(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109059
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】温度依存型スイッチ
(51)【国際特許分類】
H01H 37/54 20060101AFI20240805BHJP
H01H 11/00 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
H01H37/54 D
H01H11/00 U
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024005050
(22)【出願日】2024-01-17
(31)【優先権主張番号】10 2023 102 301.2
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】523245171
【氏名又は名称】ホフセス, マルセル ペー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホフセス, マルセル ペー.
【テーマコード(参考)】
5G023
5G041
【Fターム(参考)】
5G023BA03
5G041DA02
5G041DA11
5G041DC02
(57)【要約】
【課題】温度依存型スイッチにて、高機能な信頼性と長寿命を、安価で簡単な構成で達成する。
【解決手段】温度依存型スイッチ(10)は、第1の外部端子(14)、第2の外部端子(16)及び温度依存型のスイッチング機構(12)を有する。スイッチング機構(12)は、温度依存型のスイッチング要素(28)を備え、スイッチング要素は、スイッチング機構(12)を閉塞位置と開放位置との間で切換え、閉塞位置ではスイッチング機構(12)は第1の外部端子(14)と第2の外部端子(16)の間で導電性接続を確立し、開放位置では導電性接続を切断する。スイッチング機構(12)は、スイッチング要素(28)に恒久的に電気的及び機械的に直列に接続されたばね要素(30)を含む。スイッチング機構(12)は更に、ばね要素(30)とスイッチング要素(28)との間に配置され、ばね要素(30)及びスイッチング要素(28)に取り付けられる接続部品(32)を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の外部端子(14)と、第2の外部端子(16)と、温度依存型のスイッチング機構(12)とを有する温度依存型スイッチ(10)であって、
前記温度依存型のスイッチング機構(12)は、その温度に応じてその幾何学的形状を変化させるように構成された温度依存型のスイッチング要素(28)を備え、該スイッチング要素(28)はスイッチング機構(12)を閉塞位置と開放位置との間で切換え、閉塞位置ではスイッチング機構(12)は第1の外部端子(14)と第2の外部端子(16)の間で導電性接続を確立し、開放位置では導電性接続を切断し、
温度依存型のスイッチング機構(12)は、温度依存型のスイッチング要素(28)に恒久的に電気的及び機械的に直列に接続されたばね要素(30)を含み、
温度依存型のスイッチング機構(12)は更に、ばね要素(30)と温度依存型のスイッチング要素(28)との間に配置され、ばね要素(30)及び温度依存型のスイッチング要素(28)に取り付けられる接続部品(32)を備えることを特徴とする、温度依存型スイッチ(10)。
【請求項2】
前記接続部品(32)が本質的に板状である、請求項1に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項3】
前記接続部品(32)の第1の側部(38)は、第1のしっかりと接着された接続によって前記ばね要素(30)に取り付けられ、前記接続部品(32)の第2の側部は、第2のしっかりと接着された接続によって前記温度依存型のスイッチング要素(28)に取り付けられている、請求項1に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項4】
前記接続部品(32)が、前記ばね要素(30)及び前記温度依存型のスイッチング要素(28)よりも厚い、請求項1に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項5】
前記ばね要素(30)及び前記接続部品(32)が夫々金属からなる、請求項1に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項6】
前記温度依存型のスイッチング要素(28)は、バイメタルまたはトリメタルを備える、請求項1に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項7】
前記ばね要素(30)及び前記温度依存型のスイッチング要素(28)は、直接ではなく、接続部品(32)を介して間接的にのみ相互に接続されている、請求項1に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項8】
前記ばね要素(30)の第1の端部(34)が、前記第1の外部端子(14)に電気的に接続された第1の電極(18)に取り付けられ、前記ばね要素(30)の第2の端部(36)が、前記接続部品(32)に取り付けられている、請求項1に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項9】
