が、非入力領域よりも第1入力領域に近づくように偏心していてもよい。このように、形状の異なる複数の三次元構造244bを用いることができるため、三次元構造244bの頂点の位置が図11Bの平面図の上下方向における位置に応じて変化するように複数の三次元構造244bを並べることができる。
【0112】
また、複数ある凸状の三次元構造244bのうちの一部は、第1入力領域における凸状の三次元構造244c、及び、非入力領域における凸状の三次元構造244aと同様の形状であってもよい。
【0113】
この場合、図10の構成と同様に、操作パネル143における中間領域における凸状の三次元構造144bの高さは、第1入力領域における凸状の三次元構造144c、及び、非入力領域における凸状の三次元構造144aの高さよりも高い。中間領域における凸状の三次元構造144bの高さは、第1入力領域における凸状の三次元構造144c、及び、非入力領域における凸状の三次元構造144aのそれぞれの高さの2倍以下の高さであることが好ましい。
【0114】
このような変形例に係るタッチ入力装置1d、1d1、1d2(図10図11A及び図11B参照)において、中間領域の三次元構造44b、144b、244bの高さは、第1入力領域の三次元構造44c、144c、244cの高さ、及び、非入力領域の三次元構造44a、144a、244aの高さよりも高い。
【0115】
これによれば、ユーザは、なぞり操作を行う際に、操作体を介した触感で、中間領域の三次元構造44b、144b、244bが第1入力領域の三次元構造44c、144c、244c及び非入力領域の三次元構造44a、144a、244aと形状が異なることを認識することができる。つまり、僅かな段差を設けることで、ユーザは、入力部2と入力部2の外側との境界上の中間領域を認識することができる。
【0116】
さらに、このような変形例に係るタッチ入力装置1d1(図11A参照)において、中間領域における凸部(凸状の三次元構造144b)の頂点は、非入力領域よりも第1入力領域に近づくように偏心している。また、タッチ入力装置1d2(図11B参照)において、中間領域における一部の凸部(凸状の三次元構造244b)の頂点は、非入力領域よりも第1入力領域に近づくように偏心している。
【0117】
これによれば、タッチ入力装置1d1、1d2に対してなぞり操作を行っている操作体が、第1入力領域から非入力領域に向かってはみ出す際に、偏心している中間領域の三次元構造144b、244bの先端(凸部の頂点)に引っ掛かるため、ユーザは、入力部2と入力部2の外側との境界上の中間領域を認識することができる。
【0118】
また、タッチ入力装置1d1、1d2において、ユーザは、操作体でなぞり操作を行う際に、中間領域の三次元構造144b、244bが第1入力領域の三次元構造144c、244c及び非入力領域の三次元構造144a、244aの高さよりも高いことを、操作体を介した触感で認識することができる。つまり、僅かな段差を設けることで、ユーザは、中間領域を触感でより認識しやすくなる。
【0119】
さらに、このような変形例に係るタッチ入力装置1d2(図11B参照)において、操作パネル243の表面を平面視した場合に、中間領域で並んだそれぞれの凸部(凸状の三次元構造244b)の頂点を並び方向に沿って一繋ぎで結んだときの仮想線がジグザグとなるように、中間領域における凸部の頂点が偏心している。
【0120】
これによれば、中間領域において、頂点の位置が異なる複数の三次元構造244bを並べることができる。このため、タッチ入力装置1d2に対してなぞり操作を行っている操作体が第1入力領域から非入力領域に向かってはみ出す際に、ユーザは、段差だけでなく、指先に対する上下方向及び左右方向の変化(三次元構造244bの形状の変化)を認識することができる。したがって、ユーザは、中間領域を触感でより認識しやすくなる。
【0121】
(変形例5)
まず、本変形例について、図12A図12B及び図13を用いて説明する。
【0122】
図12Aは、変形例5におけるタッチ入力装置1eの平面図、及びタッチ入力装置1eの断面図である。図12Bは、変形例5における別のタッチ入力装置1e2の平面図、及び別のタッチ入力装置1e2の断面図である。図13は、変形例5におけるさらに別のタッチ入力装置1e1の平面図、及びさらに別のタッチ入力装置1e1の断面図である。
【0123】
