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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109097
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】終点ウィンドウを有する研磨パッド
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/20 20120101AFI20240805BHJP
   B24B 37/013 20120101ALI20240805BHJP
   B24B 37/26 20120101ALI20240805BHJP
   B24B 37/22 20120101ALI20240805BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
B24B37/20
B24B37/013
B24B37/26
B24B37/22
H01L21/304 622F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024011870
(22)【出願日】2024-01-30
(31)【優先権主張番号】18/162,442
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/404,415
(32)【優先日】2024-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504089426
【氏名又は名称】デュポン・エレクトロニック・マテリアルズ・ホールディング・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DuPont Electronic Materials Holding, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】スー・ユ-チュン
【テーマコード(参考)】
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C158AA07
3C158CB01
3C158CB05
3C158DA12
3C158DA17
3C158EA11
3C158EB01
3C158EB05
3C158EB10
3C158EB13
3C158EB14
3C158EB16
3C158EB28
5F057AA07
5F057AA24
5F057BB14
5F057CA12
5F057DA03
5F057EB08
5F057EB09
5F057EB12
5F057GB02
5F057GB13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ケミカルメカニカル研磨に使用される研磨パッドを提供する。
【解決手段】上研磨面110、下面105b及び厚さaを有する研磨層120を含む、ケミカルメカニカル研磨のための研磨パッド100。研磨層120は多孔性研磨材料101及びウィンドウ領域103を含む。透明なウィンドウ104の露呈した上面104aが上研磨面110から凹んでいる。透明なウィンドウ104は凹み領域から研磨パッド100の下面105bまで延びる。透明なウィンドウ104は無孔性であり、周辺部分105の上面105aのうち透明なウィンドウ104に隣接する一部分が透明なウィンドウ104の上面104aと同一平面にあり、透明なウィンドウ104の露呈した下面104bが研磨層120の下面105bと同一平面にある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケミカルメカニカル研磨のための研磨パッドであって、上研磨面、下面及び厚さを有し、多孔性研磨材料及びウィンドウ領域を含む研磨層を含み、前記ウィンドウ領域が、光が前記ウィンドウ領域中で前記研磨パッドを通って伝送することを可能にするための、露呈した上面及び露呈した下面を有する透明なウィンドウを含み、前記透明なウィンドウの前記露呈した上面が前記上研磨面から凹んでおり、前記透明なウィンドウが凹み領域から前記研磨パッドの前記下面まで延び、前記ウィンドウ領域がさらに、前記透明なウィンドウの側縁と接触した、前記研磨材料の周辺部分を含み、前記研磨材料の周辺部分が、前記上研磨面の上面から凹んでいる上面を有し、前記透明なウィンドウが無孔性であり、前記周辺部分の前記上面のうち前記透明なウィンドウに隣接する一部分が前記透明なウィンドウの前記上面と同一平面にあり、前記透明なウィンドウの前記露呈した下面が前記研磨層の前記下面と同一平面にある、研磨パッド。
【請求項2】
前記透明なウィンドウと前記研磨層との間に化学結合が存在しない、請求項1記載の研磨パッド。
【請求項3】
前記上研磨面が溝を含む、請求項1記載の研磨パッド。
【請求項4】
前記溝が前記ウィンドウ領域の前記周辺部分で交差する、請求項3記載の研磨パッド。
【請求項5】
前記研磨層に隣接し、前記上研磨面からは反対側にあるサブパッドをさらに含み、前記サブパッドが、光が前記透明なウィンドウを通って伝送することを可能にするための開口を前記ウィンドウ領域中に含む、請求項1記載の研磨パッド。
【請求項6】
前記周辺部分が、前記透明なウィンドウの厚さ以上の幅を有する、請求項1記載の研磨パッド。
【請求項7】
前記周辺部分が、前記透明なウィンドウの厚さよりも大きい幅を有する、請求項1記載の研磨パッド。
【請求項8】
請求項1記載の研磨パッドを形成する方法であって、
透明なウィンドウ材料のプラグを型に入れ、前記プラグの周囲に研磨層を形成する工程と、
前記研磨層の一部分を切り欠いて、凹んだウィンドウと、研磨材料の凹んだ周辺部分とを含むウィンドウ領域を形成する工程と
を含む方法。
