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特開2024-109075クロージャ及びクロージャを含むパッケージ
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  • 特開-クロージャ及びクロージャを含むパッケージ 図1
  • 特開-クロージャ及びクロージャを含むパッケージ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109075
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】クロージャ及びクロージャを含むパッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/38 20060101AFI20240805BHJP
   B65D 47/08 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
B65D33/38
B65D47/08 110
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024009212
(22)【出願日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】202320198130.5
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ジァシャオ・ロン
【テーマコード(参考)】
3E064
3E084
【Fターム(参考)】
3E064AB23
3E064BA16
3E064BA22
3E064BB03
3E064EA12
3E064FA04
3E064HM01
3E064HN65
3E084AA06
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB01
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB05
3E084DB11
3E084DC03
3E084FA03
3E084FD13
3E084GA06
3E084GB06
3E084GB08
3E084GB17
3E084KA12
3E084KB01
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】クロージャ及びクロージャを含む可撓性パッケージが提供される。
【解決手段】クロージャ1は、分配注ぎ口12と封止部材13とを含む基部11を備えてもよく、基部は封止部材を介して可撓性パッケージに取り付け可能であり、分配注ぎ口は、本質的に円筒形の注ぎ口本体14と、注ぎ口本体内の分配開口部と、注ぎ口本体から垂下し、分配開口部を取り囲む環状壁16と、分配注ぎ口を閉鎖するための蓋21とを備え、蓋は基部と解放不可能に関連付けられ、基部及び蓋はヒンジ31によって接続され、環状壁は、可撓性パッケージの内容物がパッケージから分配される分配部分161を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロージャであって、
分配注ぎ口と封止部材とを備える基部であって、前記基部は前記封止部材を介して可撓性パッケージに取り付け可能であり、前記分配注ぎ口は、本質的に円筒形である注ぎ口本体と、前記注ぎ口本体内の分配開口部と、前記注ぎ口本体から垂下して前記分配開口部を取り囲む環状壁とを備える、基部と、
前記分配注ぎ口を閉じるための蓋と、を備え、
前記環状壁は、前記可撓性パッケージの内容物が前記パッケージから分配される分配部分を備え
前記分配開口部は、10mm~25mmの直径を有し、前記環状壁は、0.5mm~2mmの厚さ及び前記分配部分において1.5mm~8mmの高さを有する、クロージャ。
【請求項2】
前記分配開口部が、実質的に円形であり、11mm~20mm、好ましくは12mm~18mmの直径を有する、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項3】
前記環状壁が、前記分配部分において0.7mm~1.5mm、好ましくは0.8mm~1.2mmの厚さを有する、請求項1又は2に記載のクロージャ。
【請求項4】
前記環状壁が、前記分配部分において2mm~6mm、好ましくは2.5mm~5mmの高さを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項5】
前記環状壁は、非分配部分を更に備え、前記非分配部分における高さは、前記分配部分における高さよりも低く、
好ましくは、前記環状壁の高さは、前記非分配部分から前記分配部分にかけて徐々に増加し、前記環状壁は、非分配部分において、0.5mm~4mm、好ましくは0.8mm~2mmの平均高さを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項6】
前記蓋は、前記基部と解放不可能に関連付けられ、前記基部及び前記蓋は、ヒンジによって接続される、請求項1~5のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項7】
