(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109025
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
H01F 27/29 20060101AFI20240805BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20240805BHJP
H01F 17/00 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
H01F27/29 123
H01F17/04 F
H01F17/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023183304
(22)【出願日】2023-10-25
(31)【優先権主張番号】10-2023-0012752
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ジュ ファン
(72)【発明者】
【氏名】ムーン、ビョン チョル
(72)【発明者】
【氏名】リー、ハン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジャエ フ
(72)【発明者】
【氏名】カン、イン ヨウン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボウム セオック
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AB01
5E070BB03
5E070CB17
5E070EA01
5E070EB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】単層コイル構造を適用して中心コアの面積及び有効体積が増加したコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品1000は、第1方向Lに対向し、夫々リセスが形成された第1面101、第2面102及び第1、第2面とを連結し、第2方向Tに対向した第3面103、第4面104を有する本体100、本体内に配置され、互いに対向した一面と他面を有する支持部材200、支持部材の一面に少なくとも一部が配置され、少なくとも一つのターンを有するコイル部310、支持部材の他面に配置されて第1面のリセスR1に延長される第1引出部331、コイル部の最内側ターンと第1引出部とを連結するビア及びコイル部の最外側ターンから前記第2面に形成されたリセスR2に少なくとも一部が延長される第2引出部332を含むコイル及び前記第3面に配置され、各リセスに延長されて第1、第2引出部と夫々連結される第1、第2外部電極400、500を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に対向し、それぞれリセスが形成された第1面と第2面、及び前記第1面と第2面とを連結し、第2方向に対向した第3面と第4面を有する本体と、
前記本体内に配置され、少なくとも一つのターンを有するコイル部、前記本体内に配置され、前記本体の第1面のリセスに延長される第1引出部、及び前記コイル部の最外側ターンから前記本体の第2面のリセスに少なくとも一部が延長される第2引出部を含むコイルと、
前記本体の第3面に配置され、前記リセスに延長されて前記第1及び第2引出部とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極と、を含む、コイル部品。
【請求項2】
前記本体内に配置され、互いに対向した一面と他面を有する支持部材をさらに含み、
前記コイル部の少なくとも一部は前記支持部材の一面に配置され、前記第1引出部の少なくとも一部は前記支持部材の他面に配置される、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記コイルは、前記コイル部の最内側ターンと前記第1引出部とを連結するビアをさらに含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記支持部材は、前記本体の第1面と接し、前記本体の第2面と離隔する、請求項2に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記支持部材は、前記本体の前記第1方向の中心を基準に、前記本体の第1面と隣接した領域に配置される、請求項4に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記リセスは、前記本体の第1面と第3面との間に形成される第1リセス、及び前記本体の第2面と第3面との間に形成される第2リセスを含み、
前記第1リセスの前記第1方向に沿った最大長さは、前記コイル部の最外側ターンと前記本体の第1面との間の前記第1方向に沿った最小長さよりも短い、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記コイル部のアスペクト比(Aspect Ratio)は0.04超過15以下である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記第1方向と垂直な断面上において、前記コイル部の線幅LWに対する前記コイル部の前記第2方向に沿った厚さTcの比Tc/LWは0.04超過15以下である、請求項7に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記コイル部は、前記本体の第4面に向かう上面、及び前記本体の第3面に向かう下面を含み、
前記コイル部の下面のうち前記支持部材と離隔した領域の表面粗さは、前記コイル部の上面の表面粗さよりも大きい、請求項2に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記コイルをカバーする絶縁膜をさらに含み、
前記コイル部の下面のうち少なくとも一部は前記絶縁膜と接する、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記リセスは、前記本体の第1面と第3面との間に形成される第1リセス、及び前記本体の第2面と第3面との間に形成される第2リセスを含み、
前記第1リセスの前記第2方向に沿った高さは、前記第2リセスの前記第2方向に沿った高さよりも低い、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記第1引出部の少なくとも一部は前記第1リセスと共面(coplanar)をなし、前記第2引出部の少なくとも一部は前記第2リセスと共面(coplanar)をなす、請求項11に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記第1引出部の前記第2方向に沿った厚さは、前記コイル部の前記第2方向に沿った厚さよりも薄い、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項14】
前記第1外部電極の少なくとも一部は前記支持部材の他面と接する、請求項2に記載のコイル部品。
【請求項15】
前記第1引出部の少なくとも一部は、前記支持部材の他面と前記リセスとの間に配置される、請求項2に記載のコイル部品。
【請求項16】
前記第2方向に投影してみたとき、前記支持部材と前記第1引出部の最外側境界線は互いに対応する形状を有する、請求項2に記載のコイル部品。
【請求項17】
前記本体は、前記第1及び第2方向とそれぞれ垂直な第3方向に対向した第5面と第6面を含み、
前記リセスは、前記第3方向に沿って前記本体の第5面及び第6面まで延長される、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項18】
前記本体、及び前記リセスに配置された第1及び第2外部電極の少なくとも一部をカバーし、前記第1及び第2外部電極のうち前記本体の第3面に配置された領域を露出する絶縁層をさらに含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項19】
前記第1及び第2外部電極のうち、前記リセスに配置された領域と前記絶縁層との間にそれぞれ配置される第1及び第2フィリング部をさらに含む、請求項18に記載のコイル部品。
【請求項20】
