(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109094
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】遊技テーブルシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 1/06 20060101AFI20240805BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240805BHJP
G06T 7/20 20170101ALI20240805BHJP
G06V 10/82 20220101ALI20240805BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A63F1/06 Z
G06T7/00 350C
G06T7/20 300
G06V10/82
G06K7/10 244
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024011636
(22)【出願日】2024-01-30
(31)【優先権主張番号】P 2023013505
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000103301
【氏名又は名称】エンゼルグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】重田 泰
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096CA05
5L096DA02
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】 遊技テーブルにおいてどのプレイヤがどのようなベットをしたかを画像認識によって認識する新規な遊技テーブルシステムを提供する。
【解決手段】 遊技テーブルシステム101は、認識されたチップ506の位置とプレイヤ503の身体に基づいて、チップ506とプレイヤ503とを対応付ける第1対応付け部133と、遊技テーブル501に着いたプレイヤ503のプレイヤIDを特定するID特定部134と、プレイヤIDとプレイヤ503の基準画像との組合せを決定する組合せ決定部136と、決定された複数の組合せに基づいて、画像に写ったプレイヤ503のプレイヤIDを特定し、プレイヤIDと画像に写ったプレイヤ503とを対応付ける第2対応付け部137と、画像に映ったプレイヤ503とプレイヤIDとの対応付け、及びプレイヤ503とチップ506との対応付けに基づいて、当該チップ506を操作したプレイヤ503のプレイヤIDを特定するチップ操作プレイヤ特定部138とを備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カジノ内の遊技テーブル上に置かれたチップを撮影する第1カメラと、
前記第1カメラが撮影した画像に対して、AI技術を用いた画像認識を行うことで、前記遊技テーブル上のチップの位置、種類、及び枚数を認識するチップ認識手段と、
前記遊技テーブルでゲームをプレイするプレイヤを撮影して画像を生成する第2カメラと、
前記第2カメラが撮影した画像に対してAI技術を用いた画像認識を行うことで、前記遊技テーブルでゲームをプレイする前記プレイヤの身体を認識する身体認識手段と、
前記チップ認識手段で認識された前記チップの位置、及び前記身体認識手段で認識された前記プレイヤの身体に基づいて、前記チップ認識手段で認識されたチップと前記身体認識手段で身体が認識されたプレイヤとを対応付ける第1対応付け手段と、
前記遊技テーブルに着いたプレイヤのプレイヤIDを特定するID特定手段と、
前記遊技テーブルに着いたプレイヤの基準画像を取得する基準画像取得手段と、
前記ID特定手段で特定されたプレイヤのプレイヤIDと前記基準画像取得手段で取得された当該プレイヤの基準画像との組合せを決定する組合せ決定手段と、
前記遊技テーブルに着いた複数のプレイヤについて前記組合わせ決定手段によって決定された複数の前記組合せに基づいて、前記第2カメラが撮影した画像に写ったプレイヤの前記プレイヤIDを特定し、特定された前記プレイヤIDと前記第2カメラが撮影した画像に写ったプレイヤとを対応付ける第2対応付け手段と、
前記第2対応付け手段によるプレイヤとプレイヤIDとの対応付け、及び前記第1対応付け手段による前記プレイヤと前記チップとの対応付けに基づいて、当該チップを操作したプレイヤのプレイヤIDを特定するチップ操作プレイヤ特定手段と、
前記チップ操作プレイヤ特定手段で特定された前記プレイヤIDと前記チップ認識手段で認識された前記チップの種類及び枚数とを関連付けて記憶し、又は前記チップ操作プレイヤ特定手段で特定された前記プレイヤIDと前記チップ認識手段で認識された前記チップの種類及び枚数に基づく総額とを関連付けて記録する記録手段と、
を備えた遊技テーブルシステム。
【請求項2】
前記ID特定手段は、前記遊技テーブルに着いたプレイヤのメンバーズカードから当該プレイヤの前記プレイヤIDを読み出すことで、前記プレイヤIDを特定する、請求項1に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項3】
前記ID特定手段は、前記遊技テーブルに着いたプレイヤを撮影した画像に対してAI技術を用いた画像認識を行うことで、前記遊技テーブルに着いたプレイヤの前記プレイヤIDを特定する、請求項1に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項4】
前記基準画像取得手段は、前記ID特定手段が前記プレイヤIDを特定するのに用いた画像を当該プレイヤの前記基準画像として取得する、請求項3に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項5】
前記ID特定手段は、前記画像認識によっては前記遊技テーブルに着いたプレイヤの前記プレイヤIDを特定できない場合に、当該画像の前後に前記第2カメラが撮影した他の画像を用いて当該他の画像に映ったプレイヤの前記プレイヤIDを特定する、請求項3に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項6】
登録されたプレイヤのプレイヤIDと基準画像とを関連付けて記憶したデータベースをさらに備え、
前記組合せ決定手段は、前記ID特定手段が特定した前記プレイヤIDを用いて前記データベースを参照することで、前記プレイヤIDと前記基準画像との組み合わせを決定する、請求項1に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項7】
前記基準画像取得手段は、前記ID特定手段が前記プレイヤIDを特定したプレイヤを撮影することで、当該プレイヤの前記基準画像を取得する、請求項1に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項8】
前記基準画像取得手段は、前記ID特定手段が前記プレイヤIDを特定したプレイヤを撮影することで得られた画像に対して、ディーラから当該プレイヤの指定を受けて、指定されたプレイヤの部分画像を切り出すことで、当該プレイヤの前記基準画像を取得し、
前記組合せ決定手段は、当該プレイヤについて、前記ID特定手段が特定した前記プレイヤIDと前記基準画像取得手段が取得した当該プレイヤの前記基準画像とを組み合わせる、請求項7に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項9】
前記基準画像取得手段は、前記ID特定手段が前記プレイヤIDを特定したプレイヤを撮影することで得られた画像に対して、前記第2対応付け手段による対応付けが行われなかったプレイヤの画像を当該プレイヤの前記基準画像として取得し、
前記組合せ決定手段は、当該プレイヤについて、前記ID特定手段が特定した前記プレイヤIDと前記基準画像取得手段が取得した当該プレイヤの前記基準画像とを組み合わせる、請求項7に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項10】
登録されたプレイヤのプレイヤIDと基準画像とを関連付けて記憶したデータベースをさらに備え、
前記ID特定手段は、前記データベースに前記プレイヤIDと前記基準画像とが記憶されていないプレイヤが前記遊技テーブルに着いたときに、新規登録のために当該プレイヤのメンバーズカードから当該プレイヤの前記プレイヤIDを読み出すことで、当該プレイヤの前記プレイヤIDを特定し、
前記基準画像取得手段は、前記ID特定手段が前記プレイヤIDを特定したプレイヤを撮影することで、当該プレイヤの前記基準画像を取得し、
