(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109112
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】基板支持装置及びこれを用いた基板製造方法
(51)【国際特許分類】
C23C 14/50 20060101AFI20240805BHJP
H10K 71/16 20230101ALI20240805BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240805BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240805BHJP
【FI】
C23C14/50 A
H10K71/16 166
H10K50/10
H10K59/10
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024013444
(22)【出願日】2024-01-31
(31)【優先権主張番号】10-2023-0012964
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】500520318
【氏名又は名称】サニック システム リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SUNIC SYSTEM. LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, ドンウク
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジェウク
(72)【発明者】
【氏名】ホン, イントク
(72)【発明者】
【氏名】パク, チャンスク
(72)【発明者】
【氏名】リュ, ジェグァン
【テーマコード(参考)】
3K107
4K029
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC45
3K107DD11
3K107GG04
3K107GG32
4K029BA62
4K029BB03
4K029CA01
4K029HA01
4K029JA01
4K029JA05
4K029KA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基板製造工程において基板の垂れ下がりを低減することができる基板支持装置及びそれを用いた基板製造方法を提供する。
【解決手段】互いに平行に配置され、第1方向に基づいて互いに離隔するように配置された複数の位置調整器110、および複数の位置調整器110に連結され、基板を支持するための複数の支持部120を含み、複数の支持部120は、基板の下に互いに離隔されるように配置され、基板を支持するように構成され、複数の支持部120は、複数の位置調整器110によって上昇するように構成され得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行に第1方向に間隔を空けて配置された複数の位置調整器、および
前記複数の位置調整器に連結され、基板を支持するように構成された複数の支持部を含み、
前記複数の支持部が、前記基板の下で互いに離隔されるように配置され、前記基板を支持するように構成され、
前記複数の支持部は、前記複数の位置調整器によって上昇するように構成された、基板支持装置。
【請求項2】
前記第1方向に沿って配置され、前記複数の位置調整器と前記複数の支持部の各々に連結された一対のガイド部をさらに含み、
前記複数の位置調整器が、前記一対のガイド部を昇降させるように構成され、
前記複数の支持部は、前記第1方向と垂直な第2方向に沿って配置され、前記一対のガイド部に移動可能に結合された、請求項1に記載の基板支持装置。
【請求項3】
前記一対のガイド部の各々に配置され、前記複数の支持部を前記第1方向に移動させるように構成された複数の回転駆動部を含む、請求項2に記載の基板支持装置。
【請求項4】
前記複数の位置調整器が、前記一対のガイド部に沿って互いに離隔された、請求項2に記載の基板支持装置。
【請求項5】
前記複数の支持部の各々が、前記複数の回転駆動部の各々によって移動され、互いに離隔された状態を維持する、請求項3に記載の基板支持装置。
【請求項6】
前記一対のガイド部の各々が、前記基板が支持されないときに前記複数の支持部が位置する複数の待機位置、および前記複数の支持部が前記基板を支持するように構成された支持位置を含み、
前記支持位置の各々は、前記複数の待機位置の各位置の間にある、請求項2に記載の基板支持装置。
【請求項7】
前記複数の支持部の各々が、
前記一対のガイド部分の各々に移動可能に結合する支持フレーム、および
前記支持フレームに結合する支持部材を含み、
前記支持部材は、前記支持フレームよりも短い長さを有し、前記支持フレームの長さ方向に沿って配置された、請求項3に記載の基板支持装置。
【請求項8】
前記支持部材が、
前記支持フレームに結合するハウジング、
前記ハウジングに結合し、貫通孔を有するストッパ、
前記ストッパと前記ハウジングに移動可能に結合したガイドシャフト、
前記ガイドシャフトを包み込み、前記ガイドシャフトの一側と前記ハウジングとによって支持される弾性部材、および
前記弾性部材と対向するように前記ガイドシャフトの一側に結合され、前記貫通孔を介して部分的に前記ストッパの外部に突出する支持バーを含む、請求項7に記載の基板支持装置。
【請求項9】
前記一対のガイド部が、前記第1方向に第1端および第2端を有し、
前記複数の支持部が、
前記一対のガイド部の前記第1端に配置された第1支持フレーム、
前記第1支持フレームよりも前記一対のガイド部の前記第2端の近くに配置された第2支持フレーム、
前記第2支持フレームよりも前記一対のガイド部の前記第2端の近くに配置された第3支持フレーム、並びに
前記第3支持フレームよりも前記一対のガイド部の前記第2端の近くに配置された第4支持フレームを含み、
前記第1支持フレーム、前記第2支持フレーム、前記第3支持フレーム、および前記第4支持フレームは、前記基板を支持するように前記支持位置で互いに離隔するように構成された、請求項6に記載の基板支持装置。
【請求項10】
前記複数の待機位置が、前記一対のガイド部の第1端にある第1待機位置、および前記一対のガイド部の第2端にある第2待機位置を含み、
前記第1支持フレームと前記第2支持フレームは、前記基板が支持されないときに前記第1待機位置に配置されるように構成され、
前記第3支持フレームと前記第4支持フレームは、前記基板が支持されないときに前記第2待機位置に配置されるように構成された、請求項9に記載の基板支持装置。
【請求項11】
前記複数の位置調整器の各々が、
前記一対のガイド部の各々に連結する昇降軸、
前記昇降軸を部分的に囲み、前記昇降軸に結合されたベローズ、および
前記ベローズ上に配置され、前記昇降軸を昇降させるシリンダポンプを含む、請求項2に記載の基板支持装置。
【請求項12】
前記複数の回転駆動部の各々が、前記一対のガイド部の各々に配置されたボールねじ、および前記ボールねじを回転させるように構成された回転モータを含む、請求項7に記載の基板支持装置。
【請求項13】
前記一対のガイド部の各々が、
ガイドハウジング、
前記ガイドハウジングに結合し、前記ボールねじの下で前記ボールねじの長さ方向に沿って配置されたLMガイド、および
前記LMガイドと前記ボールねじに移動可能に結合し、前記ボールねじの回転によって前記LMガイドに沿って移動するLMブロックを含む、請求項12に記載の基板支持装置。
【請求項14】
前記一対のガイド部の各々が、前記支持フレームの一側または他側が挿入されるガイド孔をさらに含み、
前記ガイド孔は、前記支持部材が配置される前記ガイドハウジングの一側とは反対側の前記ガイドハウジングの他側にある、請求項13に記載の基板支持装置。
【請求項15】
前記複数の支持部の各々が、前記ガイド孔に挿入された前記支持フレームの一側に結合された離脱防止部材をさらに含み、
前記離脱防止部材の幅は、前記ガイド孔の幅より大きい、請求項14に記載の基板支持装置。
【請求項16】
前記複数の位置調整器の各々が、
前記複数の支持部の各々に結合する昇降軸、
前記昇降軸を部分的に囲み、前記昇降軸に結合されたベローズ、
前記ベローズ上に配置され、前記昇降軸を回転させる駆動モータ、および
前記駆動モータ上に配置され、前記駆動モータを昇降させる昇降モータを含む、請求項2に記載の基板支持装置。
【請求項17】
前記複数の支持部の各々が、
前記昇降軸の端に連結され、前記昇降軸の回転によって回転されるように構成されたアームフレーム、および
前記昇降軸から離隔された前記アームフレームに結合されたピンアセンブリを含み、
前記ピンアセンブリは、前記アームフレームの回転によって回転するように構成された、請求項16に記載の基板支持装置。
【請求項18】
前記ピンアセンブリが、
前記アームフレームに結合するボトムフランジ、
前記ボトムフランジに結合し、ピン貫通孔を有するピンハウジング、
前記ボトムフランジと前記ピンハウジングに移動可能に結合し、前記ピン貫通孔を介して部分的に前記ピンハウジングの外部に突出するピンガイドシャフト、
前記ピンガイドシャフトを部分的に包み、前記ピンガイドシャフトの一側と前記ピンハウジングとによって支持されるピン弾性部材、および
前記ピン弾性部材と対向するように前記ピンガイドシャフトの一側に結合された支持ピンを含む、請求項17に記載の基板支持装置。
【請求項19】
前記複数の支持部の各々に含まれる前記ピンアセンブリが、順次または同時に回転するように構成された、請求項17に記載の基板支持装置。
【請求項20】
チャンバの基板ホルダに端が支持された基板と重畳しないように、複数の支持部を待機位置に位置させる工程、
前記複数の支持部を支持位置に位置させ、前記基板上に配置されたチャッキングプレートを下降させる工程、
前記複数の支持部を上昇させて前記基板を支持し、前記チャッキングプレートに電圧を印加して前記基板を前記チャッキングプレートにチャッキングさせる工程、
前記複数の支持部を下降させて前記待機位置に移動させる工程、
前記チャッキングプレートを下降させて開口部を有するマスクを前記基板に付着させて、ソースから有機物質を蒸発させて前記基板に蒸着させる工程、
前記複数の支持部を前記支持位置に移動させた後上昇させて、前記有機物質が蒸着した前記基板を支持する工程、
前記チャッキングプレートに印加される電圧をオフにする工程、および
前記複数の支持部を下降させて前記有機物質が蒸着した前記基板の端を前記基板ホルダに支持させる工程を含む、基板製造方法。
【請求項21】
チャンバの基板ホルダに端が支持された基板と重畳しないように、複数のピンアセンブリを待機位置に位置させる工程、
前記複数のピンアセンブリを回転させて支持位置に位置させ、前記基板上に位置したチャッキングプレートを下降させる工程、
前記複数のピンアセンブリを上昇させて前記基板を支持し、前記チャッキングプレートに電圧を印加して前記基板を前記チャッキングプレートにチャッキングさせる工程、
前記複数のピンアセンブリを下降させた後、回転させて前記待機位置に位置させる工程、
前記チャッキングプレートを下降させて開口部を具備したマスクを前記基板に付着させて、ソースから有機物質を蒸発させて前記基板に蒸着させる工程、
前記複数のピンアセンブリを回転させて前記支持位置に位置させた後上昇させて、前記有機物質が蒸着した前記基板を支持する工程、
前記チャッキングプレートに印加される電圧をオフにする工程、および