実施の形態1では、第1入力領域、中間領域、及び、非入力領域におけるそれぞれの凸状の三次元構造は、半球状及び円柱状等であるが、図12Aに示すように、本変形例の操作パネル53では、第1入力領域、中間領域、及び、非入力領域におけるそれぞれの凸状の三次元構造54c、54b、54aは、錐状をなした凸部である。さらに、本変形例では、中間領域における凸部(凸状の三次元構造54b)の先端部分は、第1入力領域における凸部(凸状の三次元構造54c)の先端部分、及び、非入力領域における凸部(凸状の三次元構造54a)の先端部分と曲率が異なっている。中間領域における凸部の先端部分は、第1入力領域、及び、非入力領域における凸部の先端部分よりも曲率が小さい。なお、中間領域における凸部の先端部分は、第1入力領域、及び、非入力領域における凸部の先端部分よりも曲率が大きくてもよい。この場合、引っ掛からない触感を中間領域で感じることができる。
【0124】
また、図12Bに示すように、中間領域における凸状の三次元構造254bの頂点は、三次元構造254bを俯瞰して見た場合に、中間領域で並んだそれぞれの凸部(凸状の三次元構造254b)の頂点を並び方向に沿って一繋ぎで結んだときの二点鎖線で示す仮想線がジグザグとなるように、凸状の三次元構造254bの頂点が偏心していてもよい。つまり、凸状の三次元構造254bの頂点のそれぞれが異なるように位置していてもよい。このように、形状の異なる複数の三次元構造254bを用いることができるため、三次元構造254bの頂点の位置が図12Bの平面図の上下方向における位置に応じて変化するように複数の三次元構造254bを並べることができる。
【0125】
また、複数ある凸状の三次元構造254bのうちの一部は、第1入力領域における凸状の三次元構造254c、及び、非入力領域における凸状の三次元構造254aと同様の形状であってもよい。
【0126】
なお、中間領域における複数ある凸状の三次元構造154b、254bの頂点のうちの少なくとも一部が、非入力領域よりも第1入力領域に近づくように偏心していてもよい。
【0127】
なお、図13に示すように、操作パネル153における中間領域における凸状の三次元構造154bの高さは、第1入力領域における凸状の三次元構造154c、及び、非入力領域における凸状の三次元構造154aの高さよりも高い。中間領域における凸状の三次元構造154bの高さは、第1入力領域における凸状の三次元構造154c、及び、非入力領域における凸状の三次元構造154aのそれぞれの高さの2倍以下の高さであることが好ましい。
【0128】
このような変形例に係るタッチ入力装置1e、1e1、1e2において、中間領域の三次元構造54b、154b、254b、第1入力領域の三次元構造54c、154c、254c、及び、非入力領域の三次元構造54a、154a、254aのそれぞれは、錐状をなした凸部である。そして、中間領域における凸部(凸状の三次元構造54b、154b、254b)の先端部分は、第1入力領域における凸部(凸状の三次元構造54c、154c、254c)の先端部分、及び、非入力領域における凸部(凸状の三次元構造54a、154a、254a)の先端部分よりも曲率が小さい。
【0129】
これによれば、第1入力領域におけるなぞり操作では操作体が滑らかに動き、中間領域ではなぞり操作による操作体が中間領域の三次元構造54b、154b、254bの先端(凸部の頂点)に引っ掛かるため、ユーザは、入力部2と入力部2の外側との境界上の中間領域を認識することができる。
【0130】
また、タッチ入力装置1e1(図13参照)において、ユーザは、操作体でなぞり操作を行う際に、中間領域の三次元構造154bが第1入力領域の三次元構造154c及び非入力領域の三次元構造154aの高さよりも高いことを、操作体を介した触感で認識することができる。つまり、僅かな段差を設けることで、ユーザは、中間領域を触感でより認識しやすくなる。
【0131】
さらに、このような変形例に係るタッチ入力装置1e2(図12B参照)において、操作パネル253の表面を平面視した場合に、中間領域で並んだそれぞれの凸部(凸状の三次元構造254b)の頂点を並び方向に沿って一繋ぎで結んだときの仮想線がジグザグとなるように、中間領域における凸部の頂点が偏心している。
【0132】
これによれば、中間領域において、頂点の位置が異なる複数の三次元構造254bを並べることができる。このため、タッチ入力装置1e2に対してなぞり操作を行っている操作体が第1入力領域から非入力領域に向かってはみ出す際に、ユーザは、段差だけでなく、指先に対する上下方向及び左右方向の変化(三次元構造254bの形状の変化)を認識することができる。したがって、ユーザは、中間領域を触感でより認識しやすくなる。
【0133】
(変形例6)
まず、本変形例について、図14A及び図14Bを用いて説明する。
【0134】