前記データベースは、前記ID特定手段で特定された新規登録のプレイヤのプレイヤIDと前記基準画像取得手段で取得された当該プレイヤの前記基準画像とを関連付けて記憶し、
前記組合せ決定手段は、前記プレイヤが前記データベースに登録された後は、前記カジノ内の任意の前記遊技テーブルに着いたプレイヤについて、前記データベースを参照して、前記組合せを決定する、請求項1に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項11】
前記基準画像取得手段は、同一のプレイヤについて複数の前記基準画像を取得し、
前記組合せ決定手段は、同一のプレイヤIDに対して複数の前記基準画像を組み合わせる、請求項1に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項12】
前記基準画像取得手段は、前記組合せ決定手段がプレイヤについて前記プレイヤIDと前記基準画像との組み合わせを決定した後に、当該プレイヤの新たな基準画像を取得し、
前記組合せ決定手段は、前記プレイヤIDと組み合わせる前記基準画像を前記新たな基準画像で置き換える、請求項1に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項13】
前記組合せ決定手段は、前記遊技テーブルから離れたプレイヤの前記組合せを、前記第2対応付け手段の対応付けに用いる前記組合せから除外する、請求項1に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項14】
前記第2対応付け手段は、前記カジノ内にいるであろうプレイヤを特定して、特定されたプレイヤについての前記組合せを候補として、特定された前記プレイヤIDと前記第2カメラが撮影した画像に写ったプレイヤとを対応付ける、請求項1に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項15】
前記第2対応付け手段は、前記カジノ内の他の前記遊技テーブルに着いた複数のプレイヤについて前記組合せ決定手段によって決定された前記組合せにも基づいて、前記第2カメラが撮影した画像に写ったプレイヤの前記プレイヤIDを特定する、請求項1に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項16】
前記第2対応付け手段は、特定された前記プレイヤIDと前記第2カメラが撮影した画像に写ったプレイヤとを対応付けることができない場合に、当該画像の前後に前記第2カメラが撮影した他の画像を用いて、当該他の画像に映ったプレイヤと特定された前記プレイヤIDとを対応付ける、請求項1に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項17】
登録されたプレイヤのプレイヤIDと基準画像とを関連付けて記憶したデータベースをさらに備え、
前記基準画像取得手段は、前記データベースを参照して、前記第2カメラが撮影した画像に写ったプレイヤの前記基準画像を特定する、請求項1に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項18】
前記基準画像取得手段において特定された前記基準画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記基準画像に対するディーラからの承認又は拒否の入力を受け付ける入力受付手段と、
をさらに備え、
前記基準画像取得手段は、前記入力受付手段で前記拒否の入力を受け付けたプレイヤを撮影することで、当該プレイヤの前記基準画像を取得し、当該基準画像を当該プレイヤのプレイヤIDと関連付けて前記データベースに記憶する、請求項17に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項19】
前記チップ認識手段は、前記遊技テーブル上のチップを撮影して生成された画像からチップの位置を認識する第1チップ認識手段と、前記遊技テーブル上のチップを撮影して生成された画像からチップの種類及び枚数を認識する第2チップ認識手段とを備えた、請求項1に記載の遊技テーブルシステム。
【請求項20】
前記チップ認識手段は、前記チップに埋め込まれたRFIDタグを読み取ることで、当該チップの位置、種類、及び枚数を認識し、
前記身体認識手段は、前記画像に基づいて前記遊技テーブルでゲームをプレイするプレイヤの位置を認識し、
前記第1対応付け手段は、前記身体認識手段で認識された前記プレイヤの位置と前記チップ認識手段で認識された前記チップの位置とに基づいて前記プレイヤと前記チップとを対応付ける、請求項1に記載の遊技テーブルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーミングチップを用いたゲームが行われる遊技テーブルに適用される遊技テーブルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゲーミングチップを用いたゲームが行われる遊技テーブルにおいて、プレイヤがベットしたチップを認識するシステムが提案されている。また、遊技テーブルでプレイするプレイヤを認識するシステムも提案されている。認識したチップを認識したプレイヤと結びつけることで、各プレイヤのベット額を認識することができ、パトロンレーティングや不正検知を行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のシステムにおいて、カメラでベットされたゲーミングチップ及びゲーミングチップをベットするプレイヤを撮影して、画像認識を行うことで、どのプレイヤがどのゲーミングチップをベットしたかを認識するシステムを構築しようとすると、プレイヤを認識するためにプレイヤの画像を学習しておく必要がある。
【0004】
このような学習用画像をカジノに来てゲームをプレイする可能性のあるすべてのプレイヤについて用意して学習を行うことは、実務上困難である。また、仮にカジノに来てゲームをプレイする可能性のあるすべてのプレイヤの画像を学習できたとしても、実際にプレイヤの認識を行う際に、すべての学習済プレイヤを対象として、プレイヤの認識を行うと、処理負担が大きくなる。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、遊技テーブルにおいてどのプレイヤがどのようなベットをしたかを画像認識によって認識する新規な遊技テーブルシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の遊技テーブルシステムは、カジノ内の遊技テーブル上に置かれたチップを撮影する第1カメラと、前記第1カメラが撮影した画像に対して、AI技術を用いた画像認識を行うことで、前記遊技テーブル上のチップの位置、種類、及び枚数を認識するチップ認識手段と、前記遊技テーブルでゲームをプレイするプレイヤを撮影して画像を生成する第2カメラと、前記第2カメラが撮影した画像に対してAI技術を用いた画像認識を行うことで、前記遊技テーブルでゲームをプレイする前記プレイヤの身体を認識する身体認識手段と、前記チップ認識手段で認識された前記チップの位置、及び前記身体認識手段で認識された前記プレイヤの身体に基づいて、前記チップ認識手段で認識されたチップと前記身体認識手段で身体が認識されたプレイヤとを対応付ける第1対応付け手段と、前記遊技テーブルに着いたプレイヤのプレイヤIDを特定するID特定手段と、前記遊技テーブルに着いたプレイヤの基準画像を取得する基準画像取得手段と、前記ID特定手段で特定されたプレイヤのプレイヤIDと前記基準画像取得手段で取得された当該プレイヤの基準画像との組合せを決定する組合せ決定手段と、前記遊技テーブルに着いた複数のプレイヤについて前記組合わせ決定手段によって決定された複数の前記組合せに基づいて、前記第2カメラが撮影した画像に写ったプレイヤの前記プレイヤIDを特定し、特定された前記プレイヤIDと前記第2カメラが撮影した画像に写ったプレイヤとを対応付ける第2対応付け手段と、前記第2対応付け手段によるプレイヤとプレイヤIDとの対応付け、及び前記第1対応付け手段による前記プレイヤと前記チップとの対応付けに基づいて、当該チップを操作したプレイヤのプレイヤIDを特定するチップ操作プレイヤ特定手段と、前記チップ操作プレイヤ特定手段で特定された前記プレイヤIDと前記チップ認識手段で認識された前記チップの種類及び枚数とを関連付けて記憶し、又は前記チップ操作プレイヤ特定手段で特定された前記プレイヤIDと前記チップ認識手段で認識された前記チップの種類及び枚数に基づく総額とを関連付けて記録する記録手段とを備えた構成を有している。
【0007】