【請求項9】
前記形成する工程が、厚いスラブを形成することを含み、この厚いスラブが、厚さを通って延びる透明なウィンドウ材料をそれぞれが有する複数の研磨層に切り分けられ、前記切り欠く工程が前記透明なウィンドウ材料の上部分の除去を含む、請求項7記載の方法。
【請求項10】
研磨される基材を提供する工程と、
請求項1記載の研磨パッドを提供する工程と、
前記研磨パッド上に半透明なスラリーを提供する工程と、
前記基材を前記研磨パッドに対して動かす工程と、
光を透明なウィンドウ材料に通して伝送し、前記基材から反射して前記透明なウィンドウ及び半透明なスラリーを通って戻る光を検出して、研磨が完了したときを決定する工程と
を含む研磨方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、ケミカルメカニカル研磨に使用される研磨パッドである。
【背景技術】
【0002】
ケミカルメカニカルプラナリゼーション(CMP)は、集積回路又は類似の構造の構造物の層を平らにする、すなわち平坦化するために広く使用されている研磨加工の一種である。特に、CMPは、多くの場合、付加的スタッキング及び平坦化加工による三次元回路構造の構築において所定の厚さの平坦な均一層を製造するために使用される。CMP加工は、基材(たとえばウェーハ)面に付着した過剰な材料を除去して、基材(たとえばウェーハ)面積全体に均一に延びる均一な厚さのきわめて平坦な層を製造する。均一な厚さがウェーハ全体に及ぶとき、それはグローバル均一性として知られる。
【0003】
CMPは、ナノサイズの粒子を含有することがある、しばしばスラリーと呼ばれる液体を利用する。スラリーは、回転するプラテンに取り付けられている、回転する多層ポリマーパッド(研磨シートと呼ばれることもある)の表面に供給される。研磨パッドは研磨層を含み、サブパッドを含むこともある。基材(たとえばウェーハ)が、別個の回転手段を有する別個の固定具、すなわちキャリヤの中に取り付けられ、制御された加重の下でパッドの表面に押し当てられる。これが、基材(たとえばウェーハ)と研磨パッドとの間の高速の相対運動と、その結果としての、基材とパッド表面の両方における高速の剪断又は摩耗とを生じさせることができる。この剪断と、パッド/基材接合部に閉じ込められたスラリー粒子とが基材(たとえばウェーハ)表面を摩耗させて、基材表面からの材料の除去をもたらす。除去速度の制御及び除去の均一性がグローバル均一性を達成するために重要である。
【0004】
様々なタイプの膜厚さ計測をリアルタイム制御ソフトウェアとともに使用して、デバイス設計目標を達成することができる。終点検出のための一つの手法は、研磨パッドを通過する所望の波長の光の透過を使用し、光は、研磨される基材から反射し、その後、反射した光信号は逆方向に干渉計へと通過し、この干渉計が反射信号を処理して、研磨がその所望の目標(たとえば膜厚さ、下にある構造の所期の露呈など)に達したかどうかを決定する。計測機器は、パッドを保持するプラテンの本体内に位置することができる。これは、研磨パッドの少なくとも一部分が、使用される光源に対し、許容しうるSN比を生じさせるのに十分なほど透過性であることを要求する。
【0005】
特定のパッド構造の場合、パッド材料そのものが、所望の光波長に対して透過性であることができる。あるいはまた、透明なポリマーのプラグを提供し、その周囲に不透明な材料を成形して透明なウィンドウを製造することもできる。たとえば、米国特許第5,605,760号を参照すること。第三の手法は、開口部を有する、その開口部に透明なウィンドウ材料が挿入され、接着剤によって定位置に保持される、パッドを形成することである。たとえば、米国特許第5,893,796号を参照すること。ウィンドウを有するこれらのパッドの様々なバージョンが発案されている。たとえば、米国特許第7,621,798号、米国特許第8,475,228号、米国特許第10,569,383号、US2021/0402556、米国特許第9,475,168号を参照すること。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
パッドにおける二つの異なる材料の使用が、研磨される基材のスクラッチ形成もしくは欠陥、ウィンドウと研磨層との磨耗速度の差によるパッドの限られた耐用寿命又は透明なウィンドウ材料と研磨パッド材料との接着の問題、の一つ又は複数をはじめとする問題を使用中に生じさせるおそれがある。したがって、透明なウィンドウを有する改善された研磨パッドの必要性が残る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示されるものは、ケミカルメカニカル研磨のための研磨パッドであって、上研磨面、下面及び厚さを有し、多孔性研磨材料及びウィンドウ領域を含む研磨層を含み、ウィンドウ領域が、光がウィンドウ領域中で研磨パッドを通って伝送することを可能にするための、露呈した上面及び露呈した下面を有する透明なウィンドウを含み、透明なウィンドウの露呈した上面が上研磨面から凹んでおり、透明なウィンドウが凹み領域から研磨パッドの下面まで延び、ウィンドウ領域がさらに、透明なウィンドウの側縁と接触した、研磨材料の周辺部分を含み、研磨材料の周辺部分が、上研磨面の上面から凹んでいる上面を有し、透明なウィンドウが無孔性であり、周辺部分の上面のうち透明なウィンドウに隣接する一部分が透明なウィンドウの上面と同一平面にあり、透明なウィンドウの露呈した下面が研磨層の下面と同一平面にある、研磨パッドである。
【0008】
ここで、例示的な実施形態である図面を参照する。図中、類似の要素は類似の符号を付されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本明細書に開示される研磨パッドの一例の断面図である。
