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特開2024-109091量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイおよびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109091
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240805BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20240805BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20240805BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20240805BHJP
   H10K 50/115 20230101ALI20240805BHJP
   H05B 33/26 20060101ALI20240805BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20240805BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20240805BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20240805BHJP
   H10K 50/15 20230101ALI20240805BHJP
   H05B 33/28 20060101ALI20240805BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20240805BHJP
   H10K 71/16 20230101ALI20240805BHJP
   H10K 71/12 20230101ALI20240805BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240805BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20240805BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240805BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20240805BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
G09F9/30 330
H05B33/14 Z
H05B33/02
H05B33/12 B
H10K50/115
H05B33/26 Z
H05B33/04
H05B33/10
H05B33/22 A
H05B33/22 D
H05B33/28
H10K77/10
H10K71/16
H10K71/12
G09F9/30 310
G09F9/30 349Z
G09F9/30 349D
G09F9/30 309
G09F9/00 338
G09F9/33
G09F9/30 348A
G09F9/30 349B
H01L33/00 L
H01L33/50
G02B5/20
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024011242
(22)【出願日】2024-01-29
(31)【優先権主張番号】202310048013.5
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524039001
【氏名又は名称】安徽熙泰智能科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】王仕偉
(72)【発明者】
【氏名】鄭本培
(72)【発明者】
【氏名】劉成元
(72)【発明者】
【氏名】馮▲ロ▼陽
(72)【発明者】
【氏名】劉勝芳
(72)【発明者】
【氏名】趙錚涛
【テーマコード(参考)】
2H148
3K107
5C094
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
2H148AA07
2H148AA18
3K107AA05
3K107BB01
3K107CC21
3K107CC45
3K107DD03
3K107DD14
3K107DD39
3K107DD44X
3K107DD44Z
3K107DD46Y
3K107DD57
3K107DD71
3K107DD74
3K107DD84
3K107EE06
3K107EE07
3K107EE33
3K107EE43
3K107EE46
3K107EE55
3K107EE65
3K107FF15
3K107GG03
3K107GG04
3K107GG07
3K107GG37
5C094AA05
5C094AA22
5C094AA37
5C094AA42
5C094BA25
5C094CA19
5C094DA07
5C094DA12
5C094DA15
5C094DB01
5C094DB04
5C094EA05
5C094EA07
5C094EB05
5C094ED03
5C094ED11
5C094ED20
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB01
5C094FB02
5C094FB12
5C094FB15
5C094GB10
5C094JA08
5F142DA64
5F142DB54
5F142EA02
5F142EA34
5F142GA01
5G435AA03
5G435AA17
5G435BB04
5G435CC09
5G435FF03
5G435GG43
5G435HH05
5G435HH12
5G435HH14
5G435HH20
5G435KK05
5G435KK10
(57)【要約】
【課題】本発明は、量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイを開示する。
【解決手段】前記量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイは、CMOSウェハ基板と、アノードビアホールと、発光ユニットとを含み、CMOSウェハ基板内にタングステン孔が設置され、アノードビアホールはCMOSウェハ基板内部に設置され、アノードビアホールは、タングステン孔を介してCMOSウェハ駆動回路に電気的に接続され、アノードビアは、CMOSウェーハ基板の表面から始まるブラインドビアであり、CMOSウェハ基板上のアノードビアホールの表面には発光ユニットが設けられ、アノードビアホールを介して発光ユニットに駆動電流信号が供給される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイであって、
CMOSウェハ基板1と、アノードビアホール2と、発光ユニットとを含み、
前記CMOSウェハ基板1内にタングステン孔が設けられ、
前記アノードビアホール2は、CMOSウェハ基板1の内部に設けられ、
前記アノードビアホール2は、前記タングステン孔を介してCMOS CMOSウェハ基板1内の駆動回路に電気的に接続され、
前記アノードビアホール2はCMOSウェハ基板表面に貫通接続し、
前記CMOSウェハ基板1上のアノードビアホール2の表面に発光ユニットが設けられ、前記アノードビアホール2を介して発光ユニットに駆動電流信号が供給されることを特徴とする量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイ。
【請求項2】
前記発光ユニットは、LED青色発光ユニット3、量子ドット第1発光ユニット4および量子ドット第2発光ユニット5を含み、
量子ドット第1発光ユニット4が緑色の光を発光し、量子ドット第2発光ユニット5が赤色の光を発光するように設定し、
または、量子ドット第1発光ユニット4が赤色の光を発光し、量子ドット第2発光ユニット5が緑色の光を発光するように設定し、
または、量子ドット第1発光ユニット4とLED青色発光ユニット3のみを組み合わせて2色発光ユニットを形成し、量子ドット第1発光ユニット4が緑色の光または赤色の光を発光するように設定し、
または、量子ドット第2発光ユニット5とLED青色発光ユニット3のみを組み合わせて2色発光ユニットを形成し、量子ドット第2発光ユニット5が緑色の光または赤色の光を発光するように設定することを特徴とする請求項1に記載の量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイ。
【請求項3】
前記量子ドット第1発光ユニット4は、下から上へ順に設置された第1発光ユニットアノード401、第1発光ユニット正孔注入層402、第1発光ユニット正孔輸送層403、量子ドット第1発光層404、第1発光ユニット電子輸送層405および第1発光ユニット層406を含み、
前記量子ドット第2発光ユニット5は、下から上へ順に設置された第2発光ユニットアノード501、第2発光ユニット正孔注入層502、第2発光ユニット正孔輸送層503、量子ドット第2発光層504、第2発光ユニット電子輸送層505および第2発光ユニット層506を含むことを特徴とする請求項2に記載の量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイ。
【請求項4】
前記CMOSウェハ基板1上の並列のアノードビアホール2表面に、LED青色発光ユニット3、量子ドット第1発光ユニット4および量子ドット第2発光ユニット5それぞれが配置され、