上記の遊技テーブルシステムにおいて、前記ID特定手段は、前記遊技テーブルに着いたプレイヤのメンバーズカードから当該プレイヤの前記プレイヤIDを読み出すことで、前記プレイヤIDを特定してよい。
【0008】
上記の遊技テーブルシステムにおいて、前記ID特定手段は、前記遊技テーブルに着いたプレイヤを撮影した画像に対してAI技術を用いた画像認識を行うことで、前記遊技テーブルに着いたプレイヤの前記プレイヤIDを特定してよい。
【0009】
上記の遊技テーブルシステムにおいて、前記基準画像取得手段は、前記ID特定手段が前記プレイヤIDを特定するのに用いた画像を当該プレイヤの前記基準画像として取得してよい。
【0010】
上記の遊技テーブルシステムにおいて、前記ID特定手段は、前記画像認識によっては前記遊技テーブルに着いたプレイヤの前記プレイヤIDを特定できない場合に、当該画像の前後に前記第2カメラが撮影した他の画像を用いて当該他の画像に映ったプレイヤの前記プレイヤIDを特定してよい。
【0011】
上記の遊技テーブルシステムは、登録されたプレイヤのプレイヤIDと基準画像とを関連付けて記憶したデータベースをさらに備えていてよく、前記組合せ決定手段は、前記ID特定手段が特定した前記プレイヤIDを用いて前記データベースを参照することで、前記プレイヤIDと前記基準画像との組み合わせを決定してよい。
【0012】
上記の遊技テーブルシステムにおいて、前記基準画像取得手段は、前記ID特定手段が前記プレイヤIDを特定したプレイヤを撮影することで、当該プレイヤの前記基準画像を取得してよい。
【0013】
上記の遊技テーブルシステムにおいて、前記基準画像取得手段は、前記ID特定手段が前記プレイヤIDを特定したプレイヤを撮影することで得られた画像に対して、ディーラから当該プレイヤの指定を受けて、指定されたプレイヤの部分画像を切り出すことで、当該プレイヤの前記基準画像を取得してよく、前記組合せ決定手段は、当該プレイヤについて、前記ID特定手段が特定した前記プレイヤIDと前記基準画像取得手段が取得した当該プレイヤの前記基準画像とを組み合わせてよい。
【0014】
上記の遊技テーブルシステムにおいて、前記基準画像取得手段は、前記ID特定手段が前記プレイヤIDを特定したプレイヤを撮影することで得られた画像に対して、前記第2対応付け手段による対応付けが行われなかったプレイヤの画像を当該プレイヤの前記基準画像として取得してよく、前記組合せ決定手段は、当該プレイヤについて、前記ID特定手段が特定した前記プレイヤIDと前記基準画像取得手段が取得した当該プレイヤの前記基準画像とを組み合わせてよい。
【0015】
上記の遊技テーブルシステムにおいて、登録されたプレイヤのプレイヤIDと基準画像とを関連付けて記憶したデータベースをさらに備えていてよく、前記ID特定手段は、前記データベースに前記プレイヤIDと前記基準画像とが記憶されていないプレイヤが前記遊技テーブルに着いたときに、新規登録のために当該プレイヤのメンバーズカードから当該プレイヤの前記プレイヤIDを読み出すことで、当該プレイヤの前記プレイヤIDを特定してよく、前記基準画像取得手段は、前記ID特定手段が前記プレイヤIDを特定したプレイヤを撮影することで、当該プレイヤの前記基準画像を取得してよく、前記データベースは、前記ID特定手段で特定された新規登録のプレイヤのプレイヤIDと前記基準画像取得手段で取得された当該プレイヤの前記基準画像とを関連付けて記憶してよく、前記組合せ決定手段は、前記プレイヤが前記データベースに登録された後は、前記カジノ内の任意の前記遊技テーブルに着いたプレイヤについて、前記データベースを参照して、前記組合せを決定してよい。
【0016】
上記の遊技テーブルシステムにおいて、前記基準画像取得手段は、同一のプレイヤについて複数の前記基準画像を取得してよく、前記組合せ決定手段は、同一のプレイヤIDに対して複数の前記基準画像を組み合わせてよい。
【0017】
上記の遊技テーブルシステムにおいて、前記基準画像取得手段は、前記組合せ決定手段がプレイヤについて前記プレイヤIDと前記基準画像との組み合わせを決定した後に、当該プレイヤの新たな基準画像を取得してよく、前記組合せ決定手段は、前記プレイヤIDと組み合わせる前記基準画像を前記新たな基準画像で置き換えてよい。
【0018】
上記の遊技テーブルシステムにおいて、前記組合せ決定手段は、前記遊技テーブルから離れたプレイヤの前記組合せを、前記第2対応付け手段の対応付けに用いる前記組合せから除外してよい。
【0019】
上記の遊技テーブルシステムにおいて、前記第2対応付け手段は、前記カジノ内にいるであろうプレイヤを特定して、特定されたプレイヤについての前記組合せを候補として、特定された前記プレイヤIDと前記第2カメラが撮影した画像に写ったプレイヤとを対応付けてよい。
【0020】
上記の遊技テーブルシステムにおいて、前記第2対応付け手段は、前記カジノ内の他の前記遊技テーブルに着いた複数のプレイヤについて前記組合せ決定手段によって決定された前記組合せにも基づいて、前記第2カメラが撮影した画像に写ったプレイヤの前記プレイヤIDを特定してよい。
【0021】
上記の遊技テーブルシステムにおいて、前記第2対応付け手段は、特定された前記プレイヤIDと前記第2カメラが撮影した画像に写ったプレイヤとを対応付けることができない場合に、当該画像の前後に前記第2カメラが撮影した他の画像を用いて、当該他の画像に映ったプレイヤと特定された前記プレイヤIDとを対応付けてよい。
【0022】
上記の遊技テーブルシステムは、登録されたプレイヤのプレイヤIDと基準画像とを関連付けて記憶したデータベースをさらに備えていてよく、前記基準画像取得手段は、前記データベースを参照して、前記第2カメラが撮影した画像に写ったプレイヤの前記基準画像を特定してよい。
【0023】
上記の遊技テーブルシステムは、前記基準画像取得手段において特定された前記基準画像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された前記基準画像に対するディーラからの承認又は拒否の入力を受け付ける入力受付手段とをさらに備えていてよく、前記基準画像取得手段は、前記入力受付手段で前記拒否の入力を受け付けたプレイヤを撮影することで、当該プレイヤの前記基準画像を取得し、当該基準画像を当該プレイヤのプレイヤIDと関連付けて前記データベースに記憶してよい。
【0024】
上記の遊技テーブルシステムにおいて、前記チップ認識手段は、前記遊技テーブル上のチップを撮影して生成された画像からチップの位置を認識する第1チップ認識手段と、前記遊技テーブル上のチップを撮影して生成された画像からチップの種類及び枚数を認識する第2チップ認識手段とを備えていてよい。
【0025】
上記の遊技テーブルシステムにおいて、前記チップ認識手段は、前記チップに埋め込まれたRFIDタグを読み取ることで、当該チップの位置、種類、及び枚数を認識してよく、前記身体認識手段は、前記画像に基づいて前記遊技テーブルでゲームをプレイするプレイヤの位置を認識してよく、前記第1対応付け手段は、前記身体認識手段で認識された前記プレイヤの位置と前記チップ認識手段で認識された前記チップの位置とに基づいて前記プレイヤと前記チップとを対応付けてよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態の遊技テーブルシステムが応用されるカジノ内の遊技テーブルを示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技テーブルシステムの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施の形態の第1カメラで撮影された第1画像の例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1の実施の形態におけるチップ認識部によるチップスタックの検出結果を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1の実施の形態のチップ認識部が検出したチップスタックの部分画像の例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1の実施の形態の身体認識部による身体認識の結果を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態におけるゲーミングチップの検出枠がマッピングされた第2画像を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の第1の実施の形態の第2対応付け部によってプレイヤとプレイヤIDとが対応付けられた結果を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の第1の実施の形態のチップ操作プレイヤ特定部によってゲーミングチップのスタックとプレイヤIDとが対応付けられた結果を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の第2の実施の形態の遊技テーブルシステムの構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、本発明の第3の実施の形態の遊技テーブルシステムの構成を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、本発明の第4の実施の形態の遊技テーブルシステムの構成を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、本発明の第5の実施の形態の遊技テーブルシステムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
