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特開2024-109036有機発光ダイオード表示装置およびその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109036
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】有機発光ダイオード表示装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10K 59/124 20230101AFI20240805BHJP
   H10K 59/123 20230101ALI20240805BHJP
   H10K 50/856 20230101ALI20240805BHJP
   H10K 50/852 20230101ALI20240805BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20240805BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20240805BHJP
   H10K 50/824 20230101ALI20240805BHJP
   H10K 71/20 20230101ALI20240805BHJP
   H10K 50/19 20230101ALI20240805BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240805BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
H10K59/124
H10K59/123
H10K50/856
H10K50/852
H10K59/35
H10K59/122
H10K50/824
H10K71/20
H10K50/19
G09F9/30 338
G09F9/30 348A
G09F9/30 365
G09F9/00 338
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023204416
(22)【出願日】2023-12-04
(31)【優先権主張番号】10-2023-0013239
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, ホジン
(72)【発明者】
【氏名】クァク, ボンチュン
(72)【発明者】
【氏名】パク, ジヨン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC05
3K107CC33
3K107CC35
3K107DD10
3K107DD37
3K107DD52
3K107DD89
3K107DD90
3K107EE33
3K107FF15
5C094AA25
5C094BA03
5C094BA27
5C094DA15
5C094DB04
5C094ED11
5G435AA16
5G435BB05
5G435FF03
5G435KK05
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】本発明に係る有機発光ダイオード表示装置は、複数の副画素が備えられた基板110と、前記基板の上部における前記複数の副画素のそれぞれに配置される少なくとも1つのトランジスタと、少なくとも1つのトランジスタの上部の第1絶縁層112と、前記第1絶縁層の上部における前記複数の副画素のそれぞれに配置され、第1電極120と発光層130、そして第2電極140を含む発光ダイオードを含み、前記複数の副画素のそれぞれは、コンタクト領域および発光領域を含み、前記発光ダイオードは、前記コンタクト領域において、前記少なくとも1つのトランジスタと電気的に接続され、前記第1絶縁層は前記コンタクト領域において凹部を有する。
【効果】漏洩電流を最小にし、信頼性を向上させることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の副画素が備えられた基板と、
前記基板の上部における前記複数の副画素のそれぞれに配置される少なくとも1つのトランジスタと、
前記少なくとも1つのトランジスタの上部における第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上部における前記複数の副画素のそれぞれに配置され、第1電極、発光層、および第2電極を含む発光ダイオードとを含み、
前記複数の副画素のそれぞれは、コンタクト領域および発光領域を含み、
前記発光ダイオードは、前記コンタクト領域において前記少なくとも1つのトランジスタと電気的に接続され、
前記第1絶縁層は、前記コンタクト領域において凹部を有する、有機発光ダイオード表示装置。
【請求項2】
前記第1絶縁層と前記発光ダイオードとの間において、同じ物質からなり、同じ層上に備えられる少なくとも1つのコンタクト電極、および少なくとも1つの反射層をさらに含み、
前記少なくとも1つのコンタクト電極は、前記コンタクト領域に位置し、前記少なくとも1つの反射層は、前記発光領域に位置する、請求項1に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのコンタクト電極は、前記凹部内に位置し、前記少なくとも1つのコンタクト電極と前記基板との間の距離は、前記少なくとも1つの反射層と前記基板との間の距離より短い、請求項2に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項4】
前記第1絶縁層と前記発光ダイオードとの間の前記発光領域において、第1反射層、第2反射層、第3反射層をさらに含み、
前記複数の副画素は、第1副画素、第2副画素、第3副画素を含み、
前記第1反射層、前記第2反射層、前記第3反射層は、前記第1副画素、前記第2副画素、前記第3副画素にそれぞれ位置する、請求項1に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項5】
前記第2副画素における前記第2反射層と前記第2電極との間の距離は、前記第1副画素における前記第1反射層と前記第2電極との間の距離よりは小さく、前記第3副画素における前記第3反射層と前記第2電極との間の距離よりは大きい、請求項4に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項6】
前記第1絶縁層と前記発光ダイオードとの間において、第2絶縁層および第3絶縁層をさらに含み、
前記第1反射層は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に位置し、
前記第2反射層は、前記第2絶縁層と前記第3絶縁層との間に位置し、
前記第3反射層は、前記第3絶縁層と前記発光ダイオードとの間に位置する、請求項4に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項7】
前記第1副画素、前記第2副画素、前記第3副画素のそれぞれの前記コンタクト領域において、互いに重なり、電気的に接続される第1コンタクト電極、第2コンタクト電極、第3コンタクト電極をさらに含み、
前記第1コンタクト電極、前記第2コンタクト電極、前記第3コンタクト電極は、前記凹部内に位置する、請求項6に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項8】
前記第1コンタクト電極は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に位置し、
前記第2コンタクト電極は、前記第2絶縁層と前記第3絶縁層との間に位置し、
前記第3コンタクト電極は、前記第3絶縁層と前記発光ダイオードとの間に位置する、請求項7に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項9】
前記第1電極と前記発光層との間において、前記第1電極の縁部を覆いながら前記第1電極の中央部を露出するバンクをさらに含み、
前記バンクは、前記コンタクト領域に位置する、請求項1に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項10】
隣接する副画素間において、前記バンクはトレンチを有する、請求項9に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項11】
基板上に備えられる複数の副画素のそれぞれにおいて、少なくとも1つのトランジスタを形成する段階と、
前記少なくとも1つのトランジスタの上部において、凹部を有する少なくとも1つの絶縁層を形成する段階と、
前記少なくとも1つの絶縁層の上部における前記複数の副画素のそれぞれにおいて、第1電極、発光層、および第2電極を含む発光ダイオードを形成する段階とを含み、
前記複数の副画素のそれぞれは、コンタクト領域および発光領域を含み、
前記発光ダイオードは、前記コンタクト領域において前記少なくとも1つのトランジスタと電気的に接続され、
前記凹部は、前記コンタクト領域に位置する、有機発光ダイオード表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1電極と前記発光層との間において、前記第1電極の縁部を覆いながら前記第1電極の中央部を露出するバンクを形成する段階をさらに含み、
前記バンクは、前記コンタクト領域に位置する、請求項11に記載の有機発光ダイオード表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記バンクを形成する段階は、
前記第1電極の上部にバンク物質層を形成する段階と、
前記バンク物質層の上面を研磨し、バンク層を形成する段階と、
前記バンク層を選択的に除去する段階とを含む、請求項12に記載の有機発光ダイオード表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの絶縁層を形成する段階と、前記発光ダイオードを形成する段階との間において、同じ工程で少なくとも1つのコンタクト電極と少なくとも1つの反射層を形成する段階をさらに含み、
