(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109098
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】終点ウィンドウを有する研磨パッド
(51)【国際特許分類】
B24B 37/20 20120101AFI20240805BHJP
B24B 37/22 20120101ALI20240805BHJP
B24B 37/013 20120101ALI20240805BHJP
B24B 37/26 20120101ALI20240805BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
B24B37/20
B24B37/22
B24B37/013
B24B37/26
H01L21/304 622F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024011871
(22)【出願日】2024-01-30
(31)【優先権主張番号】18/162,469
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/404,443
(32)【優先日】2024-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504089426
【氏名又は名称】デュポン・エレクトロニック・マテリアルズ・ホールディング・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DuPont Electronic Materials Holding, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】スー・ユ-チュン
(72)【発明者】
【氏名】キム・ヒョンジン
【テーマコード(参考)】
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C158AA07
3C158CB01
3C158CB05
3C158CB10
3C158DA12
3C158DA17
3C158EA11
3C158EB01
3C158EB05
3C158EB10
3C158EB13
3C158EB14
3C158EB16
5F057AA24
5F057BA15
5F057BB14
5F057CA12
5F057DA03
5F057EB07
5F057EB12
5F057GA12
5F057GB02
5F057GB13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ケミカルメカニカル研磨に使用される研磨パッドを提供する。
【解決手段】ケミカルメカニカル研磨のための研磨パッド100であって、上研磨面110を有する多孔性研磨層120と、上研磨面110からは反対側に位置する、下サブパッド面106bを有するサブパッド106と、終点検出のために信号波を研磨パッド100に通して研磨される基材へと伝送し、研磨パッド100に通して戻すためのウィンドウ104とを含み、ウィンドウ104が、上ウィンドウ面104a、下ウィンドウ面104b及び側縁を有し、上ウィンドウ面104aが上研磨面110から凹んでおり、下ウィンドウ面104bが下サブパッド面106bと実質的に同一平面にあり、ウィンドウ104が下サブパッド面104bから上ウィンドウ面104aまで延び、側縁が研磨材料及びサブパッド材料と接触し、ウィンドウ104が無孔性である、研磨パッド100。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケミカルメカニカル研磨のための研磨パッドであって、
上研磨面を有する多孔性研磨層と、
前記上研磨面からは反対側に位置する、下サブパッド面を有するサブパッドと、
終点検出のために信号波を前記研磨パッドに通して研磨される基材へと伝送し、前記研磨パッドに通して戻すためのウィンドウと
を含み、前記ウィンドウが、上ウィンドウ面、下ウィンドウ面及び側縁を有し、前記上ウィンドウ面が前記上研磨面から凹んでおり、前記下ウィンドウ面が前記下サブパッド面と実質的に同一平面にあり、前記ウィンドウが前記下サブパッド面から前記上ウィンドウ面まで延び、前記側縁が研磨材料及びサブパッド材料と接触し、前記ウィンドウが無孔性である、研磨パッド。
【請求項2】
前記ウィンドウが、前記上ウィンドウ面を画定する上ウィンドウ部分と、前記下ウィンドウ面を画定する封入層部分とを含む、請求項1記載の研磨パッド。
【請求項3】
前記下ウィンドウ面及び前記下サブパッド面と接触した封入層をさらに含む、請求項1記載の研磨パッド。
【請求項4】
前記ウィンドウの前記側縁と接触した前記研磨層の一部分が、前記上研磨面から凹んでいる周辺領域を形成する、請求項1記載の研磨パッド。
【請求項5】
前記ウィンドウに隣接する前記周辺部分の上面が前記上ウィンドウ面と同一平面にある、請求項4記載の研磨パッド。
【請求項6】
前記上研磨面が溝を含む、請求項1記載の研磨パッド。
【請求項7】
前記上ウィンドウ面が前記研磨面の下0.1~1.1mmの深さまで凹んでいる、請求項1記載の研磨パッド。
【請求項8】
研磨層の前記凹んだ周辺部分が、前記上研磨面の前記上面から0.1~1.1mm凹んでいる上面を有し、前記凹んだ上面が0.1~1.1mmの幅を有する、請求項4記載の研磨パッド。
【請求項9】
前記ウィンドウと前記研磨層との間に化学結合が存在しない、請求項1記載の研磨パッド。
【請求項10】
研磨される基材を提供する工程と、
請求項1記載の研磨パッドを提供する工程と、
前記研磨パッド上にスラリーを提供する工程と、
前記基材を前記研磨パッドに対して動かす工程と、
信号波をウィンドウ材料及びスラリーに通して伝送し、前記基材から反射して前記ウィンドウ及びスラリーを通って戻る前記信号波を検出して、研磨が完了したときを決定する工程と
を含む研磨方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、ケミカルメカニカル研磨に使用される研磨パッドである。
【背景技術】
【0002】
