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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109076
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】温度依存型スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 37/54 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
H01H37/54 D
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024009302
(22)【出願日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】10 2023 102 303.9
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】523245171
【氏名又は名称】ホフセス, マルセル ペー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホフセス, マルセル ペー.
【テーマコード(参考)】
5G041
【Fターム(参考)】
5G041AA09
5G041DA11
5G041DA17
5G041DC02
5G041DC04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電気的接続がより容易にできる自己保持機能を備えた温度依存型スイッチを提供する。
【解決手段】温度依存型スイッチ(10)は、ハウジング(24)とハウジング(24)の中に配置された温度依存型のスイッチング機構(12)を有する。スイッチング機構(12)は、温度に応じて、第1の外部端子(14)と第2の外部端子(16)の間に導電性接続を確立する閉塞位置と、スイッチング機構(12)が導電性接続を切断する開放位置とを切り替えるように構成される。ハウジング(24)の内部にはスイッチング機構(12)と電気的に並列に接続される電気的に加熱性の抵抗部品(32)が配置されている。加熱性の抵抗部品(32)は接続側(42)に、第1の外部端子(14)の上側(28)に電気的に接触する第1の接触領域と、第2の外部端子(16)の上側(30)に電気的に接触する第2の接触領域とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(24)と、該ハウジング(24)の中に配置された温度依存型のスイッチング機構(12)とを有し、このスイッチング機構(12)は、その温度に応じて、第1の外部端子(14)と第2の外部端子(16)との間に導電性接続を確立する閉塞位置と、スイッチング機構(12)が導電性接続を切断する開放位置とを切り替えるように構成され、
2つの外部端子(14,16)は、第1の外部端子(14)の上側(28)が第2の外部端子(16)の上側(30)と共通の接続面(E)内に位置するように、ハウジングの外側に互いに並んで平行に導出され、
ハウジング(24)の内部には電気的に加熱性の抵抗部品(32)が配置されており、この加熱性の抵抗部品(32)はスイッチング機構(12)と電気的に並列に接続されて、接続側(42)に、第1の外部端子(14)の上側(28)に電気的に接触する第1の接触領域(44)と、第2の外部端子(16)の上側(30)に電気的に接触する第2の接触領域(46)とを有することを特徴とする、温度依存型スイッチ(10)。
【請求項2】
前記第1の接触領域(44)と第2の接触領域(46)は、接続面(E)と平行に整列されるか、または接続面(E)と一致する共通の接触面(K)に位置する、請求項1に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項3】
前記第1の接触領域(44)と第2の接触領域(46)が、ギャップまたは接触中断要素(54)によって互いに分離されている、請求項1に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項4】
前記加熱性の抵抗部品(32)は、第1の接触領域(44)とともに、第1の外部端子(14)の上側(28)に直接位置するか、または表面実装によって材料接合により締結され、加熱性の抵抗部品(32)は、第2の接触領域(46)とともに第2の外部端子(16)の上側(30)に直接に位置するか、または表面実装によって材料接合により締結される、請求項1に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項5】
前記加熱性の抵抗部品(32)は、圧縮ばね(48)の助けを借りて前記第1の外部端子及び第2の外部端子(14,16)に対してその接続側(42)と共に押圧されることを特徴とする請求項1に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項6】
前記圧縮ばね(48)は、前記加熱性の抵抗部品(32)の前記接続側(32)とは反対側の前記加熱性の抵抗部品(32)の上側(50)に作用する、請求項5に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項7】
前記加熱性の抵抗部品(32)は、前記ハウジング(24)内部の少なくとも1つの壁(65)によって前記スイッチング機構(12)から空間的に分離されている、請求項1に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項8】
前記加熱性の抵抗部品(32)は、PTC材料からなる、請求項1に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項9】
前記ハウジング(24)は、第1の外部端子(14)に電気的に接続された第1の固定電極(18)と第2の外部端子(16)と電気的に接続された第2の固定電極(20)とを担持し、両電極を垂直方向(h)に沿って互いに距離を置いて維持される絶縁材料キャリア(22)を有し、ここで、温度依存型のスイッチング機構(12)は、ハウジング(24)の内部において、第1の電極(18)と第2の電極(20)との間の絶縁材料キャリア(22)の凹部(61)に配置されており、第1の電極(18)は、2つの電極(18、20)に対して横方向に整列されて、ハウジング(24)内に配置されたライン接続要素(26)を介して、第1の外部端子(14)に電気的に接続され、第1の外部端子及び第2の外部端子(14、16)は、垂直方向(h)に対して同じ高さで絶縁材料キャリア(22)を通って導出される、請求項1に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項10】
前記第1の外部端子及び第2の外部端子(14,16)は、前記絶縁材料キャリア(22)の内側及び外側に互いに平行に配置されている、請求項9に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項11】
絶縁材料キャリア(22)が、ハウジング(24)の下部(23)を形成し、該下部(23)がプラスチックまたは金属からなるカバー部(19)によって閉鎖される、請求項9に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項12】
接続面(E)が、垂直方向(h)に対して直交するように配列されている、請求項9に記載の温度依存型スイッチ。
【請求項13】