温度依存型のスイッチング要素(28)の第1の端部(42)は、接続部品(32)に取り付けられ、温度依存型のスイッチング要素(28)の第2の端部(44)は、可動接触部(46)を担持し、この可動接触部は、スイッチング機構(12)の閉塞位置において、
ばね要素(30)及び温度依存型のスイッチング要素(28)によって固定接触部(48)に押圧され、前記固定接触部は、第2の外部端子(16)に電気的に接続される第2の電極(20)上に配置され、前記温度依存型のスイッチング要素(28)は、その温度に応じてその幾何学的形状を変えるように構成されて、スイッチング機構(12)の開放位置において可動接触部(46)を固定接触部(48)から離して持ち上げて、導電接続を遮断する、請求項1に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項10】
ばね要素(30)の第1の端部(34)及び温度依存型のスイッチング要素(28)の第2の端部(44)が、接続要素(32)に対して接続要素(32)の同じ側にある、請求項8又は9に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項11】
前記第1の電極(18)と前記第2の電極(20)は、絶縁材料キャリア(22)によって互いに離れた位置に保持され、前記温度依存型のスイッチング機構(12)は、前記第1の電極と第2の電極(18,20)との間の前記絶縁材料キャリア(22)の凹部に配置された、請求項8又は9に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項12】
前記第1の外部端子(14)と前記第2の外部端子(16)は、共通の平面内で互いに平行に配置され、前記第1の外部端子(14)は、ワイヤ接続要素(26)を介して、前記第1の電極(18)に電気的に接続され、ワイヤ接続要素(26)は前記第1の電極と第2の電極(18,20)に対して横方向に配列された、請求項8又は9に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項13】
第1の電極(18)は、カバーまたは板状またはディスクの形態で形成され、その全周に沿って、絶縁材料キャリア(22)によって囲まれている、請求項8に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項14】
前記ワイヤ接続要素(26)は、絶縁材料によって少なくとも部分的に収容されているか、または絶縁材料に埋め込まれている、請求項12に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項15】
請求項1に記載の温度依存型スイッチ(10)の製造方法であって、
(i) 金属シートからなる複数の接続部品(32)が一体に接続されたコンベヤベルト(50)を配備する工程と、
(ii) ばね要素(30)と温度依存型のスイッチング要素(28)を複数の接続部品(32)のうちの1つに取り付けて、ばね要素(30)を温度依存型のスイッチング要素(28)に電気的、機械的に直列に接続する工程と、
(iii)1つの接続部品(32)をコンベヤベルト(50)から分離して、ばね要素(30)及び温度依存型のスイッチング要素(28)が取り付けられた1つの接続部品(32)を含むスイッチング機構アセンブリを形成する工程と、
(iv) スイッチング機構アセンブリを第1の外部端子(14)及び第2の外部端子(16)に接続して温度依存型のスイッチング機構(12)を備えた温度依存型スイッチ(10)を形成する工程であって、温度依存型のスイッチング要素(28)はその温度に応じてその幾何学的形状を変化させるように構成され、スイッチング機構(12)を閉塞位置と開放位置の間で切り換え、閉塞位置ではスイッチング機構(12)が第1の外部端子(14)と第2の外部端子(16)との間で導電性接続を確立し、開放位置ではスイッチング機構(12)が導電性接続を遮断する工程と、
(v) より多くの複数の接続部品(32)のために、工程(ii)‐(iv)を繰り返す工程を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度依存型スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
原則として、多数の温度依存型スイッチが既に知られている。例示的な温度依存型スイッチは、ドイツ特許公開公報198 07 288号に開示されている。
【0003】
このような温度依存型スイッチは、既知の方法で、デバイスの温度を監視するために使用される。この目的のために、例えば、スイッチは、その外面の1つを経由して、保護されるべきデバイスと熱的に接触させられるか、またはむしろ、接触されて、保護されるべきデバイスの温度が、スイッチの内部に配置されるスイッチング機構の温度に影響を及ぼす。
【0004】
このスイッチは、接続ラインを介した外部の電気的接続によって、保護されるデバイスの供給回路にて直列に電気的に接続されており、その結果、スイッチの応答温度以下で、保護されるべきデバイスの供給電流がスイッチを通って流れるようになっている。
【0005】
