(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010902
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】マスク製造装置
(51)【国際特許分類】
B26D 9/00 20060101AFI20240118BHJP
B26F 1/20 20060101ALI20240118BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20240118BHJP
A41D 13/11 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B26D9/00
B26F1/20
B26D7/06 Z
A41D13/11 Z
A41D13/11 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112481
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】591040708
【氏名又は名称】株式会社瑞光
(74)【代理人】
【識別番号】100114502
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 俊則
(72)【発明者】
【氏名】岩村 洋佑
【テーマコード(参考)】
3C060
【Fターム(参考)】
3C060AA03
3C060AB01
3C060BA08
3C060BB08
3C060BD04
3C060BE07
3C060BG18
3C060BH01
(57)【要約】
【課題】伸縮性に優れた一対の耳掛け部を有するマスクを製造する工程において、ミシン目に沿って破断が生じることを防ぐ。
【解決手段】マスク製造装置20は、伸縮性を有する第1及び第2の延出部連続体14a,14bに、その間を跨ぐように接続部材15が接合された耳掛け部連続体14を、第1及び第2の延出部連続体14a,14bが伸長している第1の状態が解除又は緩和された第2の状態で搬送しながら、接続部材15と、第1及び第2の延出部連続体14a,14bのうち接続部材15に重なる部分とにミシン目15kを形成するミシン目形成装置24と、ミシン目15kが形成された耳掛け部連続体14を第2の状態で搬送しながら、マスク本体連続体12に重ねて接合してマスク連続体16を形成するマスク連続体形成装置30と、マスク連続体16を切断してマスク10の個片を形成する切断装置36と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行かつ間隔を設けて延在し伸縮性を有する第1及び第2の延出部連続体の間を跨ぐように、複数の接続部材が間隔を設けて前記第1及び第2の延出部連続体に接合された耳掛け部連続体を、前記第1及び第2の延出部連続体が伸長している第1の状態が解除又は緩和された第2の状態で搬送しながら、前記耳掛け部連続体の前記接続部材と、前記耳掛け部連続体の前記第1及び第2の延出部連続体のうち前記接続部材に重なる部分とに、ミシン目を形成するミシン目形成装置と、
前記ミシン目が形成された前記耳掛け部連続体を、前記第2の状態で搬送しながら、マスク本体になる部分が繋がっているマスク本体連続体に重ねた後、前記耳掛け部連続体の前記第1及び第2の延出部連続体と前記マスク本体連続体とを互いに接合してマスク連続体を形成するマスク連続体形成装置と、
前記マスク連続体を切断してマスクの個片を形成する切断装置と、
を備える、マスク製造装置。
【請求項2】
前記ミシン目が形成される前の前記耳掛け部連続体の前記第1の延出部連続体を吸着しながら前記第2の状態で搬送する第1の搬送装置と、
前記ミシン目が形成される前の前記耳掛け部連続体の前記第2の延出部連続体を吸着しながら前記第2の状態で搬送する第2の搬送装置と、
をさらに備える、請求項1に記載のマスク製造装置。
【請求項3】
前記ミシン目が形成される前の前記耳掛け部連続体を、前記第1の状態で搬送する第3の搬送装置を、さらに備える、請求項1又は2に記載のマスク製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク製造装置に関し、詳しくは、伸縮性に優れた耳掛け部を有するマスクを製造する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マスク本体に一対の耳掛け部が接合されたマスクが提案されている。例えば
図5は、このようなマスク110の平面図である。
図5に示すように、マスク110は、マスク本体120に、一対の耳掛け部130を形成する耳掛けシート130aが接合されている。
【0003】
一対の耳掛け部130は、それぞれ、接合部131及び環状部132を有する。接合部131は、マスク本体120の端部領域121に接合点122を介して融着によって接合されている。一対の耳掛け部130の環状部132は、接合部134で互いに接合されている。接合部131及び環状部132の内側に、耳掛け穴133が形成されている。マスク110を使用するとき、一対の耳掛け部130を接合部134で分離し、それぞれの耳掛け穴133に耳を挿入する。