前記第1の電極(18)は、前記スイッチング機構(12)の第1の側部に配置され、かつ、前記第2の電極(20)、前記第1の外部端子及び第2の外部端子(14,16)は、垂直方向(h)に反対側に位置している前記スイッチング機構(12)の第2の側部に、請求項9に記載の温度依存型スイッチ
【請求項14】
前記温度依存型のスイッチング機構(12)が温度依存型のスイッチング要素(56)を有し、該スイッチング要素(56)は、その温度に応じてその幾何学的形状を変化させるように構成されて、スイッチング機構(12)を閉塞位置と開放位置との間で切り替える、請求項1に記載の温度依存型スイッチ
【請求項15】
前記温度依存型のスイッチング機構(12)は、ばね要素(58)を有し、このばね要素は、スイッチング機構(12)の閉塞位置において、第1の外部端子(14)に電気的に導電的に接続され、機械的接触圧力を発生させることにより、導電的接続を生じさせるように構成され、ばね要素を用いて、スイッチング機構(12)の可動の接触部(68)は、第2の外部端子(16)に導電的に接続された固定の接触部(70)に押し付けられる、請求項1に記載の温度依存型スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度依存型スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の温度依存型スイッチが、原則として既に知られている。温度依存型スイッチの例は、ドイツ特許公開公報197 52 581号に開示されている。温度依存型スイッチの別の例は、ドイツ特許公開公報198 07 288号に開示されている。
【0003】
この種の温度依存型スイッチは、デバイスの温度を監視するために、それ自体既知の方法で使用される。この目的のために、スイッチは、例えばその外面のうちの1つによって保護されるデバイスと熱接触させられ、その結果、保護されるデバイスの温度は、スイッチの内側に配置されるスイッチング機構の温度に影響を及ぼす。
【0004】
その外部の電気的接続を用いて、スイッチは、ケーブルを接続することによって保護されるデバイスの供給回路に直列に電気的に接続され、その結果、スイッチの応答温度以下では、保護されるデバイスの供給電流がスイッチを通る。
【0005】
スイッチに設置された温度依存型のスイッチング機構は、スイッチの温度依存型のスイッチング挙動を保証する。この温度依存型のスイッチング機構は、通常、2つの電極の間に配置され、電極は、次に各2つの外部端子のうちの1つに電気的に接続される。温度依存型のスイッチング機構は、スイッチの応答温度またはスイッチング機構の応答温度以下では、閉塞位置にあって、スイッチング機構はスイッチの2つの外部の電気的接続間に導電性接続を確立し、スイッチの応答温度を超えると、スイッチング機構は開放位置に切り換えられて、スイッチの2つの外部の電気的接続間の導電性接続が切り離されるか、遮断されるように構成されている。
【0006】
このように、温度依存型のスイッチング機構は、スイッチの応答温度を下回るその閉塞位置において、保護すべきデバイスの供給回路を閉鎖し、かつ、スイッチの応答温度を上回っているその開放位置において、保護すべきデバイスの供給回路を遮断することを確実にする。これは、そのような温度依存型スイッチを用いて、望ましくない過熱の場合に、電気的デバイスがスイッチによって自動的に非通電にされ、したがってスイッチが切られることを確実にすることができることを意味する。
【0007】
このような温度依存型スイッチは、あらゆるタイプの電気的デバイスにおいても、過熱に対する保護を提供する。
【0008】
通常、スイッチのスイッチング機構の温度依存型切換え挙動を担うのは、特に温度依存型のスイッチング要素であり、この要素は、その温度に応じて幾何学的形状が変化するように構成されている。この温度依存型のスイッチング要素は、スイッチの応答温度に達したとき、及び/又は応答温度を超過したとき、その幾何学的形状を変えて、スイッチング機構をその閉塞位置からその開放位置にもたらす。
【0009】
典型的には、この温度依存型のスイッチング要素は、バイメタルまたはトリメタル要素であるり、異なる熱膨張係数を有する2つ、3つ又はそれ以上の相互接続された構成要素からなる多層、動的なシート状の構成要素として形成される。このようなバイメタルまたはトリメタル要素の金属または金属合金の個々の層間の接続は、通常、材料結合またはインターロックであり、例えば圧延によって達成される。
【0010】
このようなバイメタルまたはトリメタルのスイッチング要素は、低温で第1の安定した幾何学的構成(低温構成)と、高温で第2の安定した幾何的構成(高温構成)を有し、低温はスイッチング要素の応答温度に対応するスイッチの応答温度以下であり、高温はスイッチング要素のバイメタルまたはトリメタルの応答温度を超える。したがって、温度依存型のスイッチング要素は、ヒステリシスのように温度依存的に低温構成から高温構成に切り替わる。
【0011】
温度依存型のスイッチング要素に加えて、このような温度依存型スイッチのスイッチング機構においてもしばしば用いられるのは、追加的なばね要素であり、これは閉塞位置におけるスイッチング機構の機械的閉鎖圧力を生成する、または少なくとも生成することに関与する。ばね要素は、温度に依存しないばね要素であり、金属製であるのが好ましい。このばね要素は、特に、スイッチング機構の閉塞位置において、スイッチング要素の負荷を緩和するために作用する、何故なら、スイッチング機構の閉鎖位置において機械的な閉鎖圧力を発生させるために、ばね要素が加える力はより小さいか、あるいは全くないからである。
【0012】
このような追加的なばね要素が提供されるか否かにかかわらず、スイッチング機構のスイッチング挙動は、次のように、温度依存型のスイッチング要素によって決定的に決定される。もし、保護されるデバイス内の温度上昇の結果として、温度依存型のスイッチング要素の温度がスイッチング要素の応答温度を越えて上昇するならば、スイッチング要素は、その低温構成からその高温構成にスナップし、それによって、スイッチング機構をその閉塞位置からその開放位置へ至らし、それによって、スイッチを通る電流流れが遮断される。スイッチの温度、ひいては温度依存型のスイッチング要素の温度が、続いて、スイッチング要素のいわゆるスプリングバック温度以下に保護されるデバイスの冷却の結果として低下する場合、スイッチング要素は、その幾何学的形状をその高温構成からその低温構成に変化させ、その結果、スイッチング機構は、もう一度、その閉塞位置に至らされ、その結果、電流が再びスイッチを流れることができる。
【0013】
ただし、用途によっては、このような切換えが望ましくない場合がある。安全上の理由から、例えば、温度に関連する開放の後、保護されるべき装置が再び冷却されたときに、スイッチが自動的に閉じないように構成されていることが必要な場合がある。例えば、このスイッチは、保護されるデバイスが冷えた後だけでなく、電源から完全に取り外された後で再び閉じることができることを意図されている。
【0014】
このような場合に対して、いわゆる自己保持機能が開発されている。ドイツ特許公開公報197 52 581号から既知のスイッチでは、この自己保持機能は、スイッチング機構と電気的に並列に接続され、スイッチの2つの電極間に配置されたPTC材料の抵抗器(正温度係数サーミスタまたはPTCサーミスタ)によってもたらされる。
【0015】