前記複数のピンアセンブリを下降させて前記有機物質が蒸着した前記基板の端を前記基板ホルダに支持させる工程を含む、基板製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ディスプレイ装置に用いられる基板を支持する基板支持装置及びこれを用いた基板製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報化社会が発展するにつれて、映像を表示するためのディスプレイ装置に対する要求が様々な形態で増加している。これにより、近年、液晶ディスプレイ装置(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ装置(PDP:Plasma Display Panel)、有機発光ディスプレイ装置(OLED:Organic Light Emitting Display)、クォンタムドット発光ディスプレイ装置(QLED:Quantum dot Light Emitting Display)のような様々なディスプレイ装置が活用されている。
【0003】
有機発光ディスプレイ装置は、OLED(Organic Light Emitting Diode)を具備した基板を用いて製造することができ、基板は、OLED蒸着装置を介して製造することができる。
【0004】
OLED蒸着装置は、チャンバの内部に基板が挿入された状態でソースから有機物を蒸発させ、蒸発した有機物質が基板に蒸着するように構成される。
【0005】
一方、チャンバの内部に挿入された基板は、チャンバ内部の基板ホルダに端を支持した状態で、チャンバの上側に配置されたチャッキングプレートが下降してチャッキングプレートに固定(またはチャッキング)する。基板の全面をチャッキングプレートに固定(またはチャッキング)した後、チャッキングされていない基板の反対側に有機物質が蒸着される。
【0006】
近年、ディスプレイ装置が大型化するにつれて、基板の大きさも大型化している。基板の大きさが大型化するにつれて、基板自体の荷重によって基板の中心部分が下方に垂れ下がることで、チャッキングプレートに基板が固定(またはチャッキング)されないという問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書は、基板製造工程における基板の垂れ下がりを最小限に抑えることができる基板支持装置及びこれを用いた基板製造方法を提供することを技術的課題とする。
【0008】
本明細書は、基板製造工程における基板の垂れ下がりを最小化することができ、基板の不良率を低減できる基板支持装置及びこれを用いた基板製造方法を提供することを技術的課題とする。
【0009】
本明細書は、生産エネルギーを低減することができる基板支持装置及びこれを用いた基板製造方法を提供することを技術的課題とする。
【0010】
本明細書の例による解決しようとする課題は、上で言及した課題に限定されず、言及していないまた他の課題は、以下の記載内容から本明細書の技術思想が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書のいくつかの例による基板支持装置は、互いに平行に配置され、第1方向に基づいて互いに離隔するように配置された複数の位置調整器、および複数の位置調整器に連結され、基板を支持するための複数の支持部を含み、複数の支持部が、基板の下に互いに離隔されるように配置され、基板を支持するように構成され、複数の支持部は、複数の位置調整器によって上昇するように構成され得る。
【0012】
本明細書のいくつかの例による基板製造方法は、チャンバの基板ホルダに端が支持された基板と重畳しないように複数の支持部を待機位置に位置させる工程、複数の支持部を支持位置に位置させ、基板上に配置されチャッキングプレートを下降させる工程、複数の支持部を上昇させて基板を支持し、チャッキングプレートに電圧を印加して基板をチャッキングプレートにチャッキングする工程、複数の支持部を下降させて待機位置に移動させる工程、チャッキングプレートを下降させて開口部を具備したマスクを基板に付着させ、ソースから有機物質を蒸発させて基板に蒸着させる工程、複数の支持部を支持位置に移動させた後、上昇させて有機物質が蒸着した基板を支持する工程、チャッキングプレートに印加される電圧をオフにする工程、および複数の支持部を下降させて有機物質が蒸着した基板の端を基板ホルダに支持する工程を含む。
【0013】
本明細書のいくつかの例による基板製造方法は、チャンバの基板ホルダに端が支持された基板と重畳しないように複数のピンアセンブリを待機位置に位置させる工程、複数のピンアセンブリを回転させて支持位置に位置させて、基板上に位置するチャッキングプレートを下降させる工程、複数のピンアセンブリを上昇させて基板を支持し、チャッキングプレートに電圧を印加して基板をチャッキングプレートにチャッキングする工程、複数のピンアセンブリを下降させた後、回転して待機位置に位置させる工程、チャッキングプレートを下降させて開口部を具備したマスクを基板に付着させ、ソースから有機物質を蒸発させて基板に蒸着させる工程、複数のピンアセンブリを回転させて支持位置に位置させた後、上昇させて有機物質が蒸着した基板を支持する工程、チャッキングプレートに印加される電圧をオフにする工程、および複数のピンアセンブリを下降させて有機物質が蒸着した基板の端を基板ホルダに支持する工程を含む。
【0014】
上で言及した課題の解決手段以外の本明細書の様々な例による具体的な事項は、以下の記載内容および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0015】
本明細書のいくつかの例によれば、基板の中心部分を支持する支持部が具備されることで、基板の垂れ下がりを最小化または低減することができる基板支持装置およびこれを用いた基板製造方法を提供することができる。
【0016】
本明細書のいくつかの例によれば、基板の垂れ下がりを最小化または低減することにより、基板の不良率を低減することができる基板支持装置およびこれを用いた基板製造方法を提供することができる。
【0017】
本明細書のいくつかの例によれば、基板の不良率の減少に伴って生産エネルギーを低減することができる基板支持装置及びこれを用いた基板製造方法を提供することができる。
【0018】
本明細書で得られる効果は、以上で言及した効果に限定されず、言及していないまた他の効果は、以下の記載から本明細書が属する技術分野において通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本明細書の一実施例による基板支持装置を示す斜視図である。
【
図6】
図5をX軸方向から見た概略的な側面図である。
【
図7A】本明細書の一実施例による基板支持装置を用いた基板製造工程を示す概略的な工程図である。
【
図7B】本明細書の一実施例による基板支持装置を用いた基板製造工程を示す概略的な工程図である。
【
図8A】本明細書の一実施例による基板支持装置を用いた基板製造工程を示す概略的な工程図である。
【
図8B】本明細書の一実施例による基板支持装置を用いた基板製造工程を示す概略的な工程図である。
【
図9A】本明細書の一実施例による基板支持装置を用いた基板製造工程を示す概略的な工程図である。
【
図9B】本明細書の一実施例による基板支持装置を用いた基板製造工程を示す概略的な工程図である。
【
図10A】本明細書の一実施例による基板支持装置を用いた基板製造工程を示す概略的な工程図である。
【
図10B】本明細書の一実施例による基板支持装置を用いた基板製造工程を示す概略的な工程図である。
【
図11A】本明細書の一実施例による基板支持装置を用いた基板製造工程を示す概略的な工程図である。
【
図11B】本明細書の一実施例による基板支持装置を用いた基板製造工程を示す概略的な工程図である。
【
図12A】本明細書の一実施例による基板支持装置を用いた基板製造工程を示す概略的な工程図である。
【
図12B】本明細書の一実施例による基板支持装置を用いた基板製造工程を示す概略的な工程図である。
【
図13】本明細書の他の実施例による基板支持装置を示す斜視図である。
【
図17】本明細書の他の実施例による基板支持装置が基板を支持する概略的な動作状態図である。
【
図18】本明細書の他の実施例による基板支持装置が基板を支持する概略的な動作状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書の利点および特徴、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図と共に詳細に後述される実施例を参照することによって明らかになるであろう。しかしながら、本明細書は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現されるものであり、単に本実施例は、本明細書の開示が完全になるようにし、本明細書が属する技術分野における通常の知識を有する者に、発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものであり、本明細書は特許請求の範囲によって定義されるだけである。
【0021】
本明細書の実施例を説明するための図に開示された形状、大きさ、比率、角度、数などは例示的なものであり、本明細書が図に示された事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって、同じ参照番号は同じ構成要素を指称することができる。なお、本明細書の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が、本明細書の要旨を不必要に曖昧にし得ると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0022】
本明細書で言及される「含む」、「有する」、「からなる」などが使用される場合、「~のみ」が使用されない限り、他の部分が追加することができる。構成要素を単数で表現した場合に特に明示的な記載事項がない限り複数を含む場合を含む。
【0023】
構成要素を解釈するにおいて、別途の明示的な記載がなくても、誤差範囲を含むものと解釈する。
【0024】
位置関係の説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~横に」などで2つの部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」という表現が使用されていない限り、2つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0025】
時間関係に対する説明の場合、例えば、「~後に」、「~に続き」、「~次に」、「~前に」などで時間的先後関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」という表現が使用されていない限り、連続的でない場合も含むことができる。
【0026】
第1、第2などは、様々な構成要素を説明するために使用されるが、これらの構成要素は、これらの用語によって限定されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本明細書の技術的思想内で第2構成要素でもあり得る。
【0027】
「X軸方向」、「Y軸方向」及び「Z軸方向」は、互いの間の関係が垂直からなる幾何学的関係のみで解釈してはならず、本明細書の構成が機能的に作用し得る範囲内でより広い方向性を有することを意味することができる。
【0028】
「少なくとも1つ」という用語は、1つ以上の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むと理解しなければならない。例えば、「第1項目、第2項目、第3項目のうちの少なくとも1つ」の意味は、第1項目、第2項目、または第3項目の各々のみならず、第1項目、第2項目、および第3項目のうちの2つ以上から提示することができるすべての項目の組み合わせを意味することができる。
【0029】
本明細書のいくつかの実施例の各々の特徴は、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に様々な連動および駆動が可能であり、各実施例は互いに対して独立して実施することもでき、連関関係で一緒に実施することもできる。
【0030】