前記蓋が、上壁部分と、前記上壁部分から垂下する環状スカート部分と、前記上壁部分から垂下する環状プラグシールとを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項8】
前記蓋が、前記環状スカート部分から垂下する突出部を備える、請求項7に記載のクロージャ。
【請求項9】
前記分配注ぎ口は、リッジを更に備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項10】
前記クロージャが不正開封防止バンドを更に備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項11】
前記パッケージが、液体洗剤製品を収容するのに好適な可撓性パウチであり、好ましくは、前記可撓性パウチが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はこれらのブレンドから作製される、請求項1~10のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項12】
前記パッケージが、0.3kg~10kg、好ましくは0.5kg~5kg、より好ましくは1kg~3kgの液体洗剤製品を収容するのに好適である、請求項1~11のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項13】
前記パッケージが、20s-1下で100~500cPs、好ましくは20s-1下で150~400cPsの粘度を有する液体洗剤製品を収容するのに好適である、請求項1~12のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のクロージャを含む、可撓性パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、クロージャ及びクロージャを収容する可撓性パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
注ぎ口付きパウチは、食品、飲料、洗濯、衛生などの多くの産業においてより普及してきている。一方では、このような注ぎ口付きパウチは、費用効果が高く、輸送及び保管が容易な可撓性フィルムで製造される。他方では、このようなパウチ上の注ぎ口を使用して、パウチから液体内容物を効果的に分配することができる。様々な液体分配ニーズを満たすことができる利用可能な注ぎ口は、ますます多種多様となっている。かつては硬質包装に限定されていた多数の液体製品を、今では注ぎ口付きパウチ内に保管し、注ぎ口付きパウチから分配することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、注ぎ口付きパウチは、一塊ではなく繰り返し使用されると、内容物を注出した後にスパウトの周囲に残留物が存在するという問題に直面する場合がある。特に、注ぎが停止されたとき、いくらかの内容物(すなわち、残留物)が注ぎ口の外側の周りに残るか、又はパウチの外側に沿って下方に流れることさえある。このような残留物は汚くなる可能性があり、そのため消費者にとって望ましくない。したがって、残留物が低減された注ぎ口付きパウチを提供することが望ましい。
【0004】
驚くべきことに、本発明者らは、最適化された構造を有するクロージャが、残留物の低減をもたらすことができることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、最適化されたクロージャ及びクロージャを収容する可撓性パッケージを提供する。
【0006】
本開示の一態様では、本開示は、分配注ぎ口及び封止部材を含む基部であって、基部が封止部材を介して可撓性パッケージに取り付け可能であり、分配注ぎ口が、本質的に円筒形の注ぎ口本体と、注ぎ口本体内の分配開口部と、注ぎ口本体から垂下し、分配開口部を取り囲む環状壁とを含む基部と、分配注ぎ口を閉鎖するための蓋であって、蓋が基部と解放不可能に関連付けられ、基部及び蓋がヒンジによって接続され、環状壁が、可撓性パッケージの内容物がパッケージから分配される分配部分を含み、分配開口部が10mm~25mmの直径を有し、環状壁が分配部分において0.5mm~2mmの厚さ及び1.5mm~8mmの高さを有する蓋と、を備えるクロージャに関する。
【0007】
別の態様において、本開示は、本開示によるクロージャを含む可撓性パッケージ(例えば、可撓性パウチ)に関する。
【0008】
低減された残留物を提供することは、本開示によるクロージャの利点であり得る。
【0009】
本開示によるクロージャの別の利点は、所望の投与速度を提供することであり得る。
【0010】
本発明のこれらの及びその他の態様は、以下の発明を実施するための形態を読むことにより、更に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面に記載された実施形態は、本質的に例示であり、特許請求の範囲によって規定される本発明を限定することを意図するものではない。下記の例示的な実施形態に関する詳細な説明は、以下の図面とともに読むことによって理解することができる。