図2】本明細書に開示される研磨パッドの一例の断面図である。
図3】本明細書に開示される研磨パッドの一例の断面図である。
図4】光ウィンドウが長方形である、本発明パッドの一例の上面の平面図である。
図5】光ウィンドウが卵形である、本発明パッドの一例の上面の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
本明細書に開示されるものは、研磨材料と透明なウィンドウとで異なる材料を使用することによって生じる基材に対する欠陥のリスクを最小化すると同時に、透明なウィンドウと研磨材料との接着の問題を最小化する設計を有する、ケミカルメカニカル研磨に有用な研磨パッドである。特に、研磨パッドは研磨層及びウィンドウ領域を含む。研磨層は上研磨面及び厚さを有する。研磨層は研磨材料を含む。ウィンドウ領域は上研磨面から凹んでいる。ウィンドウ領域は、光がウィンドウ領域中で研磨パッドを通って伝送することを可能にするための、露呈した上面及び露呈した下面を有する透明なウィンドウを含む。ウィンドウ領域はさらに、透明なウィンドウの側縁と接触した、研磨材料の周辺部分を含み、研磨材料の周辺部分もまた、上研磨面の上面から凹んでいる上面を有する。周辺部分は棚状部であることができる。パッドの上研磨面から凹んでおり、透明なウィンドウと研磨材料の周辺部分(又は棚状部)の両方を含むウィンドウ領域を有することにより、研磨パッドの耐用寿命を延ばすことができ、透明なウィンドウ材料と研磨材料との異なる性質によって創出される欠陥が減る。
【0011】
特に、透明なウィンドウを有する多くの従来の研磨パッドは、ウィンドウを通過し、研磨される基材の表面に達する光の良好な透過を保証するために、ウィンドウの少なくとも一部分が上研磨面と同一平面にあることを要求する。しかし、ウィンドウ材料は研磨材料とは異なる組成であるため、使用中、異なる機械特性、接触圧及びテクスチャの局所的な差が認められ、それらが、不均一な研磨速度及び増大したウェーハスケールの不均一性を生じさせるおそれがある。さらに、研磨パッドは一般に、使用中、一定の研磨速度を維持するためにボンドダイヤモンド砥粒でドレスされるため、継続的な使用中、上パッド材料とウィンドウとの間のドレッシング磨耗速度の差がウィンドウ区域の突出を生じさせることがある。この突出の発生は、より高レベルのスクラッチ形成欠陥を生じさせ、多くの場合、パッドの交換、ひいては製造費ならびに研磨される基材上のスクラッチ形成及び欠陥の増大を招くことが広く認められている。また、使用中のウィンドウの差異のある薄化が光学的信号を乱すこともある。研磨材料とウィンドウ材料との間の熱膨張係数の差がさらなる応力及び変形を生じさせることがある。
【0012】
上研磨面よりも下に凹んだ上ウィンドウ面を、同じく上研磨面よりも下に凹んだ研磨材料の周辺領域とともに有する凹んだウィンドウ領域を有することが、パッド中の応力除去を容易にし、また、欠陥又はスクラッチ形成を生じさせ得る、上研磨面よりも上へのウィンドウ材料の突出を回避させる。
【0013】
図1、2及び3は、本明細書に開示される研磨パッド100の三つの例の断面を示す。研磨パッド100は、厚さaを有する、上研磨面110を有する研磨層120と、ウィンドウ領域103とを有する。研磨層120は多孔性であり、多孔性研磨材料101を含む。図1、2及び3は、研磨層120の上面100上に任意選択のマクロテクスチャ102を示す。マクロテクスチャ102は、研磨ならびにスラリー流体及び除去された材料の取り扱いを改善するための溝、突出部又は一段高い形体であることができる。マクロテクスチャは、たとえば、深さb及び幅gを有する溝の形態であることができる。マクロテクスチャ102はウィンドウ領域103から切り離されていることができる。あるいはまた、マクロテクスチャは、ウィンドウ領域103の凹んだ周辺部分105と交差することもできる。ウィンドウ領域103は、上面104a及び下面104bを有する透明なウィンドウ104を含む。透明なウィンドウ104は、研磨終点を光学的に測定するための光の透過を容易にするために無孔性である。ウィンドウ領域はまた、上面105aを有する周辺部分105を含む。透明なウィンドウ104は、周辺部分の上面105aから研磨層120の下面105bまで延びる。通常、透明なウィンドウ104と研磨層120との間に化学結合は存在しない。この材料間の化学結合の欠如が、透明なウィンドウが上面105aから下面105bまでの全長に延びることを重要にする。上面105aから下面105bまでのこの延在は、研磨中にウィンドウを定位置に保持する摩擦力を増す接触の増大を生じさせる。
【0014】
透明なウィンドウ104は、好ましくは、透明なウィンドウ104を横切る方向に上面104aから下面104bまでで測定して同じ厚さを有する。これが、光の歪みを減らし、透明なウィンドウ104の上面104aを周辺領域105の上面105aと同一平面にする。加えて、透明なウィンドウ104の下面104aを研磨層120の下面105bと同一平面にする。ウィンドウ104の上面104a及び周辺部分の上面105aは上研磨面110から距離cだけ凹んでいる。周辺部分は研磨材料101で形成されていることができる。周辺部分の上面105aは、幅寸法dを有する棚状部を形成することができる。好都合には、寸法「d」(周辺部分又は棚状部の幅)は、無孔性ウィンドウ104に隣接する多孔性研磨層120を圧縮することから生じる応力を減らすために、寸法「a」(研磨層厚さ)-寸法「c」(ウィンドウ凹み深さ)又はウィンドウ厚さ以上である。最も好都合には、寸法「d」(周辺部分又は棚状部の幅)は、無孔性ウィンドウ104に隣接する多孔性研磨層120を圧縮することから生じる応力を減らすために、寸法「a」(研磨層厚さ)-寸法「c」(ウィンドウ凹み深さ)又はウィンドウ厚さよりも大きい。ウィンドウ104は、無孔性であるため、ウィンドウ104の厚さに等しい厚さの平坦な円形面で圧縮したとき、少なくとも1mm2のスケール上で、より低い圧縮性を有する。