前記少なくとも1つのコンタクト電極は、前記コンタクト領域に位置し、
前記少なくとも1つの反射層は、前記発光領域に位置する請求項11に記載の有機発光ダイオード表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのコンタクト電極は、前記凹部内に位置し、
前記少なくとも1つのコンタクト電極と前記基板との間の距離は、前記少なくとも1つの反射層と前記基板との間の距離より短い、請求項14に記載の有機発光ダイオード表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関するものであって、特に色の再現率が向上した有機発光ダイオード表示装置、およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報化社会に伴い、画像をディスプレイするための表示装置への様々な要求が増加しており、それに応じて液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device:LCD)、有機発光ダイオード表示装置(Organic Light Emitting Diode Display Device:OLED)といったフラットパネル表示装置(Flat Panel Display Device:FPD)が開発され、多様な分野に採用されている。
【0003】
フラットパネル表示装置のうち、有機電界発光表示装置(Organic Electroluminescent Display Device)とも呼ばれる有機発光ダイオード表示装置は、電子注入電極である陰極と正孔注入電極である陽極との間に設けられた発光層に電荷を注入すると、電子と正孔が結合して励起子を形成した後、消滅する際に光を放出する素子である。かかる有機発光ダイオード表示装置は、プラスチックのようにフレキシブルな基板上に形成することができる上に、自己発光素子であるため、コントラスト比が大きい。また、応答時間が数マイクロ秒(μm)程度であることから動画を具現化しやすく、視野角に制限がなく、低温下でも安定である。さらに、直流5V~15Vの比較的に低電圧で駆動が可能であるため、駆動回路の製作や設計が容易である。
【0004】
近年、有機発光ダイオード表示装置が多様な分野に採用されるにつれ、高解像度の表示装置が求められている。高解像度を具現化するためには、同じ面積内により多くの副画素を設ける必要があるが、その結果、各副画素の面積が減少し、隣接する副画素間の距離もまた減少することになる。
【0005】
かかる隣接する副画素間における距離の減少は、隣接する副画素間において、側部の漏洩電流を発生させる原因となる。その結果、発光すべきでない副画素が発光することになり、表示装置における色の再現率が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述した問題を解決するためになされたものであって、隣接する副画素間における側部の漏洩電流を最小にすることができる有機発光ダイオード表示装置、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、光効率を向上させることができる有機発光ダイオード表示装置、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するため、本発明の有機発光ダイオード表示装置は、複数の副画素が備えられた基板と、前記基板の上部における前記複数の副画素のそれぞれに配置される少なくとも1つのトランジスタと、前記少なくとも1つのトランジスタの上部における第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上部における前記複数の副画素のそれぞれに配置され、第1電極、発光層、および第2電極を含む発光ダイオードとを含み、前記複数の副画素のそれぞれは、コンタクト領域および発光領域を含み、前記発光ダイオードは、前記コンタクト領域において前記少なくとも1つのトランジスタと電気的に接続され、前記第1絶縁層は、前記コンタクト領域において凹部を有する。
【0009】
本発明の有機発光ダイオード表示装置は、前記第1絶縁層と前記発光ダイオードとの間において、同じ物質からなり、同じ層上に備えられる少なくとも1つのコンタクト電極、および少なくとも1つの反射層をさらに含み、前記少なくとも1つのコンタクト電極は、前記コンタクト領域に位置し、前記少なくとも1つの反射層は、前記発光領域に位置する。
【0010】
前記少なくとも1つのコンタクト電極は、前記凹部内に位置し、前記少なくとも1つのコンタクト電極と前記基板との間の距離は、前記少なくとも1つの反射層と前記基板との間の距離より短い。
【0011】
本発明の有機発光ダイオード表示装置は、前記第1絶縁層と前記発光ダイオードとの間の前記発光領域において、第1反射層、第2反射層、第3反射層をさらに含み、前記複数の副画素は、第1副画素、第2副画素、第3副画素を含み、前記第1反射層、前記第2反射層、前記第3反射層は、前記第1副画素、前記第2副画素、前記第3副画素にそれぞれ位置する。
【0012】
前記第2副画素における前記第2反射層と前記第2電極との間の距離は、前記第1副画素における前記第1反射層と前記第2電極との間の距離よりは小さく、前記第3副画素における前記第3反射層と前記第2電極との間の距離よりは大きい。
【0013】
本発明の有機発光ダイオード表示装置は、前記第1絶縁層と前記発光ダイオードとの間において、第2絶縁層および第3絶縁層をさらに含み、前記第1反射層は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に位置し、前記第2反射層は、前記第2絶縁層と前記第3絶縁層との間に位置し、前記第3反射層は、前記第3絶縁層と前記発光ダイオードとの間に位置する。
【0014】
本発明の有機発光ダイオード表示装置は、前記第1副画素、前記第2副画素、前記第3副画素のそれぞれの前記コンタクト領域において、互いに重なり、電気的に接続される第1コンタクト電極、第2コンタクト電極、第3コンタクト電極をさらに含み、前記第1コンタクト電極、前記第2コンタクト電極、前記第3コンタクト電極は、前記凹部内に位置する。
【0015】
前記第1コンタクト電極は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に位置し、前記第2コンタクト電極は、前記第2絶縁層と前記第3絶縁層との間に位置し、前記第3コンタクト電極は、前記第3絶縁層と前記発光ダイオードとの間に位置する。
【0016】
本発明の有機発光ダイオード表示装置は、前記第1電極と前記発光層との間において、前記第1電極の縁部を覆いながら前記第1電極の中央部を露出するバンクをさらに含み、前記バンクは、前記コンタクト領域に位置する。
【0017】
隣接する副画素間において、前記バンクはトレンチを有する。
【0018】
本発明の有機発光ダイオード表示装置の製造方法は、基板上に備えられる複数の副画素のそれぞれにおいて、少なくとも1つのトランジスタを形成する段階と、前記少なくとも1つのトランジスタの上部において、凹部を有する少なくとも1つの絶縁層を形成する段階と、前記少なくとも1つの絶縁層の上部における前記複数の副画素のそれぞれにおいて、第1電極、発光層、および第2電極を含む発光ダイオードを形成する段階とを含み、前記複数の副画素のそれぞれは、コンタクト領域および発光領域を含み、前記発光ダイオードは、前記コンタクト領域において前記少なくとも1つのトランジスタと電気的に接続され、前記凹部は、前記コンタクト領域に位置する。
【0019】
本発明の有機発光ダイオード表示装置の製造方法は、前記第1電極と前記発光層との間において、前記第1電極の縁部を覆いながら前記第1電極の中央部を露出するバンクを形成する段階をさらに含み、前記バンクは、前記コンタクト領域に位置する。
【0020】
前記バンクを形成する段階は、前記第1電極の上部にバンク物質層を形成する段階と、前記バンク物質層の上面を研磨し、バンク層を形成する段階と、前記バンク層を選択的に除去する段階とを含む。
【0021】
本発明の有機発光ダイオード表示装置の製造方法は、前記少なくとも1つの絶縁層を形成する段階と、前記発光ダイオードを形成する段階との間において、同じ工程で少なくとも1つのコンタクト電極と少なくとも1つの反射層を形成する段階をさらに含み、前記少なくとも1つのコンタクト電極は、前記コンタクト領域に位置し、前記少なくとも1つの反射層は、前記発光領域に位置する。
【0022】
前記少なくとも1つのコンタクト電極は、前記凹部内に位置し、前記少なくとも1つのコンタクト電極と前記基板との間の距離は、前記少なくとも1つの反射層と前記基板との間の距離より短い。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、隣接する異色の副画素の間にトレンチを配置することにより、隣接する副画素間における側部の漏洩電流を最小にすることができる。その結果、色の再現率を高めることができる。
【0024】
また、各副画素にマイクロキャビティ構造を採用することにより、色純度の高い光を得ることができ、光効率を向上させることができる。その結果、低電力化が可能となり、消費電力を低減することができる。
【0025】
さらに、発光ダイオードとトランジスタとが電気的に接続されるコンタクト領域に凹部を備え、バンクの上面を研磨して、コンタクト領域と発光領域との間における段差を最小にすることにより、漏洩電流を最小にし、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置を概略的に示す平面図である。
図2図1のI‐I’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の概略的な断面図である。
図3図1のII‐II’線、III‐III’線、およびIV-IV’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の概略的な断面図である。
