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特開2024-109064シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物、およびこれを用いたパターン形成方法
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  • 特開-シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物、およびこれを用いたパターン形成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109064
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物、およびこれを用いたパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/308 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
H01L21/308 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024006886
(22)【出願日】2024-01-19
(31)【優先権主張番号】10-2023-0013216
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132, YAKCHON-RO, IKSAN-SI, JEOLLABUK-DO 54631, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】禹 熙錫
(72)【発明者】
【氏名】安 奎相
(72)【発明者】
【氏名】呉 政▲みん▼
(72)【発明者】
【氏名】金 志原
(72)【発明者】
【氏名】魯 珍圭
(72)【発明者】
【氏名】尹 嚆重
(72)【発明者】
【氏名】▲ぺ▼ 相元
(72)【発明者】
【氏名】成 敬模
【テーマコード(参考)】
5F043
【Fターム(参考)】
5F043AA09
5F043AA26
5F043BB01
5F043BB18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シリコン及びシリコンゲルマニウムエッチング液組成物およびこれを用いたパターン形成方法を提供する。
【解決手段】シリコン及びシリコンゲルマニウムエッチング液組成物は、水、酸化剤、フッ素系化合物及び化学式1又は化学式2で表され、海面活性剤が、液組成物100重量%を基準として5重量%~40重量%含まれる。


【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化剤、フッ素系化合物、下記の化学式1で表される界面活性剤、および水を含み、
前記界面活性剤は、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物100重量%を基準として5重量%~40重量%含まれる、
シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物であって:
【化1】
前記化学式1中、Rは、炭素数2~4のアルキル基であり、Rは、水素、または炭素数1~3のアルキル基である、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項2】
前記シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物に含まれている1級アミン、2級アミン、および3級アミンの含有量合計が全体組成物100重量%を基準として0.001重量%未満である、請求項1に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項3】
前記化学式1中、Rは、炭素数3~4の分枝鎖状アルキル基であり、Rは、水素である、請求項1に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項4】
前記化学式1中、Rは、炭素数2~4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基であり、Rは、炭素数1~3の直鎖状アルキル基である、請求項1に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項5】
モノカルボン酸、またはモノカルボン酸の塩をさらに含む、請求項1に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項6】
前記モノカルボン酸は、酢酸である、請求項5に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項7】
前記フッ素系化合物は、テトラアルキルアンモニウムフルオライドを含む、請求項1に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項8】
前記酸化剤は、過酸化水素水、硝酸、硝酸塩、亜硝酸塩、過ヨウ素酸、ヨウ素塩、過塩素酸および過塩素塩からなる群より選択された1種以上の物質を含む、請求項1に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項9】
前記シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物は、
シリコンに対するエッチング速度が40Å/min以上210Å/min未満であり、
シリコンに対するシリコンゲルマニウムのエッチング速度比が1.3以下であり、
シリコン酸化物に対するエッチング速度が7Å/min以下である、請求項1に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項10】
シリコン層を前記シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチング処理した後に測定した表面粗さが1.5nm以下である、請求項1に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項11】
酸化剤、フッ素系化合物、下記の化学式2で表される界面活性剤、および水を含み、
前記界面活性剤は、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物100重量%を基準として5重量%~40重量%含まれる、
シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物であって:
【化2】
前記化学式2中、Rは、炭素数2~4のアルキル基であり、Rは、水素、または炭素数1~3のアルキル基である、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項12】
前記シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物に含まれている1級アミン、2級アミン、および3級アミンの含有量合計が全体組成物100重量%を基準として0.001重量%未満である、請求項11に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項13】
モノカルボン酸、またはモノカルボン酸の塩をさらに含む、請求項11に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項14】
前記モノカルボン酸は、酢酸である、請求項13に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項15】
前記フッ素系化合物は、テトラアルキルアンモニウムフルオライドを含む、請求項11に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項16】