以下では、本明細書に係るディスプレイ装置及びこれを含むマルチスクリーンディスプレイ装置の好ましい例を添付の図を参照して詳細に説明する。各図の構成要素に参照符号を付加する際に、同一の構成要素については、異なる図に表示されても、可能な限り同一の符号を有することができる。そして、添付の図に示された構成要素のスケールは、説明の便宜のために実際とは異なるスケールを有するので、図に示されたスケールに限定されない。
【0031】
図1は、本明細書の一実施例による基板支持装置を示す斜視図であり、
図2は、
図1の概略的な平面図、
図3は、
図1の概略的な側面図、
図4は、
図2に示した線I-I'の断面図である。
【0032】
図1~
図4を参照すると、本明細書の一実施例による基板支持装置100は、第1軸方向(X)に平行に配置された複数の位置調整部(または位置調整器)110、及び複数の位置調整部110に連結し、基板(S、
図7Aに示す)を支持するための複数の支持部(またはサポート)120を含むことができる。
【0033】
一例による基板支持装置100は、
図1に示すように、8つの位置調整部110を含むことができる。8つの位置調整部110は、第1軸方向(X)に沿って4つずつ配置され、4つの位置調整部110は、第2軸方向(Y)に互いに対向するように配置することができる。したがって、
図1のように、8つの位置調整部110の間には、基板(S)を挿入することができる空間を形成することができる。一例に係る複数の位置調整部110は、前記複数の支持部120を上昇又は下降させることができる。すなわち、一例に係る複数の位置調整部110は、前記複数の支持部120を昇降させることができる。
【0034】
一例に係る複数の支持部120は、基板(S)を支持する支持モードで基板(S)の下に互いに離隔するように配置することができる。この状態で、前記複数の支持部120は、複数の位置調整部110によって上昇して基板(S)の下面(または基板(S)の中心部分)を均等に支持することができる。
【0035】
したがって、本明細書の一実施例による基板支持装置100は、基板(S)が大面積であっても、複数の支持部120が基板(S)の下面(または中心部分)を均等に支持することができるので、基板(S)の中心部分が基板(S)自体の荷重によって下方に垂れ下がることを最小限に抑えるかまたは防止または少なくとも低減することができる。ここで、基板(S)の中心部分は、基板(S)の端を除いた領域を意味することができる。
【0036】
一方、前記複数の支持部120は、基板(S)を支持する前の待機モード(または基板を支持しない待機モード)で複数の位置調整部110によって下降し、基板(S)に重畳しないように配置することができる。
【0037】
本明細書の一実施例による基板支持装置100は、一対のガイド部(または一対のガイド)130をさらに含むことができる。
【0038】
一例に係る一対のガイド部130は、前記複数の支持部120の移動をガイドするためのものである。一対のガイド部130は、複数の位置調整部110と複数の支持部120の各々に連結することができる。
図1のように、一対のガイド部130は、第1軸方向(X)に長く配置され、第2軸方向(Y)に互いに離隔するように配置することができる。したがって、前記複数の支持部120は、一対のガイド部130に沿って第1軸方向(X)に移動することができる。前記複数の支持部120は、複数の回転駆動部によって駆動力を受けて第1軸方向(X)に移動することができる。
【0039】
図2に示すように、前記一対のガイド部130は、基板(S)を支持する前に(または基板が支持されないときに)複数の支持部120が位置する複数の待機位置(SBP)および複数の支持部120が基板を支持する支持位置(SUP)を含むことができる。一例による支持位置(SUP)は、複数の待機位置(SBP)の間に位置することができる。例えば、複数の待機位置(SBP)は、一対のガイド部130の各々の一側端(または第1端)にある第1待機位置(SBP1)、および一対のガイド部130の各々の他側端(または第2端)にある第2待機位置(SBP2)を含むことができる。前記支持位置(SUP)は、第1待機位置(SBP1)と第2待機位置(SBP2)の間に位置することができる。
【0040】
したがって、前記第1軸方向(X)は、前記複数の支持部120が基板を支持する支持位置(SUP)、および前記基板を支持しない待機位置(SBP)を含む方向であり得る。ただし、これに限定されず、第2軸方向(Y)が支持位置(SUP)および待機位置(SBP)を含む方向であり得る。
【0041】
図1及び
図2のように、一例に係る複数の支持部120は、第1軸方向(X)と交差する第2軸方向(Y)に配置することができる。前記複数の支持部120の各々の一側が一対のガイド部130のうちの一方のガイド部に移動可能に連結することができ、前記複数の支持部120の各々の他側が一対のガイド部130のうちの他の1つのガイド部に移動可能に連結することができる。
【0042】
したがって、前記複数の位置調整部110は、前記一対のガイド部130を昇降させることにより、前記一対のガイド部130に連結した前記複数の支持部120を昇降させることができる。
図1及び
図2のように、一例に係る複数の位置調整部110は、一対のガイド部130に沿って互いに離隔して配置することができる。
【0043】
本明細書の一実施例による基板支持装置100は、複数の回転駆動部(または回転ドライバ)140をさらに含むことができる。
【0044】
一例に係る複数の回転駆動部140は、前記一対のガイド部130の各々に配置され、複数の支持部120を第1軸方向(X)に移動させるための駆動力を提供することができる。例えば、
図2に示すように、複数の回転駆動部140の各々は、一対のガイド部130の各々に配置されたボールねじ141及びボールねじ141の一側に結合して前記ボールねじ141を回転させる回転モータ142を含むことができる。一例に係る回転モータ142は、前記ボールねじ141を時計方向に回転させることにより、ボールねじ141に連結した複数の支持部120を待機位置(SBP)から支持位置(SUP)に移動させることができる。一例に係る回転モータ142は、前記ボールねじ141を反時計回りに回転させることにより、ボールねじ141に連結した複数の支持部120を支持位置(SUP)から待機位置(SBP)に移動させることができる。他の例に係る回転モータ142は、ボールねじ141を時計方向に回転させることにより、ボールねじ141に連結した複数の支持部120を支持位置(SUP)から待機位置(SBP)に移動させることができ、ボールねじ141を反時計回りに回転させることにより、ボールねじ141に連結した複数の支持部120を待機位置(SBP)から支持位置(SUP)に移動させることができる。
【0045】
一方、前記回転モータ142が提供する駆動力によってボールねじ141の回転数を決定することができ、ボールねじの回転数によって複数の支持部120の各々の移動距離を変えることができる。例えば、ボールねじ141の回転数が多いほど、複数の支持部120の各々の移動距離が長くなり得る。したがって、
図2のように、支持位置(SUP)内で複数の支持部120各々の位置が互いに異なり得る。その結果、複数の支持部120の各々は、複数の回転駆動部140の各々によって移動して互いに離隔するように配置することができる。
【0046】
したがって、本明細書の一実施例による基板支持装置100は、
図2に示すように、複数の支持部120の各々が支持位置(SUP)内で互いに離隔するように配置されるので、基板(S)の下面を均一に支持することができ、これにより基板(または大面積基板)の垂れ下がりを最小化または防止または少なくとも低減することができる。
【0047】
基板(又は大面積基板)の垂れ下がりが最小化または防止または低減されると、基板(又は大面積基板)とチャッキングプレート(CHP)との離隔距離が減少することができるので、チャッキングプレートの静電気により大面積基板の全面をチャッキングプレートに固定(またはチャッキング)することができる。これにより、後の工程でソースによって蒸発した有機物質をチャッキングプレートに平坦に固定された基板(または大面積基板)に均一に蒸着させることができ、基板の不良率を低減することができる。さらに、基板の不良率が減少することによって、全体的な生産エネルギーを低減することができる。
【0048】
以下では、
図2及び
図3を参照して、本明細書の一実施例による基板支持装置100が有する複数の位置調整部110、複数の支持部120、一対のガイド部130及び複数の回転駆動部140について具体的に説明する。
【0049】
一例に係る複数の位置調整部110の各々は、昇降軸111、ベローズ112、及びシリンダポンプ113を含むことができる。一例による一対のガイド部130は、
図2に示すように、第1軸方向(X)に沿って平行に配置された第1ガイド部131と第2ガイド部132を含むことができる。
【0050】
前記昇降軸111は、一対のガイド部130の各々に連結することができる。一例に係る昇降軸111は、円形のパイプの形態で具備することができ、一側端がボルトのような締結部材を介して一対のガイド部130の各々に結合することができる。したがって、昇降軸111は、シリンダポンプ113によって第3軸方向(Z)に昇降することにより、一対のガイド部130を昇降させることができる。
【0051】
一方、複数の位置調整部110の各々が有する昇降軸111は、
図2のように、第1ガイド部131の外側および第2ガイド部132の外側に互いに離隔するように結合することができる。例えば、第1ガイド部131の外側(または外側面)に4つの昇降軸111を互いに離隔するように結合することができる。そして、第2ガイド部132の外側(又は外側面)に4つの昇降軸111を互いに離隔するように結合することができる。前記第1ガイド部131の外側は、前記複数の支持部120が配置される第1ガイド部131の内側とは反対側の外面を意味することができる。前記第2ガイド部132の外側は、前記複数の支持部120が配置される第2ガイド部132の内側とは反対側の外面を意味することができる。したがって、前記複数の位置調整部110の各々が有する昇降軸111は、
図2のように、一対のガイド部130の外側に配置されるため、第1軸方向(X)に移動する複数の支持部120に干渉しないことができる。前記複数の位置調整部110の各々が有する昇降軸111の少なくとも一部は、真空からなるチャンバ(CB、
図7Aに示す)の内部に配置することができる。また、複数の支持部120、一対のガイド部130、及び複数の回転駆動部140をチャンバ(CB)の内部に配置することができる。
【0052】
前記ベローズ112は、昇降軸111を部分的に囲むように昇降軸111に結合することができる。前記ベローズ112は、真空からなるチャンバ(CB、
図7Aに示す)とチャンバ外部の大気圧との圧力差を維持するためのものである。一例によるベローズ112は、チャンバ(CB)の外部に配置することができる。例えば、ベローズ112は、チャンバ(CB)の上側に結合するベースプレート(BP)に配置することができる。上述したように、昇降軸111は、シリンダポンプ113によって昇降するので、昇降軸111が移動可能に連結するチャンバ(CB)部分が、外部と連通すると、チャンバ(CB)の内部が真空状態に維持することはできない。したがって、ベローズ112は、ベースプレート(BP)と昇降軸111が連結する部分が密閉されるように具備することができる。例えば、ベローズ112は、しわのある円形のアコーディオンの形態で具備することができる。
【0053】
前記シリンダポンプ113は、ベローズ112上に配置され、前記昇降軸111を昇降(または昇降)させることができる。一例によるシリンダポンプ113は、「┓」形態のシリンダハウジングに結合し、昇降軸111を昇降させることができる駆動力を提供することができる。例えば、シリンダポンプ113が提供する駆動力によってシリンダポンプに連結したボールねじを回転させることができ、それによってボールねじに連結したシリンダロッドを昇降させることができる。シリンダロッドが昇降するにつれて、シリンダロッドに連結された昇降軸111が昇降することができる。