【0015】
研磨パッド100は、研磨層120の下に任意選択のサブパッド106を含むことができる。サブパッド106はまた、ウィンドウ104の下面104bを露呈させるための、寸法fを有する開口107を含む。図1中、寸法fは、光がウィンドウ材料のどの部分をも透過することを可能にするために、表面104bの寸法に実質的に類似している。
【0016】
図2中、開口107の寸法fは、周辺部分105が露呈した下面105b’を含むよう、ウィンドウの下面104bよりも大きい。好都合には、寸法「d」(周辺部分又は棚状部の幅)は、無孔性ウィンドウ104に隣接する多孔性研磨層120を圧縮することから生じる応力を減らすために、寸法「a」(研磨層厚さ)-寸法「c」(ウィンドウ凹み深さ)又はウィンドウ厚さ以上である。最も好都合には、寸法「d」(周辺部分又は棚状部の幅)は、無孔性ウィンドウ104に隣接する多孔性研磨層120を圧縮することから生じる応力を減らすために、寸法「a」(研磨層厚さ)-寸法「c」(ウィンドウ凹み深さ)又はウィンドウ厚さよりも大きい。
【0017】
さらなる例において、図3に示すように、周辺部分105は、図1及び2に示す直角ではなく、カーブした上面109を含むことができる。もう一つの代替態様として、研磨層120の上面110から周辺部分上面105aまでの移行は、90°以外の角度であることもできる(すなわち、完全に垂直な移行ではなく斜めの移行)。ウィンドウの上面104aの一部分と上面105a又はカーブ109とは同一平面又は実質的に同一平面にあることができる。特に、ウィンドウ104の側縁と接触する領域中、上面105a又はカーブ109の少なくとも一部分は上ウィンドウ面104aと同一平面又は実質的に同一平面にある。本明細書中で使用される「実質的に同一平面」とは、上ウィンドウ面104aと、周辺領域の研磨材料の表面(たとえば105a又は109)とが互いから0.02mm未満、0.01mm未満又は0.005mm未満の垂直距離にあることを意味する。
【0018】
図4及び5は、本明細書に開示される研磨パッド100の二つの例の平面図を示し、図中、110は上研磨層であり、102は任意選択の溝であり、104はウィンドウであり、105はウィンドウ領域の周辺部分である。図4中、ウィンドウ105及びウィンドウ領域103は実質的に長方形であり、図5中、ウィンドウ105及びウィンドウ領域103は卵形である。正方形、円、他の多角形などの他の形状(図示せず)を使用することもできる。さらに、上研磨層は、任意選択で、複数のウィンドウ(図示せず)、たとえば三つ以上の等間隔のウィンドウを含むこともできる。複数の等間隔のウィンドウは信号測定と信号測定との間の時間を減らす。この信号測定間の時間の減少は研磨終点検出の精度を高めることができる。
【0019】
全研磨層厚さに比べて研磨層の周辺部分の研磨層が薄いということが、光信号又はパッド寿命にマイナスの影響を及ぼすことなく(たとえば、SN比は許容可能なまま)、使用中の柔軟性を可能にすることができる。事実、ウィンドウ領域の凹みはパッド寿命を延ばすことができる。ウィンドウ領域の凹み(たとえば103)の深さは、使用中に過度の有害な変形を生じさせることなく所望の柔軟性を提供するために、パッドに使用される材料(たとえば研磨材料、ウィンドウ材料)の特性に適応するように調節することができる。同様に、周辺部分の幅もまた、パッド材料及び設計に関して所望の機械的応答を提供するように調節することができる。たとえば、凹み深さcは、0.1mmよりも大きいか、0.2mmよりも大きいか、又は少なくとも0.3mmで、1.1mm以下、1mm以下、0.8mm以下又は0.6mm以下であることができる。周辺領域の幅dは、たとえば、少なくとも0.05mm、少なくとも0.1mm、少なくとも0.2mm又は少なくとも0.3mmで、1.1mm以下、1mm以下、0.8mm以下又は0.6mm以下であることができる。パッドの有効柔軟性をさらに調節するために、開口107の幅fを調節して、終点システムの動作に影響することなく、ウィンドウ領域の柔軟性を制御可能に変えることができる。サブパッド106をウィンドウ104と研磨材料101との間の界面から離すことにより、接合部にかかる応力を減らして、ウィンドウ結着性をさらに改善することができる。
【0020】
上研磨面に対して平行な方向におけるウィンドウ材料の主要寸法eは、CMPパッドのウィンドウに一般に使用される寸法であることができる。さらなる例では、上研磨面に対して平行な方向におけるウィンドウの寸法は約8~18mm。ウィンドウの厚さは、ウィンドウ領域103に凹みを提供するために、研磨層120の全厚さa未満であることができる。たとえば、ウィンドウの厚さは、全パッド厚さよりも厚くない、好ましくは研磨層よりも厚くないという条件で、0.3~3mm、0.4~2.5mm、0.5~2mm又は0.6~1.5mmであることができる。
【0021】
研磨層は、1~4、3又は2.5mmmの厚さaを有することができる。研磨パッドの全厚さ(たとえば研磨パッド+サブパッド)は好ましくは4mm以下である。上記のように、研磨層は任意選択のマクロテクスチャ(たとえば溝)を含むことができる。マクロテクスチャは有効弾性率に影響することができるため、マクロテクスチャ又は溝の深さb及び全研磨層厚さaに対してウィンドウ区域凹み深さc、周辺部分幅dの可変調節を実施して、本明細書に開示されるパッド設計の特徴である所望の柔軟性を提供することができる。たとえば、ウィンドウ凹み深さcは、全パッド厚さの20~50%又は30~40%であるか、又は研磨層厚さaの20~50%又は30~40%であることができる。もう一つの例として、ウィンドウ凹み深さcは、マクロテクスチャ深さbの50~90%又は60~80%であることができる。もう一つの例として、周辺部分幅dは、マクロテクスチャ(たとえば溝)幅gの40~60%であることができる。後述する、開示されるパッドの製造方法により、これらの比率は製造中に容易に調節することができる。