スイッチがその低温構成または閉塞位置にとどまる限り、並列な抵抗器として接続されたPTC材料を通る電流流れはない。しかし、スイッチが開くと、並列な抵抗器に低い自己保持電流が流れ、自己保持電流が並列な抵抗器を加熱し、スイッチがバイメタル・スイッチング要素の応答温度以上に保たれることを保証する。この場合、自己保持電流は非常に小さいため、保護される電気的デバイスはそれ以上損傷を受けず、冷却され得る。しかしながら、PTC要素によって引き起こされる自己保持抵抗は、スイッチ自体が再び冷え込み、それに応じてその高温構成または開放位置からその低温構成または閉鎖位置に戻ることを防止し、並列な抵抗器がなければ、保護される電気的デバイスは反復的なスイッチングオンおよびオフに繋がる。
【0016】
このように、PTC要素は加熱抵抗器として機能し、保護される電気的デバイスが電源に接続されている限り、スイッチの温度に誘導された開放後も、スイッチを加熱し、スイッチを開放したままにする、この自己保持機能は、ドイツ特許公開公報198 07 288号から既知のスイッチにて、非常に似た方法で実装されている。
【0017】
上記文献から既知の2つのスイッチ(ドイツ特許公開公報197 52 581号及びドイツ特許公開公報198 07 288号)は、スイッチング機構の機能構成及び構造構成のタイプにおいて本質的に異なっている。
【0018】
ドイツ特許公開公報197 52 581号から既知のスイッチでは、スイッチ内のばね要素と温度依存型のスイッチング要素は、電気的および機械的に並列に接続されている。このタイプのスイッチング機構の構成では、ばね要素および温度依存型のスイッチング要素は、通常、ディスク状であり、可動の接触部によって移動できるように互いに結合されている。ばね要素は、ばねディスクとして構成されており、可動の接触部に中央で固定されている。温度依存型のスイッチング要素は通常バイメタルのスナップディスクとして構成され、このスナップディスクは中央の開口部で可動の接触部分上を滑る。スイッチング機構の閉塞位置では、ばねディスクは、固定の嵌合接触部に対して可動の接触部を押し付け、該固定の嵌合接触部はスイッチの第1の電極上に配置されるか、またはスイッチの第1の電極を形成し、スイッチの外部端子に電気的に接続され、スイッチの第2の外部端子に電気的に接続されたスイッチの第2の電極上にその外側縁部によって支持される。
このように、スイッチの閉塞位置では、電流はばねディスクを経由して2つの電極間に流れ、ばねディスクは同時に、可動の接触部が固定の接触部に押し付けられる接触圧力を発生させる。スイッチング機構の閉塞位置において、バイメタルのスナップディスクは、任意の力がかからないように機械的に取り付けることができ、好ましくは、スナップディスクを通って流れる電流もなく、その耐用年数に正の影響を及ぼす。
【0019】
ドイツ特許公開公報198 07 288号から既知のスイッチでは、ばね要素は並列ではなく直列に温度依存型のスイッチング要素に電気的および機械的に接続されている。このタイプのスイッチの構成では、ばね要素は、典型的には、金属製の細長いばね舌部として形成され、温度依存型のスイッチング要素は、バイメタルまたはトリメタル製の細長いばね舌部として形成される。
ばね要素の一端部は、スイッチの第1の外部端子に電気的に接続された第1の電極に締結される。ばね要素の反対側の第2の端部は、温度依存型のスイッチング要素にしっかりと接続されている。ばね要素に締結されたスイッチング要素の端部と反対側の温度依存型のスイッチング要素の自由端部は、可動の接触部を担持する。
この可動の接触部は、第2の外部端子に電気的に接続されたスイッチの第2の電極上に配置された固定の接触部と相互に作用する。この種のスイッチング機構の構成では、スイッチング機構の閉塞位置において、可動の接触部は、したがって、ばね要素および温度依存型のスイッチング要素の両方によって固定の接触部に押し付けられる。したがって、ばね要素および温度依存型のスイッチング要素は、それらの直列接続およびそれらの相互への締結によって、スイッチング機構の閉塞位置における閉塞圧力を共同して生成する。
【0020】
スイッチング機構の異なる構成にもかかわらず、前述の文献(ドイツ特許公開公報197 52 581号及びドイツ特許公開公報198 07 288号)から既知のスイッチにおいて、両方の場合にて、電極は高さに関係して互いにオフセットして配置され、ここで、温度依存型のスイッチング機構は、スイッチのハウジング内に設けられる2つの電極の間に配置される。両方のスイッチにおいて、自己保持機能を確保するために設けられたPTC要素は、ハウジングの内側で2つの電極間にて、スイッチング機構に対して空間的に平行に配置される。PTC要素の上側は、1つの電極に電気的に接続される。PTC要素の反対側の下側は、他方の電極に電気的に接続される。
【0021】
PTC要素のこの種の配置は、その大きさの観点から厳密に形成されなければならない、何故ならPTC要素の高さが2つの電極間の距離に非常に精密に適合しなければならないからである。また、PTC要素は、スイッチの2つの電極に電気的に確実に接触するように、非常に正確に取り付けられなければならない。
【0022】
上記のスイッチ構成の両方において、電極だけでなく、それらに接続されたスイッチの外部端子も、概ね高さにおいてオフセットされ、各場合において、スイッチのハウジングから水平方向に導かれる。しかし、スイッチの電気的接続をできるだけ容易にするためには、2つの外部端子が共通の平面内にあることが望ましい。これを確実にするために、従来のスイッチでは、接続を共通の平面内にするために、通常は細長い板状の金属シートである外部端子をスイッチハウジングの外側に折り曲げる必要があった。これは煩雑であり、最悪の場合には、外部端子の損傷や破損にもつながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
よって、本発明の目的は、上述した不利益を克服し得る温度依存型スイッチを提供することである。特に、ここでの目的は、自己保持機能のために設けられた加熱性の抵抗部品をより容易に取り付けることができ、特にその電気的接続がより容易にできる自己保持機能を備えた温度依存型スイッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の温度依存型スイッチにより、達成される。本発明による温度依存型スイッチは、ハウジングと、該ハウジングの中に配置された温度依存型のスイッチング機構とを有し、このスイッチング機構は、その温度に応じて、第1の外部端子と第2の外部端子との間に導電性接続を確立する閉塞位置と、スイッチング機構が導電性接続を切断する開放位置とを切り替えるように構成される。2つの外部端子は、第1の外部端子の上側が第2の外部端子の上側と共通の接続面内に位置するように、ハウジングの外に互いに並んで平行に導出される。ハウジングの内部には電気的に加熱性の抵抗部品が配置されており、この加熱性の抵抗部品はスイッチング機構と電気的に並列に接続されている。この加熱性の抵抗部品は、接続側に、第1の外部端子の上側に電気的に接触する第1の接触領域と、第2の外部端子の上側に電気的に接触する第2の接触領域とを有する。
【0025】
温度依存型のスイッチング機構と電気的に並列に接続された加熱性の抵抗部品により、本発明によるスイッチが、最初に説明した自己保持機能を有することを可能にし、これによって、保護されるデバイスが、例えば、電圧ネットワークから切断されることによって、実際に非通電にされるまで、スイッチの望ましくないスイッチングバックが防止される。これは、温度の上昇によってスイッチング機構がその閉塞位置からその開放位置に切り替わる場合、スイッチング機構によって確立された2つの外部端子間の導電性接続が中断されるためである。加熱性の抵抗部品の並列接続により、それでも電流は尚、一方の外部端子から発熱性の抵抗部品を通って他方の外部端子に流れる。