前記酸化剤は、過酸化水素水、硝酸、硝酸塩、亜硝酸塩、過ヨウ素酸、ヨウ素塩、過塩素酸および過塩素塩からなる群より選択された1種以上の物質を含む、請求項11に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項17】
前記シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物は、
シリコンに対するエッチング速度が80Å/min以上120Å/min未満であり、
シリコンに対するシリコンゲルマニウムのエッチング速度比が1以下であり、
シリコン酸化物に対するエッチング速度が2Å/min以下である、請求項11に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項18】
シリコン層を前記シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチング処理した後に測定した表面粗さが0.1nm以下である、請求項11に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物。
【請求項19】
シリコン層およびシリコンゲルマニウム層を含む半導体素子を形成する段階;および
前記半導体素子を請求項1に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチングする段階;を含む、パターン形成方法。
【請求項20】
シリコン層およびシリコンゲルマニウム層を含む半導体素子を形成する段階;および
前記半導体素子を請求項11に記載のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチングする段階;を含む、パターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物、およびこれを用いたパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、急速に成長する情報化社会において、多様な技術の発展とともに大量の情報をより速やかに処理するために、半導体装置は高集積化されている。したがって、より多くのパターンを半導体基板上に形成するために、パターン間隔およびパターンの幅が狭くなる傾向にある。特に、半導体素子のデザインルール(design rule)が100nm以下に減少するにつれ、パターンを形成できる空間はさらに狭くなりつつある。
【0003】
このように、パターンの大きさは減少しているのに対し、高集積化された半導体装置を駆動させるためには、電子の移動度(electron mobility)が非常に重要に作用する。また、半導体基板に形成されたソース/ドレイン領域から基板の下部に漏洩する漏洩電流(leakage current)が発生する場合には、半導体素子全体では相当量の電流が漏洩して、全体的に半導体素子の動作速度を低下させる。
【0004】
したがって、半導体基板に絶縁膜を埋込んで下部に漏洩する電流を防止しようとする努力が進められている。前記埋込まれた絶縁膜は、基板のアクティブ領域の下部に存在して、実際に半導体素子内でチャネルが形成され、ソース/ドレイン領域で電子が移動する時、電子が下部へ移動するのを防止する。前記埋込絶縁膜を有する基板は、シリコンウエハ上に埋込絶縁膜を形成し、前記埋込絶縁膜上に再びシリコンを成長させて形成される。一般に、前記埋込絶縁膜としてはシリコンゲルマニウム(silicon germanium)を使用している。
【0005】
単結晶シリコンからなるシリコンウエハ上にシリコン窒化膜またはシリコン酸化膜を形成する場合には、後続に単結晶シリコンを再び成長させることができないので、シリコンゲルマニウムを使用している。
【0006】
例えば、エピ-スタックは、交互するシリコン(Si)およびシリコンゲルマニウム(SiGe)層で形成され、ここで、SiGe層は、犠牲層であり、Si層は、チャネル層である。SiGe層は、以後、(例えば、過酸化水素溶液のような湿式エッチング工程により)選択的にエッチングして除去され、Si層は、以後、トレンチ上に吊られたナノワイヤチャネル中に形成される。
【0007】
一方、DRAM(DRAM)、NANDフラッシュ(NAND FLASH)メモリ装置などのような半導体素子において、最近、限界寸法(Critical Dimension:CD)が急激に減少しながらも大容量を実現しようとする開発が続いている。
【0008】
前記半導体素子において、例えば、シリコンベース膜あるいはパターンは、ゲート電極、キャパシタ電極、導電性コンタクト、配線などの材料として広く使用されている。ゲート電極または配線を金属膜の直接的エッチングにより形成する場合、エッチング解像度の限界によって所望の微細寸法のパターン形成が容易でない。
【0009】
高信頼性の半導体素子工程を行う時、微細な不純物、工程副産物によっても工程歩留まり、寸法信頼性が低下することがある。したがって、シリコン膜エッチング工程の際、微細寸法のパターン形成のためのエッチング安定性および信頼性を維持しながらエッチング速度を向上させるためのエッチング液組成物の開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
実施例は、シリコン膜質とシリコンゲルマニウム膜質を所望の速度でエッチングすると同時に、エッチング後の表面が均一であり、また、微細パターンの内部に組成物の浸透が容易でパターンのばらつきが小さいだけでなく、エッチング過程で単結晶シリコン周辺のシリコン酸化膜はエッチングしない特性を有するシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物を提供する。
【0011】
また、前記のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物を用いたパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本明細書では、酸化剤、フッ素系化合物、下記の化学式1で表される界面活性剤、および水を含み、前記界面活性剤は、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物100重量%を基準として5重量%~40重量%含まれる、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物を提供する。
【0013】
【化1】
前記化学式1中、Rは、炭素数2~4のアルキル基であり、Rは、水素、または炭素数1~3のアルキル基である。
【0014】
本明細書ではまた、酸化剤、フッ素系化合物、下記の化学式2で表される界面活性剤、および水を含み、前記界面活性剤は、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物100重量%を基準として5重量%~40重量%含まれる、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物が提供される。
【0015】
【化2】
前記化学式2中、Rは、炭素数2~4のアルキル基であり、Rは、水素、または炭素数1~3のアルキル基である。
【0016】
本明細書ではさらに、シリコン層およびシリコンゲルマニウム層を含む半導体素子を形成する段階;および前記半導体素子を前記のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチングする段階;を含む、パターン形成方法が提供される。
【0017】
以下、発明の具体的な実施形態によるシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物、およびこれを用いたパターン形成方法についてより詳細に説明する。
【0018】
本明細書において明示的な言及がない限り、専門用語は単に特定の実施例を言及するためのものであり、本発明を限定することを意図しない。
【0019】
本明細書で使用される単数形態は、文言がこれと明確に反対の意味を示さない限り、複数形態も含む。