【0022】
本発明設計のさらなる利点は、それが、パッドの寿命の終わりを決定するための簡単な手段を提供し得ることである。ウィンドウ凹み深さは溝深さに応じて小さくなり得るため、経時的なパッドコンディショニング磨耗が、ウィンドウ凹み深さがゼロに近づくにつれ、終点信号の変化を生じさせると予想される。この変化はマクロテクスチャが完全に消える前に起こることができるため、研磨性能に有意な変化が生じる前にパッドの使用を中止して、不均一性及び欠陥を防ぐことができる。
【0023】
研磨層120の研磨材料101はポリマーを含むことができる。研磨層101は、研磨層120の厚さaで不透明であることができる。たとえば、中空の柔軟なポリマー要素(たとえば中空のマイクロスフェア)、発泡剤、起泡(剤)又は超臨界二酸化炭素の添加によって気孔を提供することができる。研磨層のためのポリマー材料の例は、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ナイロン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリエチレンイミン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリケトン、エポキシ樹脂、シリコーン、それらのコポリマー(たとえばポリエーテル/ポリエステルコポリマー)及びそれらの混合物又はブレンドを含む。研磨層は、一つ以上の多官能性イソシアネートと一つ以上のポリオールとの反応によって形成されるポリウレタンであるポリマーを含むことができる。たとえば、ポリイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを使用することができる。本発明のケミカルメカニカル研磨パッドの研磨層の形成に使用される多官能性イソシアネートは、脂肪族多官能性イソシアネート、芳香族多官能性イソシアネート及びそれらの混合物からなる群より選択することができる。たとえば、本発明のケミカルメカニカル研磨パッドの研磨層の形成に使用される多官能性イソシアネートは、2,4-トルエンジイソシアネート;2,6-トルエンジイソシアネート;4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート;ナフタレン-1,5-ジイソシアネート;トリジンジイソシアネート;パラフェニレンジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート;及びそれらの混合物からなる群より選択されるジイソシアネートであることができる。多官能性イソシアネートは、ジイソシアネートとプレポリマーポリオールとの反応によって形成されるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーであることができる。イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、2~12重量%、2~10重量%、4~8重量%又は5~7重量%の未反応イソシアネート(NCO)基を有することができる。多官能性イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを形成するために使用されるプレポリマーポリオールは、ジオール、ポリオール、ポリオールジオール、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群より選択することができる。たとえば、プレポリマーポリオールは、ポリエーテルポリオール(たとえばポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール及びそれらの混合物);ポリカーボネートポリオール;ポリエステルポリオール;ポリカプロラクトンポリオール;それらの混合物;ならびに、エチレングリコール;1,2-プロピレングリコール;1,3-プロピレングリコール;1,2-ブタンジオール;1,3-ブタンジオール;2-メチル-1,3-プロパンジオール;1,4-ブタンジオール;ネオペンチルグリコール;1,5-ペンタンジオール;3-メチル-1,5-ペンタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;ジエチレングリコール;ジプロピレングリコール;及びトリプロピレングリコールからなる群より選択される一つ以上の低分子量ポリオールを含んだそれらの混合物からなる群より選択することができる。たとえば、プレポリマーポリオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG);エステル系ポリオール(たとえばアジピン酸エチレン、アジピン酸ブチレンなど);ポリプロピレンエーテルグリコール(PPG);ポリカプロラクトンポリオール;それらのコポリマー;及びそれらの混合物からなる群より選択することができる。たとえば、プレポリマーポリオールは、PTMEG及びPPGからなる群より選択することができる。プレポリマーポリオールがPTMEGであるとき、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、2~10重量%(より好ましくは4~8重量%;最も好ましくは6~7重量%)の未反応イソシアネート(NCO)濃度を有することができる。