この自己保持電流により、加熱上昇が保証され、自己保持電流により、加熱性の抵抗部品の加熱が保証される。この結果、スイッチの温度、ひいてはスイッチング機構の温度も、その応答温度以上に保たれ、スイッチング機構の閉塞位置に戻るスイッチングが、加熱性の抵抗部品または抵抗部品によって生じる熱の進行によって回避されるようになる。保護すべき装置が完全にスイッチオフされた時、または何らかの他の方法で非通電された時にのみ、加熱性の抵抗部品が冷却され、その結果、スイッチング機構の温度は応答温度以下のレベルまで低下することができ、これにより、自動的に、そのスイッチング機構が閉塞位置に戻され、スイッチング機構によって、2つの外部端子間の導電性接続が再度確立される。
【0026】
最初に述べたスイッチとは異なり、スイッチの2つの外部端子の上側は、既にハウジングの内側で、共通の接続面内に位置している。これにより、スイッチの電気的接続が容易になる。これにより、加熱性の抵抗部品の取り付けおよび電気的接続も容易になる。
【0027】
最初に述べたスイッチとは異なり、加熱性の抵抗部品の2つの接触領域は同じ接続側に配置されている。外部端子の2つの上側を同じ接続面に配置するという更なる、既に述べた配置により、加熱性の抵抗部品と2つの外部端子との電気的接触は、加熱性の抵抗部品の同一側で実行することができる。例えば、加熱性の抵抗部品は、2つの外部端子の上に存在することができる。この場合、重力によって、大部分の用途は、加熱性の抵抗部品と2つの外部端子の間に十分な接触圧力が生成されることがすでに保証されている。
【0028】
本発明によるタイプの構成により、先行技術で必要とされていたように、スイッチの電極間の正確な距離に加熱性の抵抗部品のサイズに基づく適応性がなくなる。
【0029】
このようにして、上記の目的は完全に達成される。
【0030】
好ましくは、加熱性の抵抗部品の第1の接触領域及び第2の接触領域は、接続面に平行に整合された共通の接触面に位置するか、または接続面と一致する。
【0031】
これは、表面接触の利点を提供する。例えば、加熱性の抵抗部品は、共通面内に位置する外部端子の2つの上側に表面実装デバイス(SMD)として表面実装されてもよい。このことは、良好な電気的接触を保証し、同時に、スイッチのハウジング内の加熱性の抵抗部品のスペースを節約する配置を可能にする。
【0032】
さらに別の実施形態によれば、加熱性の抵抗部品の第1の接触領域と第2の接触領域は、ギャップまたは接触中断要素によって互いに分離される。
【0033】
接触中断要素は、例えば、加熱性の抵抗部品の2つの接触領域の間の接続面に配置された絶縁体であってもよい。しかし、原理的には、加熱性の抵抗部品の接続側に、ギャップによって互いに分離された2つの接触領域を設けるだけで十分であり、2つの接触領域は加熱性の抵抗部品に直接加えられる。
【0034】
このため、比較的容易なタイプの取付け及び電気的接触にもかかわらず、低コストで加熱性の抵抗部品を製造することができる。従って、加熱性の抵抗部品の特殊なタイプの配置および電気的接触故に、スイッチの総コストは、冒頭に述べた先行技術から知られている自己保持機能を有するスイッチと比較して増加しない。
【0035】
さらに別の実施形態によれば、加熱性の抵抗部品は、その第1の接触領域が第1の外部端子の上側に直接配置されるか、または表面実装によって材料接合で接着によって第1の外部端子に固定される。同様に、この実施形態によれば、加熱性の抵抗部品は、その第2の接触領域が第2の外部端子の上側に直接配置されるか、または表面実装によって材料結合で第2の外部端子に締結される。
【0036】
このため、加熱性の抵抗部品とスイッチの2つの外部端子との間の電気的接触は、純粋に表面接触によって行われることができる。この場合、加熱性の抵抗部品の2つの接触領域が位置する接触面は、2つの外部端子の上面が位置する接続面と同一平面内にある。
【0037】
加熱性の抵抗部品の電気的接触及び機械的な締結を改善するために、加熱性の抵抗部品の接触領域もまた、材料接合でスイッチの夫々の外部端子に接続され得る。例えば、加熱性の抵抗部品の接触領域は、夫々の外部端子の上側に半田付け又は溶接することができる。
【0038】
さらに別の実施形態によれば、加熱性の抵抗部品は、圧縮ばねの助けを得て、その接続側を用いて、第1の外部端子及び第2の外部端子を圧接する。
【0039】
したがって、同一の圧縮ばねよって、一方では加熱性の抵抗部品と他方では両方の外部端子との間の接触圧力が確保される。これはまた、スイッチの2つの外部端子との加熱性の抵抗部品の接触を改善する一方、同時に圧縮ばねのばね力が加熱性の抵抗部品に過剰な機械的負荷が掛かることを防止する。
【0040】
ドイツ特許公開公報197 52 581号やドイツ特許公開公報198 07 288号から既知のスイッチとは異なり、圧縮ばね自体が通電部品として機能する必要はない、何故ならスイッチング機構の開放位置における電流流れは、加熱性の抵抗部品を経由して一方の外部端子から他方の外部端子へ直接起こるからである。したがって、圧縮ばねもまた、導電性材料から形成される必要はなく、例えばプラスチックである電気的に絶縁性の材料から製造されてもよい。これは、さらなるコスト削減の可能性をもたらす。さらに、スイッチの可能な限り少ない構成要素が、スイッチング機構の開放位置において非通電にされるという事実は、さらなる安全上の利点を有する。
【0041】
好ましくは、圧縮ばねは、接続側とは反対側の加熱性の抵抗部品の上側で加熱性の抵抗部品に作用する。
【0042】
換言すれば、圧縮ばねは、接触領域とは反対の、加熱性の抵抗部品の側に配置されることが好ましい。重力に加えて、このように圧縮ばねは接触圧力の更なる増加を確実にし、それによって、圧縮ばねの力は加熱性の抵抗部品の上側に直接作用することができる。
【0043】
原則として、圧縮ばねが作用する加熱性の抵抗部品の上側は、圧縮ばねによる電気的短絡を回避するために、それ自体が電気的絶縁材料から製造されていない限り、絶縁層で覆われてもよい。
【0044】
さらに別の実施形態によれば、加熱性の抵抗部品は、ハウジングの内部の少なくとも1つの壁によって、スイッチング機構から空間的に分離される。
【0045】
これにより、加熱性の抵抗部品がスイッチング機構から電気的に絶縁されていることが保証される。一方、これは、スイッチング機構と加熱性の抵抗部品との間の機械的衝突が、振動の場合でも起こり得ないことを保証する。加熱性の抵抗部品は、好ましくは、スイッチハウジング内部の余分な室に形状嵌合で配置される。
【0046】
好ましくは、加熱性の抵抗部品は、PTC材料を含む。
【0047】
特に好ましくは、この加熱性の抵抗部品は、PTC材料の立方体ブロックで構成され、その一側が「接続側」と称される、金属からなる2つの金属接触部品であり、その上に加熱性の抵抗部品の2つの接点領域が配置され、2つの金属接触部品は互いに距離をおいて配置される。
【0048】
さらに別の実施形態によれば、ハウジングは第1の外部端子に電気的に接続された第1の固定電極と第2の外部端子と電気的に接続された第2の固定電極とを担持し、両電極を垂直方向に沿って互いに距離を置いて維持される絶縁材料キャリアを有し、ここで、温度依存型のスイッチング機構は、ハウジングの内部において、第1の電極と第2の電極との間の絶縁材料キャリアの凹部に配置されており、第1の電極は、2つの電極に対して横方向に整列し、ハウジング内に配置されたライン接続要素を介して、第1の外部端子に電気的に接続され、第1の外部端子及び第2の外部端子は、垂直方向に対して同じ高さで絶縁材料キャリアを通って導出される。