図4A図1のI‐I’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図4B図1のI‐I’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図4C図1のI‐I’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図4D図1のI‐I’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図4E図1のI‐I’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図4F図1のI‐I’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図4G図1のI‐I’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図4H図1のI‐I’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図4I図1のI‐I’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図4J図1のI‐I’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図4K図1のI‐I’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図4L図1のI‐I’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図4M図1のI‐I’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図4N図1のI‐I’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図5A図1のII‐II’線、III‐III’線、およびIV-IV’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図5B図1のII‐II’線、III‐III’線、およびIV-IV’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図5C図1のII‐II’線、III‐III’線、およびIV-IV’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図5D図1のII‐II’線、III‐III’線、およびIV-IV’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図5E図1のII‐II’線、III‐III’線、およびIV-IV’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図5F図1のII‐II’線、III‐III’線、およびIV-IV’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図5G図1のII‐II’線、III‐III’線、およびIV-IV’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図5H図1のII‐II’線、III‐III’線、およびIV-IV’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図5I図1のII‐II’線、III‐III’線、およびIV-IV’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図5J図1のII‐II’線、III‐III’線、およびIV-IV’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図5K図1のII‐II’線、III‐III’線、およびIV-IV’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図5L図1のII‐II’線、III‐III’線、およびIV-IV’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図5M図1のII‐II’線、III‐III’線、およびIV-IV’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
図5N図1のII‐II’線、III‐III’線、およびIV-IV’線に沿った本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置、およびその製造方法について詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置を概略的に示す平面図である。
【0029】
図1に示すように、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置は、X方向である第1方向、およびY方向である第2方向に沿ってマトリクス状に配列された複数の画素Pを含み、各画素Pは、複数の副画素SP1、SP2、SP3を含む。図1においては、第2方向に沿って配列された2つの画素Pのみを示すが、同じ構成を持つ複数の画素Pがまた第1方向に沿って配列される。
【0030】
1つの画素Pは、第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3を含むことができる。例えば、第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3は、それぞれ赤色の副画素、緑色の副画素、青色の副画素であり得るが、本発明の実施例がこれに限定されるものではない。1つの画素Pが含む副画素の数は変わってもよく、例えば、1つの画素Pは、赤色・緑色・青色・白色の副画素を含むこともできる。
【0031】
第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3のそれぞれには、少なくとも1つのトランジスタおよび発光ダイオードが備えられる。
【0032】
一方、第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3のそれぞれは、発光領域EAおよびコンタクト領域CAを含む。発光ダイオードは発光領域EAに備えられ、コンタクト領域CAにおいて少なくとも1つのトランジスタと電気的に接続される。
【0033】
第1方向に沿って隣接する2つの副画素SP1、SP2、SP3間には、トレンチTCHが備えられる。トレンチTCHは、第2方向に沿って伸延することができる。例えば、複数のトレンチTCHを副画素の列の間に配置することができる。
【0034】
トレンチTCHは、第2方向に沿って隣接する2つの副画素、すなわち、第1副画素SP1間、第2副画素SP2間、そして第3副画素SP3間には備えられなくてもよいが、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。あるいは、トレンチTCHは、第2方向に沿って 隣接する2つの副画素SP1、SP2、SP3の間に備えられてもよい。例えば、複数のトレンチTCHを副画素の行の間に配置することができる。また、一実施例によれば、トレンチTCHは各副画素の周囲を完全に取り囲むことができる(例えば、グリッドまたは格子構成で)が、実施例はこれに限定されない。
【0035】
トレンチTCHは、第2方向に沿って隣接する2つの副画素SP1、SP2、SP3間に備えられてもよい。
【0036】
かかる本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の断面構造について、図2および図3を参照して説明する。
【0037】
図2および図3は、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の概略的な断面図であって、図2は、図1のI‐I’線に沿った断面を示し、図3は、図1のII‐II’線、III‐III’線、およびIV-IV’線に沿った断面を示す。ここで、有機発光ダイオード表示装置は、上部発光型(Top Emission Type)を例に挙げて説明する。
【0038】
図2および図3に示すように、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置は、複数の副画素、例えば、第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3を含み、第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3のそれぞれは、トランジスタTRおよび発光ダイオードDeを含む。
【0039】
具体的に、基板110の上部における第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3のそれぞれには、トランジスタTRが配置される。第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3は、1つの画素Pを構成する。
【0040】
ここで、基板110は、半導体物質から構成することができる。例えば、基板110は、単結晶シリコンからなるウェーハであり得る。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではなく、基板110は、ガラスやプラスチックのような絶縁物質からなってもよい。
【0041】
トランジスタTRは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:MOSFET)であり得る。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではなく、トランジスタTRは、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)であってもよい。
【0042】