図14Aは、変形例6におけるタッチ入力装置1fの平面図、及びタッチ入力装置1fの断面図である。図14Bは、変形例6における別のタッチ入力装置1f1の平面図、及び別のタッチ入力装置1f1の断面図である。
【0135】
本変形例では、変形例5に対してさらに、中間領域における凸部の頂点が偏心している。また、操作パネル63の表面を平面視した場合、第1入力領域、及び、非入力領域における凸部の頂点は、中心に位置している。
【0136】
また、図14Aに示すように、中間領域における凸部の先端部分は、第1入力領域、及び、非入力領域における凸部の先端部分よりも曲率が小さい。なお、中間領域における凸部の先端部分は、第1入力領域及び非入力領域のそれぞれにおける凸部の先端部分よりも曲率が大きくてもよい。この場合、引っ掛からない触感を中間領域で感じることができる。
【0137】
また、図14Bに示すように、中間領域における凸状の三次元構造164bの頂点は、三次元構造164bを俯瞰して見た場合に、中間領域で並んだそれぞれの凸部(凸状の三次元構造164b)の頂点を並び方向に沿って一繋ぎで結んだときの二点鎖線で示す仮想線がジグザグとなるように、凸状の三次元構造164bの頂点が偏心していてもよい。つまり、凸状の三次元構造164bの頂点のそれぞれが異なるように位置していてもよい。このように、形状の異なる複数の三次元構造164bを用いることができるため、三次元構造164bの頂点の位置が図14Bの平面図の上下方向における位置に応じて変化するように複数の三次元構造164bを並べることができる。
【0138】
なお、中間領域における複数ある凸状の三次元構造64b、164bの頂点のうちの少なくとも一部が、非入力領域よりも第1入力領域に近づくように偏心していてもよい。
【0139】
また、複数ある凸状の三次元構造164bのうちの一部は、第1入力領域における凸状の三次元構造164c、及び、非入力領域における凸状の三次元構造164aと同様の形状であってもよい。
【0140】
本実施の形態において、中間領域における凸部の先端部分の曲率はRが0.1、第1入力領域及び非入力領域のそれぞれにおける凸部の先端部分の曲率はRが0.5である。
【0141】
このような変形例に係るタッチ入力装置1f、1f1において、操作パネル63、163の表面を平面視した場合、第1入力領域における凸部の頂点(凸状の三次元構造64c、164c)、及び、非入力領域における凸部(凸状の三次元構造64a、164a)の頂点はそれぞれが中心に位置している。そして、中間領域における凸部(凸状の三次元構造64b、164b)の頂点は、偏心している。
【0142】
これによれば、第1入力領域におけるなぞり操作では操作体が滑らかに動き、中間領域ではなぞり操作による操作体が中間領域の三次元構造64b、164bの先端(凸部の頂点)に引っ掛かるため、ユーザは、入力部2と入力部2の外側との境界上の中間領域を認識することができる。
【0143】
また、ユーザは、操作体でなぞり操作を行う際に、中間領域の三次元構造64b、164bが第1入力領域の三次元構造64c、164c及び非入力領域の三次元構造64a、164aの高さよりも高いことを、操作体を介した触感で認識することができる。つまり、僅かな段差を設けることで、ユーザは、中間領域を触感でより認識しやすくなる。
【0144】
さらに、このような変形例に係るタッチ入力装置1f1(図14B参照)において、操作パネル163の表面を平面視した場合に、中間領域で並んだそれぞれの凸部(凸状の三次元構造164b)の頂点を並び方向に沿って一繋ぎで結んだときの仮想線がジグザグとなるように、中間領域における凸部の頂点が偏心している。
【0145】
これによれば、中間領域において、頂点の位置が異なる複数の三次元構造164bを並べることができる。このため、タッチ入力装置1f1に対してなぞり操作を行っている操作体が第1入力領域から非入力領域に向かってはみ出す際に、ユーザは、段差だけでなく、指先に対する上下方向及び左右方向の変化(三次元構造164bの形状の変化)を認識することができる。したがって、ユーザは、中間領域を触感でより認識しやすくなる。
【0146】
(変形例7)
まず、本変形例について、図15及び図16を用いて説明する。
【0147】
図15は、変形例7におけるタッチ入力装置1gの平面図、及びタッチ入力装置1gの断面図である。図16は、変形例7における別のタッチ入力装置1g1の平面図、及び別のタッチ入力装置1g1の断面図である。
【0148】
本変形例では、図15に示すように、操作パネル73における中間領域の三次元構造74bにおいて、第1入力領域側と非入力領域側とで形状が異なっている。
【0149】