【0049】
ハウジングの内部に設けられ、第1の電極を第1の外部端子を電気的にスイッチ内部に接続するライン接続要素は、以前のような異なる高さではなく、同じ高さでシーリング効果をもって、絶縁材料キャリアを介して2つの外部端子を導出することを可能にする。このように、外部端子と絶縁材料キャリアとの間のシーリングは、同じ高さで行うことができ、これにより、スイッチ内部の一般的な機械的シーリングがはるかに容易になり、シーリングが全体的に改善される。
【0050】
また、外部端子は、同じ高さにしたり、同じ平面に入れるために曲げる必要はない。これにより、有利な方法で外部端子を再加工することなく、容易な方法でスイッチの電気的接続を可能にする。
【0051】
ライン接続要素は、好ましくは、別個の構成要素であり、第1の電極と第1の外部端子との間の導電性キャリアとして作用し、スイッチ内で、一方では第1の電極に電気的に接続され、他方では第1の外部端子に電気的に接続される。
【0052】
スイッチング機構と同様に、本実施形態に係る加熱性の抵抗部品も、絶縁材料キャリアに配置されることが好ましい。特に好ましくは、加熱性の抵抗部品は、絶縁材料キャリア内の別々の凹部に配置され、少なくとも1つの壁によってスイッチング機構から分離される。
【0053】
さらに別の実施形態によれば、第1の外部端子及び第2の外部端子は、絶縁材料キャリアの内部及び外部に互いに平行に配置される。
【0054】
この実施形態によれば、2つの外部端子は、このように同じ高さで互いに平行に絶縁材料キャリアを通って導出されることが望ましい。これにより、2つの外部端子がプラグのように同じ高さで互いに平行に延びるので、スイッチの電気的接続がはるかに容易になる。
【0055】
更なる実施形態によれば、絶縁材料キャリアは、ハウジングの下部を形成し、該下部は、カバー部によって閉鎖される。
【0056】
カバー部は、好ましくは、ハウジングの下部を形成する絶縁材料キャリアに固定される追加の部品として、例えば、ハウジングの下部の上縁をエンボス加工することによって形成される。実施形態に依存して、カバー部は、導電性材料、例えば金属、または電気的な絶縁性材料、例えばプラスチックから形成されてもよい。
【0057】
第1の代替的な実施形態では、カバー部は金属で作られ、カバー部は第1の電極を形成する。したがって、本実施形態によれば、カバー部は、2つの基本的な機能を有している。一方、スイッチハウジングの一部として、スイッチング機構及び絶縁材料キャリアが位置しているハウジングの内部を外界から遮蔽し、機械的にシールする役割を果たす。他方では、それは温度依存型のスイッチング機構のための第1の電極と同時に働く。これにより、スイッチの省スペースな実施形態が可能となる。
【0058】
別の実施形態によれば、カバー部は、プラスチック製であり、第1の電極は、カバー部とライン接続要素との間にクランプされて配置される。カバー部が金属からなり、スイッチング機構の電極を形成する上述の実施形態と比較して、第1の電極を形成する余分な部品がここでは必要となる。一方、ハウジング下部または絶縁材料キャリアに加えてカバー部を有するハウジングは、完全にプラスチック製であってもよく、特にスイッチの低コスト生産を可能にする。
【0059】
接続面は、垂直方向に対して直交して配向されることが望ましい。垂直方向は、スイッチの2つの電極が互いに距離を保つ方向である。このスイッチング機構は、垂直方向に第1の電極と第2の電極との間に配置される。
【0060】
この場合も、第1の電極は、スイッチング機構の第1の側に配置され、前記第2の電極、前記第1の外部端子および前記第2の外部端子は、垂直方向に対向したスイッチング機構の第2の側に配置されているのがまた好ましい。
【0061】
また、第1の電極は、垂直方向でスイッチング機構の上方に配置され、一方、前記第2の電極とともに前記2つの外部端子は、垂直方向で対向して位置するスイッチング機構の下側に配置されているのが好ましい。これは、2つの外部端子が、スイッチハウジングの下側近くで、可能な限り下方に絶縁材料キャリアから導出されるという利点を有する。
【0062】
さらに別の実施形態によれば、第2の電極の少なくとも一部が接続面に配置され、第1の電極の少なくとも一部が接続面に平行に配置され、接続面と平行に延びる。
【0063】
一方では、これにより、非常にコンパクトで垂直方向に平坦なスイッチの構成が可能となる。他方では、第2の電極は、第2の外部端子と一体的に接続することができるが、これは第2の電極が1つの且つ同一の接続面内に存在するためである。例えば、第2の電極及び第2の外部端子として、1つ且つ同一の金属シートを用いることができる。これも、スイッチの部品点数を最小限に抑えることを尚も維持し、第2の電極または第2の外部端子の取り付けを容易にする。
【0064】
更なる実施形態によれば、温度依存型のスイッチング機構は、温度依存型のスイッチング要素を有し、これは、閉塞位置と開放位置との間でスイッチング機構を切り換えるために、その温度に応じてその幾何学的形状を変化させるように構成される。
【0065】
温度依存型のスイッチング要素は、バイメタル又はトリメタルの構成要素であることが望ましい。
【0066】
さらに別の実施形態によれば、温度依存型のスイッチング機構は、ばね要素を有し、該ばね要素は第1の外部端子に電気的に接続され、機械的接触圧力を生成することにより、スイッチング機構の閉塞位置にて導電性接続を生成するように構成され、該機械的接触圧力を用いて、スイッチング機構の可動の接触部が、第2の外部端子に電気的に接続された固定の接触部に押圧される。
【0067】
スイッチング機構内の温度依存型のスイッチング要素に加えてばね要素を提供することは、温度依存型のスイッチング要素が電気的及び機械的に解放されるという利点を有する。さらに、これは、スイッチング機構の閉塞位置における接触圧力を増加させることができ、これは、特に、機械的衝撃に対するスイッチの抵抗を改善する。スイッチング機構の構成に応じて、上記のように、スイッチング機構内の温度依存型のスイッチング要素及び温度非依存型のばね要素は、互いに機械的及び電気的に直列又は並列に接続されてもよい。
【0068】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記及び以下に説明する特徴を、それぞれ特定の組合せのみならず、他の組合せにおいても、単独で使用することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0069】
本発明の例示的な実施形態は、図面に示されており、以下の説明においてより詳細に説明される。
図1】本発明によるスイッチの第1の例示的な実施形態の概略断面図を示し、スイッチの温度依存型のスイッチング機構がその閉塞位置にある。
図2図1に示す本発明によるスイッチの例示的な実施形態の概略断面図を示し、スイッチの温度依存型のスイッチング機構がその開放位置にある。
図3A】本発明のスイッチに使用される加熱性の抵抗部品の例示的な実施形態の概略図を示す。
図3B図3Aに示す加熱性の抵抗部品の下方からの平面図を示す。
図4図1に示された発明に係るスイッチの実施形態の概略平面図を示す。
図5】本発明によるスイッチの第2の例示的な実施形態の概略断面図を示し、スイッチの温度依存型のスイッチング機構はその閉塞位置にある。
図6図5に示す本発明によるスイッチの例示的な実施形態の概略断面図を示し、スイッチの温度依存型のスイッチング機構はその開放位置にある。
図7】本発明によるスイッチの第3の例示的な実施形態の概略断面図を示し、スイッチの温度依存型のスイッチング機構はその閉塞位置にある。