前記LED青色発光ユニット3と、前記量子ドット第1発光ユニット4と、前記量子ドット第2発光ユニット5との間に間隔があることを特徴とする請求項3に記載の量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイ。
【請求項5】
CMOSウエハ基板1全体、前記LED青色発光ユニット3、前記量子ドット第1発光ユニット4、および前記量子ドット第2発光ユニット5上に透明導電膜ITOが蒸着されて、共通のカソードが形成され、
前記LED青色発光ユニット3と、前記量子ドット第1発光ユニット4と、前記量子ドット第2発光ユニット5との間の領域の透明導電膜ITO表面に、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Tiのうちの1つ以上の金属が蒸着されて、1つ以上の金属層が形成され、相互接続電極が形成されることを特徴とする請求項4に記載の量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイ。
【請求項6】
前記CMOSウェハ基板1上のアノードビアホール2表面にLED青色発光ユニット3が配置され、PECVDまたはALDにより、前記LED青色光ユニット3側壁に1層のパッシベーション層が蒸着され、
前記量子ドット第1発光ユニット4および前記量子ドット第2発光ユニット5は、前記LED青色発光ユニット3の上部に配置され、
前記量子ドット第1発光ユニット4と前記量子ドット第2発光ユニット5との間に間隔があることを特徴とする請求項3に記載の量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイ。
【請求項7】
前記LED青色発光ユニット3の上面にLED青色発光ユニット3の透明カソード層が蒸着され、透明カソード層の表面に反射層11が蒸着され、反射層11の長さはLED青色光ユニット3の長さより短く、
前記量子ドット第1発光ユニット4および前記量子ドット第2発光ユニット5は、前記反射層11の上面に配置され、
前記量子ドット第1発光ユニット4および前記量子ドット第2発光ユニット5のアノードは、それぞれCMOSウェハ基板1上のアノードビアホール2に電気的に接続されることを特徴とする請求項6に記載の量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイ。
【請求項8】
前記LED青色光ユニット外周の上面に、LED青色発光ユニットカソード10が蒸着され、前記LED青色発光ユニット3の左右両側それぞれに反射レンズ8が配置され、
前記CMOSウェハ基板、前記量子ドット第1発光ユニット4、前記量子ドット第2発光ユニット5および前記LED青色発光ユニットカソード10上に、共通のカソードとする透明導電膜ITOが蒸着され、
前記量子ドット第1発光ユニット4と前記量子ドット第2発光ユニット5との間の透明導電膜ITO表面に、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Tiのうちの1つ以上の金属が蒸着され、1つ以上の金属層が形成されて相互接続電極が形成されることを特徴とする請求項7に記載の量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイ。
【請求項9】
充填層(6)およびカバーガラス(7)をさらに含み、
前記充填層(6)はOC接着剤で形成され、CMOSウェハ基板(1)と発光ユニットの表面全体に塗布され、
前記カバーガラス(7)は封止のために装置全体に覆われていることを特徴とする請求項1に記載の量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイ。
【請求項10】
請求項1に記載の量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイの製造方法であって、
CMOSウェハ基板1および青色LEDエピタキシャルウェハを用意し、CMOSウェハ基板1と青色LEDエピタキシャルウェハを金属接合した後、LEDエピタキシャルウェハ基板を除去し、フォトリソグラフィーとエッチングプロセスを通じてピクセルパターニングを行い、青色発光ユニット3を有するシリコン系CMOSウェハを形成し、IBE工程でCMOSウェハ表面の金属をエッチングし、LED青色発光ユニット3、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5にある金属のみを残し、ここで、各発光ユニットのサイズは0.1~30umであり、発光ユニット間の間隔は0.01-5umであるS1と、
スパッタ工程でITOを蒸着し、黄色光、エッチング工程で量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5にある金属上方にITO層を形成するS2と、
溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程でITO層表面にPEDOT:PSSを蒸着し、厚さ30nmの正孔注入層を形成するS3と、
溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程で正孔注入層上にTFBを蒸着し、厚さ30nmの正孔輸送層を形成するS4と、
正孔輸送層上の量子ドット第1発光ユニット4位置または、量子ドット第2発光ユニット5において、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程でDICTRz:CdSe/CdSを蒸着し、厚さ40nmの正孔輸送層を形成するS5と、
正孔輸送層上の量子ドット第2発光ユニット5位置または、量子ドット第1発光ユニット4において、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程でCdSe/CdSまたは、InP量子ドットを蒸着し、厚さ40nmの正孔輸送層を形成するS6と、
溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程で量子ドット発光層上にZnOを蒸着し、厚さ30nmの電子輸送層を形成するS7と、
フォトリソグラフィーおよび有機溶媒を用いた化学エッチングにより、LED青色発光ユニット表面からS2追従工程で蒸着した物質を除去し、または、LED青色発光ユニット3と、量子ドット第1発光ユニット4と、量子ドット第2発光ユニット5との間の蒸着した物質を同時に除去し、量子ドット第1発光ユニット4および量子ドット第2発光ユニット5を形成するS8と、
スパッタ工程により、青色発光ユニット3、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5表面に20-1000nm厚さの透明導電膜ITOを蒸着し、共通のカソードを形成するS9とを含むことを特徴とする量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイの製造方法。
【請求項11】
LED青色発光ユニット3と、量子ドット第1発光ユニット4と、量子ドット第2発光ユニット5との間の領域におけるITO表面に金属Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Tiのうちの1以上を蒸着し、1層以上の金属層を形成して、相互接続電極とすることを特徴とする請求項10に記載の量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイの製造方法。
【請求項12】
スピンコーティングまたはディスペンス工程により、OC接着剤によって形成された充填層6をウェハ表面に塗布し、その後、カバーガラス7を使用して装置全体を密閉することを特徴とする請求項10に記載の量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイの製造方法。
【請求項13】
請求項6に記載の量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイの製造方法であって、
CMOSウェハ基板1および青色LEDエピタキシャルウェハを用意し、CMOSウェハ基板1および青色LEDエピタキシャルウェハを金属接合した後、LEDエピタキシャルウェハ基板を除去し、フォトリソグラフィーとエッチングプロセスを通じてピクセルパターニングを行い、青色発光ユニット3を有するシリコン系CMOSウェハを形成し、IBE工程でCMOSウェハ表面の金属をエッチングし、LED青色発光ユニット3にある金属のみを残し、ALDまたはPECVDにより、青色発光ユニット3側壁に500nm厚さのSiOを蒸着し、さらに、フォトリソグラフィー、ドライエッチング工程により、パッシベーション層を形成するS21と、
スパッタ(sputer)により、LED青色発光ユニット3の上面に50-1000nmのITO、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの少なくとも1つを蒸着して、LED青色発光ユニット3の透明カソード層とするS22と、
透明カソード層の表面にDBR、ODR、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上を蒸着して、反射層11とし、黄色光とエッチング処理の後、反射層11の長さをLED青色光ユニット3の長さより約0.5-30um短くするS23と、
LED青色発光ユニット3の左右両側それぞれに反射レンズ8を配置し、
LED青色発光ユニットから発せられた光が、反射レンズ8表面に伝達されるまで、LED青色発光ユニットのアノードと反射層11で反射され、反射レンズ8が入射光を上面平行に出射するS24と、
