(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109128
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】切り替え方法およびIP再送信装置
(51)【国際特許分類】
H04N 21/222 20110101AFI20240806BHJP
H04N 21/2381 20110101ALI20240806BHJP
H04H 20/24 20080101ALI20240806BHJP
H04H 60/82 20080101ALI20240806BHJP
【FI】
H04N21/222
H04N21/2381
H04H20/24
H04H60/82
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013708
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】池田 拓真
(72)【発明者】
【氏名】岩本 昌也
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA04
5C164SA11P
5C164SB10S
5C164SB24P
(57)【要約】
【課題】再生装置における安定したコンテンツ再生を実現する。
【解決手段】切り替え方法は、運用系のIP再送信装置が受信するコンテンツを、待機系のIP再送信装置にも受信開始させるステップと、出力されるIPパケットに格納される情報であって、前記待機系のIP再送信装置の内部において時間的に変化する情報である時間変化情報を、前記運用系のIP再送信装置における前記時間変化情報に合わせるステップと、前記コンテンツの再送信の切り替えタイミングを決定するステップと、前記切り替えタイミングにおいて、前記運用系のIP再送信装置から前記待機系のIP再送信装置へ前記コンテンツの再送信を切り替えるステップとを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送されるコンテンツを受信し、受信した前記コンテンツをIPパケットに含めて再送信する複数のIP再送信装置を備えるIP再送信システムにおいて、前記コンテンツの再送信を運用系の前記IP再送信装置から待機系の前記IP再送信装置へ切り替える切り替え方法であって、
前記運用系のIP再送信装置が受信する前記コンテンツを、前記待機系のIP再送信装置にも受信開始させるステップと、
出力される前記IPパケットに格納される情報であって、前記待機系のIP再送信装置の内部において時間的に変化する情報である時間変化情報を、前記運用系のIP再送信装置における前記時間変化情報に合わせる調整処理を行うステップと、
前記コンテンツの再送信の切り替えタイミングを決定するステップと、
前記切り替えタイミングにおいて、前記運用系のIP再送信装置から前記待機系のIP再送信装置へ前記コンテンツの再送信を切り替えるステップとを含む、切り替え方法。
【請求項2】
前記時間変化情報は、前記IP再送信装置において前記IPパケットに格納される、タイムスタンプおよびシーケンス番号の少なくともいずれか一方である、請求項1に記載の切り替え方法。
【請求項3】
前記IP再送信装置は、前記コンテンツを含む複数のコンテンツパケットが配列されて格納された、前記IPパケットを生成し、
前記調整処理を行うステップにおいては、前記待機系のIP再送信装置において生成される前記IPパケットの先頭に格納される前記コンテンツパケットの内容を、前記運用系のIP再送信装置において生成される前記IPパケットの先頭に格納される前記コンテンツパケットの内容に合わせる、請求項1または請求項2に記載の切り替え方法。
【請求項4】
放送されるコンテンツを受信し、受信した前記コンテンツをIPパケットに含めて再送信するIP再送信システムにおけるIP再送信装置であって、
前記コンテンツを受信する受信部と、
前記IP再送信装置の内部において時間的に変化する時間変化情報が格納された前記IPパケットを送信する送信部と、
前記IPパケットに格納される前記時間変化情報の調整処理を行う調整部と、
前記IPパケットの送信の停止および開始を切り替えるべきタイミングである切り替えタイミングを取得するタイミング取得部とを備え、
前記送信部は、前記タイミング取得部により取得された前記切り替えタイミングにおいて、前記調整部における前記調整処理が反映された前記IPパケットの送信を開始する、IP再送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、切り替え方法およびIP再送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放送されるコンテンツをIPパケットに含めて再送信するシステムが開発されている。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開2020-10199号公報)には、以下のようなIP再送信装置が開示されている。すなわち、IP再送信装置は、アンテナから受信した複数チャンネルのデジタル放送信号を、IPマルチキャスト網を介して複数の受信機へ再送信するIP再送信システムにおいて用いられるIP再送信装置であって、前記デジタル放送信号からSI情報を取り出して、ヘッダ情報の一部にSI識別値が付与されたパケットに前記SI情報を格納し、該パケットを放送ストリームとともに、或いは放送ストリームとは別に前記IPマルチキャスト網へ送出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