市販のPTMEG系イソシアネート末端ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から入手可能、たとえばPET-80A、PET-85A、PET-90A、PET-93A、PET-95A、PET-60D、PET-70D、PET-75D);Adiprene(登録商標)プレポリマー(Chemturaから入手可能、たとえばLF 800A、LF 900A、LF 910A、LF 930A、LF 931A、LF 939A、LF 950A、LF 952A、LF 600D、LF 601D、LF 650D、LF 667、LF 700D、LF750D、LF751D、LF752D、LF753D及びL325);Andur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから入手可能、たとえば70APLF、80APLF、85APLF、90APLF、95APLF、60DPLF、70APLF、75APLF)を含む。プレポリマーポリオールがPPGであるとき、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、3~9重量%(より好ましくは4~8重量%、最も好ましくは5~6重量%)の未反応イソシアネート(NCO)濃度を有することができる。市販のPPG系イソシアネート末端ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から入手可能、たとえばPPT-80A、PPT-90A、PPT-95A、PPT-65D、PPT-75D);Adiprene(登録商標)プレポリマー(Chemturaから入手可能、たとえばLFG 963A、LFG 964A、LFG 740D);及びAndur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから入手可能、たとえば8000APLF、9500APLF、6500DPLF、7501DPLF)を含む。イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、0.1重量%未満の遊離トルエンジイソシアネート(TDI)モノマー含量を有する低遊離イソシアネート末端ウレタンプレポリマーであることができる。また、非TDI系イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを使用することもできる。たとえば、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とポリテトラメチレングリコール(PTMEG)などのポリオールと1,4-ブタンジオール(BDO)などの任意選択のジオールとの反応によって形成されるものを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマーが許容可能である。そのようなイソシアネート末端ウレタンプレポリマーが使用されるとき、未反応イソシアネート(NCO)濃度は、好ましくは4~10重量%(より好ましくは4~10重量%、最も好ましくは5~10重量%)である。このカテゴリーの市販のイソシアネート末端ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から入手可能、たとえば27-85A、27-90A、27-95A);Andur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから入手可能、たとえばIE75AP、IE80AP、IE85AP、IE90AP、IE95AP、IE98AP);及びVibrathane(登録商標)プレポリマー(Chemturaから入手可能、たとえばB625、B635、B821)を含む。
【0024】
ウィンドウ104は、光学計測によって使用される波長で十分な透過性を有する限り、所望のポリマー又はポリマーブレンドを含むことができる。ウィンドウ材料が、研磨層に使用される材料の硬さ又は熱膨張係数に類似する硬さ又は熱膨張係数を有するならば、それは有用であることができる。ウィンドウ材料の例は、ポリウレタン、アクリル系ポリマー、環式オレフィンコポリマー(たとえばTOPAS 8007など)を含む。研磨層及びサブパッド層がポリウレタンであるパッドにおいては、同じくポリウレタン材料の使用が有用であることができる。ウィンドウは、好都合には、脂肪族ポリイソシアネート含有材料(「プレポリマー」)から作られる。プレポリマーは、脂肪族ポリイソシアネート(たとえばジイソシアネート)とヒドロキシル含有材料との反応生成物である。その後、プレポリマーを硬化剤で硬化させる。好ましい脂肪族ポリイソシアネートとしては、非限定的に、メチレンビス-4,4′-シクロヘキシルイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン-1,2-ジイソシアネート、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレン-ジイソシアネート、ドデカン-1,12-ジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリイソシアネート、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン、エチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及びそれらの混合物がある。好ましい脂肪族ポリイソシアネートは、10重量%未満の未反応イソシアネート基を有するものである。
【0025】
