IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特開-表示装置 図1
  • 特開-表示装置 図2
  • 特開-表示装置 図3
  • 特開-表示装置 図4
  • 特開-表示装置 図5
  • 特開-表示装置 図6
  • 特開-表示装置 図7
  • 特開-表示装置 図8
  • 特開-表示装置 図9
  • 特開-表示装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109049
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240805BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240805BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20240805BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20240805BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20240805BHJP
   H10K 59/124 20230101ALI20240805BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20240805BHJP
   H10K 50/00 20230101ALI20240805BHJP
   H10K 59/12 20230101ALN20240805BHJP
   H10K 59/17 20230101ALN20240805BHJP
   H10K 59/179 20230101ALN20240805BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
G09F9/30 308Z
G09F9/00 350Z
H05B33/14 Z
H10K59/10
H10K77/10
H10K59/124
H10K59/131
H10K50/00
H10K59/12
H10K59/17
H10K59/179
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024000155
(22)【出願日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】10-2023-0012731
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, ヨンヒ
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107AA05
3K107CC43
3K107DD12
3K107DD13
3K107DD14
3K107DD15
3K107DD16
3K107DD17
3K107DD18
3K107DD19
3K107DD38
3K107DD39
3K107DD88
3K107DD90
3K107FF02
3K107FF15
3K107HH04
3K107HH05
5C094AA32
5C094AA47
5C094BA03
5C094BA27
5C094DA06
5C094DA13
5C094EB01
5C094FA01
5C094FB01
5C094FB06
5C094JA07
5C094JA08
5G435EE04
5G435EE13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】表示パネルの屈曲可能領域内の信号配線に加わる応力を減少することができる表示装置を提供する。
【解決手段】表示領域と、表示領域を囲み、屈曲可能領域を有する非表示領域とを含む表示パネルと、表示パネルの表示領域を支持する第1バックプレートと、第1バックプレートと離隔して非表示領域の一部を支持する第2バックプレートと、を含む。ここで、表示パネルは、表示領域及び非表示領域の全体にわたって基板上に配置される接着性バッファ層と、接着性バッファ層上に配置されて、屈曲可能領域を通る第1信号配線とを含み、接着性バッファ層は、屈曲可能領域における基板の上面に配置されていてもよい。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と、前記表示領域を囲み、屈曲可能領域を有する非表示領域とを含む表示パネルと、
少なくとも前記表示パネルの前記表示領域を支持する第1バックプレートと、
前記第1バックプレートと離隔して、前記表示パネルの前記非表示領域の一部分を支持する第2バックプレートと、を含み、
前記表示パネルは、
基板と、
前記表示領域と前記非表示領域において前記基板上に配置される接着性バッファ層と、
前記接着性バッファ層上に配置され、前記屈曲可能領域を通る第1信号配線と、を含み、前記接着性バッファ層は、前記屈曲可能領域における前記基板の上面に配置される、表示装置。
【請求項2】
前記接着性バッファ層は、前記基板の高分子物質よりも低い貯蔵弾性率を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記接着性バッファ層は、25℃基準に0.01MPa~1,000MPaの範囲の貯蔵弾性率を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記接着性バッファ層は、0.5μm~3.0μmの厚さを有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記接着性バッファ層は、アクリル系、シリコン系、ゴム系、ポリウレタン系接着物質、又はこれらの組み合わせのいずれかからなる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示パネルの前記屈曲可能領域が曲がって、前記第2バックプレートが前記第1バックプレートの下面に付着した状態で、互いに隣接した前記第1バックプレートの端部と前記第2バックプレートの端部との間の距離が、10μm以下である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルは、前記表示領域で前記接着性バッファ層上に配置されたピクセル回路部と、前記ピクセル回路部の側面を囲む平坦化層とをさらに含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記平坦化層は、前記非表示領域に延在し、前記非表示領域における前記平坦化層の端部は、前記非表示領域における前記第1バックプレートの端部から60μm以上の距離で離隔している、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示パネルは、前記表示領域及び前記非表示領域の全体にわたって前記接着性バッファ層上に配置され、前記第1信号配線を覆う第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に配置され、前記屈曲可能領域を通る第2信号配線とをさらに含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記基板は、高分子物質からなる単一層であるか、第1高分子物質からなる下部層と、第2高分子物質からなる上部層との間に無機物質からなる中間層が挿入された積層構造である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