【0004】
図6は、マスク110の製造工程の説明図である。
図6に示すように、各マスク本体120を保持ロール141のシート保持面142に保持しながら矢印140の方向に搬送する。同時に、ダイカッター123のシート保持面124が、耳掛けシート130aになる部分を形成した耳掛け部連続体14121bを矢印220で示す方向に搬送する。そして、保持ロール141上のマスク本体120と、耳掛け部連続体14121bの耳掛けシート130aになる部分とが互いに重ねられ接合された後に切断されて、マスク110の個片が分割される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のマスクは、耳掛け穴の部分を素材から切除するため素材の無駄が多い上、伸縮性に優れた耳掛け部を形成することができない。
【0007】
そこで、伸縮性を有する一対の延出部材の両端がマスク本体の側部に接合されるとともに、一対の延出部材の中央に、一対の延出部材の間を跨ぐように接続部材が接合され、接続部材と、一対の延出部材の接続部材に重なる部分とにミシン目が形成されたマスクを製造することが考えられる。このマスクは、ミシン目に沿って、接続部材と一対の延出部材とを破断して分離することにより、耳掛け穴を有する一対の耳掛け部を形成することができる。このマスクは、耳掛け部になる部分が繋がっている耳掛け部連続体と、マスク本体になる部分が繋がっているマスク本体連続体とを搬送しながら重ねて接合した後、切断することにより、効率よく製造することができる。
【0008】
しかしながら、耳掛け部を分離しやすくするためミシン目を細かくすると、マスクの製造中に、ミシン目に沿って破断が生じることがある。
【0009】
かかる実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、伸縮性に優れた一対の耳掛け部を有するマスクを製造する工程において、ミシン目に沿って破断が生じることを防ぐことである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成したマスク製造装置を提供する。
【0011】
マスク製造装置は、(a)互いに平行かつ間隔を設けて延在し伸縮性を有する第1及び第2の延出部連続体の間を跨ぐように、複数の接続部材が間隔を設けて前記第1及び第2の延出部連続体に接合された耳掛け部連続体を、前記第1及び第2の延出部連続体が伸長している第1の状態が解除又は緩和された第2の状態で搬送しながら、前記耳掛け部連続体の前記接続部材と、前記耳掛け部連続体の前記第1及び第2の延出部連続体のうち前記接続部材に重なる部分とに、ミシン目を形成するミシン目形成装置と、(b)前記ミシン目が形成された前記耳掛け部連続体を、前記第2の状態で搬送しながら、マスク本体になる部分が繋がっているマスク本体連続体に重ねた後、前記耳掛け部連続体の前記第1及び第2の延出部連続体と前記マスク本体連続体とを互いに接合してマスク連続体を形成するマスク連続体形成装置と、(c)前記マスク連続体を切断してマスクの個片を形成する切断装置と、を備える。
【0012】
上記構成によれば、耳掛け部連続体の第1及び第2の延出部連続体が伸長している第1の状態が解除又は緩和されている第2の状態で、ミシン目を形成し、ミシン目を形成した後も第2の状態のまま、マスクを製造することができる。第2の状態にすることにより、ミシン目の両側に作用する張力を無くし、又は弱くすることができるので、伸長している第1の状態で形成した場合にはミシン目の両側に作用する張力によって裂けてしまうような細かいミシン目等であっても、ミシン目に沿って破断が生じることなく形成することができる。
【0013】
好ましくは、マスク製造装置は、(d)前記ミシン目が形成される前の前記耳掛け部連続体の前記第1の延出部連続体を吸着しながら前記第2の状態で搬送する第1の搬送装置と、(e)前記ミシン目が形成される前の前記耳掛け部連続体の前記第2の延出部連続体を吸着しながら前記第2の状態で搬送する第2の搬送装置と、をさらに備える。
【0014】
この場合、ミシン目を形成するときに、耳掛け部連続体の第1及び第2の延出部連続体の位相ずれが生じている場合に、その位相ずれを無くすように、第1及び/又は第2の搬送装置を制御して、所定位置にミシン目を精度よく形成することができる。これにより、ミシン目に沿って破断が生じることを、より確実に防ぐことができる。また、マスクの外観品質を保つことができる。
【0015】
好ましくは、マスク製造装置は、(f)前記ミシン目が形成される前の前記耳掛け部連続体を、前記第1の状態で搬送する第3の搬送装置を、さらに備える。
【0016】