かかるトランジスタTRは、発光ダイオードDeに接続される駆動トランジスタであり得る。また、基板110上には、駆動トランジスタに接続される少なくとも1つのトランジスタと少なくとも1つの配線、および少なくとも1つの電極をさらに備えることができる。
【0043】
例えば、基板110上には、スイッチングトランジスタ、センシングトランジスタ、ストレージキャパシタ、ゲート配線、データ配線、電源配線、センシング配線、および/または基準配線をさらに備えることができる。
【0044】
スイッチングトランジスタは、ゲート配線、データ配線および駆動トランジスタに接続され、ゲート配線のゲート信号によりスイッチングされ、データ配線のデータ信号を駆動トランジスタに伝送することができる。
【0045】
駆動トランジスタは、スイッチングトランジスタ、電源配線および発光ダイオードDeに接続され、スイッチングトランジスタを介して伝送されたデータ信号によりスイッチングされ、電源配線の高電位電圧による電流を発光ダイオードDeに伝送することができる。
【0046】
センシングトランジスタは、駆動トランジスタ、センシング配線、および基準配線に接続され、センシング配線のセンシング信号によりスイッチングされ、基準配線の基準電圧を駆動トランジスタに伝送する、または駆動トランジスタの電圧を検出することができる。
【0047】
ストレージキャパシタは、スイッチングトランジスタおよび駆動トランジスタに接続され、スイッチングトランジスタを介して伝送されたデータ信号を1フレームの間保持する働きをすることができる。
【0048】
かかる駆動トランジスタとスイッチングトランジスタ、センシングトランジスタ、そしてストレージキャパシタは、コンタクト領域CA、および/または発光領域EAに位置することができる。また、他の実施例によれば、トランジスタTRは、(例えば、スペースを節約するために)発光領域EAの下に、または発光領域EAと重なえるように配置することができるが、実施例はこれに限定されるものではない。
【0049】
次に、トランジスタTRの上部には、第1絶縁層112が配置される。第1絶縁層112は、実質的に基板110の全面に位置することができる。第1絶縁層112は、各副画素SP1、SP2、SP3のトランジスタTRを露出するビアホール112aを有する。ビアホール112aは、コンタクト領域CAに位置する。
【0050】
また、第1絶縁層112は、各副画素SP1、SP2、SP3のコンタクト領域CAにおいて凹部113を有する。凹部113は、ビアホール112aと重なって位置し、ビアホール112aより広い幅および広い面積を有する。例えば、ビアホール112aは、凹部113の底面にあってもよい。
【0051】
第1絶縁層112は、断層で形成されてもよく、多層で形成されてもよい。例えば、第1絶縁層112は、シリコンオキシド(SiOx)やシリコンナイトライド(SiNx)のような無機絶縁物質で構成することができる。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。第1絶縁層112は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂のような有機絶縁物質で構成されてもよい。
【0052】
第1絶縁層112の上部における第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3のそれぞれには、金属物質からなる第1コンタクト電極122aが配置される。かかる第1コンタクト電極122aは、コンタクト領域CA内に位置する。このとき、第1コンタクト電極122aは、凹部113内に位置する。
【0053】
第1コンタクト電極122aは、第1絶縁層112に備えられたビアホール112aを介し、トランジスタTRに接続される。このとき、第1コンタクト電極122aは、トランジスタTRのソース電極、またはドレイン電極に電気的に接続されることができる。
【0054】
ここで、ビアホール112a内には(例えば、トランジスタTRと凹部113との間)、金属物質からなるビア電極117を備えることができる。したがって、第1コンタクト電極122aは、ビア電極117に接触することができる。例えば、ビア電極117は、タングステン(W)から構成することができる。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。ビア電極117を省略し、第1コンタクト電極122aをビアホール112a内に備え、トランジスタTRに直接接続することもできる。
【0055】
また、第1絶縁層112の上部における第1副画素SP1には、金属物質からなる第1反射層122が配置される。第1反射層122は、第1副画素SP1の発光領域EAに位置する。ここで、凹部113内に設けられる第1コンタクト電極122aの高さは、第1反射層122の高さより低い。本発明の実施例において、高さは、基板110からの距離と定義することができる。したがって、凹部113内に設けられる第1コンタクト電極122aと基板110との間の距離は、第1反射層122と基板110との間の距離より短い。
【0056】
第1反射層122は、第1コンタクト電極122aと同じ物質からなり、第1副画素SP1の第1コンタクト電極122aに接続される。例えば、第1反射層122と第1コンタクト電極122aは一体に形成される。このとき、第1副画素SP1において、第1反射層122は、トランジスタTRに電気的に接続されることができる。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。第1反射層122は、第1コンタクト電極122aとは分離されてもよい。
【0057】
第1反射層122および第1コンタクト電極122aは、単層で形成されてもよく、多層で形成されてもよい。例えば、第1反射層122および第1コンタクト電極122aは、アルミニウム(Al)若しくはアルミニウム合金、または銀(Ag)若しくは銀合金で構成することができ、銀合金は、銀・パラジウム・銅の合金(Ag‐Pd‐Cu:APC)であり得る。或いは、第1反射層122および第1コンタクト電極122aは、チタン、アルミニウム、そしてチタンの3層構造(Ti/Al/Ti)を有することもできる。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0058】
第1反射層122および第1コンタクト電極122aの上部には、第2絶縁層114が配置される。第2絶縁層114は、実質的に基板110の全面に位置することができる。
【0059】
第2絶縁層114は、無機絶縁物質から構成することができる。そのため、第2絶縁層114は下部膜による段差を有し、第2絶縁層114の段差は、平面視において凹部113内に位置することができる。例えば、第2絶縁層114は、第1絶縁層112の凹部113に対応する又は重なる凹部を有していてもよい。例えば、第2絶縁層114は、シリコンオキシド(SiOx)、またはシリコンナイトライド(SiNx)から構成することができる。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0060】
第2絶縁層114は、各副画素SP1、SP2、SP3における第1コンタクト電極122aを露出する第1コンタクトホール114aを有する。すなわち、第1コンタクトホール114aは、各副画素SP1、SP2、SP3のコンタクト領域CAに位置する。ここで、第1コンタクトホール114aは、平面視において、凹部113内に位置するか、凹部113と重なることができる。かかる第1コンタクトホール114aは、ビアホール112aと第1コンタクトホール114aが重ならないように、ビアホール112aから離間して位置することができる。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0061】
第2絶縁層114の上部における第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3のそれぞれには、金属物質からなる第2コンタクト電極124aが配置される。かかる第2コンタクト電極124aは、コンタクト領域CA内に位置する。このとき、第2コンタクト電極124aは、平面視において凹部113内に位置するか、または凹部113と重なり、第1コンタクト電極122aと重なる。
【0062】
第2コンタクト電極124aは、第2絶縁層114に備えられた第1コンタクトホール114aを介し、第1コンタクト電極122aに接続される。したがって、第2コンタクト電極124aは、トランジスタTRに電気的に接続される。このとき、第2コンタクト電極124aは、第1コンタクト電極122aに直接接触することができる。
【0063】
また、第2絶縁層114の上部における第2副画素SP2には、金属物質からなる第2反射層124が配置される。第2反射層124は、第2副画素SP2の発光領域EAに位置する。ここで、凹部113内に設けられる第2コンタクト電極124aの高さは、第2反射層124の高さより低い。すなわち、凹部113内に設けられる第2コンタクト電極124aと基板110との間の距離は、第2反射層124と基板110との間の距離より短い。
【0064】
第2反射層124は、第2コンタクト電極124aと同じ物質からなり、第2副画素SP2の第2コンタクト電極124aに接続される。例えば、第2反射層124は、第2コンタクト電極124aと一体に形成される。したがって、第2副画素SP2において、第2反射層124は、トランジスタTRに電気的に接続されることができる。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。第2反射層124は、第2コンタクト電極124aとは分離されてもよい。
【0065】
第2反射層124および第2コンタクト電極124aは、単層で形成されてもよく、多層で形成されてもよい。例えば、第2反射層124および第2コンタクト電極124aは、アルミニウム(Al)若しくはアルミニウム合金、または銀(Ag)若しくは銀合金で構成することができ、銀合金は、銀・パラジウム・銅の合金(Ag‐Pd‐Cu:APC)であり得る。或いは、第2反射層124および第2コンタクト電極124aは、チタン、アルミニウム、そしてチタンの3層構造(Ti/Al/Ti)を有することもできる。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0066】