第1領域と、第2領域と、第1領域と第2領域との間の屈曲可能な第3領域と、を含む表示パネルと、
前記表示パネルの前記第1領域を支持する第1バックプレートと、
前記第1バックプレートと離隔して、前記表示パネルの前記第2領域を支持する第2バックプレートと、を含み、
ここで前記表示パネルは、
基板と、
前記表示パネルの前記屈曲可能な第3領域における前記基板上に配置された接着性バッファ層と、
前記接着性バッファ層上に配置され、前記屈曲可能な第3領域を横切って延在する第1信号配線と、を含む、表示装置。
【請求項12】
前記接着性バッファ層は、前記基板の高分子物質よりも低い貯蔵弾性率を有する、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記接着性バッファ層は、25℃基準に0.01MPa~1,000MPaの範囲の貯蔵弾性率を有する、請求項11に記載の表示装置。
【請求項14】
前記接着性バッファ層は、0.5μm~3.0μmの厚さを有する、請求項11に記載の表示装置。
【請求項15】
前記接着性バッファ層は、アクリル系、シリコン系、ゴム系、ポリウレタン系接着物質、又はこれらの組み合わせのいずれかからなる、請求項11に記載の表示装置。
【請求項16】
前記表示パネルの前記屈曲可能な第3領域が曲がって、前記第2バックプレートが前記第1バックプレートの下面に付着した状態で、互いに隣接した前記第1バックプレートの端部と、前記第2バックプレートの端部との間の距離が、10μm以下である、請求項11に記載の表示装置。
【請求項17】
前記接着性バッファ層は、前記第1領域、前記第2領域及び前記屈曲可能な第3領域の全体に配置される、請求項11に記載の表示装置。
【請求項18】
前記第1領域は、前記表示パネルの表示領域を含み、前記表示パネルの非表示領域は、前記第2領域と前記第3領域を含む、請求項11に記載の表示装置。
【請求項19】
前記表示パネルは、前記第1領域で前記接着性バッファ層上に配置されたピクセル回路部と、前記ピクセル回路部の側面を囲む平坦化層と、をさらに含み、
前記平坦化層は、前記第1バックプレートの端部よりも60μm以上の距離だけ短く延在する、請求項11に記載の表示装置。
【請求項20】
前記表示パネルは、前記接着性バッファ層上に配置されて、前記第1信号配線を覆う第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に配置されて、前記屈曲可能な第3領域を通る第2信号配線と、をさらに含む、請求項11に記載の表示装置。
【請求項21】
前記基板は、高分子物質からなる単一層であるか、第1高分子物質からなる下部層と、第2高分子物質からなる上部層との間に無機物質からなる中間層が挿入された積層構造である、請求項11に記載の表示装置。
【請求項22】
前記接着性バッファ層は、前記屈曲可能な第3領域における前記基板上に直接配置され、前記第1信号配線は、前記接着性バッファ層上に直接配置される、請求項11に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、表示装置に関する。詳細は、ベゼルのサイズを減らしつつ、表示パネルの屈曲可能領域内の信号配線に加わる応力を減少することができる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
平板型表示装置の具体例としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Appratus)、有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display Appratus)、無機発光表示装置(Inorganic Light Emitting Display Appratus)、量子ドット表示装置(Quantum Dot Display Appratus)等がある。
【0003】
使用者らに沒入感及び審美感を与えるために、使用者にとって視認する表示装置の非表示領域(又はベゼル領域)の幅を減らす努力が行われている。
【0004】
近年、フレキシブル基板を用いた表示パネルを含むフレキシブル表示装置が開発され、これらは様々な形状への設計が可能である利点がある。
【0005】
フレキシブル表示装置の場合、表示パネルの非表示領域の一部分を折り畳むか曲げて、表示パネルの表示領域の下に位置させることにより、表示装置の非表示領域(又はベゼル領域)の幅を減らすことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
表示パネルの様々な信号配線は、表示パネルの非表示領域に配置され、表示パネルが曲げられる領域である、屈曲可能領域を通る。
【0007】
ベゼル領域の最小化及び表示装置の薄型化のため近年、開発されている表示装置の場合、表示パネルの屈曲可能領域がより小さい曲率半径で曲がるため、より狭い屈曲可能領域を有する。これにより、信号配線に加わる応力が増加して、信号配線のクラック及び断線不良が発生し得る。
【0008】
よって、表示パネルの屈曲可能領域内の信号配線に加わる応力を減少することができる、新しい方案が必要である。
【0009】
このため、本明細書の発明者らは、表示パネルの屈曲可能領域内の信号配線に加わる応力を減少することができる表示装置を発明した。
【0010】
本明細書の実施形態による解決すべき課題は、ベゼル領域を減らし、かつ、表示パネルの屈曲可能領域内の信号配線に加わる応力を減少することができる表示装置を提供することである。
【0011】