本変形例では、中間領域の三次元構造74b、第1入力領域の三次元構造74c、及び、非入力領域の三次元構造74aのそれぞれは、柱状をなした凸部であるが、図15では円柱状の凸部を例示している。
【0150】
本変形例では、中間領域における凸部(凸状の三次元構造74b)の先端部分は、第1入力領域側の第1端縁部75aと、非入力領域側の第2端縁部75bとを有している。第1端縁部75aは第1入力領域側に面し、第2端縁部75bは非入力領域側に面している。この場合、第1端縁部75aは、第1入力領域における凸部の端縁部、及び、非入力領域における凸部の端縁部の曲率よりも小さい。また、第1端縁部75aは、第2端縁部75bよりも曲率が小さい。このため、第1端縁部75aは、第2端縁部75bよりも尖っている。また、第2端縁部75bの曲率は、第1入力領域における凸部の端縁部、及び、非入力領域における凸部の端縁部のそれぞれの曲率と同様であってもよい。
【0151】
なお、第1端縁部75aは、第2端縁部75bと曲率が同様であってもよい。この場合、第1端縁部75a及び第2端縁部75bの曲率は、第1入力領域における凸部の端縁部、及び、非入力領域における凸部の端縁部の曲率よりも小さい。このため、第1端縁部75aも第2端縁部75bも尖っていてもよい。これによれば、操作体でなぞり操作を行い、中間領域を越えて非入力領域に侵入した場合、なぞり操作を行いながら操作体を第1入力領域へ戻すときに、ユーザは、第1入力領域へ侵入したことを触感で認識することができる。
【0152】
本実施の形態において、第1入力領域の三次元構造74c、中間領域の三次元構造74b、及び、非入力領域の三次元構造74aは、円柱直径が2.5mm、円柱高さが1mm、円柱ピッチが5mmである。また、本実施の形態において、中間領域における第1端縁部75aの曲率はRが0.1、第1入力領域及び非入力領域のそれぞれにおける凸部の先端部分の曲率はRが0.5である。
【0153】
なお、図16に示すように、操作パネル173の中間領域における凸状の三次元構造174bの高さは、第1入力領域における凸状の三次元構造174c、及び、非入力領域における凸状の三次元構造174aの高さよりも高い。中間領域における凸状の三次元構造174bの高さは、第1入力領域における凸状の三次元構造174c、及び、非入力領域における凸状の三次元構造174aのそれぞれの高さの2倍以下の高さであることが好ましい。
【0154】
このような変形例に係るタッチ入力装置1g、1g1において、中間領域の三次元構造74b、第1入力領域の三次元構造74c、及び、非入力領域の三次元構造74aのそれぞれは、柱状をなした凸部である。また、中間領域における凸部(凸状の三次元構造174b)の先端部分が有する第1入力領域側の端縁部(第1端縁部75a)は、第1入力領域における凸部の端縁部及び非入力領域における凸部の端縁部のそれぞれの曲率よりも小さい。
【0155】
これによれば、ユーザは、操作体でなぞり操作を行う際に、中間領域における三次元構造74bの第1端縁部75aに引っ掛かるため、ユーザは、入力部2と入力部2の外側との境界上の中間領域を認識することができる。
【0156】
また、ユーザは、操作体でなぞり操作を行う際に、中間領域の三次元構造174bが第1入力領域の三次元構造174c及び非入力領域の三次元構造174aの高さよりも高いことを、操作体を介した触感で認識することができる。つまり、僅かな段差を設けることで、ユーザは、中間領域を触感でより認識しやすくなる。
【0157】
(変形例8)
まず、本変形例について、図17及び図18を用いて説明する。
【0158】
図17は、変形例8におけるタッチ入力装置1hの平面図、及びタッチ入力装置1hの断面図である。図18は、変形例8における別のタッチ入力装置1h1の平面図、及び別のタッチ入力装置1h1の断面図である。
【0159】
図17に示すように、本変形例では、操作パネル83における中間領域の三次元構造84bにおいて、第1入力領域側と非入力領域側とで形状が異なっている。
【0160】
本変形例では、中間領域の三次元構造84bである凹部の開口部は、第1入力領域側の第1穴縁部85aと、非入力領域側の第2穴縁部85bとを有している。つまり、第1穴縁部85aは第1入力領域側に面し、第2穴縁部85bは非入力領域側に面している。この場合、中間領域に配置される凹部(凹状の三次元構造84b)の開口部における第2穴縁部85bは、第1入力領域の凹部の開口部及び非入力領域の凹部の開口部におけるそれぞれの穴縁部の曲率よりも小さい。また、第2穴縁部85bは、第1穴縁部85aよりも曲率が小さい。このため、第2穴縁部85bは、第1穴縁部85aよりも尖っている。また、第1穴縁部85aの曲率は、第1入力領域に配置される凹部(凹状の三次元構造84c)の開口部及び非入力領域に配置される凹部(凹状の三次元構造84a)の開口部におけるそれぞれの穴縁部の曲率と同様であってもよい。