ケミカルメカニカルプラナリゼーション(CMP)は、集積回路又は類似の構造の構造物の層を平らにする、すなわち平坦化するために広く使用されている研磨加工の一種である。特に、CMPは、多くの場合、付加的スタッキング及び平坦化加工による三次元回路構造の構築において所定の厚さの平坦な均一層を製造するために使用される。CMP加工は、基材(たとえばウェーハ)面に付着した過剰な材料を除去して、基材(たとえばウェーハ)面積全体に均一に延びる均一な厚さのきわめて平坦な層を製造する。均一な厚さがウェーハ全体に及ぶとき、それはグローバル均一性として知られる。
【0003】
CMPは、ナノサイズの粒子を含有することがある、しばしばスラリーと呼ばれる液体を利用する。スラリーは、回転するプラテンに取り付けられている、回転する多層ポリマーパッド(研磨シートと呼ばれることもある)の表面に供給される。研磨パッドは研磨層を含み、サブパッドを含むこともある。基材(たとえばウェーハ)が、別個の回転手段を有する別個の固定具、すなわちキャリヤの中に取り付けられ、制御された加重の下でパッドの表面に押し当てられる。これが、基材(たとえばウェーハ)と研磨パッドとの間の高速の相対運動と、その結果としての、基材とパッド表面の両方における高速の剪断又は摩耗とを生じさせることができる。この剪断と、パッド/基材接合部に閉じ込められたスラリー粒子とが基材(たとえばウェーハ)表面を摩耗させて、基材表面からの材料の除去をもたらす。除去速度の制御及び除去の均一性が重要である。また、研磨がその所望の目標(たとえば膜厚さ、下にある構造の所期の露呈など)を達したときを決定するためには、計測を使用することが有用である。これは終点検出と呼ばれている。
【0004】
様々なタイプの膜厚さ計測をリアルタイム制御ソフトウェアとともに使用して、終点検出などのデバイス設計目標を達成することができる。終点検出は、コリメート光波、非コリメート光波又は音響信号波などの周期信号を処理して、研磨不足及び研磨過剰の両方からのウェーハ歩留まり問題を回避させる。たとえば、終点検出のための一つの手法が、研磨パッドを通過する所望の波長の光の透過を使用する光学式終点検出システムであって、この光は、研磨される基材から反射したのち、反射した光信号が干渉計へと逆方向に通過する。これは、研磨パッドの少なくとも一部分が、使用される光源に対し、許容しうるSN比を生じさせるのに十分なほど透過性であることを必要とする。終点検出計測機器は、研磨機器内に位置することもできるし、パッドを保持するプラテンの本体内に位置することもできる。
【0005】
光学式検出が使用される特定のパッド構造の場合、パッド材料そのものが、所望の光波長に対して透過性であることもできるし、信号波の効果的な透過を許すための設計を有することもできる。あるいはまた、パッドは、光波の透過を容易にするための代替構造を含むこともできる。たとえば、透明なポリマーを提供し、その回りに不透明な材料を成形して透明なウィンドウを製造することができる。たとえば、米国特許第5,605,760号を参照すること。第三の手法は、開口部を有し、その開口部に透明なウィンドウ材料が挿入され、接着剤によって定位置に保持される、パッドを形成することである。たとえば、米国特許第5,893,796号を参照すること。ウィンドウを有するこれらのパッドの様々なバージョンが発案されている。たとえば、米国特許第7,621,798号、米国特許第8,475,228号、米国特許第10,569,383号、US2021/0402556、米国特許第9,475,168号、米国特許第6,045,439号、米国特許第6,716,085号及び米国特許第8,475,228号を参照すること。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ケミカルメカニカル研磨において終点検出を支援するためにウィンドウが使用される場合、二つの異なる材料(ウィンドウ材料及び研磨層材料)の使用が使用中に問題を生じさせるおそれがある。これらの問題は、研磨される基材のスクラッチ形成もしくは欠陥、ウィンドウと研磨層との磨耗速度の差によるパッドの限られた耐用寿命又は透明なウィンドウ材料と研磨パッド材料との接着の問題の一つ又は複数を含むことがある。したがって、終点検出に使用するためのウィンドウ領域を有する改善された研磨パッドの必要性が残る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示されるものは、ケミカルメカニカル研磨のための研磨パッドであって、上研磨面を有する多孔性研磨層と、上研磨面からは反対側に位置する、下サブパッド面を有するサブパッドと、終点検出のために信号波を研磨パッドに通して研磨される基材へと伝送し、研磨パッドに通して戻すためのウィンドウとを含み、ウィンドウが、上ウィンドウ面、下ウィンドウ面及び側縁を有し、上ウィンドウ面が上研磨面から凹んでおり、下ウィンドウ面が下サブパッド面と実質的に同一平面にあり、ウィンドウが下サブパッド面から上ウィンドウ面まで延び、側縁が研磨材料及びサブパッド材料と接触し、ウィンドウが無孔性である、研磨パッドである。
【0008】
ここで、例示的な実施形態である図面を参照する。図中、類似の要素は類似の符号を付されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本明細書に開示される研磨パッドの一例の断面図である。
【
図2】本明細書に開示される研磨パッドの一例の断面図である。
【
図3】ウィンドウが長方形である、本発明パッドの一例の上面の平面図である。
【
図4】ウィンドウが卵形である、本発明パッドの一例の上面の平面図である。
【
図5】本明細書に開示される研磨パッドの一例の断面図である。
【
図6】本明細書に開示される研磨パッドの一例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