【0054】
したがって、本明細書の一例による基板支持装置100において、複数の位置調整部110の各々は、一対のガイド部130を第3軸方向(Z)に昇降させることができる。
【0055】
再び
図1~
図4を参照すると、複数の支持部120の各々は、支持フレーム121および支持部材122を含むことができる。
【0056】
前記支持フレーム121は、一対のガイド部130の各々に移動可能に結合することができる。一例に係る支持フレーム121は、一対のガイド部130の一側端(または第1端)に配置された第1支持フレーム121a、第1支持フレーム121aより一対のガイド部130の他側端(または第2端)に近く配置された第2支持フレーム121b、第2支持フレーム121bよりも一対のガイド部130の他側端の近くに配置された第3支持フレーム121c、及び第3支持フレーム121cよりも一対のガイド部130の他側端の近くに配置された第4支持フレーム121dを含むことができる。前記一対のガイド部130の一側端は、
図2を基準に第1軸方向(X)の下側端部分を意味することができる。前記一対のガイド部130の他側端は、
図2を基準に第1軸方向(X)の上側端部分を意味することができる。
【0057】
図2の点線のように、前記第1支持フレーム121a、第2支持フレーム121b、第3支持フレーム121c、及び第4支持フレーム121dは、基板(S)を支持する支持モードの場合、支持位置(SUP)に互いに離隔するように配置することができる。これによって、本明細書の一実施例による基板支持装置100は、基板(S)が大面積であっても、第1~第4支持フレーム121a、121b、121c、121dが、基板(S)の下面全体(または基板の中心部分)を均一に支持することができるので、基板(または大面積基板)の全面をチャッキングプレート(CHP)に付着または固定することができる。したがって、本明細書の一実施例による基板支持装置100は、基板(または大面積基板)の全面をチャッキングプレート(CHP)に平坦に固定することができるので、後続の工程で有機物質が基板(または大面積基板)に均一に蒸着することができ、製造が完了した基板(または大面積基板)の品質を向上させることができる。
【0058】
一方、前記第1支持フレーム121a、第2支持フレーム121b、第3支持フレーム121c、及び第4支持フレーム121dは、基板(S)を支持しない待機モードの場合、待機位置(SBP)において互いに隣接するように配置することができる。例えば、第1支持フレーム121aと第2支持フレーム121bは、基板(S)を支持する前に(または基板が支持されないときに)第1待機位置(SBP1)に位置することができ、第3支持フレーム121cと第4支持フレーム121dは、基板(S)を支持する前に(または基板が支持されないときに)第2待機位置(SBP2)に位置することができる。したがって、本明細書の一実施例による基板支持装置100は、基板(S)に有機物質が蒸着される工程において、第1~第4支持フレーム121a、121b、121c、121dが干渉しないので、基板(S)の不良率を低減または防止または低減することができる。
【0059】
前記第1~第4支持フレーム121a、121b、121c、121dの各々は、複数の回転駆動部140が提供する駆動力によって、待機位置(SBP)及び支持位置(SUP)に移動することができる。例えば、回転駆動部140は、ボールねじ141と回転モータ142を含むことができる。
【0060】
一方、第1~第4支持フレーム121a、121b、121c、121dは、一対のガイド部130に移動可能に結合されるので、一対のガイド部130が複数の位置調整部110によって昇降すると、一対のガイド部130と共に昇降することができる。
【0061】
前記支持部材122は、支持フレーム121に結合することができる。一例による支持部材122は、支持フレーム121の上側に結合することができる。例えば、
図4に示すように、支持部材122は、第3軸方向(Z)に支持フレーム121の上面にボルトなどの締結部材で結合することができる。
【0062】
一例による支持部材122は、支持フレーム121の長さ方向に沿って配置することができる。例えば、
図2に示すように、支持部材122は、第2軸方向(Y)に配置された支持フレーム121に沿って支持フレーム121の上面に結合することができる。支持部材122は、支持フレーム121よりも短い長さで具備することができる。例えば、支持部材122は、支持フレーム121の第1長さ(L1)よりも短い第2長さ(L2)で具備することができる。もし、支持部材122の長さが支持フレーム121の長さよりも長い場合、支持部材122が一対のガイド部130に接触し得、それによって支持フレーム121の移動が制限され得る。したがって、本明細書の一実施例による基板支持装置100は、支持部材122が支持フレーム121よりも短く具備されるので、第1軸方向(X)に沿って移動する支持フレーム121の移動に支持部材122が干渉しないことができる。前記支持部材122は、支持モードの場合、支持位置(SUP)で基板(S)の下面を直接支持することができる。支持部材122は、複数の支持フレーム121の各々に配置されるので、複数具備することができる。より具体的には、複数の支持部材122の各々は、第1支持フレーム121a、第2支持フレーム121b、第3支持フレーム121c、及び第4支持フレーム121dの各々に配置することができる。したがって、複数の支持部材122の各々は、支持モードの場合、支持位置(SUP)で互いに離隔するように配置され得るので、基板(S)の下面全体を均等に支持することができる。
【0063】
一例による支持部材122は、ハウジング122a、ストッパ122b、ガイドシャフト122c、弾性部材122d、および支持バー122eを含むことができる。
【0064】
前記ハウジング122aは、支持部材122の最も下側に位置する構成で、支持フレーム121に締結部材を介して結合することができる。前記ハウジング122aは、支持フレーム121に結合して上側に結合するストッパ122b、および支持バー122eを支持することができる。
【0065】
前記ストッパ122bは、前記ハウジング122aの上側にボルト、接着剤などの締結部材を介して結合することができる。一例に係るストッパ122bは、内部に配置されるガイドシャフト122c、弾性部材122d、及び支持バー122eがストッパ122bの外部(又は外側)に離脱しないようにするための構成である。前記ストッパ122bは、貫通孔122baを含むことができる。前記貫通孔122baは、ストッパ122bの中心部分を貫通して形成された孔であり得る。貫通孔122baに支持バー122eを挿入することにより、支持バー122eを部分的にストッパ122bの外部に突出させることができる。このような貫通孔122baは、ガイドシャフト122cに結合する支持バー122eの一側よりも小さい孔で具備することができる。したがって、ストッパ122bは、貫通孔122baに挿入された支持バー122eが外部に完全に離脱することを防止することができる。
【0066】
前記ガイドシャフト122cは、ストッパ122bとハウジング122aに移動可能に結合することができる。例えば、ストッパ122bとハウジング122aの各々の内部には、ガイドシャフト122cを第3軸方向(Z)に移動させることができる円筒形の孔が具備され得、前記ガイドシャフト122cは、前記円筒形の孔に挿入して上下に移動することができる。ガイドシャフト122cの一側には、支持バー122eを結合することができ、前記支持バー122eに基板(S)が支持されると、基板(S)の荷重によりガイドシャフト122cが下側方向に移動することができる。すなわち、ガイドシャフト122cは、支持モードで支持バー122eが基板(S)を支持するにつれ、下側方向に移動することができる。基板(S)が支持バー122eによって支持されないと、ガイドシャフト122cは、上側方向に移動することができる。すなわち、ガイドシャフト122cは、待機モードで支持バー122eが基板(S)を支持しないことで、下側方向に移動することができる。前記支持バー122eが結合するガイドシャフト122cの一側は、本体よりも厚く具備することができる。具体的には、ガイドシャフト122cの一側は、貫通孔122baの大きさよりも大きく具備することができる。これによって、ガイドシャフト122cは、ストッパ122bによって遮断され、ストッパ122bの外部に離脱しないことができる。
【0067】
前記弾性部材122dは、ガイドシャフト122cを包み込み、ガイドシャフト122cの一側とハウジング122aの各々に支持することができる。一例に係る弾性部材122dは、ガイドシャフト122cの本体を包み込み、ガイドシャフト122cの一側とハウジング122aに支持することができる。したがって、支持バー122eが基板(S)を支持すると、基板(S)の荷重によってガイドシャフト122cを下側方向に移動させることができ、それによって弾性部材122dを収縮させることができる。逆に、支持バー122eが基板(S)を支持しないと、弾性復元力によって弾性部材122dが伸長することができ、それによってガイドシャフト122cが上側方向に移動することができる。
【0068】
前記支持バー122eは、前記弾性部材122dと対向するようにガイドシャフト122cの一側に結合することができる。一例による支持バー122eは、
図4に示すように、上側から下側にいくほど大きさが大きくなり、ガイドシャフト122cの一側に結合する下側部分の大きさが、ガイドシャフト122cの一側の大きさよりも大きく具備することができる。したがって、支持バー122eの下側部分のみをストッパ122bの内部に配置することができ、下側部分を除いた支持バー122eの残りの部分を、貫通孔122baを介して外部に突出させることができる。支持バー122eの下側部分がガイドシャフト122cの一側の大きさ(又は貫通孔122baの大きさ)よりも大きく具備されるので、弾性部材122dの伸長によって支持バー122eが上側方向に移動しても、支持バー122eはストッパ122bから離脱しないことができる。
【0069】
一方、
図4に示すように、支持バー122eは、弾性部材122dによって支持されるので、基板(S)を支持する場合は下側方向に移動することができる。したがって、本明細書の一実施例による基板支持装置100は、支持部材122が基板(S)を支持するときに発生する衝撃を弾性部材122dによって吸収することができる。したがって、本明細書の一実施例に係る基板支持装置100は、弾性部材が具備されておらず衝撃を吸収できない場合に比べて、基板(S)にスクラッチ等の損傷が加わることを最小化または防止または低減することができる。
【0070】
前記複数の回転駆動部140は、ボールねじ141とボールねじ141に回転駆動力を提供する回転モータ142とを含むことができる。
【0071】
図3を参照すると、ボールねじ141は、一対のガイド部130のうちの1つである。例えば、第1ガイド部131に互いに離隔するように配置される第1ボールねじ141a、第2ボールねじ141b、第3ボールねじ141c、及び第4ボールねじ141dを含むことができる。第1ボールねじ141aは、第2ボールねじ141bより上側に配置され、第3ボールねじ141cと第1軸方向(X)に一列に配置することができる。前記第2ボールねじ141bは、第3ボールねじ141cと対角線方向に配置され、第4ボールねじ141dと第1軸方向(X)に一列に配置することができる。
【0072】
回転モータ142は、第1ボールねじ141aに結合して回転駆動力を提供する第1回転モータ142a、第2ボールねじ141bに結合して回転駆動力を提供する第2回転モータ142b、第3ボールねじ141cに結合して回転駆動力を提供する第3回転モータ142c、及び第4ボールねじ141dに結合して回転駆動力を提供する第4回転モータ142dを含むことができる。