【0028】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技テーブルシステムが応用されるカジノ内の遊技テーブルを示す図である。
図1に示すように、遊技テーブル501の一方側にはディーラ502が位置し、ディーラ502と対面するように複数のプレイヤ503が遊技テーブル501に着いている。遊技テーブル501において、ディーラ502の前にはディーラ502のゲーミングチップを保管するためのチップトレイ504が設けられており、各プレイヤ503の側には、プレイヤポジション505が設けられている。
【0029】
各プレイヤポジション505には、当該プレイヤポジション505に着いているプレイヤ503がゲーミングチップ(以下、単に「チップ」という。)506をベットするためのベットエリア507が設けられている。本実施の形態では、遊技テーブル501は、バカラ用の遊技テーブルであり、各プレイヤポジション505のベットエリア507には、プレイヤ、バンカ、タイ等の複数のベット対象が区画されている。
【0030】
遊技テーブル501には、遊技テーブル501上のチップ506を撮影するための第1カメラ11、及びプレイヤ503及びチップ506を撮影するための第2カメラ12が設置されている。第1カメラ11及び第2カメラ12は、遊技テーブル501に設けられたポールに取り付けられており、斜め上方から遊技テーブル501上のチップ506を撮影する。
【0031】
また、遊技テーブル501には、ディーラ502がタッチ操作をするためのタッチパネル15が設けられている。
【0032】
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技テーブルシステムの構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施の形態の遊技テーブルシステム101は、第1カメラ11、第2カメラ12、演算装置13、カードリーダ14、タッチパネル15、及び記憶装置16を備えている。演算装置13は、チップ認識部131、身体認識部132、第1対応付け部133、ID特定部134、基準画像取得部135、組合せ決定部136、第2対応付け部137、及びチップ操作プレイヤ特定部138を備えている。なお、演算装置13の各機能は、プロセッサ、メモリ、記憶装置からなるコンピュータが、本実施の形態のコンピュータプログラムを実行することで実現されるものであってよい。
【0033】
第1カメラ11は、遊技テーブル501上に置かれたチップ506を撮影して、第1画像を生成する。第1カメラ11は、複数のベットエリア507を有する遊技テーブル501のテーブル面を斜め上方から撮影する。これにより、第1画像には、第1カメラ11から見て、奥行方向に複数のベットエリア507が映ることとなり、比較的近くて見下ろす角度が大きいチップ506のスタックと、比較的遠くて見下ろす角度が小さいチップ506のスタックとが映ることになる。第1カメラ11は、連続的に撮影して、連続する画像を生成してもよいし、所定のトリガによって撮影を行って画像を生成してもよい。
【0034】
第2カメラ12は、遊技テーブル501でゲームをプレイするプレイヤ503及び遊技テーブル501上に置かれたチップ506を撮影して、第2画像を生成する。第2カメラ12は、特に、遊技テーブル501でゲームをプレイしているプレイヤ503の顔が映るように、その撮影方向及び画角が設定される。
【0035】
なお、第1カメラ11と第2カメラ12とは、左右に分かれてそれぞれ異なるポールに設置されているが、第1カメラ11と第2カメラ12とが同じポールに上下に設置されていてもよい。
【0036】
カードリーダ14は、ディーラ502によって操作され、遊技テーブル501に着いたプレイヤ503から受け取ったメンバーズカードからプレイヤIDを読み取る。メンバーズカードは、メンバ登録をしたプレイヤ503に対して発行され、プレイヤIDが記憶される。
【0037】
タッチパネル15は、ディーラ502が各種の情報を確認できるように、ディーラ502の前に設置される。
図1の例では、タッチパネル15が遊技テーブル501に埋め込まれているが、これに代えて、遊技テーブル501に立設されてもよい。タッチパネル15はタッチ入力を受け付ける機能を有し、特に、後述するように、メンバーズカードが読み取られたプレイヤ503をディーラ502が指定する際に、ディーラ502からのタッチ入力を受け付ける。すなわち、タッチパネル15は、表示手段として機能するとともに、入力受付手段としても機能する。
【0038】
図3は、本発明の第1の実施の形態の第1カメラで撮影された第1画像の例を示す図である。
図3に示すように、第1画像110では、遊技テーブル501に着いている複数のプレイヤ503とともに、それらのプレイヤ503がベットエリア507にベットしたチップ506のスタック(チップスタック)が映っている。
【0039】
上述のように、第1カメラ11は、複数のベットエリア507を斜め上方から撮影することで、第1画像110では、チップスタックの最上位のチップ506の天面と、チップスタックのすべてのチップ506の側面が映っている。また、第1画像110には、比較的近いベットエリア507と比較的遠いベットエリア507、及びそれらのベットエリア507にベットされたチップ506が映っている。比較的遠いチップスタックのチップ506は比較的小さく映っており、比較的近いチップスタックのチップ506が比較的大きく映っている。
【0040】
チップ認識部131は、第1カメラ11が撮影することで得られた第1画像110に対して、AI技術を用いた画像認識を行うことで、遊技テーブル501上のチップ506の位置、種類、及び枚数を認識する。このために、チップ認識部131は、第1画像110からチップ506の位置を認識する第1チップ認識部と、第1画像110からチップ506の種類及び枚数を認識する第2チップ認識部とを備えている。第1チップ認識部は、第1画像110からチップスタックを検出することで、チップスタックの遊技テーブル501における位置を特定する。
【0041】
図4は、本発明の第1の実施の形態におけるチップ認識部によるチップスタックの検出結果を示す図である。
図4に示すように、チップ認識部131の第1チップ認識部は、第1画像110において、チップスタックである領域を矩形の検出枠で囲うことで、チップスタックの部分画像を切り出す。チップスタックがベットエリア507にある場合には、第1チップ認識部は、チップスタックが、具体的にベットエリア507のどのベット対象にあるかを判定する。具体的には、第1チップ認識部は、例えば、検出したチップスタックの最下位のチップ506の中心位置を推定して、当該中心位置が遊技テーブル501上のどのベット対象のエリアに該当するかを判断する。
【0042】
図5は、本発明の第1の実施の形態のチップ認識部が検出したチップスタックの部分画像の例を示す図である。本実施の形態のチップ506は、側面に中心線を有している。中心線の色は、当該チップ506の種類(価額)を表している。そこで、チップ認識部131の第2チップ認識部は、このチップスタックの部分画像から中心線を検出し、その色を判断する。これにより、第2チップ認識部は、検出した中心線の数によってチップ506の枚数を判定し、検出した中心線の色に基づいて各チップ506の種類を判定する。
【0043】
なお、本実施の形態では、チップ認識部131は、上述のように、第1チップ認識部でチップ506のスタックの位置を特定し、第2チップ認識部で各スタックのチップ506の種類及び枚数を特定したが、これに代えて、チップ認識部131が1つの認識エンジンを用いてゲーミングチップ506のスタックの位置を特定するとともに、及びそのスタックにおけるチップ506の種類及び枚数を特定してもよい。
