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特開2024-109083情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109083
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
G08G1/09 F
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024009887
(22)【出願日】2024-01-26
(31)【優先権主張番号】P 2023012938
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】514235341
【氏名又は名称】株式会社スマートドライブ
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭佐
(72)【発明者】
【氏名】大野 良
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF32
5H181MB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】移動体に関する情報を簡易に取得可能とする。
【解決手段】情報処理システムにおける情報処理方法であって、移動体に関する所定の移動体関連情報が記憶済みであるかどうかを判断することと、前記移動体に関する定期的な報告情報を入力させるための第1通知、及び、所定条件を充足する場合に、前記所定の移動体関連情報を入力させることを促す第2通知を行うことと、を含み、前記所定条件は、前記所定の移動体関連情報が記憶済みでないと判断された場合を含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムにおける情報処理方法であって、
移動体に関する所定の移動体関連情報が記憶済みであるかどうかを判断することと、
前記移動体に関する定期的な報告情報の入力を促す第1通知、及び、所定条件を充足する場合に、前記所定の移動体関連情報の入力を促す第2通知を行うことと、
を含み、
前記所定条件は、前記所定の移動体関連情報が記憶済みでないと判断された場合を含む、
情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法であって、
前記所定の移動体関連情報は、前記移動体の車台番号及び自動車識別番号の少なくとも1つを含む、
情報処理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理方法であって、
前記第1通知は、前記定期的な報告情報のうち前記移動体の外部に関する情報の入力を促す第3通知を含み、
前記第2通知は前記第3通知に対応して行われる、
情報処理方法。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理方法であって、
前記第1通知は、前記定期的な報告情報のうち前記移動体の内部に関する情報の入力を促す第4通知を含み、
前記第2通知は前記第4通知に対応して行われる、
情報処理方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報処理方法であって、
前記所定条件は、前記移動体が停止していることを含む、
情報処理方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報処理方法であって、
前記所定条件は、前記移動体に乗車するユーザが前記移動体の内部または近傍にいることを含む、
情報処理方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報処理方法であって、
前記所定条件は、前記移動体に乗車するユーザに入力する余裕があることを含む、
情報処理方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報処理方法は、
前記所定条件は、前記移動体が所定領域内に位置することを含む、
情報処理方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報処理方法であって、
前記第2通知は、前記第1通知よりも前に、又は優先的に行われる、
情報処理方法。
【請求項10】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報処理方法であって、
前記第2通知は、前記移動体関連情報を読み取るための読取部の起動、又は前記読取部を起動させるためのアイテムの表示を含む、
情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置であって、
移動体に関する所定の移動体関連情報が記憶済みであるかどうかを判断する判断部と、
前記移動体に関する定期的な報告情報を入力させるための第1通知、及び、所定条件を充足する場合に、前記所定の移動体関連情報を入力させることを促す第2通知を携帯端末に対して行う出力部と、
を備え、
前記所定条件は、前記所定の移動体関連情報が記憶済みでないと判断された場合を含む、
情報処理装置。
【請求項12】
端末であって、
移動体に関する所定の移動体関連情報がサーバに記憶済みであるかどうかの情報を取得する取得部と、
前記移動体に関する定期的な報告情報を入力させるための第1通知、及び、所定条件を充足する場合に、前記所定の移動体関連情報を入力させることを促す第2通知を行う通知部と、
を含み、
前記所定条件は、前記所定の移動体関連情報が記憶済みでない旨を取得した場合を含む、
端末。
【請求項13】
コンピュータに、
移動体に関する所定の移動体関連情報が記憶済みであるかどうかを判断することと、
前記移動体に関する定期的な報告情報を入力させるための第1通知、及び、所定条件を充足する場合に、前記所定の移動体関連情報を入力させることを促す第2通知を行うことと、
を実行させるプログラムであって、
前記所定条件は、前記所定の移動体関連情報が記憶済みでないと判断された場合を含む、
プログラム。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車や自動二輪車といった移動体、特に複数の移動体を管理するにあたっては、各移動体についての情報そのものや、又は各移動体についての情報を抽出する情報を取得して管理することが望ましい。これらの情報は、管理システムに入力すべく、何らかのタイミングで取得する必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、既知の位置に車体番号が記載された移動中の車両を撮像して、撮像画像に含まれる文字列を認識して、認識した文字列を車番データとして出力する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-134148号公報