図1】本開示による例示的なクロージャを示す。
図2図1の例示的なクロージャの断面図を示す。
図3】例示的なクロージャの斜視図を示す。
【0012】
本開示に含まれる参照番号の説明:
図1
クロージャ1;
ベース11;
分配注ぎ口12;
封止部材13;
注ぎ口本体14;
分配開口部15;
環状壁16;
分配部分161;
非分配部分162;
リッジ17;
デッキ18;
水平フィン19;
蓋21;
上壁部22;
環状プラグシール23;
環状スカート部分24;
突起25;
不正開封防止バンド26;
ヒンジ31。
【0013】
図2
クロージャ1;
注ぎ口本体14;
分配開口部15;
環状壁16;
リッジ17;
分配部分161;
非分配部分162;
環状壁の底部163;
環状壁の上部164;
上壁部22;
環状プラグシール23;
環状スカート部分24;
突起25;
不正開封防止バンド26。
【0014】
図3
クロージャ1;
注ぎ口本体14;
リッジ17;
デッキ18;
分配部分161;
非分配部分162;
ヒンジ31。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の例示的な実施形態を詳細に説明する。本発明の例示的な実施形態と関連して本発明を示し、説明するが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更を行うことができることが当業者には明らかであろう。本明細書における構成要素を指定するための用語は、本発明における構成要素の機能を考慮して一般的かつ広範に使用される用語から選択されるが、本発明に関連する当業者の意図若しくは慣習的意味を伝えるために、又は新規技術の出現に適応させるために、用語の意味は、変更されてもよい。加えて、場合によっては、本発明の明細書の対応する部分における用語の意味を述べると同時に、用語は、出願人によって無作為に選択されてもよい。したがって、本明細書で使用される用語は、構成要素の名称として解釈されるだけではなく、用語の実質的な意味及び明細書における全体的な文脈に基づいて解釈されるべきであることが理解されるであろう。特定の周知の機能又は構成は、本発明を不要に詳細に不明瞭にする場合、詳細には説明されない。
【0016】
閉鎖体
本開示によるクロージャは、分配注ぎ口と封止部材とを含む基部を備えてもよく、基部は封止部材を介して可撓性パッケージに取り付け可能であり、分配注ぎ口は、本質的に円筒形の注ぎ口本体と、注ぎ口本体内の分配開口部と、注ぎ口本体から垂下し、分配開口部を取り囲む環状壁と、分配注ぎ口を閉鎖するための蓋とを備え、蓋は基部と解放不可能に関連付けられ、基部及び蓋はヒンジによって接続され、環状壁は、可撓性パッケージの内容物がパッケージから分配される分配部分を備え、分配開口部は10mm~25mmの直径を有し、環状壁は0.5mm~2mmの厚さ及び分配部分で1.5mm~8mmの高さを有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、分配開口部は、実質的に円形であり、11mm~20mm、好ましくは12mm~18mm、例えば12mm、14mm、16mm、18mm、又はこれらの間の任意の範囲の直径を有する。
【0018】
本明細書で使用するとき、環状壁の「厚さ」という用語は、環状壁の外面から内面までの距離を意味する。環状壁の外面から内面までの距離が環状壁の高さ全体に沿って均一でない場合には、環状壁の厚さは、環状壁の上部における厚さを意味する。いくつかの実施形態では、環状壁は、0.7mm~1.5mm、好ましくは0.8mm~1.2mm、例えば、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm又はそれらの間の任意の範囲の厚さを有する。
【0019】
本明細書で使用するとき、環状壁の「高さ」とは、環状壁の底部から上部までの距離を意味する。環状壁の上部とは、パッケージの内容物の流れ方向に沿った(すなわち、注ぎ口本体から遠い)環状壁の遠位端を指す。環状壁の底部は、パッケージの内容物の流れ方向に沿って環状壁の上部の反対側にある。分配部分内の環状壁の底部から上部までの距離が均一でない場合、ある部分における環状壁の高さは、分配部分内の最大高さを意味する。
【0020】
分配部分に加えて、環状壁は、分配時に可撓性パッケージの内容物が非分配部分を通って流れない非分配部分を更に備えてもよい。いくつかの実施形態では、環状壁の高さは、分配部分と非分配部分との間で均一であってもよい。いくつかの他の実施形態では、環状壁の高さは、分配部分と非分配部分との間で異なってもよい。好ましくは、環状壁は、分配部分及び非分配部分を含み、非分配部分における高さは、分配部分における高さよりも低い。特に、環状壁は、分配部分において、1.5mm~8mm、好ましくは2mm~6mm、より好ましくは2.5mm~5mm、例えば、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、6.5mm、7mm、又はそれらの間の任意の範囲の高さを有する。特に、環状壁は、非分配部分において、0.5mm~8mm、好ましくは0.8mm~4mm、より好ましくは1mm~3mm、例えば、0.5mm、0.8mm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、6.5mm、7mm又はそれらの間の任意の範囲の平均高さを有する。