【0020】
そして、本明細書において、「第1」および「第2」のような序数を含む用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使用され、前記序数によって限定されない。例えば、本発明の権利範囲内で第1構成要素は第2構成要素と名付けられてもよく、類似して第2構成要素は第1構成要素と名付けられてもよい。
【0021】
本明細書において、置換基の例示は以下に説明するが、これに限定されるものではない。
【0022】
本明細書において、「置換」という用語は、化合物中の水素原子の代わりに他の官能基が結合することを意味し、置換される位置は水素原子の置換される位置つまり、置換基が置換可能な位置であれば限定されず、2以上置換される場合、2以上の置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0023】
本明細書において、「置換もしくは非置換の」という用語は、重水素;ハロゲン基;シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルボニル基;エステル基;イミド基;アミド基;1級アミノ基;カルボキシ基;スルホン酸基;スルホンアミド基;ホスフィンオキシド基;アルコキシ基;アリールオキシ基;アルキルチオキシ基;アリールチオキシ基;アルキルスルホキシ基;アリールスルホキシ基;シリル基;ホウ素基;アルキル基;シクロアルキル基;アルケニル基;アリール基;アラルキル基;アラルケニル基;アルキルアリール基;アルコキシシリルアルキル基;アリールホスフィン基;またはN、OおよびS原子のうちの1つ以上を含むヘテロ環基からなる群より選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換であるか、前記例示された置換基のうちの2以上の置換基が連結された置換もしくは非置換であることを意味する。例えば、「2以上の置換基が連結された置換基」は、ビフェニル基であってもよい。つまり、ビフェニル基は、アリール基であってもよく、2つのフェニル基が連結された置換基と解釈されてもよい。
【0024】
本明細書において、アルキル基は、アルカン(alkane)に由来する1価の官能基で、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、前記直鎖アルキル基の炭素数は特に限定されないが、1~20であることが好ましい。また、前記分枝鎖アルキル基の炭素数は3~20である。アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、1-メチル-ブチル、1-エチル-ブチル、ペンチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、ヘプチル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、オクチル、n-オクチル、tert-オクチル、1-メチルヘプチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルペンチル、n-ノニル、2,2-ジメチルヘプチル、1-エチル-プロピル、1,1-ジメチル-プロピル、イソヘキシル、2-メチルペンチル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、2,6-ジメチルヘプタン-4-イルなどがあるが、これらに限定されない。前記アルキル基は、置換もしくは非置換であってもよいし、置換される場合、置換基の例示は上述した通りである。
【0025】
本明細書において、シリコンは特に限定されるものではなく、従来知られたシリコンを制限なく含むことができ、具体例を挙げると、非結晶性シリコン、結晶性シリコン、または多結晶性シリコンを含むことができる。
【0026】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0027】
発明の一実施形態によれば、酸化剤、フッ素系化合物、下記の化学式1で表される界面活性剤、および水を含み、前記界面活性剤は、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物100重量%を基準として5重量%~40重量%含まれる、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物が提供される。
【0028】
【化3】
前記化学式1中、Rは、炭素数2~4のアルキル基であり、Rは、水素、または炭素数1~3のアルキル基である。
【0029】
具体的には、前記一実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物は、酸化剤を含むことができる。前記酸化剤は、シリコンの表面を酸化させて酸化膜を形成するようにし、後述するフッ素系化合物に含まれているフルオライド陰イオンがエッチングできるように変換する役割を果たす。前記酸化剤は、水溶液上でシリコンおよびゲルマニウムを酸化させることができる物質であれば制限なく適用可能である。例えば、前記酸化剤は、過酸化水素水、硝酸、硝酸塩、亜硝酸塩、過ヨウ素酸、ヨウ素塩、過塩素酸および過塩素塩からなる群より選択された1種以上の物質を含むことができる。
【0030】
前記酸化剤の含有量は、全体組成物100重量%を基準として1重量%~10重量%、または2重量%~10重量%、または2重量%~5重量%、または2重量%~3重量%、または3重量%~5重量%であってもよい。酸化剤の含有量が上述した範囲内にある場合、シリコンゲルマニウムの表面が酸化されてSi-OHおよびGe-OHが生成されるが、すべての領域に生成されるのではないのでdangling bondが形成され、完全に酸化されたシリコン酸化膜に比べてエッチングが速くなる。これにより、シリコン酸化膜に比べてエッチング速度が速くて選択比を高めることができるというメリットがある。
【0031】
これに対し、前記酸化剤の含有量が上述した範囲より過度に含有量が少ない場合、酸化力が不足してエッチング速度が過度に遅いというデメリットがあり、上述した範囲より過度に含有量が多い場合、シリコンゲルマニウム中のゲルマニウム(Ge)がGe-OHに過剰酸化され、水に溶解して、シリコンゲルマニウムのエッチング速度が過度に速くなる問題が発生しうる。
【0032】
一方、前記一実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物は、フッ素系化合物を含むことができる。前記フッ素系化合物は、分子内にフッ素原子が含まれている化合物を意味し、より具体的には、フッ素陰イオン(F)を陰イオンとして含むイオン結合物であって、水系組成に溶けて多様なフッ素陰イオン(F)を形成する物質を通称する。
【0033】
前記フッ素系化合物は、均一なエッチングのために、Hydroxide系よりは等方性エッチングが可能なフッ素系化合物を使用することが好ましい。前記フッ素系化合物の代表例としては、フッ酸、ホウフッ酸、バイフルオライドのようなフッ酸系とテトラブチルアンモニウムフルオライド、テトラエチルアンモニウムフルオライド、テトラメチルアンモニウムフルオライド、アンモニウムフルオライド、ポタシウムフルオライドのようにイオン性結合からなるフッ化物が挙げられる。
【0034】
特に、前記フッ素系化合物は、テトラアルキルアンモニウムフルオライドを含むことができる。前記テトラアルキルアンモニウムフルオライドの例としては、テトラブチルアンモニウムフルオライド、テトラエチルアンモニウムフルオライド、テトラメチルアンモニウムフルオライドが挙げられる。前記テトラアルキルアンモニウムフルオライドは、4級アルキルアンモニウム陽イオンの表面吸着効果で均一なエッチングが可能なため、より好ましいフッ素系化合物といえる。
【0035】