【0044】
身体認識部132は、第2カメラ12が撮影することで得られた第2画像に対してAI技術を用いた画像認識を行うことで、遊技テーブル501でゲームをプレイするプレイヤ503の身体を認識する。第2カメラ12は、所定のフレームレートで連続して撮影を行うことで、時系列に並んだ連続する第2画像を生成し、身体認識部132は、これらの連続する第2画像の各々に対して画像認識を行って、プレイヤ503の身体を認識する。
【0045】
図6は、本発明の第1の実施の形態の身体認識部による身体認識の結果を示す図である。なお、
図6では、便宜上、第1画像110と同じ内容の第2画像120を例示しているが、上述のように、第1カメラ11と第2カメラ12とは、設置される位置、方向が異なっているため、第1画像110と第2画像120としては実際には同じ内容の画像は生成しない。
【0046】
身体認識部132は、第2画像120に対してポーズトラッキングを行うことで、プレイヤ503ごとに、身体の所定の特徴的な部位(顔(両目の中心)、両肩、両肘、両手首、両手の指)を検出して、プレイヤ503の骨格モデルを生成する。
図6において、黒点は、検出されたプレイヤ503の身体の特徴的な部位であり、プレイヤ503毎に黒点を連結させることで骨格モデルが生成される。このようなポーズトラッキングには、既存の任意の技術を用いることができる。身体認識部132は、さらに、プレイヤ503の身体の部位として、プレイヤ503の顔を検出して矩形の検出枠で囲い、その検出枠と骨格モデルとをプレイヤ503ごとに組み合わせてプレイヤ503の身体として認識する。
【0047】
第1対応付け部133は、チップ認識部131で認識されたチップ506の位置、及び身体認識部132で認識されたプレイヤ503の身体に基づいて、チップ認識部131で認識されたチップ506と身体認識部132で身体が認識されたプレイヤ503とを対応付ける。このために、第1対応付け部133は、身体が認識された第2画像120に対して、第1画像110から検出されたチップ506の検出枠をマッピングする。このマッピングは、第1カメラ11と第2カメラ12とのアライメントに基づいて行ってもよいし、例えば、画像中のベットエリア507を基準としてマッピングを行ってもよい。なお、第1対応付け部133は、これとは逆に、第2画像120において認識された骨格モデル及び顔を検出した検出枠を第1画像110にマッピングしてもよい。
【0048】
図7は、本発明の実施の形態におけるゲーミングチップの検出枠がマッピングされた第2画像を示す図である。第1対応付け部133は、時系列に連続して撮影された第1画像110の中から、チップ506が第1画像110に出現したタイミングにおけるチップ506の検出枠を、そのタイミングの第2画像120にマッピングする。なお、第1対応付け部133は、これに代えて、第1画像110から検出されるチップ506の検出枠の位置が変化しなくなったタイミングでその検出枠を、当該タイミングの第2画像120にマッピングしてもよい。
【0049】
第1対応付け部133は、チップ506の検出枠がマッピングされた第2画像120において、チップ506の検出枠に最も近い指を有するプレイヤ503を当該チップ506の検出枠と対応付ける。このようにして、第1対応付け部133は、チップ認識部131で認識されたチップ506と身体認識部132で身体が認識されたプレイヤ503とを対応付ける。なお、この時点では、チップ506の内容(位置、種類、及び枚数)とプレイヤ503とが対応付けられるが、これはあくまで画像において両者が対応付けられるのであって、画像に映っているプレイヤ503が誰であるのか、即ちプレイヤ503のプレイヤIDは特定されていない。
【0050】
なお、
図7に示される他のチップ506のスタックについては、別のタイミングのフレームにおいて上記の対応付けがなされている。
【0051】
ID特定部134は、遊技テーブル501に着いたプレイヤ503のプレイヤIDを特定する。本実施の形態では、ID特定部134は、カードリーダ14において遊技テーブル501に着いたプレイヤ503のメンバーズカードから当該プレイヤ503のプレイヤIDを読み出し、この読み出し結果をカードリーダ14から取得することで、プレイヤIDを特定する。
【0052】
基準画像取得部135は、遊技テーブル501に着いたプレイヤ503の基準画像を取得する。本実施の形態では、基準画像取得部135は、身体認識部132から検出された顔の部分画像を取得して、これを当該プレイヤ503の基準画像とする。
【0053】
組合せ決定部136は、ID特定部134で特定されたプレイヤ503のプレイヤIDと基準画像取得部135で取得された当該プレイヤ503の基準画像との組合せを決定する。
図6に示すように、第2画像120に複数の顔がある場合には、身体認識部132は複数の顔を検出する。したがって、このままでは、カードリーダ14が読み取ったプレイヤIDが、顔が検出されたどのプレイヤ503のプレイヤIDであるかが分からない。
【0054】
そこで、ディーラ502がカードリーダ14にてメンバーズカードからプレイヤIDを読み取った場合に、それに同期して、タッチパネル15は、第2画像120からの顔の検出結果である
図6に例示する画面を表示する。タッチパネル15に表示された顔の検出結果に対して、ディーラ502は、メンバーズカードを読み取ったプレイヤ503の顔をタップすることで、読み出されたプレイヤIDに対応するプレイヤ503(すなわち、新たに遊技テーブル501に着いたプレイヤ503)を指定する。
【0055】
組合せ決定部136は、この指定をタッチパネル15から受け取ることで、メンバーズカードから読み取ったプレイヤ503のプレイヤIDと、当該プレイヤ503の顔画像(基準画像)との組み合わせを決定する。
【0056】
第2対応付け部137は、遊技テーブル501に着いた複数のプレイヤ503について組合せ決定部136によって決定されたプレイヤIDと基準画像との複数の組合せに基づいて、第2カメラ12が撮影した第2画像120に写ったプレイヤ503のプレイヤIDを特定し、特定されたプレイヤIDと第2カメラ12が撮影した第2画像120に写ったプレイヤ503とを対応付ける。
【0057】
図8は、本発明の第1の実施の形態の第2対応付け部によってプレイヤとプレイヤIDとが対応付けられた結果を示す図である。
図8に示すように、第2対応付け部137によって、第2画像120にて認識されたプレイヤ503とプレイヤIDとが対応付けられる。このために、第2対応付け部137は、身体認識部132が第2画像120から顔を検出することで顔の部分画像(顔画像)が得られると、この顔画像と当該遊技テーブル501に関して基準画像取得部135が取得した複数の基準画像のうちの最も近い基準画像を選択する。そして、第2対応付け部137は、選択された基準画像と組み合わせられているプレイヤIDを当該部分画像の顔と対応付ける。
【0058】
チップ操作プレイヤ特定部138は、第2対応付け部137によるプレイヤ503とプレイヤIDとの対応付け、及び第1対応付け部133によるプレイヤ503とチップ506との対応付けに基づいて、当該ゲーミングチップ506を操作したプレイヤ503のプレイヤIDを特定する。上述のように、第1対応付け部133では、チップ506が検出されたタイミングで、当該チップ506に最も近い指を有するプレイヤ503が当該チップ506に対応付けられており(
図7参照)、第2対応付け部137では、第2画像120におけるプレイヤ503にプレイヤIDが対応付けられている(
図8参照)。
【0059】
図9は、本発明の第1の実施の形態のチップ操作プレイヤ特定部によってゲーミングチップのスタックとプレイヤIDとが対応付けられた結果を示す図である。チップ操作プレイヤ特定部138は、第1対応付け部133及び第2対応付け部137によるそれぞれの対応付けに基づいて、チップ506のスタックとプレイヤIDとを対応付けて、チップ506のスタックを操作した(置いた)プレイヤ503のプレイヤIDを特定する。これにより、遊技テーブル501上で認識されたチップ506のスタックが、どのプレイヤ503によってベットされたかを特定できることになる。
【0060】
記憶装置16は、チップ操作プレイヤ特定部138で特定されたプレイヤIDとチップ認識部131で認識されたチップ506の種類及び枚数とを関連付けて記憶する。なお、記憶装置16は、チップ506については、種類及び枚数に代えて、又はこれに加えて、種類及び枚数に基づく総額をプレイヤIDと関連付けて記録してもよい。これにより、遊技テーブル501上における各プレイヤ503のベット額を把握することができ、パトロンレーティングや不正検知に役立てることができる。
【0061】
(第2の実施の形態)
