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特開2024-109086ステータとカバーとを備えるレゾルバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109086
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】ステータとカバーとを備えるレゾルバ
(51)【国際特許分類】
   H02K 24/00 20060101AFI20240805BHJP
   H02K 5/08 20060101ALI20240805BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20240805BHJP
   H02K 1/18 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
H02K24/00
H02K5/08 A
H02K5/22
H02K1/18 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024010652
(22)【出願日】2024-01-29
(31)【優先権主張番号】18/161940
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】524037856
【氏名又は名称】テエ センソレス エセ・デ・エレ・エレ・デ・セ・ウベ
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100229736
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 剛
(72)【発明者】
【氏名】シィンヂゥーア オースティン ヂァン
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルク フリーゼン
(72)【発明者】
【氏名】オスカル ソーサ
(72)【発明者】
【氏名】マーク ライス
(72)【発明者】
【氏名】ホセ アントニオ アイスプロ
【テーマコード(参考)】
5H601
5H605
【Fターム(参考)】
5H601AA04
5H601AA09
5H601CC04
5H601DD01
5H601DD11
5H601JJ04
5H601KK22
5H601KK25
5H605CC01
5H605CC06
5H605EC05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】測定精度の向上、低コスト化を図ったレゾルバを提供する。
【解決手段】レゾルバは、第1のプラスチック材料から形成されたステータ本体を有するステータ100と、ステータの側面を覆うカバー200とを備える。カバーは、第2のプラスチック材料から形成されたカバー本体210を有する。ステータ本体の第1のプラスチック材料は、プラスチック溶接部Pによって、カバー本体の第2のプラスチック材料に取り付けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レゾルバ(10)であって、
第1のプラスチック材料から形成されたステータ本体(110)を有するステータ(100)と、
前記ステータ(100)の側面を覆うカバー(200)と
を備え、
前記カバー(200)は、第2のプラスチック材料から形成されたカバー本体(210)を有し、前記ステータ本体(110)の前記第1のプラスチック材料は、プラスチック溶接部(P)によって、前記カバー本体(210)の前記第2のプラスチック材料に取り付けられている、レゾルバ(10)。
【請求項2】
前記第1のプラスチック材料は、前記第2のプラスチック材料と同じ材料である、請求項1に記載のレゾルバ(10)。
【請求項3】
前記カバー本体(210)は、ステータ受入空間(216)を画定する縁壁(214)を含むステータ受入部(212)を有し、前記ステータ(100)は、前記縁壁(214)内に少なくとも部分的に位置決めされ、前記ステータ受入空間(212)において前記カバー(200)に取り付けられている、請求項1に記載のレゾルバ(10)。
【請求項4】
前記ステータ受入部(212)は、前記ステータ受入部(212)内に配置され、かつ溝(222)によって前記縁壁(214)から分離されたリップ(220)を有し、前記ステータ本体(110)の端部が、前記溝(222)に少なくとも部分的に受け入れられ、前記プラスチック溶接部(P)は、前記カバー本体(210)と前記ステータ本体(110)の前記端部との間で前記溝(222)に形成されている、請求項3に記載のレゾルバ(10)。
【請求項5】
前記カバー本体(210)は、前記縁壁(214)から延び、かつ前記ステータ(100)の前記側面を覆うキャップ(224)を有する、請求項3に記載のレゾルバ(10)。
【請求項6】
前記カバー本体(210)は、前記ステータ受入部(212)と一体形成され、かつ前記ステータ受入部(212)から延びる接続部(230)を有し、前記接続部(230)は、前記ステータ受入部(212)に近接したステータインターフェース(238)と、前記ステータ受入部(212)から離れたコネクタインターフェース(232)とを有する、請求項3に記載のレゾルバ(10)。
【請求項7】