第2反射層124および第2コンタクト電極124aの上部には、第3絶縁層116が配置される。第3絶縁層116は、実質的に基板110の全面に位置することができる。
【0067】
第3絶縁層116は、無機絶縁物質から構成することができる。そのため、第3絶縁層116は下部膜による段差を有し、第3絶縁層116の段差は、平面視において凹部113内に位置することができる。例えば、第3絶縁層116は、第2絶縁層114の凹部及び第1絶縁層112の凹部113の両方と重なる凹部を有することができる。例えば、第3絶縁層116は、シリコンオキシド(SiOx)、またはシリコンナイトライド(SiNx)から構成することができる。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0068】
第3絶縁層116は、各副画素SP1、SP2、SP3における第2コンタクト電極124aを露出する第2コンタクトホール116aを有する。すなわち、第2コンタクトホール116aは、各副画素SP1、SP2、SP3のコンタクト領域CAに位置する。ここで、第2コンタクトホール116aは、平面視において、凹部113内に位置する。かかる第2コンタクトホール116aは、3つの異なるホールが互いに重ならないように、第1コンタクトホール114aおよびビアホール112a から離間して位置することができる。また、平面視において、第1コンタクトホール114aは、第2コンタクトホール116aとビアホール112aとの間に配置される。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0069】
第3絶縁層116の上部における第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3のそれぞれには、金属物質からなる第3コンタクト電極126aが配置される。かかる第3コンタクト電極126aは、コンタクト領域CA内に位置する。このとき、第3コンタクト電極126aは、平面視において凹部113内に位置し、第1コンタクト電極122a、および第2コンタクト電極124aと重なる。例えば、第1、第2、及び第3のコンタクト電極122a、124a、126aは、互いに積層することができる。
【0070】
第3コンタクト電極126aは、第3絶縁層116に備えられた第2コンタクトホール116aを介し、第2コンタクト電極124aに接続される。したがって、第3コンタクト電極126aは、トランジスタTRに電気的に接続される。このとき、第3コンタクト電極126aは、第2コンタクト電極124aに直接接触することができる。
【0071】
また、第3絶縁層116の上部における第3副画素SP3には、金属物質からなる第3反射層126が配置される。第3反射層126は、第3副画素SP3の発光領域EAに位置する。ここで、凹部113内に設けられる第3コンタクト電極126aの高さは、第3反射層126の高さより低い。すなわち、凹部113内に設けられる第3コンタクト電極126aと基板110との間の距離は、第3反射層126と基板110との間の距離より短い。
【0072】
第3反射層126は、第3コンタクト電極126aと同じ物質からなり、第3副画素SP3の第3コンタクト電極126aに接続される。例えば、第3反射層126は、第3コンタクト電極126aと一体に形成される。したがって、第3副画素SP3において、第3反射層126は、トランジスタTRに電気的に接続されることができる。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。第3反射層126は、第3コンタクト電極126aとは分離されてもよい。
【0073】
第3反射層126および第3コンタクト電極126aは、単層で形成されてもよく、多層で形成されてもよい。例えば、第3反射層126および第3コンタクト電極126aは、アルミニウム(Al)若しくはアルミニウム合金、または銀(Ag)若しくは銀合金で構成することができ、銀合金は、銀・パラジウム・銅の合金(Ag‐Pd‐Cu:APC)であり得る。或いは、第3反射層126および第3コンタクト電極126aは、チタン、アルミニウム、そしてチタンの3層構造(Ti/Al/Ti)を有することもできる。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0074】
第3絶縁層116、または第3反射層126の上部における各副画素SP1、SP2、SP3の発光領域EAには、第1電極120が配置される。第1副画素SP1および第2副画素SP2における第1電極120は、第3絶縁層116の上部に位置して第3絶縁層116に接触し、第3副画素SP3における第1電極120は、第3反射層126の上部に位置して第3反射層126に接触する。例えば、第3反射層126は、第3副画素SP3の発光領域EAにおいて第1電極120と第3絶縁層116との間に配置される。
【0075】
ここで、第3絶縁層116と第1電極120との間、および第3反射層126と第1電極120との間には、少なくとも1つの絶縁層をさらに設けることもできる。
【0076】
また、第1電極120は、各副画素SP1、SP2、SP3のコンタクト領域CAまで伸延する。そのため、第1電極120は、各副画素SP1、SP2、SP3の第3コンタクト電極126aの上部にも配置され、第3コンタクト電極126aと接触し、重なる。
【0077】
したがって、各副画素SP1、SP2、SP3の第1電極120は、第1コンタクト電極122a、第2コンタクト電極124a、第3コンタクト電極126aを介し、対応するトランジスタTRに電気的に接続される。
【0078】
かかる第1電極120は、比較的に仕事関数の高い導電性物質を含むことができる。例えば、第1電極120は、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)のような透明導電性酸化物(Transparent Conductive Oxide:TCO)から構成することができる。
【0079】
第1電極120の上部にはバンク150が配置される。バンク150は、第1電極120の縁部を覆いながら第1電極120の中央部を露出する開口部を有する。バンク150の開口部に対応する部分、すなわち、バンク150を介して第1電極120が露出される部分を、発光領域EAとして定義する。このような発光領域EAを除いた残りの部分を非発光領域として定義するが、バンク150は非発光領域に配置される。コンタクト領域CAは非発光領域に該当し、バンク150はコンタクト領域CAに位置する。
【0080】
例えば、バンク150は、シリコンオキシド(SiOx)やシリコンナイトライド(SiNx)のような無機絶縁物質で構成することができる。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。バンク150はアクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂といった有機絶縁物質で構成することもできる。かかるバンク150は、単層で形成されてもよく、多層で形成されてもよい。
【0081】
本発明の実施例において、バンク150は平らな上面を有する。これについては、後で詳細に説明する。
【0082】
一方、隣接する副画素SP1、SP2、SP3の間、すなわち、第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3間におけるバンク150、および第3絶縁層116には、トレンチTCHが形成される。
【0083】
本発明の実施例では、トレンチTCHが、バンク150および第3絶縁層116に備えられることを例に挙げ、説明したが、本発明の実施例がこれに限定されるものではない。例えば、トレンチTCHは、バンク150を完全に貫通し、部分的に第3絶縁層116を貫通して延びることができるが、実施例がこれに限定されるものではない。トレンチTCHは、第3絶縁層116の下部の第2絶縁層114に備えられてもよく、第1絶縁層112および第2絶縁層114に備えられてもよい。
【0084】
かかるトレンチTCHは、後続工程において、隣接する副画素SP1、SP2、SP3の発光層130を分離させ、側部の漏洩電流を最小にする働きをする。他の実施例によれば、トレンチTCHは、隣接する副画素SP1、SP2、SP3の発光層130の一部を薄くしながら、隣接する副画素間の領域で発光層130を完全に切断することなく、側部の漏洩電流を最小にする(例えば、トレンチTCHは、発光層130の一部が非常に薄くなり、電気抵抗を増加させることができる)。
【0085】
具体的に、トレンチTCHを形成しない場合、隣接する副画素SP1、SP2、SP3の間において、第1スタック132、第2スタック136、そして電荷発生層134がそれぞれ1つに接続され、側部の漏洩電流が発生し得る。また、かかる側部の漏洩電流により、発光すべきでない副画素SP1、SP2、SP3が発光し、色の再現率が低下することもあり得る。
【0086】
このような色の再現率の低下は、同色の光を放射する副画素同士の間において側部の漏洩電流が発生した場合より、異色の光を放射する副画素同士の間において側部の漏洩電流が発生した場合に、さらに大きくなり得る。
【0087】
したがって、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置では、異色の光を放射する第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3間における側部の漏洩電流を最小にするため、互いに異なる色の光を放射する第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3間にトレンチTCHを配置することができる。ここで、隣接する副画素SP1、SP2、SP3間における第1スタック132および電荷発生層134は、トレンチTCHにより互いに分離されるが、隣接する副画素SP1、SP2、SP3間における第2スタック136は分離されず、互いに接続されていてもよい。或いは、隣接する副画素SP1、SP2、SP3間における第1スタック132、電荷発生層134および第2スタック136は、全てトレンチTCHにより互いに分離されてもよい。