【発明の概要】
【0005】
これらの情報は、情報の運用目的に鑑みて、管理開始からなるべく早くのタイミングで入力しておくことが望ましい。そのため、入力方法の一つとして、例えば管理者が逐一取得して管理システムに入力することが考えられる。
しかしながら、こういった情報の一部、例えば、車体番号や自動車登録番号といった情報に関しては、車体自体(ナンバープレート等)へ打刻されたもの、又は、車内にて管理することが必要な車検証に記載されたものであるため、特に管理対象が多くの数の移動体である場合は、管理者が逐一確認し取得することは煩雑であった。
【0006】
本発明の目的は、移動体に関する情報を簡易に取得可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によると、情報処理システムにおける情報処理方法であって、移動体に関する所定の移動体関連情報が記憶済みであるかどうかを判断することと、前記移動体に関する定期的な報告情報を入力させるための第1通知、及び、所定条件を充足する場合に、前記所定の移動体関連情報を入力させることを促す第2通知を行うことと、を含み、前記所定条件は、前記所定の移動体関連情報が記憶済みでないと判断された場合を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、移動体に関する情報を簡易に取得可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態における日常点検処理を制御するシステムのシステム構成図である。
図2】本実施形態における移動体1に備えられた携帯端末10の機能構成を示す図である。
図3】本実施形態におけるサーバ20の機能構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態における管理者端末30の機能構成を示すブロック図である。
図5】本実施形態における情報処理装置40の機能構成を示すブロック図である。
図6】本実施形態における日常点検処理のフローチャートである。
図7】本実施形態における日常点検処理において携帯端末10に表示される表示例である。
図8】本実施形態における日常点検処理において携帯端末10に表示される表示例である。
図9】本実施形態における日常点検処理において携帯端末10に表示される表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態の例として、一実施形態について図面を参照して説明する。
なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
また、これらの実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
【0011】
<機能構成>
図1は、本実施形態の一態様に係る、移動体関連情報取得システムのシステム構成図である。本システムにおいては、移動体1を運用するユーザによって保持された携帯端末10と、移動体1に関連する情報等を記憶しつつ様々な処理を行うためのサーバ20と、移動体1を管理する管理者によって操作される管理者端末30とが、ネットワークNWを介して接続され、互いの情報の送受信が可能となっている。また、移動体1には情報処理装置40が備えられ、移動体1の走行情報を収集し、また収集された走行情報をネットワークNWを通じてサーバ20に送信するようになっている。サーバ20においては、蓄積された移動体1の走行情報等に基づいて様々な処理が実行され、その結果を管理者端末30に出力するとともに、携帯端末10に対して、例えば管理者端末30からの指示等に基づいて、ユーザに必要な入力を促すための情報が出力され表示される。
【0012】
ここで、走行情報とは、移動体の走行に関する情報であり、例えば、位置に関する情報、速度に関する情報、加速度に関する情報が挙げられるが、これらに限られない。また、走行情報は1種類の情報によって構成されることに限られず、複数の情報を含んで構成されてもよく、例えば、走行情報は、位置情報と加速度情報を含んで構成されていてもよい。走行情報は、情報処理装置40において所定のタイミングで収集され、また同様に、情報処理装置40に蓄積された走行情報は所定のタイミングでサーバ20に送信される。例えば、ある情報処理装置10においては、毎秒単位で収集され、毎分単位でサーバ20に送信される一方で、他の情報処理装置10においては、走行情報は10秒単位で収集され、10分単位でサーバ20に送信されることがありうる。更には、ある情報処理装置40においては、走行情報は10秒単位で収集されつつ、移動体1がサーバ20に接続された路側機の近傍を通過した際に路側機経由で送信される(例えば、ETC2.0による方式が挙げられる)。
【0013】
運転評価情報とは、移動体の運転の評価に関する情報であり、限定ではなく例として、運転品質をスコア化した情報である運転スコア情報、各移動体の位置情報に基づいて描写された経路情報、急ハンドル、急加速、急減速などの危険運転と思われるイベント情報(例えば、前記経路情報に重畳して表示する)、所定期間において観測された加速度値の頻度を分布化したもの等が挙げられる。運転評価情報の詳細については後述する。
【0014】
移動体1は、本実施形態では、ビジネス上利用される車両とするが、特にそのような車両に限定されない。なお、移動体1には情報処理装置40が備えられており、その詳細については後述する。
【0015】
図2は、図1の携帯端末10の機能構成を示す図である。
本実施形態における携帯端末10は、限定ではなく例として、スマートフォンやタブレットなどの電子機器であればよく、例えば、処理部110、記憶部120、通信部130、表示部140、操作部150、及び音出力部160を備えて構成される。
【0016】
処理部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)を含む処理演算装置によって構成される。処理部110は各データに対する各種処理を行うとともに、記憶部120に格納されたプログラムを読み出して実行することで、通信部130、表示部140、操作部150、及び音出力部160の各機能部を制御する。