本明細書に開示されるものは、研磨材料とウィンドウとで異なる材料を使用することによって生じる基材に対する欠陥のリスクを減らすと同時に、ウィンドウと研磨材料との接着の問題を減らす設計を有する、ケミカルメカニカル研磨に有用な研磨パッドである。特に、研磨パッドは研磨層及びウィンドウを含む。研磨層は上研磨面及び厚さを有する。研磨層は研磨材料を含む。上ウィンドウ面は上研磨面から凹んでいる。ウィンドウはモノリシック形状であることができる。ウィンドウ材料は信号波を透過させる。信号波は、たとえば光波(たとえば柱状化光又は非柱状化光)又は音響波であることができる。パッドの上研磨面から凹んでいるウィンドウを有することにより、その凹みが、ウィンドウと基材との間の直接的な圧力伝達を防ぐことができる。凹んだウィンドウは、上研磨面まで延びるウィンドウと比べ、研磨パッドの耐用寿命を延ばし、ウィンドウ材料と研磨材料との異なる性質によって生じる欠陥を減らすことができる。
【0011】
特に、ウィンドウ又はプラグを有する多くの従来の研磨パッドは、ウィンドウを通過し、研磨される基材の表面に達する波の良好な透過を保証するために、ウィンドウ(又はプラグ)の少なくとも一部分が上研磨面と同一平面にあることを要求する。しかし、ウィンドウ材料は研磨材料とは異なる組成であるため、使用中、異なる機械特性、接触圧及びテクスチャの局所的な差が認められ、それらが、不均一な研磨速度及び増大したウェーハスケールの不均一性を生じさせることがある。さらに、研磨パッドは一般に、使用中、一定の研磨速度を維持するためにボンドダイアモンド砥粒でコンディショニングされるため、継続的な使用中、研磨材料とウィンドウとの間のコンディショニング磨耗速度の差がウィンドウ区域の突出を生じさせることがある。この突出の発生は、より高レベルのスクラッチ形成欠陥を生じさせ、多くの場合、パッドの交換、ひいては製造費ならびに研磨される基材上のスクラッチ形成及び欠陥の増大を招くことが広く認められている。また、使用中のウィンドウの差異のある薄化が波信号を乱すこともある。研磨材料とウィンドウ材料との間の熱膨張係数の差が、ウィンドウ突出部の形成などの変形を生じさせるのに十分な力を有するさらなる応力を生じさせることもある。
【0012】
上ウィンドウ面を上研磨(面)よりも下に凹ませることが、欠陥又はスクラッチ形成を生じさせるおそれがある、上研磨面よりも上へのウィンドウ材料の突出を回避させる。ウィンドウが凹んだウィンドウであることが、ウィンドウと基材(たとえばシリコーンウェーハ)との間の直接的な圧力伝達を回避又は阻止する。さらには、パッドの全厚さよりも小さい厚さを有するウィンドウを有すると、パッド中の応力除去を容易にすることができる。応力除去は、同じく上研磨面よりも下に凹んでいる研磨材料の周辺部分をウィンドウの周囲に含めることにより、さらに増強することができる。凹んだ領域は増大した柔軟性を提供する。
【0013】
図1、2、5及び6は、全厚さaを有する、本明細書に開示される研磨パッド100の例の断面を示す。研磨パッドは、上研磨面110を有する研磨層120と、ウィンドウ領域103とを有する。研磨層120は多孔性であり、多孔性研磨材料101を含む。
図1及び2は任意選択のマクロテクスチャ102を示す。マクロテクスチャ102は、研磨ならびにスラリー流体及び除去された材料の取り扱いを容易にするための溝、突出部又は一段高い形体であることができる。マクロテクスチャは、たとえば、深さb及び幅gを有する溝の形態であることができる。ウィンドウ領域103は、上面104a及び下面104bを有するウィンドウ(又はプラグ)104を含む。透明なウィンドウ104は、研磨終点を検出するための信号の伝送を容易にするために無孔性である。ウィンドウ104の上面104aは、上研磨面110から距離cだけ凹んでいる。ウィンドウはモノリシック形状であることができる(すなわち、内部界面を有しない単一の材料から作られている)。
図1、2及び5を参照すると、透明なウィンドウ104は、上面104aからサブパッド下面106bまで延びている。上面105aからサブパッド下面106bまでのこの延在は、研磨中にウィンドウを定位置に保持する摩擦力を増す接触の増大を生じさせる。通常、透明なウィンドウ104と研磨層120との間に化学結合は存在しない。この材料間の化学結合の欠如が、透明なウィンドウが上面104aからサブパッド下面106bまでの全長に延びることを重要にする。さらに、透明なウィンドウ104は、好ましくは、透明なウィンドウ104を横切る方向に上面104aから下面106bまでで測定して同じ厚さを有する。これが、信号変動を減らし、透明なウィンドウ104の下面104bをサブパッド106の下面106bと同一平面にする。研磨パッド100は、研磨層120の下にサブパッド106を含む。ウィンドウ104の下面104bはサブパッド106の下面106bと同一平面又は実質的に同一平面にある。本明細書中で使用される「実質的に同一平面」とは、ウィンドウの表面と隣接材料の表面(たとえば、サブパッドの下面又は後述する周辺領域の上面)とが互いから0.02mm未満、0.01mm未満又は0.005mm未満の垂直距離にあることを意味する。
【0014】
図2に示すように、ウィンドウ領域は研磨材料101の周辺部分105を含むことができる。周辺部分は上面105aを有することができる。ウィンドウ104の上面104a及び周辺部分の上面105aはいずれも上研磨面110から凹んでいる。たとえば、
図2に示すように、上ウィンドウ面104a及び上周辺部分面105aはいずれも上研磨面110から距離cだけ凹んでいる。周辺部分は研磨材料101で形成されていることができる。周辺部分の上面105aは、寸法dを有する棚状部を形成することができる。好都合には、寸法「d」(周辺部分又は棚状部の幅)は、無孔性ウィンドウ104に隣接する多孔性研磨層120を圧縮することから生じる応力を減らすために、寸法「c」(ウィンドウ凹みの深さ)以上である。もっとも好都合には、寸法「d」(周辺部分又は棚状部の幅)は、無孔性ウィンドウ104に隣接する多孔性研磨層120を圧縮することから生じる応力を減らすために、寸法「c」(ウィンドウ凹みの深さ)よりも大きい。ウィンドウ104は、無孔性であるため、研磨層120の厚さに等しい厚さの平坦な円形面で圧縮したとき、少なくとも1mm
2のスケール上で、より低い圧縮性を有する。ウィンドウの上面104aの一部分と上面105aとは同一平面にあることができる。特に、少なくともウィンドウが研磨材料と突き合うところでは、上ウィンドウ面104aと上周辺部分面105aとは同一平面にある。
図2は、直角で形成されている周辺部分を示す。しかし、垂直から水平への移行は、代替的に、カーブのある移行であることもできる。