IP再送信システムでは、コンテンツの再送信を実行する運用系のIP再送信装置に加えて、予備のIP再送信装置が設けられる場合が多い。
【0006】
ここで、運用系のIP再送信装置の保守交換等のために当該IP再送信装置による再送信を停止し、コンテンツの再送信を実行するIP再送信装置を運用系のIP再送信装置から予備のIP再送信装置へ切り替える場合において、コンテンツを再生する再生装置においてコンテンツを良好に再生することが可能な技術が望まれる。
【0007】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、コンテンツの再送信を行うIP再送信装置を切り替え可能な構成において、再生装置における安定したコンテンツ再生を実現することが可能な切り替え方法およびIP再送信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の切り替え方法は、放送されるコンテンツを受信し、受信した前記コンテンツをIPパケットに含めて再送信する複数のIP再送信装置を備えるIP再送信システムにおいて、前記コンテンツの再送信を運用系の前記IP再送信装置から待機系の前記IP再送信装置へ切り替える切り替え方法であって、前記運用系のIP再送信装置が受信する前記コンテンツを、前記待機系のIP再送信装置にも受信開始させるステップと、出力される前記IPパケットに格納される情報であって、前記待機系のIP再送信装置の内部において時間的に変化する情報である時間変化情報を、前記運用系のIP再送信装置における前記時間変化情報に合わせる調整処理を行うステップと、前記コンテンツの再送信の切り替えタイミングを決定するステップと、前記切り替えタイミングにおいて、前記運用系のIP再送信装置から前記待機系のIP再送信装置へ前記コンテンツの再送信を切り替えるステップとを含む。
【0009】
本開示の一態様は、このような特徴的な処理のステップを含む切り替え方法として実現され得るだけでなく、かかる特徴的な処理のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現され得る。また、本開示の一態様は、IP再送信装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得たり、IP再送信装置を含むIP再送信システムとして実現され得る。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、コンテンツの再送信を行うIP再送信装置を切り替え可能な構成において、再生装置における安定したコンテンツ再生を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信装置により送信されるフレームの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信装置の構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信装置における配列部による先頭調整処理の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信システムにおける切り替え処理のシーケンスの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本開示の第2の実施の形態に係るIP再送信システムの構成を示す図である。
【
図7】
図7は、本開示の第2の実施の形態に係るIP再送信装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0013】
(1)本開示の実施の形態に係る切り替え方法は、放送されるコンテンツを受信し、受信した前記コンテンツをIPパケットに含めて再送信する複数のIP再送信装置を備えるIP再送信システムにおいて、前記コンテンツの再送信を運用系の前記IP再送信装置から待機系の前記IP再送信装置へ切り替える切り替え方法であって、前記運用系のIP再送信装置が受信する前記コンテンツを、前記待機系のIP再送信装置にも受信開始させるステップと、出力される前記IPパケットに格納される情報であって、前記待機系のIP再送信装置の内部において時間的に変化する情報である時間変化情報を、前記運用系のIP再送信装置における前記時間変化情報に合わせる調整処理を行うステップと、前記コンテンツの再送信の切り替えタイミングを決定するステップと、前記切り替えタイミングにおいて、前記運用系のIP再送信装置から前記待機系のIP再送信装置へ前記コンテンツの再送信を切り替えるステップとを含む。