PECVD、黄色光、エッチング工程で反射層11表面に50-100nmSiOを作製するS25と、
黄色光、蒸着、エッチング工程により、LED青色光ユニット外周層の上面に0.5-2umのMg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上の金属を蒸着して、LED青色発光ユニットカソード10を形成するS26と、
黄色光、蒸着、エッチング工程により、SiO表面に0.5-2umのMg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上を蒸着して、量子ドット第1発光ユニット4および量子ドット第2発光ユニット5のアノードそれぞれを作製し、量子ドット第1発光ユニット4および量子ドット第2発光ユニット5のアノードを、LED青色光ユニット3の両側のアノードにそれぞれ接続させるS27と、
ALDまたはPECVDにより、500nm厚さのSiOを蒸着し、さらに、フォトリソグラフィー、ドライエッチング工程により、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5アノードにあるSiO層をエッチングして除去し、量子ドット第1発光ユニット4および量子ドット第2発光ユニット5以外の位置のみを覆うS28と、
溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程により、量子ドット第1発光ユニット4および量子ドット第2発光ユニット5のアノード表面にPEDOT:PSSを蒸着し、厚さ30nmの正孔注入層を形成し、第1発光ユニット正孔注入層402および第2発光ユニット正孔注入層502を作製するS29と、
溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程で正孔注入層上にTFBを蒸着し、厚さ30nmの正孔輸送層を形成し、第1発光ユニット正孔輸送層403および第2発光ユニット正孔輸送層503を作製するS210と、
正孔輸送層上の量子ドット第1発光ユニット4位置または、量子ドット第2発光ユニット5位置において、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程でDICTRz:CdSe/CdS量子ドットを蒸着し、厚さ40nmの正孔輸送層を形成するS211と、
正孔輸送層上の量子ドット第2発光ユニット5位置または、量子ドット第1発光ユニット4位置において、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程でCdSe/CdSまたは、InP量子ドットを蒸着し、厚さ40nmの正孔輸送層を形成するS212と、
溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程で発光層上にZnOを蒸着し、厚さ30nmの電子輸送層を形成するS213と、
スパッタ工程でCMOSウエハ基板1全体、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5、LED青色発光ユニットカソード10およびカソードリング上に20-1000nm厚さの透明導電膜ITOを蒸着することにより、ウエハ基板上のカソードリングがLED青色発光ユニット3、量子ドット第1発光ユニット4および量子ドット第2発光ユニット5に同時に電力を供給して、共通のカソードを形成するS214と、
を含むことを特徴とする量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイの製造方法。
【請求項14】
量子ドット第1発光ユニット4と、量子ドット第2発光ユニット5との間の領域におけるITO表面に金属Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Tiのうちの1以上を蒸着し、1層以上の金属層を形成して、相互接続電極とすることを特徴とする請求項13に記載の量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイの製造方法。
【請求項15】
スピンコーティングまたはディスペンス工程により、OC接着剤によって形成された充填層6をウェハ表面に塗布し、その後、カバーガラス7を使用して装置全体を密閉することを特徴とする請求項14に記載の量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマイクロディスプレイ技術の分野に属し、特に量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロディスプレイは、現在流行している「メタバース」の概念への視覚的な入り口であるが、現在マイクロディスプレイに使用されている技術の主流はシリコン系液晶であるが、液晶ディスプレイは液晶のスイッチングによって表示を行うため、応答速度が遅く、高解像度を達成するのが難しく、スクリーンドアエフェクトなどの欠点がある。長時間の着用が困難で、より高度な「メタバース」で使用されているが、マイクロOLED(micro-OLED)、すなわち、シリコン系OLED技術は、量産段階に入ったものの、輝度が低く発光効率が低いという短所がある。マイクロLEDのマイクロディスプレイは「メタバース」応用に最適なマイクロディスプレイと考えられているが、カラー化は依然として難攻不落の課題である。従来の表示に適用する場合でも、高画素密度のマイクロディスプレイに適用する場合でも、マイクロディスプレイは、製造工程が複雑で製造歩留まりが低くなり、大量生産に適しない技術的欠陥がある。
【0003】
検索の結果、2019年12月13日に公開された特許文献1の中国の発明特許には、相変化材料と量子ドットに基づく表示装置が開示されていることが判明した。前記表示装置は表示ユニットを含む。前記表示ユニットは、多色量子ドットバックライトおよび相変化フィルタを含む。前記多色量子ドットバックライトは、基板および多色量子ドット発光素子を含み、当該多色量子ドット発光素子は、複数の光を放射するために前記基板の上面に配置される。前記相変化フィルタは、下から上に順番に配置された絶縁層、第1F-P共振空洞、相変化材料層、および第2F-P共振空洞を含む。相変化材料層に電圧を印加して電気刺激を行うか、レーザ光を照射してレーザ刺激を行い、前記相変化材料層がアモルファス状態と結晶状態との間で相互に変換する際の透過率の変化を利用して多色量子ドット発光素子が発する複色光をフィルタリングすることにより、所望の波長と強度の単色光を得て、さらに色の表示を実現する。しかし、量子ドット複色光中の青色材料の寿命と効率は依然として産業コストと性能の需要を満足させることができず、上述の技術的な問題を解決することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第201910816511号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の欠点を考慮して、本発明の目的は、構造が簡単で、使いやすく、製造歩留まりが高く、発光効果が良好な量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイを提供することである。本発明は、量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイの製造方法をさらに提供する。当該製造方法は、プロセスが単純で、容易に実現できる。本発明は、量子ドットと青色光LEDを組み合わせる方法を使用して、micro-LEDカラー化の難題と量子ドットの青色光寿命効率に関連する技術が未熟な技術短板を回避する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明の実施形態は、量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイを提供し、前記量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイは、CMOSウェハ基板、アノードビアホール、および発光ユニットを含み、前記CMOSウェハ基板内にタングステン孔が設置され、アノードビアホールはCMOSウェハ基板内部に設置され、アノードビアホールはタングステン孔を介してCMOSウェハ基板内の駆動回路に電気的に接続、アノードビアは、CMOSウェーハ基板の表面から始まるブラインドビアであり、CMOSウェハ基板上のアノードビアホールの表面には発光ユニットが設けられ、アノードビアホールを介して発光ユニットに駆動電流信号が供給される。
【0007】