前記第1及び第2外部電極のうち、前記本体の第3面に配置される領域はそれぞれ複数の層を含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項21】
前記複数の層は、前記本体の第3面上に配置される第1層、及び前記第1層上に配置される第2層を含む、請求項20に記載のコイル部品。
【請求項22】
それぞれリセスが形成され、互いに対向した第1面と第2面を有する本体と、
前記本体内に配置され、互いに対向した一面と他面を有する支持部材と、
前記支持部材の一面にのみ接して少なくとも一つのターンを有し、各ターンのアスペクト比(Aspect Ratio)は0.04超過15以下であるコイル部、前記支持部材の他面に配置されて前記本体の第1面に延長される第1引出部、 前記支持部材を貫通して前記コイル部の最内側ターンと前記第1引出部とを連結するビア、及び前記コイル部の最外側ターンから前記本体の第2面に延長される第2引出部を含むコイルと、
前記リセスの外側面に沿って配置されて前記第1及び第2引出部とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極と、を含む、コイル部品。
【請求項23】
前記本体の第1面に形成されたリセスと前記本体の第2面に形成されたリセスとは断面積が異なる、請求項22に記載のコイル部品。
【請求項24】
前記第1引出部は、前記支持部材の他面と接する上面、前記上面と対向する下面、及び前記上面と下面を連結する複数の側面を含み、
前記第1外部電極は、前記第1引出部の複数の側面のうち少なくとも一つと接する、請求項22に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
コイル部品の一つであるインダクタ(inductor)は、抵抗(resistor)及びキャパシタ(capacitor)とともに電子機器に用いられる代表的な受動電子部品である。
【0003】
電子機器が次第に高性能化、小型化するにつれて、電子機器に用いられる電子部品もその数が増加し、小型化している。
【0004】
一方、全体の厚さが薄くなり、且つ有効体積が増加し、インダクタンス特性を向上できるコイル部品に対する要求がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本公開特許第2019-134141号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態に係る目的のうち一つは、単層コイル構造を適用して中心コアの面積及び有効体積が増加したコイル部品を実現することである。
【0007】
本発明の実施形態に係る目的のうち他の一つは、外部電極が下面にのみ露出し、PCB基板への実装時にショートの危険が低減され、集積化に有利なコイル部品を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によれば、第1方向に対向し、それぞれリセスが形成された第1面と第2面、及び上記第1面と第2面とを連結し、第2方向に対向した第3面と第4面を有する本体、上記本体内に配置され、互いに対向した一面と他面を有する支持部材、上記支持部材の一面に少なくとも一部が配置され、少なくとも一つのターンを有するコイル部、上記支持部材の他面に配置されて上記第1面のリセスに延長される第1引出部、上記コイル部の最内側ターンと上記第1引出部とを連結するビア、及び上記コイル部の最外側ターンから上記本体の第2面に形成されたリセスに少なくとも一部が延長される第2引出部を含むコイル、及び上記本体の第3面に配置され、上記リセスに延長されて上記第1及び第2引出部とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極を含むコイル部品が提供されることができる。
【0009】
本発明の他の側面によれば、それぞれリセスが形成され、互いに対向した第1面と第2面を有する本体、上記本体内に配置され、互いに対向した一面と他面を有する支持部材、上記支持部材の一面にのみ接して少なくとも一つのターンを有し、各ターンのアスペクト比(Aspect Ratio)は0.04超過15以下であるコイル部、上記支持部材の他面に配置されて上記本体の第1面に延長される第1引出部、上記支持部材を貫通して上記コイル部の最内側ターンと上記第1引出部とを連結するビア、及び上記コイル部の最外側ターンから上記本体の第2面に延長される第2引出部を含むコイル、及び上記リセスの外側面に沿って配置されて上記第1及び第2引出部とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極を含むコイル部品が提供されることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一側面によれば、薄膜型コイル部品に単層コイル構造を適用して中心コアの面積及び有効体積を増加させることができる。
【0011】
本発明の他の側面によれば、外部電極が下面にのみ露出し、PCB基板への実装時にショートの危険が低減され、集積化に有利であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るコイル部品を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図1の一部構成間の結合関係を示す組立図である。
【
図4】
図1のI-I'線に沿った断面を示す図である。
【
図5】
図1のII-II'線に沿った断面を示す図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係るコイル部品を示すものであって、
図4に対応する図である。
【
図7】本発明の第3実施形態に係るコイル部品を示すものであって、
図4に対応する図である。
【
図8】本発明の第4実施形態に係るコイル部品を示すものであって、
図4に対応する図である。
【
図9】本発明の第5実施形態に係るコイル部品を示すものであって、
図4に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本出願で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解すべきである。そして、明細書全体において、「上に」とは、対象部分の上又は下に位置することを意味するものであり、必ずしも重力方向を基準にして上側に位置することを意味するものではない。
【0014】
なお、「結合」とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素間に介在し、該他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念で使用するものとする。
【0015】
図面に示される各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上、任意に示したものであるため、本発明は必ずしも示されたものに限定されない。
【0016】
図面において、L方向は第1方向又は長さ方向、T方向は第2方向又は厚さ方向、W方向は第3方向又は幅方向と定義することができる。
【0017】
以下、本発明の実施形態に係るコイル部品について、添付図面を参照して詳細に説明するが、添付図面を参照して説明するにあたり、同一又は対応する構成要素については同じ図面番号を付与し、これに対する重複説明は省略する。
【0018】
電子機器には、様々な種類の電子部品が用いられるが、このような電子部品の間にはノイズ除去等を目的に様々な種類のコイル部品が適宜用いられることができる。
【0019】
すなわち、電子機器においてコイル部品は、パワーインダクタ(Power Inductor)、高周波インダクタ(HF Inductor)、通常のビーズ(General Bead)、高周波用ビーズ(GHz Bead)、共通モードフィルタ(Common Mode Filter)などに用いられることができる。
【0020】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るコイル部品1000を概略的に示す斜視図であり、
図2は
図1の一部構成間の結合関係を示す組立図であり、
図3は
図1の平面図であり、
図4は
図1のI-I'線に沿った断面を示す図であり、
図5は