【0017】
記憶部120は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含み、処理部110が処理する制御プログラムや、各種データ、例えば、各機能部によって取得した情報等を記憶する。なお、記憶部120は、携帯端末10に内蔵されるものに限らず、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。
【0018】
本実施例では、記憶部120には、例えば、日常点検処理プログラム121と、データベース122とが記憶される。
【0019】
日常点検処理プログラム121は、処理部110によって読み出され、後述する日常点検処理として実行されるプログラムである。
【0020】
データベース122は、例えば、各移動体1について発生する走行情報を取得したものが蓄積記憶されたデータベースである。
走行情報は後述する時計部160によって発行される時刻情報と紐付けられて走行情報データベース122に記憶されており、走行情報がいつ取得されたのかを把握可能な態様で走行情報データベース122に蓄積されている。
【0021】
更には、データベース122は、携帯端末10において取得された移動体関連情報を記憶することとしてもよい。この場合、後述するサーバ20の記憶部220に何らかのタイミングで記憶した移動体関連情報を送信することとしてもよいし、またはサーバ20の記憶部220を用いずにそれぞれの携帯端末10において移動体関連情報を保持した形態で車両管理を運用することとしてもよい。
【0022】
通信部130は、例えば、LTE(Long Term Evolution)や3G、4G、5G等の移動体通信、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の狭帯域通信を用いて、インターネット等の公共のネットワークに接続し、同ネットワークに接続されたサーバー20等の各機器とのデータ通信が可能なモジュールである。または、DSRCを利用して双方向通信を行うETC2.0に対応した通信により、情報のやり取りを行うこととしてもよい。
例えば、通信部130を通じて、携帯端末10はサーバー20と日常点検情報等のデータのやり取りを行う。
【0023】
表示部140は、例えば、LCD等を有して構成される表示装置であり、処理部110から出力される表示信号に基づいた各種の表示を行う。表示部140は、タッチパネルと一体的に構成されてタッチスクリーンとしての操作部150を形成してもよい。
【0024】
操作部150は、操作ボタンや操作スイッチといった、ユーザが携帯端末10に対する各種の操作入力を行うための入力装置を有して構成される。また、操作部150は、表示部140と一体的に構成されたタッチパネルを有してもよく、このタッチパネルは、ユーザと携帯端末10との間の入力インターフェースとして機能してもよい。操作部150からは、ユーザ操作に従った操作信号が処理部110に出力される。例えば、後述する日常点検処理においてユーザによる入力を受け付ける。
【0025】
なお、後述する日常点検処理においては移動体関連情報を入力する際に操作部150が用いられるが、移動体関連情報の入力は、キーボード等による文字入力のほか、不図示の撮像部と協働しての画像入力、不図示のコード読み取り部と協働しての一次元コードや二次元コード等の読み取り等、任意の方法であってよい。
【0026】
音出力部160は、スピーカ等を有して構成される音出力装置であり、処理部110から出力される音出力信号に基づいた各種の音出力を行う。
【0027】
図3は、図1のサーバ20の機能構成を示すブロック図である。本実施形態におけるサーバ20は、処理部210、記憶部220、通信部230を備えて構成される。
サーバ20は、例えば、インターネット等のネットワークを通じて携帯端末10、管理者端末30、情報処理装置40等と接続され、携帯端末10等から日常点検情報等の様々な移動体1に関する情報を受信し、記憶部220に記憶する。また、記憶された情報、例えば、情報処理装置40において取得された位置情報に基づき加速度情報の算出や、運転レポート情報の生成を行う。
【0028】
処理部210は、携帯端末10の処理部110と同様に、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)を含む処理演算装置によって構成される。処理部210は各データに対する各種処理を行うとともに、記憶部220に格納されたプログラムを読み出して実行する。また、
【0029】
記憶部220は、携帯端末10の記憶部120と同様に、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含み、処理部210が処理する制御プログラムや、各種データ、例えば、機器の識別情報が登録された搭載機器テーブルなどを記憶する。なお、記憶部220は、サーバー20に内蔵されるものに限らず、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。
【0030】
本実施例では、記憶部220には、例えば、日常点検処理プログラム221と、走行情報データベース222と、移動体関連情報データベース223と、日常点検情報データベース224とが記憶される。
【0031】
日常点検処理プログラム221は、処理部210によって読み出され、先に説明した日常点検プログラム121と協働して、後述する日常点検処理として実行されるプログラムである。
【0032】
走行情報データベース222は、移動体1に備えられた情報処理装置40から送信される走行情報を蓄積記憶したデータベースである。
上述したように、走行情報は時刻情報と紐付けられており、走行情報がいつ取得されたのかが把握できる態様で走行情報データベース222に蓄積されている。
【0033】
移動体関連情報データベース223は、各移動体1についての移動体関連情報を記憶するためのデータベースである。移動体関連情報については後述する。
移動体関連情報は、対応する移動体1の識別情報(例えば、移動体ID)と紐づけられて移動体関連情報データベース223に登録される。
【0034】
移動体関連情報とは、移動体に関連する静的な情報であって、移動体自体にアクセスしないと取得できない情報である。例えば、車台番号や自動車登録番号などが挙げられるが、これらに限られず、移動体に関連し、移動体の管理において直接的または間接的に必要である限りは任意の情報であってよい。
【0035】
日常点検情報データベース224は、各移動体1について行われる日常点検の結果を記憶するためのデータベースである。