スイッチに設置された温度依存型のスイッチング機構は、スイッチの温度依存型のスイッチング挙動を保証する。この温度依存型のスイッチング機構は、通常、2つの電極の間に配置され、各電極は、2つの外部端子のうちの1つに電気的に接続される。この温度依存型のスイッチング機構は、スイッチの応答温度以下、またはスイッチング機構の応答温度以下では、閉塞位置にあって、スイッチの2つの外部電極間に導電性接続を確立し、かつ、スイッチの応答温度を超えると、温度依存型のスイッチング機構は開放位置に変化して、スイッチの2つの外部電極間の導電性接続が切り離されるか、中断される。
【0006】
このように、温度依存型のスイッチング機構は、スイッチの応答温度よりも下に位置するその閉塞位置において、保護されるべきデバイスの供給回路を閉鎖し、かつ、スイッチの応答温度よりも上に位置するその開放位置において、保護されるべきデバイスの供給回路を中断することを確実にする。したがって、このタイプの温度依存型スイッチを使用して、不要な過熱の場合にスイッチによって電気的デバイスが自動的に非通電にされ、したがってスイッチがオフにされることを確実にする。
【0007】
このように、このような温度依存型スイッチは、あらゆる種類の電気的デバイスにおいて、過温度に対する保護を提供する。
【0008】
温度依存型のスイッチング要素は、その幾何学的形状が温度に応じて変化するように設定されており、特にスイッチのスイッチング機構の温度依存型のスイッチング挙動を担っている。
スイッチの応答温度に達し及び/又はスイッチの応答温度を超過するとき、この温度依存型のスイッチング要素は、スイッチング機構をその閉塞位置からその開放位置に移動させるように、その幾何学的形状を変化させる。典型的には、この温度依存型のスイッチング要素は、バイメタル又はトリメタルの要素であり、異なる熱膨張係数を有する2つ、3つ又はそれ以上の相互接続された部品からなる多層の能動シート金属部品として構成される。このようなバイメタル又はトリメタルの要素における金属又は金属合金の個々の層の接続は、通常、しっかりと結合された又はポジティブロック方式で行われ、例えば圧延によって達成される。
【0009】
このタイプのバイメタルまたはトリメタルのスイッチング要素は、スイッチの応答温度以下である低温で安定し、該低温はスイッチング要素の応答温度に対応した第1の幾何学的構成(低温構成)と、バイメタルまたはトリメタルのスイッチング要素の応答温度以上である高温で安定した第2の安定した幾何学的構成(高温構成)とからなる。したがって、温度依存型のスイッチング要素は、ヒステリシスの様式で温度に応じて、その低温構成からその高温構成に切り替わる。
【0010】
保護されるべきデバイスの温度が上昇した結果、温度依存型のスイッチング要素の温度が、スイッチング要素の応答温度よりも高くなった場合、そのスイッチング要素は、その低温構成から高温構成へと状態を変え、それにより、そのスイッチング機構をその閉塞位置からその開放位置へと移動させ、スイッチを通る電流の流れを中断する。
スイッチの温度、ひいては温度依存型のスイッチング要素の温度が、保護されるべきデバイスの冷却の結果として、スイッチング要素のいわゆる応答温度以下に低下した場合、スイッチング要素は、その高温構成からその低温構成に再度その幾何学的形状を変え、その結果、スイッチング機構はその閉塞位置に戻され、電流が再びスイッチを流れることができる。
【0011】
典型的には、バイメタルまたはトリメタルで作られたこのような温度依存型のスイッチング要素は、該スイッチング要素の上述の応答温度がスイッチング要素の応答温度よりも低いように構成される。しかし、原理的には、温度依存型のスイッチング要素は、その応答温度がその応答温度と同じ温度範囲内にあるか、または正確に同じ温度でさえあるように構成することもできる。
【0012】
温度依存型のスイッチング要素に加えて、このような温度依存性スイッチのスイッチング機構には、追加のばね要素もしばしば使用され、閉塞位置では、前記追加のばね要素がスイッチング機構の機械的な閉塞圧力を発生させるか、少なくとも閉塞圧力の発生を助ける。ばね要素は、温度に依存しないばね要素であり、金属製であるのが好ましい。このばね要素は、特にスイッチング機構の閉塞位置でスイッチング要素を解放する、何故ならスイッチング要素は、スイッチング機構の閉塞位置で機械的な閉塞圧力を発生させるために、より小さな力を加えるか、まったく力を加えなくて済むからである。
【0013】
スイッチング機構が、温度依存型のスイッチング要素に加えて、温度に依存しないばね要素を持つ温度依存型スイッチは、スイッチング要素及びばね要素の構成、配置及び相互作用のタイプに関して、機能的に異なる2つの構成に分類することができる。
【0014】
第1の構成によれば、ばね要素は、スイッチ内の温度依存型のスイッチング要素と電気的に、かつ機械的に並列に接続されている。このようなスイッチング機構の構成を有するスイッチは、例えば、ドイツ特許公開公報197 48 589号に開示されている。
【0015】
このスイッチング機構の構成では、ばね要素と温度依存型のスイッチング要素は、通常、ディスク状であり、可動接触部を介して互いに連結される。ばね要素はばねディスクとして構成されており、可動接触部の中央に取り付けられている。
温度依存型のスイッチング要素は通常バイメタルのスナップディスクとして構成され、これは可動接触部上の中央開口部を備えて配置される。スイッチング機構の閉塞位置では、ばねディスクは、可動接触部を静止している接合接触部に対して押し付け、該接合接触部はスイッチの第1の電極上に配置されるか、またはスイッチの第1の電極を形成し、スイッチの外部端子に電気的に接続され、スイッチの第2の外部端子に電気的に接続されるスイッチの第2の電極上にてその外側縁部に位置する。