【0015】
図5に示すように、研磨パッド100は、ウィンドウ104の下面104b及びサブパッド106の下面106bと接触した封入層108を含むことができる。封入層108は、プラテンへのパッド100の接着を容易にすることができる。封入層108は、正しい配置でのパッドへのウィンドウ104の挿入を容易にすることができる。封入層108は、パッドの底部に平らな表面を提供することができる。封入層108は、ウィンドウの側縁と研磨層又はサブパッドとの間の接着剤が漏れ出すのを防ぐ。封入層108は、ウィンドウ104を定位置に保持するのを支援することができる。封入層108は、研磨パッド100の下側へのスラリーの漏れを防ぐことができる。もう一つの代替態様において、封入層108は、
図2に示すような研磨パッド100に加えることもできる。
【0016】
図6に示すように、ウィンドウ104は、ウィンドウ104の上面104aを画定する上ウィンドウ部分104tと、ウィンドウ104の下面104bを画定する下封入層104elとを含むことができる。下封入層104elは、プラテンへのパッド100の接着を容易にすることができる。下封入層104elは、正しい配置でのパッドへのウィンドウ104の挿入を容易にすることができる。下封入層104elは、パッドの底部に平らな表面を提供することができる。下封入層104elは、ウィンドウの側縁と研磨層又はサブパッドとの間の接着剤がパッド100の下側に漏れ出すのを防ぐ。下封入層104elは、ウィンドウ104を定位置に保持するのを支援することができる。下封入層104elは、研磨パッド100の下側へのスラリーの漏れを防ぐことができる。もう一つの代替態様において、下封入層104elはまた、
図1に示すような研磨パッド100に加えることもできる。
【0017】
終点検出のために光が使用されるならば、封入層108もしくは下封入層104el、又は封入層108もしくは下封入層104elの一部分は、光透過性であることができる。終点検出のために音響信号波が使用される場合などは、封入層108又は下封入層104elは不透明であることもできる。
【0018】
封入層は、ポリマーフィルム、たとえばポリエステルフィルムを含むことができる。
【0019】
マクロテクスチャ102はウィンドウ領域103から切り離されていることができる。あるいはまた、マクロテクスチャは、ウィンドウ領域103の凹んだ周辺部分105と交差することもできる。
【0020】
図3及び4は、本明細書に開示される研磨パッド100の二つの例の平面図を示し、図中、100は上研磨層であり、102は任意選択の溝であり、104はウィンドウであり、105はウィンドウ領域の任意選択の周辺部分である。
図3中、ウィンドウ104は実質的に卵形であり、
図4中、ウィンドウ104及び周辺部分は実質的に長方形である。正方形、円、他の多角形などの他の形状(図示せず)を使用することもできる。さらに、上研磨層は、任意選択で、複数のウィンドウ(図示せず)、たとえば三つ以上の等間隔のウィンドウを含むこともできる。複数の等間隔のウィンドウは信号測定と信号測定との間の時間を減らす。この信号測定間の時間の減少は研磨終点検出の精度を高めることができる。
【0021】
ウィンドウは、好ましくは、信号波の伝送を妨害又は阻止することがある界面を回避するために、単一の材料でできたモノリシック構造である。ウィンドウ材料は、室温ならびに使用の温度及び条件で非流動性の材料である。ウィンドウ材料はたとえば固体又はゲルであることができる。ウィンドウ材料は、内部界面を有しないという点で、均質であることができる。たとえば、ウィンドウは無孔性であることができる。ウィンドウは、ウィンドウの厚さ方向の各距離で一定又は実質的に同じである、側縁によって画定される断面を有することができる。換言するならば、断面は、ウィンドウの厚さ全体を通して拡大も縮小もしない。
【0022】
ウィンドウ領域の凹みがパッド寿命を延ばすことができる。ウィンドウ領域の凹み(たとえば103)の深さは、使用中に過度の有害な変形を生じさせることなく所望の柔軟性を提供するために、パッドに使用される材料(たとえば研磨材料、ウィンドウ材料)の特性に適応するように調節することができる。たとえば、凹み深さcは、0.1mmよりも大きいか、0.2mmよりも大きいか、又は少なくとも0.3mmで、1.1mm以下、1mm以下、0.8mm以下、0.6mm以下又は0.4mm以下であることができる。
【0023】
全研磨層厚さに比べて薄い研磨材料を研磨層の周辺部分に有することが、使用中の柔軟性を可能にすることができる。同様に、周辺部分の幅もまた、パッド材料及び設計に関して所望の機械的応答を提供するように調節することができる。周辺領域の幅dは、たとえば、少なくとも0.05mm、少なくとも0.1mm、少なくとも0.2mm又は少なくとも0.3mmで、1.1mm以下、1mm以下、0.8mm以下、0.6mm以下又は0.4mm以下であることができる。
【0024】
上研磨面に対して平行な方向におけるウィンドウ材料の主要寸法eは、CMPパッドのウィンドウに一般に使用される寸法であることができる。さらなる例では、上研磨面に対して平行な方向におけるウィンドウの寸法は約8~18mm。ウィンドウは、研磨層領域の寸法(たとえば寸法e)と同じ、又は実質的に同じであるサブパッド領域の寸法(たとえば寸法f)を有することができる。たとえば、水平方向のウィンドウの断面は、ウィンドウの厚さ全体を通して一定であることができる。
【0025】
ウィンドウを実質的にサブパッドの底部まで延ばすことは、研磨される基材に向かってパッドを通過する信号波の伝送を妨害することがあるさらなる界面を回避させる。たとえば、サブパッドの底部よりも上に凹んだ下面を有するウィンドウは、ノイズ及び波伝送の妨害を生じさせることがある反射面を創り出すことがある。パッドの使用中はスラリーが凹み103の中に存在するため、その領域における波信号の妨害は減ることに留意すること。特に、光学式システムの場合、半透明のスラリーを使用することができる。
【0026】