前記コネクタインターフェース(232)は、相手側コネクタ受入空間(234)を画定する、または複数のリード線(236)に接続されている、請求項6に記載のレゾルバ(10)。
【請求項8】
前記カバー(200)は、前記カバー本体(210)に取り付けられ、かつ前記ステータ受入部(216)および前記ステータインターフェース(238)を囲むガスケット(240)を有する、請求項6に記載のレゾルバ(10)。
【請求項9】
前記ステータ(100)は、前記ステータ本体(110)内に配置された複数のステータプレート(130)を有する、請求項1に記載のレゾルバ(10)。
【請求項10】
前記ステータ本体(110)は、ロータ受入空間(112)を画定するフレーム(114)と、前記フレーム(114)から前記ロータ受入空間(112)内へ延びる複数の極(120)とを有する、請求項9に記載のレゾルバ(10)。
【請求項11】
前記ステータプレート(130)のそれぞれが、前記フレーム(114)に配置された外側部分(134)と、前記複数の極(120)のうちの1つに配置された突起(136)とを有し、前記ステータ(100)は、前記極(120)のうちの1つの周りにそれぞれ配置された複数のワイヤ(140)を有する、請求項10に記載のレゾルバ(10)。
【請求項12】
レゾルバ(10)を製造する方法であって、
第1のプラスチック材料から形成されたステータ本体(110)を有するステータ(100)を設けることと、
第2のプラスチック材料から形成されたカバー本体(210)を有するカバー(200)を設けることと、
前記ステータ(100)の側面を覆うように前記カバー(200)を位置決めすることと、
前記ステータ本体(110)の前記第1のプラスチック材料を前記カバー本体(210)の前記第2のプラスチック材料にプラスチック溶接することと
を含む、方法。
【請求項13】
前記プラスチック溶接は、超音波溶接、スピン溶接、または熱板溶接によって行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のプラスチック材料および前記第2のプラスチック材料のうちの一方が透過性であり、前記プラスチック溶接はレーザ溶接によって行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記カバー(200)は、前記カバー本体(210)に成形された複数の端子(250)を有する、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レゾルバに関し、より詳細には、互いに取り付けられたレゾルバのステータおよびカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
レゾルバは、一般に、ステータと、ステータ内に配置されたロータと、用途によっては、ステータおよびロータが位置決めされる外部カバーとを備える。ステータは、カバーに取り付けられ、ロータの周りに位置決めされ、ロータは、通常、例えばモータまたはトランスミッションの駆動ユニットのシャフトの端部に取り付けられる。ステータは、ロータの回転位置および回転速度を検出する。カバーは、埃または水などの環境状態が、ステータ測定の精度に影響を及ぼすことを防ぐ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
カバーは、通常、金属材料から形成され、ステータは、ねじまたはボルトによってカバーに固定される。しかしながら、留め具を金属カバーと共に使用すると、レゾルバの重量、材料コスト、渦電流干渉、および組立時間が増加する。さらに、ステータが部分的にプラスチック材料から形成される場合、留め具はプラスチックの耐久性を低下させ、ステータとカバーとの境界面における材料の差により、熱膨張時に損傷が生じることがある。加えて、カバーの金属材料は、機械的保護をもたらすが、レゾルバの部品にオーバモールドすることができない。これらの要因はすべて、レゾルバの精度低下およびコスト増加を引き起こす。
【課題を解決するための手段】
【0004】
レゾルバは、第1のプラスチック材料から形成されたステータ本体を有するステータと、ステータの側面を覆うカバーとを備える。カバーは、第2のプラスチック材料から形成されたカバー本体を有する。ステータ本体の第1のプラスチック材料は、プラスチック溶接部によって、カバー本体の第2のプラスチック材料に取り付けられている。
【0005】
以下で、添付図面を参照しながら、本発明を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態によるレゾルバの斜視図である。
図2】レゾルバのステータの斜視図である。
図3】レゾルバのカバーの斜視図である。
図4】カバーに取り付けられたステータの側断面図である。
図5】別の実施形態によるレゾルバの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下で、添付図面を参照しながら、本開示の例示的な実施形態について詳細に説明する。図中、同一の参照数字は同一の要素を指す。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が当業者に本開示の概念を伝えるように提供される。加えて、以下の詳細な説明では、説明の目的で、開示する実施形態の徹底的な理解をもたらすために、多数の具体的な詳細を記載する。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても1つまたは複数の実施形態を実施することもできることが明らかであろう。