【0014】
このように、待機系のIP再送信装置の内部における時間変化情報を、運用系のIP再送信装置における時間変化情報に合わせた上で、切り替えタイミングにおいて運用系のIP再送信装置から待機系のIP再送信装置へコンテンツの再送信を切り替える方法により、切り替えタイミングの前後において、運用系のIP再送信装置により送信されたIPパケットに格納される時間変化情報と、待機系のIP再送信装置により送信されたIPパケットに格納される時間変化情報との不連続性を抑制することができるので、IPパケットを受信した再生装置により再生されるコンテンツにおけるノイズの発生を抑制することができる。したがって、コンテンツの再送信を行うIP再送信装置を切り替え可能な構成において、再生装置における安定したコンテンツ再生を実現することができる。
【0015】
(2)上記(1)において、前記時間変化情報は、前記IP再送信装置において前記IPパケットに格納される、タイムスタンプおよびシーケンス番号の少なくともいずれか一方であってもよい。
【0016】
すなわち、時間変化情報がタイムスタンプである場合、待機系のIP再送信装置においてIPパケットに格納されるタイムスタンプを修正する。これにより、切り替えタイミングの前後において、運用系のIP再送信装置により送信されたIPパケットに格納されるタイムスタンプと、待機系のIP再送信装置により送信されたIPパケットに格納されるタイムスタンプとの不連続性を抑制することができるので、再生装置において当該タイムスタンプに基づいてコンテンツを安定して再生することができる。また、時間変化情報がシーケンス番号である場合、待機系のIP再送信装置においてIPパケットに格納されるシーケンス番号を修正する。これにより、切り替えタイミングの前後において、運用系のIP再送信装置により送信されたIPパケットに格納されるシーケンス番号と、待機系のIP再送信装置により送信されたIPパケットに格納されるシーケンス番号との不連続性を抑制することができるので、再生装置において当該シーケンス番号に基づいてコンテンツを安定して再生することができる。
【0017】
(3)上記(1)または(2)において、前記IP再送信装置は、前記コンテンツを含む複数のコンテンツパケットが配列されて格納された、前記IPパケットを生成してもよく、前記調整処理を行うステップにおいては、前記待機系のIP再送信装置において生成される前記IPパケットの先頭に格納される前記コンテンツパケットの内容を、前記運用系のIP再送信装置において生成される前記IPパケットの先頭に格納される前記コンテンツパケットの内容に合わせてもよい。
【0018】
このような方法により、切り替えタイミングの前後において、運用系のIP再送信装置により送信されたIPパケットに格納されるコンテンツの内容と、待機系のIP再送信装置により送信されたIPパケットに格納されるコンテンツの内容との不連続性を抑制することができるので、再生装置において当該コンテンツを安定して再生することができる。
【0019】
(4)本開示の実施の形態に係るIP再送信装置は、放送されるコンテンツを受信し、受信した前記コンテンツをIPパケットに含めて再送信するIP再送信システムにおけるIP再送信装置であって、前記コンテンツを受信する受信部と、前記IP再送信装置の内部において時間的に変化する時間変化情報が格納された前記IPパケットを送信する送信部と、前記IPパケットに格納される前記時間変化情報の調整処理を行う調整部と、前記IPパケットの送信の停止および開始を切り替えるべきタイミングである切り替えタイミングを取得するタイミング取得部とを備え、前記送信部は、前記タイミング取得部により取得された前記切り替えタイミングにおいて、前記調整部における前記調整処理が反映された前記IPパケットの送信を開始する。
【0020】
このように、切り替え先のIP再送信装置の内部における時間変化情報の調整処理を行い、調整処理が反映されたIPパケットの送信を開始する構成により、切り替えタイミングの前後において、切り替え元のIP再送信装置により送信されたIPパケットに格納される時間変化情報と、当該切り替え先のIP再送信装置により送信されたIPパケットに格納される時間変化情報との不連続性を抑制することができるので、IPパケットを受信した再生装置により再生されるコンテンツにおけるノイズの発生を抑制することができる。したがって、コンテンツの再送信を行うIP再送信装置を切り替え可能な構成において、再生装置における安定したコンテンツ再生を実現することができる。
【0021】
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0022】
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信システムの構成を示す図である。