研磨パッドの全厚さ(たとえば研磨パッド+サブパッド)は好ましくは4mm以下である。たとえば、研磨パッドの全厚さは、1~4mm、1.5~4mm、1.7~3.5mm又は2~3mmであることができる。研磨層は、0.5~3mm、0.7~2.5mm、1.2~2.2mm又は1~2mmの厚さを有することができる。サブパッドは、0.5~3mm、0.7~2.5mm、1~2mmの厚さを有することができる。ウィンドウは、上側の凹みと、サブパッドの底部と実質的に同一平面にあることとのせいで、研磨パッドの全厚さよりも小さい厚さを有する。ウィンドウの厚さは、0.6~3.9mm、0.7~3.8mm、0.8~3.7mm、0.9~3.5mm、1~3mm又は1.5~2.5mmであることができる。
【0027】
上記のように、研磨層は任意選択のマクロテクスチャ(たとえば溝)を含むことができる。マクロテクスチャは有効弾性率に影響することができるため、マクロテクスチャ又は溝の深さb及び全研磨層厚さaに対してウィンドウ区域凹み深さc、周辺部分幅dの可変調節を実施して、本明細書に開示されるパッド設計の特徴である所望の柔軟性を提供することができる。たとえば、ウィンドウ凹み深さcは、全パッド厚さaの20~50%又は30~40%であることができる。もう一つの例として、ウィンドウ凹み深さcは、マクロテクスチャ深さbの50~90%又は60~80%であることができる。もう一つの例として、周辺部分幅dは、マクロテクスチャ(たとえば溝)幅gの40~60%であることができる。後述する、開示されるパッドの製造方法により、これらの比率は製造中に容易に調節することができる。
【0028】
本発明設計のさらなる利点は、それが、パッドの寿命の終わりを決定するための簡単な手段を提供し得ることである。ウィンドウ凹み深さは、溝深さに応じて小さくなり得るため、経時的なパッドコンディショニング磨耗が、ウィンドウ凹み深さがゼロに近づくにつれ、終点信号の変化を生じさせると予想される。この変化はマクロテクスチャが完全に消える前に起こることができるため、研磨性能に有意な変化が生じる前にパッドの使用を中止して、不均一性及び欠陥を防ぐことができる。
【0029】
研磨層120の研磨材料101はポリマーを含むことができる。研磨材料101は、研磨層120の厚さで不透明であることができる。たとえば、中空の柔軟なポリマー要素(たとえば中空のマイクロスフェア)、発泡剤、起泡(剤)又は超臨界二酸化炭素の添加によって気孔を提供することができる。研磨層のためのポリマー材料の例は、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ナイロン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリエチレンイミン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリケトン、エポキシ樹脂、シリコーン、それらのコポリマー(たとえばポリエーテル/ポリエステルコポリマー)及びそれらの混合物又はブレンドを含む。研磨層は、一つ以上の多官能性イソシアネートと一つ以上のポリオールとの反応によって形成されるポリウレタンであるポリマーを含むことができる。たとえば、ポリイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを使用することができる。本発明のケミカルメカニカル研磨パッドの研磨層の形成に使用される多官能性イソシアネートは、脂肪族多官能性イソシアネート、芳香族多官能性イソシアネート及びそれらの混合物からなる群より選択することができる。たとえば、本発明のケミカルメカニカル研磨パッドの研磨層の形成に使用される多官能性イソシアネートは、2,4-トルエンジイソシアネート;2,6-トルエンジイソシアネート;4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート;ナフタレン-1,5-ジイソシアネート;トリジンジイソシアネート;パラフェニレンジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート;及びそれらの混合物からなる群より選択されるジイソシアネートであることができる。多官能性イソシアネートは、ジイソシアネートとプレポリマーポリオールとの反応によって形成されるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーであることができる。イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、2~12重量%、2~10重量%、4~8重量%又は5~7重量%の未反応イソシアネート(NCO)基を有することができる。多官能性イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを形成するために使用されるプレポリマーポリオールは、ジオール、ポリオール、ポリオールジオール、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群より選択することができる。たとえば、プレポリマーポリオールは、ポリエーテルポリオール(たとえばポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール及びそれらの混合物);ポリカーボネートポリオール;ポリエステルポリオール;ポリカプロラクトンポリオール;それらの混合物;ならびに、エチレングリコール;1,2-プロピレングリコール;1,3-プロピレングリコール;1,2-ブタンジオール;1,3-ブタンジオール;2-メチル-1,3-プロパンジオール;1,4-ブタンジオール;ネオペンチルグリコール;1,5-ペンタンジオール;3-メチル-1,5-ペンタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;ジエチレングリコール;ジプロピレングリコール;及びトリプロピレングリコールからなる群より選択される一つ以上の低分子量ポリオールを含んだそれらの混合物からなる群より選択することができる。たとえば、プレポリマーポリオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG);エステル系ポリオール(たとえばアジピン酸エチレン、アジピン酸ブチレンなど);ポリプロピレンエーテルグリコール(PPG);ポリカプロラクトンポリオール;それらのコポリマー;及びそれらの混合物からなる群より選択することができる。