好都合には、硬化剤はポリジアミンである。好ましいポリジアミンとしては、非限定的に、ジエチルトルエンジアミン(「DETDA」)、3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミン及びその異性体、3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミン及びその異性体、たとえば3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジアミン、4,4′-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタン、1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、4,4′-メチレン-ビス-(2-クロロアニリン)、4,4′-メチレン-ビス-(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン)(「MCDEA」)、ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート、N,N′-ジアルキルジアミノジフェニルメタン、p,p′-メチレンジアニリン(「MDA」)、m-フェニレンジアミン(「MPDA」)、メチレン-ビス-2-クロロアニリン(「MBOCA」)、4,4′-メチレン-ビス-(2-クロロアニリン)(「MOCA」)、4,4′-メチレン-ビス-(2,6-ジエチルアニリン)(「MDEA」)、4,4′-メチレン-ビス-(2,3-ジクロロアニリン)(「MDCA」)、4,4′-ジアミノ-3,3′-ジエチル-5,5′-ジメチルジフェニルメタン、2,2′,3,3′-テトラクロロジアミノジフェニルメタン、トリメチレングリコールジ-p-アミノベンゾエート及びそれらの混合物がある。好ましくは、本発明の硬化剤としては、3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミン及びその異性体がある。適当なポリアミン硬化剤としては、第一級アミンと第二級アミンの両方がある。
【0026】
加えて、他の硬化剤、たとえばジオール、トリオール、テトラオール又はヒドロキシ末端硬化剤を前述のポリウレタン組成物に加えることもできる。適当なジオール、トリオール及びテトラオールの群は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、低分子量ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3-ビス-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン、1,3-ビス-{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、レソルシノール-ジ-(β-ヒドロキシエチル)エーテル、ヒドロキノン-ジ-(β-ヒドロキシエチル)エーテル及びそれらの混合物を含む。好ましいヒドロキシ末端硬化剤としては、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3-ビス-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン、1,3-ビス-{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン、1,4-ブタンジオール及びそれらの混合物がある。ヒドロキシ末端硬化剤及びアミン硬化剤はいずれも一つ以上の飽和、不飽和、芳香族及び環式基を含むことができる。加えて、ヒドロキシ末端硬化剤及びアミン硬化剤は一つ以上のハロゲン基を含むことができる。ポリウレタン組成物は、硬化剤のブレンド又は混合物と共に形成することができる。しかし、望むならば、ポリウレタン組成物は、単一の硬化剤と共に形成することもできる。
【0027】
サブパッド106はポリマー材料を含むことができる。サブパッド材料は、研磨層102の研磨材料101よりも適合性を高くすることができる。サブパッド106は多孔性層を含むことができる。サブパッド層のためのポリマー材料の例は、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ナイロン、エポキシ樹脂、ポリエーテル、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリエチレンイミン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリケトン、シリコーン、それらのコポリマー(たとえばポリエーテル/ポリエステルコポリマー)及びそれらの混合物又はブレンドを含む。
【0028】
本明細書に開示される研磨パッド100は、ウィンドウ材料のプラグを型の中に提供し、プラグの周囲に研磨層を射出成形することによって作製することができる。一つの手法にしたがえば、研磨層の厚いスラブを厚いプラグとともに形成したのち、研磨層120の所望の厚さaへとスライスする。次いで、ウィンドウ領域103の凹みを、研磨層120中、ウィンドウ材料のプラグの周囲の区域において切削する。研磨層はまた、マクロテクスチャ102を提供するように切削されることもある。あるいはまた、所望の研磨層の深さaを有する型の中で、ウィンドウ材料104の周囲にパッドを単独で注型してもよい。ウィンドウ材料の周囲に注型するとき、研磨パッド材料は、ウィンドウの不規則な、又は粗い表面に浸透して、研磨パッドへのポリマーケークのスカイビングなどの追加加工を可能にする確実な結合を提供する。離型ののち、ウィンドウの領域の研磨層に所望の凹み深さcまで凹みを切削して、ウィンドウ領域103を形成する。この後者の手法では、型の上面からマクロテクスチャ102を形成することもできるし、平坦な上面を再び切削してマクロテクスチャを提供することもできる。凹みを形成するための切削は、たとえばフライス加工によって実施することができる。使用することができるフライス盤の市販品の例がCNCフライス盤であることができる。
【0029】