この場合、耳掛け部連続体を連続的に形成しながら、マスク製造装置に供給することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、伸縮性に優れた一対の耳掛け部を有するマスクを製造する工程において、ミシン目に沿って破断が生じることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1はマスク製造装置の略図である。(実施例1)
【
図2】
図2はマスクの製造工程の説明図である。(実施例1)
【
図3】
図3は接続部材15の傾きの説明図である。(実施例1)
【
図6】
図6はマスクの製造工程の説明図である。(従来例1)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
<実施例1> 実施例1のマスク製造装置20について、
図1~
図4を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、マスク製造装置20の構成を示す略図である。
図2は、マスクの製造工程の説明図である。
【0022】
図1に示すように、マスク製造装置20は、第1及び第2の搬送ユニット21,22と、ミシン目形成装置24と、マスク連続体形成装置30と、切断装置36と、位相ずれ制御装置28とを備える。
【0023】
第1の搬送ユニット21は、矢印21p,21qで示す方向に回転する一対のロール21a,21bの間に耳掛け部連続体14を挟み、矢印14xで示す方向に耳掛け部連続体14を搬送する。一対のロール21a,21bの少なくとも一方が回転駆動される。
【0024】
耳掛け部連続体14は、
図2に示すように、互いに平行かつ間隔を設けて延在し伸縮性を有する第1及び第2の延出部連続体14a,14bの間を跨ぐように、複数の接続部材15が互いに間隔を設けて梯子状に、第1及び第2の延出部連続体14a,14bに接合されている。
【0025】
例えば、耳掛け部連続体14の第1及び第2の延出部連続体14a,14bは、搬送されている2枚の帯状の不織布シートの間に、伸長状態の1本又は複数本の弾性部材を挟んだ状態で、搬送方向に間隔を設けて不織布シートと弾性部材とを互いに接合することにより、連続的に形成する。弾性部材は、例えば、熱可塑性樹脂で被覆された糸ゴムや樹脂シート等である。
【0026】
接続部材15は、搬送されている帯状の不織布シートを、搬送方向に間隔を設けて切断することにより、連続的に形成する。
【0027】
第1及び第2の延出部連続体14a,14bを、弾性部材が伸長している状態のまま互いに平行に搬送し、第1及び第2の延出部連続体14a,14bの間を跨ぐように、搬送方向に間隔を設けて接続部材15を順次、第1及び第2の延出部連続体14a,14bに接合することにより、耳掛け部連続体14を連続的に形成する。このように耳掛け部連続体14を連続的に形成しながら、第1の搬送ユニット21で、第1及び第2の延出部連続体14a,14bが伸長している第1の状態で、耳掛け部連続体14を搬送する。第1の搬送ユニット21は、第3の搬送装置である。
【0028】
予め形成しておいた耳掛け部連続体14を、マスク製造装置20に供給してもよい。この場合には、第1の搬送ユニット21を省略することができる。
【0029】
第2の搬送ユニット22は、第1の搬送ユニット21よりも遅い搬送速度で耳掛け部連続体14を搬送する。これにより、耳掛け部連続体14は、第1及び第2の延出部連続体14a,14bが伸長している第1の状態が解除又は緩和された第2の状態で、搬送される。すなわち、耳掛け部連続体14は、第1の搬送ユニット21の一対のロール21a,21bが互いに対向する第1の対向位置Aまで、第1及び第2の延出部連続体14a,14bが伸長している第1の状態で搬送され、第1の対向位置Aを通過すると、第1の状態が解除又は緩和された第2の状態で搬送される。
【0030】
第2の搬送ユニット22は、耳掛け部連続体14の第1の延出部連続体14aを吸着しながら第2の状態で搬送する第1のバキュームコンベア22a(
図3参照)と、耳掛け部連続体14の第2の延出部連続体14bを吸着しながら第2の状態で搬送する第2のバキュームコンベア22b(
図3参照)と、を有する。第1及び第2のバキュームコンベア22a,22bは、第1及び第2の搬送装置である。
【0031】
第1及び第2のバキュームコンベア22a,22bは、
図1に示すように、一対のプーリ22p,22qの間を、通気性を有する無端ベルト22vが、矢印22mで示す方向に循環する。一対のプーリ22p,22qの間に、負圧源に接続された不図示の吸引ボックスが配置されている。無端ベルト22vの内側の主面が吸引ボックスに対向する区間において、無端ベルト22vの外側の主面に耳掛け部連続体14の第1及び第2の延出部連続体14a,14bが吸着されながら、矢印22rで示す方向に搬送される。
【0032】