前記フッ素系化合物の含有量は、全体組成物100重量%を基準として0.1重量%~20重量%、または1重量%~10重量%、または1重量%~2重量%、または2重量%~10重量%であってもよい。前記フッ素系化合物の含有量が全体組成物100重量%を基準として0.1重量%未満と過度に低くなる場合、エッチング速度が過度に遅くて一般的な工程条件に合わず、前記フッ素系化合物の含有量が全体組成物100重量%を基準として20重量%超過と過度に多くなる場合には、エッチング速度が過度に速くて基板内のエッチング偏差が大きくなって均一にエッチングされないというデメリットがある。
【0036】
一方、前記一実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物は、界面活性剤を含むことができる。前記界面活性剤は、エッチング液が疎水性のシリコン表面にくっつきやすくする役割を果たす。表面の濡れ性が良くなると、表面のmicroroughnessに均一にエッチング液が作用してエッチング後の粗さを改善する効果があり、さらに、微細パターンの浸透力も高くなってエッチング時のパターン間のばらつきを低減する役割を果たす。
【0037】
前記界面活性剤は、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物100重量%を基準として5重量%~40重量%、または10重量%~30重量%、または10重量%~25重量%、または25重量%~30重量%含まれる。上述した範囲内で、表面の濡れ性が良くなってエッチング後の表面粗さが小さくなったり、パターン浸透力が向上できる。
【0038】
前記界面活性剤がシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物100重量%を基準として5重量%未満と過度に低い場合には、界面活性剤による濡れ性の向上効果がわずかである。これに対し、前記界面活性剤がシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物100重量%を基準として40重量%超過と過度に高い場合には、シリコンのエッチング速度が過度に遅くなり、シリコンゲルマニウムのエッチング速度がシリコンのエッチング速度より速くなる問題が現れる。
【0039】
より具体的には、前記界面活性剤は、前記化学式1で表される。つまり、前記界面活性剤は、化学式1で表されるように、非イオン性界面活性剤であってもよい。一般に、水系組成の濡れ性を高めるのには界面活性剤が使用され、界面活性剤は、陽イオン性、陰イオン性、そして非イオン性に分けられるが、陽イオン、陰イオン界面活性剤は、局所的な表面のCharge状態を変化させて一部のみエッチング速度が異なる。その結果、エッチング後の表面粗さを制御しにくい問題がある。
【0040】
一方、前記非イオン性界面活性剤は、化学式1で表されるように、親水性基として単一あるいは2つ以上のエーテル基、ヒドロキシ基を有し、水系組成において使用可能であり、疎水性基として分子サイズの小さいアルキル基を有し、微細パターン内の作用が可能である。
【0041】
前記化学式1とは異なり、親水性基が3以上繰り返される場合、組成の表面張力を低下させない問題が発生したり(例えば、グリセロール)、サイズが大きくなってパターンのばらつき改善効果が減少することがある(例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル)。
【0042】
具体的には、前記化学式1中、Rは、炭素数2~4のアルキル基であり、Rは、水素、または炭素数1~3のアルキル基である。前記化学式1中、Rは、直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数2~4のアルキル基であり、Rは、水素、または直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1~3のアルキル基であってもよい。
【0043】
前記化学式1中、Rが炭素数4超過のアルキル基であれば、アルキル基の疎水性が過度に大きくなってエッチング後の表面にシミが残る問題が発生しうる。また、前記化学式1中、Rが炭素数1のメチル基または水素であれば、物質の極性が高くなって分子間結合が強くて単分子ではないより大きな2次構造を形成するため、微細なパターンの間に浸透する性質が減少することがある。
【0044】
より具体的には、前記化学式1中、Rは、炭素数3~4の分枝鎖状アルキル基であり、Rは、水素であってもよい。前記炭素数3~4の分枝鎖状アルキル基の例としては、イソプロピル、イソブチル、タートブチルが挙げられる。Rは、炭素数3~4の分枝鎖状アルキル基であり、Rは、水素である化学式1で表される界面活性剤の具体例としては、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(ethyleneglycolisopropylether)、エチレングリコールモノイソブチルエーテル(ethyleneglycolmonoisobutylether)、エチレングリコールモノ-タート-ブチルエーテル(ethyleneglycolmono-tert-butylether)が挙げられる。このように、前記化学式1中、Rが炭素数3~4の分枝鎖状アルキル基の場合、直鎖状アルキル基に比べて分子の体積が小さくて物質間相互作用が減少する効果がある。これは物質間の表面張力を低下させる効果があり、よって、炭素数3~4の直鎖状アルキル基を用いた場合に比べて微細パターン内の浸透が容易という技術的なメリットがある。
【0045】
また、前記化学式1中、Rは、炭素数2~4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基であり、Rは、炭素数1~3の直鎖状アルキル基であってもよい。前記炭素数2~4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基の例としては、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、タートブチルが挙げられる。前記炭素数1~3の直鎖状アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピルが挙げられる。Rは、炭素数2~4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基であり、Rは、炭素数1~3の直鎖状アルキル基である化学式1で表される界面活性剤の具体例としては、1-エトキシ-2-プロパノール(1-ethoxy-2-propanol)、1-プロポキシ-2-プロパノール(1-propoxy-2-propanol)、1-イソプロキシ-2-プロパノール(1-isoproxy-2-propanol)、1-ブトキシ-2-プロパノール(1-butoxy-2-propanol)が挙げられる。
【0046】
一方、前記一実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物は、水を含むことができる。本発明のエッチング液組成物は水系であり、組成物の1つ以上の成分を溶解させるための溶媒として水を含む。本発明において、水は多様な方式で、好ましくは、エッチング液組成物で用いられる水は、脱イオン(DI)水である。
【0047】
前記水は、水を除いた残りの成分の重量合計で100重量%を満たすための残量として含まれていてもよいし、水の含有量が特に限定されるものではないが、例えば、前記水は、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物100重量%を基準として45重量%~95重量%、または45重量%~89重量%含まれる。
【0048】
一方、前記一実施形態のモノカルボン酸、またはモノカルボン酸の塩をさらに含むことができる。前記モノカルボン酸は、分子内の1つのカルボキシ基を有する化合物として、例えば、酢酸が挙げられる。
【0049】
本組成において、SiOxの選択比を向上させるために、モノカルボン酸およびその塩を使用することができる。モノカルボン酸、またはモノカルボン酸の塩は、水系でイオン化されてカルボキシレート陰イオンを形成する。生成された陰イオンは、水素結合によりシリコン酸化膜の-OH表面と結合し、エッチング種の接近を妨げてエッチング速度を減少させる役割を果たす。