図1を参照して、IP再送信システム301は、複数のIP再送信装置101と、制御装置201とを備える。IP再送信装置101および制御装置201は、たとえばケーブルテレビ局の局舎に設けられる。IP再送信装置101は、放送されるコンテンツを受信し、受信したコンテンツをIPパケットに含めて再送信する。より詳細には、IP再送信装置101は、コンテンツを含む放送信号を受信し、受信した放送信号に含まれるコンテンツをIPパケットに含めて再送信する。
【0023】
一例として、IP再送信システム301は、複数台の運用系のIP再送信装置101と、1または複数台の待機系のIP再送信装置101とを備える。待機系のIP再送信装置101は、運用系のIP再送信装置101のバックアップのための予備の装置である。
【0024】
各IP再送信装置101は、LAN(Local Area Network)ケーブルを介してスイッチ装置111と接続されている。
【0025】
制御装置201は、スイッチ装置211およびLANケーブルを介して、各IP再送信装置101と接続されている。制御装置201は、各IP再送信装置101の制御および監視を行う。
【0026】
制御装置201は、IP再送信システム301における各IP再送信装置101の起動後、コンテンツの再送信に関する設定情報C1をスイッチ装置211経由で運用系のIP再送信装置101へ送信し、コンテンツの再送信を待機すべき旨を示す待機指示S1をスイッチ装置211経由で待機系のIP再送信装置101へ送信する。
【0027】
分配器91は、地上デジタル放送、BSデジタル放送または高度BSデジタル放送コンテンツを含むRF(Radio Frequency)帯の放送信号をアンテナ81経由で受信する。当該コンテンツは、たとえば、音声情報、映像情報、PSI(Program Specific Information)情報、SI(Service Information)情報および字幕情報等を含む。分配器91は、受信した放送信号を各IP再送信装置101へ分配する。
【0028】
各IP再送信装置101は、分配器91から放送信号を受信する。待機系のIP再送信装置101は、初期状態において、コンテンツの再送信を行わない。一方、運用系のIP再送信装置101は、初期状態において、コンテンツの再送信を行う。
【0029】
より詳細には、運用系のIP再送信装置101の各々には、たとえば互いに異なるチャンネルが割り当てられている。運用系のIP再送信装置101は、制御装置201から受信した設定情報C1に従って、割り当てられているチャンネルに属するコンテンツを放送信号から取得し、取得したコンテンツを含むIPパケットが格納されたイーサネットフレームFrを生成する。運用系のIP再送信装置101は、生成したイーサネットフレームFrをスイッチ装置111およびIP網121経由で加入者宅におけるSTB(Set Top Box)151へマルチキャストする。IP網121は、CDN(Content Delivery Network)である。
【0030】
STB151は、IP網121経由でIP再送信装置101から受信したIPパケットからコンテンツを取得し、取得したコンテンツを図示しない表示装置において再生する。
【0031】
図2は、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信装置により送信されるフレームの一例を示す図である。
図2を参照して、イーサネットフレームFrは、MACヘッダ、IPヘッダ、UDP(User Datagram Protocol)ヘッダ、RTP(Real-time Transport Protocol)ヘッダおよびペイロードを含む。
【0032】
MACヘッダは、宛先MACアドレス、送信元MACアドレスおよびEther Typeのフィールドを含む。
【0033】
IPヘッダは、Version、Traffic Class、Flow Label、Payload Length、Next Header、Hop Limit、送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスのフィールドを含む。
【0034】
UDPヘッダは、送信元ポート番号、宛先ポート番号、LengthおよびChecksumのフィールドを含む。
【0035】
RTPヘッダは、Version、Padding、Extension、CSIC(Contributing Source Identifiers Count)、Marker、Payload Type、シーケンス番号、RTPタイムスタンプ、およびSSRC(Synchronization Source)のフィールドを含む。
【0036】
ペイロードには、たとえば7つのTS(Transport Stream)パケットと、当該7つのTSパケットにそれぞれ対応する7つのTSタイムスタンプとが格納される。
【0037】
(課題)
IP再送信システム301では、運用系のIP再送信装置101の保守交換等のために当該IP再送信装置101による再送信を停止し、コンテンツの再送信を実行するIP再送信装置101を運用系のIP再送信装置101から待機系のIP再送信装置101へ切り替える場合がある。
【0038】