図8図7に示す本発明によるスイッチの例示的な実施形態の概略断面図を示し、スイッチの温度依存型のスイッチング機構は、その開放位置にある。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図1及び図2は、それぞれ、本発明に係る温度依存型スイッチの第1の実施形態の概略断面図を示す。このスイッチは、その全体として符号10で表される。
【0071】
図1は、スイッチ10の閉塞位置を示す。図2は、スイッチ10の開放位置を示す。
【0072】
スイッチ10は、その温度に応じて、その閉塞位置からその開放位置へ、および開放位置から閉塞位置へスイッチ10を切り替えるように構成された温度依存型のスイッチング機構12を有する。
【0073】
図1に示されたスイッチの閉塞位置において、スイッチング機構12は、スイッチ10の2つの外部端子14、16の間に導電性接続を確立する。これに対し、図2に示すスイッチ10の開放位置では、スイッチング機構12は、第1の外部端子14と第2の外部端子16との導電性接続を切断する。
【0074】
第1の外部端子14は、第1の電極18に導電的に接続されている。図1及び図2に示す第1の例示的な実施形態では、この第1の電極18は、同時に、スイッチ10のカバーを形成する。換言すれば、第1の電極18は、金属からなるカバー部19によって形成されている。
【0075】
第2の外部端子16は、第2の電極20に電気的に接続されている。ここに示す例示的な実施形態において、第2の電極20は、第2の外部端子16に一体に接続されている。つまり、同一の金属シートが、第2の電極20と第2の外部端子16とを形成している。
【0076】
2つの電極18、20は、平面状の電極として形成される。スイッチング機構12は、2つの電極18、20の間の空間内にスイッチ10の内側に配置される。
【0077】
2つの電極18、20は、スイッチ10のハウジング24の一部を形成する絶縁材料キャリア22によって、互いに離れた場所に保たれている。絶縁材料キャリア22は、2つの電極18、20を担持し、電極18、20をその配置で固定する。したがって、2つの電極18、20は、不動の固定された電極である。
【0078】
2つの電極18、20は、絶縁材料キャリア22によって垂直方向に沿って互いに距離を保っている。図1及び図2において矢印hによって示されているこの垂直方向は、2つの電極18、20に対して、横方向に、好ましくは直交方向に延びている。
【0079】
第1の電極18は、スイッチング機構12の上側(ここでは「第1の側」と呼ぶ)に配置され、第2の電極20は、スイッチング機構12の下側(ここでは「第2の側」と呼ぶ)に垂直方向hで反対側に配置される。
【0080】
絶縁材料キャリア22は、本質的にポット状に形成されている。絶縁材料キャリア22は、ハウジング24の下部23を形成している。絶縁材料キャリア22は、第2の電極20がハウジングの下部23と一体部品となるようにオーバーモールドまたはポッティングすることによって第2の電極20の周囲に形成される。
【0081】
ハウジングの下部23は、カバー部19として形成された第1の電極18によって閉塞されている。カバー部19は、その全周に沿って、絶縁材料キャリア22によって囲まれ、絶縁材料キャリア22のホットエンボスされた上側縁部と下部23によって、その上に捕捉的に保持される。
【0082】
また、絶縁材料キャリア22には、導電性材料からなるライン接続要素26も一体化されている。このライン接続要素26は、例えば、絶縁材料キャリア22に一体化された導電性プレートまたは他の何らかの導電体であってもよく、従って、ハウジング24内に配置されているにもかかわらず、同じくハウジング24内に配置されたスイッチング機構12から電気的に絶縁されている。なお、ここに示す例示的な実施形態は、ライン接続要素26は、横断面がL字状に形成されている。
【0083】
ライン接続要素26は、第1の外部端子14に第1の電極18を接続する。このようにして、垂直方向hにオフセットされた2つの電極18、20の配置にもかかわらず、2つの外部端子14、16を同じ高さで内側から外側へ絶縁材料キャリア22を通して導くことが可能になる。第1の外部端子14は従って図1及び図2に示す断面図において第2の外部端子16の「後方」に配置される、何故なら、第1の外部端子14は第2の外部端子16と同じ高さに配置されており、第2の外部端子16と平行に延びているからである。後者については、図4に示された上からの平面図との結合して考察することによって特に判ることができる。
【0084】
図4に示すように、2つの外部端子14,16は、絶縁材料キャリア22の外側で互いに平行に延び、ライン接続要素26により、図1及び図2に破線で示すような共通の接続面Eに配置することができる。より詳細には、2つの外部端子14、16の2つの上側の側部28、30は、特に共通の接続面E内にある。2つの外部端子14、16は、平板状または板状の接続部として形成されることが好ましい。
【0085】
図1及び図2に示す第1の実施形態では第2の電極20の上側も接続面E内に配置されているが、第1の電極18は、接続面Eに垂直方向hで平行にオフセットされて配置されている。また、接続面Eは、垂直方向hに対して直交して配列されていることが好ましい。
【0086】
2つの外部端子14、16の上に電気的に加熱性の抵抗部品32が位置する。この加熱性の抵抗部品32は、スイッチング機構12と電気的に並列に接続されており、また、ハウジング24の内部で、絶縁材料キャリア22の別個に設けられた凹部34内に、スイッチング機構12と横方向に並んで配置されているが、スイッチング機構12から空間的に分離されている。
【0087】
加熱性の抵抗部品32は、本質的に自己保持機能のために機能し、該自己保持機能を用いて、スイッチ10によって保護されるべきデバイスがスイッチ10から独立して非通電にされるまで、スイッチング機構12によって開かれた後にスイッチ10を開かれたままにする。
【0088】
加熱性の抵抗部品32は、PTC材で構成された略立方体の部品36を有している。このPTCブロック36上には、導電性材料からなる2つの接触要素38、40が配置されている。これらの2つの接触要素38、40は、例えば、夫々金属シートとして形成され、PTCブロック36に固定される。2つの接触要素38,40は、PTCブロック36の同一側部42上に配置されている。この側部42は、加熱性の抵抗部品32の「接続側」と言及される。
【0089】
接続側42には、2つの接触要素38、40の夫々が接触領域44、46を有している。2つの接触領域44、46は、1つの同じ接触面K内に存在し、この接触面Kは、加熱性の抵抗部品32の設置状態において、接続面Eと一致している。第1の接触領域44は、第1の接触要素38上に配置され、第1の外部端子14において加熱性の抵抗部品32を電気的に接触させる働きをする。第2の接触領域46は、第2の接触要素40上に配置され、加熱性の抵抗部品32を第2の外部端子16と電気的に接触させる働きをする。
【0090】
加熱性の抵抗部品32は、スイッチ10の2つの外部端子14、16の上部に平坦に位置し、第1の接触領域44は、第1の外部端子14の上側28に存在し、第2の接触領域46は、第2の外部端子16の上側30に存在する。
【0091】
2つの接触領域44、46と上側28、30との間の接触圧力を高めるために、加熱性の抵抗部品32は、その接続側42が圧縮ばね48の助けを得て、2つの外部端子14、16に対して押しつけられる。この圧縮ばね48は、接続側42と反対側に横たわる上側50の加熱性の抵抗部品32に作用する。上側50では、加熱性の抵抗部品32は、絶縁層52によって覆われて、PTCブロック36を圧縮ばね48から電気的に絶縁することができる。