本明細書の実施形態による解決すべき課題は、以上で言及した課題に限らず、言及していないさらに他の課題は、下記の記載から通常の技術者にとって明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書の実施形態による表示装置は、表示領域と、表示領域を囲み、屈曲可能領域を有する非表示領域とを含む表示パネルと、表示パネルの表示領域を支持する第1バックプレートと、第1バックプレートと離隔して非表示領域の一部を支持する第2バックプレートと、を含む。ここで、表示パネルは、表示領域及び非表示領域において、基板上に配置される接着性バッファ層と、接着性バッファ層上に配置され、屈曲可能領域を通る第1信号配線とを含み、接着性バッファ層は、屈曲可能領域における基板の上面に配置されていてもよい。
【0013】
他の実施形態において、表示装置は、第1領域と、第2領域と、第1領域と第2領域との間の曲げられる第3領域と、を含む表示パネルと、表示パネルの第1領域を支持する第1バックプレートと、第1バックプレートと離隔して表示パネルの第2領域を支持する第2バックプレートと、を含み、ここで、表示パネルは、基板と、表示パネルの曲げられる第3領域における基板上に配置された接着性バッファ層と、接着性バッファ層上に配置され、曲げられる第3領域を横切って延在する第1信号配線と、を含む。
【0014】
その他実施形態の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【0015】
本明細書の実施形態によれば、表示パネルの屈曲可能領域に基板と信号配線との間に、基板の高分子物質に比べて低い貯蔵弾性率を有する接着性バッファ層が配置されているため、表示パネルの屈曲可能領域が曲げられるとき、基板と信号配線との間にスリップ(slip)又はせん断歪みが発生し得、信号配線に加わる応力が減少し得る。よって、信号配線(RL)のクラック及び断線不良が減少するか防止できる。
【0016】
本明細書の実施形態によれば、第2バックプレートが第1バックプレートの下面に付着した状態で、第1バックプレートの端部と、第2バックプレートの端部との間の距離を10μm以下に維持することで、信号配線(RL)に加わる応力が減少し得る。
【0017】
本明細書の実施形態によれば、非表示領域における平坦化層の端部は、第1バックプレートの端部から60μm以上の距離で離隔させることにより、屈曲可能領域内における信号配線に加わる応力よりもより高い応力が、平坦化層の端部における信号配線に加わることを防止することができる。
【0018】
本明細書の効果は、以上で言及した効果に限らず、言及していないさらに他の効果は、下記の記載から当業者にとって明確に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本明細書の一実施形態による表示装置が曲げられていない状態を示す平面図である。
図2】本明細書の一実施形態による表示装置が曲げられていない状態を示す背面図である。
図3図1の「3-3線」に沿って切断した断面図である。
図4図3の表示装置が曲げられた状態を示す断面図である。
図5図3の一部領域を示す断面図である。
図6図1及び図5の「6-6線」に沿って切断した断面図である。
図7】本明細書の一実施形態による断面図であって、図6に示された領域に対応する領域を示す図面である。
図8】本明細書の一実施形態による断面図であって、図5に示された領域に対応する領域を示す図面である。
図9図8の「9-9線」に沿って切断した断面図である。
図10】本明細書の一実施形態による断面図であって、図9に示された領域に対応する領域を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下で開示の実施形態に限定されるものではなく、相異する様々な形態に具現されるものである。但し、本実施形態は、本発明の開示を完全なものにして、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。
【0021】
本発明の実施形態を説明するため図面に開示の形状、大きさ、割合、角度、個数などは、例示的なものであり、本発明は、図示の事項に限定されるものではない。全明細書における同じ参照符号は、同じ構成要素を指す。また、本発明を説明するにあたり、関連する公知の技術に関する具体的な説明が、本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には、その詳説を省略する。本明細書上に言及されている「含む」、「有する」、「なる」等が使われる場合、「~のみ」が使われていない限り、他部分を加えることができる。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0022】
構成要素を解釈するにあたり、別途明示的記載がなくても、誤差範囲を含むものと解釈する。
【0023】
位置関係に関する説明の場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~側に」等と、両部分の位置関係を説明する場合、「直ちに」又は「直接」が使われていない限り、両部分の間に一以上の他部分が位置していてもよい。
【0024】
たとえ、第1、第2などは、様々な構成要素を述べるために使われるものの、これら構成要素は、これらの用語によって制限されない。これらの用語は、単に一構成要素を他構成要素と区別するために使うものである。よって、以下で言及する第1構成要素は、本明細書の技術的思想内における第2構成要素であってもよい。
【0025】
全明細書における同じ参照符号は、同じ構成要素を指す。
【0026】
図面で示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために示したものであり、本発明は、示された構成の大きさ及び厚さに必ずしも限定されるものではない。
【0027】
本発明の様々な実施形態のそれぞれの特徴は、部分的に又は全体的に互いに結合するか組み合わせ可能であり、通常の技術者が十分理解できるように、技術的に様々な連動及び駆動が可能であり、各実施形態は、互いに独立して実施することもでき、連関関係で共に実施することもできる。
【0028】
以下、添付の図面を参照して、本明細書による実施形態に従う表示装置を詳説することとする。
【0029】
図1は、本明細書の一実施形態による表示装置が曲げられていない状態を示す平面図である。図2は、本明細書の一実施形態による表示装置が曲げられていない状態を示す背面図である。図3は、図1の「3-3線」に沿って切断した断面図である。図4は、図3の表示装置が曲げられた状態を示す断面図である。
【0030】
図1及び図2を参照すると、本明細書の実施形態による表示装置100の表示パネル140は、映像が表示される表示領域(AA)と、表示領域(AA)の周囲に配置される非表示領域(NA)と、を含んでいてもよい。非表示領域(NA)は、表示パネル140が曲げられる、屈曲可能領域(BA)と、外部駆動モジュールが結合するパッド部(PD)と、を含んでいてもよい。
【0031】