このように、スイッチング機構の閉塞位置では、ばねディスクを介して2つの電極間に電流が流れ、これは同時に、可動接触部が静止している接触部に押し付けられる接触圧力を発生させる。バイメタルスナップディスクは、スイッチング機構の閉塞位置に機械的に力を加えることなく取り付けることができ、好ましくは通電しないため、耐用年数にプラスの影響を及ぼす。
【0016】
第2の構成によれば、ばね要素は、スイッチング機構において、電気的且つ機械的に温度依存型のスイッチング要素と並列に接続されていないが、直列に接続されている。このようなスイッチング機構の構造を有するスイッチは、例えば、最初に述べられているドイツ特許公開公報198 07 288号に開示されている。また、本発明によるスイッチは、このようなスイッチング機構を直列に接続したスイッチでもある。
【0017】
このスイッチング機構の構成では、ばね要素は、典型的には、金属で作られた細長のばね舌片として構成され、温度依存型のスイッチング要素は、バイメタルまたはトリメタルで作られた細長のばね舌片として構成される。
ばね要素の第1の端部は、スイッチの第1の外部端子に電気的に接続される第1の電極に取り付けられる。反対側のばね要素の第2の端部は、温度依存型のスイッチング要素に強固に接続されている。ばね要素に取り付けられるスイッチング要素の反対側端部である温度依存型のスイッチング要素の自由端部は、可動接触部を備える。この可動接触部は、第2の外部端子に電気的に接続されたスイッチの第2の電極上に配置された固定接触部と相互作用する。
【0018】
このスイッチング機構の第2の構成では、可動接触部は、スイッチング機構の閉塞位置において、ばね要素と温度依存型のスイッチング要素の両方によって、固定接触部に対して押圧される。したがって、ばね要素および温度依存型のスイッチング要素は、それらの直列接続および相互への取り付けに起因して、スイッチング機構の閉塞位置における閉鎖圧力を共同で生成する。
【0019】
述べたように、このスイッチング機構の構成に従って、スイッチング機構は機械的のみならず、電気的にも直列に接続されているため、スイッチング機構の閉塞位置では、ばね要素と温度依存型のスイッチング要素を介して電流が直列に流れる。
スイッチング要素は、スイッチング機構の上述の並列構成と比較して、より欠点のあるものである、何故なら温度依存型のスイッチング要素は、したがって、スイッチの閉塞位置において恒久的に付勢され、したがって、より大きな応力を受けるからである。
【0020】
しかし、これはまた、特定の用途にとって有利である、何故ならスイッチング機構の直列接続の構成は、温度依存型のスイッチング要素が高い動作電流で非常に速く加熱されることを意味し、その結果、このようなスイッチは、過温度だけでなく、過電流にも反応する。さらに、ばね要素及びスイッチング要素を直列に接続した構成は、スイッチング機構自体およびスイッチング機構のハウジングが著しく単純かつ小型の構成要素しか必要としないので、並列構成よりも著しくコスト効率が良く、かつ実現がより簡単である。したがって、スイッチング機構の直列構成は、温度依存型スイッチの費用対効果に優れた仕様に特に適している。
【0021】
さらに、ばね及びスイッチング要素の純粋な構成におけるスイッチング機構の場合は、以下の更なる点に留意すべきである。温度依存型のスイッチング要素がバイメタル又はトリメタルで構成されている場合、スイッチング要素は、全てのバイメタル又はトリメタル要素と同様に、閉塞位置から開放位置への移行の間にいわゆるクリープ相を経るが、いわゆるクリープ相では、スイッチング要素は、温度の上昇の結果として徐々に変形するが、その低温構成からその高温構成に急激にスナップすることがない。このクリープ相は、バイメタルまたはトリメタル元素の温度が下からその応答温度に近づくときだけでなく、上からその応答温度に近づくときにも起こる。いずれの場合も、これは顕著な構造変化をもたらす。バイメタルまたはトリメタル元素のクリープ挙動も、特に経年劣化または長期動作の結果として変化する可能性がある。
【0022】
開放動作の間、クリーピングは、温度依存型のスイッチング要素が固定接触部に及ぼす力を減少させることができる。閉塞動作中に、接触部は閉じ段階中に固定接触部に徐々に近づき、アーク放電のリスクを引き起こす可能性がある。このスイッチング要素のクリープ挙動は、ドイツ特許公開公報198 07 288号で知られているスイッチの場合、スイッチング要素に機械的に直列接続されたばね要素によって補償される。スイッチング要素の幾何学形状がクリープ段階中に徐々に変化する場合、これはばね要素によって直ちに補償される。したがって、ばね要素は、スイッチング要素のこの望ましくないクリープ効果を補償する一種の補償ばねとして作用する。
【0023】
ドイツ特許公開公報198 07 288号から既知のスイッチは、少なくとも特定の用途、例えば過剰電流に対する保護に対して有利であることが証明されており、上述のクリープ段階の相問題はばね要素によって補償され得るが、改善の余地がまだ残されている。
【0024】
例えば、これに通常使用される標準的な溶接およびはんだ付け方法を使用して温度依存型のスイッチング要素をばね要素に取り付けると、実際にはこれら2つの要素が損傷することが多いことが判明した。