【0092】
2つの接触要素38、40を互いに絶縁することについては、接触中断要素54を接触要素38、40の間に配置することもできる(図3A及び図3B参照)。これに代わるものとして、加熱性の抵抗部品32の2つの接触要素38、40は、ギャップ(空隙)によって互いに隔てられている。
【0093】
また、2つの外部端子14、16及び加熱性の抵抗部品32の基本的な配置は、図4からも分かる。図4はスイッチ10の上方からの平面図を示し、ここで、ハウジング24の内側に配置されたいくつかの部品(例えば、部品20及び26)は、破線によって示される。図4に破線で示す第2の電極20は、第2の外部端子16に対して斜めに又は斜めに延びているが、既に述べたように、第2の外部端子16と接続面E内にて共に位置する。しかし、第2の電極20は、図4に示すように、第2の外部端子16に対して必ずしも角度を持って又は斜めに延びている必要はない。また、第2の電極20は、原則として第1の外部端子16と並んでいてもよい。このような場合には、第2の外部端子16は、スイッチハウジング24の半径方向に第2の電極20と共に延びることが好ましい。第2の外部端子16が中央に、すなわち図4に示す位置に対して第1の外部端子14の方向に下方に平行にオフセットして配置されている場合、2つの外部端子14,16の平行配置も可能である。図4を参照すると、第2の外部端子16及び第2の電極20は、ハウジングの中央で第1の外部端子14と平行に一列に配置される。
【0094】
また、図5乃至図8に示された本発明に係るスイッチ10の例示的な実施形態においても、外部端子14、16の2つの上側28、30は、共通の接続面に配置され、加熱性の抵抗部品32は、スイッチ10の自己保持機能を実現するために設けられ、ここで、加熱性の抵抗部品32は、その2つの接触領域44、46とともに、2つの外部端子14、16の上側28、30の上に、共通の接触面K内に位置する。
図3A及び図3Bで原理的に概説した加熱性の抵抗部品32の構成と同様に、加熱性の抵抗部品32を配置および接触させるためのこの基本原理は、したがって、図5乃至図8に示す例示的な実施形態でも実施される。図5乃至図8に示された2つの例示的な実施形態は、スイッチング機構12の構成の機能的および構造的な種類、および、以下に説明するハウジング24のいくつかの特徴において、図1及び図2に示す第1の例示的な実施形態とは異なる。
【0095】
図1及び図2に示す第1の例示的な実施形態では、スイッチング機構12は、温度依存型のスイッチング要素56を有し、このスイッチング要素は、ばね要素58と電気的および機械的に直列に接続される。温度依存型のスイッチング要素56は、第1の例示的な実施形態において、バイメタル要素として形成され、バイメタル要素は細長いばね舌状の形状を有する。ばね要素58は、金属で作られ、また、細長いばね舌状として形成される。
【0096】
ばね要素58の第1の端部60は、材料接合によって第1の電極18に固定される。この第1の端部60から開始して、ばね要素58は、片持ち梁の態様で、スイッチ10の内側の凹部61によって形成された空隙内に突出する。ばね要素58の反対側の第2の自由端部62は温度依存型のスイッチング要素56の第1の端部64に材料接合(例えば、半田付けまたは溶接によって)で固定される。第1の端部64と反対側の第2の端部66において、温度依存型のスイッチング要素56は、第2の電極20上に配置された固定の接触部70と相互作用する可動の接触部68を担持する。
【0097】
ばね要素58及び温度依存型のスイッチング要素56の閉塞位置において、可動の接触部68は、固定の接触部70に対して押圧され、これにより、スイッチ10は閉塞され、2つの外部端子14、16間の導電性接続が確立される。
【0098】
これを起点として、スイッチ10を流れる電流が増加した結果、または外気温が上昇した結果、スイッチング要素56の温度が上昇すると、最初に、スイッチング要素56のクリープ段階が始まり、そのばね要素58の力に対して作用するばね力が弱まる段階となる。スイッチング要素56とばね要素58との機械的な直列接続により、スイッチング要素56の力のこの減少は、ばね要素58により補償され、その結果、可動の接触部68は、固定の接触部70に押し付けられたままである。
【0099】
そして、スイッチング要素56の温度が、スイッチング要素56の応答温度まで、又は応答温度を超えて更に上昇すると、スイッチング要素56は、図2に示されたその高温構成にスナップし、それによって、スイッチング機構12がその開放位置に持ち込まれ、2つの外部端子14、16間の導電性接続が遮断される。
【0100】
したがって、図2に示されたスイッチ10の開放位置では、第1の外部端子14からスイッチング機構12を経て第2の外部端子16に至るまでは、もはや電流は流れない。しかし、小さな残留電流は、加熱性の抵抗部品32を経て2つの外部端子14、16の間に依然として流れる。この残留電流によって、加熱性の抵抗部品32が自動的に加熱される。結果として生じる熱の進行は、スイッチング機構12および関連する温度依存型のスイッチング要素56にも伝達される。したがって、加熱性の抵抗部品32は、スイッチ10のいわゆる自己保持をもたらし、これによって、外部からの電圧が2つの外部端子14、16の間にもはや存在しなくなるまで、スイッチ10は、恒久的に開放状態に維持される。これは、通常、スイッチ10によって監視されるデバイスが、例えば、電源から取り外されることによって、非通電にされた場合に限られる。
【0101】
スイッチング機構12と電気的に平行に接続されている加熱性の抵抗部品32がなければ、スイッチング機構12は、スイッチ10によって監視されるデバイスの温度、ひいてはスイッチ10の温度が再び低下するとすぐに、図1に示す閉塞位置に自動的に切り替わる。
【0102】
図5及び図6に示された第2の例示的な実施形態では、スイッチ10の温度依存型のスイッチング挙動は、構造的にかつ機能的に異なって構成されたスイッチング機構12によってもたらされる。しかしながら、加熱性の抵抗部品32によってもたらされる上述の自己保持原理も、ここでは保持される。2つの外部端子14、16に片側が接触する加熱性の抵抗部品32の前述のタイプの配置も、図5及び図6に示す本発明による温度依存型スイッチの例示的な実施形態において実施される。
【0103】
図5及び図6に示すスイッチ10では、スイッチング機構12は、温度依存型のスイッチング要素56および温度依存型のばね要素58を含む。このスイッチング要素56は、ここではディスク状のバイメタル要素として形成されているため、バイメタルディスクとも呼ばれる。ばね要素58は、また、ディスク形状であり、好ましくは、ばねスナップディスクとして形成され、このばねスナップディスクは、2つの温度に依存しない安定な形態を有し、2つの形態の間で力の影響を受けて前後にスナップする。
【0104】
図5及び図6に示す第2の例示的実施形態では、スイッチング要素56及びばね要素58は、互いに電気的に機械的に並列に接続されている。可動の接触部68は、材料接合でばね要素58に締結される。バイメタルディスクとして形成されたスイッチング要素56は、その中央に設けられた穴72で可動の接触部68上を滑るようにされる。
【0105】
また、カバー部19は、第1の実施形態と同様に、金属製であることが好ましく、第1の電極18として機能する。前述同様に、第1の電極18は、絶縁材料キャリア22内に埋め込まれたライン接続要素26によって、第1の外部端子14に導電的に接続される。