いくつかの実施形態では、当該量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイは、充填層およびカバーガラスをさらに含み、充填層はOC接着剤で形成され、CMOSウェハ基板と発光ユニットの表面全体に塗布され、カバーガラスは封止のために装置全体に覆われている。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記発光ユニットは、LED青色発光ユニット、量子ドット第1発光ユニットおよび量子ドット第2発光ユニットを含み、量子ドット第1発光ユニットが緑色の光を発光し、量子ドット第2発光ユニットが赤色の光を発光するように設定するか、または、量子ドット第1発光ユニットが赤色の光を発光し、量子ドット第2発光ユニットが緑色の光を発光するように設定するか、または、量子ドット第1発光ユニットとLED青色発光ユニットのみを組み合わせて2色発光ユニットを形成し、量子ドット第1発光ユニットは緑色の光または赤色の光を発光し、または、量子ドット第2発光ユニットとLED青色発光ユニットのみを組み合わせて2色発光ユニットを形成し、量子ドット第2発光ユニットは緑色の光または赤色の光を発光する。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記量子ドット第1発光ユニットは、下から上へ順に設置された第1発光ユニットアノード、第1発光ユニット正孔注入層、第1発光ユニット正孔輸送層、量子ドット第1発光層、第1発光ユニット電子輸送層および第1発光ユニット層を含み、前記量子ドット第2発光ユニットは、下から上へ順に設置された第2発光ユニットアノード、第2発光ユニット正孔注入層、第2発光ユニット正孔輸送層、量子ドット第2発光層、第2発光ユニット電子輸送層および第2発光ユニット層を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記CMOSウェハ基板上の並列アノードビアホールの表面にLED青色発光ユニット、量子ドット第1発光ユニットおよび量子ドット第2発光ユニットがそれぞれ設けられ、LED青色発光ユニットと、量子ドット第1発光ユニットと、量子ドット第2発光ユニットとの間には間隔が設けられる。
【0011】
いくつかの実施形態では、CMOSウエハ基板全体和LED青色発光ユニット、量子ドット第1発光ユニット、量子ドット第2発光ユニット上に透明導電膜ITOを蒸着して共通のカソードを形成し、LED青色発光ユニットと、量子ドット第1発光ユニット、量子ドット第2発光ユニットとの間の領域の透明導電膜ITO表面に、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Tiのうちの1つ以上の金属を蒸着し、1つ以上の金属層を形成して相互接続電極を形成する。
【0012】
上記の量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイに基づいて、本発明は、量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイの製造方法をさらに提供し、前記製造方法は以下のステップを含み、
S1、CMOSウェハ基板および青色LEDエピタキシャルウェハを用意し、CMOSウェハ基板と青色LEDエピタキシャルウェハを金属接合した後、LEDエピタキシャルウェハ基板を除去し、フォトリソグラフィーとエッチングプロセスを通じてピクセルパターニングを行い、青色発光ユニットを有するシリコン系CMOSウェハを形成し、IBE工程でCMOSウェハ表面の金属をエッチングし、LED青色発光ユニット、量子ドット第1発光ユニット、量子ドット第2発光ユニットにある金属のみを残し、ここで、各発光ユニットのサイズは0.1~30umであり、発光ユニット間の間隔は0.01-5umであり、
S2、スパッタ(sputer)工程でITOを蒸着し、黄色光、エッチング工程で量子ドット第1発光ユニット、量子ドット第2発光ユニットにある金属上方にITO層を形成し、
S3、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程でITO層表面にPEDOT:PSSを蒸着し、厚さ30nmの正孔注入層を形成し、
S4、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程で正孔注入層上にTFBを蒸着し、厚さ30nmの正孔輸送層を形成し、
S5、正孔輸送層上の量子ドット第1発光ユニット位置または量子ドット第2発光ユニット位置において、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程でDICTRz:CdSe/CdS量子ドット(赤色光量子ドットの発光波長が630nmである)を蒸着し、厚さ40nmの正孔輸送層を形成し、
S6、正孔輸送層上の量子ドット第2発光ユニット位置または量子ドット第1発光ユニット位置位置において、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程でCdSe/CdS、または、InP量子ドット(緑色光量子ドットの発光波長が540nmである)を蒸着し、厚さ40nmの正孔輸送層を形成し、
S7、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程で発光層上にZnOを蒸着し、厚さ30nmの電子輸送層を形成し、
S8、フォトリソグラフィーおよび有機溶媒を用いた化学エッチングにより、LED青色発光ユニット表面からS2追従工程で蒸着した物質を除去し、または、LED青色発光ユニットと、量子ドット第1発光ユニットと、量子ドット第2発光ユニットとの間の蒸着した物質を同時に除去し、量子ドット第1発光ユニットと量子ドット第2発光ユニットを形成し、
S9、スパッタ(sputer)工程によりCMOSウエハ基板全体、LED青色発光ユニット、量子ドット第1発光ユニットおよび量子ドット第2発光ユニット上に厚さ20~1000nmの透明導電膜ITOを蒸着し、共通のカソードを形成する。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記CMOSウェハ基板上のアノードビアホールの表面にLED青色発光ユニットを設置し、PECVDまたはALDにより、LED青色光ユニットの側壁にパッシベーション層が蒸着され、量子ドット第1発光ユニットおよび量子ドット第2発光ユニットはLED青色発光ユニットの上部に配置されており、量子ドット第1発光ユニットと量子ドット第2発光ユニットとの間に間隔が配置される。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記LED青色発光ユニットの上面にITO、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上を蒸着し、LED青色発光ユニットの透明カソード層を形成し、透明カソード層表面にDBR、ODR、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上を反射層として蒸着し、反射層の長さはLED青色光ユニットの長さより短く、量子ドット第1発光ユニットおよび量子ドット第2発光ユニットは、反射層の上面に配置され、量子ドット第1発光ユニットおよび量子ドット第2発光ユニットのアノードは、それぞれCMOSウェハ基板上のアノードビアホールに電気的に接続される。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記LED青色光ユニット外周の上面に0.5-2umのITO、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Ni金属のうちの1つまたは複数を蒸着して、LED青色発光ユニットカソードを形成し、LED青色発光ユニットの左右両側にそれぞれ反射レンズが配置され、CMOSウエハ基板全体、量子ドット第1発光ユニット、量子ドット第2発光ユニットおよびLED青色発光ユニットカソードに透明導電膜ITOを蒸着して共通のカソードとし、量子ドット第1発光ユニットと量子ドット第2発光ユニットとの間の透明導電膜ITO表面に、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Tiのうちの1つ以上の金属を蒸着し、1つ以上の金属層を形成して相互接続電極を形成する。
【0016】
量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイに基づいて、本発明はまた、量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイの製造方法にも関し、その製造方法は以下のステップを含み、
S21、CMOSウェハ基板および青色LEDエピタキシャルウェハを用意し、CMOSウェハ基板および青色LEDエピタキシャルウェハを金属で接合した後、LEDエピタキシャルウェハ基板を除去し、フォトリソグラフィーとエッチングプロセスを通じてピクセルパターニングを行い、青色発光ユニットを有するシリコン系CMOSウェハを形成し、IBE工程でCMOSウェハ表面の金属をエッチングし、LED青色発光ユニットにある金属のみを残し、ALDまたはPECVDにより、青色発光ユニットの側壁に500nm厚さのSiOを蒸着し、さらにフォトリソグラフィー、ドライエッチング工程により第1パッシベーション層を形成し、
S22、スパッタ(sputer)により、LED青色発光ユニット3の上面に50-1000nmのITO、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上を蒸着して、LED青色発光ユニットの透明カソード層とし、
S23、透明カソード層の表面にDBR、ODR、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上を蒸着して反射層とし、黄色光とエッチング処理の後、反射層の長さがLED青色光ユニットの長さより約0.5-30um短く、
S24、LED青色発光ユニットの左右両側にそれぞれ反射レンズが配置され、反射レンズは、Si酸窒化物をエッチングした後、その表面に反射金属を蒸着して形成され、LED青色発光ユニットから発せられた光が、反射レンズの表面に伝達されるまで、LED青色発光ユニットのアノードと反射層の間で反射され、反射レンズは、入射光を上面に平行に投射することができ、
S25、PECVD、黄色光、エッチング工程により反射層表面に50-100nmのSiOを作製し、