日常点検の結果は、対応する移動体1の識別情報と紐づけられて移動体関連情報データベース224に登録される。
【0036】
通信部230は、有線通信インターフェースを用いて、または、携帯端末10の通信部130と同様に、例えば、LTE(Long Term Evolution)や3G等の移動体通信、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の狭帯域通信を用いて、インターネット等のネットワークに接続し、同ネットワークに接続された情報処理装置40等の各機器とのデータ通信が可能なモジュールである。
【0037】
図4は、図1の管理者端末30の機能構成を示すブロック図である。本実施形態における管理者端末30は、限定ではなく例として、タブレットやラップトップPCなどの電子機器であればよく、例えば、処理部310、記憶部320、通信部330、表示部340、操作部350、及び音出力部360を備えて構成される。
これら各機能部、処理部310、記憶部320、通信部330、表示部340、操作部350、及び音出力部360の構成は、携帯端末10の処理部110、記憶部120、通信部130、表示部140、操作部150、及び音出力部160とほぼ同様であってよいため、これらの詳細な説明は省略する。
【0038】
図5は、図1の情報処理装置40の機能構成を示すブロック図である。
本実施形態における情報処理装置40は、例えば、移動体1のソケット(一例として、シガーソケット、電気供給用ソケット、又は、接続用ソケット)に挿入して、移動体1内に固定することができる(本出願においては、「シガーソケット装置」と呼ぶ)。電気供給用ソケット又は接続用ソケットは、たとえばUSB(Universal Serial Bus)をサポートするソケットである。無論、情報処理装置40はかかるものに限定されず、例えば、ドライブレコーダー、カーナビゲーション装置、デジタコ等の移動体1に備えられる装置や、さらには移動体1の乗車者によって所持される携帯端末10等、任意の機器であってよく、少なくとも移動体1の走行情報を収集しサーバ20に送信することができるものであればよい。更には、ETC2.0の方式に従って走行情報を収集し送信する装置であってももちろんよい。情報処理装置40は、例えば、処理部410、記憶部420、通信部430、表示部440、操作部450、音出力部460、走行情報取得部470、時計部480を備えて構成される。
情報処理装置40は、上述したように、所定の間隔で走行情報を収集し、時計部180にて取得される時間情報と紐付けて記憶部420に記憶する。そして、記憶された取得した走行情報を、所定のタイミングで通信部430を通じてネットワークNWに接続されたサーバ20に送信する。
【0039】
情報処理装置40における機能部の一部である処理部410、通信部430、表示部440、操作部450、及び音出力部460の構成は、携帯端末10の処理部110、通信部130、表示部140、操作部150、及び音出力部160とほぼ同様であってよいため、これらの詳細な説明は省略する。
【0040】
記憶部420は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含み、処理部110が処理する制御プログラムや、各種データ、例えば、各機能部によって取得した情報等を記憶する。なお、記憶部420は、情報処理装置40に内蔵されるものに限らず、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。
【0041】
本実施例では、記憶部420には、例えば、走行情報取得処理プログラム421と、走行情報データベース422とが記憶される。
【0042】
走行情報取得処理プログラム421は、処理部410によって読み出され、後述する走行情報取得として実行されるプログラムである。
【0043】
走行情報データベース422は、例えば、移動体1について発生する走行情報を取得したものが蓄積記憶されたデータベースである。
走行情報は後述する時計部480によって発行される時刻情報と紐付けられて走行情報データベース422に記憶されており、走行情報がいつ取得されたのかを把握可能な態様で走行情報データベース422に蓄積されている。
【0044】
走行情報取得部470は、例えば、走行情報が位置情報を含む場合は、GNSS衛星(例えばGPS衛星)から到来する電波に基づいて、情報処理装置40の位置情報(例えば、緯度経度情報)を所定間隔で取得する。すなわち、情報処理装置40を備える移動体1の位置情報を取得することができる。転じて、情報処理装置40を備える移動体1を利用することで、実質的に移動体1の位置情報を取得することができる。また例えば、走行情報が速度情報を含む場合は、移動体1に搭載される不図示の車速パルス取得部によって取得される車速パルス情報を取得し、その車速パルス情報に基づいて移動体1の速度情報を所定間隔で取得する。または、別途取得された位置情報に基づいて速度情報を算出することとしてもよい。また例えば、走行情報が加速度情報を含む場合は、圧電型加速度センサによって加速度を取得する。または、別途取得した位置情報や、速度情報に基づいて、車両の加速度を算出することとしてもよい。
取得された走行情報は、当該走行情報を取得した時刻(現在時刻)に関する情報と紐付けられて、記憶部420に格納される。
【0045】
ここで、位置情報が走行情報に含まれる場合は、位置情報を取得する際に、その位置情報の精度を示す精度値(例えば、DOP値)を取得することとしてもよい。この場合、取得された位置情報及び精度値が現在時刻と紐付けられて、記憶部420に格納される。
【0046】
なお、位置情報の取得方式は、上記のものに限られず、任意の位置情報取得方式を適用してよい。例えば、道路脇に設置された路側機により発せられる当該路側機に固有の位置情報を含んだ電波を、情報処理装置40が備えられた移動体1が近接した際に位置情報取得部470が受信することで、情報処理装置40の位置情報を取得することとしてもよい。
【0047】
更に、走行情報は、移動体1の走行に関する任意の情報であってよく、例えば、携帯端末10や管理者端末30を通じて入力される、移動体1を誰か用いるかに関する情報である予約情報、位置情報の変化の有無やエンジンのON/OFF等によって判断される移動体1の運転開始時刻、休憩時刻、運転終了時刻等の運転ステータス情報などを含んでいてもよい。
【0048】