【0106】
絶縁材料キャリア22に埋め込まれ、少なくともある部分において、接続面Eにおいて外部端子14、16とともにあり、加熱性の抵抗部品32の接触領域44、46も配置されている金属シートが、第2の電極20として機能する。
【0107】
なお、第1の実施形態とは異なり、固定の接触部70は、材料接合で第2の電極20に接続される別個の部品として形成されるのではなく、第2の電極20自体の中央部が高くなって形成される。
【0108】
図5に示されたスイッチ10の閉塞位置において、ディスク状のばね要素58は、その外縁74がカバー部19の内側、ひいては第1の電極18に支持されている。スイッチ10のこの閉塞位置において、温度依存型のスイッチング要素56は、いかなる力もない状態で取り付けることができ、その外縁76と共にスイッチ10の内部に形成された凹部61内に自由に突出することができる。したがって、スイッチング要素56は、例示的な第1の実施形態とは異なり、スイッチ10の閉塞位置においてスイッチング要素56を通って流れる電流を有さない。
【0109】
スイッチ10の閉塞位置において、電流は、ライン接続要素26を経由して第1の外部端子14から第1の電極18に流れ込み、そこからばね要素58、可動の接触部68、固定の接触部70及び第2の電極20を経由して第2の外部端子16に流れる。
【0110】
同様に、図5に示されたスイッチの閉塞位置では、温度依存型のスイッチング要素56は、可動の接触部68が固定の接触部70に対して押される接点圧力に寄与しない。図5及び図6に示すスイッチング機構12の構成では、この閉塞圧力は、ばね要素58によってもたらされるだけである。
【0111】
スイッチ10、ひいてはスイッチング機構12の温度が、スイッチング要素56の応答温度にまで、又は応答温度を超えて上昇した場合には、スイッチング要素56は、図5に示されるその凸状位置から、図6に示されるその凹状位置にスナップする。この場合、スイッチング要素56は、その外縁76を絶縁材料キャリア22上に載せて支持され、ばね要素58を図5に示されるその凹状位置から図6に示されるその凸状位置に押圧し、これにより、可動の接触部68は固定の接触部70から持ち上げられ、スイッチング機構12によって確立された導電性接続が開放される。
【0112】
図6に示すスイッチング機構12の開放位置では、電流は、加熱性の抵抗部品32を通じてのみ第1の外部端子14と第2の外部端子16との間を流れ、これは、前述したように、加熱され、電源が完全に中断されるまで、スイッチ10を開放位置に維持する。
【0113】
図7及び図8に示す発明に係るスイッチ10の第3の例示的な実施形態では、スイッチング機構12は、図5及び図6に示す発明に係るスイッチ10の第2の例示的な実施形態に係るスイッチング機構12と同様に機能的に同様に形成される。スイッチング要素56及びばね要素58は、機械的及び電気的に並列に接続されている。さらに、図7及び図8に示される第3の例示的な実施形態においても、スイッチング要素56及びばね要素58はディスク状又は円形のディスク状であり、夫々の中心によって可動の接触部68に接続されている。
【0114】
しかしながら、この場合のスイッチング要素56及びばね要素58は、可動の接触部68の外縁を形成する周縁カラー74に対して、反対側から位置している。
【0115】
図7及び図8に示すスイッチ10の第3の実施形態に係るスイッチング機構12は、スイッチング要素56、ばね要素58および可動の接触部68に加えて、スイッチング機構のハウジング80を有する。このスイッチング機構のハウジング80は、金属製であることが好ましい。スイッチング機構のハウジング80は、スイッチング要素56、ばね要素58および可動の接触部68により形成されるスイッチング機構12またはスイッチング機構ユニットを収納するために用いられる。
【0116】
スイッチング機構のハウジング80は、部分的に開放されたハウジングとして形成され、好ましくは金属で形成される。スイッチング要素56、ばね要素58および可動の接触部68によって形成されるスイッチング機構ユニットは、捕捉的に、しかし遊びをもって、スイッチング機構のハウジング80内に保持される。
【0117】
このようなスイッチング機構のハウジング80の助けにより、スイッチング機構12を半製品として予め製造し、品目として在庫として保持し、全体としてスイッチハウジング24に挿入することが可能となる。
【0118】
図7に示すスイッチの閉塞位置では、ばね要素58は、その外縁74がスイッチング機構のハウジング80の内側に支持され、可動の接触部68を固定の接触部70に対して押圧する。また、スイッチング機構12のこの例示的な実施形態では、スイッチ10の閉塞位置において、スイッチング要素56は、いかなる力も伴わずに機械的に取り付けられ、スイッチング要素56を通って流れる電流を有さない。
【0119】
図7及び図8に示すスイッチ10において、スイッチング機構のハウジング80は、スイッチング機構12の第1の電極18として作用する。従って、カバー部19は、ここでは導電性材料から形成される必要はなく、例えば、ハウジング24の下部23を形成する絶縁材料キャリア22と類似又は更に同一の材料からなるプラスチックから形成されるのが良い。
【0120】
また、カバー部19がプラスチック製の場合には、加熱性の抵抗部品32も圧縮ばね48に対して電気的に絶縁する必要はなく、そのために絶縁層52を省くことが可能である。加熱性の抵抗部品32もまた、下側または接続側42の接触部44、46を、外部端子14、16の上側28、30に直接当ててここに配置される。
【0121】
第1の電極18として作用するスイッチング機構のハウジング80は、ライン接続要素26上に位置し、ここでもスイッチ内に設けられたライン接続要素26が、第1の電極18と第1の外部端子14との間に電気的接触を確立し、2つの外部端子14、16を同じ高さで取り付けるか、または外部端子14、16を絶縁材料キャリア22から同じ高さで導出することができる。
【0122】
なお、図7に示すスイッチの閉塞位置における電流は、第1の外部端子14から、ライン接続要素26、スイッチング機構のハウジング80(第1の電極18)、ばね要素58、可動の接触部68、固定の接触部70及び第2の電極20を経由して第2の外部端子16へと流れる。
【0123】
図8に示すスイッチ10の開放位置では、温度依存型のスイッチング要素56は、その外縁76がスイッチング機構のハウジング80の内側に支持され、可動の接触部68を上方に押圧することによって、可動の接触部68が固定の接触部70から持ち上げられ、スイッチング機構12を経由した電流流れが遮断される。したがって、ばね要素58もまた、図7に示すその凹状位置から図8に示すその凸状位置にスナップされる。
【0124】
また、開放位置は、加熱性の抵抗部品32によってもたらされる自己保持によって、2つの外部端子14、16の間にもはや何の電位もなくなるまで、ここで開放されたままにされる。
【0125】
したがって、ここで示される3つの例示的な実施形態は、スイッチング機構12の構成において本質的に異なり、その一方、加熱性の抵抗部品32によってもたらされる自己保持の原理、ならびに加熱性の抵抗部品32の配置および電気的接触のタイプ、ならびに共通の接続面Eにおける2つの外部端子14、16の取り付けは、スイッチの内側に配置されるライン接続要素26を設けることによって、3つの例示的な実施形態の全てにおいて、原理的に同様の方法で実施される。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】