たとえば、プレポリマーポリオールは、PTMEG及びPPGからなる群より選択することができる。プレポリマーポリオールがPTMEGであるとき、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、2~10重量%(より好ましくは4~8重量%;最も好ましくは6~7重量%)の未反応イソシアネート(NCO)濃度を有することができる。市販のPTMEG系イソシアネート末端ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から入手可能、たとえばPET-80A、PET-85A、PET-90A、PET-93A、PET-95A、PET-60D、PET-70D、PET-75D);Adiprene(登録商標)プレポリマー(Chemturaから入手可能、たとえばLF 800A、LF 900A、LF 910A、LF 930A、LF 931A、LF 939A、LF 950A、LF 952A、LF 600D、LF 601D、LF 650D、LF 667、LF 700D、LF750D、LF751D、LF752D、LF753D及びL325);Andur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから入手可能、たとえば70APLF、80APLF、85APLF、90APLF、95APLF、60DPLF、70APLF、75APLF)を含む。プレポリマーポリオールがPPGであるとき、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、3~9重量%(より好ましくは4~8重量%、最も好ましくは5~6重量%)の未反応イソシアネート(NCO)濃度を有することができる。市販のPPG系イソシアネート末端ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から入手可能、たとえばPPT-80A、PPT-90A、PPT-95A、PPT-65D、PPT-75D);Adiprene(登録商標)プレポリマー(Chemturaから入手可能、たとえばLFG 963A、LFG 964A、LFG 740D);及びAndur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから入手可能、たとえば8000APLF、9500APLF、6500DPLF、7501DPLF)を含む。イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、0.1重量%未満の遊離トルエンジイソシアネート(TDI)モノマー含量を有する低遊離イソシアネート末端ウレタンプレポリマーであることができる。また、非TDI系イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを使用することもできる。たとえば、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とポリテトラメチレングリコール(PTMEG)などのポリオールと1,4-ブタンジオール(BDO)などの任意選択のジオールとの反応によって形成されるものを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマーが許容可能である。そのようなイソシアネート末端ウレタンプレポリマーが使用されるとき、未反応イソシアネート(NCO)濃度は、好ましくは4~10重量%(より好ましくは4~10重量%、最も好ましくは5~10重量%)である。このカテゴリーの市販のイソシアネート末端ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から入手可能、たとえば27-85A、27-90A、27-95A);Andur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから入手可能、たとえばIE75AP、IE80AP、IE85AP、IE90AP、IE95AP、IE98AP);及びVibrathane(登録商標)プレポリマー(Chemturaから入手可能、たとえばB625、B635、B821)を含む。
【0030】
ウィンドウ104は、たとえば、ポリマー又はポリマーブレンドを含むことができる。光学式検出システムの場合、ウィンドウ材料は、光学式計測によって使用される光の波長で十分な透過性を有するべきである。ウィンドウ材料が、研磨層に使用される材料の硬さ又は熱膨張係数に類似する硬さ又は熱膨張係数を有するならば、それは有用であることができる。ウィンドウ材料の例は、ポリウレタン、アクリル系ポリマー、環式オレフィンコポリマー(たとえばTOPAS 8007など)を含む。研磨層及びサブパッド層がポリウレタンであるパッドにおいては、同じくポリウレタン材料の使用が有用であることができる。
【0031】
ウィンドウは、好都合には、脂肪族ポリイソシアネート含有材料(「プレポリマー」)から作られる。プレポリマーは、脂肪族ポリイソシアネート(たとえばジイソシアネート)とヒドロキシル含有材料との反応生成物である。その後、プレポリマーを硬化剤で硬化させる。好ましい脂肪族ポリイソシアネートとしては、非限定的に、メチレンビス-4,4′-シクロヘキシルイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン-1,2-ジイソシアネート、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレン-ジイソシアネート、ドデカン-1,12-ジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリイソシアネート、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン、エチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及びそれらの混合物がある。好ましい脂肪族ポリイソシアネートは、10重量%未満の未反応イソシアネート基を有するものである。
【0032】