図3に示すように、第1回転モータ142aと第2回転モータ142bは、ガイド部130の一側に上下に配置され、第1ボールねじ141aと第2ボールねじ141bの各々に駆動力を提供することができる。第3回転モータ142cと第4回転モータ142dは、ガイド部130の他側に上下に配置され、第3ボールねじ141cと第4ボールねじ141dの各々に駆動力を提供することができる。したがって、第1ボールねじ141aと第2ボールねじ141bと第3ボールねじ141cと第4ボールねじ141dは、各々独立して駆動することができ、それにより第1ボールねじ141aに連結した第1支持フレーム121a、第2ボールねじ141bに連結した第2支持フレーム121b、第3ボールねじ141cに連結した第3支持フレーム121c、及び第4ボールねじ141dに連結した第4支持フレーム121dも、
図2に示すように、互いに異なる距離で独立して移動することができる。
【0073】
上記では、第1ガイド部131に配置された複数の回転駆動部140について説明したが、第2ガイド部132も第1ガイド部131と同じ構造からなるので、第2ガイド部132の説明は、第1ガイド部131の説明で代替する。
【0074】
図5は、
図1のA部分の概略的な拡大図であり、
図6は、
図5をX軸方向から見た概略的な側面図である。
【0075】
図5および
図6を参照すると、前記一対のガイド部130の各々は、ガイドハウジング、LMガイド、およびLMブロックを含むことができる。例えば、第1ガイド部131は、ガイドハウジング131a、LMガイド131b、及びLMブロック131cを含むことができる。
【0076】
前記ガイドハウジング131aは、第1ガイド部131の内部に配置される複数の回転駆動部140の駆動時に、ボールねじ141のねじ山によって移動する支持フレーム121とボールねじ141の摩擦により発生する塵埃等の異物が飛散して基板(S)側に拡散することを防止または低減するように構成され得る。一例によるガイドハウジング131aは、内部が空の棒形態で具備することができる。ガイドハウジング131aの内部に複数の回転駆動部140が配置されることにより、ガイドハウジング131aは、摩擦によって発生する異物が基板(S)に飛散するのを遮断または低減することができる。
【0077】
前記LMガイド131bは、ガイドハウジング131aに結合することができる。具体的には、LMガイド131bは、ガイドハウジング131aが結合する連結部材(CP)の上面に結合することができる。
図6に示すように、連結部材(CP)の上面には、LMガイド131bと離隔した位置に昇降軸111を結合することができる。このような昇降軸111は、締結部材(FM)によって連結部材(CP)の上面に結合することができる。LMガイド131bは、回転駆動部140のボールねじ141の下にボールねじ141の長さ方向に沿って配置することができる。または、LMガイド131bは、ガイドハウジング131aの内部にガイドハウジング131aが配置された方向に沿って配置することができる。例えば、LMガイド131bは、第1軸方向(X)に沿って長いレールの形態で配置することができる。
【0078】
前記LMブロック131cは、LMガイド131bとボールねじ141に移動可能に結合することができる。
図6に示すように、LMブロック131cは、LMガイド131bの上面に配置され、LMガイド131bの両側面を部分的に覆うように具備することができる。図に示していないが、LMブロック131cは、ボールねじ141が結合することができるLMホールを含むことができる。したがって、LMブロック131cは、ボールねじ141の回転によってLMガイド131bに沿って移動することができる。例えば、LMブロック131cは、ボールねじ141が回転モータ142によって回転する方向によって第1軸方向(X)に沿って支持位置(SUP)及び待機位置(SBP)に移動することができる。
【0079】
一方、一対のガイド部130の各々は、支持フレーム121の一側または他側が挿入されるガイド孔131dをさらに含むことができる。前記ガイド孔131dは、支持フレーム121の移動をガイドするとともに、支持フレーム121をLMブロック131cに連結するための孔である。一例に係るガイド孔131dは、
図5のように、ガイドハウジング131aの側面を貫通して形成することができる。例えば、ガイド孔131dは、支持部材122が位置するガイドハウジング131aの一側131aaと反対のガイドハウジング131aの他側131abに形成することができる。すなわち、ガイド孔131dは、複数の位置調整部110が配置される外側方向に向かって形成することができる。したがって、本明細書の一実施例による基板支持装置100は、支持部材122の移動時に発生する塵埃等の異物がガイド部130の外側に飛散することにより、基板(S)に対する汚染防止を最大化するか、少なくとも増加させることができる。
【0080】
図6を参照すると、複数の支持部120の各々は、ガイド孔131dに挿入された支持フレーム121の一側または他側に結合する離脱防止部材123をさらに含むことができる。一例による離脱防止部材123は、ガイドハウジング131aの内部に配置することができる。
図6に示すように、離脱防止部材123は、支持フレーム121とLMブロック131cの各々に結合することができる。したがって、LMブロック131cの移動によって、離脱防止部材123と支持フレーム121を共に移動させることができる。
【0081】
再び
図6を参照すると、離脱防止部材123の幅(W1)は、ガイド孔131dの幅(W2)より大きく具備することができる。したがって、支持フレーム121が第2軸方向(Y)に移動しても、離脱防止部材123によって第2軸方向(Y)の移動を制限することができる。これにより、支持フレーム121に結合する支持部材122も第2軸方向(Y)に移動することを制限することができるので、基板(S)にスクラッチなどの損傷が発生することを最小化または防止または少なくとも低減することができる。結果的に、基板(S)の製造時に本明細書の一実施例に係る基板支持装置100を用いることにより、基板(S)の垂れ下がりを防止または少なくとも低減するとともに基板(S)の損傷を防止することができるので、製造が完了した基板(S)の品質を向上させることができる。
【0082】
以下では、
図7A~
図12Bを参照して、本明細書の一実施例による基板製造工程について具体的に説明する。本明細書の一実施例による基板製造工程は、本明細書の一実施例による基板支持装置100を用いて進行することができる。
【0083】
図7A~
図12Bは、本明細書の一実施例による基板支持装置を用いた基板製造工程を示す概略的な工程図である。
【0084】
図7A及び
図7Bは、基板(S)をチャンバ(CB)に挿入して複数の基板ホルダ(SH)に基板(S)の端を支持させた後、基板(S)と重畳することがないように複数の支持部120を待機位置(SBP)に位置させる工程を示すものである。
図7Aは、第1軸方向(X)から見た概略的な側面図であり、
図7Bは、第3軸方向(Z)から見た概略的な平面図である。
【0085】
図7Aのように、チャンバ(CB)の内部には、複数の基板ホルダ(SH)、チャッキングプレート(CHP)、複数の支持部120、開口部(OA)が具備されたマスク(MSK)、マスクステージ(MS)、ソース(SC)、およびソース固定部(SCF)を配置することができる。チャンバ(CB)の上側に結合するベースプレート(BP)の上面には、複数の支持部120に連結する複数の位置調整部110(またはベローズ112とシリンダポンプ113)を配置することができる。また、ベースプレート(BP)の上面には、基板ホルダ(SH)に連結する第1位置制御部(PC1)を配置することができ、チャッキングプレート(CHP)に連結する第2位置制御部(PC2)を配置することができる。第1位置制御部(PC1)は、基板ホルダ(SH)の位置を調整するためのものである。例えば、第1位置制御部(PC1)は、基板ホルダ(SH)を第3軸方向(Z)に昇降させることができる。第2位置制御部(PC2)は、チャッキングプレート(CHP)の位置を調整するためのものである。例えば、第2位置制御部(PC2)は、チャッキングプレート(CHP)を第3軸方向(Z)に昇降させることができる。
【0086】
マスクステージ(MS)は、マスク(MSK)の端を支持するためのものであり、ソース(SC)と支持部120(または支持フレーム121)の間に配置することができる。
【0087】
ソース(SC)は、有機物質を蒸発させるためのものであり、基板(S)およびマスク(MSK)と重畳するようにマスク(MSK)の下に配置することができる。ソース固定部(SCF)は、ソース(SC)の両側とチャンバ(CB)の底面に結合することにより、ソース(SC)をチャンバ(CB)の内部に固定することができる。
【0088】
図7Aに示すように、ロボット等の移送手段(未図示)を用いてチャンバ(CB)の内部に基板(S)を挿入して、基板(S)の端をチャンバ(CB)の内部に配置された複数の基板ホルダ(SH)に支持させる。上述のように、基板(S)が大面積であるほど、基板(S)の中心部分は基板(S)のそれ自体の荷重のために下方に垂れ下がり得る。したがって、
図7Aのように、基板(S)は、端が基板ホルダ(SH)に支持されて凹状に配置することができる。
【0089】
図7Bを参照すると、
図7Aと同じ状態で複数の支持部120を基板(S)と第3軸方向(Z)に重畳しないように待機位置(SBP)に位置させる。これは、複数の回転駆動部140が、複数の支持部120を一対のガイド部130に沿って待機位置(SBP)に移動させることによってなすことができる。これにより、第1支持フレーム121aと第2支持フレーム121bを第1待機位置(SBP1)に位置させることができ、第3支持フレーム121cと第4支持フレーム121dは、第2待機位置(SBP2)に位置させることができる。したがって、チャンバ(CB)に挿入される基板(S)は、第1~第4支持フレーム121a、121b、121c、121dに干渉することなく、基板ホルダ(SH)に安定して安着することができる。
図7Bに示すように、基板(S)は支持位置(SUP)内に位置することができる。
【0090】
一方、チャッキングプレート(CHP)は、基板(S)よりも大きい大きさで具備され、基板(S)の上側に配置することができる。これは、チャッキングプレート(CHP)が静電気によって基板(S)を平坦に固定した状態で有機物質を蒸着させるためである。上述したように、基板(S)が大面積であるほど基板(S)の垂れ下がりが増加するため、チャッキングプレート(CHP)に基板(S)が固定または付着できないことがあり得る。この場合、有機物質蒸着工程を進行できなかったり、有機物質蒸着工程を進行しても、製造が完了した基板の不良率が増加し得る。しかしながら、本明細書の一実施例による基板支持装置100は、チャッキングプレート(CHP)に基板(S)が固定または付着する前に基板(S)の中心部分を支持することによって、基板(S)の全面をチャッキングプレート(CHP)に固定または付着するようにすることができる。したがって、本明細書の一実施例による基板支持装置100は、製造が完了した基板(S)の不良率を低減することができ、結果的に生産エネルギーを低減することができる。
【0091】
図8A及び
図8Bは、基板(S)の下で複数の支持部120を支持位置(SUP)に位置させて、基板(S)上に位置したチャッキングプレート(CHP)を下降させる工程を示すものである。
図8Aは、第1軸方向(X)から見た概略的な側面図であり、
図8Bは、第3軸方向(Z)から見た概略的な平面図である。
【0092】
図8Aのように、チャッキングプレート(CHP)は、複数の第2位置制御部(PC2)によって基板(S)に向かう方向に下降することができる。この場合、チャッキングプレート(CHP)は、凹状に配置された基板(S)の端の損傷を防止または少なくとも低減させることができるように基板(S)の端にできるだけ近い位置に位置することができる。