図1のII-II'線に沿った断面を示す図である。
【0021】
一方、
図3では、構成要素間の結合をより明確に示すために、本実施形態に適用可能な本体100上の絶縁層600は省略して示している。
【0022】
図1~
図5を参照すると、本発明の第1実施形態に係るコイル部品1000は、本体100、支持部材200、コイル300、及び外部電極400、500を含むことができ、本体100をカバーする絶縁層600をさらに含むことができる。
【0023】
本実施形態に係るコイル部品1000は、支持部材200の一面にのみコイル部310が配置される単層コイル構造を有することができる。また、コイル300と連結され、リセスR1、R2にそれぞれ延長された引出部331、332に外部電極400、500が連結され、外部電極400、500が本体100の下面、すなわち、第3面103に延長されることにより、下面電極構造が実現されることができる。
【0024】
特に、支持部材200を第1引出部331に対応する形状のみを残して残りを除去することにより、コイル部310の中心のコア110の面積及び有効体積が増加してインダクタンス特性が向上することができる。
【0025】
以下では、本実施形態に係るコイル部品1000を構成する主要構成要素について詳細に説明する。
【0026】
本体100は、本実施形態に係るコイル部品1000の外観をなし、内部に支持部材200及びコイル300を埋設する。
【0027】
本体100は、全体として六面体の形状に形成されることができる。
【0028】
図1を参照すると、本体100は、長さ方向(L、第1方向)に互いに対向する第1面101と第2面102、厚さ方向(T、第2方向)に互いに対向する第3面103と第4面104、幅方向(W、第3方向)に互いに対向する第5面105と第6面106を含む。本体100の第1面101及び第2面102、第5面105及び第6面106のそれぞれは、本体100の第3面103と第4面104とを連結する本体100の壁面に該当する。
【0029】
本体100は、例示的に、外部電極400、500が形成された本実施形態に係るコイル部品1000が、2.5mmの長さ、2.0mmの幅及び1.0mmの厚さを有するか、又は2.0mmの長さ、1.2mmの幅及び0.65mmの厚さを有するか、又は1.6mmの長さ、0.8mmの幅、0.8mmの厚さを有するか、又は1.4mmの長さ、1.2mmの幅、0.62mmの厚さを有するか、又は1.0mmの長さ、0.7mmの幅、0.65mmの厚さを有するか、又は1.0mmの長さ、0.5mmの幅、0.8mmの厚さを有するか、又は0.8mmの長さ、0.4mmの幅、0.65mmの厚さを有するように形成されることができるが、これらに限定されるものではない。一方、コイル部品1000の長さ、幅及び厚さに関する前述の例示的な数値は、工程誤差を反映していない数値をいうため、工程誤差と認められる範囲の数値は前述の例示的な数値に該当すると見なすべきである。
【0030】
上述したコイル部品1000の長さとは、コイル部品1000の幅方向Wの中央部でとった長さ方向L-厚さ方向Tの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示されたコイル部品1000の長さ方向Lに対向した2つの最外側境界線を長さ方向Lと平行に連結し、厚さ方向Tに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最大値を意味するものであることができる。あるいは、コイル部品1000の長さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味するものであることができる。あるいは、コイル部品1000の長さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、長さ方向Lと平行な複数の線分は、厚さ方向Tに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0031】
上述したコイル部品1000の厚さとは、コイル部品1000の幅方向Wの中央部でとった長さ方向L-厚さ方向Tの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示されたコイル部品1000の厚さ方向Tに対向した2つの最外側境界線を厚さ方向Tと平行に連結し、長さ方向Lに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最大値を意味するものであることができる。あるいは、コイル部品1000の厚さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味するものであることができる。あるいは、コイル部品1000の厚さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、厚さ方向Tと平行な複数の線分は、長さ方向Lに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0032】
上述したコイル部品1000の幅とは、コイル部品1000の厚さ方向Tの中央部でとった長さ方向L-幅方向Wの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示されたコイル部品1000の幅方向Wに対向した2つの最外側境界線を幅方向Wと平行に連結し、長さ方向Lに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)の最大値を意味するものであることができる。あるいは、コイル部品1000の幅は、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味するものであることができる。あるいは、コイル部品1000の幅は、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、幅方向Wと平行な複数の線分は、長さ方向Lに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0033】
あるいは、コイル部品1000の長さ、幅及び厚さのそれぞれは、マイクロメータ測定法で測定することもできる。マイクロメータ測定法は、Gage R&R(Repeatability and Reproducibility)されたマイクロメータでゼロ点を設定し、マイクロメータのチップ(tip)の間に本実施形態に係るコイル部品1000を挿入し、マイクロメータの測定レバー(lever)を回して測定することができる。一方、マイクロメータ測定法によりコイル部品1000の長さを測定するにあたり、コイル部品1000の長さは1回測定された値を意味することもでき、複数回測定された値の算術平均を意味することもできる。これは、コイル部品1000の幅及び厚さにも同様に適用することができる。
【0034】
本体100は、磁性物質と樹脂を含むことができる。具体的に、本体100は、磁性物質が樹脂に分散された磁性複合シートを一つ以上積層して形成することができる。但し、本体100は、磁性物質が樹脂に分散された構造以外に他の構造を有することもできる。例えば、本体100は、フェライトのような磁性物質からなってもよい。
【0035】
磁性物質はフェライト又は金属磁性粉末であってもよい。
【0036】
フェライトは、例として、Mg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系等のスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系等の六方晶型フェライト類、Y系等のガーネット型フェライト及びLi系フェライトのうち少なくとも一つ以上であってもよい。
【0037】
金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、ホウ素(B)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、リン(P)及びニッケル(Ni)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe-Si系合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Ni-Mo系合金粉末、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、Fe-Ni-Co系合金粉末、Fe-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、Fe-Si-Cu-Nb系合金粉末、Fe-Ni-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Al系合金粉末のうち少なくとも一つ以上であってもよい。