ミシン目形成装置24は、耳掛け部連続体14を第2の状態で搬送し、耳掛け部連続体14にミシン目15kを形成する。ミシン目形成装置24は、互いに対向するように配置され、矢印24m,24nで示す方向に回転するカッターロール24aとアンビルロール24bとを有する。耳掛け部連続体14は、アンビルロール24bの外周面に沿って搬送される。耳掛け部連続体14の接続部材15が、カッターロール24aとアンビルロール24bとが対向する第2の対向位置Bを通過するときに、カッターロール24aの外周面から突出している不図示のカッターの刃先が、接続部材15と、第1及び第2の延出部連続体14a,14bのうち接続部材15に重なる部分とに食い込むことにより、接続部材15と、第1及び第2の延出部連続体14a,14bのうち接続部材15に重なる部分とに、ミシン目15kが形成される。
【0033】
耳掛け部連続体14の第1及び第2の延出部連続体14a,14bを、第1及び第2のバキュームコンベア22a,22bで別々に搬送することにより、ミシン目15kを形成するときに耳掛け部連続体14の第1及び第2の延出部連続体14a,14bの位相ずれが生じている場合に、その位相ずれを無くすように、第1及び/又は第2のバキュームコンベア22a,22bを手動又は自動で制御して、所定位置にミシン目15kを精度よく形成することができる。第1及び第2のバキュームコンベア22a,22bは、省略してもよい。
【0034】
図3は、位相ずれの説明図であり、
図1及び
図2において矢印Xで示す方向から見た耳掛け部連続体14を、概念的に図示している。
【0035】
図3(a)に示すように、第1及び第2のバキュームコンベア22a,22bの無端ベルト22vに吸着されて搬送されている耳掛け部連続体14の第1及び第2の延出部連続体14a,14bの位相がずれていると、接続部材15は、ミシン目15kを形成する第2の対向位置Bを通過するときに、ミシン目15kが形成されるべき所定位置を通る鎖線Yに対して斜め(非直角)になり、ミシン目15kを形成する位置がずれてしまう。この場合、第1及び第2のバキュームコンベア22a,22bのいずれか一方又は両方の搬送速度を増速又は減速することにより、
図3(b)に示すように位相ずれがない状態に戻すと、所定位置にミシン目15kを形成することができる。
【0036】
このように、位相ずれが生じた場合に位相ずれがない状態に自動的に戻すため、
図1に示すように、位相ずれ制御装置28を備える。位相ずれ制御装置28は、省略してもよい。
【0037】
位相ずれ制御装置28は、カメラ25と、照明装置25aと、制御ユニット26とを有する。カメラ25は、ミシン目形成装置24に隣接して配置され、ミシン目形成装置24のアンビルロール24b上の耳掛け部連続体14を撮像し、矢印25sで示すように、画像データを制御ユニット26に送出する。照明装置25aは、カメラ25が撮像する領域を照明する。制御ユニット26は、制御用コンピュータであり、カメラ25からの画像データに基づいて、第1及び第2の延出部連続体14a,14bの位相ずれを検出し、検出した位相ずれを無くすように、第1及び/又は第2のバキュームコンベア22a,22bの搬送速度を制御するための制御信号を、矢印26sで示すように、第1及び第2のバキュームコンベア22a,22bを駆動するモータ用のモータ・ドライバ23a,23bに送出する。
【0038】
マスク連続体形成装置30は、耳掛け部連続体14と、マスク本体10a(
図4参照)になる部分が繋がっているマスク本体連続体12とを重ねた状態で搬送する搬送コンベア32と、超音波シールやヒートシール等によって耳掛け部連続体14の第1及び第2の延出部連続体14a,14bとマスク本体連続体12とを互いに接合する接合装置34とを有する。搬送コンベア32は、耳掛け部連続体14を第2の状態で搬送する。
【0039】
第2の状態で搬送されてミシン目15kが形成された耳掛け部連続体14は、合流位置Cで、矢印12xで示す方向搬送されているマスク本体連続体12に重なり、マスク本体連続体12とともに搬送され、接合位置Dにおいて、接合装置34によって耳掛け部連続体14の第1及び第2の延出部連続体14a,14bとマスク本体連続体12とが互いに接合されて、マスク連続体16が形成され、矢印16xで示す方向に搬送される。マスク連続体16には、
図2に示すように、隣り合う接続部材15の間の鎖線で示す切断予定位置12xの両側に、接合装置34によって接合部17が形成される。
【0040】
例えば、マスク本体連続体12は、1枚又は複数枚の不織布等の帯状のシートを搬送しながら折れ線12aに沿って折り畳むとともに、塑性変形しやすい材料で形成されたノーズフィット部材13を、間隔を設けてシートの間に挟んだ後、シートの適宜箇所を超音波シールやヒートシール等で接合して接合部12bを形成する。マスク本体連続体12は、連続的に形成しながらマスク連続体形成装置30に供給してもよいし、予め形成しておいたマスク本体連続体12をマスク連続体形成装置30に供給してもよい。
【0041】
図1及び
図2に示すように、切断装置36は、切断装置36の切断位置Eをマスク連続体16が通過するときに、マスク連続体16を切断予定位置12xで切断して、マスク10の個片を形成する。
【0042】
図4は、マスク10の平面図である。