ばね要素と温度依存型のスイッチング要素の両方は、通常、非常に薄い板金で作られたばね舌片として構成されるので、このようなはんだ付け又は溶接された接合は、極めて注意深く、高い感度で作成されなければならず、これは、通常、手作業でのみ可能であり、ほとんど自動化することはできない。両方の要素の壊れやすい構成のために、スイッチング機構もまた、しばしば機械的安定性を欠いており、これは、振動に対するスイッチング機構の比較的低い堅牢性に繋がる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
このような背景から、本発明の目的は、上述した第2の構成(ばね要素とスイッチング要素の直列接続)によるスイッチング機構を備えた温度依存型スイッチを作り出すことで、上述した欠点を克服することである。特に、高機能な信頼性と長寿命が、安価で簡単な構成で達成される。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明によれば、請求項1に記載の温度依存型スイッチにより、この目的が達成される。本発明による温度依存型スイッチは、第1の外部端子、第2の外部端子および温度依存型のスイッチング機構を含む。
温度依存型のスイッチング機構は、その温度に応じてその幾何学的形状を変化させるように構成された温度依存型のスイッチング要素を備え、該スイッチング要素はスイッチング機構を閉塞位置と開放位置との間で切換え、閉塞位置ではスイッチング機構は第1の外部端子と第2の外部端子の間で導電性接続を確立し、開放位置では導電性接続を切断する。また、温度依存型のスイッチング機構は、温度依存型のスイッチング要素に恒久的に電気的及び機械的に直列に接続されたばね要素を含む。さらに、温度依存型のスイッチング機構は、ばね要素と温度依存型のスイッチング要素との間に配置され、ばね要素及び温度依存型のスイッチング要素に取り付けられる接続部品を備える。
【0027】
本発明によるスイッチの場合、ばね要素と温度依存型のスイッチング要素は、ドイツ特許公開公報198 07 288号から既知のスイッチと同様の方法で、直列に恒久的に電気的及び機械的に接続されている。しかし、本発明によれば、ばね要素と温度依存型のスイッチング要素との間に配置され、温度依存型のばね要素及び温度依存型のスイッチング要素の両方に取り付けられる追加の接続部品が更に設けられる。この接続部品は、例えば金属シートの形態の寸法的に安定した部品であることが好ましく、この接続部品は、一方ではばね要素に、他方では温度依存型のスイッチング要素に取り付けられている。
【0028】
ばね要素と温度依存型のスイッチング要素との間にこのような追加の接続部品を配備することは、様々な利点を提供する。第1に、それは、スイッチング機構の製造を単純化する。何故ならば、ばね要素及びスイッチング要素は、互いに直接取り付けられなくてもよく、実際には、両方の要素は、典型的には、非常に薄くて壊れやすいシート金属で作られているからである。したがって、追加の接続部品は、ばね要素と温度依存型のスイッチング要素との間の機械的接続の安定性も増加させる。これにより、スイッチング機構の全体的な安定性が高められる。さらに、スイッチング機構の電気抵抗は、接続部品に適した材料を選択することによって、所望のスイッチング挙動に個別に適合させることができる。
【0029】
接続部品の更なる利点は、追加の高さを提供することであり、その結果、ばね要素及び温度依存型のスイッチング要素は、十分な閉鎖圧力を発生させるために、スイッチング機構の閉鎖位置においてそれほど大きく曲がる必要がない。したがって、接続部品は、スイッチング機構の閉塞位置において、ばね要素および温度依存型のスイッチング要素のための機械的なリリーフを提供する。
【0030】
接続部品はまた、スイッチの自動化された製造中にコンベヤベルトに一体的に接続されるキャリア材料として使用することができる。例えば、接続部品は、スイッチング機構の自動化された製造中に無端コンベヤベルトに一体的に接続され、次に、ばね要素及び温度依存型のスイッチング要素が自動的に取り付けられる金属シートとすることができる。次いで、金属シートをコンベヤベルトから打ち抜くことができ、それにより、ばね要素、接続要素およびスイッチング要素を含むスイッチング機構の部品を事前に製造することが簡単になり、それは、次いで、バルク材料として貯蔵することができる。
【0031】
このような追加の接続部品がなければ、スイッチング要素を上述の自動化された方法でばね要素に直接取り付けることは不可能であろう、何故ならばね要素もスイッチング要素も通常は非常に薄い金属シートのような構成のため、コンベヤベルトの搬送材料としては適さないかえらである。
【0032】
従って、本発明のさらなる態様は、温度依存型スイッチを製造する方法に関し、該方法は、
(i)金属シートからなる複数の接続部品が一体的に接続されるコンベヤベルトを配備する工程と、
(ii) ばね要素と温度依存型のスイッチング要素とを複数の接続部品のうちの1つに取り付けて、ばね要素を温度依存型のスイッチング要素に電気的に、機械的に直列に接続する工程と、
(iii)1つの接続部品をコンベヤベルトから分離して、ばね要素及び温度依存型のスイッチング要素が取り付けられた1つの接続部品を含むスイッチング機構アセンブリを形成する工程と、