コンテンツの再送信を実行するIP再送信装置101を切り替える場合において、STB151においてコンテンツを良好に再生することが可能な技術が望まれる。
【0039】
たとえば、制御装置201は、コンテンツの再送信を停止すべき運用系のIP再送信装置101である切り替え元のIP再送信装置101と、当該IP再送信装置101に代わってコンテンツの再送信を開始すべき待機系のIP再送信装置101である切り替え先のIP再送信装置101とを決定する。以下、切り替え元のIP再送信装置101を「IP再送信装置101A」とも称し、切り替え先のIP再送信装置101を「IP再送信装置101B」とも称する。制御装置201は、決定したIP再送信装置101Aに対応する設定情報C1を、決定したIP再送信装置101Bへスイッチ装置211経由で送信する。
【0040】
IP再送信装置101Bは、制御装置201から受信した設定情報C1に従って、コンテンツを含むIPパケットが格納されたイーサネットフレームFrの生成を開始し、IP再送信システム301において設定された切り替えタイミングを待ち受ける。IP再送信装置101Bは、当該切り替えタイミングが到来すると、イーサネットフレームFrの送信を開始する。一方、IP再送信装置101Aは、当該切り替えタイミングが到来すると、イーサネットフレームFrの送信を停止する。
【0041】
切り替えタイミングにおいて、IP再送信装置101Bにより送信されるイーサネットフレームFrにおける送信元MACアドレスおよびChecksum以外の各フィールドに格納される情報が、IP再送信装置101Aにより生成されるイーサネットフレームFrにおける送信元MACアドレスおよびChecksum以外の各フィールドに格納される情報と一致しない場合、STB151により再生されるコンテンツにノイズが生じる場合がある。
【0042】
ここで、イーサネットフレームFrにおける、Ether Type、Version、Payload Length、Next Header、Length、Version、Padding、Extension、CSIC、およびMarker、Payload Typeの各フィールドには、当該イーサネットフレームFrを生成する装置に関わらず同じ情報が格納される。また、IP再送信装置101Bは、設定情報C1に基づいてイーサネットフレームFrを生成することにより、宛先MACアドレス、Traffic Class、Flow Label、Hop Limit、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号、およびSSRCの各フィールドに、IP再送信装置101Aにより生成されるイーサネットフレームFrと同じ情報が格納されたイーサネットフレームFrを生成することができる。したがって、Ether Type等の上記フィールドに格納される情報が一致しないことによる、再生コンテンツにおけるノイズの発生は、比較的容易に抑制することができる。
【0043】
一方、イーサネットフレームFrにおけるシーケンス番号、RTPタイムスタンプおよびペイロードには、時間的に変化する情報である時間変化情報が格納される。切り替えタイミングの前後において、IP再送信装置101Aにより送信されたイーサネットフレームFrに格納される時間変化情報と、IP再送信装置101Bにより送信されたイーサネットフレームFrに格納される時間変化情報との不連続が生じた場合、STB151により再生されるコンテンツにノイズが生じる場合がある。
【0044】
これに対して、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信システム301では、以下のような構成および動作により、上記課題を解決する。
【0045】
(IP再送信装置)
図3は、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信装置の構成を示す図である。
図3を参照して、IP再送信装置101は、チューナ11と、TTS処理部12と、カウンタ13と、配列部14と、RTP処理部15と、カウンタ16と、IP送信部17と、制御部18と、記憶部19とを備える。チューナ11は、受信部の一例である。TTS処理部12、配列部14およびRTP処理部15は、調整部の一例である。IP送信部17は、送信部の一例である。制御部18は、参照情報取得部の一例であり、かつタイミング処理部の一例である。チューナ11、TTS処理部12、カウンタ13、配列部14、RTP処理部15、カウンタ16、IP送信部17および制御部18の一部または全部は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。記憶部19は、たとえば上記処理回路に含まれる不揮発性メモリである。
【0046】
たとえば、IP再送信装置101は、CBR(Constant Bit Rate)のコンテンツを受信し、VBR(Variable Bit Rate)のコンテンツを再送信する。すなわち、IP再送信装置101は、ヌルデータを含むコンテンツを受信し、受信したコンテンツに含まれるヌルデータを削除し、当該ヌルデータが削除されたコンテンツを再送信する。