【0050】
前記モノカルボン酸の塩は、モノカルボン酸の非金属塩であってもよい。モノカルボン酸金属塩は、保護膜質(例えば、酸化膜)に対するエッチングを促進することができ、エッチング選択比を低下させることがある。また、モノカルボン酸金属塩から解離した金属イオンがエッチング対象膜または保護膜質に対して残渣(residue)になり、基板またはパターン上に残留物を生じてパターン形状の不良をもたらすことがある。
【0051】
具体的なモノカルボン酸、またはモノカルボン酸の塩の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、安息香酸、アンモニウムアセテート、アンモニウムプロピオネート、アンモニウムブチレート、アンモニウムバレレート、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムアセテートが挙げられる。
【0052】
前記モノカルボン酸、またはモノカルボン酸の塩は、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物100重量%を基準として0.05重量%~5重量%、または0.05重量%~1重量%、または0.05重量%~0.12重量%、または0.05重量%~0.1重量%、または0.1重量%~5重量%、または0.1重量%~1重量%、または0.1重量%~0.12重量%、または0.12重量%~5重量%、または0.12重量%~1重量%、または1重量%~5重量%含まれる。前記モノカルボン酸、またはモノカルボン酸の塩は、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物100重量%を基準として0.05重量%未満と過度に低い場合、Oxide防食効果がわずかである。また、前記モノカルボン酸、またはモノカルボン酸の塩は、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物100重量%を基準として5重量%超過と過度に高い場合には、酸化剤で酸化されたSiまですべて防食されてシリコンのエッチング速度を大きく低下させることがある。
【0053】
一方、前記一実施形態のpH調整剤をさらに含むことができる。本組成のpHは、pH調整剤により調整可能であり、最終的なpHは、3~7が良い。好ましくは、最終組成のpHが4~6の時、各構成物質の所望の特性がよく現れる。水系組成においてフッ化物によるシリコンのエッチングは、[HF]、[HF2-]あるいはこれよりも大きなイオン種によって行われるが、組成のpHが7より高い場合、フッ化物がイオン化された形態がF-として存在して実質的なエッチングが起こらない。pHが3より低い場合、イオン種のうちHF2-の濃度が高くなってシリコン酸化膜のエッチング速度が過度に速くて防食が行われない問題がある。
【0054】
pH調整剤としては、酸性あるいは塩基性物質を使用することができる。ただし、物質自体がシリコンの表面と相互作用が可能な物質は控える。例えば、塩基性物質として1級アミン、2級アミン、3級アミンを用いて組成のpHを合わせる場合、アミン類がシリコンの表面に付いて4級アミンで調整した時よりシリコンのエッチング速度が遅くなる問題がある。具体的には、4級アミンの場合、シリコンの表面に付くことの可能な空間がないため、1級アミン、2級アミン、3級アミンに比べてpH調整剤としての使用に好ましい。
【0055】
つまり、前記一実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物に含まれている1級アミン、2級アミン、および3級アミンの含有量合計が全体組成物100重量%を基準として0.001重量%未満であってもよい。前記一実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物に含まれている1級アミン、2級アミン、および3級アミンの含有量合計が全体組成物100重量%を基準として0.001重量%未満であるというのは、1級アミン、2級アミン、および3級アミンが検出不可能な程度にごく微量含まれていたり、あるいは0重量%と全く含まれないことを意味することができる。
【0056】
一方、前記一実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物は、シリコンに対するエッチング速度が40Å/min以上210Å/min未満、または40Å/min以上60Å/min未満、または150Å/min以上210Å/min未満、または60Å/min以上150Å/min未満、または60Å/min以上および80Å/min未満、または120Å/min以上および150Å/min未満、または80Å/min以上120Å/min未満であり、シリコンに対するシリコンゲルマニウムのエッチング速度比が1.3以下、または1.1以下、または1以下、または0.2以上、または0.3以上であり、シリコン酸化物に対するエッチング速度が7Å/min以下、または5Å/min以下、または2Å/min以下、または0.01Å/min以上であってもよい。
【0057】
前記シリコン、シリコンゲルマニウム、シリコン酸化物に対するエッチング速度を測定する方法の例が大きく限定されるものではなく、一例を挙げると、結晶性シリコンウエハ、シリコンゲルマニウムウエハ、シリコン酸化膜ウエハを1.5cm×1.5cmのサイズに切断して試験片を用意し、エッチング前の試験片の厚さからエッチング後の試験片の厚さを引いた差値を、総エッチング時間で割って求められる。
【0058】
前記一実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物は、シリコンに対しては上述した範囲の高いエッチング速度を有し、シリコン酸化物に対しては上述した範囲でエッチング速度が低くてシリコンに対してのみ速やかにエッチングを行うことができ、シリコンのエッチングで形成されたシリコン酸化物に対する防食効果により一部のシリコンのみエッチングで除去され、薄い厚さを有する残留シリコンが追加的なエッチングから保護されながら特定のパターンを形成することができる。
【0059】
また、シリコンに対するシリコンゲルマニウムのエッチング速度比が上述した範囲を満足することによって、シリコンゲルマニウムのエッチング速度がシリコン酸化物に対するエッチング速度より速くなってシリコンのエッチングで形成されたシリコン酸化物に対しては防食効果を実現することができ、シリコンとシリコンゲルマニウムとのエッチング偏差が過度に大きくなるのを防止して均一なエッチング性能を実現することができる。前記シリコンに対するシリコンゲルマニウムのエッチング速度比とは、シリコンゲルマニウムのエッチング速度を、シリコンのエッチング速度で割った値を意味する。
【0060】
これに対し、シリコンに対するエッチング速度が40Å/min未満と過度に減少すれば、エッチング速度の過度の減少によってエッチング工程の効率性が減少することがあり、シリコンに対するエッチング速度が210Å/min超過と過度に増加すれば、シリコンとシリコンゲルマニウムとのエッチング偏差が過度に増加して均一なエッチング性能を実現しにくい。シリコンに対するシリコンゲルマニウムのエッチング速度比が1.3超過と増加した場合にも、シリコンとシリコンゲルマニウムとのエッチング偏差が過度に増加して均一なエッチング性能を実現しにくい。
【0061】
一方、シリコン酸化物に対するエッチング速度が7Å/min以上と過度に増加すれば、シリコンのエッチングで形成されたシリコン酸化物に対する防食効果が減少して、一部のシリコンのみエッチングで除去され、薄い厚さを有する残留シリコンが追加的なエッチングから保護できずにすべて除去されてパターンを形成しにくい問題が発生しうる。
【0062】