【0021】
いくつかの実施形態では、蓋は、上壁部分と、上壁部分から垂下する環状スカート部分と、上壁部分から垂下する環状プラグシールとを備える。好ましくは、環状スカート部は上壁部から下方に垂れ下がり、環状プラグシールは上壁部から下方に垂れ下がる。特に、環状プラグシールは、分配開口部内でプラグシール係合するように構成される。好ましくは、環状プラグシール及び環状スカート部分の両方が実質的に円形である。より好ましくは、環状プラグシールは環状スカート部と同心円状に配置され、環状プラグシールは環状スカート部の内側に配置される。
【0022】
いくつかの実施形態では、蓋は、環状スカート部分から垂下する突出部を備える。好ましくは、突出部は、環状スカート部分から半径方向外向きに延びる。より好ましくは、突出部は、環状スカート部分の一部(例えば、基部と蓋とを接続するヒンジに対向する環状スカート部分の一部)から半径方向外向きに延在する。特に、突出部は、ユーザがベースに対して蓋をひっくり返すのを助ける。突出部は、ユーザによる取り扱いに適した任意の形状であってよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、分配注ぎ口はリッジを更に備える。好ましくは、リッジは、注ぎ口本体から半径方向外向きに延びる。より好ましくは、リッジは、注ぎ口本体の一部(例えば、基部と蓋とを接続するヒンジに対向する注ぎ口本体の一部)から半径方向外向きに延在する。特に、リッジは、基部に対して蓋をひっくり返すときに、ユーザが基部を把持するのを助ける。リッジは、ユーザが取り扱うのに適した任意の形状であり得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、クロージャは、不正開封防止バンドを更に備える。不正開封防止バンドは、係合位置から解放位置に移動可能であってもよい。いくつかの実施形態では、係合位置ではクロージャを開くことができず、解放位置ではクロージャを開くことができる。不正開封防止バンドは、係合(「ロック」)位置から解放(「ロック解除」)位置への移動のためにクロージャにヒンジ留めされてもよい。
【0025】
図1及び図2は、例示的なクロージャ1を示し、図1はクロージャ1の正面図であり、図2はクロージャ1の断面図である。クロージャシステム1は、基部11及び蓋21を備える。基部11は、分配注ぎ口12及び封止部材13を備え、基部11は、封止部材13を介して可撓性パッケージに取り付け可能である。特に、封止部材13は、4つの水平フィン19と、フィン19間に延在する補強部材とを備える。可撓性パッケージへの基部11の取付けは、フィン19と可撓性パッケージの熱可塑性材料との間のヒートシールによって達成される。分配注ぎ口12は、本質的に円筒形である注ぎ口本体14と、注ぎ口本体14内の分配開口部15と、注ぎ口本体14から上向きに垂下し、分配開口部15を取り囲む環状壁16とを備える(「上向きに」及び「下向きに」などの方向語は、説明のために使用されており、図に示されているパッケージ及びクロージャの直立配向に関して限定するものではない)。分配注ぎ口12は、断面図において直角三角形の形状である2つのリッジ17を更に備える。分配注ぎ口12は、デッキ18を更に備える。
【0026】
環状壁16は、分配部分161及び非分配部分162を備え、可撓性パッケージの内容物は、分配部分161を通してパッケージから分配されるが、非分配部分162を通しては分配されない。非分配注ぎ口162の環状壁16の高さは、分配部分161における高さよりも低い。本明細書で使用するとき、環状壁の「高さ」という用語は、環状壁の底部163から上部164までの距離を意味する。分配部分161内の環状壁の高さの最大値(すなわち、ヒンジ31から最も遠い分配部分161内の場所における高さ)は、以下の実施例における分配部分161における環状壁の高さとして決定される。
【0027】
蓋21は、基部11と解放不可能に関連付けられ、基部11及び蓋21は、ヒンジ31によって接続される。蓋21は、上壁部分22と、上壁部分22から下方に垂下する環状プラグシール23と、上壁部分22から下方に垂下する環状スカート部分24とを備える。環状プラグシール23は、分配開口部15内でプラグシール係合するように構成される。蓋21は、環状スカート部分24から半径方向外向きに延びる突出部25を備える。注ぎ口本体14上の2つのリッジ17及び環状スカート部分24上の突出部25は、蓋21を基部11に対してひっくり返すときに、ユーザが基部11及び蓋21を把持するのを補助するように協働することができる。不正開封防止バンド26は、注ぎ口本体14と環状スカート部分24との間に配置される。不正開封防止バンド26は、ブリッジによって注ぎ口本体14及び環状スカート部分24にそれぞれクリップが連結された、少なくとも1つの取り外し可能な要素を備える。
【0028】