【0038】
金属磁性粉末は非晶質及び/又は結晶質を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、Fe-Si-B-Cr系非晶質合金粉末であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0039】
金属磁性粉末は、それぞれ平均直径が約0.1μm~30μmであり得るが、これに限定されるものではない。
【0040】
本体100は、樹脂に分散された2種類以上の磁性物質を含むことができる。ここで、磁性物質が異なる種類とは、樹脂に分散された磁性物質が平均直径、組成、結晶性、及び形状のうちいずれか一つで互いに区別されることを意味する。
【0041】
樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独又は混合して含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0042】
図3~
図5を参照すると、本体100は、コイル300のコイル部310の中心領域に配置されるコア110を含むことができる。コア110は、磁性複合シートがコイル部310の中心領域を充填することによって形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0043】
本実施形態の場合、支持部材200の中央を除去して貫通孔を形成するのではなく、支持部材200が下面に配置される第1引出部331に対応する形状のみを残し、残りが除去された後、コイル部310の中心領域にコア110が配置されることができる。
【0044】
図1及び
図4を参照すると、本体100の第1面101及び第2面102にそれぞれリセスR1、R2が形成されることができる。
【0045】
具体的に、第1リセスR1は、本体100の第1面101と第3面103との間に形成され、第2リセスR2は本体100の第2面102と第3面103との間に形成されることができる。
【0046】
第1リセスR1は、第3方向Wに沿って本体100の第5面105及び第6面106まで延長されることができる。また、第2リセスR2は、第3方向Wに沿って本体100の第5面105及び第6面106まで延長されることができる。但し、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、例えば、リセスR1、R2が第5面105及び第6面106まで延長されず、本体100の第3方向Wに沿った幅よりも小さく形成されてもよい。
【0047】
一方、リセスR1、R2は本体100の第4面104まで延長されない。すなわち、リセスR1、R2は、本体100の第2方向Tに本体100を貫通しない。
【0048】
図4を参照すると、第1リセスR1の第1方向Lに沿った最大長さL2は、コイル部310の最外側ターンと本体100の第1面101との間の第1方向Lに沿った最小長さL1より短くてもよい。
【0049】
このような構造により、第1リセスR1に配置される外部電極400とコイル部310の最外側ターンとの間に第1方向Lに一定間隔のマージンMが形成されるため、工程上の誤差により第1リセスR1が支持部材200よりも高く形成される場合であっても、第1外部電極400とコイル部310との間の接触が防止され、ショート不良の危険を低減することができる。
【0050】
リセスR1、R2は、各コイル部品が個別化される前の状態であるコイルバーレベルにおいて、各コイル部品を個別化する仮想の境界線のうち、各コイル部品の第3方向Wと一致する仮想の境界線に沿ってコイルバーの一面にプレダイシング(pre-dicing)を行うことによって形成されることができる。このようなプレダイシング(pre-dicing)は、第1及び第2引出部331、332がリセスR1、R2にそれぞれ露出することができるようにその深さが調節される。
【0051】
したがって、
図4を参照すると、本実施形態の第1及び第2リセスR1、R2は、高さH1、H2が互いに異なるように形成されることができる。これにより、第1及び第2リセスR1、R2はL-T断面を基準に、断面積が互いに異なるように形成されることができる。
【0052】
具体的に、第1リセスR1の第2方向Tに沿った高さH1は、第2リセスR2の第2方向Tに沿った高さH2よりも低く形成されることができる。また、L-T断面を基準に第1リセスR1の断面積は第2リセスの断面積R2よりも小さく形成されることができる。
【0053】
上記特徴は、単層コイル構造を有する本実施形態の第1及び第2引出部331、332の位置及び形状の差に起因する。すなわち、リセスR1、R2を形成するためのプレダイシング(pre-dicing)工程において、支持部材200の下面に配置された第1引出部331に接する第1リセスR1よりも、 コイル部310と同じレベルに配置された第2引出部332に接する第2リセスR2がさらに深く形成されることができる。
【0054】
ここで、リセスR1、R2の高さH1、H2とは、コイル部品1000の第3方向Wの中央部でとったL-T断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示されたリセスR1、R2の第2方向Tに沿った最上部境界線と本体100の第3面103の延長線との間を第2方向Tと平行に連結し、第1方向Lに互いに離隔した複数の線分それぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、第2方向Tと平行な複数の線分は、第1方向Lに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0055】
一方、リセスR1、R2の断面積の場合、コイル部品1000の第3方向Wの中央部でとったL-T断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、Image Jプログラムツールを用いて面積を算出することができるが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0056】
リセスR1、R2の内面は、本体100の第1面及び第2面101、102と実質的に平行な内壁、及び内壁と本体100の第1及び第2面101、102とを連結する底面を含むことができる。
【0057】
しかし、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、本実施形態のように、第1リセスR1の内面は、L-T断面上において、本体100の第1面101と第3面103とを連結する曲線の形態を有するように形成され、前述した内壁と底面とが区分されなくてもよく、不規則な形状を有してもよい。同様に、第2リセスR2の内面は、L-T断面上において、本体100の第2面102と第3面103とを連結する曲線の形態を有するように形成され、前述した内壁と底面とが区分されなくてもよく、不規則な形状を有してもよい。
【0058】
支持部材200は本体100内に配置され、互いに対向した一面と他面を有することができる。
図1の方向を基準に、支持部材200の一面は上面に該当し、支持部材200の他面は下面に該当する。
【0059】
支持部材200は、コイル300を支持する構成である。但し、本実施形態の場合、支持部材200は、コイル300の形成後、一部のみを残し、残りが除去されるため、コイル300をなす構成中においてコイル部310の一部領域と第1引出部331を支持するように配置されることができる。一方、コイル300が巻線型コイルに該当するか、又はコアレス(coreless)構造を有する場合など、実施形態によっては支持部材200が除外される場合もある。限定されない例として、上記のように支持部材200が除外される場合、後述する絶縁膜IFがコイル300を支持する機能を代替することができる。
【0060】
図1~