また、走行情報取得部470は不図示の温度情報取得部を含んで構成されていてもよい。すなわち、時系列的に温度を測定し走行情報として取得してもよい。同様に、走行情報取得部470は気圧情報取得部、高度情報取得部、湿度情報取得部等のいずれかを含んで構成されていてもよい。すなわち、移動体1の内外部における何らかの環境に関する情報を走行情報として取得してもよい。
【0049】
また、走行情報取得部470は不図示の画像情報取得部を含んで構成されていてもよく、画像情報取得部によって移動体1内外の画像を適宜取得し、かかる画像情報を走行情報として取得してもよい。例えば、移動体1外の走行情報として路面の画像情報や天候の画像情報等を取得してもよいし、移動体1内の走行情報として運転者の画像情報等を取得することとしてもよく、その内容は特に限定されない。
更に例えば、所定周期(例えば、1分ごと)で移動体1内外の少なくともいずれかの画像を取得することとしてもよく、例えば、移動体1外部の画像を所定周期で取得することとしてもよい。この場合において、例えば、異なる時刻において取得した複数の画像の内容が実質的に同一であるとき、すなわち、画像情報取得部(カメラ)の位置及び画角が実質的に変動していないと判断できるときにおいては、移動体1が移動していないと判断することとしてもよい。
【0050】
取得された移動体情報は、後述する時計部480によって取得される当該移動体情報を取得した時刻(現在時刻)に関する情報と関連付けられて、記憶部420の走行情報データベース422に格納されることとしてもよい。
【0051】
時計部480は、情報処理装置40の内蔵時計であり、時刻情報(計時情報)を出力する。時計部480は、例えば、水晶発振器を利用したクロック等を有して構成される。
なお、時計部480は、NITZ(Network Identity and Time Zone)規格等を適用したクロックを有して構成されてもよい。
【0052】
また、情報処理装置40は単体で存在するのではなく、携帯端末10が情報処理装置40の機能を含むように構成されていても良い。すなわち、ユーザは、携帯端末10を操作して例えば移動体関連情報の入力を行うほか、携帯端末10において走行情報を取得しサーバ20へ送信することを行ってもよい。
【0053】
<日常点検処理>
以下、本発明の一実施形態として、移動体関連情報を取得するための処理の一例として、携帯端末10とサーバ20との協働によって行われる、日常点検処理について説明する。また、この日常点検処理においては、移動体関連情報として、車台番号及び/又は自動車登録番号が取得される。図6は、本実施形態における日常点検処理のフローチャートである。
【0054】
日常点検処理とは、車両をビジネス等で用いるにあたり、その車両に問題がないかについて日常的に点検するための処理である。日常点検処理における点検項目は特に限定されず任意であってよいが、本実施形態においては、限定ではなく例として、以下の15項目を、毎日車両の使用開始前にユーザにより点検させることとして以下説明する。
1.ウインド・ウォッシャ液の量
2.ブレーキ液の量
3.バッテリー液の量
4.冷却水の量
5.エンジンオイルの量
6.タイヤの空気圧
7.タイヤの亀裂、損傷および異常な摩耗
8.タイヤの溝の深さ
9.ランプ類の点灯、点滅およびレンズの汚れ、損傷
10.ブレーキ・ペダルの踏みしろおよびブレーキの利き
11.パーキング・ブレーキ・レバーの引きしろ
12.ウインド・ウォッシャの噴射状態
13.ワイパの拭き取りの状態
14.エンジンのかかり具合は適切および異音
15.エンジンの低速および加速の状態
【0055】
日常点検処理においては、これらの項目を点検するにあたり、図7及び図8に示されるように、携帯端末10の表示部140にこれらの項目を挿入するような形態で表示させ、ユーザが各項目につき点検を完了するごとにその旨を操作部150を通じて入力させることにより、点検がなされているかを確認可能とする。すなわち、携帯端末10におけるUIを通じて各項目についての点検が完了したかどうかが入力され、その結果がサーバ20の日常点検情報データベース224に対応する移動体1の識別情報と紐付けて記憶される。
【0056】
図6に示すように、まず、携帯端末10又はサーバ20において、日常点検処理を開始するトリガーを受信する(S11)。具体的なトリガーとして例えば、携帯端末10を保持するユーザの運転開始時刻となったとき、外部(例えば、管理者端末30)からその旨の指示入力があったとき、携帯端末10に備えられた不図示の位置情報取得部によって取得された位置が、移動体1の位置の近傍にあると判断されたとき、などが挙げられるが、特に限定されず、任意のトリガーであってよい。
【0057】
トリガーを受信したら、サーバ20において、対象となる移動体1の車台番号及び/又は自動車登録番号が既に登録済みであるかどうかを判断する(S12)。登録済みであるとは、例えば、これら番号が記憶部220における移動体関連情報データベース223に移動体1に関連づけられて記憶されていることを意味する。
【0058】
登録済みでないと判断された場合(S12;N)は、日常点検処理において点検結果を入力を促すアイテムの内容について、車台番号及び/又は自動車登録番号の入力を促すアイテムの内容を加えたものを携帯端末10の表示部140に表示する(S13)。すなわち、日常点検として求められる各項目についての点検結果を入力を促すアイテムとして、例えば、各項目についての点検結果の入力を促すメッセージ、点検結果を入力するための入力欄等を表示して通知する他に、車台番号及び自動車登録番号も加えて入力を促すアイテムとして、同様に例えば、車台番号及び/又は自動車登録番号の入力を促すメッセージ、これらの番号を入力するための入力欄等を表示して通知することで、日常点検の各項目の他に車台番号及び/又は自動車登録番号の入力を促す旨もユーザに通知される。
【0059】
なおこの場合、図9に示すように、車台番号及び/又は自動車登録番号の入力を促す通知としてのアイテムの表示態様を、他の情報の入力を促す通知としてのアイテムの表示態様とは異ならせる等、かかる通知を強調する態様とすることが好ましい。
【0060】
また、車台番号及び/又は自動車登録番号の入力を促すためのアイテムの表示は、日常点検として求められる各項目についての点検結果を入力させるためのアイテムの表示と同じタイミングや同じ画面で行う必要はなく、異なるタイミングや異なる画面で行なってもよい。例えば、一方のアイテムを表示して対応する入力が終わった後に他方のアイテムの表示を行うこととしてもよいし、スクロール操作等により別のページを表示する操作を行うことでそれぞれのアイテムの表示が行われるようにしてもよい。
【0061】