図3は、クロージャ1の斜視図である。クロージャ1では、環状壁の高さは均一ではなく、非分配部分162から分配部分161にかけて徐々に増加する。ヒンジ31から最も遠い分配部分161内の位置において、環状壁16の高さは最も高い値に達する。2つのリッジ17は、短い上側リッジと長い下側リッジとを含む。デッキ18は、注ぎ口本体14から半径方向外向きにそれぞれ延びる2つの部分を有する。
【0029】
パッケージ
別の態様において、本開示は、本開示によるクロージャを含む可撓性パッケージに関する。好ましくは、パッケージは、液体洗剤製品を収容するのに好適な可撓性パウチであってもよく、好ましくは、可撓性パウチは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はこれらのブレンドから作製される。
【0030】
本明細書で使用するとき、用語「パウチ」は、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンなどの高分子フィルム材料から製造された可撓性パッケージを意味する。特に、パウチは、起立型パウチであってもよい。本明細書で使用するとき、用語「起立型パウチ」は、平坦な表面、例えば、棚の上で確実に起立することができるパウチを意味する。
【0031】
パウチは、上縁と、上縁と反対側の下縁と、第1の側縁と、第1の側縁と反対側の第2の側縁と、を有し得る。
【0032】
パウチは、長手方向軸線と、長手方向軸線に垂直な横方向軸線と、を有し得る。具体的には、下縁は、長手方向軸線に沿って上縁の反対側であってもよく、かつ/又は、第2の側縁は、横方向軸線に沿って第1の側縁の反対側であってもよい。好ましくは、第1の側縁は、第1の側縁の一方の端部において上縁に接続され、第1の側縁の他方の端部において下縁に接続されてもよく、第2の側縁は、第2の側縁の一方の端部において上縁に接続され、第2の側縁の他方の端部において下縁に接続されてもよい。パウチは、パウチの頂部全体にわたって形成される容易に開放可能な開口を有してもよく、あるいは、パウチは、注ぐための注ぎ口を有してもよい(すなわち、注ぎ口付きパウチ)。
【0033】
本明細書で使用するとき、「注ぎ口」という用語は、キャップを有する又はキャップを有さない注ぎ口アセンブリを包含し、具体的には、注ぎ口は、注ぎ口本体とキャップと、を含む。注ぎ口は、例えば、1cm~10cmの直径を有する任意の好適なサイズを有してもよい。注ぎ口は、任意の適切な場所に位置してもよく、具体的には、注ぎ口は、上縁に、例えば、上縁の中点付近に位置してもよく(すなわち、上部注ぎ口パウチ)、又は上縁と第1の側縁との間の接続点付近に位置してもよい(すなわち、角部注ぎ口パウチ)。
【0034】
パウチは、一般的に長方形の袋状構造を備えてもよい。パウチは、例えば、ポリマーシート、又はヒートシール可能なポリマーライニングを有する金属箔シートから作製され得る前面シート及び背面シートから形成され得る。シートは、それらの周辺部で一緒にヒートシールされて継ぎ目を形成してもよい。継ぎ目は、上縁部に沿って又は接続点の近くに開口部が形成される、上縁部と側縁部との間を除いて、シートの周囲に延在してもよい。開口部はクロージャを受け入れることができ、クロージャは、開口部のいずれの側でも2枚のシートにヒートシールされることができる。
【0035】
好ましくは、パウチは、約50mm~約1000mm、好ましくは約100mm~約500mm、より好ましくは約200mm~約400mmの範囲内、例えば、200mm、250mm、300mm、350mm、400mm、450mm、500mm又はそれらの間の任意の範囲の長さを有してもよい。好ましくは、パウチは、約20mm~約400mm、好ましくは約40mm~約200mm、より好ましくは約100mm~約200mmの範囲内、例えば、40mm、60mm、80mm、100mm、150mm、200mm、250mm、300mm、350mm、400mm、又はそれらの間の任意の範囲の幅を有し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、パッケージは、0.3kg~10kg、好ましくは0.5kg~5kg、より好ましくは1kg~3kg、例えば、0.5kg、1kg、1.5kg、2kg、2.5kg、3kg又はこれらの間の任意の範囲の液体洗剤製品を収容するのに好適である。
【実施例0037】
実施例1:最適化されたクロージャは改善された残留物を提供する。
改善された残留物を提供するために、分配開口部の直径及び異なる厚さ/高さの分配注ぎ口を含む異なる構造パラメータを有するクロージャが、表1に示されるように調製された。異なるサンプルクロージャ(すなわち、サンプル1~5)を、同じプラスチックスタンドアップパウチ(幅198mm×高さ272mm×ガセット55mm)と溶接した。1kgの液体洗剤製品(中国でTidesとして市販されている)を各パウチに充填した。その後、以下の試験方法に従って残留物を測定した。表1の結果は、分配開口部が好ましい範囲の直径(例えば、9mmより大きい)を有し、環状壁が分配部分において好ましい範囲の高さ(例えば、1mmより大きい)を有する場合、クロージャは、投与時間を損なうことなく、有意に改善された残留物を提供することができることを示す。