【0008】
図面全体を通じて、図面を明確にするために、複数の同一の要素のうちの1つのみが図中で符号付けされることがあるが、本明細書の要素の詳細な説明は、図中に同一に現れる要素のそれぞれに同様に当てはまる。明細書全体を通じて、「回転軸」などの方向の記述子(descriptor)が使用される。これらの記述子は、単に説明を明確にするため、および様々な方向を区別するためのものである。これらの方向の記述子は、開示する要素の特定の向きを示唆または要求するものではない。
【0009】
実施形態によるレゾルバ10が、図1に示されている。レゾルバ10は、ステータ100と、ステータ100を覆うカバー200と、ステータ100内に配置されたロータ300とを備える。ロータ300は、ステータ100およびカバー200に対して回転可能であり、ステータ100は、ロータ300の回転位置および/または回転速度を示す出力を有する。
【0010】
実施形態において、レゾルバ10は、電気車両のモータまたはトランスミッションなどの駆動ユニットのシャフトの端部に配置される。本実施形態において、ロータ300はシャフトに取り付けられ、ステータ100は、ロータ300を介して駆動ユニットのシャフトの速度および位置を測定する。カバー200は、駆動ユニットとは反対のステータ100の側面を覆う。本実施形態において、カバー200をシャフトカバー200の端部と呼ぶことができる。
【0011】
図1および図2に示すように、ステータ100は、ステータ本体110と、ステータ本体110内に配置された複数のステータプレート130と、ステータ本体110の周りに配置された複数のワイヤ140とを含む。図2に示す組み立てられたステータ100は、回転軸Aに沿って、第1の側面150と、第1の側面150とは反対の第2の側面160とを有する。
【0012】
図2に示すように、ステータ本体110は、ロータ受入空間112を画定するフレーム114を有する。フレーム114は、回転軸Aに沿って延びる方向に、上部116と、上部116とは反対の下部117とを有する。フレーム114は、下部117によって形成された、回転軸Aに沿った端部118を有する。フレーム114の下部117は、下部117の周りで周方向に均等に離間し、かつ下部117から突出する複数の位置決め突起119を有する。
【0013】
ステータ本体110は、フレーム114からロータ受入空間112内へ延びる複数の極120を有する。極120は、ロータ受入空間112に面したフレーム114の側面に、周方向に間隔をおいて配置されている。
【0014】
フレーム114および極120を含むステータ本体110は、第1のプラスチック材料から形成されている。実施形態において、第1のプラスチック材料は、ポリフタルアミド(PPA)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、またはポリエステルなどのポリマーである。実施形態において、ステータ本体110は、後述するオーバモールドなどによって、第1のプラスチック材料から一体部品に一体形成されている。別の実施形態において、ステータ本体110を、第1のプラスチック材料の複数の部品から形成し、互いに組み立てて、本明細書に記載のステータ本体110を形成することができる。
【0015】
図2に示すように、ステータプレート130は、フレーム114の上部116と下部117との間で、ステータ本体110内に配置されている。ステータプレート130はそれぞれ、回転軸Aに沿って延びる方向にプレート厚さ132を有する。上部116と下部117との間のステータプレート130の数は、異なる用途のための異なる実施形態において変化し得るが、プレート厚さ132は同じままであり、異なる実施形態において回転軸Aに沿ったステータプレート130の異なる全厚133と、回転軸Aに沿ったステータ100の異なる寸法とをもたらす。
【0016】
図2に示すように、ステータプレート130はそれぞれ、外側部分134と、外側部分134から延びる複数の突起136とを有する。外側部分134は、上部116と下部117との間でフレーム114に配置され、突起136のそれぞれが、複数の極120のうちの1つに配置されている。実施形態において、ステータプレート130はそれぞれ互いに同一である。
【0017】
ステータプレート130は、ケイ素鋼などの導電性材料から形成されている。ステータプレート130を、導電性材料から一体部品に一体形成することができ、または導電性材料の複数の別個の部品に形成して互いに取り付けることができる。
【0018】
図2に示すように、ワイヤ140はそれぞれ、極120のうちの1つの周りに配置されている。実施形態において、ワイヤ140はそれぞれ、極120に巻き付けられた銅材料である。
【0019】
図1および図3に示すように、カバー200は、ステータ受入部212と、ステータ受入部212から延びる接続部230とを有するカバー本体210を含む。ステータ受入部212および接続部230を含むカバー本体210は、第2のプラスチック材料から形成されている。実施形態において、第2のプラスチック材料は、ポリフタルアミド(PPA)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、またはポリエステルなどのポリマーである。実施形態において、第2のプラスチック材料は、フレーム114の第1のプラスチック材料と同じ材料である。別の実施形態において、第2のプラスチック材料は、第1のプラスチック材料とは異なる材料であるが、両方の材料が同じ熱膨張特性を有する。