図4を参照すると、本実施形態の支持部材200は、第2方向Tに投影してみたとき、支持部材200と第1引出部331の最外側境界線は互いに対応する形状を有することができる。
【0061】
支持部材200の上面にコイル部310と第2引出部332が配置され、支持部材200の下面に第1引出部331が配置され、コイル部310の内側端部と第1引出部331とを互いに連結するビア320が支持部材200を貫通するように配置されることができる。このとき、支持部材200は、第1引出部331と対応する部分のみを残し、残りの領域が除去されることができ、第1リセスR1の形成時に第1引出部331の一部はプレダイシング(pre-dicing)工程でさらに除去されることができる。
【0062】
結果的に、第2方向から投影してみたとき、支持部材200は、下面に配置された第1引出部331と対応する形状を有することができる。本実施形態の場合、支持部材200及び第1引出部331は矩形形状を有するように示されているが、これは例示的なものであり、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0063】
本実施形態に係るコイル部品1000は、一つのコイル部310のみを含む単層コイル構造を有しつつ、支持部材200は、第1引出部331に対応する形状に小さく形成されるため、支持部材200の両面ともにコイルが配置される2層コイル構造に比べて、コア110の面積及び磁性体充填空間が確保されて有効体積が増加し、インダクタンス特性が向上することができる。
【0064】
図2~
図4を参照すると、支持部材200は、ビア320が貫通するビアホールを含むことができる。本実施形態の支持部材200は、コア110が配置される貫通孔を含まず、ビアホールは2つのコイル部の間ではなく、コイル部310と第1引出部331との間に配置されることができる。
【0065】
支持部材200は、エポキシ樹脂のような熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドのような熱可塑性絶縁樹脂又は感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成されるか、あるいは、このような絶縁樹脂にガラス繊維又は無機フィラーのような補強材が含浸された絶縁材料で形成されることができる。例として、支持部材200は、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、PID(Photo Imagable Dielectric)、銅箔積層板(Copper Clad Laminate、CCL)などの材料で形成されることができるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
無機フィラーとしては、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO4)、タルク、泥、雲母粉、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)及びジルコン酸カルシウム(CaZrO3)で構成された群から選択された少なくとも一つ以上が使用できる。
【0067】
支持部材200が補強材を含む絶縁材料で形成される場合、支持部材200はより優れた剛性を提供することができる。支持部材200がガラス繊維を含まない絶縁材料で形成される場合、支持部材200とコイル300全体の厚さ(
図1の第2方向Tに沿ったコイル300と支持部材200のそれぞれの数値(dimension)の合計を意味する)を薄型化して部品の厚さを減少させるのに有利である。支持部材200が感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成される場合、コイル300を形成するための工程数が減少し、生産コストの削減に有利であり、ビア320を微細に形成することができる。支持部材200の厚さはそれぞれ、例として、10μm以上50μm以下であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0068】
コイル300は、本体100に埋設されてコイル部品の特性を発現する。例えば、本実施形態に係るコイル部品1000がパワーインダクタとして活用される場合、コイル300は電場を磁場として保存し、出力電圧を維持することにより、電子機器の電源を安定させる機能を果たすことができる。
【0069】
コイル300は、コイル部310、ビア320、第1及び第2引出部331、332を含むことができる。
【0070】
図1及び
図2を参照すると、本体100の第4面104と対向する支持部材200の一面(上面)にコイル部310及び第2引出部332が配置され、本体100の第3面103と対向する支持部材200の他面(下面)に第1引出部331が配置されることができる。
【0071】
図1~
図4を参照すると、コイル部310は、支持部材200の一面に配置されてコア110を中心に少なくとも一つのターンを形成し、最外側ターンが延長されて第2引出部332と接触連結されることができる。コイル部310は平面螺旋形状を有してもよいが、これに限定されるものではなく、角ばった形状を有してもよい。
【0072】
図5を参照すると、コイル部310のアスペクト比(Aspect Ratio)は、0.04超過15以下であってもよい。具体的に、第1方向Lと垂直な断面上において、コイル部310の線幅LW1に対するコイル部310の第2方向Tに沿った厚さTc1の比Tc1/LW1は0.04超過15以下であってもよい。
【0073】
本実施形態のコイル300は単層コイル構造を有するため、2層コイル構造を有する同一サイズのコイル部品に対するターン数が1/2に減少することができるが、コイル部310のアスペクト比(Aspect Ratio)を増加させることによりターン数を確保することができる。
【0074】
但し、コイル部310の線幅が一定レベル以下に狭くなる場合、めっき工程でめっき厚さが十分に実現されないという問題がある。
【0075】
下記の表1は、コイル部310のアスペクト比(Aspect Ratio)の変化によるめっき厚さの実現の可否、及びコイルターン数の実現の可否に対する実験データである。実験に使用されたサンプルは、1.0mmの長さ、0.7mmの幅、0.65mmの厚さを有するコイル部品であり、コイル部310の断面積が維持されるように線幅と厚さを制御してアスペクト比(Aspect Ratio)を変化させながら、目的のめっき厚さの実現の可否及びコイルターン数の実現の可否を確認した。目的のめっき厚さ又はコイルターン数が実現された場合は「OK」と記載し、目的のめっき厚さ又はコイルターン数が実現されなかった不良が発生した場合には「NG」と記載した。
【0076】
【0077】
上記表1を参照すると、コイル300において、少なくとも一つのターンを形成するパターンを有するコイル部310のアスペクト比(Aspect Ratio)、すなわち、線幅に対する厚さの比が15を超える場合、目的のめっき厚さが実現されない不良の発生が確認された。また、コイル部310のアスペクト比(Aspect Ratio)が0.040以下である場合、目的のコイルターン数が実現されない不良の発生が確認された。
【0078】
したがって、本実施形態のような単層コイル構造においてコイル部310のアスペクト比(Aspect Ratio)は、0.04超過15以下で形成されることが好ましい。
【0079】
一方、上述したアスペクト比(Aspect Ratio)に関し、コイル部310の線幅LW1及び厚さTc1の測定方法について
図5を参照して説明する。
【0080】
コイル部310の線幅LW1は、コイル部品1000の第1方向Lの中央部でとったW-T断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示されたコイル部310の各ターンの第3方向Wに対向した2つの最外側境界線を第3方向Wと平行に連結し、第2方向Tに互いに離隔した複数の線分それぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、第3方向Wと平行な複数の線分は、第2方向Tに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0081】