(iv) スイッチング機構アセンブリを第1の外部端子及び第2の外部端子に接続して温度依存型のスイッチング機構を備えた温度依存型スイッチを形成する工程であって、温度依存型のスイッチング要素はその温度に応じてその幾何学的形状を変化させるように構成され、スイッチング機構を閉塞位置と開放位置の間で切り換え、閉塞位置ではスイッチング機構が第1の外部端子と第2の外部端子との間で導電性接続を確立し、開放位置ではスイッチング機構が導電性接続を遮断する工程と、
(v) より多くの複数の接続部品のために、工程(ii)‐(iv)を繰り返す工程を有する。
【0033】
要約すると、本発明によるスイッチは、製造が比較的簡単であり、ドイツ特許公開公報198 07 288号に開示されたスイッチよりも機械的により安定したスイッチ機構を備える。
【0034】
したがって、上記の目的は完全に達成される。
【0035】
一実施形態によれば、接続部品は、本質的に板状である。
【0036】
接続部品は、一方のばね要素に対して平坦であり、他方のばね要素に対して平坦である金属シートを含むことが好ましい。これにより、ばね要素、接続部品及びスイッチング要素の間の簡単で機械的に安定した接続が可能となり、同時に、これら3つの部品の間の良好な電気的接触が保証される。
【0037】
さらに別の実施形態によれば、第1のしっかりと接着された接続によって接続部品の第1の側部がばね要素に取り付けられ、第2のしっかりと接着された接続によって、接続部品の第2の側部が温度依存型のスイッチング要素に取り付けられる。
【0038】
好ましくは、述べられた2つの側部は、接続部品の両側にある。ばね要素は、接続部品の上側に、スイッチング要素は、接続部品の下側に取り付けられることが特に好ましい。両方ともしっかりと接着された接続が同じ方法で作られる。
例えば、一方ではばね要素と接続部品との間、他方では接続部品とスイッチング要素との間にてしっかりと接着された接続は、それぞれ半田付け又は溶接された接続とすることができる。
【0039】
さらに別の実施形態によれば、接続部品は、ばね要素及び温度依存型のスイッチング要素よりも厚い。
【0040】
換言すれば、接続部品は、ばね要素及び温度依存型のスイッチング要素よりも厚いことが好ましい。したがって、それにより更なる機械的補強が提供され、スイッチング機構の安定性を増加させる。そのより大きな材料厚さのために、上述のようなスイッチング機構を自動化して製造する場合は、コンベヤベルトに一体的に接続されるキャリア材料としてより良く適している。
【0041】
ばね要素及び接続部品は、各々金属、特に好ましくは金属シートで構成されることが望ましい。接続部品はばね要素とは異なる金属で作ることができる。温度依存型のスイッチング要素は、バイメタルまたはトリメタルで作られていることが好ましい。
【0042】
さらに別の実施形態によれば、ばね要素と温度依存型のスイッチング要素は、接続部品を介して間接的にのみ接続されるが、直接的には接続されない。これは、ばね要素と温度依存型のスイッチング要素の動きの自由度に良い影響を与える。
【0043】
さらに別の実施形態によれば、ばね要素の第1の端部は、スイッチの第1の電極に取り付けられ、第1の電極は、第1の外部端子に電気的に接続され、ばね要素の第2の端部は、接続部品に取り付けられる。
【0044】
この対策により、ばね要素は、好ましくは、細長いばね舌状体として構成され、このばね舌状体は、片持ち梁の要領でその第1の端部で第1の電極に取り付けられ、こうしてしっかりとクランプされ、その自由な第2の端部で接続部品に取り付けられるという簡単な構造になる。
【0045】
さらに別の実施形態によれば、温度依存型のスイッチング要素の第1の端部は、接続部品に取り付けられ、温度依存型のスイッチング要素の第2の端部は、可動接触部を担持し、この可動接触部は、スイッチング機構の閉塞位置において、ばね要素及び温度依存型のスイッチング要素によって固定接触部に押圧され、前記固定接触部は、第2の外部端子に電気的に接続される第2の電極上に配置され、前記温度依存型のスイッチング要素は、その温度に応じてその幾何学的形状を変えるように構成されて、スイッチング機構の開放位置において可動接触部を固定接触部から離して持ち上げて、導電接続を遮断する
【0046】
このように、ばね要素と温度依存型のスイッチング要素は、共に、スイッチング機構の閉塞位置にて、接触圧力を発生させ、これにより、可動接触部は、固定接触部に対して押される。同時に、ばね要素は、一種の補償ばねとして作用し、温度依存型のスイッチング要素の望ましくないクリープ移動を補償する。
【0047】
さらに別の実施形態によれば、ばね要素の第1の端部と温度依存型のスイッチング要素の第2の端部は、接続部品に対して接続部品の同じ側部に位置する。
【0048】
これにより、ばね要素、接続部品及びスイッチング要素が、一種のV字形又はU字形に配置される。これにより、高さの低いスイッチング機構を実現することが可能となる。
【0049】
さらに別の実施形態によれば、第1の電極と第2の電極は、絶縁材料キャリアによって互いに距離を置いて保持され、ここで、温度依存型のスイッチング機構は、第1の電極と第2の電極との間の絶縁材料キャリア内の凹部に配置される。
【0050】
一方で、絶縁材料キャリアは、したがって、2つの電極を互いに電気的に絶縁し、また、両方の電極を支持する機械的な構造部品としても機能し、他方で、スイッチ構造の安定性を増加させる。また、絶縁材料キャリアは、ハウジングとして機能することも、またはハウジングの一部を形成することもできる。
【0051】
さらに別の実施の形態によれば、第1の外部端子と第2の外部端子は、共通の平面内で互いに平行に配置される。
【0052】