一方、シリコン層を前記一実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチング処理した後に測定した表面粗さが1.5nm以下、0.5nm以下、または0.1nm以下、または0.001nm以上であってもよい。
【0063】
前記シリコン層に対するエッチング後の表面粗さを測定する方法の例が大きく限定されるものではなく、一例を挙げると、結晶性シリコンウエハを1.5×1.5cmのサイズに切断して試験片を用意し、前記シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチング後、試験片の表面粗さを原子顕微鏡(AFM)を用いて測定できる。
【0064】
シリコン層を前記一実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチング処理した後に測定した表面粗さが1.5nm以下、0.5nm以下、または0.1nm以下、または0.001nm以上を満足すれば、シリコン層の表面に対してエッチング液が均等に均一なエッチングを進行させて微細パターンをエッチング時、パターン間のエッチングばらつきが小さくて微細パターンの信頼性を高めることができる。これは前記一実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物がシリコン層に対して高い濡れ性により達成されるのである。
【0065】
これに対し、前記シリコン層を前記一実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチング処理した後に測定した表面粗さが1.5nm超過と過度に増加すれば、シリコン膜エッチング工程の際、微細寸法のパターン形成のためのエッチング安定性および信頼性を維持しにくくて、微細半導体素子工程を行う時に信頼性が減少する問題が発生しうる。
【0066】
一方、発明の他の実施形態によれば、酸化剤、フッ素系化合物、下記の化学式2で表される界面活性剤、および水を含み、前記界面活性剤は、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物100重量%を基準として5重量%~40重量%含まれる、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物が提供される。
【0067】
【化4】
前記化学式2中、Rは、炭素数2~4のアルキル基であり、Rは、水素、または炭素数1~3のアルキル基である。
【0068】
前記酸化剤、フッ素系化合物、および水に関する内容は、前記一実施形態において上述した内容をそのまま含むことができる。
【0069】
一方、前記他の実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物は、界面活性剤を含むことができる。前記界面活性剤は、前記化学式2で表される。前記化学式2中、Rは、炭素数2~4のアルキル基であり、Rは、水素、または炭素数1~3のアルキル基である。
【0070】
前記界面活性剤は、エッチング液が疎水性のシリコン表面にくっつきやすくする役割を果たす。表面の濡れ性が良くなると、表面のmicroroughnessに均一にエッチング液が作用してエッチング後の粗さを改善する効果があり、さらに、微細パターンの浸透力も高くなってエッチング時のパターン間のばらつきを低減する役割を果たす。
【0071】
前記界面活性剤は、シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物100重量%を基準として5重量%~40重量%、または10重量%~30重量%、または10重量%~25重量%、または25重量%~30重量%含まれる。上述した範囲内で、表面の濡れ性が良くなってエッチング後の表面粗さが小さくなったり、パターン浸透力が向上できる。
【0072】
前記界面活性剤がシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物100重量%を基準として5重量%未満と過度に低い場合には、界面活性剤による濡れ性の向上効果がわずかである。また、前記界面活性剤がシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物100重量%を基準として40重量%超過と過度に高い場合には、シリコンのエッチング速度が過度に遅くなり、シリコンゲルマニウムのエッチング速度がシリコンのエッチング速度より速くなる問題が現れる。
【0073】
より具体的には、前記界面活性剤は、前記化学式2で表される。つまり、前記界面活性剤は、化学式2で表されるように、非イオン性界面活性剤であってもよい。一般に、水系組成の濡れ性を高めるのには界面活性剤が使用され、界面活性剤は、陽イオン性、陰イオン性、そして非イオン性に分けられるが、陽イオン、陰イオン界面活性剤は、局所的な表面のCharge状態を変化させて一部のみエッチング速度が異なる。その結果、エッチング後の表面粗さを制御しにくい問題がある。
【0074】
一方、前記非イオン性界面活性剤は、化学式2で表されるように、親水性基として単一あるいは2つ以上のエーテル基、カルボニル基、ヒドロキシ基を有し、水系組成において使用可能であり、疎水性基として分子サイズが小さいアルキル基を有し、微細パターン内の作用が可能である。
【0075】
前記化学式2とは異なり、親水性基が3以上繰り返される場合、組成の表面張力を低下させない問題が発生したり(例えば、グリセロール、サイズが大きくなってパターンのばらつき改善効果が減少することがある(例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル)。
【0076】
具体的には、前記化学式2中、Rは、炭素数2~4のアルキル基であり、Rは、水素、または炭素数1~3のアルキル基である。前記化学式2中、Rは、直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数2~4のアルキル基であり、Rは、水素、または直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1~3のアルキル基であってもよい。
【0077】
前記化学式2中、Rが炭素数4超過のアルキル基であれば、アルキル基の疎水性が過度に大きくなってエッチング後の表面にシミが残る問題が発生しうる。また、前記化学式2中、Rが炭素数1のメチル基または水素であれば、物質の極性が高くなって分子間結合が強くて単分子ではないより大きな2次構造を形成するため、微細なパターンの間に浸透する性質が減少することがある。
【0078】
前記炭素数2~4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基の例としては、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、タートブチルが挙げられる。前記炭素数1~3の直鎖状アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピルが挙げられる。Rは、炭素数2~4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基であり、Rは、炭素数1~3の直鎖状アルキル基である化学式2で表される界面活性剤の具体例としては、エチルラクテート(Ethyl lactate)、プロピルラクテート(Propyl lactate)、ブチルラクテート(Butyl lactate)、イソブチルラクテート(Isobutyl lactate)が挙げられる。
【0079】
一方、前記他の実施形態のモノカルボン酸、またはモノカルボン酸の塩をさらに含むことができる。前記モノカルボン酸、またはモノカルボン酸の塩に関する内容は、前記一実施形態において上述した内容をそのまま含むことができる。
【0080】
一方、前記他の実施形態のpH調整剤をさらに含むことができる。前記pH調整剤に関する内容は、前記一実施形態において上述した内容をそのまま含むことができる。
【0081】