図10は、本発明の第2の実施の形態の遊技テーブルシステムの構成を示すブロック図である。本実施の形態では、遊技テーブルシステム102は、遊技テーブル501に着いたプレイヤ503のプレイヤIDを顔認証によって特定する。すなわち、本実施の形態では、ID特定部134は、遊技テーブル501に着いたプレイヤ503を撮影した画像に対してAI技術を用いた画像認識を行うことで、遊技テーブル501に着いたプレイヤ503のプレイヤIDを特定する。このために、ID特定部134は、あらかじめ登録されたプレイヤ503の顔画像を学習した顔認証エンジンを有している。この顔認証エンジンには、AI技術として、例えば、ディープラーニング技術、SVM(サポートベクタマシン)が用いられる。ID特定部134における顔認証に用いる画像は、第2カメラ12で撮影されてよい。
【0062】
基準画像取得部135は、第2カメラ12で撮影されて顔認証に用いられた顔画像をそのまま基準画像として取得する。第2対応付け部137は、第1の実施の形態と同様にして、第2カメラ12で撮影された第2画像120から抽出された顔画像について、最も近い基準画像を選択することで、基準画像と顔画像とのマッチングを行うが、いずれの基準画像ともマッチングされなかった顔画像は、基準画像が未だ用意されていないものである。そこで、ID特定部134は、第2対応付け部137で対応付けがされなかった顔画像について、顔認証によるプレイヤIDの特定の処理を行う。
【0063】
本実施の形態によれば、あらかじめプレイヤ503について顔画像を学習しておく必要はあるが、実際の運用の際には、プレイヤ503は、遊技テーブル501に着いたときにメンバーズカードをディーラ502に差し出す必要がなく、ディーラ502もメンバーズカードをカードリーダでスキャンする必要がなく、オペレーションの効率化を図ることができる。換言すれば、この実施の形態では、メンバーズカードを発行する代わりに、又は、それに加えて、顔認証のためのプレイヤ503の撮影を行うという運用にすればよい。
【0064】
(第3の実施の形態)
図11は、本発明の第3の実施の形態の遊技テーブルシステムの構成を示すブロック図である。本実施の形態では、遊技テーブルシステム103は、基準画像データベース17を備えている。基準画像データベース17には、登録されたプレイヤ503のプレイヤIDと基準画像とが関連付けて記憶されている。第1及び第2の実施の形態では、基準画像取得部135は、遊技テーブル501に着いたプレイヤ503の基準画像を取得したが、本実施の形態では、プレイヤ503を登録制として、基準画像取得部135は、新たに登録するプレイヤ503の基準画像を取得する。
【0065】
また、登録するプレイヤ503について取得する基準画像は、各プレイヤ503について複数枚であってよい。すなわち、基準画像データベース17において、1人のプレイヤ503に対して、撮影する角度が互いに異なる複数枚の基準画像が関連付けられてもよい。
【0066】
そして、組合せ決定部136は、ID特定部134が特定したプレイヤIDを用いて基準画像データベース17を参照して、当該プレイヤIDに関連付けられた基準画像を特定することで、プレイヤIDと基準画像との組み合わせを決定する。なお、本実施の形態において、ID特定部134は、第1の実施の形態のようにカードリーダ14によるメンバーズカードの読取によってプレイヤIDを特定してもよいし、第2の実施の形態のように顔認証によってプレイヤIDを特定してもよい。
【0067】
(第4の実施の形態)
図12は、本発明の第4の実施の形態の遊技テーブルシステムの構成を示すブロック図である。上記の実施の形態では、チップ506の種類及び枚数を認識するための第1画像110を撮影するためのカメラと、プレイヤ503のポーズトラッキングをするための第2画像120を撮影するためのカメラとが別々のカメラとして設置されたが、本実施の形態の遊技テーブルシステム104では、これらを1つのカメラ(
図12の例では、第2カメラ12)としてもよい。
【0068】
この場合には、チップ認識部131は、第2カメラ12で撮影された第2画像120に対して画像認識を行うことで、チップ506を認識するとともに、身体認識部132も同じ第2画像120に対して画像認識を行って骨格モデルを生成し、顔領域を検出する。
【0069】
上記の実施の形態では、第1カメラ11は、遊技テーブル501のベットエリア507に置かれたチップ506を撮影するように、比較的狭い画角が設定され、第2カメラ12は、プレイヤ503の顔及びベットエリア507に伸ばした手が十分に映るように、比較的広い画角が設定される。本実施の形態では、プレイヤ503の顔及びベットエリア507に伸ばした手及びベットエリア507に置かれたチップ506が十分に映るようにやはり比較的広い画角が設定される。このような広い画角であってもチップ認識部131が十分にチップ506の認識を行うことができるように、本実施の形態では、第2カメラ12の画素数は十分に大きいことが望ましい。
【0070】
(第5の実施の形態)
図13は、本発明の第5の実施の形態の遊技テーブルシステムの構成を示すブロック図である。上記の実施の形態では、カメラがベットエリア507に置かれたチップ506を撮影して画像を生成し、チップ認識部131が撮影された画像に対して画像認識を行うことで、チップ506の位置、種類、枚数を認識した。本実施の形態では、チップ506には、その種類の情報を特定可能なRFIDタグが埋め込まれており、遊技テーブルシステム105は、ベットエリア507に、当該ベットエリア507に置かれたチップ506のRFIDタグを読み取るためのベットエリアリーダ18を備えている。
【0071】
ベットエリアリーダ18は、各ベット対象に設置されたアンテナと、アンテナを制御するリーダとからなる。これにより、各プレイヤポジション505ごとにチップ506のRFIDタグを読み取ることができる。チップ認識部131は、チップ506のRFIDタグを読み取ったアンテナごとに当該チップ506の位置、即ち、チップ506がどのプレイヤポジション505のどのベット対象にあるかを認識する。また、チップ認識部131は、ベットエリアリーダ18で各ベット対象から読み取られたRFIDタグに記憶されたチップ506の種類の情報、及びその数に基づいて、各ベット対象に置かれたチップ506の種類及び枚数を認識する。
【0072】
なお、本実施の形態では、ベット対象ごとにアンテナを設けて、各ベット対象に置かれたチップ506を読み分けているが、アンテナは各ベットエリア507ごとに設けられてもよい。この構成によっても、各ベットエリア507にベットされたチップ506の種類及び枚数を認識することはでき、各プレイヤ503のベット額を認識することはできる。
【0073】
本実施の形態では、身体認識部132は、上記の実施の形態と同様にプレイヤ503の身体を認識するとともに、身体を認識したプレイヤ503のプレイヤポジション505を認識する。そして、第1対応付け部133は、身体認識部132で認識されたプレイヤポジション505とチップ認識部131で認識されたゲーミングチップ506の位置とに基づいて、身体認識部132で認識されたプレイヤ503とチップ認識部131で認識されたゲーミングチップ506とを対応付ける。
【0074】
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態の遊技テーブルシステムは、遊技テーブルシステム103(
図11参照)と同様に、登録されたプレイヤ503のプレイヤIDと基準画像とを関連付けて記憶した基準画像データベース17を備えている。本実施の形態では、ID特定部134は、基準画像データベース17にプレイヤIDと基準画像とが記憶されていないプレイヤ503が遊技テーブル501に着いたときに、新規登録のために当該プレイヤ503のメンバーズカードから当該プレイヤ503のプレイヤIDを読み出すことで、当該プレイヤ503のプレイヤIDを特定する。
【0075】
基準画像取得部135は、ID特定部134が新規登録のプレイヤ503のプレイヤIDを特定した場合に、第2カメラ12で当該プレイヤ503を撮影することで、当該プレイヤ503の基準画像を取得する。そして、基準画像データベース17は、ID特定部134で特定された新規登録のプレイヤ503のプレイヤIDと基準画像取得部135で取得された当該プレイヤ503の基準画像とを関連付けて記憶することで、基準画像データベース17を更新する。
【0076】
また、本実施の形態では、組合せ決定部136は、プレイヤ503が基準画像データベース17に登録された後は、カジノ内の任意の遊技テーブル501に着いたプレイヤ503について、基準画像データベース17を参照して、プレイヤIDと基準画像との組合せを決定する。
【0077】