図8Aに示すように、基板(S)の端部のみが基板ホルダ(SH)に支持されているので、基板(S)の中心部分は自体の荷重によって下方に垂れ下がることができる。したがって、基板(S)の端とチャッキングプレート(CHP)の間の第1距離、および基板(S)の中心部分とチャッキングプレート(CHP)の間の第2距離とが互いに異なり得る。例えば、第2距離は、第1距離よりも大きいことがあり得る。したがって、チャッキングプレート(CHP)全体に同じ電圧(または静電気)を印加すると、基板(S)の端は、チャッキングプレート(CHP)に安定的に付着するのに対し、基板(S)の中心部分は、チャッキングプレート(CHP)に付着できないことがあり得る。本明細書の一実施例による基板支持装置100は、チャッキングプレート(CHP)に電圧(または静電気)が印加される前に、複数の支持部120が基板(S)の垂れ下がり部分(または中心部分)を支持して、基板(S)をチャッキングプレート(CHP)の近くに位置させることができるので、後続の工程で基板(S)の全面をチャッキングプレート(CHP)に均等に付着または固定することができる。
【0093】
図8Bを参照すると、
図8Aと同じ状態で、複数の支持部120が基板(S)の下で互いに離隔するように、複数の支持部120を支持位置(SUP)に位置させる。このような工程は、複数の回転駆動部140が、一対のガイド部130に沿って複数の支持部120を支持位置(SUP)内で互いに異なる位置に位置させることによってなすことができる。これにより、第1支持フレーム121a、第2支持フレーム121b、第3支持フレーム121c、及び第4支持フレーム121dは、支持位置(SUP)において互いに離隔するように配置することができる。この場合、第1支持フレーム121a、第2支持フレーム121b、第3支持フレーム121c、及び第4支持フレーム121dは、支持位置(SUP)内で互いに等しい間隔(D)で配置することができる。しかし、必ずしもこれに限定されない。一方、上記のような場合、第1支持フレーム121a、第2支持フレーム121b、第3支持フレーム121c、及び第4支持フレーム121dの各々は、複数の基板ホルダ(SH)の間に位置することができる。これにより、第1~第4支持フレーム121a、121b、121c、121dが、複数の位置調整部110によって第3軸方向(Z)に上昇しても基板ホルダ(SH)に干渉しないことができる。
【0094】
図9A及び
図9Bは、複数の支持部120を上昇させて基板(S)を支持し、チャッキングプレート(CHP)に電圧を印加して、基板(S)をチャッキングプレート(CHP)にチャッキング(又は固定)する工程を示したものである。
図9Aは、第1軸方向(X)から見た概略的な側面図であり、
図9Bは、第3軸方向(Z)から見た概略的な平面図である。
【0095】
図9Aのように、複数の支持部120は、複数の位置調整部110によってチャッキングプレート(CHP)に向かう方向に上昇することができる。これにより、複数の支持部120の各々が有する支持部材122を基板(S)の下面(または基板(S)の中心部分)に接触させることができ、さらに上側に上昇するにつれて基板(S)下面(または基板(S)の中心部分)を上側方向に移動させることができる。したがって、基板(S)の端とチャッキングプレート(CHP)の間の第1距離は、基板(S)の中心部分とチャッキングプレート(CHP)の間の第2距離と類似または同一であり得る。この状態で、チャッキングプレート(CHP)に電圧(または静電気)を印加すると、基板(S)の中心部分と端部をチャッキングプレート(CHP)にチャッキング(または固定)することができる。
【0096】
図9Bは、複数の位置調整部110が、複数の支持部120をチャッキングプレート(CHP)に向かう方向に上昇させてチャッキングプレート(CHP)にチャッキング(又は固定)させる平面図であるので、
図8Bと平面上の特徴は同じであり得る。したがって、これに対する説明は、
図8Bの説明で代替する。
【0097】
図10Aおよび
図10Bは、複数の支持部120を下降させて待機位置(SBP)に移動させる工程を示すものである。
図10Aは、第1軸方向(X)から見た概略的な側面図であり、
図10Bは、第3軸方向(Z)から見た概略的な平面図である。
【0098】
図10Aのように、複数の位置調整部110は、複数の支持部120をマスク(MSK)に向かう方向に下降させることができる。この場合、基板(S)は、静電気によってチャッキングプレート(CHP)に固定された状態であり得る。したがって、
図10Aのように、基板(S)を平坦に位置することができる。一方、複数の支持部120は、第3軸方向(Z)に基板ホルダ(SH)とマスク(MSK)の間に位置することができる。
【0099】
図10Bを参照すると、
図10Aと同様の状態で、複数の支持部120を一対のガイド部130に沿って待機位置(SBP)に移動させる。これは、複数の回転駆動部140が駆動力を提供し、一対のガイド部130に沿って複数の支持部120を支持位置(SUP)から待機位置(SBP)に移動させることによってなすことができる。これにより、第1支持フレーム121aと第2支持フレーム121bを支持位置(SUP)から第1待機位置(SBP1)に移動させることができ、第3支持フレーム121cと第4支持フレーム121dは、支持位置(SUP)から第2待機位置(SBP2)に移動することができる。この場合、第1支持フレーム121a、第2支持フレーム121b、第3支持フレーム121c、及び第4支持フレーム121dの各々は、基板(S)及び/又は複数の基板ホルダ(SH)と重複しないことができる。これにより、第1~第4支持フレーム121a、121b、121c、121dは、後続の工程である有機物質蒸着工程において、ソース(SC)と基板(S)の間で干渉しないことができる。したがって、基板(S)の全面にわたって有機物質を均一に蒸着させることができるので、製造工程が完了した基板(S)の品質を向上させることができる。
【0100】
図に示していないが、後工程で第2位置制御部(PC2)は、チャッキングプレート(CHP)を下降させて開口部(OA)を具備したマスク(MSK)を基板(S)の下面に付着させる。そして、ソース(SC)は、有機物質を蒸発させて開口部(OA)に露出した基板(S)に有機物質を蒸着させる。これにより、マスク(MSK)の開口部(OA)の形態によって有機物質を基板(S)の下面に蒸着させることができる。
【0101】
図11A及び
図11Bは、複数の支持部120を支持位置(SUP)に移動させた後、上昇させて有機物質が蒸着した基板(S)を支持する工程を示すものである。
図11Aは、第1軸方向(X)から見た概略的な側面図であり、
図11Bは、第3軸方向(Z)から見た概略的な平面図である。
【0102】
図11Bを参照すると、複数の支持部120は、複数の回転駆動部140が提供する駆動力によって、一対のガイド部130に沿って待機位置(SBP)から支持位置(SUP)に移動することができる。この場合、複数の支持部120は、基板(S)の下に互いに離隔して位置することができる。例えば、第1支持フレーム121a、第2支持フレーム121b、第3支持フレーム121c、及び第4支持フレーム121dは、支持位置(SUP)において互いに同じ間隔で配置することができる。しかし、必ずしもこれに限定されない。この場合、第1支持フレーム121a、第2支持フレーム121b、第3支持フレーム121c、及び第4支持フレーム121dの各々は、複数の基板ホルダ(SH)の間に位置することができる。これにより、第1~第4支持フレーム121a、121b、121c、121dが、複数の位置調整部110によって第3軸方向(Z)に上昇しても基板ホルダ(SH)に干渉しないことができる。
【0103】
図11Aを参照すると、
図11Bと同じ状態で、複数の位置調整部110は、複数の支持部120をチャッキングプレート(CHP)に向かう方向に上昇させる。これにより、複数の支持部120の各々が有する支持部材122は、基板(S)の下面(又は基板(S)の中心部分)に接触して基板(S)の下面(又は基板(S)の中心部分)を支持することができる。その後、チャッキングプレート(CHP)に印加される電圧(または静電気)をオフにすると、有機物質が蒸着した基板(S)は、支持部材122によってのみ支持することができる。
【0104】
図12A及び
図12Bは、複数の支持部120を下降させて有機物質が蒸着した基板(S)の端を基板ホルダ(SH)に支持する工程を示すものである。
図12Aは、第1軸方向(X)から見た概略的な側面図であり、
図12Bは、第3軸方向(Z)から見た概略的な平面図である。
【0105】
図12Aのように、複数の支持部120は、複数の位置調整部110によってマスク(MSK)に向かう方向に下降することができる。この場合、複数の支持部120は、複数の基板ホルダ(SH)よりも下方に下降することができる。これにより、支持部材122に支持された基板(S)の端を基板ホルダ(SH)に支持することができ、基板(S)を支持部材122から離隔させることができる。したがって、
図12Aに示すように、基板(S)は、複数の基板ホルダ(SH)に端部を支持することができ、基板(S)の中心部分は荷重で垂れ下がり得る。しかし、基板(S)には既に有機物質が蒸着した状態なので、基板(S)の中心部分が垂れ下がっても基板(S)の品質を維持することができる。一方、
図12Aのように、複数の支持部120は、第3軸方向(Z)に基板ホルダ(SH)とマスク(MSK)の間に位置することができる。
【0106】
図12Bを参照すると、
図12Aと同じ状態で複数の支持部120を待機位置(SBP)に移動させる。これは、複数の回転駆動部140が駆動力を提供し、複数の支持部120を一対のガイド部130に沿って支持位置(SUP)から待機位置(SBP)に移動させることによってなすことができる。これにより、第1支持フレーム121aと第2支持フレーム121bを支持位置(SUP)から第1待機位置(SBP1)に移動させることができ、第3支持フレーム121cと第4支持フレーム121dは、支持位置(SUP)から第2待機位置(SBP2)に移動することができる。この場合、第1支持フレーム121a、第2支持フレーム121b、第3支持フレーム121c、及び第4支持フレーム121dの各々は、基板(S)及び/又は複数の基板ホルダ(SH)と重複しないことができる。これにより、有機物質が蒸着した基板(S)をロボット等の移送手段によりチャンバ(CB)から容易に搬出することができる。
【0107】
本明細書の一実施例による基板の製造方法は、本明細書の一実施例による基板支持装置100によって行われるため、有機物質蒸着工程の前に基板(S)(または大面積基板(S))をチャッキングプレート(CHP)に容易に(または平らに)固定(またはチャッキング)することができるので、有機物質を基板(S)に均一に蒸着させることができる。したがって、本明細書の一実施例による基板製造方法は、基板の垂れ下がりを最小化または防止または少なくとも低減することにより、基板の不良率を低減することができ、さらに生産エネルギーを低減することができる。
【0108】
【0109】
図13~
図16を参照すると、本明細書の他の実施例による基板支持装置は、複数の位置調整部110と複数の支持部120の構成が変更され、一対のガイド部130と複数の回転駆動部140が省略される点を除いては、上述した
図1による基板支持装置と同様である。したがって、同一の構成には同一の符号を付し、以下では異なる構成についてのみ説明することにする。
【0110】
上述した
図1による基板支持装置の場合、複数の位置調整部110が一対のガイド部130を昇降させ、複数の回転駆動部140が一対のガイド部130に連結し、複数の支持部120を第1軸方向(X)に移動させるように具備される。すなわち、
図1に係る基板支持装置は、複数の位置調整部110が一対のガイド部130を介して複数の支持部120に間接的に連結する構造を有する。したがって、