S26、黄色光、蒸着、エッチングなどの工程により、LED青色光ユニット外周層の上面に0.5-2umのMg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上の金属を蒸着して、LED青色発光ユニットカソードを形成し、
S27、黄色光、蒸着、エッチングなどの工程により、SiO表面に0.5-2umのMg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上を蒸着して、量子ドット第1発光ユニット、量子ドット第2発光ユニットのアノードそれぞれを作製し、また、量子ドット第1発光ユニット、量子ドット第2発光ユニットのアノードそれぞれは、LED青色光ユニットの両側のタングステン孔に接続され、
S28、ALDまたはPECVDにより、500nm厚さのSiOを蒸着し、さらに、フォトリソグラフィー、ドライエッチング工程により、量子ドット第1発光ユニット、量子ドット第2発光ユニットアノードにあるSiO層をエッチングして除去し、量子ドット第1発光ユニットおよび量子ドット第2発光ユニット以外の位置のみを覆い、
S29、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程により、量子ドット第1発光ユニットおよび量子ドット第2発光ユニットのアノード表面にPEDOT:PSSを蒸着し、厚さ30nmの正孔注入層を形成し、第1発光ユニット正孔注入層および第2発光ユニット正孔注入層を作製し、
S210、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程で正孔注入層上にTFBを蒸着し、厚さ30nmの正孔輸送層を形成し,第1発光ユニット正孔輸送層および第2発光ユニット正孔輸送層を作製し、
S211、正孔輸送層上の量子ドット第1発光ユニット位置または量子ドット第2発光ユニット位置において、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程でDICTRz:CdSe/CdS量子ドット(赤色光量子ドットの発光波長が630nmである)を蒸着し、厚さ40nmの正孔輸送層を形成し、
S212、正孔輸送層上の量子ドット第2発光ユニット位置または量子ドット第1発光ユニット位置位置において溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程でCdSe/CdSまたは、InP量子ドット量子ドット(緑色光量子ドットの発光波長が540nmである)を蒸着し、厚さ40nmの正孔輸送層を形成し、
S213、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程で発光層上にZnOを蒸着し、厚さ30nmの電子輸送層を形成し、
S214、スパッタ工程により、CMOSウエハ基板全体、量子ドット第1発光ユニット、量子ドット第2発光ユニット、LED青色発光ユニットカソードおよびカソードリング上に20-1000nm厚さの透明導電膜ITOを蒸着することにより、ウエハ基板上のカソードリングがLED青色発光ユニット、量子ドット第1発光ユニットおよび量子ドット第2発光ユニットに同時に電力を供給して、共通のカソードを形成できるようにする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の技術的解決策を採用する利点は次のとおりである。
【0018】
1、本発明は、量子ドットと青色光LEDを組み合わせる方法を使用して、マイクロLEDのカラー化の難題と量子ドットの青色光寿命効率が未熟な技術短板を回避する。当該量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイは、構造が簡単で、使いやすく、製造歩留まりが高く、発光効果も良好である。垂直構造の量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイ構造がさらに提案されており、ディスプレイPPI(画素密度)をさらに向上させる技術的効果を達成できる。
【0019】
2、本発明は、実績のある無機GaN系青色光LEDを赤色および緑色光量子ドット発光系技術と統合してカラーマイクロ表示装置を形成し、既存のGaN赤色の光効率が低いという技術的欠陥を克服し、無機LEDマイクロ表示装置の高効率表示を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例1による量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイの概略断面図である。
図2】本発明の実施例1による量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイの別の概略断面図である。
図3】本発明の実施例2による量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイ積層構造の概略上面図である。
図4図3のBB’に沿った概略断面図である。
図5図3のAA’に沿った概略断面図である。
図6】量子ドットエレクトロルミネッセンスユニットの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、添付の図面および特定の実施形態と併せて以下でさらに詳細に説明される。
【0022】
本発明では、用語「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「周回り」などで示す方位または位置関係は、本発明の説明を容易にするためのものであり、これは説明を簡略化するものであり、言及される装置または要素が特定の方向性を持たなければならないこと、特定の方向性で構築および動作しなければならないことを暗示または示唆するものではなく、したがって本発明の限定として理解することはできない。
【0023】
図1から図6に示すように、量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイは、CMOSウェハ基板1、アノードビアホール2および発光ユニットを含む。前記CMOSウェハ基板1内にタングステン孔が設けられ、アノードビアホール2は、CMOSウェハ基板1に配置され、前記アノードビアホール2は、タングステン孔を介してCMOSウェハ基板1内の駆動回路に電気的に接続される。アノードビアホール2はCMOSウェハ基板の表面から始まるブラインドビアであり、つまり、前記アノードビア2は、前記CMOSウエハ基板から開始するが、前記CMOSウエハ基板を貫通していない。CMOSウェハ基板1上のアノードビアホール2の表面に発光ユニットが設けられ、アノードビアホール2を介して発光ユニットに駆動電流信号が供給する。当該量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイはまた、充填層6およびカバーガラス7を含む。充填層6はOC接着剤により形成され、CMOSウェハ基板1および発光ユニット表面全体に塗布され、カバーガラス7を覆って装置全体を封止する。本発明は、量子ドットと青色光LEDを組み合わせる方法を使用して、マイクロLEDのカラー化の難題と量子ドットの青色光寿命効率が未熟な技術短板を回避する。当該量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイは、構造が簡単で、使いやすく、製造歩留まりが高く、発光効果も良好である。
【0024】
前記発光ユニットは、LED青色発光ユニット3、量子ドット第1発光ユニット4および量子ドット第2発光ユニット5を含む。量子ドット第1発光ユニット4は緑色の光を発光するものとする。量子ドット第2発光ユニット5は赤色の光を発光するものとする。または、量子ドット第1発光ユニット4は赤色の光を発光するものとする。量子ドット第2発光ユニット5は緑色の光を発光するものとする。または、量子ドット第1発光ユニット4およびLED青色発光ユニット3のみを組み合わせて2色発光ユニットを形成するように構成し、発光ユニット4は色の光または赤色の光を発光する。または、量子ドット第2発光ユニット5およびLED青色発光ユニット3のみを組み合わせて2色発光ユニットを形成するように構成し、量子ドット第2発光ユニット5は緑色の光または赤色の光を発光する。
【0025】
実施例1
CMOSウェハ基板1上の並列のアノードビアホール2表面にLED青色発光ユニット3、量子ドット第1発光ユニット4および量子ドット第2発光ユニット5がそれぞれ配置される。LED青色発光ユニット3と、量子ドット第1発光ユニット4と、量子ドット第2発光ユニット5の間には間隔がある。LED青色発光ユニット3、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5のサイズは0.1~10μmである。LED青色発光ユニット3と、量子ドット第1発光ユニット4と、量子ドット第2発光ユニット5との間の間隔は0.01-10umである。CMOSウエハ基板全体1、LED青色発光ユニット3、量子ドット第1発光ユニット4および量子ドット第2発光ユニット5に透明導電膜ITOを蒸着して、共通のカソードを形成する。LED青色発光ユニット3と、量子ドット第1発光ユニット4と、量子ドット第2発光ユニット5との間の領域の透明導電膜ITO表面に、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Tiのうちの1つ以上の金属を蒸着し、1つ以上の金属層を形成して相互接続電極を形成する。
【0026】