【0161】
なお、第1穴縁部85aは、第2穴縁部85bと曲率が同様であってもよい。この場合、第1穴縁部85a及び第2穴縁部85bの曲率は、第1入力領域の凹部の開口部及び非入力領域の凹部の開口部におけるそれぞれの穴縁部の曲率よりも小さい。このため、第1穴縁部85aも第2穴縁部85bも尖っていてもよい。これによれば、操作体でなぞり操作を行い、中間領域を越えて非入力領域に侵入した場合、なぞり操作を行いながら操作体を第1入力領域へ戻すときに、ユーザは、第1入力領域へ侵入したことを触感で認識することができる。
【0162】
また、本変形例では、中間領域の第2穴縁部85bは、入力部2と入力部2の外側との境界に接するように、境界の外側に配置されている。つまり、中間領域の第2穴縁部85bは、操作パネル83と入力部2とを重ねて見た場合に、入力部2と入力部2の外側との境界に沿って配置されている。
【0163】
本実施の形態において、第1入力領域の三次元構造84c、中間領域の三次元構造84b、及び、非入力領域の三次元構造84aは、穴直径が2.5mm、穴深さが1mm、穴ピッチが5mmである。また、本実施の形態において、中間領域における第2穴縁部85bの曲率はRが0.1、第1入力領域及び非入力領域のそれぞれに配置される凹部の開口部の曲率はRが0.5である。
【0164】
なお、図18に示すように、操作パネル183における中間領域における凸状の三次元構造184bの高さは、第1入力領域における凸状の三次元構造184c、及び、非入力領域における凸状の三次元構造184aの高さよりも高い。中間領域における凸状の三次元構造の高さは、第1入力領域における凸状の三次元構造184c、及び、非入力領域における凸状の三次元構造184aのそれぞれの高さの2倍以下の高さであることが好ましい。
【0165】
このような変形例に係るタッチ入力装置1h、1h1において、中間領域の三次元構造84b、第1入力領域の三次元構造84c、及び、非入力領域の三次元構造84aのそれぞれは、凹部である。また、中間領域の三次元構造84cである凹部(凹状の三次元構造84b)の開口部が有する非入力領域側の穴縁部(第2穴縁部85b)は、第1入力領域における凹部(凹状の三次元構造84c)の開口部、及び、非入力領域における凹部(凹状の三次元構造84a)の開口部のそれぞれの穴縁部よりも曲率が小さい。
【0166】
これによれば、ユーザは、操作体でなぞり操作を行う際に、中間領域における三次元構造84bの第2穴縁部85bに引っ掛かるため、ユーザは、入力部2と入力部2の外側との境界上の中間領域を認識することができる。
【0167】
また、ユーザは、操作体でなぞり操作を行う際に、中間領域の三次元構造184bが第1入力領域の三次元構造184c及び非入力領域の三次元構造184aの高さよりも高いことを、操作体を介した触感で認識することができる。つまり、僅かな段差を設けることで、ユーザは、中間領域を触感でより認識しやすくなる。
【0168】
(変形例9)
まず、本変形例について、図19A図19Dを用いて説明する。
【0169】
図19Aは、変形例9におけるタッチ入力装置1iの平面図である。図19Bは、変形例9における別のタッチ入力装置1i1の平面図である。図19Cは、変形例9におけるさらに別のタッチ入力装置1i2の平面図である。図19Dは、変形例9におけるさらに別のタッチ入力装置1i3の平面図である。
【0170】
本変形例では、図19A図19Dに示すように、中間領域の三次元構造94bは、連続的に配置、又は、一定の周期で配置されていてもよい。
【0171】
例えば、図19Aのドットのハッチングで示すように、操作パネル93aにおける中間領域の三次元構造94bは、線状となるように連続的に並んで配置されていてもよい。
【0172】
また、図19Bのドットのハッチングで示すように、操作パネル93bにおける中間領域の三次元構造94bは、連続的に並んだ線が複数列、形成されるように配置されていてもよい。
【0173】
また、図19Cのドットのハッチングで示すように、操作パネル93cにおける中間領域の三次元構造94bは、線状となるように所定の周期で離散的に並んで配置されていてもよい。
【0174】
また、図19Dのドットのハッチングで示すように、操作パネル93dにおける中間領域の三次元構造94bは、所定の周期で離散的に並んだ線が複数列、形成されるように配置されていてもよい。
【0175】