【0038】
残留物の試験方法
1.注ぎ口封止部材でパウチを支持する手の位置によって、分配開口部を介して約45グラムの液体洗剤製品を注ぐこと。
2.5cm×5cmの標準吸収紙を準備し、その重量を微量天秤で測定すること。
3.この標準吸収紙を使用してクロージャにクイックワイプを与え、次いで重量増加を測定すること。
4.各試料が10個のデータポイントを有するようにステップ2及び3を繰り返し、以下の表中のその平均残留重量を計算すること。
【0039】
【表1】
【0040】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0041】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの発明に対する先行技術であるとみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないずれの発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0042】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-01-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロージャであって、
分配注ぎ口と封止部材とを備える基部であって、前記基部は前記封止部材を介して可撓性パッケージに取り付け可能であり、前記分配注ぎ口は、本質的に円筒形である注ぎ口本体と、前記注ぎ口本体内の分配開口部と、前記注ぎ口本体から垂下して前記分配開口部を取り囲む環状壁とを備える、基部と、
前記分配注ぎ口を閉じるための蓋と、を備え、
前記環状壁は、前記可撓性パッケージの内容物が前記パッケージから分配される分配部分を備え
前記分配開口部は、10mm~25mmの直径を有し、前記環状壁は、0.5mm~2mmの厚さ及び前記分配部分において1.5mm~8mmの高さを有する、クロージャ。
【請求項2】
前記分配開口部が、実質的に円形であり、11mm~20mm、好ましくは12mm~18mmの直径を有する、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項3】
前記環状壁が、前記分配部分において0.7mm~1.5mm、好ましくは0.8mm~1.2mmの厚さを有する、請求項1又は2に記載のクロージャ。
【請求項4】
前記環状壁が、前記分配部分において2mm~6mm、好ましくは2.5mm~5mmの高さを有する、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項5】
前記環状壁は、非分配部分を更に備え、前記非分配部分における高さは、前記分配部分における高さよりも低く、
好ましくは、前記環状壁の高さは、前記非分配部分から前記分配部分にかけて徐々に増加し、前記環状壁は、非分配部分において、0.5mm~4mm、好ましくは0.8mm~2mmの平均高さを有する、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項6】
前記蓋は、前記基部と解放不可能に関連付けられ、前記基部及び前記蓋は、ヒンジによって接続される、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項7】
前記蓋が、上壁部分と、前記上壁部分から垂下する環状スカート部分と、前記上壁部分から垂下する環状プラグシールとを備える、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項8】
前記蓋が、前記環状スカート部分から垂下する突出部を備える、請求項7に記載のクロージャ。
【請求項9】
前記分配注ぎ口は、リッジを更に備える、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項10】
前記クロージャが不正開封防止バンドを更に備える、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項11】
前記パッケージが、液体洗剤製品を収容するのに好適な可撓性パウチであり、好ましくは、前記可撓性パウチが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はこれらのブレンドから作製される、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項12】
前記パッケージが、0.3kg~10kg、好ましくは0.5kg~5kg、より好ましくは1kg~3kgの液体洗剤製品を収容するのに好適である、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項13】
前記パッケージが、20s-1下で100~500cPs、好ましくは20s-1下で150~400cPsの粘度を有する液体洗剤製品を収容するのに好適である、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項14】
請求項1に記載のクロージャを含む、可撓性パッケージ。
【外国語明細書】