この場合において、好ましくは、車台番号及び/又は自動車登録番号の入力を促すためのアイテムの表示を、日常点検として求められる各項目についての点検結果を入力させるためのアイテムの表示より前に、又は優先的に行う。
ここで、優先的にとは、車台番号及び/又は自動車登録番号の入力を促すためのアイテムの表示を日常点検に係るアイテムよりも目立つ形態で表示することであり、例えば、大きなサイズとしたり、画面上部又は中央部に表示したり、直前に入力した項目のすぐそばに表示したり等が挙げられる。
このようにすることで、日常点検は運転前に必ず行わなければならないことに鑑み、それよりも前に又は優先度を高く入力を促すことで、車台番号及び/又は自動車登録番号を入力すべきであることをユーザにより強く印象付けることができる。
【0062】
一方で、登録済みであると判断された場合(S12;Y)は、日常点検処理において点検結果を入力させるためのアイテムの表示が表示部140においてなされる(S14)。
【0063】
そして、表示部140に表示されたアイテムの内容に対応して、操作部150を介してユーザによる入力を受け付ける(S15)。入力を受け付けると、入力された情報はサーバ20に送信され記憶部20に記憶される。ここで、ステップS13の処理が行われた場合においては、入力されたそれぞれの情報は移動体関連情報データベース223及び日常点検情報データベース224に移動体1の識別情報に紐づけて記憶される。一方で、ステップS14の処理が行われた場合においては、入力された情報は日常点検情報データベース224に移動体1の識別情報に紐づけて記憶される。
【0064】
なお、車台番号及び/又は自動車登録番号の入力は、ユーザがその内容を確認して各番号を直接入力することとしてもよいし、またはユーザがその内容を携帯端末10が備える不図示の撮影部を用いて撮影を行うことで、その画像データを入力することとしてもよいし、更には、これら番号に付随している一次元コード又は二次元コードを読み込むことで入力することとしてもよく、その入力方法は特に限定されない。
【0065】
このようにすることで、移動体関連情報を簡易に収集することが可能となる。特に、車台番号や自動車登録番号といった、運転手が運転する際に携帯義務を負う車検証を確認する必要があるものは、中央管理することができない背景から、管理者によって統合的に取得する作業を行うことが煩雑であるところ、各移動体1を運用するユーザに対してその情報の取得及び入力を自動的に促すことで収集できるという効果を奏する。
【0066】
[変形例]
上述した実施形態においては、移動体関連情報の入力を促すタイミングを日常点検開始時としているが、タイミングはこれに限られず、任意のタイミングとしてよい。
例えば、移動体1の走行情報、例えば、予約情報、運転ステータス情報(例えば、乗降記録)、専有車両情報などに基づいて、適宜車台番号及び/又は自動車登録番号の入力を促すアイテムの表示を携帯端末10の表示部140に行うこととしてもよい。これら情報に基づいて、例えば、エンジンを始動したとき、ランチ時間と想定される時刻近辺において食事場所と想定される場所の近傍で駐車した際、などが挙げられる。また例えば、管理者端末30から管理者が任意のタイミングで携帯端末10に対し当該表示をするよう指示を行うこととしてもよい。
【0067】
上述した実施形態においては、車台番号及び自動車登録番号の入力を促すためのアイテムの内容を加えたものを携帯端末10の表示部140に表示するタイミングは、日常点検処理を開始するトリガーを受信した後である限りは、特に具体的に規定されていないが、移動体関連情報の入力を促す表示をトリガー受信後における特定のタイミングに行うこととしてもよい。
例えば、上述した日常点検処理の15項目のうち、点検を行うユーザが移動体内に位置して点検する項目の対応タイミングをトリガーとして、移動体関連情報の入力を促すためのアイテムの内容を携帯端末10の表示部140に表示することとしてもよい。具体的には、点検を行うユーザが移動体内に位置して点検する項目として、例えば、以下の項目のいずれかの対応を行おうとして(行わせようとして)いるとき、又は行なっていることを探知したとき(アイテムに対して入力しているとき等)、更には対応が完了した旨が入力されたとき(アイテムに対しての入力が完了したとき等)など、アイテムの表示による通知に対応するタイミングで、移動体関連情報の入力を促すためのアイテムを表示して通知することとしてもよい。
10.ブレーキ・ペダルの踏みしろおよびブレーキの利き
11.パーキング・ブレーキ・レバーの引きしろ
12.ウインド・ウォッシャの噴射状態
13.ワイパの拭き取りの状態
14.エンジンのかかり具合は適切および異音
15.エンジンの低速および加速の状態
【0068】
すなわち、ユーザが移動体内に位置することが必要である項目の点検をしていることを探知したら、または点検の完了を確認したら、同じく移動体内にて車検証等を確認することにより確認や取得が可能な情報である移動体関連情報(例えば、車台番号、自動車登録番号等)の取得を促す。これらの移動体関連情報は、例えば移動体のダッシュボード内にて管理されている車検証に記載されていることから、ユーザに大きな負担を掛けることなく、かかる移動体関連情報を取得してもらうことが可能となる。
【0069】
同様に、ユーザが移動体の外部に位置することが必要である項目の点検の完了を確認したら、移動体外にて取得が可能な情報である移動体関連情報(例えば、車台番号や自動車登録番号等)の取得を促すためのアイテムの表示を行うこととしてもよい。
【0070】
例えば、車台番号は、車検証の他にエンジンルーム内のダッシュパネルに打刻されていることが多いため、上述した日常点検処理の15項目のうち、点検を行うユーザがエンジンルーム内において点検する項目の対応タイミングをトリガーとして、移動体関連情報として車台番号の入力を促す表示を携帯端末10の表示部140に表示することとしてもよい。例えば、以下の項目のいずれかの対応を行おうとして(行わせようとして)いるとき、又は行なっていることを探知したとき(アイテムに対して入力しているとき等)、更には対応が完了した旨が入力されたとき(アイテムに対しての入力が完了したとき等)など、アイテムの表示による通知に対応するタイミングで、移動体関連情報の入力を促すためのアイテムを表示して通知することとしてもよい。
1.ウインド・ウォッシャ液の量
2.ブレーキ液の量
3.バッテリー液の量
4.冷却水の量
5.エンジンオイルの量
【0071】