このような変形例に係るタッチ入力装置1i、1i1、1i2、1i3において、中間領域の三次元構造94b、第1入力領域の三次元構造94c、及び、非入力領域の三次元構造94aのそれぞれは、凹状又は凸状をなしている。また、第1入力領域の三次元構造94c、及び、非入力領域の三次元構造94aのそれぞれは、連続的に配置されている。そして、中間領域の三次元構造94bは、連続的に配置、又は、一定の周期で配置されている。
【0176】
これによれば、中間領域における三次元構造94bの配置を適宜組み合わせて調節することで、中間領域においてユーザに与える触感の違いを強めたり、弱めたりすることができる。
【0177】
また、中間領域のわずかに異なる三次元構造94bを目立たなくする等の見え方を調整することができる。
【0178】
(その他の変形例)
以上、本開示に係るタッチ入力装置及び操作パネルの製造方法について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものも、本開示の範囲に含まれてもよい。
【0179】
例えば、上記実施の形態に係るタッチ入力装置及び操作パネルの製造方法において、第1入力領域の三次元構造と、非入力領域の三次元構造とは同一の形状であってもよい。また、第1入力領域の三次元構造と、第2入力領域の三次元構造と、非入力領域の三次元構造とは同一の形状であってもよい。また、第1入力領域内の全ての三次元構造は、同一の形状であってもよい。また、第2入力領域内の全ての三次元構造は、同一の形状であってもよい。
【0180】
また、上記実施の形態に係るタッチ入力装置及び操作パネルの製造方法において、非入力領域内の全ての三次元構造が中間領域内の全ての三次元構造と同一の形状であってもよい。この場合、タッチ入力装置に対してなぞり操作を行っている操作体が、第1入力領域から非入力領域に向かってはみ出したときに、ユーザは触感の違いを認識することができる。これにより、ユーザが触感の違いを認識することで、ユーザに対して操作体を第1入力領域へ戻すように誘導することができる。
【0181】
また、上記実施の形態に係るタッチ入力装置及び操作パネルの製造方法において、操作パネルは、光透過性を有していてもよい。具体的には、操作パネルにおいて、第1入力領域、非入力領域、及び、中間領域のうちの少なくとも1つは、光透過性を有していてもよい。これにより、例えば、操作パネルに意匠を表示することができる。また、第1入力領域、非入力領域、及び、中間領域のそれぞれを視覚的に識別することができるように、操作パネルから光を出射することもできる。例えば、操作パネルの表面側とは反対側の裏面側に光源又は画像表示装置を配置し、光源又は画像表示装置から光を発することで、第1入力領域、非入力領域、及び、中間領域のうちの少なくとも1つから光を透過させてもよい。
【0182】
また、上記実施の形態に係るタッチ入力装置及び操作パネルの製造方法において、タッチ入力装置は、タッチセンサを有するタッチパッドの場合を例示しているが、例えば操作パネルの入力部に配置された、電源及び照明等のON/OFF操作を行うアイコンキー、上下左右キー等のタッチボタンであってもよい。この場合でも、上記実施の形態によれば、タッチボタンの位置を触感で認識することが可能となる。
【0183】
また、上記実施の形態に係るタッチ入力装置及び操作パネルの製造方法において、図12A図14Bでは、中間領域における凸部の先端部分は、第1入力領域、及び、非入力領域における凸部の先端部分よりも曲率が小さいが、逆であってもよい。つまり、中間領域における凸部の先端部分は、第1入力領域、及び、非入力領域における凸部の先端部分よりも曲率が大きくてもよい。この場合、引っ掛からない触感を中間領域で感じることができる。
【0184】
また、上記実施の形態に係るタッチ入力装置及び操作パネルの製造方法において、中間領域に凸部が複数列形成されている場合、一列ごとに凸部の頂点を並び方向に沿って一繋ぎで結んだときの仮想線がジグザグとなるように、中間領域における凸部の頂点が偏心していてもよい。
【0185】
なお、上記の実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。つまり、本実施の形態、変形例1~9、及びその他の変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【0186】
(付記)
以下に、上記各実施の形態に基づいて説明したタッチ入力装置及び操作パネルの製造方法の特徴を示す。
【0187】
<技術1>