コイル部310の厚さTc1は、上記イメージに示されたコイル部310の各ターンの第2方向Tに対向した2つの最外側境界線を第2方向Tと平行に連結し、第3方向Wに互いに離隔した複数の線分それぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、第2方向Tと平行な複数の線分は、第3方向Wに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0082】
図5を参照すると、コイル部310は、本体100の第4面104に向かう上面、及び本体100の第3面103に向かう下面を含み、コイル部310の下面のうち支持部材200と離隔した領域の表面粗さR
Lは、コイル部310の上面の表面粗さR
Uよりも大きいことができる。
【0083】
上記特徴は、支持部材200にコイル300がめっき形成された後、支持部材200を第1引出部331に対応する部分のみを残して除去する過程で発生し得るものであるが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0084】
コイル部310の下面のうち支持部材200と離隔した領域の表面粗さRLが大きく形成されることにより、後述する絶縁膜IFとの結合力がより強くなる効果を有することができる。
【0085】
なお、本明細書において表面粗さとは、中心線平均粗さRaを意味することができ、Zygo Corporation社の7300 Optical Surface Profilerのような光学表面プロファイラを用いて測定するか、又はmitutoyo社の表面粗さ測定器SV-3200等を用いて測定された値であることができる。上述した表面粗さは、コイル部310の上面又は下面の中心を通るW-T断面に対してT軸方向に測定した値の算術平均であり得る。
【0086】
第1引出部331は、支持部材200の他面に配置され、本体100の第1リセスR1に延長されて第1外部電極400と連結されるように配置されることができる。すなわち、第1引出部331は、少なくとも一部が第1リセスR1の外側面に露出して第1外部電極400と接するように配置されてもよい。
【0087】
特に、本実施形態に係るコイル部品1000の支持部材200の他面には、ターンを形成するコイル部310なしで第1引出部331のみが配置されてもよい。
【0088】
図4を参照すると、第1引出部331の少なくとも一部は、第1リセスR1と共面(coplanar)をなすことができる。これは、本体100にプレダイシング(pre-dicing)による第1リセスR1の形成時に、第1引出部331の一部が共に除去されることによって実現できる構造である。
【0089】
図1及び
図4を参照すると、第1引出部331の第2方向Tに沿った厚さは、コイル部310の第2方向Tに沿った厚さより薄くてもよい。
【0090】
また、第1引出部331は、支持部材200の他面と接する上面、上面と対向する下面、及び上面と下面とを連結する複数の側面を含み、複数の側面のうち少なくとも一つは第1外部電極400と接するように配置されることができる。
【0091】
第2引出部332は、支持部材200の一面に配置され、コイル部310の最外側ターンから本体100の第2面102及び第2リセスR2に延長されて、第2外部電極500と連結される構成である。すなわち、第2引出部332は、少なくとも一部が第2リセスR2の外側面に露出して第2外部電極500と接するように配置されることができる。
【0092】
図4を参照すると、第2引出部332の少なくとも一部は、第2リセスR2と共面(coplanar)をなすことができる。これは、本体100にプレダイシング(pre-dicing)による第2リセスR2の形成時に、第2引出部332の一部が共に除去されることによって実現できる構造である。
【0093】
一方、本実施形態の第1及び第2引出部331、332は、互いに異なる厚さ及び形状を有することができる。例として、第1引出部331は薄い厚さを有する矩形板のような形状を有し、第2引出部332はコイル部310と同じ厚さTcを有するように形成されることができる。
【0094】
図2~
図4を参照すると、ビア320は、コイル部310の最内側ターンと第1引出部331とを連結する構成である。支持部材200を貫通するビア320を介して支持部材200の一面のコイル部310の最内側ターンの端部と支持部材200の他面の第1引出部331とが直接連結されることができる。
【0095】
上述した構成を含むコイル300を介して、第1外部電極400に入力される信号は、第1引出部331、ビア320、コイル部310、及び第2引出部332を経て第2外部電極500に出力されることができる。このような構成により、コイル300の各構成は、全体として、第1及び第2外部電極400、500の間で連結された一つのコイルとして機能することができる。
【0096】
コイル部310、ビア320、第1及び第2引出部331、332のうち少なくとも一つは、一つ以上の導電層を含むことができる。例として、コイル部310、ビア320、及び第2引出部332を支持部材200の一面にめっきで形成する場合、コイル部310、ビア320、及び第2引出部332は、それぞれ無電解めっきなどで形成された第1導電層と、第1導電層に配置された第2導電層とを含むことができる。
【0097】
第1導電層は、支持部材200に第2導電層をめっきで形成するためのシード層であってもよく、第2導電層は電解めっき層であってもよい。ここで、電解めっき層は単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。多層構造の電解めっき層は、いずれか一方の電解めっき層を他方の電解めっき層がカバーするコンフォーマル(conformal)な膜構造で形成されてもよく、いずれか一方の電解めっき層の一面にのみ他方の電解めっき層が積層された形状に形成されてもよい。コイル部310のシード層と第2引出部332のシード層とは一体に形成されて相互間に境界が形成されなくてもよいが、これに限定されるものではない。コイル部310の電解めっき層、第2引出部332の電解めっき層は一体に形成されて相互間に境界が形成されなくてもよいが、これに限定されるものではない。
【0098】
コイル部310、ビア320、第1及び第2引出部331、332のそれぞれは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これらに限定されるものではない。
【0099】
図4及び
図5を参照すると、本実施形態に係るコイル部品1000は、本体100内に絶縁膜IFをさらに含むことができる。
【0100】
本実施形態において、絶縁膜IFはコイル300をカバーする構成であり、コイル300及び支持部材200を一体にカバーすることができる。絶縁膜IFは、コイル部310、第1及び第2引出部331、332を本体100から絶縁させることができる。
【0101】
一方、
図4及び
図5を参照すると、コイル部310の下面に配置される支持部材200は、第1引出部331と対応する領域を除いた残りの領域が除去された後、絶縁膜IFによりカバーされるため、コイル部310の下面のうち少なくとも一部は絶縁膜IFと接するように配置されることができる。
【0102】
絶縁膜IFは、例として、パリレン(parylene)又はポリイミド(polyimide)などを含むことができるが、これに限定されるものではない。本実施形態の絶縁膜IFは、工程順序上、支持部材200の一部が除去された後に形成されるため、気相蒸着などの方法で形成することが好ましい。但し、これに限定されるものではなく、フィルム等を積層して形成することもできる。
【0103】
また、限定されない例として、支持部材200が完全に除去されるコアレス(coreless)構造の場合、絶縁膜IFは、支持部材200に代えてコイル300を支持する機能も果たすことができる。
【0104】
一方、絶縁膜IFは、コイル300を電解めっきで形成する際に用いられためっきレジストのうち一部を含む構造であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0105】
図1、
図3及び
図4を参照すると、第1及び第2外部電極400、500は、本体100の第3面103に離隔して配置され、それぞれ第1及び第2リセスR1、R2に延長されて第1引出部331及び第2引出部332と連結されることができる。
【0106】