これにより、スイッチの電気的な接続が大幅に簡素化される。
【0053】
さらに別の実施形態によれば、第1の電極は、カバーまたは板状またはディスクのような形であり、絶縁材料キャリアによってその全周に沿って取り囲まれている。
【0054】
したがって、第1の電極は、スイッチのためのカバーとして作用し、好ましく絶縁材料キャリアでホットスタンプされ、その全周を囲むようにシールされ得る。これにより、スイッチの機械的なシール性が向上する。
【0055】
さらに別の実施形態によれば、ワイヤ接続要素は、少なくとも部分的に絶縁材料内に封入されているか、または絶縁材料内に埋め込まれている。
【0056】
例えば、ワイヤ接続要素は、絶縁材料キャリアに埋め込むことができる。つまり、スイッチング機構からシールドされ、電気的に絶縁されている。同時に、ワイヤ接続要素は、スイッチ内に収容されて、スペースを節約する。
【0057】
上記の特徴及び以下に説明する特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、各場合で示される組合せのみならず、他の組合せにおいても、あるいはそれ自体においても使用することができるものと理解される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
本発明の一実施形態例を図面に示し、以下の説明でより詳細に説明する。
【
図1】本発明によるスイッチの例示的な実施形態の概略断面図を示し、温度依存型のスイッチング機構は、その閉塞位置にある。
【
図2】
図1に示す本発明によるスイッチの例示的な実施形態の概略断面図を示し、スイッチング機構は開放位置にある。
【
図3】
図1に示す本発明によるスイッチの例示的な実施形態の概略上面図を示す。
【
図4】スイッチを自動的に製造するための発明に係る方法の一部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1及び
図2は、それぞれ、本発明に係る温度依存型スイッチの一実施形態の概略断面図を示す。このスイッチは、全体が符号10でラベル付けされている。
【0060】
図1は、スイッチ10の閉塞位置を示す。
図2は、スイッチ10の開放位置を示す。
【0061】
スイッチ10は、温度依存型のスイッチング機構12を備え、このスイッチング機構は、スイッチ10をその閉塞位置からその開放位置に、及びその温度に応じてその逆に切り替えるように構成される。
【0062】
図1に示されたスイッチ10の閉塞位置では、スイッチング機構12は、スイッチの2つの外部端子14、16の間に導電性の接続を確立する。これに対して、
図2に示すスイッチ10の開放位置では、スイッチング機構12は、第1の外部端子14と第2の外部端子16との電気的な導通接続を切断する。
【0063】
第1の外部端子14は、第1の電極18に導電的に接続されている。この第1の電極18も、スイッチ10のカバーを形成する。第2の外部端子16は、第2の電極20に、電気的に導電性で、好ましくは、一体的に接続されており、第2の電極20は第1の電極18に対して平行に、かつ、離れて配置されている。両方の電極18、20は、平坦な電極として構成されることが好ましい。スイッチング機構12は、2つの電極18、20の間の空間にスイッチ10の内側に配置される。
【0064】
2つの電極18、20は、絶縁材料キャリア22によって保持されている。この絶縁材料キャリア22は、本質的にポット形状であり、スイッチ10の下部ハウジング部分を形成する。絶縁材料キャリア22は、第2の電極20が下部ハウジング部分の一体部分であるような方法でオーバーモールド又は鋳造することによって第2の電極20の周囲に形成される。ハウジングの下部は、カバー部として作用する第1の電極18によって閉塞される。第1の電極18は、その全周に沿って、絶縁材料キャリア22によって囲まれ、絶縁材料キャリア22のホットスタンプされた上縁24によって拘束されて保持される。
【0065】
図3に示すように、2つの外部端子14、16は、絶縁材料キャリア22から互いに平行に導出されている。絶縁材料キャリア22の内側に配置されるワイヤ接続要素26は、2つの電極18、20に対して横方向に、好ましくは直交方向に延びる。
【0066】
このワイヤ接続要素26は、第1の電極18を第1の外部端子14に接続する。
このようにすれば、2つの電極18、20が垂直にオフセットされて配置されているにもかかわらず、2つの外部端子14,16を共通平面内に配置することができる。
共通平面内に配置することにより、2つの外部端子14,16は、平面または板状の接続として構成されることを意味し、夫々の上側が第1の共通平面に配置され、夫々の下側が第1の共通平面と平行に延びる共通の第2の平面に配置される。このように2つの外部端子を共通平面に配置することで、スイッチ10の電気的接続が何倍も簡単になる。
【0067】
ワイヤ接続要素26は、絶縁材料内に完全に収容されて、ワイヤ接続要素26をスイッチング機構12から遮蔽し、電気的に絶縁することが好ましい。ここに示した例示的な実施形態では、ワイヤ接続要素26は、絶縁材料キャリア22に一体化されており、従って、スイッチング機構12から空間的に分離されている。
【0068】