表示パネル140は、フレキシブル基板上に形成された複数のピクセルを含む、フレキシブル表示パネルであってもよい。例えば、表示装置100は、表示パネル140を折り畳むことができるフォルダブル表示装置であってもよい。
【0032】
表示パネル140の表示領域(AA)には複数のピクセルが配置されて、映像が表示される領域である。各ピクセルは、複数のサブピクセルを含んでいてもよい。各サブピクセルは、光を放出する個別単位であって、例えば、赤色、緑色、青色、又は白色の光を放出することができ、これに限定されるものではない。表示領域(AA)の各サブピクセルには、発光素子と、発光素子を駆動するためのピクセル回路部とが配置されていてもよい。ピクセル回路部は、少なくとも1つの薄膜トランジスタと、少なくとも1つのキャパシタとを含んでいてもよい。発光素子は、例えば、有機発光ダイオード(organic light emitting diode)又は無機発光ダイオード(inorganic light emitting diode)であってもよい。
【0033】
表示パネル140の非表示領域(NA)は、映像が表示されない領域であって、表示領域(AA)に配置された複数のサブピクセルを駆動するための駆動回路及び様々な配線が配置される領域である。例えば、非表示領域(NA)にはゲート駆動回路が配置されていてもよい。ゲート駆動回路は、表示パネル140の非表示領域(NA)に直接形成することができる。一実施形態において、非表示領域(NA)には、データ駆動回路がさらに配置されていてもよい。データ駆動回路は、ICチップで製作されて、表示パネル140の非表示領域(NA)に実装されるか、表示パネル140の非表示領域(NA)に直接形成することができる。
【0034】
非表示領域(NA)は、図1及び図2に示されたように、表示領域(AA)の縁を囲む領域であってもよい。図1及び図2において、非表示領域(NA)が四角形の表示領域(AA)を囲んでいるものと示したものの、これに限定されるものではない。表示領域(AA)及び非表示領域(NA)は、表示装置100が搭載される電子装置のデザインに適した形態を有していてもよい。表示領域(AA)の例示的形態は、五角形、六角形、円形、楕円形などであってもよく、これに限定されるものではない。
【0035】
非表示領域(NA)の一側には、パッド部(PD)が配置されていてもよく、パッド部(PD)には、外部駆動モジュール180が結合していてもよい。外部駆動モジュールは、例えば、タイミングコントローラ及び電源管理ICチップなどが実装されたフレキシブルプリント回路基板(flexible printed circuit board)を含んでいてもよい。
【0036】
屈曲可能領域(BA)は、非表示領域(NA)の一部分であり、例えば、表示領域(AA)の一側に表示領域(AA)とパッド部(PD)との間に位置していてもよい。屈曲可能領域(BA)は、パッド部(PD)に結合した外部駆動モジュール180を表示パネル140の下に配置するために曲げられる非表示領域(NA)の一部分である。
【0037】
表示領域(AA)に連結される信号配線(RL)は、非表示領域(NA)の屈曲可能領域(BA)を通って、パッド部(PD)に連結することができる。
【0038】
表示パネル140の非表示領域(NA)が曲がることによって、表示パネル140のパッド部(PD)及び外部駆動モジュール180が表示パネル140の下に配置されると、表示パネル140上から視たときに視認される非表示領域(NA)の大きさが減少して、ナローベゼル(narrow bezel)を具現することができる。
【0039】
表示パネル140の下面にはバックプレート130が付着するところ、表示パネル140の屈曲可能領域(BA)が容易に曲がって小さい曲率半径を有するように、屈曲可能領域(BA)を除く表示パネル140の他の領域にバックプレート130が付着する。屈曲可能領域(BA)の幅だけ離隔して、第1バックプレート130Lと第2バックプレート130Sが配置される。第1バックプレート130Lと、第2バックプレート130Sとの間の領域は、屈曲可能領域(BA)に対応することができる。非表示領域(NA)内の第1バックプレート130Lの端部は、屈曲可能領域(BA)の一側境界であり、第1バックプレート130Lの端部と向かい合う第2バックプレート130Sの端部は、屈曲可能領域(BA)の他側境界であってもよい。第1バックプレート130Lは、表示領域(AA)及び表示領域(AA)に隣接した非表示領域(NA)の一部分を支持し、第2バックプレート130Sは、パッド部(PD)が配置された非表示領域(NA)の一部分を支持することができる。
【0040】
第1及び第2バックプレート130L,130Sは、高分子フィルムからなっていてもよい。第1及び第2バックプレート130L,130Sに用いられる高分子フィルムは、例えば、ポリイミド(polyimide:PI)、ポリエチレンテレフタラート(polyethylene terephthalate:PET)、ポリカーボネート(polycarbonate:PC)、ポリエチレンナフタラート(polyethylene naphthalate:PEN)で形成することができるものの、これに限定されるものではない。
【0041】
図3及び図4を参照すると、表示パネル140の表示領域(AA)において、表示パネル140の上面に接着層155によって偏光層160が付着していてもよい。偏光層160は、表示パネル140上に配置されて、外部から流入する光の反射を防止し、表示パネル140の野外視認性を改善することができる。偏光層160は、偏光子及び位相遅延層を含んでいてもよい。
【0042】
偏光層160上には接着層165によってカバーウィンドウ170が付着していてもよい。
【0043】
カバーウィンドウ170は、表示パネル140を外部の衝撃、湿気及び熱などから保護するために、耐衝撃性及び光透過性を有する強化ガラス又はプラスチックフィルムからなっていてもよい。強度特性及び折り畳み特性を満たすために、カバーウィンドウ170は、30~200μmの厚さで形成することができる。
【0044】
カバーウィンドウ170がプラスチックフィルムからなっている場合にはポリイミド(polyimide:PI)、ポリエチレンテレフタラート(polyethylene terephthalate:PET)、ポリプロピレングリコール(polypropylene glycol:PPG)、及びポリカーボネート(Polycarbonate:PC)フィルムなどを含んでいてもよく、これに限定されるものではない。
【0045】