図4に示すように、マスク10は、伸縮性を有する一対の延出部材14p,14qの両端が、接合装置34によって形成された接合部17を介して、マスク本体10aの側部10m,10nに接合されている。一対の延出部材14p,14qの中央に、一対の延出部材14p,14qの間を跨ぐように接続部材15が接合されている。接続部材15と、一対の延出部材14p,14qの接続部材15に重なる部分とに、ミシン目15kが形成されている。ミシン目15kに沿って、接続部材15と一対の延出部材14p,14qとを破断して分離することにより、耳掛け穴11p,11qを有する一対の耳掛け部11a,11bを形成することができる。
【0043】
次に、マスク製造装置20を用いてマスクを製造する工程について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
【0044】
まず、互いに平行かつ間隔を設けて延在し伸縮性を有する第1及び第2の延出部連続体14a,14bの間を跨ぐように、複数の接続部材15が間隔を設けて梯子状に、第1及び第2の延出部連続体14a,14bに接合された耳掛け部連続体14を、第1の搬送ユニット21を用いて、第1及び第2の延出部連続体14a,14bが伸長している第1の状態で搬送する。これは、第1の搬送工程である。
【0045】
次いで、第1及び第2の延出部連続体14a,14bの第1の状態が解除又は緩和された第2の状態で、第2の搬送ユニット22を用いて、耳掛け部連続体14を搬送する。これは、第2の搬送工程である。
【0046】
次いで、ミシン目形成装置24を用いて、耳掛け部連続体14を第2の状態で搬送しながら、耳掛け部連続体14の接続部材15と、第1及び第2の延出部連続体14a,14bの接続部材15に重なる部分とに、ミシン目15kを形成する。これは、ミシン目形成工程である。
【0047】
次いで、マスク連続体形成装置30を用いて、ミシン目15kが形成された耳掛け部連続体14を、第2の状態で搬送しながら、マスク本体10aになる部分が繋がっているマスク本体連続体12に重ねた後、耳掛け部連続体14の第1及び第2の延出部連続体14a,14bとマスク本体連続体12とを互いに接合してマスク連続体16を形成する。これは、マスク連続体形成工程である。
【0048】
次いで、切断装置36を用いて、マスク連続体16を切断してマスク10の個片を形成する。これは、切断工程である。
【0049】
以上の工程によって、マスク製造装置20は、耳掛け部連続体14の第1及び第2の延出部連続体14a,14bが伸長している第1の状態が解除又は緩和されている第2の状態で、ミシン目15kを形成し、ミシン目15kを形成した後も第2の状態のまま、マスク10を製造することができる。伸長している第1の状態で形成した場合にはミシン目15kの両側に作用する張力によって裂けてしまうような細かいミシン目15k等であっても、第2の状態ではミシン目15kの両側に作用する張力を無くし、又は弱くすることができるので、第2の状態でミシン目15kを形成し、その後も第2の状態を継続すると、ミシン目15kに沿って破断が生じることなく、マスク10を形成することができる。
【0050】
したがって、伸縮性に優れた一対の耳掛け部11a,11bを有するマスク10を製造する工程において、ミシン目15kに沿って破断が生じることを防ぐことができる。
【0051】
第2の搬送工程において、耳掛け部連続体14の第1の延出部連続体14aを吸着しながら搬送する第1のバキュームコンベア22aと、耳掛け部連続体14の第2の延出部連続体14bを吸着しながら搬送する第2のバキュームコンベア22bと、を用いて、耳掛け部連続体14を搬送してもよい。
【0052】
この場合、耳掛け部連続体14の第1及び第2の延出部連続体14a,14bの位相ずれが生じないように第1及び第2のバキュームコンベア22a,22bを制御して、所定位置にミシン目15kを精度よく形成することができる。これより、ミシン目15kに沿って破断が生じることを、より確実に防ぐことができる。また、マスクの外観品質を保つことができる。
【0053】
<まとめ> 以上に説明したように、伸縮性に優れた一対の耳掛け部11a,11bを有するマスク10を製造する工程において、ミシン目15kに沿って破断が生じることを防ぐことができる。
【0054】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
【0055】
例えば、耳掛け部連続体の第1及び第2の延出部連続体は、不織布シートよりも伸縮性に優れた材料だけで形成してもよい。
【符号の説明】
【0056】
10 マスク
10a マスク本体
12 マスク本体連続体
14 耳掛け部連続体
14a 第1の延出部連続体
14b 第2の延出部連続体
15 接続部材
15k ミシン目
16 マスク連続体
20 マスク製造装置
21 第1の搬送ユニット(第3の搬送装置)
22a 第1のバキュームコンベア(第1の搬送装置)
22b 第2のバキュームコンベア(第2の搬送装置)
24 ミシン目形成装置
30 マスク連続体形成装置
36 切断装置