本実施の形態によれば、カジノでプレイするプレイヤ503について、専ら基準画像データベースに登録するために顔画像の撮影を行う必要はなく、カジノが遊技テーブルシステムを導入した後に当該プレイヤ503が初めて遊技テーブル501に着いた際に、当該プレイヤ503について基準画像データベースへの登録を行うことができる。
【0078】
(第7の実施の形態)
第7の実施の形態の遊技テーブルシステムは、遊技テーブルシステム103(
図11参照)と同様に、登録されたプレイヤ503のプレイヤIDと基準画像とを関連付けて記憶した基準画像データベース17を備えている。本実施の形態では、基準画像取得部135が、基準画像データベース17を参照して、第2カメラ12が撮影した画像に写ったプレイヤ503の基準画像を特定する。
【0079】
タッチパネル15は、基準画像取得部135おいて特定された基準画像を表示するとともに、表示された基準画像に対するディーラ502からの承認又は拒否の入力を受け付ける。ディーラ502は、タッチパネル15に表示された基準画像と、実際に遊技テーブル501にいるプレイヤ503の顔とを比較して、同一人物であると認める場合には承認の入力をし、別人物であると認める場合には拒否の入力をする。
【0080】
基準画像取得部135がタッチパネル15で承認の入力を受け付けた場合には、組合せ決定部136は、この基準画像とプレイヤIDとの組み合わせを決定する。基準画像取得部135がタッチパネル15で拒否の入力を受け付けた場合には、基準画像取得部135は、第2カメラ12によって当該プレイヤ503を撮影することで、当該プレイヤ503の基準画像を取得し、当該基準画像を当該プレイヤ503のプレイヤIDと関連付けて基準画像データベース17に記憶する。そして、組合せ決定部136は、この基準画像とプレイヤIDとの組み合わせを決定する。
【0081】
なお、ディーラ502は、タッチパネル15に表示された基準画像が、基準画像として利用するのに十分な品質でないと判断する場合に拒否の入力をしてもよい。さらに、ディーラ502は、基準画像と実際のプレイヤ503とが同一人物であると認める場合においても、基準画像と実際のプレイヤ503の容姿が大きく変わっている場合には、拒否の入力をしてもよい。要するに、ディーラ502は、基準画像データベース17の基準画像を更新すべきと判断する場合には、拒否の入力をすることができる。
【0082】
本実施の形態により、基準画像データベース17にプレイヤ503の基準画像が登録されていない場合、及び、基準画像データベース17にプレイヤ503の基準画像が登録されているが基準画像を更新したい場合には、その場で撮影した当該プレイヤ503の画像を新たに当該プレイヤ503の基準画像として基準画像データベース17に登録(更新)できる。
【0083】
(第8の実施の形態)
第1の実施の形態では、第1対応付け部133は、時系列に連続して撮影された第1画像110の中から、チップ506が第1画像110に出現したタイミングにおけるチップ506の検出枠を、そのタイミングの第2画像120にマッピングすることで、身体認識部132が身体を認識したプレイヤ503と、当該チップ506とを対応付けた。そして、第2対応付け部137は、この第2画像120に映ったプレイヤ503の顔画像が、組合せ決定部136で決定された基準画像のいずれに該当するかを判断することで、この第2画像120に映ったプレイヤ503とプレイヤIDとを対応付けた。
【0084】
しかしながら、第2画像120が必ずしも基準画像とマッチングさせるのに適した画像であるとは限らない。例えば、第1画像110にチップ506が出現したタイミングの第2画像120において、当該チップ506を操作したプレイヤ503の顔が、正面を向いておらず、又は鮮明に映っていない場合には、第2対応付け部137は、基準画像とのマッチングができないことがある。
【0085】
この場合には、第2対応付け部137は、第1画像110にチップ506が出現したタイミングの第2画像120ではなく、その前後のフレームの第2画像120を用いて、基準画像とのマッチングを行ってよい。このために、第2対応付け部137は、第1画像110にチップ506が出現したタイミングの第2画像120から当該フレームの第2画像120まで、身体認識部132が認識した身体をトラッキングすることで、第1対応付け部133が対応付けたチップ506と身体との対応付けを維持することができる。
【0086】
本実施の形態によれば、第1画像110においてチップ506が出現したタイミングの第2画像120において、当該チップ506を操作したプレイヤ503の顔が第2対応付け部137における対応付けができるように映っていない場合においても、第2対応付け部137は、チップ506を操作したプレイヤ503のプレイヤIDを特定することができる。
【0087】
(基準画像について)
第1の実施の形態の遊技テーブルシステム101では、基準画像取得部135によって遊技テーブル501に着いたプレイヤ503の基準画像が用意され、その後、プレイヤ503が遊技テーブル501でプレイをする際には、最初に用意された基準画像を用いて、第2対応付け部137によるプレイヤ503のプレイヤIDの特定が行われた。これにより、プレイヤ503がゲームをプレイするごとに、すべての登録されているプレイヤ503を候補として、プレイヤ503の特定を行う必要がなく、当該遊技テーブル501において基準画像として用意されているプレイヤ503の中から該当するプレイヤ503を選択することでプレイヤ503の特定をすることができる。
【0088】
このように、プレイヤ503の基準画像は、プレイヤ503が遊技テーブル501に着いたときに用意されるが、このタイミングで必ずしも最も適切な基準画像が得られるとは限らない。そこで、基準画像取得部135は、プレイヤ503が遊技テーブル501でゲームのプレイを開始した後の任意のタイミングでプレイヤ503を撮影することで得られたプレイヤ503の顔画像を、もとの基準画像に代えて、又はそれに加えて、新たな基準画像として取得することで、基準画像を更新してもよい。すなわち、基準画像取得部135は、組合せ決定部136がいったんプレイヤ503についてプレイヤIDと基準画像との組み合わせを決定した後に、当該プレイヤ503の新たな基準画像を取得してもよい。
【0089】
基準画像取得部135が基準画像を更新した場合には、組合せ決定部136は、プレイヤIDと組み合わせる基準画像を更新された基準画像に置き換えて、組み合わせを決定する。
【0090】
また、組合せ決定部136は、遊技テーブル501から離れたプレイヤ503の組合せを、第2対応付け部137の対応付けに用いる組合せから除外する。具体的には、組合せ決定部136は、第2対応付け部137において所定のゲーム数連続して対応付けがされなかった基準画像について、組み合わせから除外する。これにより、プレイヤ503が遊技テーブル501から離れることで不要になった基準画像をいつまでも対応付けの候補として残しておくことがなく、第2対応付け部137による対応付けの処理負荷を軽減でき、その速度を向上できる。
【0091】
これとは逆に、第2対応付け部137は、カジノ内の他の遊技テーブル501に着いた複数のプレイヤ503について組合せ決定部136によって決定された組合せにも基づいて、第2画像120に写ったプレイヤ503のプレイヤIDを特定してもよい。この構成によれば、プレイヤ503が新たな遊技テーブル501に着くごとに新たに基準画像を用意することがなく、処理負荷が軽減する。また、上記の基準画像の更新を行うことで、プレイヤ503が他の遊技テーブル501にいるときに得られた適切な基準画像を用いることができる。
【0092】
なお、第2対応付け部137は、第2画像120のプレイヤ503についてプレイヤIDを特定する際に、カジノ内のいずれかの遊技テーブル501で基準画像が得られたすべてのプレイヤ503を候補として、対応付けを行ってよい。あるいは、各遊技テーブル501では、プレイヤ503が遊技テーブル501から離れたときに組合せ決定部136は、当該プレイヤ503の組合せを第2対応付け部137の対応付けに用いる候補から除外するとともに、一定期間記憶しておき、プレイヤ503が別の遊技テーブル501に着いたときに、当該別の遊技テーブル501が他の遊技テーブル501について記憶されている組合せの中から該当する組合せを探索して当該別の遊技テーブル501において用いるようにしてもよい。
【0093】
(その他の変形例)
演算装置13における各機能は、分散された複数のコンピュータに実装されてよく、その一部又は全部の機能がクラウド上にあってもよい。また、演算装置13の各機能を構成するためのコンピュータプログラムが、ネットワークを通じて、あるいは非一時的な記憶媒体を介してコンピュータにインストールされてよい。また、上記の実施の形態では、バカラテーブルを例にして本発明の実施の形態の遊技テーブルシステムを説明したが、本発明の実施の形態の遊技テーブルシステムは、バカラテーブル以外の遊技テーブル、例えば、ブラックジャック用の遊技テーブル、ルーレットテーブル等にも適用可能である。