操作入力を受け付ける第1入力領域と、前記第1入力領域の周囲に配置され、操作入力を受け付けない非入力領域と、前記第1入力領域を囲むように、前記第1入力領域と前記非入力領域との間に配置される中間領域とを有する操作パネルと、
少なくとも、前記第1入力領域に対する入力を受け付ける入力部とを備え、
前記操作パネルの表面には、前記第1入力領域、前記非入力領域、及び、前記中間領域のそれぞれにおいて、凹状又は凸状の微細な三次元構造が形成され、
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のうちの少なくとも1つは、形状が異なる
タッチ入力装置。
【0188】
<技術2>
前記中間領域は、操作入力を受け付けることが可能な領域である
技術1に記載のタッチ入力装置。
【0189】
<技術3>
前記中間領域と前記非入力領域との間には、操作入力を受け付ける第2入力領域が形成されている
技術2に記載のタッチ入力装置。
【0190】
<技術4>
前記中間領域の前記三次元構造は、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造と異なっている
技術1~3のいずれか1つに記載のタッチ入力装置。
【0191】
<技術5>
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、前記操作パネルを平面視した場合に、円形状の溝、多角形状の溝、円形状の壁、又は、多角形状の壁である
技術1~4のいずれか1つに記載のタッチ入力装置。
【0192】
<技術6>
前記中間領域の前記三次元構造の高さは、前記第1入力領域の前記三次元構造の高さ、及び、前記非入力領域の前記三次元構造の高さよりも高い
技術1~5のいずれか1つに記載のタッチ入力装置。
【0193】
<技術7>
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、錐状をなした凸部であり、
前記操作パネルの表面を平面視した場合、
前記第1入力領域における前記凸部の頂点、及び、前記非入力領域における前記凸部の頂点はそれぞれが中心に位置し、
前記中間領域における前記凸部の頂点は偏心している
技術1~6のいずれか1つに記載のタッチ入力装置。
【0194】
<技術8>
前記中間領域における前記凸部の頂点は、前記非入力領域よりも前記第1入力領域に近づくように偏心している
技術7に記載のタッチ入力装置。
【0195】
<技術9>
前記操作パネルの表面を平面視した場合に、前記中間領域で並んだそれぞれの前記凸部の頂点を並び方向に沿って一繋ぎで結んだときの仮想線がジグザグとなるように、前記中間領域における前記凸部の頂点が偏心している
技術8に記載のタッチ入力装置。
【0196】
<技術10>
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、錐状をなした凸部であり、
前記中間領域における前記凸部の先端部分は、前記第1入力領域における前記凸部の先端部分、及び、前記非入力領域における前記凸部の先端部分よりも曲率が小さい
技術1~9のいずれか1つに記載のタッチ入力装置。
【0197】
<技術11>
前記操作パネルの表面を平面視した場合、
前記第1入力領域における前記凸部の頂点、及び、前記非入力領域における前記凸部の頂点はそれぞれが中心に位置し、
前記中間領域における前記凸部の頂点は、偏心している
技術10に記載のタッチ入力装置。
【0198】
<技術12>
前記操作パネルの表面を平面視した場合に、前記中間領域におけるそれぞれの前記凸部の頂点を並び方向に沿って一繋ぎで結んだときの仮想線がジグザグとなるように、前記中間領域における前記凸部の頂点が偏心している
技術11に記載のタッチ入力装置。
【0199】
<技術13>
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、柱状をなした凸部であり、
前記中間領域における前記凸部の先端部分が有する前記第1入力領域側の端縁部は、前記第1入力領域における前記凸部の端縁部及び前記非入力領域における前記凸部の端縁部よりも曲率が小さい
技術1~12のいずれか1つに記載のタッチ入力装置。
【0200】
<技術14>
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、凹部であり、
前記中間領域の前記三次元構造である前記凹部の開口部が有する前記非入力領域側の穴縁部は、前記第1入力領域における前記凹部の開口部、及び、前記非入力領域における前記凹部の開口部のそれぞれの穴縁部よりも曲率が小さい
技術1~12のいずれか1つに記載のタッチ入力装置。
【0201】
<技術15>