【0088】
一方、トレンチTCHは、同色の光を放射する第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3同士の間には、配置されなくてもよい。
【0089】
例えば、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置がストライプ型である場合、図1に示すように、第1方向に沿って第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3が順次に繰り返し配置され、第2方向に沿って同色の第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3がそれぞれ配置されるが、トレンチTCHは、図1の第1方向に沿って隣接する異色の光を放射する副画素SP1、SP2、SP3間において、第2方向に沿ってライン状に配置される。図1の第2方向に沿って隣接する同色の光を放射する副画素SP1、SP2、SP3同士の間には配置されなくてもよい。
【0090】
次に、バンク150の開口部を介して露出される第1電極120、およびバンク150の上部には発光層130が配置される。発光層130は、順次配置される第1スタック132と電荷発生層134、そして第2スタック136を含む。
【0091】
第1スタック132は、少なくとも1つの正孔注入層(Hole Injecting Layer:HIL)、少なくとも1つの正孔輸送層(Hole Transporting Layer:HTL)、少なくとも1つの発光物質層(Emitting Material Layer:EML)、少なくとも1つの電子輸送層(Electron Transporting Layer:ETL)を含むことができる。第1スタック132の発光物質層は、赤色光、緑色光、青色光、黄色光のうち、1つを放射することができる。
【0092】
電荷発生層(Charge Generation Layer:CGL)134は、第1スタック132に電子を供給するためのネガティブタイプ(N‐type)の電荷発生層、第2スタック136に正孔を供給するためのポジティブタイプ(P‐type)の電荷発生層を含むことができる。
【0093】
第2スタック136は、少なくとも1つの正孔輸送層(HTL)、少なくとも1つの発光物質層(EML)、少なくとも1つの電子輸送層(ETL)、少なくとも1つの電子注入層(Electron Injecting Layer:EIL)を含むことができる。第2スタック136の発光物質層は、赤色光、緑色光、青色光、黄色光のうち、1つを放射することができる。
【0094】
ここで、第2スタック136の発光物質層は、第1スタック132の発光物質層とは異なる色の光を放射してもよい。例えば、第1スタック132の発光物質層は青色の光を放射し、第2スタック136の発光物質層は赤色の光や緑色の光を放射してもよい。或いは、第1スタック132の発光物質層は青色の光を放射し、第2スタック136の発光物質層は黄色の光を放射してもよい。
【0095】
前述した通り、発光層130の第1スタック132、電荷発生層134、そして第2スタック136のうち、電荷発生層134を含む少なくとも1つは、トレンチTCHの段差によりトレンチTCHの上部において分離され、互いに接触することなく、 第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3毎に離間する。
【0096】
例えば、第1スタック132と電荷発生層134が、第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3毎に離間するか分離されことができる。このとき、第1スタック132と電荷発生層134は、トレンチTCHの上部から基板110に近接するほど段々細くなり、断絶する。一方、トレンチTCH内においては、第1スタック132および電荷発生層134と同じ物質が積層されることができる。また、第1スタック132と電荷発生層134が切断または分離された領域のトレンチTCH内には、ギャップスペースまたは空きスペースが存在することができる。
【0097】
このように、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置では、トレンチTCHの上部における第1スタック132および電荷発生層134が、第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3毎に互いに分離され、離間する。そのため、異色の光を放射する第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3間における側部の漏洩電流を最小にすることができる。
【0098】
一方、本発明の実施例では、第1スタック132、電荷発生層134、そして第2スタック136を含むダブルスタック構造の発光層130を例に挙げたが、他の実施例では、発光層が、3つ以上のスタックと2つ以上の電荷発生層を含むマルチスタック構造を有することもできる。この場合、トレンチTCHにより、2つ以上のスタックと2つ以上の電荷発生層を分離することができる。
【0099】
発光層130の上部には第2電極140が配置される。第2電極140は、実質的に基板110の全面に配置される。
【0100】
第1電極120、発光層130および第2電極140は、発光ダイオードDeを構成する。ここで、第1電極120はアノードであり、第2電極140はカソードであり得る。しかしながら、本発明の実施例がこれに限定されるものではない。第1電極120はカソードであってもよく、第2電極140はアノードであってもよい。
【0101】
第2電極140はトレンチTCHの上部において分離されず、第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3に亘り、接続して配置される。換言すれば、第2電極140は、第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3間のトレンチTCHを横切って連続的に延在することができる。また、第2電極140は、トレンチTCHと重なる領域に凹部、溝、またはディボットを有することができる。或いは、第2電極140はトレンチTCHの上部において分離され、第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3毎に離間してもよい。
【0102】
第2電極140は、透明導電性物質や半透過金属物質、または反射率を持つ金属物質から構成することができる。第2電極140は、比較的に仕事関数の低い導電性物質を含むことができる。
【0103】
例えば、前述した通り、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置が上部発光型である場合、第2電極140は、光を透過させることができる酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)のような透明導電性酸化物(TCO)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、マグネシウム・銀の合金(MgAg)のような半透過金属物質(Semi-transmissive Metallic Material)から構成することができる。
【0104】
第2電極140の上部には、第1封止層152、第2封止層154、第3封止層156が順次配置される。第1封止層152および第3封止層156は、無機絶縁物質から構成し、第2封止層154は有機絶縁物質から構成することができる。
【0105】
例えば、第1封止層152は、アルミニウムオキシド(AlOx)、シリコンオキシド(SiOx)、シリコンナイトライド(SiNx)のような無機絶縁物質から構成することができる。また、第3封止層156は、シリコンオキシド(SiOx)やシリコンナイトライド(SiNx)のような無機絶縁物質から構成することができ、第2封止層154は、アクリル樹脂やエポキシ樹脂のような有機絶縁物質で構成することができる。
【0106】
かかる第1封止層152、第2封止層154、第3封止層156は、外部からの水分および酸素を遮断することができる。
【0107】
次に、第3封止層156の上部にはカラーフィルター160が配置される。カラーフィルター160は、第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3にそれぞれ対応する第1カラーフィルター160R、第2カラーフィルター160G、第3カラーフィルター160Bを含むことができる。第1カラーフィルター160R、第2カラーフィルター160G、第3カラーフィルター160Bは、それぞれ赤色、緑色、青色のカラーフィルターであり得る。しかしながら、本発明の実施例がこれに限定されるものではない。
【0108】
図面に示していないが、カラーフィルター160の上部には、カバー基板やカバーフィルムを配置することができる。
【0109】
このように、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置では、隣接する異色の第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3間にトレンチTCHを配置することにより、隣接する異色の副画素SP1、SP2、SP3間における第1スタック132および電荷発生層134を分離し、側部の漏洩電流を最小にすることができる。
【0110】
また、第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3にマイクロキャビティ構造を採用することにより、光効率を向上させることができる。
【0111】
さらに詳細に説明すると、発光ダイオードからの光が2つの反射板の間で干渉を起こすマイクロキャビティ効果を利用し、波長を選択的に増幅させ、狭い色スペクトルで光を放出させることにより、色純度の高い光を得ることができ、正面において高い効率を持たせることができる。