なおこれらのエンジンルーム内の確認をする際には、ユーザが移動体外部に出ることから、自動車登録番号は、車検証の他に移動体外部の前後を確認することで取得可能であることに鑑み、自動車登録番号についても入力を促すためのアイテムを携帯端末10の表示部140に表示して通知することで、入力を行わせることとしてもよい。表示するタイミングについても上記と同様である。
【0072】
更に例えば、自動車登録番号は、上記に記した通り、車検証の他に移動体外部の前後を確認することで取得可能であるため、上述した日常点検処理の15項目のうち、点検を行うユーザが移動体外部において点検する項目の対応タイミングをトリガーとして、移動体関連情報として自動車登録番号の入力を促す表示を携帯端末10の表示部140に表示することとしてもよい。例えば、以下の項目のいずれかの対応を行おうとして(行わせようとして)いるとき、又は行なっていることを探知したとき(アイテムに対して入力しているとき等)、更には対応が完了した旨が入力されたとき(アイテムに対しての入力が完了したとき等)など、アイテムの表示による通知に対応するタイミングで、移動体関連情報の入力を促すためのアイテムを表示して通知することとしてもよい。
6.タイヤの空気圧
7.タイヤの亀裂、損傷および異常な摩耗
8.タイヤの溝の深さ
9.ランプ類の点灯、点滅およびレンズの汚れ、損傷
【0073】
また、車台番号は、エンジンルーム内のダッシュパネル以外に、運転席のシートの下や、タイヤハウスの奥部分などに打刻されていることがあることから、前述の自動車登録番号の場合と同様に、点検を行うユーザが移動体外部において点検する項目の対応タイミングをトリガーとして、移動体関連情報として車台番号の入力を促すアイテムを携帯端末10の表示部140に表示することとしてもよい。
【0074】
また上述した実施形態においては、移動体関連情報をユーザに入力させるにあたり、日常点検処理に組み込むことで実現することとしているが、組み込み先となる処理は日常点検処理に限られず、任意の移動体に関する処理が適用可能である。
例えば、貨物の収集・配達を行う場合において、収集や配達を行う際の処理に移動体関連情報を入力させる処理を組み込むこととしてもよい。この場合、例えば、収集や配達等を行ったタイミング、即ち、移動体1が停止している場合が好ましい。また、移動体1が停止している状態のほか、ユーザが移動体1内部または移動体1の近傍にいるタイミングや、ユーザが携帯端末10の操作を行う余裕があるタイミング等にて移動体関連情報の入力を促す通知を行うことが好ましい。
【0075】
ユーザが移動体1内部または近傍にいるタイミングとは、任意の手法により把握することとしてよいが、例えば、携帯端末10が不図示の位置情報取得部を有し、走行情報取得部470における位置情報取得と同様の手法で携帯端末10の位置情報を取得することとし、携帯端末10の位置情報と情報処理装置40の位置情報とが実質的に一致する等、同一または近傍に位置すると判断できる場合に、そのようなタイミングであるとしてもよい。
その他にも、携帯端末10と情報処理装置40との間の近距離無線通信による接続等を通じてかかるタイミングを把握することとしてもよい。
【0076】
ユーザが携帯端末10の操作を行う余裕があるタイミングとは、任意の手法により把握することとしてよいが、例えば、携帯端末10の操作を行なっているタイミング(車両運行に関するレポート入力、アルコールチェックといった車両管理に関連する操作のほか、SNSへのアクセスやウェブブラウジングなどを行っているタイミングであってもよい)や、予め登録されたスケジュール情報に基づいて操作を行う余裕があるといえるタイミング(例えば、スケジュール上にて行うべき用事がない時間や、休憩時間として設定されている時間等)のほか、ランチタイムや休憩時間等の作業を行わないと考えられる時間帯(例えば、ランチタイムとして想定される12時から13時の間や、休憩時間として想定される15時から15時半の間等)などのタイミングであってよい。
【0077】
また上述した実施形態においては、車台番号及び自動車登録番号がサーバ20の移動体関連情報データベース223に登録されていない場合は、携帯端末10におけるアイテムを表示して通知することによって入力を促し、ユーザにこれら番号を入力させることとしているが、これに限られない。
例えば、ステップS13の後において、ユーザが車台番号及び自動車登録番号の入力を行わない選択をすることを可能としてもよい。この場合、次回の日常点検処理(または何らかの移動体に関する情報を入力するための処理)が発生したときに再度移動体関連情報の入力を促すためのアイテムの表示を行うこととしてもよい。
【0078】
再度移動体関連情報の入力を促すためのアイテムの表示を行う場合においては、好ましくは、かかるアイテムの表示をより強調する形態としてもよい。より強調する形態とは、その表示を見たユーザに対してより注目させる態様であれば特に限定しないが、例えば、表示アイテムのサイズを前回に比べて大きくする、表示アイテムを前回とは異なる色とする、期待される移動体関連情報の入力がなされないと別の入力ができない態様とする、等が挙げられる。
再度の移動体関連情報の入力を促す表示を行っても期待される移動体関連情報の入力を行わない選択がなされた場合には、次回の移動体関連情報の入力を促すためのアイテムの表示が行われる際には、さらに強調する表示としてもよい。
【0079】
また、例えば自動車登録番号などの移動体関連情報に一部においては、移動体1を運用している間に情報の内容が変更される可能性がある。そのような場合に鑑みて、登録があった後に所定期間後(例えば、1年後)に改めてその情報が正しいものであるかどうかを確認し、情報が更新されて違うものになっていれば、新たな情報の入力を促す表示を行うこととしてもよい。
【0080】
また、上述した実施形態においては、車台番号及び自動車登録番号の両方の入力を促す表示を行うこととしているが、これに限られず、どちらか一方のみの入力を促す表示としてももちろんよい。
ただし、車台番号及び自動車登録番号の両方が揃っている場合においては、自動車検査登録情報協会が提供するAPIを通じて、これら番号を用いてより多くの車両情報を取得することができることから、これら両方の番号を一度に入手することが好ましい。
【0081】
また、車台番号及び自動車登録番号の一方のみが登録されている場合は、上記の背景から、他方の番号の入力を促す表示をより強調して行うことが好ましい。
【0082】
また、上述した実施形態においては、日常点検処理を行うタイミングにおいて移動体関連情報の入力を促すこととしているが、移動体関連情報の入力を促すにあたってのベースとなる処理は、日常点検処理に限られず、移動体に関する何らかの定期的な報告情報を携帯端末10を介してユーザが行うことが含まれる処理であれば、任意のものでよい。