カバーウィンドウ170が強化ガラスからなっている場合、外力やストレスによってカバーウィンドウ170が割れ得る。このとき、カバーウィンドウ170の破片が飛散することを防止するために、カバーウィンドウ170の上面に飛散防止フィルムが付着していてもよい。飛散防止フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、透明ポリイミド(colorless polyimide:CPI)、又はポリエチレンテレフタラート(PET)と透明ポリイミド(CPI)の積層体などを含むベースフィルムを含んでいてもよい。ベースフィルムの上面にはハードコーティング層、反射防止層、指紋防止層などがコーティングされていてもよい。
【0046】
接着層155,165は、光学用透明接着剤などを含む感圧性接着剤からなっていてもよい。
【0047】
表示パネル140の非表示領域(AA)において、表示パネル140の上面のパッド部(PD)に外部駆動モジュール180が結合され、少なくとも屈曲可能領域(BA)を覆うマイクロコーティング層190が配置されていてもよい。
【0048】
マイクロコーティング層190は、表示パネル140の非表示領域(AA)に配置された信号配線(RL)を覆うように、表示パネル140の表示領域(AA)と外部駆動モジュール180との間の領域に配置されていてもよい。
【0049】
マイクロコーティング層190は、外部の衝撃から信号配線(RL)を保護しつつ、信号配線(RL)への水分浸透を防止することができる。水分浸透を抑制するために、1つ以上のゲッター(Getter)材料がマイクロコーティング層190に混合していてもよい。また、マイクロコーティング層190は、バックプレートが配置されていない屈曲可能領域(BA)における表示パネル140の剛性を補完することができる。
【0050】
そして、マイクロコーティング層190は、屈曲可能領域(BA)の中立面の位置を調節するために、予め定めた厚さでコーティングすることができる。マイクロコーティング層190を屈曲可能領域(BA)上に配置させることにより、中立面が信号配線(RL)に近く形成されるようにすることができる。このように、屈曲可能領域(BA)の中立面の位置を調節することにより、表示パネル140が曲げられるとき、信号配線(RL)に加わる応力を減少させて、信号配線(RL)にクラックが発生することを抑制することができる。
【0051】
マイクロコーティング層190の一端部は、偏光層160と接触していてもよい。マイクロコーティング層190と偏光層160との間の空間に水分が浸透して、信号配線(RL)のクラック及び断線を引き起こすことを防止することができる。
【0052】
マイクロコーティング層190の他端部は、外部駆動モジュール180の一部分を覆っていてもよい。外部駆動モジュール180と表示パネル140のパッド部(PD)との間の空間に水分が浸透して、信号配線(RL)のクラック及び断線を引き起こすことを防止することができる。
【0053】
マイクロコーティング層190は、屈曲可能領域(BA)を含む非表示領域(NA)に配置されるため、フレキシブルな特性を有するのが好ましい。マイクロコーティング層190は、例えば、アクリレートポリマー(Acrylate Polymer)といったアクリル系樹脂から形成することができるものの、これに限定されるものではない。
【0054】
表示パネル140の下面には、第1バックプレート130Lと第2バックプレート130Sが接着層135によって付着していてもよい。
【0055】
接着層135は、光学用透明接着剤などを含む感圧性接着剤からなっていてもよい。
【0056】
接着部材185は、第2バックプレート130Sの下面に配置されていてもよい。接着部材185は、感圧性接着剤又は両面テープであってもよい。
【0057】
図4のように、表示パネル140の屈曲可能領域(BA)が曲がって、外部駆動モジュール180が表示パネル140の下に配置された状態で、接着部材185によって第2バックプレート130Sが第1バックプレート130Lの下面に付着して固定されていてもよい。
【0058】
第2バックプレート130Sが第1バックプレート130Lの下面に付着した状態で、互いに隣接した第1バックプレート130Lの端部と、第2バックプレート130Sの端部との間の距離(d1)は、10μm以下であるのが好ましい。第1バックプレート130Lの端部と、第2バックプレート130Sの端部との間の距離(d1)が10μmを超えるほど、信号配線(RL)に加わる応力が増加するからである。第1バックプレート130Lの端部は、第2バックプレート130Sの端部と一致するのが最も好ましい。
【0059】
図5は、図3の一部領域を示す断面図である。図6は、図1及び図5の「6-6線」に沿って切断した断面図である。
【0060】
図5及び図6を参照すると、本明細書の一実施形態による表示装置100は、表示パネル140、偏光層160、第1及び第2バックプレート130L,130S、及びマイクロコーティング層190を含んでいてもよい。
【0061】
表示パネル140は、基板141上に配置されたバッファ層142、接着性バッファ層143、ピクセル回路部144、平坦化層145、絶縁層146、発光素子148、及び封止層149を含んでいてもよい。
【0062】
基板141は、フレキシブルな高分子物質を含んでいてもよい。例えば、基板141は、ポリイミド(plyimide)、ポリエチレンテレフタラート(polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタラート(polyethylene naphthalate)、ポリカーボネート(polycarbonate)、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone)、ポリアリレート(polyarylate)、ポリスルホン(polysulfone)、環状オレフィン共重合体(cyclic-olefin copolymer)等のような高分子物質からなっていてもよい。一実施形態において、基板141は、例えば、5μm~15μm程の厚さを有するポリイミド(poylimide)からなる単一層であってもよい。
【0063】
基板141上にバッファ層142が配置されていてもよい。バッファ層142は、基板141を介して水分、酸素又は不純物が浸透することを防止することができる。バッファ層142は、表示装置100の表示領域(AA)に位置していてもよい。バッファ層142は、表示装置100の非表示領域(NA)にも一部配置されていてもよいが、屈曲可能領域(BA)には配置されていなくてもよい。
【0064】
バッファ層142は、例えば、シリコン窒化物、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物などの無機絶縁物質からなる、単一層又は多重層であってもよく、これに限定されるものではない。
【0065】