【0112】
かかるマイクロキャビティ効果を実現するため、第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3における2つの反射板間の距離は相違する。すなわち、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置では、第1反射層122、第2反射層124、第3反射層126と第2電極140との間の距離を相違させることにより、マイクロキャビティ効果を実現する。このとき、第1反射層122、第2反射層124、第3反射層126と第2電極140との間の距離を調節するため、第1絶縁層112、第2絶縁層114、第3絶縁層116が利用される。
【0113】
具体的に、第1副画素SP1の第1反射層122を、第1絶縁層112と第2絶縁層114との間に配置し、第2副画素SP2の第2反射層124を、第2絶縁層114と第3絶縁層116との間に配置し、第3副画素SP3の第3反射層126を、第3絶縁層116と第1電極120との間に配置する。
【0114】
そのため、第2副画素SP2における第2反射層124と第2電極140との間の第2距離d2は、第1副画素SP1における第1反射層122と第2電極140との間の第1距離d1よりは小さく、第3副画素SP3における第3反射層126と第2電極140との間の第3距離d3よりは大きい(d1 > d2 > d3)。かかる第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3は、それぞれ赤色、緑色、青色に対応する光範囲のメインピークを放出することができ、赤色、緑色、青色のメインピークの強度は、第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3の発光層130からの光の強度より大きい。したがって、第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3における赤色光、緑色光、青色光の光取り出し効率、およびその輝度が向上する。
【0115】
また、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置では、コンタクト領域CAに凹部113を設け、バンク150の上面を研磨して平らにすることにより、コンタクト領域CAと発光領域EAとの間の段差を最小にする。
【0116】
具体的に、コンタクト領域CAには、複数のコンタクト電極122a、124a、126aおよび複数のコンタクトホール114a、116aが設けられるため、コンタクト領域CAにおける段差は、発光領域EAより高く、様々な高さに形成される。かかる段差により発光層130が薄くなる箇所ができ、その結果、漏洩電流が発生してオフ状態の発光ダイオードDeをオンにさせ、パネル不良を引き起こす。
【0117】
したがって、本発明の実施例では、コンタクト領域CAに凹部113を設け、バンク150の上面を研磨して、コンタクト領域CAと発光領域EAとの間の段差を最小にすることにより、漏洩電流を最小にし、信頼性を向上させることができる。例えば、発光層130は、実質的に同じまたは均一な厚さ、および発光層130の上面の実質的に同じまたは均一な平坦度を維持しながら、コンタクト領域CAおよび発光領域EAにわたって延在することができる。
【0118】
このような本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造方法について、図面を参照し、説明する。
【0119】
図4Aないし図4N、および図5Aないし図5Nは、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の製造工程における概略的な断面図であって、図4Aないし図4N図1のI‐I’線に対応し、図5Aないし図5Nは、図1のII‐II’線、III‐III’線、およびIV-IV’線に対応する。
【0120】
図4A及び図5Aに示すように、基板110の上部における第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3のそれぞれにトランジスタTRを形成する。トランジスタTRは、各副画素SP1、SP2、SP3のコンタクト領域CAに位置することができる。しかしながら、本発明の実施例がこれに限定されるものではない。トランジスタTRは、各副画素SP1、SP2、SP3の発光領域EAに(例えば、スペースを節約し、各副画素の設置面積を減らすために、発光領域EAの下に)位置してもよい。
【0121】
続いて、トランジスタTRの上部に絶縁物質を蒸着し、実質的に基板110の全面に第1絶縁層112を形成した後、フォトリソグラフィ工程で第1絶縁層112を選択的に除去し、各副画素SP1、SP2、SP3のトランジスタTRを露出するビアホール112aを形成する。
【0122】
次に、ビアホール112a内を金属物質で埋め込み、ビア電極117を形成する。例えば、ビア電極117はタングステンから構成することができるが、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0123】
続いて、ビア電極117が形成された第1絶縁層112の上面を研磨し、平坦化を行う。ここで、研磨は、化学的作用と物理的作用を利用した化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)を利用することができる。
【0124】
次に、図4Bおよび図5Bに示すように、フォトリソグラフィ工程で、各副画素SP1、SP2、SP3のコンタクト領域CAにおける第1絶縁層112を部分的に除去し、凹部113を形成する。このとき、ビアホール112aおよびビア電極117の一部も除去される。他の実施形態によれば、凹部113は、トランジスタTRと第1のコンタクト電極122aの少なくとも一部が同じ層上または同じ高さに位置するように、第1の絶縁層112を貫通して延在することができる。このように、ビアホール112a及びビア電極117を省略することもできるが、実施例はこれに限定されるものではない。
【0125】
次に、図4Cおよび図5Cに示すように、凹部113が設けられた第1絶縁層112の上部に金属物質を蒸着した後、フォトリソグラフィ工程で選択的に除去することで、第1反射層122および第1コンタクト電極122aを形成する。
【0126】
ここで、第1反射層122は第1副画素SP1の発光領域EAに位置し、第1コンタクト電極122aは各副画素SP1、SP2、SP3のコンタクト領域CAに位置する。第1コンタクト電極122aは凹部113内に位置し、ビア電極117に接触する。また、第1副画素SP1の第1コンタクト電極122aは、第2副画素SP2の第1コンタクト電極122a及び第3副画素SP3の第1コンタクト電極122aよりも大きいサイズを有することができる。例えば、第1副画素SP1の第1コンタクト電極122aは、第1副画素SP1の発光領域EA内に延在する第1反射層122と一体に形成される。
【0127】
図5Cに示すように、第1副画素SP1において、第1反射層122と第1コンタクト電極122aは互いに接続される。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。本発明の他の実施例では、第1副画素SP1における第1反射層122と第1コンタクト電極122aとが分離され、電気的に接続されなくてもよい。
【0128】
次に、図4Dおよび図5Dに示すように、第1反射層122および第1コンタクト電極122aの上部に絶縁物質を蒸着し、実質的に基板110の全面に第2絶縁層114を形成した後、フォトリソグラフィ工程で第2絶縁層114を選択的に除去し、各副画素SP1、SP2、SP3に第1コンタクトホール114aを形成する。
【0129】
第1コンタクトホール114aは、コンタクト領域CAに位置し、第1コンタクト電極122aの上面を部分的に露出する。第1コンタクトホール114aは、平面視において凹部113内に位置し、ビアホール112aから離間する。
【0130】
次に、図4Eおよび図5Eに示すように、第1コンタクトホール114aが設けられた第2絶縁層114の上部に金属物質を蒸着した後、フォトリソグラフィ工程で選択的に除去することで、第2反射層124および第2コンタクト電極124aを形成する。
【0131】
ここで、第2反射層124は、第2副画素SP2の発光領域EAに位置し、第2コンタクト電極124aは、各副画素SP1、SP2、SP3のコンタクト領域CAに位置する。各副画素SP1、SP2、SP3のコンタクト領域CAにおいて、第2コンタクト電極124aは凹部113内に位置し、第1コンタクト電極122aと重なる。第2コンタクト電極124aは、第1コンタクトホール114aを介し、第1コンタクト電極122aに接触する。
【0132】
図5Eに示すように、第2副画素SP2における第2反射層124と第2コンタクト電極124aは互いに接続されるか、一体に形成される。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。本発明の他の実施例では、第2副画素SP2における第2反射層124と第2コンタクト電極124aは分離され、電気的に接続されなくてもよい。
【0133】
次に、図4Fおよび図5Fに示すように、第2反射層124および第2コンタクト電極124aの上部に絶縁物質を蒸着し、実質的に基板110の全面に第3絶縁層116を形成した後、フォトリソグラフィ工程で第3絶縁層116を選択的に除去し、各副画素SP1、SP2、SP3に第2コンタクトホール116aを形成する。
【0134】
第2コンタクトホール116aは、コンタクト領域CAに位置し、第2コンタクト電極124aの上面を部分的に露出する。第2コンタクトホール116aは、平面視において凹部113内に位置し、第1コンタクトホール114aから離間する。
【0135】
次に、図4Gおよび図5Gに示すように、第2コンタクトホール116aが設けられた第3絶縁層116の上部に金属物質を蒸着した後、フォトリソグラフィ工程で選択的に除去することで、第3反射層126および第3コンタクト電極126aを形成する。