具体的には、量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイは、CMOSウェハ基板1を含む。前記CMOSウェハ基板1にアノードビアホール2が形成される。前記アノードビアホール2はCMOSウェハ基板の表面から始まるブラインドビア(すなわち、CMOSウエハ基板を貫通していない)である。アノードビアホール2を介して発光ユニットに駆動電流信号を供給することができる。並列のアノードビアホール2表面それぞれに、LED青色発光ユニット3、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5が配置される。ここで、量子ドット第1発光ユニット4が緑色の光を発光し、量子ドット第2発光ユニット5が赤色の光を発光するように設定することができる。または、量子ドット第1発光ユニット4が赤色の光を発光し、量子ドット第2発光ユニット5が緑色の光を発光するように設定することができ、フルカラー表示効果を達成する。同様に、量子ドット第1発光ユニット4およびLED青色発光ユニット3のみを組み合わせて2色発光ユニットを形成するように設定することもできるし、または、量子ドット第2発光ユニット5およびLED青色発光ユニット3のみを組み合わせて2色発光ユニットを形成するように設定することもできる。
【0027】
当該量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイの製造方法において、1つのCMOSウェハ基板1を用意し、前記CMOSウェハ基板1内部の内部にアノードビア2を形成し、前記アノードビアホール2はCMOSウェハ基板表面に貫通接続する。アノードビアホール2を介して発光ユニットに駆動電流信号を供給することができる。一般的に、アノードビアホール2はタングステン孔である。青色LEDエピタキシャルウェハを用意し、基板材料はエピタキシャル成長である。一般材料は、シリコン、サファイア、窒化ガリウム、炭化ケイ素などを含む。具体的な製造方法の手順は以下の通りである。
【0028】
S1、CMOSウェハ基板1の、タングステン孔を有する表面にTi/Pt/Au金属層を蒸着し、各金属層の対応する厚さはそれぞれ20nm/50nm/1000nmであり、上部CMOSウェハ基板1に金属接合を形成し、青色LEDエピタキシャルウェハ表面にITO/Cr/Al/Pt/Au金属層を蒸着し、各金属層の対応する厚さはそれぞれ50nm/20nm/200nm/50nm/1000nmであり、青色LEDエピタキシャルウェハに金属接合を形成し、CMOSウェハ基板1と青色LEDエピタキシャルウェハを接合し、LEDエピタキシャルウェハ基板を除去し、フォトリソグラフィーとエッチングプロセスを通じてピクセルパターニングを行い、青色発光ユニット3を有するシリコン系CMOSウェハを形成する。
【0029】
IBE(Ion Beam Etch,イオンビームエッチング)工程により、CMOSウェハ基板表面のTi/Pt/Au(20nm/50nm/1000nm)金属層をエッチングし、LED青色発光ユニット3、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5にある金属を残す。ここで、発光ユニットのサイズは0.1-10umであり、発光ユニットとの間の間隔は0.01-10umである。
【0030】
ALD(atomic layer deposition-原子層蒸着)または、PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition-プラズマ強化化学気相成長法)により、青色発光ユニット3側壁に500nm厚さのSiOを蒸着し、さらに、フォトリソグラフィー、ドライエッチング工程により、第1パッシベーション層9を形成する。
【0031】
S2、スパッタ(sputer)工程蒸着ITOを使用してITOを蒸着し、黄色光、エッチング工程を使用して、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5にある金属上にITO層を形成する。量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5の輝度をさらに改善するために、ITO層を蒸着する前に、Ag、Alなどの厚さ50~1000nmの高反射率の金属を蒸着することによって実現できる。
【0032】
S3、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程でITO層表面にPEDOT:PSSを蒸着し、厚さ30nmの正孔注入層を形成し、ここで、PEDOT:PSSは、PEDOTとPSSから構成される高分子ポリマーを指す。PEDOTはEDOT(3,4-エチレンジオキシチオフェンモノマー)のポリマーであり、PSSはポリスチレンスルホン酸である。
【0033】
S4、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程を用いて正孔注入層上にTFB(1,2,4,5-テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン)を蒸着し、厚さ30nmの正孔輸送層を形成する。
【0034】
S5、正孔輸送層上の量子ドット第1発光ユニット4の位置または量子ドット第2発光ユニット5の位置に、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程を用いてDICTRz:CdSe/CdS(赤色光量子ドットの発光波長は620-640nmである)を蒸着し、厚さ40nmの正孔輸送層を形成する。ここで、DICTRzは、12-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-11-フェニルインドロ[2,3-a]カルバゾールであり、CdSeはセレン化カドミウムであり、CdSは硫化カドミウムである。
【0035】
S6、正孔輸送層上量子ドット第2発光ユニット5の位置または量子ドット第1発光ユニット4の位置に、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程を用いてCdSe/CdSまたはInP量子ドット(緑色光量子ドットの発光波長は530-550nmである)を蒸着し、厚さ40nmの正孔輸送層を形成し、ここで、CdSeはセレン化カドミウムであり、CdSは硫化カドミウムであり、InPはリン化インジウムである。
【0036】
S7、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程で発光層上にZnOを蒸着し、厚さ30nmの電子輸送層を形成する。
【0037】
S8、フォトリソグラフィーおよび有機溶媒を用いた化学エッチングにより、LED青色発光ユニット表面からS2追従工程で蒸着した物質を除去し、LED青色発光ユニット3、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5との間の蒸着した物質を同時に除去し、量子ドット第1発光ユニット4および量子ドット第2発光ユニット5を形成する。具体的には、フォトリソグラフィーおよび有機溶媒を用いた化学エッチングにより、LED青色発光ユニット表面のステップS2~S7によって蒸着された材料を除去し、または、LED青色発光ユニット3、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5との間のS2~S7によって蒸着された材料を除去することもできる。
【0038】
S9、スパッタ工程により、青色発光ユニット3、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5表面を覆うように、20-1000nm厚さの透明導電膜ITOを蒸着して、共通のカソードを形成する。
【0039】
S10、LED青色発光ユニット3、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5との間の領域におけるITO表面に金属Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Tiのうちの1以上を蒸着し、1層以上の金属層を形成して、相互接続電極とすることもできる。これにより、各発光ユニットの光出力に影響を与えることなく、共通のカソードITOの導電性を高める。
【0040】
S11、スピンコーティングまたはディスペンス工程により、OC接着剤によって形成された充填層6をウェハ表面に塗布し、その後、カバーガラス7を使用して装置全体を密閉および保護する。
【0041】
実施例2
CMOSウェハ基板1上のアノードビアホール2表面にLED青色発光ユニット3を配置し、PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition-プラズマ強化化学気相成長法)またはALD(atomic layer deposition-原子層蒸着)により、LED青色光ユニット3側壁に1層のパッシベーション層を蒸着する。量子ドット第1発光ユニット4および量子ドット第2発光ユニット5は、LED青色発光ユニット3の上部に配置される。量子ドット第1発光ユニット4と量子ドット第2発光ユニット5との間に間隔がある。量子ドット第1発光ユニット4と量子ドット第2発光ユニット5との間の間隔は0.01-0.3umであり、LED青色光ユニット3のサイズは0.1~30umであり、量子ドット第1発光ユニット4および量子ドット第2発光ユニット5のサイズは0.1-20umである。
【0042】