【0094】
また、上記の実施の形態では、チップ506は、側面に色で種類を表す中心線を有し、チップ認識部131は、中心線の色に基づいてチップ506の種類を特定したが、これに代えて、又はこれに加えて、チップ506の側面に当該ゲーミングチップ506を唯一に特定する識別情報を表すコード情報が表記されてもよい。この場合に、チップ認識部131は、種類に代えて、又は加えて、チップ506の識別情報を特定してもよい。さらに、遊技テーブルシステムがチップデータベースを備え、チップ506の識別情報に基づいてチップ506の種類を特定してよい。
【0095】
また、上記の実施の形態の遊技テーブルシステムは、ベットエリア507にチップ506を置いた(ベットした)プレイヤ503を特定したが、これに代えて、又は加えて、ベットエリア507からチップ506を取ったプレイヤ503を特定してもよい。この場合には、第1対応付け部133は、連続して得られた第1画像110からゲーミングチップ506が消失する直前のタイミングの第1画像110で検出されたチップ506の検出枠を第2画像120にマッピングする。あるいは、いったんベットエリア507で認識されたチップ506のスタックの位置が移動したときに、当該移動の直前のタイミングの第1画像110で検出されたチップ506の検出枠を第2画像120にマッピングしてもよい。
【0096】
この構成により、ゲームに勝ったプレイヤ503に対してペイアウトされたチップ506及びそのプレイヤ503がベットしていたチップ506がプレイヤ503によって引き取られたときに、そのようなチップ506についてそのような操作をしたプレイヤ503のプレイヤIDを特定できる。
【0097】
また、上記の第1の実施の形態では、タッチパネル15に、第2画像120からの顔の検出結果の画面を表示し、組合せ決定部136は、新たに遊技テーブル501に着いたプレイヤ503の指定をディーラ502から受けることで、プレイヤIDと基準画像となる当該プレイヤ503の顔画像との組み合わせを決定した。この機能に加えて、組合せ決定部136は、ディーラ502がプレイヤ503の顔の指定を間違えたときにアラートを出す機能を有していてよい。
【0098】
この場合には、遊技テーブルシステム101は、登録されたプレイヤ503の顔とプレイヤIDとの対応を記憶した基準画像データベース17を備えている。第2対応付け部137は、タッチパネル15においてディーラ502によって指定されたプレイヤ503の顔と、カードリーダ14で読み取られたプレイヤIDに対応するプレイヤ503の顔として基準画像データベース17に記憶された顔との一致度合いが低い場合に、注意喚起措置を実行する。注意喚起措置は、例えば、タッチパネル15に一致度が低い旨のメッセージを表示する等である。
【0099】
また、第3の実施の形態の遊技テーブルシステム103は、基準画像データベース17を備えており、組合せ決定部136は、ID特定部134が特定したプレイヤIDを用いて基準画像データベース17を参照して、当該プレイヤIDに関連付けられた基準画像を特定することで、プレイヤIDと基準画像との組み合わせを決定した。これに代えて、組合せ決定部136は、特定されたプレイヤIDに関連付けられた基準画像を用いて、これに近い顔画像を第2画像120から抽出された複数の顔画像のなかから選択してよい。組合せ決定部136は、この選択において、ディープラーニング、SVM等のAI技術による学習ベースの顔認識モデルを用いることができる。
【0100】
このとき、タッチパネル15は、選択した顔画像を表示し、ディーラ502からの当該選択した顔画像に対する承認を受け付ける。組合せ決定部136は、ディーラ502からの承認を得た顔画像を基準画像として、特定されたプレイヤIDと組み合わせてもよい。ディーラ502は、組合せ決定部136によって選択された顔画像が、新たに遊技テーブル501に着いたプレイヤ503のものである場合には、タッチパネル15に対して承認の入力をし、そうでない場合には承認を拒否する入力をする。
【0101】
組合せ決定部136は、ディーラ502からの拒否の入力がされた場合には、顔認識において次にスコアが高かった顔画像を候補としてタッチパネル15に表示する。組合せ決定部136は、拒否の入力があった場合には、この顔認識の結果を負例として、顔認識モデルに対する強化学習を行ってもよい。
【0102】
また、第3の実施の形態の遊技テーブルシステム103は、基準画像データベース17を備えており、組合せ決定部136は、ID特定部134が特定したプレイヤIDを用いて基準画像データベース17を参照して、当該プレイヤIDに関連付けられた基準画像を特定することで、プレイヤIDと基準画像との組み合わせを決定した。この場合に、組合せ決定部136は、基準画像データベース17を参照して特定された基準画像をそのまま採用するのではなく、基準画像候補としてタッチパネル15に表示し、ディーラ502の承認をもって、当該基準画像をプレイヤIDと組み合わせてもよい。
【0103】
また、第2の実施の形態の遊技テーブルシステム102では、ID特定部134は、遊技テーブル501に着いたプレイヤ503を撮影した画像に対してAI技術を用いた画像認識を行うことで、遊技テーブル501に着いたプレイヤ503のプレイヤIDを特定した。この遊技テーブルシステム102に、基準画像データベース17を追加してよい。そして、ID特定部134は、画像認識によって1つのプレイヤIDを特定するのではなく、画像認識によって複数のプレイヤID候補を抽出してよい。
【0104】
組合せ決定部136は、ID特定部134が特定した複数のプレイヤID候補を用いて基準画像データベース17を参照して、基準画像データベース17から複数の基準画像の候補を抽出する。タッチパネル15は、抽出した複数の基準画像を表示して、ディーラ502からの選択を受け付ける。ディーラ502は、タッチパネル15に表示された複数の基準画像の候補と、実際に新たに遊技テーブル501に着いたプレイヤ503の顔とを見比べて、タッチパネル15において基準画像を選択する。
【0105】
この構成によれば、プレイヤ503のプレイヤIDを特定するための顔認識の精度が比較的低い場合にも、顔認識の誤りによるプレイヤIDの特定ミスの可能性を軽減できる。
【0106】
また、第2対応付け部137は、カジノ内にいるであろうプレイヤ503を特定して、特定されたプレイヤ503についての組合せを候補として、特定されたプレイヤIDと第2カメラ12が撮影した画像に写ったプレイヤ503とを対応付けるようにしてよい。カジノ内にいるであろうプレイヤ503は、例えば、所定時間以内にカジノ内のいずれかの遊技テーブル501で認識されたプレイヤ503、所定時間以内にカジノのゲートで入場が確認されたプレイヤ503等であってよい。
【0107】
また、第2の実施の形態では、ID特定部134は、第2カメラ12が撮影した画像に対して画像認識をすることで遊技テーブル501に着いたプレイヤ503のプレイヤIDを特定したが、この画像認識に用いられた画像の品質が良くないことにより、この画像に対する画像認識によってはプレイヤIDを特定できない場合に、ID特定部134は、当該画像の前後に第2カメラ12が撮影した他の画像を用いて、当該他の画像に対して画像認識を行い、そこに映っているプレイヤ503のプレイヤIDを特定してもよい。
【0108】
画像の品質が良くない場合としては、例えば、プレイヤ503の正面の顔画像が撮影できていない場合や、プレイヤ503の顔にピントが合っていない場合や、第2カメラ12とプレイヤ503の顔との間に障害物があってオクルージョンが生じている場合が考えられる。これらの場合には、それらの品質の低下の要因がなくなっていることを期待して、少し時間をずらして撮影された他の画像を用いることで画像認識を行い、プレイヤIDを特定することが望ましい。
【符号の説明】
【0109】
11 第1カメラ
12 第2カメラ
13 演算装置
14 カードリーダ
15 タッチパネル
16 記憶装置
17 基準画像データベース
18 ベットエリアリーダ
101~105 遊技テーブルシステム
110 第1画像
120 第2画像
131 チップ認識部
132 身体認識部
133 第1対応付け部
134 ID特定部
135 基準画像取得部
136 組合せ決定部
137 第2対応付け部
138 チップ操作プレイヤ特定部
501 遊技テーブル
502 ディーラ
503 プレイヤ
504 チップトレイ
505 プレイヤポジション
506 ゲーミングチップ
507 ベットエリア