【0136】
ここで、第3反射層126は、第3副画素SP3の発光領域EAに位置し、第3コンタクト電極126aは、各副画素SP1、SP2、SP3のコンタクト領域CAに位置する。各副画素SP1、SP2、SP3のコンタクト領域CAにおいて、第3コンタクト電極126aは凹部113内に位置し、第1コンタクト電極122a、および第2コンタクト電極124aと重なる。第3コンタクト電極126aは、第2コンタクトホール116aを介し、第2コンタクト電極124aに接触する。
【0137】
図5Gに示すように、第3副画素SP3における第3反射層126と第3コンタクト電極126aは互いに接続されるか、一体に形成される。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。本発明の他の実施例では、第3副画素SP3における第3反射層126と第3コンタクト電極126aは分離され、電気的に接続されなくてもよい。
【0138】
次に、図4Hおよび図5Hに示すように、第3反射層126および第3コンタクト電極126aの上部に導電性物質を蒸着した後、フォトリソグラフィ工程で選択的に除去することで、各副画素SP1、SP2、SP3に第1電極120を形成する。
【0139】
第1電極120は、各副画素SP1、SP2、SP3の発光領域EAおよびコンタクト領域CAに位置する。ここで、コンタクト領域CAに位置する第1電極120の高さは、発光領域EAに位置する第1電極120の高さより低い。すなわち、コンタクト領域CAに位置する第1電極120と基板110との間の距離は、発光領域EAに位置する第1電極120と基板110との間の距離より短い。
【0140】
第1副画素SP1および第2副画素SP2の発光領域EAにおける第1電極120は、第3絶縁層116に接触し、第3副画素SP3の発光領域EAにおける第1電極120は、第3反射層126に接触する。また、各副画素SP1、SP2、SP3のコンタクト領域CAにおける第1電極120は、第1コンタクト電極122a、第2コンタクト電極124a、第3コンタクト電極126aと重なり、第3コンタクト電極126aを覆いながら接触する。したがって、第1電極120は、トランジスタTRと電気的に接続される。
【0141】
次に、図4Iおよび図5Iに示すように、第1電極120の上部に絶縁物質を蒸着し、実質的に基板110の全面にバンク物質層150aを形成する。ここで、バンク物質層150aの上面は平坦ではない。すなわち、コンタクト領域CAに設けられる第1コンタクト電極122a、第2コンタクト電極124a、第3コンタクト電極126aと、第1コンタクトホール114a、第2コンタクトホール116aなどによりバンク物質層150aはその上面において様々な高さの段差があり、凸凹を有する。
【0142】
かかるバンク物質層150aは、シリコンオキシド(SiOx)やシリコンナイトライド(SiNx)のような無機絶縁物質から構成することができる。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0143】
続いて、図4Jおよび図5Jに示すように、バンク物質層150aの上面を研磨し、平坦化を行う。このとき、化学機械研磨法を用いることができる。これにより、バンク物質層150aより高さや厚さが小さく、平らな上面を有するバンク層150bが形成される。
【0144】
次に、図4Kおよび図5Kに示すように、フォトリソグラフィ工程でバンク層150bを選択的に除去し、第1電極120の縁部を覆いながら第1電極120の中央部を露出するバンク150を形成する。バンク150は、コンタクト領域CAに位置する第1電極120を覆いながら、発光領域EAに位置する第1電極120を露出する。
【0145】
かかるバンク150は平坦な上面を有し、コンタクト領域CAのバンク150と発光領域EAの第1電極120との間の段差は相対的に小さい。すなわち、コンタクト領域CAにおけるバンク150の上面と、発光領域EAにおける第1電極120の上面との間の距離は相対的に小さい。
【0146】
次に、図4Lおよび図5Lに示すように、隣接する第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3間の境界において、バンク150および第3絶縁層116をエッチングし、トレンチTCHを形成する。
【0147】
次に、図4Mおよび図5Mに示すように、バンク150の開口部を介して露出される第1電極120およびバンク150の上部に、第1スタック132と電荷発生層134を順次形成する。第1スタック132と電荷発生層134は、熱蒸発のような蒸着工程で形成することができる。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0148】
各副画素SP1、SP2、SP3間において、第1スタック132はトレンチTCHにより分離される。すなわち、第1スタック132は、各副画素SP1、SP2、SP3毎に独立したパターンになる。同様に、各副画素SP1、SP2、SP3間における電荷発生層134は、トレンチTCHにより分離される。すなわち、電荷発生層134は、各副画素SP1、SP2、SP3毎に独立したパターンになる。そのため、隣接する副画素SP1、SP2、SP3における第1スタック132および電荷発生層134同士は接続されず、各副画素SP1、SP2、SP3毎に分離される。このとき、各副画素SP1、SP2、SP3間における第1スタック132および電荷発生層134のそれぞれは、トレンチTCHの側壁に沿って形成され、トレンチTCHの側壁から基板110に近接するほど薄くなり、断絶することがある。
【0149】
続いて、電荷発生層134の上部に、第2スタック136と第2電極140を順次形成する。第2スタック136と第2電極140は、熱蒸発のような蒸着工程で形成することができる。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0150】
ここで、隣接する副画素SP1、SP2、SP3における第2スタック136および第2電極140は、分離されず、互いに接続されてもよい。或いは、第2スタック136および/または第2電極140は、各副画素SP1、SP2、SP3毎に分離されてもよい。
【0151】
次に、図4Nおよび図5Nに示すように、第2電極140の上部に第1封止層152、第2封止層154、第3封止層156を順次形成する。このとき、第1封止層152および第3封止層156は、段差被服性に優れた蒸着工程で形成することができる。その結果、第1封止層152および第3封止層156は、下部層の段差に沿って形成され、非平坦な上面を持つことがある。
【0152】
一方、第2封止層154は、下部層による段差を解消し、実質的に平坦な上面を有することができる。それにより、第2封止層154の上部の第3封止層156も平坦な上面を有することができる。このような第2封止層154は、溶液工程で形成することができる。しかしながら、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。第2封止層154は、蒸着工程で形成することもできる。
【0153】
続いて、第3封止層156の上部にカラーレジストを塗布し、フォトリソグラフィ工程でパターニングする段階を繰り返し、第1副画素SP1、第2副画素SP2、第3副画素SP3にそれぞれ第1カラーフィルター160R、第2カラーフィルター160G、第3カラーフィルター160Bを形成することで、カラーフィルター160を完成させる。
【0154】
このように、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置では、コンタクト領域CAに凹部113を設け、化学機械研磨CMPなどを利用して平坦な上面を有するバンク150を形成することで、コンタクト領域CAと発光領域EAとの間の段差を最小にする。それにより、漏洩電流を最小にし、信頼性を向上させることができる。
【0155】
かかる本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置は、ヘッドマウントディスプレイに採用することができる。ヘッドマウントディスプレイとは、頭部に装着するゴーグルやヘルメットの形状の表示装置であって、ユーザーの目の前に焦点が形成される仮想現実(Virtual Reality:VR)、または拡張現実(Augmented Reality:AR)の眼鏡型モニターであるが、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の前面に様々な光学系を配置することで、実現することができる。
【0156】
以上、本発明の好適な実施例を参照し、説明したが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載した本発明の技術思想や技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正、または変形することが可能であろう。
【符号の説明】
【0157】
110…基板、TR…トランジスタ、De…発光ダイオード、TCH…トレンチ、112…第1絶縁層、114…第2絶縁層、116…第3絶縁層、112a…ビアホール、113…凹部、114a…第1コンタクトホール、116a…第2コンタクトホール、117…ビア電極、120…第1電極、130…発光層、132…第1スタック、134…電荷発生層、136…第2スタック、140…第2電極、150…バンク、122…第1反射層、124…第2反射層、126…第3反射層、122a…第1コンタクト電極、124a…第2コンタクト電極、126a…第3コンタクト電極、152…第1封止層、154…第2封止層、156…第3封止層、160…カラーフィルター、SP1…第1副画素、SP2…第2副画素、SP3…第3副画素
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図4L
図4M
図4N
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図5J
図5K
図5L
図5M
図5N