一方、前記他の実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物に含まれている1級アミン、2級アミン、および3級アミンの含有量合計が全体組成物100重量%を基準として0.001重量%未満であってもよい。前記一実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物に含まれている1級アミン、2級アミン、および3級アミンの含有量合計が全体組成物100重量%を基準として0.001重量%未満であるというのは、1級アミン、2級アミン、および3級アミンが検出不可能な程度にごく微量含まれていたり、あるいは0重量%と全く含まれないことを意味することができる。
【0082】
一方、前記他の実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物は、シリコンに対するエッチング速度が80Å/min以上120Å/min未満であり、シリコンに対するシリコンゲルマニウムのエッチング速度比が1以下、または0.5以上であり、シリコン酸化物に対するエッチング速度が2Å/min以下、または0.01Å/min以上であってもよい。前記シリコンに対するエッチング速度、シリコンに対するシリコンゲルマニウムのエッチング速度比およびシリコン酸化物に対するエッチング速度に関する内容は、前記一実施形態において上述した内容をそのまま含むことができる。
【0083】
一方、シリコン層を前記一実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチング処理した後に測定した表面粗さが0.1nm以下、または0.001nm以上であってもよい。前記表面粗さに関する内容は、前記一実施形態において上述した内容をそのまま含むことができる。
【0084】
発明のさらに他の実施形態によれば、シリコン層およびシリコンゲルマニウム層を含む半導体素子を形成する段階;および前記半導体素子を前記一実施形態または他の実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチングする段階;を含む、パターン形成方法が提供される。
【0085】
前記シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物に関する内容は、前記一実施形態または他の実施形態において上述した内容をそのまま含むことができる。
【0086】
半導体素子は、半導体基板(例えば、ウエハ)、フラットパネルディスプレイ、相変化メモリ素子、太陽光パネルおよび太陽光基板、光電池、マイクロ電子、集積回路、またはコンピュータチップ応用分野に使用するために製造されたマイクロ電子機械システム(MEMS)を含む多様な製品に該当する。
【0087】
より具体的には、前記シリコン層およびシリコンゲルマニウム層を含む半導体素子は、半導体素子のシリコン基板素材であってもよい。前記シリコン基板素材の例として、エピ-スタックは、図1に示されているように、交互に積層されるシリコン1およびシリコンゲルマニウム2層で形成され、ここで、シリコンゲルマニウム層は、犠牲層であり、シリコン層は、チャネル層である。
【0088】
前記半導体素子を形成する方法の例は特に限定されず、従来半導体分野にて広く知られた多様な方法を制限なく適用可能である。一例を挙げると、図1に示されているように、シリコンウエハ上にシリコン層1、シリコンゲルマニウム層2を交互に蒸着する方法が挙げられる。
【0089】
前記半導体素子を前記一実施形態または他の実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチングする段階において、エッチング方法は、当業界にて通常知られた方法によって行われる。例えば、バッチタイプ(batch type)のエッチング装置またはシングルタイプ(single type)のエッチング装置で浸漬、噴霧、または浸漬および噴霧を利用した方法などが使用可能であり、エッチング方法を特定の方式に制限しない。
【0090】
ただし、一例を挙げると、前記シリコンウエハ上にシリコン層、シリコンゲルマニウム層を交互に蒸着したシリコン基板素材を90度回転して、シリコン層とシリコンゲルマニウム層を同時にエッチング液組成物と接触させる方法が挙げられる。
【0091】
一方、前記シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチングする段階は、シリコンに対するエッチング速度が40Å/min以上210Å/min未満、または40Å/min以上60Å/min未満、または150Å/min以上210Å/min未満、または60Å/min以上150Å/min未満、または60Å/min以上および80Å/min未満、または120Å/min以上および150Å/min未満、または80Å/min以上120Å/min未満であり、シリコンに対するシリコンゲルマニウムのエッチング速度比が1.3以下、または1.1以下、または1以下、または0.2以上、または0.3以上であり、シリコン酸化物に対するエッチング速度が7Å/min以下、または5Å/min以下、または2Å/min以下、または0.01Å/min以上であってもよい。
【0092】
前記シリコン、シリコンゲルマニウム、シリコン酸化物に対するエッチング速度を測定する方法の例が大きく限定されるものではなく、一例を挙げると、結晶性シリコンウエハ、シリコンゲルマニウムウエハ、シリコン酸化膜ウエハを1.5cm×1.5cmのサイズに切断して試験片を用意し、エッチング前の試験片の厚さからエッチング後の試験片の厚さを引いた差値を、総エッチング時間で割って求められる。
【0093】
前記シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物は、シリコンに対しては上述した範囲の高いエッチング速度を有し、シリコン酸化物に対しては上述した範囲でエッチング速度が低くてシリコンに対してのみ速やかにエッチングを行うことができ、シリコンのエッチングで形成されたシリコン酸化物に対する防食効果により一部のシリコンのみエッチングで除去され、薄い厚さを有する残留シリコンが追加的なエッチングから保護されながら特定のパターンを形成することができる。
【0094】
また、シリコンに対するシリコンゲルマニウムのエッチング速度比が上述した範囲を満足することによって、シリコンゲルマニウムのエッチング速度がシリコン酸化物に対するエッチング速度より速くなってシリコンのエッチングで形成されたシリコン酸化物に対しては防食効果を実現することができ、シリコンとシリコンゲルマニウムとのエッチング偏差が過度に大きくなるのを防止して均一なエッチング性能を実現することができる。前記シリコンに対するシリコンゲルマニウムのエッチング速度比とは、シリコンゲルマニウムのエッチング速度を、シリコンのエッチング速度で割った値を意味する。
【0095】
これに対し、シリコンに対するエッチング速度が40Å/min未満と過度に減少すれば、エッチング速度の過度の減少によってエッチング工程の効率性が減少することがあり、シリコンに対するエッチング速度が210Å/min超過と過度に増加すれば、シリコンとシリコンゲルマニウムとのエッチング偏差が過度に増加して均一なエッチング性能を実現しにくい。シリコンに対するシリコンゲルマニウムのエッチング速度比が1.3超過と増加した場合にも、シリコンとシリコンゲルマニウムとのエッチング偏差が過度に増加して均一なエッチング性能を実現しにくい。
【0096】
一方、シリコン酸化物に対するエッチング速度が7Å/min以上と過度に増加すれば、シリコンのエッチングで形成されたシリコン酸化物に対する防食効果が減少して、一部のシリコンのみエッチングで除去され、薄い厚さを有する残留シリコンが追加的なエッチングから保護できずにすべて除去されてパターンを形成しにくい問題が発生しうる。
【0097】
一方、前記シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチングする段階の後、シリコン層の測定した表面粗さが1.5nm以下、0.5nm以下、または0.1nm以下、または0.001nm以上であってもよい。