本明細書に開示される研磨パッド100を使用する方法は、研磨される基材を提供する工程と、本明細書に開示される研磨パッド100を提供する工程と、任意選択で、研磨パッド上にスラリーを提供する工程と、研磨パッドを基材に接触させ、基材及び研磨パッドを互いに対して動かす(たとえば回転動で)工程と、光を透明なウィンドウ104に通して伝送し、基材から反射して透明なウィンドウ104を通って戻る光を検出して、研磨が完了したときを決定する工程とを含む。好ましくは、半透明のスラリーが使用される。
【0030】
本開示はさらに以下の態様を包含する。
【0031】
態様1:ケミカルメカニカル研磨のための研磨パッドであって、上研磨面、下面及び厚さを有し、多孔性研磨材料及びウィンドウ領域を含む研磨層を含み、ウィンドウ領域が、光がウィンドウ領域中で研磨パッドを通って伝送することを可能にするための、露呈した上面及び露呈した下面を有する透明なウィンドウを含み、透明なウィンドウの露呈した上面が上研磨面から凹んでおり、透明なウィンドウが凹み領域から研磨パッドの下面まで延び、ウィンドウ領域がさらに、透明なウィンドウの側縁と接触した、研磨材料の周辺部分を含み、研磨材料の周辺部分が、上研磨面の上面から凹んでいる上面を有し、透明なウィンドウが無孔性であり、周辺部分の上面のうち透明なウィンドウに隣接する一部分が透明なウィンドウの上面と同一平面にあり、透明なウィンドウの露呈した下面が研磨層の下面と同一平面にある、研磨パッド。
【0032】
態様2:透明なウィンドウと研磨層との間に化学結合が存在しない、態様1の研磨パッド。
【0033】
態様3:上研磨面がマクロテクスチャを含む、態様1又は2の研磨パッド。
【0034】
態様4:マクロテクスチャが溝を含む、態様3の研磨パッド。
【0035】
態様5:溝がウィンドウ領域の周辺部分で交差する、態様4の研磨パッド。
【0036】
態様6:研磨層に隣接し、上研磨面からは反対側にあるサブパッドをさらに含み、サブパッドが、光が透明なウィンドウを通って伝送することを可能にするための開口をウィンドウ領域中に含む、前記態様のいずれか一つの研磨パッド。
【0037】
態様7:周辺部分が、透明なウィンドウの厚さ以上の幅を有する、態様1の研磨パッド。
【0038】
態様8:周辺部分が、透明なウィンドウの厚さよりも大きい幅を有する、態様1の研磨パッド。
【0039】
態様9:透明なウィンドウの上面が研磨面の下0.1~1.1mm、好ましくは0.2~1mm、より好ましくは0.2~0.8mm、最も好ましくは0.3~0.6mmの深さまで凹んでいる、前記態様のいずれか一つの研磨パッド。
【0040】
態様10:研磨材料の凹んだ周辺部分の幅が0.05~1.1mm、好ましくは0.1~1mm、より好ましくは0.2~0.8mm、最も好ましくは0.3~0.6mmである、前記態様のいずれか一つの研磨パッド。
【0041】
態様11:ウィンドウと研磨材料の凹んだ周辺部分との接触点で透明なウィンドウの上面が研磨材料の凹んだ周辺部分の上面と同一平面にある、前記態様のいずれか一つの研磨パッド。
【0042】
態様12:透明なウィンドウの上面が研磨材料の凹んだ周辺部分の上面と同一平面にある、前記態様のいずれか一つの研磨パッド。
【0043】
態様13:前記態様のいずれか一つの研磨パッドを形成する方法であって、透明なウィンドウ材料のプラグを型に入れ、プラグの周囲に研磨層を形成する工程と、研磨層の一部分を切り欠いて、凹んだウィンドウと、研磨材料の凹んだ周辺部分とを含むウィンドウ領域を形成する工程とを含む方法。
【0044】
態様14:形成する工程が、厚いスラブを形成することを含み、この厚いスラブが、厚さを通って延びる透明なウィンドウ材料をそれぞれが有する複数の研磨層に切り分けられ、切り欠く工程が透明なウィンドウ材料の上部分の除去を含む、態様13の方法。
【0045】
態様15:研磨される基材を提供する工程と、前記態様のいずれか一つの研磨パッドを提供する工程と、研磨パッド上に半透明なスラリーを提供する工程と、基材を研磨パッドに対して動かす工程と、光を透明なウィンドウ材料に通して伝送し、基材から反射して透明なウィンドウ及び半透明なスラリーを通って戻る光を検出して、研磨が完了したときを決定する工程とを含む研磨方法。
【0046】
本明細書に開示されるすべての範囲は終点を含み、終点は、独立して、互いに組み合わせ可能である(たとえば、「25重量%以下、又はより具体的には5重量%~20重量%」の範囲は、「5重量%~25重量%」の範囲の終点及びすべての中間値を含む、など)。そのうえ、述べられる上限及び下限を組み合わせて範囲を形成することもできる(たとえば、「少なくとも1重量%又は少なくとも2重量%」と「10又は5重量%以下」とを組み合わせて、「1~10重量%」又は「1~5重量%」又は「2~10重量%」又は「2~5重量%」の範囲にすることもできる)。
【0047】
本開示は、択一的に、本明細書に開示される適切な構成要素を含むこともできるし、それらからなることもできるし、それらから本質的になることもできる。本開示は、追加的又は代替的に、従来技術の組成物に使用される、又は他の点では本開示の機能又は目的の達成にとって必要ではない構成要素、材料、成分、補助剤又は種を含まない、又は実質的に含まないように調合されることもできる。
【0048】
引用されるすべての特許、特許出願及び他の参考文献は、全体として参照により本明細書に組み入れられる。しかし、本出願におけるある用語が、組み入れられる参考文献中の用語と矛盾する、又は相容れないならば、本出願からの用語が、組み入れられる参考文献からの相容れない用語よりも優先する。
【0049】
本明細書中で別段の指定がない限り、すべての試験規格は、本出願の出願日の時点又は、優先権が主張されるならば、試験規格が記されている最先の優先権出願の出願日の時点で効力のある最新の規格である。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】