スイッチング機構12は、温度依存型のスイッチング要素28、ばね要素30及び接続部品32を含む。この場合では、温度依存型のスイッチング要素28は、細長いばね舌状の形状を有するバイメタル要素である。ばね要素30は、金属でできており、また、細長いばね舌状として構成されている。接続部品32は、板状の金属シートとして構成され、その材料厚さは、スイッチング要素28の材料厚さよりも大きく、ばね要素30の材料厚さよりも大きいことが好ましい。
【0069】
ばね要素30、接続部品32と、バイメタル要素として構成されたスイッチング要素28とが、電気的に機械的に直列に接続されている。ばね要素30とスイッチング要素28は、接続部品を介して間接的にしか接続されていないが、直接には接続されていない。接続部品32は、ばね要素30とスイッチング要素28との間の中間層として配置され、ばね要素30とスイッチング要素28とに夫々別々に取り付けられる。
【0070】
ばね要素30の第1の端部34は、第1の電極18にしっかりと接着された方法で取り付けられている。この第1の端部34から開始して、ばね要素30は、片持ち梁の方法で、スイッチ10の内側に形成された空洞内に突出する。ばね要素30の反対側の第2の自由端部36は、接続部品32の第1の側部38に、(例えば、半田付けまたは溶接によって)しっかりと結合された方法で取り付けられる。接続部品32の第2の側部40は、第1の側部38とは反対側であり、スイッチング要素28の第1の端部42にしっかりと接着された方法(例えば、半田付けや溶接による)で取り付けられている。
【0071】
第1の端部42の反対側の第2の端部44において、スイッチング要素28は、第2の電極20上に配置された固定接触部48と共働する可動接触部46を担持する。
【0072】
スイッチング機構12の閉塞位置では、ばね要素30及びスイッチング要素28により可動接触部46が固定接触部48に押圧され、その結果、スイッチ10が閉塞され、2つの外部端子14,16間の導電性接続が確立される。
スイッチ10を通る増加した電流流れの結果として、あるいは外気温の上昇の結果としてスイッチング要素28の温度が増加すると、スイッチング要素28のクリープ相が始まり、そこでは、ばね要素30の力に対して作用するスイッチング要素28のばね力が減少し、その結果、接続部品32は、
図1に示された位置に対して下方に移動する。しかし、ばね要素30、機械的な接続部品32及びスイッチング要素28の機械的な直列接続により、固定接触部48に対して可動接触部46を押し続ける。その後、スイッチング要素28の温度が、スイッチング要素28の応答温度まで更に上昇するか、又は応答温度を超えると、スイッチング要素28は、
図2に示す高温構成にスナップオーバーする。ここで、スイッチング機構12はその開放位置に持ち込まれ、2つの外部端子14、16間の導電性接続が遮断される。
【0073】
また、少なくとも1つの凹部49が、絶縁材料キャリア22に設けられ、該凹部49を通じて、第2の電極20が外部からアクセス可能となる。一方で、これはスイッチ10の熱的な接続を改善し、他方で、スイッチ10の自動化された機能試験を可能にする。
【0074】
図4は、温度依存型スイッチ10の自動製造の方法を説明するための組立ベルトの一部の概略上面図を示す。特に、コンベヤベルト50が示されており、ここで示される場合には、コンベヤベルト50を矢印54の方向に駆動する働きをする複数の穴52を備える。しかし、コンベヤベルトの駆動装置のタイプに応じて、これらの穴52をなくすこともできるし、これらの穴52をコンベヤベルトの駆動装置が係合できる他のタイプの係合要素で置き換えることもできる。
【0075】
コンベヤベルト50は、金属シート製であり、複数の予め作られた接続部品32に一体的に接続されている。
図4は、この複数の接続部品32のうちの1つのみを示している。したがって、接続部品32は、コンベヤベルト50の一部であり、スイッチング機構12の製造中に、スイッチ10のスイッチング機構12の他の部品を取り付けるためのキャリア材料として機能する。
【0076】
第1の工程では、ばね要素30及び温度依存型のスイッチング要素が、複数の接続部品32の各々に装着されて、ばね要素30が、温度依存型のスイッチング要素28に電気的に、かつ機械的に直列に接続される。既に述べたように、ばね要素30は、第1のしっかりと接着された接続によって接続部品32の第1の側部38に取り付けられている。温度依存型のスイッチング要素28は、第2のしっかりと接着された接続によって接続部品32の反対側の第2の側部40に取り付けられる。好ましくは、可動接触部48は、既に前もってスイッチング要素28に取り付けられている。
【0077】
スイッチング要素28、ばね要素30及び接続部品32を備えるスイッチング機構アセンブリが完全に組み立てられるとすぐに、スイッチング機構アセンブリは、接続部品32を破線の分離線56に沿って分離することによって、コンベヤベルト50から分離することができる。このようにして、スイッチング機構アセンブリは例えば、バルク材料として貯蔵することができる半製品として、自動化された方法で製造することができる。
【0078】
このようにして製造されたスイッチング機構アセンブリは、第1の外部端子及び第2の外部端子14、16に接続されて、温度依存型のスイッチング機構12を形成し、
図1及び
図2に示されているように、全体として又は個々に絶縁材料キャリア22に挿入されることができる。
【0079】
スイッチが自動的に製造される場合、上記の工程が、コンベヤベルト50に接続された更なる接続部品32ごとに繰り返されて、更なるスイッチ10が製造されることが理解されるであろう。
【外国語明細書】