好都合には、硬化剤はポリジアミンである。好ましいポリジアミンとしては、非限定的に、ジエチルトルエンジアミン(「DETDA」)、3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミン及びその異性体、3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミン及びその異性体、たとえば3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジアミン、4,4′-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタン、1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、4,4′-メチレン-ビス-(2-クロロアニリン)、4,4′-メチレン-ビス-(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン)(「MCDEA」)、ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート、N,N′-ジアルキルジアミノジフェニルメタン、p,p′-メチレンジアニリン(「MDA」)、m-フェニレンジアミン(「MPDA」)、メチレン-ビス-2-クロロアニリン(「MBOCA」)、4,4′-メチレン-ビス-(2-クロロアニリン)(「MOCA」)、4,4′-メチレン-ビス-(2,6-ジエチルアニリン)(「MDEA」)、4,4′-メチレン-ビス-(2,3-ジクロロアニリン)(「MDCA」)、4,4′-ジアミノ-3,3′-ジエチル-5,5′-ジメチルジフェニルメタン、2,2′,3,3′-テトラクロロジアミノジフェニルメタン、トリメチレングリコールジ-p-アミノベンゾエート及びそれらの混合物がある。好ましくは、本発明の硬化剤としては、3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミン及びその異性体がある。適当なポリアミン硬化剤としては、第一級アミンと第二級アミンの両方がある。
【0033】
加えて、他の硬化剤、たとえばジオール、トリオール、テトラオール又はヒドロキシ末端硬化剤を前述のポリウレタン組成物に加えることもできる。適当なジオール、トリオール及びテトラオールの群は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、低分子量ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3-ビス-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン、1,3-ビス-{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、レソルシノール-ジ-(β-ヒドロキシエチル)エーテル、ヒドロキノン-ジ-(β-ヒドロキシエチル)エーテル及びそれらの混合物を含む。好ましいヒドロキシ末端硬化剤としては、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3-ビス-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン、1,3-ビス-{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン、1,4-ブタンジオール及びそれらの混合物がある。ヒドロキシ末端硬化剤及びアミン硬化剤はいずれも一つ以上の飽和、不飽和、芳香族及び環式基を含むことができる。加えて、ヒドロキシ末端硬化剤及びアミン硬化剤は一つ以上のハロゲン基を含むことができる。ポリウレタン組成物は、硬化剤のブレンド又は混合物と共に形成することができる。しかし、望むならば、ポリウレタン組成物は、単一の硬化剤と共に形成することもできる。
【0034】
サブパッド106はポリマー材料を含むことができる。サブパッド材料は、研磨層102の研磨材料101よりも適合性を高くすることができる。サブパッド106は多孔性層を含むことができる。サブパッド層のためのポリマー材料の例は、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ナイロン、エポキシ樹脂、ポリエーテル、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリエチレンイミン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリケトン、シリコーン、それらのコポリマー(たとえばポリエーテル/ポリエステルコポリマー)及びそれらの混合物又はブレンドを含む。
【0035】
本明細書に開示される研磨パッドは、ウィンドウ材料の底部分を保持するための凹みを有する型の中にウィンドウのプラグを提供し、型キャビティの中に突出するプラグの部分の周囲に研磨層を成形することによって作製することができる。これが、埋め込まれたプラグを有し、そのプラグの一部分が研磨層を超えて突出する研磨層を形成する。パッドのサブパッド部分を形成するためには、第二の成形工程で、別個の型の中、プラグの底部分の周囲にサブパッドを成形することができる。あるいはまた、これらの工程を逆にして、まずサブパッドをウィンドウ材料プラグの一部分の周囲に成形し、次いで研磨層を成形することもできる。もう一つの手法にしたがって、サブパッド材料を予備成形し、ウィンドウの底部分を受けるために形成された開口部を有する研磨層の底部に接着することもできる。いずれの手法を用いても、ウィンドウ領域103の凹みを、ウィンドウ104中に、また、任意選択で、凹んだ周辺部分105が望まれるならば、研磨層120中、ウィンドウ材料のプラグの周囲の区域に、切削する。研磨層120はまた、マクロテクスチャ102を提供するように切削されることもできる。凹みを形成するための切削は、たとえばフライス加工によって実施することができる。使用することができるフライス盤の市販品の例がCNCフライス盤であることができる。
【0036】