例えば、日常点検のような日常的に行うべき作業ではなく、所定距離(例えば、5千キロメートル)の運転をした後や、管理者が車両に関しての何らかの報告をユーザに特に求めたときなど、必要に応じて発生する車両状況確認の処理、例えば、日常点検と同様の点検を行う場合のほか、業務が完了した際に日報を入力するための処理や、管理者からの呼び出しへの応答を行うための処理などであってもよい。
【0083】
具体例として、ユーザが車両運用に関するレポートの作成を行うことがある。車両運用に関するレポートとは、例えば、ある期間においてどのような場所にどのような目的で運転を行なったかを記録するための運転日報等であり、レポートの情報を携帯端末10を介して入力し送信する際に、移動体関連情報の入力を促すこととしてもよい。
より具体的には、レポート作成は携帯端末10を用いて入力することから、運転中でなく、運転を行なっていない休憩中、給油・充電中、運転終了後等に入力すべきものであることに鑑みて、例えば、走行情報に含まれる位置情報に基づいて、休憩場所(例えば、高速道路におけるサービスエリアや、レストランに併設されている駐車場等)、給油・充電場所(例えば、ガソリンスタンド、充電スタンド等)、移動体格納場所(例えば、その移動体が通常駐車される駐車場等)として定義されている位置又は領域内に移動体1が位置している場合(好ましくは停止していることも条件とする)は、携帯端末10に移動体関連情報を促すこととしてもよい。
【0084】
更なる具体例として、ユーザが車両運用の開始時及び終了時にアルコールチェックを行うことがある。アルコールチェックは、ユーザの酒気帯びの有無の確認を行うこと及びその内容を記録することが必要であり、例えば、携帯端末10を通じてその結果の収集や入力することとしてもよい。従って、アルコールチェックを携帯端末10を行うタイミングにおいて、移動体関連情報の入力を促すこととしてもよい。
より具体的には、例えば、アルコール検知器と携帯端末10とを有線または無線接続してアルコールチェック結果を携帯端末10を通じて収集する場合においては、アルコールチェック結果を携帯端末10において取得したタイミングに対応して移動体関連情報の入力を促してもよい。また例えば、目視等によりユーザの酒気帯びの有無の確認を携帯端末10を通じて行う(例えば、音声通話やビデオ通話によって)場合においては、その確認が行われたタイミングに対応して移動体関連情報の入力を促してもよい。無論、アルコールチェックを行った後のタイミングに限定されず、アルコールチェックを行う前のタイミングに対応して移動体関連情報の入力を促してもよいし、アルコールチェックを行っている途中に移動体関連情報の入力を促してもよい。
【0085】
また、上述した実施形態においては、ステップS13において車台番号及び/又は自動車登録番号の入力を促すアイテムの内容を加えたものを携帯端末10の表示部140に表示することで、ユーザに車台番号及び/又は自動車登録番号の入力を促すこととしているが、携帯端末10における処理はこれに限られない。
例えば、車台番号及び/又は自動車登録番号が、QRコード(登録商標)等の一次元又は二次元コードによって車検証等において示されている場合は、携帯端末10において不図示のコード読み取り部を起動し、このコードをスキャンし情報を取得することを促すこととしてもよい。又は、コード読み取り部を起動するためのアイテム(例えば、アイコン、ボタン、文字メッセージ等)を表示部140に表示し、即座に起動可能な状態とすることとしてもよい。
【0086】
さらには、車台番号及び/又は自動車登録番号の情報そのものを撮像部によって取得した画像データをOCR等により文字情報を読み取って取得することとしてもよい。
すなわち、車台番号及び/又は自動車登録番号の読取方法は特に限定されず、何らかの読取部を起動して取得すればよい。
【0087】
さらには、音出力部160により音声を出力することでユーザに車台番号及び/又は自動車登録番号の入力を促すこととしてもよい。例えば、車台番号及び/又は自動車登録番号の入力を促すメッセージの音声を出力することとしてもよい。
【0088】
また、上述した実施形態における日常点検処理における各ステップの処理のうち、サーバ20が判断等を行っているものを、携帯端末10が行うこととしてもよい。例えば、移動体関連情報等の日常点検処理において扱われる情報はサーバ20の記憶部220(移動体関連情報データベース223)に記憶されることとしているが、携帯端末10の記憶部120に記憶されることとしてもよく、またこの場合、携帯端末10の処理部110が移動体関連情報が記憶されているかどうかを判断することとしてもよい。更には、移動体関連情報が記憶部220に記憶されているかどうかの判断はサーバ20の処理部210によって行われてもよいし、携帯端末10の処理部110によって行われてもよい。前者の場合は、サーバ20の処理部210が移動体関連情報の入力を促すための出力を携帯端末10に行い、それに対応して携帯端末10が表示部140等を通じて通知を行うこととなる。
【0089】
また、上記の実施形態においては、各種の処理に係る各種のプログラムやデータが、記憶部に記憶されており、処理部がこれらのプログラムを読み出して実行することで、上記の各実施例における処理が実現された。この場合、各装置の記憶部は、ROMやEEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、RAMといった内部記憶装置の他に、メモリカード(SDカード)やコンパクトフラッシュ(登録商標)カード、メモリスティック、USBメモリ、CD-RW(光学ディスク)、MO(光磁気ディスク)といった記録媒体(記録メディア、外部記憶装置、記憶媒体)を有していてもよく、これらの記録媒体に上記の各種のプログラムやデータを記憶させることとしてもよい。
【0090】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態および変形例に限定されない。また、上記の実施形態および変形例は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態および変形例は、組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 移動体
10 携帯端末
20 サーバ
30 管理者端末
10 情報処理装置




図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9