第1及び第2外部電極400、500のそれぞれは、リセスR1、R2に配置されて第1引出部331又は第2引出部332と連結される連結部、及び連結部から本体100の第3面103に延長されるパッド部を含むことができる。連結部とパッド部とは一体に形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0107】
外部電極400、500のパッド部は、コイル部品1000を印刷回路基板に実装する際に半田などの連結部材が接触する構成であり、本体100の第3面103において絶縁層600よりも突出して形成されることができる。本実施形態のように外部電極400、500のパッド部が突出形成される場合、コイル部品1000の実装時に半田などの連結部材との接触面積が広くなり、固着強度が強化されることができ、印刷回路基板との間隔も増加して、短絡の危険が減少することができる。
【0108】
図1及び
図4を参照すると、外部電極400、500は、それぞれリセスR1、R2の外側面と本体100の第3面103に沿って形成されることができる。例として、外部電極400、500は、リセスR1、R2の内面及び本体100の第3面103にコンフォーマル(conformal)な膜の形態で形成されてもよいが、この場合、外部電極400、500は、スパッタリング工程又はめっき工程のような薄膜工程で形成されることができる。
【0109】
図4を参照すると、第1外部電極400の少なくとも一部は、支持部材200の他面と接するように配置されてもよい。上記構造は、プレダイシング(pre-dicing)工程において、第1リセスR1の高さH1が支持部材200の他面の高さまで形成された後、第1外部電極400が配置されることによって実現されることができる。
【0110】
外部電極400、500は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これらに限定されるものではない。
【0111】
図1及び
図4を参照すると、外部電極400、500は複数層の構造で形成されることができる。例として、外部電極400、500がコイル300と連結される第1層410、510は銅(Cu)めっき層であってもよく、銅(Cu)又は銀(Ag)のうち少なくとも一つを含む導電性樹脂層であってもよい。ここで、外部電極400、500の第1層410、510が導電性樹脂層で形成される場合、第1層410、510は樹脂及び樹脂内に分散された金属を含むことができ、樹脂は熱硬化性樹脂としてエポキシ(epoxy)を含むことができ、金属は銀(Ag)又は銅(Cu)のうち少なくとも一つを含むことができる。例として、導電性樹脂層は、Ag-Epoxy層又はCu-Epoxy層であってもよく、銀(Ag)又は銅(Cu)のうち少なくとも一つを含む導電性ペーストを塗布及び硬化して形成されてもよいが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0112】
一方、第2層420、520は、ニッケル(Ni)めっき層、及び錫(Sn)めっき層の2重層構造であってもよい。
【0113】
本実施形態の外部電極400、500は、第1層410、510がリセスR1、R2に配置されて本体100の第3面103に延長されることができ、第1層410、510のうち、本体100の第3面103に配置された領域をカバーするように第2層420、520がさらに配置されることができる。すなわち、第2層420、520は、コイル部品1000をPCB基板に実装する場合、半田と直接接触するようになるパッド部に含まれることができる。
【0114】
第1層410、510は電解めっきで形成されるか、スパッタリングなどの気相蒸着で形成されるか、あるいは銅(Cu)及び/又は銀(Ag)などの導電性粉末を含む導電性ペーストを塗布及び硬化して形成されることができ、第2層420、520は電解めっきで形成されることができる。
【0115】
本実施形態に係るコイル部品1000は、本体100及びリセスR1、R2に配置された第1及び第2外部電極400、500の少なくとも一部をカバーし、第1及び第2外部電極400、500のうち本体100の第3面103に配置された領域を露出する絶縁層600をさらに含むことができる。
【0116】
図1、
図4及び
図5を参照すると、絶縁層600は、本体100の第1面~第6面101、102、103、104、105、106をカバーすることができ、本体100の第3面103では、第1及び第2外部電極400、500が露出するように配置されることができる。
【0117】
また、絶縁層600は、本体100の第1面101及び第2面102において、リセスR1、R2に配置される外部電極400、500の少なくとも一部領域又は後述するフィリング部610、620をカバーするように配置されることができる。
【0118】
一方、絶縁層600は、外部電極400、500よりも薄い厚さで配置されることができ、この場合、外部電極400、500は実装面に一定部分が突出した形態を有することができる。すなわち、第2金属層420、520の外側面が絶縁層600の外側面よりも突出するように配置されることができる。
【0119】
このように外部電極400、500が絶縁層600よりも突出するように配置される場合、コイル部品1000の実装時に半田などの連結部材との接触面積が広くなり、固着強度が強化されることができ、印刷回路基板との間隔も増加して短絡の危険が減少することができる。
【0120】
絶縁層600は、例として、絶縁樹脂を含む絶縁材料を本体100の表面に塗布及び硬化して形成されたものであってもよい。この場合、絶縁層600は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系等の熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系等の熱硬化性樹脂及び感光性絶縁樹脂のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0121】
一方、
図4を参照すると、本実施形態に係るコイル部品1000は、リセスR1、R2と絶縁層600との間に配置されるフィリング部610、620をさらに含むことができる。
【0122】
フィリング部610、620は、リセスR1、R2の形成により陥没する角領域を充填することでコイル部品1000の外観を改善することができ、絶縁層600の印刷品質も向上させることができる構成である。
【0123】
本実施形態では、第1及び第2フィリング部610、620は、それぞれリセスR1、R2に配置された外部電極400、500をカバーするように配置されることができる。
【0124】
フィリング部610、620の側面は、本体100の第1面101及び第2面102、第5面105及び第6面106と実質的に共面(coplanar)をなすように配置されることができる。すなわち、第1フィリング部610の側面は、本体100の第1面、第5面、第6面101、105、106と実質的に共面(coplanar)をなすように配置されてもよく、第2フィリング部620の側面は、本体100の第2面、第5面、第6面102、105、106と実質的に共面(coplanar)をなすように配置されてもよい。ここで、実質的に共面(coplanar)をなすとは、工程上の誤差を含んで実質的に同じ平面を共有することができるという意味である。
【0125】
フィリング部610、620は、リセスR1、R2に配置された外部電極400、500上に印刷法、気相蒸着、スプレー塗布法、フィルム積層法などの方法で形成することができるが、これらに限定されるものではない。フィリング部610、620は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系等の熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系などの熱硬化性樹脂、感光性樹脂、パリレン、SiOx又はSiNxを含むことができる。
【0126】
本実施形態において、フィリング部610、620は省略可能な構成であり、この場合、フィリング部610、620が配置される領域に絶縁層600が厚く配置されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0127】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係るコイル部品2000を示すものであって、