LED青色発光ユニット3の上面にITO、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上を蒸着し、LED青色発光ユニット3の透明カソード層を形成する。透明カソード層の表面にDBR、ODR、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上を蒸着して、反射層11とする。反射層11の長さはLED青色光ユニット3の長ささよりも短く、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5は、反射層11の上面に配置される。量子ドット第1発光ユニット4および量子ドット第2発光ユニット5のアノードは、それぞれCMOSウェハ基板1上のアノードビアホール2に電気的に接続されている。
【0043】
前記LED青色光ユニット外周の上面に、0.5-2um厚さのITO、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上を蒸着して、LED青色発光ユニットカソード10を形成する。LED青色発光ユニット3の左右両側には反射レンズ8がそれぞれ設けられる。CMOSウエハ基板全体1、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5、LED青色発光ユニットカソード10上に、透明導電膜ITOを蒸着して共通のカソードとする。量子ドット第1発光ユニット4と量子ドット第2発光ユニット5との間の透明導電膜ITO表面に、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Tiのうちの1つ以上の金属を蒸着し、1つ以上の金属層を形成して相互接続電極を形成する。
【0044】
具体的には、量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイは、CMOSウェハ基板1を含む。前記CMOSウェハ基板1内部の内部にアノードビア2が形成され、前記アノードビアホール2はCMOSウェハ基板の表面から始まるブラインドビア(すなわち、CMOSウエハ基板を貫通していない)である。アノードビアホール2を介して発光ユニットに駆動電流信号を供給することができる。アノードビアホール2表面にLED青色発光ユニット3を配置し、PECVDまたはALDにより、LED青色光ユニット3側壁に1層のパッシベーション層を蒸着する。量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5はLED青色発光ユニット3の上部に配置される。並列のアノードビアホール2を介して、LED青色発光ユニット3,量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5を個別に制御することにより、AM量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイを形成する。または、LED青色発光ユニット3の表面に、量子ドット第1発光ユニット4または量子ドット第2発光ユニット5のみをを設定することに2色AM量子ドットハイブリッド集積型ディスプレイを形成する。量子ドット第1発光ユニット4が緑色の光を発光し、量子ドット第2発光ユニット5が赤色の光を発光するように設定することもできるし、量子ドット第1発光ユニット4が赤色の光を発光し、量子ドット第2発光ユニット5が緑色の光を発光するように設定することもでき、フルカラー表示効果を達成する。同様に、量子ドット第1発光ユニット4およびLED青色発光ユニット3のみを組み合わせて2色発光ユニットを形成するように設定することもできるし、または、量子ドット第2発光ユニット5およびLED青色発光ユニット3のみを組み合わせて2色発光ユニットを形成するように設定することもできる。
【0045】
図4では、青色発光ユニット3が金属接合工程を通じてCMOSウェハ基板アノードビアホール2の表面2と接合し、ここで、接合金属は、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niを含む。1つ以上の金属が1層以上の金属青色光LEDユニットのアノードを形成する。スパッタ(sputer)により、LED青色発光ユニット3の上面にITO、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上を蒸着して、LED青色発光ユニット3の透明カソード層とする。透明カソード層の表面にDBR、ODR、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上を蒸着して、反射層11とする。ここで、反射層11の長さは、LED青色光ユニット3の長さよりも短い。
【0046】
LED青色発光ユニット3の左右両側には、それぞれ反射レンズ8が設けられている。LED青色発光ユニットから発せられた光は、反射レンズ8表面に伝達するまでに、LED青色発光ユニットのアノードと反射層11との間で反射され、反射レンズ8は入射光をその上面平行に出射することができる。量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5は、反射層11の上面に配置される。反射層11が導電性金属である場合、反射層11と量子ドット発光ユニットとの間には絶縁媒体が存在する。絶縁媒体は、有機ポリマーまたはSiN、SiOなどであり得る。図3のB-B’方向では、図4に示すように、LED青色光ユニット外周の上面に0.5-2umのITO、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上を蒸着して、LED青色発光ユニットカソード10を形成する。
【0047】
図3のA-A’方向においては、図5に示すように、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5は、それぞれ反射層11の上面に位置している。量子ドット第1発光ユニット4および量子ドット第2発光ユニット5のアノードは、それぞれウェーハ基板のビアホール2を介してアノードビアホール2に電気的に接続されている。ここで、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5が占める面積は、必要に応じて設定することができ、例えば、緑色の光発光ユニットの面積は、反射層11の面積の2/3を占める。赤色の光発光ユニの面積は、反射層11の面積の2/3を占める。そして、CMOSウエハ基板全体1、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5、LED青色発光ユニットカソード10上に、20-1000nm厚さのITOを蒸着して、共通のカソードを形成し、LED青色発光ユニットカソード、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5をウェーハ基板のカソードリングに接続する。また、発光ユニットとの間のITO表面に、金属Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Tiのうちの1つ以上を蒸着して、1層以上の金属層を形成して、相互接続電極とし、各発光ユニットの光出力に影響を与えることなく、共通のカソードITOの導電性を高める。層表面に、スピンコーティングまたはディスペンス工程により、OC接着剤によって形成された充填層6をウェハ表面に塗布し、その後、カバーガラス7を使用して装置全体を密閉および保護する。
【0048】
量子ドット第1発光ユニット4は、下から上へ順に設置された第1発光ユニットアノード401、第1発光ユニット正孔注入層402、第1発光ユニット正孔輸送層403、量子ドット第1発光層404、第1発光ユニット電子輸送層405および第1発光ユニット層406を含む。前記量子ドット第2発光ユニット5は、下から上へ順に設置された第2発光ユニットアノード501、第2発光ユニット正孔注入層502、第2発光ユニット正孔輸送層503、量子ドット第2発光層504、第2発光ユニット電子輸送層505および第2発光ユニット層506を含む。ここで、発光ユニット正孔注入層と正孔輸送層との間は仕切られていてもいなくてもよい。
【0049】
当該量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイの製造方法において、1つのCMOSウェハ基板1を用意し、前記CMOSウェハ基板1内部の内部にアノードビア2を形成し、前記アノードビアホール2はCMOSウェハ基板の表面から始まるブラインドビアである。アノードビアホール2を介して発光ユニットに駆動電流信号を供給することができる。アノードビアホール2は、タングステン孔を介してCMOSウェハ基板1内の駆動回路に電気的に接続される。青色LEDエピタキシャルウェハを用意し、基板材料はエピタキシャル成長である。一般材料は、シリコン、サファイア、窒化ガリウム、炭化ケイ素などを含む。具体的な製造手順は以下の通りである。
【0050】
S21、CMOSウェハ基板1の、タングステン孔を有する表面にTi/Pt/Au金属層を蒸着し、各金属層の対応する厚さはそれぞれ20nm/50nm/1000nmであり、CMOSウェハ基板1に金属接合を形成し、青色LEDエピタキシャルウェハ表面にITO/Cr/Al/Pt/Au金属層を蒸着し、各金属層の対応する厚さはそれぞれ50nm/20nm/200nm/50nm/1000nmであり、青色LEDエピタキシャルウェハに金属接合を形成し、CMOSウェハ基板1と青色LEDエピタキシャルウェハを接合し、LEDエピタキシャルウェハ基板を除去し、フォトリソグラフィーとエッチングプロセスを通じてピクセルパターニングを行い、青色発光ユニット3を有するシリコン系CMOSウェハを形成する。
【0051】