【0047】
カウンタ13は、図示しない発振器の出力を分周または逓倍した27MHzのクロックを受けて、受けたクロックのタイミングに従ってカウント値CNT1を更新する。カウンタ16は、図示しない発振器の出力を分周または逓倍した90kHzのクロックを受けて、受けたクロックのタイミングに従ってカウント値CNT2を更新する。
【0048】
チューナ11は、コンテンツを含む放送信号を分配器91から受信する。また、チューナ11は、制御部18から受信開始指示を受ける。チューナ11は、制御部18から受けた受信開始指示に従って、分配器91から受信した放送信号に対して復調処理を行うことにより、コンテンツを含むストリームを生成する。チューナ11は、生成したストリームをTTS処理部12へ出力する。
【0049】
TTS処理部12は、チューナ11から受けたストリームからヌルパケットを削除する。TTS処理部12は、ヌルパケットの削除後のストリームが分割されたデータをそれぞれ含む、データ長が188バイトである複数のTSパケットを生成する。
【0050】
たとえば、TTS処理部12により生成される各TSパケットには、ES(Elementary Stream)、PAT(Program Association Table)、SDT(Service Description Table)、EIT(Event Information Table)、PMT(Program Map Table)、TOT(Time Offset Table)、BIT(Broadcaster Information Table)およびCDT(Common Data Table)等が格納される。
【0051】
TTS処理部12は、TSパケットを生成するたびに、カウンタ13のカウント値CNT1を取得し、生成したTSパケット、およびTSタイムスタンプとして当該カウント値CNT1を含むTTS(Time-stamped TS)パケットを生成する。TTS処理部12は、生成したTTSパケットを配列部14へ出力する。TTSパケットは、コンテンツパケットの一例である。カウント値CNT1は、IP再送信装置101の内部において時間的に変化する時間変化情報の一例である。
【0052】
配列部14は、TTS処理部12からTTSパケットを受けて、受けた1または複数のTTSパケットを含むパケット群を生成し、生成したパケット群をRTP処理部15へ出力する。より詳細には、配列部14は、TTS処理部12から受けた順に配列された7つのTTSパケットを含むパケット群を生成する。配列部14は、パケット群を生成するたびに、生成したパケット群をRTP処理部15へ出力する。パケット群に含まれるTTSパケットは、IP再送信装置101の内部において時間的に変化する時間変化情報の一例である。
【0053】
RTP処理部15は、配列部14からパケット群を受けて、受けたパケット群にRTPヘッダを付与することによりRTPパケットを生成するパケット生成処理を行う。RTP処理部15は、RTPパケットを生成するたびに、カウンタ16のカウント値CNT2を取得し、生成したRTPパケットにおけるシーケンス番号およびRTPタイムスタンプのフィールドに、RTPパケットの生成順を示すシーケンス値NMBおよび取得したカウント値CNT2をそれぞれ格納する。RTP処理部15は、シーケンス値NMBおよびカウント値CNT2を含むRTPパケットをIP送信部17へ出力する。シーケンス値NMBおよびカウント値CNT2は、IP再送信装置101の内部において時間的に変化する時間変化情報の一例である。
【0054】
IP送信部17は、TTSパケット、カウント値CNT1,CNT2およびシーケンス値NMBが格納されたIPパケットを送信する。たとえば、IP送信部17は、コンテンツを含む複数のIPパケットであるIPフローをスイッチ装置111へ送信する。より詳細には、IP送信部17は、RTP処理部15から受けたRTPパケットにUDPヘッダ、IPヘッダおよびMACヘッダを付与することによりイーサネットフレームFrを生成するフレーム生成処理を行う。IP送信部17は、生成したイーサネットフレームFrをスイッチ装置111へ送信する。
【0055】
チューナ11は、コンテンツを含むストリームの生成を行う生成オン状態と、ストリームの生成を行わない生成オフ状態とを切り替え可能である。たとえば、チューナ11は、IP再送信装置101の起動時において、生成オフ状態に設定されている。
【0056】
IP送信部17は、IPフローの送信を行う送信オン状態と、IPフローの送信を行わない送信オフ状態とを切り替え可能である。たとえば、IP送信部17は、IP再送信装置101の起動時において、送信オフ状態に設定されている。
【0057】
(初期設定)
IP再送信装置101の起動後、IP再送信装置101における制御部18、および制御装置201は、TCP(Transmission Control Protocol)に従う通信接続を確立する。制御部18および制御装置201は、確立した通信接続を用いて通信を行う。
【0058】