バッファ層142上に接着性バッファ層143が配置されていてもよい。接着性バッファ層143は、表示パネル140の表示領域(AA)及び非表示領域(NA)の全体にわたって配置されていてもよい。接着性バッファ層143は、表示パネル140の屈曲可能領域(BA)における基板141の上面に直接配置されていてもよい。
【0066】
接着性バッファ層143は、例えば、アクリル系、シリコン系、ゴム系、ポリウレタン系接着物質などからなっていてもよいものの、これに限定されるものではない。接着性バッファ層143は、基板141の高分子物質よりも低い貯蔵弾性率を有していてもよい。一実施形態において、接着性バッファ層143は、25℃基準に0.01MPa~1,000MPa範囲の貯蔵弾性率を有していてもよい。他の実施形態においてで、接着性バッファ層143は、25℃で、0.01MPa~50MPa範囲の貯蔵弾性率を有していてもよい。接着性バッファ層143は、0.5μm~3.0μmの厚さで配置されていてもよい。
【0067】
表示領域(AA)の接着性バッファ層143上にピクセル回路部144が配置されていてもよい。ピクセル回路部144は、表示領域(AA)内に配置された発光素子148を駆動して、スイッチングすることができる。
【0068】
ピクセル回路部144は、非晶質シリコン半導体、多結晶質シリコン半導体又は酸化物半導体を用いた、少なくとも1つの薄膜トランジスタ及び少なくとも1つの貯蔵キャパシタを含んでいてもよい。少なくとも1つの薄膜トランジスタは、少なくとも1つの駆動薄膜トランジスタと、少なくとも1つのスイッチング薄膜トランジスタとを含んでいてもよい。ピクセル回路部144が薄膜トランジスタを含む場合、TFT製造工程によって形成することができる。
【0069】
ピクセル回路部144は、単結晶半導体基板上にMOSFET製造工程を用いて製造されたピクセル駆動チップに提供することができる。ピクセル駆動チップは、複数の回路ユニットを含んでいてもよく、個々の回路ユニットは、少なくとも1つの駆動トランジスタ、少なくとも1つのスイッチングトランジスタ、及び少なくとも1つの貯蔵キャパシタを含んでいてもよい。例えば、ピクセル駆動チップは、1~500μmの大きさを有していてもよく、マイクロドライバチップと称し得る。ピクセル駆動チップは、様々な入力パッド及び出力パッドを含んでいてもよい。
【0070】
ピクセル回路部144の側面を囲む平坦化層145は、表示領域(AA)の接着性バッファ層143上に配置されていてもよい。一実施形態において、平坦化層145は、ピクセル回路部144の上面を覆っていてもよい。平坦化層145は、表示装置100の非表示領域(NA)にも一部配置されていてもよいが、屈曲可能領域(BA)には配置されていなくてもよい。平坦化層145の端部は、バッファ層142の端部よりも、屈曲可能領域(BA)により近く位置していてもよい。平坦化層145の端部は、屈曲可能領域(BA)から所定の距離だけ離隔していてもよい。
【0071】
非表示領域(NA)における平坦化層145の端部は、第1バックプレート130Lの端部から60μm以上の距離(d2)に離隔するのが好ましい。平坦化層145の端部は、第1バックプレート130Lの端部から60μm未満の距離で離隔すると、屈曲可能領域(BA)内で信号配線(RL)に加わる応力よりもより高い応力が、平坦化層145の端部における信号配線(RL)に加わるからである。よって、非表示領域(NA)における平坦化層145の端部は、第1バックプレート130Lの端部から60μm以上の距離で離隔させることにより、屈曲可能領域(BA)内で信号配線(RL)に加わる応力よりもより高い応力が、平坦化層145の端部における信号配線(RL)に加わることを防止することができる。
【0072】
平坦化層145は、有機絶縁物質からなっていてもよい。平坦化層145は、例えば、感光性フォトアクリル(photo acryl)又は感光性ポリイミドからなっていてもよいものの、これに限定されるものではない。
【0073】
平坦化層145上には信号配線(RL)が配置されていてもよい。信号配線(RL)は、表示領域(AA)の一部と、屈曲可能領域(BA)を含む非表示領域(NA)に配置されていてもよい。信号配線(RL)は、表示領域(AA)から屈曲可能領域(BA)に延在し、屈曲可能領域(BA)を通って、非表示領域(NA)のパッド部(PD)に連結することができる。信号配線(RL)は、屈曲可能領域(BA)における接着性バッファ層143上に直接配置されていてもよい。
【0074】
信号配線(RL)は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、銀(Ag)、金(Au)などの単一層又は多層構造からなっていてもよい。信号配線(RL)は、例えば、Ti/Al/Tiの3層構造からなっていてもよい。
【0075】
平坦化層145及びピクセル回路部144上には、信号配線(RL)を覆う絶縁層146が配置されていてもよい。絶縁層146は、表示パネル140の表示領域(AA)及び非表示領域(NA)の全体にわたって配置されていてもよい。絶縁層146は、表示パネル140の屈曲可能領域(BA)における信号配線(RL)を覆い、接着性バッファ層143上に配置されていてもよい。絶縁層146は、1つの層であってもよいものの、複数の層を含んでいてもよい。
【0076】
絶縁層146は、有機絶縁物質からなっていてもよい。絶縁層146は、例えば、感光性フォトアクリル(photo acryl)又は感光性ポリイミドからなっていてもよいものの、これに限定されるものではない。絶縁層146は、6μm~10μmの厚さで配置されていてもよい。
【0077】
そして、絶縁層146は、屈曲可能領域(BA)上に配置させることにより、中立面の位置を信号配線(RL)に近いように調節することができる。このように、屈曲可能領域(BA)の中立面の位置を調節することにより、表示パネル140が曲げられるとき、信号配線(RL)が受ける応力を減少させて、信号配線(RL)にクラックが発生することを抑制することができる。
【0078】
表示領域(AA)の絶縁層146上には少なくとも1つの発光素子148が配置されていてもよい。
【0079】
発光素子148とピクセル回路部144を連結するために、絶縁層146を貫通する少なくとも1つの連結電極が、発光素子148とピクセル回路部144との間に配置されていてもよい。絶縁層146が複数の層を含む場合、複数の層をそれぞれ貫通する複数の連結電極が存在していてもよい。
【0080】
絶縁層146上には発光素子148を覆う封止層149が配置されていてもよい。封止層149は、有機絶縁物質又は無機絶縁物質のうち少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0081】
封止層149上には偏光層160が配置されていてもよい。偏光層160は、偏光子層及び位相遅延層を含んでいてもよい。