IBE工程により、CMOSウェハ基板の表面のTi/Pt/Au(20nm/50nm/1000nm)金属をエッチングし、LED青色発光ユニット3にある金属のみを残す。ここで、発光ユニットのサイズは0.1-30umであり、発光ユニット間の間隔は0.01-5umである。
【0052】
ALD(atomic layer deposition)またはPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)により、青色発光ユニット3側壁に500nm厚さのSiOを蒸着する。さらに、フォトリソグラフィー、ドライエッチング工程により、パッシベーション層を形成する。
【0053】
S22、スパッタ(sputer)により、LED青色発光ユニット3の上面に50-1000nmのITO、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上を蒸着して、LED青色発光ユニット3の透明カソード層とする。
【0054】
S23、透明カソード層の表面にDBR、ODR、Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上を蒸着して、反射層11とする。黄色光とエッチング処理の後、反射層11の長さは、LED青色光ユニット3の長さより約0.5-30um短く、その後のLED青色光発光ユニットカソード10の蒸着により、発光層面積の損失を最小限に抑えることができる。
【0055】
S24、LED青色発光ユニット3の左右両側には、それぞれ反射レンズ8が設けられている。反射レンズ8は、Siの酸窒化物でエッチングされた後、表面に反射金属が蒸着されることにより構成される。反射レンズ8の作製は既存の技術であり、この以上説明しない。
【0056】
LED青色発光ユニットから発せられた光は、LED青色発光ユニットのアノードと反射層11との間で反射され、反射レンズ8表面に伝達し、反射レンズ8入射光を上面平行に出射することができる。
【0057】
S25、PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition-プラズマ強化化学気相成長法)、黄色光、エッチング工程により、ミラー層11表面に50-100nmSiOを作製する。
【0058】
S26、図3のBB’方向に、黄色光、蒸着、エッチングなどの工程により、LED青色光ユニット外周層の上面に0.5-2umのMg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上を蒸着して、LED青色発光ユニットカソード10を形成する。
【0059】
S27、図3のAA’方向に、黄色光、蒸着、エッチングなどの工程により、SiO表面に0.5-2umのMg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Ti、Niのうちの1つ以上を蒸着して、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5のアノードをそれぞれ作製し、また、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5のアノードは、LED青色光ユニット3の両側のアノードにそれぞれ接続される。ここで、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5が占める面積のサイズはニーズに合わせて設定できる。たとえば、緑色の光発光ユニットの面積は、反射層11の面積の1/3を占め、赤色の光発光ユニットの面積は、反射層11の面積の2/3を占める。量子ドット第1発光ユニット4と量子ドット第2発光ユニット5のアノードとの間は、仕切られる。
【0060】
S28、ALDまたはPECVDにより、500nm厚さのSiOを蒸着し、さらに、フォトリソグラフィー、ドライエッチング工程により、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5アノード位置にSiO層をエッチング除去する。量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5以外の位置のみを覆う。
【0061】
S29、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程により、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5のアノード表面にPEDOT:PSSを蒸着して、厚さ30nmの正孔注入層を形成する。PEDOT:PSSは、PEDOTとPSSの2つの物質から構成される高分子ポリマーである。PEDOTは、EDOT(3,4-エチレンジオキシチオフェンモノマー)のポリマーであり、PSSはポリスチレンスルホン酸である。第1発光ユニット正孔注入層402および第2発光ユニット正孔注入層502を作製する。ここで、第1発光ユニット正孔注入層402と第2発光ユニット正孔注入層502との間は接続または切断することができる。
【0062】
S210、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程を用いて正孔注入層上にTFB(1,2,4,5-テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン)を蒸着し、厚さ30nmの正孔輸送層を形成し、第1発光ユニット正孔輸送層403および第2発光ユニット正孔輸送層503を作製する。ここで、第1発光ユニット正孔輸送層403と第2発光ユニット正孔輸送層503との間は接続または切断することができる。
【0063】
S211、正孔輸送層上の量子ドット第1発光ユニット4の位置または量子ドット第2発光ユニット5の位置に、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程を用いてでDICTRz:CdSe/CdS(赤色光量子ドットの発光波長が630nmである)を蒸着し、厚さ40nmの正孔輸送層を形成し、DICTRzは、DICTRz(12-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-11-フェニルインドロ[2,3-a]カルバゾールである。CdSeはセレン化カドミウムであり、CdSは硫化カドミウムである。
【0064】
S212、正孔輸送層上の量子ドット第2発光ユニット5の位置または量子ドット第1発光ユニット4の位置に、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程でCdSe/CdSまたは、InP量子ドット(緑色光量子ドットの発光波長が540nmである)を蒸着し、厚さ40nmの正孔輸送層を形成し、ここで、CdSeはセレン化カドミウムであり、CdSは硫化カドミウムである,InPはリン化インジウムである。
【0065】
S213、溶液スピンコーティング法または真空蒸着工程で発光層上にZnOを蒸着し、厚さ30nmの電子輸送層を形成し、量子ドット第1発光ユニット4と量子ドット第2発光ユニット5との間は、仕切られる。
【0066】
S214、スパッタ工程により、CMOSウエハ基板全体1、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5、LED青色発光ユニットカソード10およびカソードリング上に、20-1000nm厚さの透明導電膜ITO(図示せず)を蒸着することにより、ウエハ基板上のカソードリングがLED青色発光ユニット3、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5に同時に電力を供給できるようになり、共通のカソードを形成する。
【0067】
S215、さらに、量子ドット第1発光ユニット4、量子ドット第2発光ユニット5との間のITO表面に、金属Mg、Ag、Au、Al、Cu、Cr、Tiなどのうちの少なくとも1つの金属を蒸着して、1層以上の金属層を形成して相互接続電極とし、各発光ユニットの光出力に影響を与えることなく、共通のカソードITOの導電性を高める。
【0068】
S216、層表面に、スピンコーティングまたはディスペンス工程により、OC接着剤によって形成された充填層6をウェハ表面に塗布し、その後、カバーガラス7を使用して装置全体を密閉および保護する。
【0069】
本発明は、垂直構造の量子ドットハイブリッド集積型多色ディスプレイ構造を提案し、ディスプレイPPI(画素密度)をさらに向上させる技術的効果を達成できる。
【0070】
以上、添付図面を参照して本発明を例示的に説明したが、本発明の技術的解決策の様々な非実質的な改良が可能である限り、本発明の具体的な実施が上記の方法に限定されないことは明らかである。または、本発明が改良なしで、本発明の思想および技術的解決策が他の状況に直接適用される場合、それらはすべて本発明の保護範囲内にある。
【0071】
上記の図の符号は、それぞれ次のとおりである。
【符号の説明】
【0072】
1、CMOSウェハ基板 2、アノードビアホール 3、LED青色発光ユニット 4、量子ドット第1発光ユニット 401、第1発光ユニットアノード 402、第1発光ユニット正孔注入層 403、第1発光ユニット正孔輸送層 404、量子ドット第1発光層 405、第1発光ユニット電子輸送層 406、第1発光ユニット層 5、量子ドット第2発光ユニット 501、第2発光ユニットアノード 502、第2発光ユニット正孔注入層 503、第2発光ユニット正孔輸送層 504、量子ドット第2発光層 505、第2発光ユニット電子輸送層 506、第2発光ユニット層 6、充填層 7、カバーガラス 8、反射レンズ 9、パッシベーション層 10、LED青色発光ユニットカソード 11、反射層。
図1
図2
図3
図4
図5
図6