前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、連続的に配置され、
前記中間領域の前記三次元構造は、連続的に配置、又は、一定の周期で配置されている
技術1~14のいずれか1つに記載のタッチ入力装置。
【0202】
<技術16>
前記第1入力領域、前記非入力領域、及び、前記中間領域のうちの少なくとも1つは、光透過性を有する
技術1~15のいずれか1つに記載のタッチ入力装置。
【0203】
<技術17>
前記操作パネルの表面は、艶消しされている
技術1~16のいずれか1つに記載のタッチ入力装置。
【0204】
<技術18>
タッチ入力装置が有する操作パネルの製造方法であって、
前記操作パネルの表面には、操作入力を受け付ける第1入力領域と、前記第1入力領域の周囲に配置され、操作入力を受け付けない非入力領域と、前記第1入力領域を囲むように、前記第1入力領域と前記非入力領域との間に配置される中間領域とが形成され、
前記第1入力領域、前記非入力領域、及び、前記中間領域は、凹状又は凸状の微細な三次元構造が形成され、
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のうちの少なくとも1つは、形状が異なり、
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、金型を用いて前記操作パネルの表面に転写されることで形成される
操作パネルの製造方法。
【0205】
<技術19>
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、金型を用いた射出成形によって前記操作パネルの表面に転写形成される
技術18に記載の操作パネルの製造方法。
【0206】
<技術20>
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、金型をフィルム又はパネル表面に押圧することによって前記操作パネルの表面に転写形成される
技術18に記載の操作パネルの製造方法。
【0207】
<技術21>
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、金型表面に塗布した樹脂が硬化することによって前記操作パネルの表面に転写形成される
技術18に記載の操作パネルの製造方法。
【0208】
<技術22>
タッチ入力装置が有する操作パネルの製造方法であって、
前記操作パネルの表面には、操作入力を受け付ける第1入力領域と、前記第1入力領域の周囲に配置され、操作入力を受け付けない非入力領域と、前記第1入力領域を囲むように、前記第1入力領域と前記非入力領域との間に配置される中間領域とが形成され、
前記第1入力領域、前記非入力領域、及び、前記中間領域は、凹状又は凸状の微細な三次元構造が形成され、
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のうちの少なくとも1つは、形状が異なり、
前記中間領域の前記三次元構造、前記第1入力領域の前記三次元構造、及び、前記非入力領域の前記三次元構造のそれぞれは、フィルム又はパネル表面に印刷することによって前記操作パネルの表面に形成される
操作パネルの製造方法。
【産業上の利用可能性】
【0209】
本開示のタッチ入力装置及び操作パネルの製造方法は、例えば車両、航空機等の移動体、施設等における表示装置の操作入力装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0210】
2 入力部
1、1a、1b、1c、1c1、1d、1d1、1d2、1e、1e1、1e2、1f、1f1、1g、1g1、1h、1h1、1i、1i1、1i2、1i3 タッチ入力装置
13、23、33、43、53、63、73、83、123、143、153、173、183 操作パネル
14a、34a、44a、54a、64a、74a、84a、124a、134a、144a、154a、164a、174a、184a、244a、254a 非入力領域の三次元構造
14b、34b、44b、54b、64b、74b、84b、124b、134b、144b、154b、164b、174b、184b、244b、254b 中間領域の三次元構造
14c、34c、44c、54c、64c、74c、84c、124c、134c、144c、154c、164c、174c、184c、244c、254c 第1入力領域の三次元構造
75a 端縁部(第1端縁部)
85b 穴縁部(第2穴縁部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図19D