【0082】
非表示領域(NA)の絶縁層146上にはマイクロコーティング層190が配置されていてもよい。マイクロコーティング層190は、屈曲可能領域(BA)を覆うように、非表示領域(NA)に配置されていてもよい。マイクロコーティング層190の一端部は、偏光層160と接触していてもよい。
【0083】
本実施形態において、表示パネル140の屈曲可能領域(BA)には基板141と信号配線(RL)との間に、基板141の高分子物質に比べて低い貯蔵弾性率を有する接着性バッファ層143が配置されているため、表示パネル140の屈曲可能領域(BA)を曲げるとき、基板141と信号配線(RL)との間にスリップ(slip)又はせん断歪みが発生し得、信号配線(RL)に加わる応力が減少し得る。よって、信号配線(RL)のクラック及び断線不良が減少するか防止できる。
【0084】
図7は、本明細書の一実施形態による断面図であって、図6に示された領域に対応する領域を示す。
【0085】
図7を参照すると、図6と異なり、基板141’は、下部層141aと、中間層141bと、上部層141cと、を含んでいてもよい。基板141’は、下部層141aと上部層141cとの間に、中間層141bが挿入された積層構造を有していてもよい。下部層141a及び上部層141cは、例えば、ポリイミド(Polyimide)、ポリエチレンテレフタラート(polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタラート(polyethylene naphthalate)、ポリカーボネート(polycarbonate)、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone)、ポリアリレート(polyarylate)、ポリスルホン(polysulfone)、環状オレフィン共重合体(cyclic-olefin copolymer)等のような高分子物質からなっていてもよい。中間層141bは、例えば、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)のような無機物質の単一層又は積層構造からなっていてもよい。中間層141bの無機物は、HO、O等のガスが基板141’を浸透することを防止する。
【0086】
基板141’上に接着性バッファ層143が配置され、接着性バッファ層143上に信号配線(RL)が直接配置されていてもよい。接着性バッファ層143上には信号配線(RL)を覆い、絶縁層146が配置されていてもよい。絶縁層146上にはマイクロコーティング層190が配置されていてもよい。
【0087】
本実施形態において、表示パネル140の屈曲可能領域(BA)には基板141’と信号配線(RL)との間に、基板141’の高分子物質に比べて低い貯蔵弾性率を有する接着性バッファ層143が配置されているため、表示パネル140の屈曲可能領域(BA)を曲げるとき、基板141’と信号配線(RL)との間にスリップ(slip)又はせん断歪みが発生し得、信号配線(RL)に加わる応力が減少し得る。よって、信号配線(RL)のクラック及び断線不良が減少するか防止できる。
【0088】
図8は、本明細書の一実施形態による断面図であって、図5に示された領域に対応する領域を示す。図9は、図8の「9-9線」に沿って切断した断面図である。以下では、図8及び図9を参照して、本実施形態について図5及び図6の実施形態の相違点のみを説明する。
【0089】
図8及び図9を参照すると、平坦化層145上には第1信号配線(RL1)及び第1絶縁層146が配置されていてもよい。そして、第1絶縁層146上には、第2信号配線(RL2)及び第2絶縁層147が配置されていてもよい。
【0090】
第1信号配線(RL1)及び第2信号配線(RL2)は、表示領域(AA)の一部及び屈曲可能領域(BA)を含む、非表示領域(NA)に配置されていてもよい。第1信号配線(RL1)及び第2信号配線(RL2)は、表示領域(AA)から屈曲可能領域(BA)に延在し、屈曲可能領域(BA)を通って、非表示領域(NA)のパッド部(PD)に連結することができる。
【0091】
第1信号配線(RL1)は、屈曲可能領域(BA)における接着性バッファ層143上に直接配置されていてもよい。第2信号配線(RL2)は、第1信号配線(RL1)と重畳する位置に配置されていてもよいものの、これに限定されない。第2信号配線(RL2)は、第1信号配線(RL1)の間の位置に配置されていてもよい。
【0092】
第1信号配線(RL)及び第2信号配線(RL2)は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、銀(Ag)、金(Au)等の断層又は多層構造からなっていてもよい。信号配線(RL)は、例えば、Ti/Al/Tiの3層構造からなっていてもよい。
【0093】
第1絶縁層146及び第2絶縁層147は、表示パネル140の表示領域(AA)及び非表示領域(NA)の全体にわたって配置されていてもよい。第1絶縁層146は、表示パネル140の屈曲可能領域(BA)における第1信号配線(RL1)を覆い、接着性バッファ層143上に配置されていてもよい。第2絶縁層147は、表示パネル140の屈曲可能領域(BA)における第2信号配線(RL2)を覆い、第1絶縁層146上に配置されていてもよい。
【0094】
第2信号配線(RL2)は、対応する第1信号配線(RL1)と同じ信号を伝達することができる。
【0095】
1つの信号を伝達するために1つの信号配線を用いる場合、該信号配線にクラックが発生する場合、該信号が伝達されないことがある。
【0096】
しかし、本実施形態による表示装置101の屈曲可能領域(BA)には、第1信号配線(RL1)及び第2信号配線(RL2)が二重配置されることにより、1つの信号配線が切れても、信号の伝達を保障することができる。
【0097】
そして、本実施形態において、表示パネル140の屈曲可能領域(BA)には基板141と第1信号配線(RL1)との間に、基板141の高分子物質に比べて低い貯蔵弾性率を有する接着性バッファ層143が配置されているため、表示パネル140の屈曲可能領域(BA)を曲げるとき、基板141と第1信号配線(RL1)との間にスリップ(slip)又はせん断歪みが発生し得、第1信号配線(RL1)及び第2信号配線(RL2)に加わる応力が減少し得る。よって、第1信号配線(RL1)及び第2信号配線(RL2)のクラック及び断線不良が減少するか防止できる。
【0098】
図10は、本明細書の一実施形態による断面図であって、図9に示された領域に対応する領域を示す。
【0099】