図1による基板支持装置の場合には、複数の位置調整部110と複数の回転駆動部140によって、複数の支持部120が第1軸方向(X)及び第3軸方向(Z)に移動することで、支持モードで基板(S)の下面(または基板(S)の中心部分)を支持することができる。したがって、
図1による基板支持装置は、基板(S)の垂れ下がりを最小化または低減することができ、製造工程が完了した基板(S)の不良率を低減することができる。
【0111】
一方、
図13に係る基板支持装置の場合には、複数の位置調整部110’が複数の支持部120’に直接に連結する構造を有する。したがって、
図13に係る基板支持装置の場合には、複数の支持部120'が複数の位置調整部110によって回転及び上昇することにより、支持モードで支持位置(SUP')で基板(S)の下面(または基板(S)の中心部分)を支持することができる。そして、複数の支持部120’が複数の位置調整部110によって下降及び回転することにより、待機モードにおいて基板(S)と重畳しない待機位置(SBP’)に位置することができる。
【0112】
具体的には、
図13に係る基板支持装置において、複数の位置調整部110'の各々は、昇降軸111'、ベローズ112'、駆動モータ113'、及び昇降モータ114'を含むことができる。そして、複数の支持部120’の各々は、アームフレーム121’とピンアセンブリ122’を含むことができる。
【0113】
前記複数の位置調整部110’の各々が有する昇降軸111’は、複数の支持部120’の各々に結合することができる。一例による昇降軸111’は、アームフレーム121’の一側に結合することができる。前記昇降軸111’は、昇降モータ114’が提供する駆動力によって昇降することができる。前記昇降軸111’が昇降するにつれて、アームフレーム121’を一緒に昇降させることができる。
【0114】
前記ベローズ112’は、昇降軸111’を部分的に囲むように昇降軸111’に結合することができる。前記ベローズ112は、真空からなるチャンバ(CB、
図7Aに示す)とチャンバ外部の大気圧との圧力差を維持するためのものである。一例によるベローズ112’は、チャンバ(CB)の外部に配置することができる。例えば、ベローズ112'は、チャンバ(CB)の上側に結合するベースプレート(BP)に配置することができる。上述したように、昇降軸111'は、昇降モータ114'によって昇降するので、昇降軸111'が移動可能に連結するチャンバ(CB)部分が外部と連通すると、チャンバ(CB)の内部を真空に維持することができない。したがって、ベローズ112’は、ベースプレート(BP)と昇降軸111’が連結する部分が密閉されるように具備することができる。例えば、ベローズ112'は、しわのある円形のアコーディオン形態で具備することができる。
【0115】
前記駆動モータ113’は、昇降軸111’を回転させるためのものである。一例による駆動モータ113’は、
図15に示すように、ベローズ112’上に配置することができる。前記駆動モータ113’は、昇降軸111’の他側に結合することができる。昇降軸111’の一側には、アームフレーム121’が結合することができる。前記駆動モータ113’は、昇降軸111’が時計方向又は反時計方向に回転するように駆動力を提供することにより、昇降軸111’を回転させることができる。
【0116】
前記昇降モータ114’は、駆動モータ113’上に配置され、前記駆動モータ113’を昇降させることができる。一例による昇降モータ114’は、「┓」形態のモータハウジングに結合し、駆動モータ113'を昇降させることができる駆動力を提供することができる。例えば、昇降モータ114'が提供する駆動力によって、昇降モータに連結したボールねじを回転させることができ、ボールねじに連結したシリンダロッドを昇降させることができる。シリンダロッドが昇降すると、シリンダロッドに連結した駆動モータ113’が昇降することができるので、結果的に昇降軸111’を昇降させることができる。
【0117】
したがって、本明細書の一例による基板支持装置100において、複数の位置調整部110の各々は、複数の支持部120'を第3軸方向(Z)に昇降させることができ、待機位置(SBP')と支持位置(SUP')の各々に位置するように、アームフレーム121'(またはピンアセンブリ122')を回転させることができる。
【0118】
図15を参照すると、複数の支持部120’の各々は、アームフレーム121’とピンアセンブリ122’を含むことができる。
【0119】
前記アームフレーム121’は、昇降軸111’の先端(または一側)に結合することができる。前記アームフレーム121’は、昇降軸111’が駆動モータ113’によって回転するにつれて回転することができる。例えば、
図14に示すように、支持モードの場合、第1待機位置(SBP1')で左側にある2つのアームフレーム121'を時計方向に回転させて支持位置(SUP')に転換することができる。各アームフレーム121'の先端にあるピンアセンブリ122'は、基板(S)の1四分面(S1)に配置することができる。第1待機位置(SBP1')の右側にある2つのアームフレーム121'は、反時計回り方向に回転して支持位置(SUP')に転換することができ、各アームフレーム121'の端部にあるピンアセンブリ122'は、基板(S)の2四分面(S2)に位置することができる。そして、第2待機位置(SBP2')の左側にある2つのアームフレーム121'を反時計方向に回転させて支持位置(SUP')に転換することができ、各アームフレーム121'の先端にあるピンアセンブリ122'は、基板(S)の3四分面(S3)に配置することができる。第2待機位置(SBP1')の右側にある2つのアームフレーム121'は、時計方向に回転して支持位置(SUP')に転換することができ、各アームフレーム121'の端部にあるピンアセンブリ122'は、基板(S)の4四分面(S4)に位置することができる。したがって、8つのアームフレーム121'の各々の端部にあるピンアセンブリ122'は、基板(S)の下で互いに離隔するように配置することができる。
【0120】
一方、本明細書の他の実施例による基板支持装置100において、複数の支持部120'の各々が含むピンアセンブリ122'は、駆動モータ113'によって順次または同時に回転させることができる。
図14に示すように、複数の支持部120'の各々が有するアームフレーム121'は、所定の回転領域を有するため、隣接した2つのアームフレーム121'が互いに異なる方向に回転すると、互いに干渉して破損することがあり得る。したがって、本明細書の他の実施例による基板支持装置100は、1四分面(S1)~4四分面(S4)の各々の境界部分を基準に互いに隣接した2つのアームフレーム121'が同じ方向に順次または同時に回転するように構成することによって、1つの四分面の外側で互いに隣接した2つのアームフレーム121'が互いに干渉することなく、支持位置(SUP')と待機位置(SBP')の間で容易に転換することができる。
【0121】
図14に示すように、前記複数の支持部120'の各々が有するアームフレーム121'とピンアセンブリ122'は、チャンバ(CB)の内部に配置され、複数の位置調整部110'によって回転および昇降することができる。
【0122】
前記ピンアセンブリ122’は、昇降軸111’と離隔するようにアームフレーム121’に結合することができる。一例によるピンアセンブリ122'は、アームフレーム121'の他側端に結合することができる。しかし、必ずしもこれに限定されず、ピンアセンブリ122'は、基板(S)の大きさによって、アームフレーム121'の他側端に結合せず、他側端から一側に向かう方向に離隔した位置に結合することもできる。ピンアセンブリ122’は、アームフレーム121’が駆動モータ113’によって回転するにつれて一緒に回転することができる。ピンアセンブリ122’は、ボトムフランジ122a’、ピンハウジング122b’、ピンガイドシャフト122c’、ピン弾性部材122d’、及び支持ピン122e’を含むことができる。
【0123】
図15および
図16を参照すると、前記ボトムフランジ122a'は、ボルトなどの締結部材を介してアームフレーム121'の他側端に結合することができる。この場合、締結部材は、ボトムフランジ122a’の上側に位置するピンハウジング122b’にも締結することができる。したがって、ボトムフランジ122a'とピンハウジング122b'は、締結部材によってアームフレーム121'に結合することができる。
【0124】
ピンハウジング122b'は、内部が部分的に空いている円筒形態に形成することができる。前記ピンハウジング122b’は、ボトムフランジ122a’に結合し、ピン貫通孔122ba’を含むことができる。一例によるピンハウジング122b’は、ボトムフランジ122’の上面に締結部材を介して結合することができる。前記ピン貫通孔122ba'は、ピンハウジング122b'の上側中心部分を貫通して形成することができる。ピンガイドシャフト122c’は、ピン貫通孔122ba’を介して部分的に突出することができる。ピン貫通孔122ba’は、ピンガイドシャフト122c’の頭部分の大きさより小さく具備することで、ピンガイドシャフト122c’全体が、ピンハウジング122b’から離脱することを防止することができる。前記貫通孔122ba’を介して部分的に突出するピンガイドシャフト122c’は、頭部分の上側に配置される部分であり得る。
【0125】
ピンガイドシャフト122c’は、ボトムフランジ122a’とピンハウジング122b’に移動可能に結合することができる。上述したように、ピンガイドシャフト122c'は頭部分を含むことができ、頭部分は、ピンハウジング122b'の内部に配置することができる。一例に係るピンガイドシャフト122c’は、第3軸方向(Z)にボトムフランジ122a’とピンハウジング122b’を合計した長さより長く形成することができる。これにより、ピンガイドシャフト122c'の上側の先端は、ピンハウジング122b'から上側方向に突出させることができ、ピンガイドシャフト122c'の下側の端をボトムフランジ122a'から下側方向に突出させることができる。
【0126】
ピン弾性部材122d’は、ピンガイドシャフト122c’を部分的に包み、ピンガイドシャフト122c’の一側とピンハウジング122b’の各々に支持することができる。一例によるピン弾性部材122d'は、ピンガイドシャフト122c'の頭部分の下にある本体を包み、ピンガイドシャフト122c'の一側(または頭部分)とピンハウジング122b'に支持することができる。したがって、支持ピン122e'が基板(S)を支持すると、基板(S)の荷重によってピンガイドシャフト122c'が下側方向に移動することができ、それによってピン弾性部材122d'が収縮することができる。逆に、支持ピン122e'が基板(S)を支持しないと、弾性復元力によってピン弾性部材122d'が伸長することができ、それによってピンガイドシャフト122c'が上側方向に移動することができる。
【0127】
支持ピン122e'は、前記ピン弾性部材122d'と対向するようにピンガイドシャフト122c'の一側端に結合することができる。前記ピンガイドシャフト122c'の一側端は、前記ピン貫通孔122ba'を介してピンハウジング122b'の外部に突出する部分を意味することができる。一例による支持ピン122e'は、
図16に示すように、上側から下側に向かうにつれて大きさが大きくなり、ピンガイドシャフト122c'の一側端に結合する下側部分の大きさがピンガイドシャフト122c'の一側端の大きさよりも小さく具備することができる。したがって、支持ピン122e'の下側部分をピンガイドシャフト122c'の一側端に形成された挿入溝に挿入することができる。結果的に、
図16に示すように、支持ピン122e'をピンハウジング122b'の外側に配置することができ、それによって支持モードで基板(S)の下面を支持することができる。
【0128】
一方、ピンガイドシャフト122c'の頭部分がピン貫通孔122ba'の大きさより大きく具備されることで、ピン弾性部材122d'の伸長によりピンガイドシャフト122c'が上側方向に移動しても、ピンガイドシャフト122c'はピンハウジング122b'から離脱しないことができる。