【0020】
ステータ受入部212および接続部230を含むカバー本体210を、第2のプラスチック材料から一体部品に一体形成することができる。別の実施形態において、ステータ受入部212と接続部230とを第2のプラスチック材料から別個に形成し、互いに取り付けることができる。
【0021】
図3および図4に示すように、ステータ受入部212は、ステータ受入空間216を画定する縁壁214を有する。縁壁214は、縁壁214に沿って周方向に均等に離間し、かつ縁壁214内に延びる複数の位置決め凹部218を有し、位置決め凹部218はステータ受入空間216に面している。ステータ受入部212は、ステータ受入部212内に配置され、かつ溝222によって縁壁214から分離されたリップ220を有する。カバー本体210は、縁壁214からドーム状に延び、かつステータ受入空間216の一端部を取り囲むキャップ224を有する。
【0022】
図3および図4に示すように、接続部230は、ステータ受入部212に近接したステータインターフェース238と、ステータ受入部212から離れたコネクタインターフェース232とを有する。図3および図4に示す実施形態において、コネクタインターフェース232は、レゾルバ10に嵌合可能な相手側コネクタを受け入れることのできる相手側コネクタ受入空間234を有する。
【0023】
図3および図4に示すように、カバー200は、カバー本体210の接続部230に配置された複数の端子250を有する。端子250はそれぞれ、第1の端部252と、反対の第2の端部254とを有する。端子250はそれぞれ、アルミニウムなどの導電性材料から形成されている。図3および図4に示す実施形態において、端子250のそれぞれの第1の端部252は、ステータインターフェース238に配置され、端子250のそれぞれの第2の端部254は、コネクタインターフェース232に配置されている。実施形態において、カバー本体210は、端子250の周りに成形されている。
【0024】
ステータインターフェース238における端子250のそれぞれの第1の端部252は、極120に巻き付けられた複数のワイヤ140のうちの1つに電気的および機械的に接続されている。図1および図4に示す実施形態において、ポッティング260をステータインターフェース238に充填して、端子250の第1の端部252を封じ込めることができる。
【0025】
図1に示すように、ロータ300は、ケイ素鋼などの導電性材料から形成され、回転軸Aを中心に回転可能である。図示の実施形態において、ロータ300は、それぞれ互いに同一の複数のロータプレート310から形成され、ロータプレート310は、積み重ねられて互いに取り付けられている。異なる実施形態および異なる用途において、異なる数のロータプレート310を積み重ね、取り付けて、ロータ300を形成することができ、異なる実施形態は、回転軸Aに沿って異なる寸法を有する。
【0026】
次に、主に図1および図4を参照しながら、レゾルバ10を製造する方法について詳細に説明する。
【0027】
前述したように、ステータプレート130がステータ本体110内に配置された、ステータ100が形成される。ステータ本体110を、ステータプレート130の周りにオーバモールドして、図2に示すようなステータ100を形成することができる。別の実施形態において、フレーム114の上部116と下部117とを別個に形成し、ステータプレート130の周りに取り付けることができる。その後、ステータプレート130がステータ本体110内に配置された状態で、ワイヤ140がステータ本体110の極120に巻き付けられる。
【0028】
図4に示すように、ステータ100が図2に示すように形成された状態で、ステータ100の第1の側面150が、カバー200のステータ受入空間216に位置決めされる。ステータ100は、少なくとも部分的に縁壁214内に位置決めされ、フレーム114の下部117によって形成されたステータ本体110の端部118が、少なくとも部分的に溝222に受け入れられる。実施形態において、位置決め突起119が位置決め凹部218に受け入れられて、ステータ100をカバー200に対して正確に配置する。ステータ100は、キャップ224がステータ100の第1の側面150を覆う状態で、カバー200に位置決めされる。
【0029】
ステータ100は、図4に示す位置で、ステータ本体110の第1のプラスチック材料とカバー本体210の第2のプラスチック材料との間に形成されたプラスチック溶接部Pによって、ステータ受入空間216においてカバー200に取り付けられ固定される。図4に、プラスチック溶接部Pの例示的な領域が、破線の楕円で示されている。プラスチック溶接部Pは、カバー本体210とステータ本体110の端部118との間の溝222に形成される。プラスチック溶接部Pは、ステータ100をカバー200に確実に取り付け、カバー200に対するステータ100の位置を固定する。
【0030】
様々な実施形態において、プラスチック溶接部Pを、いくつかの異なるプロセスによって形成することができる。