本明細書に開示される研磨パッドを使用する方法は、研磨される基材を提供する工程と、本明細書に開示される研磨パッドを提供する工程と、任意選択で、研磨パッド上にスラリーを提供する工程と、研磨パッドを基材と接触させ、基材及び研磨パッドを互いに対して動かす(たとえば回転動で)工程と、信号波をウィンドウに通して伝送し、基材から反射してウィンドウを通って戻る信号波を検出して、研磨が完了したときを決定する工程とを含む。光学式検出が使用される場合、半透明のスラリーの使用が好ましい。
【0037】
本開示はさらに以下の態様を包含する。
【0038】
態様1:ケミカルメカニカル研磨のための研磨パッドであって、上研磨面を有する多孔性研磨層と、上研磨面からは反対側に位置する、下サブパッド面を有するサブパッドと、終点検出のために信号波を研磨パッドに通して研磨される基材へと伝送し、研磨パッドに通して戻すためのウィンドウとを含み、ウィンドウが、上ウィンドウ面、下ウィンドウ面及び側縁を有し、上ウィンドウ面が上研磨面から凹んでおり、下ウィンドウ面が下サブパッド面と実質的に同一平面にあり、ウィンドウが下サブパッド面から上ウィンドウ面まで延び、側縁が研磨材料及びサブパッド材料と接触し、ウィンドウが無孔性である、研磨パッド。
【0039】
態様2:ウィンドウが、上ウィンドウ面を画定する上ウィンドウ部分と、下ウィンドウ面を画定する封入層部分とを含む、態様1の研磨パッド。
【0040】
態様3:ウィンドウが不透明である、態様1又は2の研磨パッド。
【0041】
態様4:ウィンドウが、上ウィンドウ面を画定する上ウィンドウ部分と、下ウィンドウ面を画定する封入層部分とを含む、態様2の研磨パッド。
【0042】
態様5:下ウィンドウ面及び下サブパッド面と接触した封入層をさらに含む、態様1の研磨パッド。
【0043】
態様6:ウィンドウが光透過性であり、封入層が、ウィンドウと接触した透明な部分を含む、態様5の研磨パッド。
【0044】
態様7:封入層が不透明である、態様5の研磨パッド。
【0045】
態様8:上研磨面が溝を含む、前記態様のいずれか一つの研磨パッド。
【0046】
態様9:ウィンドウの側縁と接触した研磨層の一部分が、上研磨面から凹んでいる周辺領域を形成する、前記態様のいずれかの研磨パッド。
【0047】
態様10:研磨層の凹んだ周辺部分が、上研磨面の上面から0.1~1.1mm凹んでいる上面を有し、凹んだ上面が0.1~1.1mmの幅を有する、態様9の研磨パッド。
【0048】
態様11:上研磨面が溝を含み、溝がウィンドウ領域の凹んだ周辺部分と交差する、態様9又は10の研磨パッド。
【0049】
態様12:ウィンドウに隣接する周辺部分の上面がウィンドウの上面と同一平面にある、態様9~11のいずれか一つの研磨パッド。
【0050】
態様13:ウィンドウの上面が研磨面の下0.1~1.1mmの深さまで凹んでいる、前記態様のいずれか一つの研磨パッド。
【0051】
態様14:ウィンドウが実質的に光透過性である、前記態様のいずれか一つの研磨パッド。
【0052】
態様15:ウィンドウがモノリシックである、態様1及び4~14のいずれか一つの研磨パッド。
【0053】
態様16:ウィンドウが、ウィンドウの厚さを通して一定の面積の断面を有する、前記態様のいずれか一つの研磨パッド。
【0054】
態様17:ウィンドウが、非流動性であるウィンドウ材料を含む、前記態様のいずれか一つの研磨パッド。
【0055】
態様18:ウィンドウ材料が、貯蔵及び使用の条件で非圧縮性である、態様11の研磨パッド。
【0056】
態様19:ウィンドウ材料が固体又はゲルを含む、態様11の研磨パッド。
【0057】
態様20:ウィンドウがプラグである、前記態様のいずれか一つの研磨パッド。
【0058】
態様21:凹みが、ウィンドウと研磨される基材との間の直接的な圧力伝達を阻止する、前記態様のいずれか一つの研磨パッド。
【0059】
態様22:研磨層が研磨材料を含む、前記態様のいずれか一つの研磨パッド。
【0060】
態様23:サブパッドがサブパッド材料を含む、前記態様のいずれか一つの研磨パッド。
【0061】
態様24:ウィンドウがウィンドウ材料を含む、前記態様のいずれか一つの研磨パッド。
【0062】
態様25:ウィンドウと研磨層との間に化学結合が存在しない、態様aの研磨パッド。
【0063】
態様26:研磨される基材を提供する工程と、前記態様のいずれか一つの研磨パッドを提供する工程と、研磨パッドと基材との間にaを提供する工程と、基材を研磨パッドに対して動かす工程と、信号波をウィンドウ材料及びスラリーに通して伝送し、基材から反射してウィンドウ及びスラリーを通って戻る信号波を検出して、研磨が完了したときを決定する工程とを含む研磨方法。
【0064】
態様27:信号波が柱状化光波、非柱状化光波又は音響波を含む、態様26の方法。
【0065】
本明細書に開示されるすべての範囲は終点を含み、終点は、独立して、互いに組み合わせ可能である(たとえば、「25重量%以下、又はより具体的には5重量%~20重量%」の範囲は、「5重量%~25重量%」の範囲の終点及びすべての中間値を含む、など)。そのうえ、述べられる上限及び下限を組み合わせて範囲を形成することもできる(たとえば、「少なくとも1重量%又は少なくとも2重量%」と「10又は5重量%以下」とを組み合わせて、「1~10重量%」又は「1~5重量%」又は「2~10重量%」又は「2~5重量%」の範囲にすることもできる)。
【0066】
本開示は、択一的に、本明細書に開示される適切な構成要素を含むこともできるし、それらからなることもできるし、それらから本質的になることもできる。本開示は、追加的又は代替的に、従来技術の組成物に使用される、又は他の点では本開示の機能又は目的の達成にとって必要ではない構成要素、材料、成分、補助剤又は種を含まない、又は実質的に含まないように調合されることもできる。
【0067】
引用されるすべての特許、特許出願及び他の参考文献は、全体として参照により本明細書に組み入れられる。しかし、本出願におけるある用語が、組み入れられる参考文献中の用語と矛盾する、又は相容れないならば、本出願からの用語が、組み入れられる参考文献からの相容れない用語よりも優先する。
【0068】
本明細書中で別段の指定がない限り、すべての試験規格は、本出願の出願日の時点又は、優先権が主張されるならば、試験規格が記されている最先の優先権出願の出願日の時点で効力のある最新の規格である。
【外国語明細書】