【0129】
図16に示すように、支持ピン122e'が結合したピンガイドシャフト122c'は、ピン弾性部材122d'によって支持されるので、基板(S)を支持する場合、下側方向に移動することができる。したがって、本明細書の一実施例による基板支持装置100は、支持ピン122e'が基板(S)を支持するときに発生する衝撃をピン弾性部材122d'によって吸収することができる。したがって、本明細書の一実施例による基板支持装置100は、ピン弾性部材が具備されておらず衝撃を吸収できない場合に比べて、基板(S)にスクラッチ等の損傷が加わることを最小化または防止または少なくとも低減することができる。
【0130】
結果的に、本明細書の他の実施例による基板支持装置100は、位置調整部110'に直接結合した支持部120'が位置調整部110'によって回転及び上昇することにより、 支持モードで基板(S)の下面(または基板(S)の中心部分)を支持することができる。したがって、本明細書の他の実施例による基板支持装置100は、基板(S)の垂れ下がりを最小限に抑えることができ、製造工程が完了した基板(S)の不良率を低減することができる。
【0131】
図17および
図18は、本明細書の他の実施例による基板支持装置が基板を支持する概略的な動作状態図である。
【0132】
図17は、支持モードでピンアセンブリ122’が基板(S)を支持する前の動作状態を示す図である。
図17に示すように、基板ホルダ(SH)に基板(S)の端を支持することにより、基板(S)の中心部分は荷重により下方向に垂れ下がることができる。しかし、本明細書の他の実施例による基板支持装置100は、複数の位置調整部110'と複数の支持部120'を介して、基板(S)の垂れ下がる中心部分を支持して上側に移動させることができる。
【0133】
図18は、支持モードでピンアセンブリ122’が基板(S)を支持する動作状態を示す図である。
図18に示すように、複数のピンアセンブリ122'の各々が複数の位置調整部110'の各々によって第3軸方向(Z)に上昇することにより、基板(S)の中心部分を支持して上側方向に移動させることができる。これにより、基板(S)の垂れ下がりを最小化、防止、または少なくとも低減することができるので、チャッキングプレート(CHP)に基板(S)の全面をチャッキング(または固定)することができる。したがって、本明細書の他の実施例による基板支持装置100は、有機物質を基板(S)に均一に蒸着するようにさせることができるので、基板(S)の不良率を低減することができ、さらに基板(S)の不良率が減少することで、生産エネルギーを減らすことができる。
【0134】
本明細書の他の実施例による基板支持装置100を用いた基板製造方法は、以下のようにしてなすことができる。
【0135】
まず、ロボット等の移送手段(未図示)を用いてチャンバ(CB)の内部に基板(S)を挿入させ、基板(S)の端をチャンバ(CB)の内部に配置した複数の基板ホルダ(SH)に支持させる。この場合、複数の支持部120が有するピンアセンブリ122’は、基板(S)と重畳しないように複数の位置調整部110’によって待機位置(SBP’)に位置することができる。例えば、8つのピンアセンブリ122'のうちの4つのピンアセンブリ122'は、複数の位置調整部110'によって第1待機位置(SBP1')に位置することができ、残りの4つのピンアセンブリ122'は、複数の位置調整部110'によって第2待機位置(SBP2')に位置することができる。したがって、チャンバ(CB)に挿入される基板(S)は、8つのピンアセンブリ122'に干渉することなく基板ホルダ(SH)に安定的に安着することができる。
【0136】
次に、複数のピンアセンブリ122'を支持位置(SUP')に配置する。このような工程は、複数の位置調整部110’がアームフレーム121’を回転させることによってなすことができる。したがって、複数のピンアセンブリ122'は、基板(S)の下の支持位置(SUP')に互いに離隔するように位置することができる。例えば、8つのピンアセンブリ122'は、支持位置(SUP')で互いに離隔して位置することができる。この場合、8つのピンアセンブリ122'の各々が結合する8個のアームフレーム121'の各々は、複数の基板ホルダ(SH)の間に位置することができる。これにより、8つのアームフレーム121'が複数の位置調整部110'によって第3軸方向(Z)に上昇しても基板ホルダ(SH)に干渉しないことができる。
【0137】
この状態で、第2位置制御部(PC2)は、基板(S)上に位置したチャッキングプレート(CHP)を基板(S)に向かう方向に下降させる。この場合、チャッキングプレート(CHP)は、凹状に配置された基板(S)の端(または縁部分)が損傷する可能性を防止または低減させることができるように基板(S)の端にできるだけ近い位置に位置することができる。
【0138】
次に、複数のピンアセンブリ122'を上昇させて基板(S)を支持し、チャッキングプレート(CHP)に電圧を印加して基板(S)をチャッキングプレート(CHP)にチャッキング(又は固定)させる。このような工程は、複数の位置調整部110'が複数のピンアセンブリ122'をチャッキングプレート(CHP)に向かう方向に上昇させ、チャッキングプレート(CHP)に連結した電圧供給部(未図示)が、チャッキングプレートに電圧を印加することによってなすことができる。これにより、複数のピンアセンブリ122'は、基板(S)の下面(または基板(S)の中心部分)に接触することができ、複数の位置調整部110'によって上方にさらに上昇して基板(S)の垂れ下がりを改善または低減することができる。この状態で、チャッキングプレート(CHP)に電圧(または静電気)が印加されると、基板(S)の中心部分と端をチャッキングプレート(CHP)にチャッキング(または固定)することができる。
【0139】
次に、複数のピンアセンブリ122'を下降させた後、回転させて待機位置(SBP)に位置させる。このような工程は、複数の位置調整部110’が、複数のピンアセンブリ122’をマスク(MSK)に向かう方向に下降させ、アームフレーム121’を回転させることによってなすことができる。この場合、基板(S)は静電気によってチャッキングプレート(CHP)に固定された状態であり得る。したがって、基板(S)を平坦に位置させることができる。複数のピンアセンブリ122'は、複数の位置調整部110'によって下降し、第3軸方向(Z)に基板ホルダ(SH)とマスク(MSK)の間に位置することができる。この状態で、複数のピンアセンブリ122’は、駆動モータ113’の駆動力によってアームフレーム121’が回転することによって、待機位置(SBP)に移動することができる。
【0140】
次に、第2位置制御部(PC2)は、チャッキングプレート(CHP)を下降させて開口部(OA)を具備したマスク(MSK)を基板(S)の下面に付着させる。そして、ソース(SC)は、有機物質を蒸発させて開口部(OA)に露出した基板(S)に有機物質を蒸着させる。これにより、マスク(MSK)の開口部(OA)の形態によって有機物質を基板(S)の下面に蒸着させることができる。
【0141】
次に、複数のピンアセンブリ122'を回転させて支持位置(SUP')に位置させた後、上昇させて有機物質が蒸着した基板(S)を支持する。このような工程は、駆動モータ113’が駆動力を提供してアームフレーム121’を回転させ、昇降モータ114’が駆動力を提供して昇降軸111’を上昇させることによってなすことができる。それによって、複数のピンアセンブリ122'は、基板(S)の下に互いに離隔するように位置することができる。この場合、複数のピンアセンブリ122'の各々が結合した複数のアームフレーム121'の各々は、複数の基板ホルダ(SH)の間に位置することができる。したがって、複数のアームフレーム121'が複数の位置調整部110'によって、第3軸方向(Z)に上昇しても基板ホルダ(SH)に干渉しないことができる。この状態で、複数のピンアセンブリ122'は、複数の位置調整部110'によってチャッキングプレート(CHP)に向かう方向に上昇することができる。これにより、複数のピンアセンブリ122'は、基板(S)の下面(または基板(S)の中心部分)に接触して基板(S)の下面(または基板(S)の中心部分)を支持することができる。その後、チャッキングプレート(CHP)に印加される電圧(または静電気)をオフにすると、有機物質が蒸着した基板(S)は、複数のピンアセンブリ122'によってのみ支持することができる。
【0142】
次に、複数のフィンアセンブリ122'を下降させて有機物質が蒸着した基板(S)の端を基板ホルダ(SH)に支持させる。このような工程は、昇降モータ114'が駆動力を提供し、複数のピンアセンブリ122'をマスク(MSK)に向かう方向に下降させることによってなすことができる。この場合、複数のピンアセンブリ122'は、複数の基板ホルダ(SH)よりも下に下降することができる。これにより、基板(S)の端を基板ホルダ(SH)に支持することができ、基板(S)を複数のピンアセンブリ122'から離隔することができる。複数のピンアセンブリ122'は、第3軸方向(Z)に基板ホルダ(SH)とマスク(MSK)の間に配置することができる。この状態で、複数のピンアセンブリ122’は、駆動モータ113’によってアームフレーム121’が回転することにより、待機位置(SBP’)に移動することができる。例えば、8つのピンアセンブリ122'のうちの4つのピンアセンブリ122'は、支持位置(SUP')から第1待機位置(SBP1')に移動することができ、残りの4つのピンアセンブリ122'は、支持位置(SUP')から第2待機位置(SBP2')に移動することができる。この場合、8つのピンアセンブリ122'の各々は、基板(S)および/または複数の基板ホルダ(SH)と重畳しないことができる。これにより、有機物質が蒸着した基板(S)をロボット等の移送手段によりチャンバ(CB)から容易に搬出することができる。
【0143】
本明細書の他の実施例による基板の製造方法は、本明細書の他の実施例による基板支持装置100によって行われることにより、有機物質蒸着工程の前に基板(S)(または大面積基板(S))をチャッキングプレート(CHP)に容易に(または平らに)固定(またはチャッキング)することができるので、有機物質を基板(S)に均一に蒸着させることができる。したがって、本明細書の他の実施例による基板製造方法は、基板の垂れ下がりを最小化または防止または少なくとも低減することにより、基板の不良率を低減することができ、さらに生産エネルギーを低減することができる。
【0144】
以上、添付の図を参照して本明細書の実施例をさらに詳細に説明したが、本明細書は必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本明細書の技術思想から逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。したがって、本明細書に開示された実施例は、本明細書の技術思想を限定するのではなく説明するためのものであり、そのような実施例によって本明細書の技術思想の範囲を限定するものではない。したがって、上記で説明した実施例はすべての点で例示的なものであり、限定的なものではないと理解されなければならない。本明細書の保護範囲内にあるすべての技術思想は、本明細書の権利範囲に含まれると解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0145】
100:基板支持装置
110:位置調整部
111:昇降軸
112:ベローズ
113:シリンダポンプ
120:支持部
121:支持フレーム
122:支持部材
123:離脱防止部材
130:ガイド部
131:第1ガイド部
132:第2ガイド部
140:回転駆動部
141:ボールねじ
142:回転モータ
SBP:待機位置
SUP:支持位置