図4に対応する図である。
【0128】
図6を参照すると、本実施形態は、第1実施形態と比較したとき、コイル300のアスペクト比(Aspect Ratio)が異なる。すなわち、本実施形態のコイル部310及び第2引出部332は、第1実施形態と比較して、線幅LW2が狭く、厚さTc2は厚く形成され、さらに大きなアスペクト比を有することができ、それによって、コイル部310はさらに多くのターン数を有することができる。
【0129】
したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1実施形態と異なるコイル300のアスペクト比、コイル部310のターン数についてのみ説明し、本実施形態の残りの構成については、本発明の第1実施形態における説明がそのまま適用されることができる。
【0130】
図6を参照すると、本実施形態に係るコイル部品2000は、コイル部310の線幅LW2が第1実施形態のコイル部310の線幅LW1よりも狭く形成されることができる。また、コイル部310の第2方向Tに沿った厚さTc2が第1実施形態のコイル部310の厚さTc1よりも厚く形成されることができる。
【0131】
その結果、本実施形態のコイル部310は、高いアスペクト比(Aspect Ratio)を有することができ、同一サイズの本体100内でターン数が増加し、インダクタンス特性が向上することができる。
【0132】
例として、
図2及び
図4を参照すると、第1実施形態のコイル部310は2.5ターンを形成するのに対し、
図6を参照すると、第2実施形態のコイル部310は5ターンを形成するようになり、同一サイズ内で多数のターン数を有するコイル部品2000を実現することができる。
【0133】
但し、本実施形態の場合にも、上述した表1の実験結果に照らして、コイル部310のアスペクト比(Aspect Ratio)は15以下で形成することが好ましい。
【0134】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係るコイル部品3000を示すものであって、
図4に対応する図である。
【0135】
図7を参照すると、本実施形態は、第1実施形態と比較したとき、第1リセスR1と支持部材200との間に第1引出部331の一部が配置された点が異なる。
【0136】
したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1実施形態とは異なる支持部材200、第1引出部331、第1リセスR1、及びそれに配置された第1外部電極400についてのみ説明し、本実施形態の残りの構成については、本発明の第1実施形態における説明がそのまま適用されることができる。
【0137】
図7を参照すると、第1引出部331の少なくとも一部が支持部材200の他面と第1リセスR1との間に配置されることができる。すなわち、第1リセスR1を形成するためのプレダイシング(pre-dicing)工程時に、第1実施形態とは異なり、支持部材200の他面と一定間隔のマージンを設けて第1リセスR1を形成することができる。
【0138】
その結果、
図7の拡大図を参照すると、第1外部電極400のうち第1リセスR1に配置された第1層410と第1引出部331との間の接触面積が広くなり、コイル300と第1外部電極400との間の連結信頼性が向上することができる。
【0139】
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態に係るコイル部品4000を示すものであって、
図4に対応する図である。
【0140】
図8を参照すると、本実施形態は、第1実施形態と比較したとき、フィリング部610、620が省略され、リセスR1、R2上の外部電極400、500が直接絶縁層600によってカバーされる点が異なる。
【0141】
したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1実施形態とは異なるリセスR1、R2における外部電極400、500と絶縁層600の配置、及びコイル部品4000の全体形状についてのみ説明し、本実施形態の残りの構成については、本発明の第1実施形態における説明がそのまま適用されることができる。
【0142】
図8を参照すると、本実施形態のコイル部品4000は、本体100の第1面101と第2面102をカバーする絶縁層600がリセスR1、R2に配置された外部電極400、500の外側面形状に沿ってコンフォーマル(conformal)に配置されることができる。
【0143】
すなわち、リセスR1、R2によって凹んだ領域にフィリング部610、620が充填される又は絶縁層600が厚く配置されないことにより、コイル部品4000の外形上リセスR1、R2形状が現れることができる。
【0144】
本実施形態の場合、リセスR1、R2上の外部電極400、500にフィリング部610、620を配置する工程や追加的な絶縁印刷工程が省略されるため、リードタイムが減少して工程効率が高くなることができる。
【0145】
また、コイル部品4000実装面の全面積が減少し、PCB基板への実装時に隣接部品とのショートの危険が減少し、実装時に外部電極400、500の外側端部領域に半田が配置される空間も確保されてコイル部品4000の回転や流動が防止されることができる。
【0146】
さらに、コイル部品4000の非対称外形により本体100の面やコイル300の配置方向を外部から確認することができるため、磁束方向を特定するための別途のマーキングを省略できるという効果も有することができる。
【0147】
(第5実施形態)
図9は、本発明の第5実施形態に係るコイル部品5000を示すものであって、
図4に対応する図である。
【0148】
図9を参照すると、本実施形態は、第1実施形態と比較したとき、支持部材200が省略され、支持部材200が省略された空間に絶縁膜IFがさらに配置される点が異なる。
【0149】
したがって、本実施形態を説明するに当たり、本発明の第1実施形態とは異なる支持部材200及び絶縁膜IFについてのみ説明し、本実施形態の残りの構成については、本発明の第1実施形態における説明がそのまま適用されることができる。
【0150】
図9を参照すると、コイル300は絶縁膜IFによって一体にカバーされるともに支持されることができる。本実施形態は、支持部材200が省略されるコアレス(coreless)構造に該当するが、支持部材200にコイル300を配置した後、支持部材200を完全に除去してから絶縁膜IFを形成することで実現されることができる。
【0151】
あるいは、支持部材200にコイル部310及び第2引出部332を配置した後、支持部材200を完全に除去し、その後、絶縁膜IFによりコイル部310及び第2引出部332を一体にカバーした後、コイル部310の最内側ターンが一部露出するように絶縁膜IFを一部除去し、除去された空間にビア320及び第1引出部331を配置し、絶縁膜IFをさらに形成することによって実現されることもできる。この場合、絶縁膜IFの内部に界面が形成されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0152】
上述した二つの場合とも、ビア320は絶縁膜IFを貫通するように配置されることができる。
【0153】
本実施形態において、絶縁膜IFは、パリレン(parylene)又はポリイミド(polyimide)などを含むことができ、気相蒸着又はフィルム積層などの方法で形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0154】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更又は削除等により、本発明を様々に修正及び変更させることができ、これも本発明の権利範囲内に含まれると言える。
【符号の説明】
【0155】
100:本体
110:コア
200:支持部材
300:コイル
310:コイル部
320:ビア
331:第1引出部
332:第2引出部
400:第1外部電極
500:第2外部電極
410、510:第1層
420、520:第2層
600:絶縁層
610:第1フィリング部
620:第2フィリング部
IF:絶縁膜
R1:第1リセス
R2:第2リセス
1000、2000、3000、4000、5000:コイル部品