図10を参照すると、図9と異なり、基板141’は、下部層141aと、中間層141bと、上部層141cと、を含んでいてもよい。基板141’は、下部層141aと上部層141cとの間に中間層141bが挿入された積層構造を有していてもよい。下部層141a及び上部層141cは、例えば、ポリイミド(Polyimide)、ポリエチレンテレフタラート(polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタラート(polyethylene naphthalate)、ポリカーボネート(polycarbonate)、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone)、ポリアリレート(polyarylate)、ポリスルホン(polysulfone)、環状オレフィン共重合体(cyclic-olefin copolymer)等のような高分子物質からなっていてもよい。中間層141bは、例えば、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)のような無機物質の単一層又は積層構造からなっていてもよい。中間層141bの無機物は、HO、O等のガスが基板141’に浸透することを防止する。
【0100】
基板141’上に接着性バッファ層143が配置され、接着性バッファ層143上に第1信号配線(RL1)が直接配置されていてもよい。接着性バッファ層143上には第1信号配線(RL1)を覆い、第1絶縁層146が配置されていてもよい。第1絶縁層146上には第2信号配線(RL2)が配置され、第2信号配線(RL2)を覆う第2絶縁層147が配置されていてもよい。そして、第2絶縁層147上にはマイクロコーティング層190が配置されていてもよい。
【0101】
本実施形態による表示装置101'の屈曲可能領域(BA)には、第1信号配線(RL1)及び第2信号配線(RL2)が二重配置されることにより、1つの信号配線が切れても、信号の伝達を保障することができる。
【0102】
そして、本実施形態において、表示パネル140の屈曲可能領域(BA)には基板141’と第1信号配線(RL1)との間に、基板141’の高分子物質に比べて低い貯蔵弾性率を有する、接着性バッファ層143が配置されているため、表示パネル140の屈曲可能領域(BA)を曲げるとき、基板141’と第1信号配線(RL1)との間でスリップ(slip)又はせん断歪みが発生し得、第1信号配線(RL1)及び第2信号配線(RL2)に加わる応力が減少し得る。よって、第1信号配線(RL1)及び第2信号配線(RL2)のクラック及び断線不良が減少するか防止できる。
【0103】
本明細書の実施形態による表示装置は、次のように説明することができる。
【0104】
本明細書の実施形態による表示装置は、表示領域と、表示領域を囲み、屈曲可能領域を有する非表示領域とを含む表示パネルと、表示パネルの表示領域を支持する第1バックプレートと、第1バックプレートと離隔して非表示領域の一部を支持する第2バックプレートと、を含む。ここで、表示パネルは、表示領域及び非表示領域の全体にわたって基板上に配置される接着性バッファ層と、接着性バッファ層上に配置され、屈曲可能領域を通る第1信号配線とを含み、接着性バッファ層は、屈曲可能領域における基板の上面に配置されていてもよい。
【0105】
本明細書の幾つかの実施形態によれば、接着性バッファ層は、基板の高分子物質よりも低い貯蔵弾性率を有していてもよい。
【0106】
本明細書の幾つかの実施形態によれば、接着性バッファ層は、25℃基準に0.01MPa~1,000MPa範囲の貯蔵弾性率を有していてもよい。
【0107】
本明細書の幾つかの実施形態によれば、接着性バッファ層は、0.5μm~3.0μmの厚さを有していてもよい。
【0108】
本明細書の幾つかの実施形態によれば、接着性バッファ層は、アクリル系、シリコン系、ゴム系、ポリウレタン系着物質、又はこれらの組み合わせのいずれかからなっていてもよい。
【0109】
本明細書の幾つかの実施形態によれば、表示パネルの屈曲可能領域が曲がって、第2バックプレートが第1バックプレートの下面に付着した状態で、互いに隣接した第1バックプレートの端部と、第2バックプレートの端部との間の距離は、10μm以上であってもよい。
【0110】
本明細書の幾つかの実施形態によれば、表示パネルは、表示領域に接着性バッファ層上に配置されたピクセル回路部と、ピクセル回路部の側面を囲む平坦化層と、をさらに含んでいてもよい。
【0111】
本明細書の幾つかの実施形態によれば、平坦化層は、非表示領域に延在し、非表示領域における平坦化層の端部は、第1バックプレートの端部から60μm以上の距離で離隔していてもよい。
【0112】
本明細書の幾つかの実施形態によれば、表示パネルは、表示領域及び非表示領域の全体にわたって接着性バッファ層上に配置され、第1信号配線を覆う第1絶縁層と、第1絶縁層上に配置され、屈曲可能領域を通る第2信号配線と、をさらに含んでいてもよい。
【0113】
本明細書の幾つかの実施形態によれば、基板は、高分子物質からなる単一層であるか、高分子物質からなる下部層と上部層との間に無機物質からなる中間層が挿入された積層構造であってもよい。
【0114】
他の実施形態において、表示装置は、第1領域と、第2領域と、第1領域と第2領域との間の曲げられる第3領域と、を含む表示パネルと、表示パネルの第1領域を支持する第1バックプレートと、第1バックプレートと隣接して、表示パネルの第2領域を支持する第2バックプレートと、を含み、ここで表示パネルは、基板と、表示パネルの曲げられる第3領域における基板上に配置された接着性バッファ層と、接着性バッファ層上に配置され、曲げられる第3領域を横切って延在する第1信号配線と、を含む。
【0115】
以上、添付の図面を参照して、本明細書の実施形態を詳説したが、本明細書は、必ずしもこれらの実施形態に限るものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲内における様々な変形実施が可能である。よって、本明細書で開示の実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、これらの実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。
【符号の説明】
【0116】
100,101 表示装置
130 バックプレート
130L 第1バックプレート
130S 第2バックプレート
140 表示パネル
160 偏光層
170 カバーウィンドウ
180 外部駆動モジュール
190 マイクロコーティング層
AA 表示領域
BA 屈曲可能領域
NA 非表示領域
PD パッド部
RL 信号配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10