【0031】
実施形態において、図4に示すようにステータ100がカバー200に位置決めされた状態で、プラスチック溶接部Pは、超音波溶接によって形成される。超音波溶接に必要な超音波振動を発生させる超音波ホーンを、ステータ100およびカバー200の内側または外側に位置決めすることができる。
【0032】
別の実施形態において、プラスチック溶接部Pは、スピン溶接によって形成され、この場合、図4に示すように位置決めされたステータ100またはカバー200が、時計方向または反時計方向に回転され、ステータ100およびカバー200のうちの他方が固定されたままである。本実施形態において、フレーム114の下部117の位置決め突起119は省略されて、カバー200に対するステータ100の回転を可能にする。回転からの摩擦により、プラスチック溶接部Pを形成する。
【0033】
別の実施形態において、ステータ本体110は、図4に示す位置でカバー本体210にレーザ溶接される。本実施形態において、ステータ本体110の第1のプラスチック材料およびカバー本体210の第2のプラスチック材料のうちの一方が、レーザ透過材料であり、第1のプラスチック材料および第2のプラスチック材料のうちの他方が、レーザ吸収材料である。レーザは、レーザ透過材料を透過し、レーザ吸収材料によって吸収され、レーザ吸収材料を加熱してプラスチック溶接部Pを形成する。
【0034】
別の実施形態において、プラスチック溶接部Pは、熱板溶接によって形成される。図4に示す位置に組み立てられる前に、熱板が、ステータ100とカバー200との間に位置決めされる。ステータ本体110の第1のプラスチック材料およびカバー本体210の第2のプラスチック材料のうちの少なくとも一方が、熱板によって融解し、その後、図4に示す位置で、ステータ100がカバー200に押し付けられて、プラスチック溶接部Pを形成する。
【0035】
上記のプロセスは、例示的なものであり、プラスチック溶接の他の方法を単独でまたは組み合わせて使用して、ステータ100とカバー200との間にプラスチック溶接部Pを形成することができる。超音波溶接、レーザ溶接、および熱板溶接などを用いる一部の実施形態において、ステータ本体110を、縁壁214およびステータ受入空間216の周囲全体に沿ってカバー本体210にプラスチック溶接することができ、または、縁壁214およびステータ受入空間216の周囲の一部に沿って選択的にカバー本体210にプラスチック溶接することができる。
【0036】
図4に示すようにステータ100がカバー200内に固定された状態で、図1に示すように、ロータ300が、ステータ100のロータ受入空間112に配置されて、レゾルバ10の組立てを完了する。ロータ300は、ステータ100およびカバー200に対して回転可能である。ロータ300が回転すると、ステータ100の磁界が極120で変化し、2つの電圧出力信号がワイヤ140によって端子250に伝送される。図1図4に示す実施形態において、その後、相手側コネクタをコネクタインターフェース232の相手側コネクタ受入空間234に接続することによって、電圧出力信号に基づくロータ300の回転位置および/または回転速度計算のために、制御ユニットへと外部に向けて出力をさらに伝送することができる。
【0037】
別の実施形態によるレゾルバ10が、図5に示されている。同一の参照数字は同一の要素を指し、ここでは主に、図1に示す実施形態との違いについて詳細に説明する。
【0038】
図5に示す実施形態において、カバー200は、カバー本体210に取り付けられたガスケット240を有する。図示の実施形態において、ガスケット240は、ステータ受入部212とステータインターフェース238とを囲む。ガスケット240は、弾性圧縮性材料から形成されている。
【0039】
図5に示す実施形態の接続部230は、図1の実施形態と同様に、ステータ受入部212と一体形成され、ステータ受入部212から延びるが、コネクタインターフェース232の形態が、図1の実施形態とは異なる。図5に示す実施形態のコネクタインターフェース232は、複数のリード線236との接続部である。本実施形態のコネクタインターフェース232を、フライングリードコネクタと呼ぶことができる。コネクタインターフェース232の様々な実施形態により、異なる用途において、レゾルバ10を外部に接続することができる。
【0040】
本発明の実施形態によるレゾルバ10において、ステータ本体110とカバー本体210とのプラスチック溶接部Pは、ボルトまたはねじなどの別個の留め具を使用することなく、カバー200におけるステータ100の位置を強固かつ正確に固定する。したがって、プラスチック溶接部Pは、追加の留め具部品を使用する費用および手間を必要とすることなく、振動および他の環境影響を通して高い精度を維持し、例えば、ステータ本体110とカバー本体210との熱膨張の差の影響を最小限に抑える。さらに、カバー本体210のプラスチック材料は、材料の利点の中でも特に、より一般的に使用されている金属カバー材料に比べて、安価で軽量であり、高い絶縁耐力を有し、渦電流干渉がない。加えて、カバー本体210のステータ受入部212との接続部230を形成し、端子250を接続部230に組み込むことにより、レゾルバ10の大きさおよび複雑さを低減させる。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】