【0098】
前記シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチングする段階の後、シリコン層の測定した表面粗さを測定する方法の例が大きく限定されるものではなく、一例を挙げると、結晶性シリコンウエハを1.5×1.5cmのサイズに切断して試験片を用意し、前記シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチング後、試験片の表面粗さを原子顕微鏡(AFM)を用いて測定できる。
【0099】
前記シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチングする段階の後、シリコン層の測定した表面粗さが1.5nm以下、0.5nm以下、または0.1nm以下、または0.001nm以上を満足すれば、シリコン層の表面に対してエッチング液が均等に均一なエッチングを進行させて微細パターンをエッチング時、パターン間のエッチングばらつきが小さくて微細パターンの信頼性を高めることができる。これは前記一実施形態のシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物がシリコン層に対して高い濡れ性により達成されるのである。
【0100】
これに対し、前記シリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物でエッチングする段階の後、シリコン層の測定した表面粗さが1.5nm超過と過度に増加すれば、シリコン膜エッチング工程の際、微細寸法のパターン形成のためのエッチング安定性および信頼性を維持しにくくて、微細半導体素子工程を行う時に信頼性が減少する問題が発生しうる。
【0101】
前記エッチング段階の後には、必要に応じて、洗浄段階あるいは乾燥段階を追加的に行うことができ、洗浄および乾燥方法は、当業界にて通常知られた方法によって行われ、洗浄および乾燥方法を特定の方式に制限しない。
【発明の効果】
【0102】
実施例によれば、シリコン膜質とシリコンゲルマニウム膜質を所望の速度でエッチングすると同時に、エッチング後の表面が均一であり、また、微細パターンの内部に組成物の浸透が容易でパターンのばらつきが小さいだけでなく、エッチング過程で単結晶シリコン周辺のシリコン酸化膜はエッチングしない特性を有するシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物およびこれを用いたパターン形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
図1】実施例によるシリコンおよびシリコンゲルマニウムエッチング液組成物を用いたパターン形成方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0104】
以下、本発明の様々な実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0105】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるとする時、これは他の部分の「直上」にある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上」にあるとする時は、中間に他の部分がないことを意味する。さらに、基準となる部分の「上」にあるというのは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向側に「上」に位置することを意味するわけではない。
【0106】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0107】
<実施例および比較例>
下記の表1、表2、および表3に記載された成分および含有量で混合して、実施例および比較例のエッチング液組成物を製造した。
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
【0110】
【表3】
表1、2、3で使用された成分は、下記表4にまとめた。
【0111】
【表4】
<実験例>
実施例および比較例のエッチング液組成物に対して下記の方法で物性を測定し、その結果を表5に示した。
【0112】
(1)エッチング速度評価
結晶性シリコンウエハ、シリコンゲルマニウムウエハ、シリコン酸化膜ウエハを1.5cm×1.5cmのサイズに切断して試験片を用意した。試験片は常温DHF(200:1)に1分間浸漬して表面のNative oxide層を除去した。この後、エリプソメータを用いてエッチング前の厚さを測定し、前記試験片を実施例および比較例のエッチング液組成物を60℃に加温した後、マグネチックバーを用いて400rpmの回転速度で撹拌しながら、結晶性シリコンとシリコンゲルマニウムは1分間、シリコン酸化膜は5分間浸漬させた。次に、試験片を取り出して超純水で洗浄した後、Airを用いて乾燥させた後、エリプソメータを用いてエッチング後の試験片の厚さを測定して、各試験片のエッチング速度を計算した。評価基準は下記の通りである。
<基準>単結晶シリコンのエッチング速度
◎:エッチング速度80Å/min以上および120Å/min未満
○:エッチング速度60Å/min以上および80Å/min未満、あるいは120Å/min以上および150Å/min未満
△:エッチング速度40Å/min以上および60Å/min未満、あるいは150Å/min以上および210Å/min未満
Х:エッチング速度40Å/min未満、あるいは210Å/min以上
<基準>シリコンゲルマニウム/単結晶シリコンのエッチング速度比
◎:エッチング速度比1以下
○:エッチング速度比1超過1.10以下
△:エッチング速度比1.10超過1.30以下
Х:エッチング速度比1.30超過
<基準>シリコン酸化膜のエッチング速度
◎:エッチング速度2Å/min以下
○:エッチング速度2Å/min超過~5Å/min以下
△:エッチング速度5Å/min超過~7Å/min以下
Х:エッチング速度7Å/min以上
(2)表面状態評価
前述した実験例1のエッチング速度評価においてエッチングが完了した結晶性シリコン膜の表面にシミがあるかを確認した。シミが観測される場合、超純水で30秒間追加洗浄した後、Airを用いて乾燥後のシミが除去されるかを確認した。また、原子顕微鏡(AFM)を用いて表面粗さ(Rq)を測定した。評価基準は下記の通りである。
<基準>表面シミ観測
○:表面シミなし
△:わずかなシミが残るものの追加洗浄で除去可能
Х:全面にシミが残っていたり、追加洗浄後にもシミが残留
<基準>表面粗さ(Rq)
◎:0.1nm以下
○:0.1nm超過および0.5nm以下
△:0.5nm超過および1.5nm以下
Х:1.5nm超過
(3)薬液浸透力評価
実施例および比較例のエッチング液組成物の浸透力を測定するために、静的表面張力計を用いて表面張力を測定した。また、微細パターン内の効果をみるために、結晶性シリコンがE状に8段積み上げられたパターン化された基板を用意した後、常温DHF(200:1)に1分間浸漬して、表面のNative oxide層を除去した。当該パターン基板を60度に加温した組成物に浸漬した後、マグネチックバーを用いて400rpmの速度で撹拌しながらエッチングした。エッチング後、SEMでパターンの断面をみて除去良好度を測定した。
<基準>微細パターンの良好度
○:8段のうち8段ともエッチング確認
△:8段ともエッチングされるものの残留物が残る場合
Х:エッチングされない部分存在
【0113】
【表5】
前記表5に示されているように、実施例のエッチング液の性能[膜質別(結晶性シリコン、シリコンゲルマニウム、シリコン酸化膜)エッチング比、エッチング後の粗さ、パターン内の薬液浸透力]は、比較例に比べて優れていることを確認することができた。
【0114】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0115】
1:シリコン
2:シリコンゲルマニウム
図1