待機系のIP再送信装置101における制御部18は、スイッチ装置211経由で制御装置201から待機指示S1を受信し、受信した待機指示S1に従い、チューナ11の生成オフ状態およびIP送信部17の送信オフ状態を維持する。
【0059】
運用系のIP再送信装置101における制御部18は、スイッチ装置211経由で制御装置201から設定情報C1を受信する。設定情報C1は、チューナ11における復調対象の放送信号の周波数F1と、コンテンツの送信設定情報とを示す。当該送信設定情報は、イーサネットフレームFrの各ヘッダにおける各フィールドのうちの、シーケンス番号およびRTPタイムスタンプ以外のフィールドに格納すべき情報を含む。制御部18は、受信した設定情報C1を記憶部19に保存する。
【0060】
運用系のIP再送信装置101における制御部18は、制御装置201から受信した設定情報C1に従い、チューナ11を生成オン状態に切り替える。より詳細には、制御部18は、設定情報C1を含む受信開始指示をチューナ11へ出力する。
【0061】
チューナ11は、制御部18から受信開始指示を受けた場合、受けた受信開始指示に含まれる設定情報C1に従って、コンテンツを含むストリームの出力を開始する。より詳細には、チューナ11は、分配器91から受信した放送信号のうち、設定情報C1が示す周波数F1の放送信号に対する復調処理を行うことにより、コンテンツを含むストリームの出力を開始する。
【0062】
また、運用系のIP再送信装置101における制御部18は、制御装置201から受信した設定情報C1をRTP処理部15およびIP送信部17へ出力する。RTP処理部15は、パケット生成処理において、RTPヘッダにおけるシーケンス番号およびRTPタイムスタンプ以外の各フィールドに、当該設定情報C1の送信設定情報が示す情報を格納する。IP送信部17は、フレーム生成処理において、各ヘッダの各フィールドに、当該設定情報C1の送信設定情報が示す情報を格納する。
【0063】
また、運用系のIP再送信装置101における制御部18は、IP送信部17を送信オン状態に切り替える。より詳細には、制御部18は、送信開始指示をIP送信部17へ出力する。
【0064】
IP送信部17は、制御部18から送信開始指示を受けた場合、受けた送信開始指示に従って、フレーム生成処理において生成したイーサネットフレームFrをスイッチ装置111へ送信する。
【0065】
(切り替え方法)
たとえば、制御装置201は、運用系のIP再送信装置101の監視結果に基づいて、運用系のIP再送信装置101および待機系のIP再送信装置101におけるコンテンツの再送信の切り替え計画を作成する。
【0066】
より詳細には、運用系のIP再送信装置101における制御部18は、定期的または不定期に、当該IP再送信装置101における電源ユニットの動作状態、ファンの動作状態、およびバージョン情報等を示す状態情報をスイッチ装置211経由で制御装置201へ送信する。
【0067】
制御装置201は、複数の運用系のIP再送信装置101から受信した各状態情報に基づいて、切り替え元であるIP再送信装置101Aおよび切り替え先であるIP再送信装置101Bを示す切り替え計画を作成する。
【0068】
(1)コンテンツの受信開始
IP再送信システム301では、切り替え処理において、IP再送信装置101Aが受信するコンテンツを、IP再送信装置101Bにも受信開始させる。
【0069】
より詳細には、制御装置201は、決定したIP再送信装置101Aに対応する設定情報C1を、決定したIP再送信装置101Bへスイッチ装置211経由で送信する。
【0070】
IP再送信装置101Bにおける制御部18は、スイッチ装置211経由で制御装置201から設定情報C1を受信し、受信した設定情報C1を含む受信開始指示をチューナ11へ出力する。また、制御部18は、受信した設定情報C1をRTP処理部15およびIP送信部17へ出力する。
【0071】
IP再送信装置101Bにおけるチューナ11は、制御部18から受信開始指示を受けて、受けた受信開始指示に含まれる設定情報C1に従って、コンテンツを含むストリームの出力を開始する。また、IP再送信装置101BにおけるRTP処理部15は、パケット生成処理において、RTPヘッダにおけるシーケンス番号およびRTPタイムスタンプ以外の各フィールドに、制御部18から受けた設定情報C1の送信設定情報が示す情報を格納する。また、IP再送信装置101BにおけるIP送信部17は、フレーム生成処理において、各ヘッダの各フィールドに、制御部18から受けた設定情報C1の送信設定情報が示す情報を格納する。
【0072】
(2)先頭調整処理
IP再送信システム301では、切り替え処理において、出力されるIPパケットに格納される、IP再送信装置101Bの内部において時間的に変化するコンテンツの内容を、IP再送信装置101Aの内部におけるコンテンツの内容に合わせる。すなわち、IP再送信装置101Bにおいて生成されるIPパケットの先頭に格納されるTTSパケットの内容を、IP再送信装置101Aにおいて生成されるIPパケットの先頭に格納されるTTSパケットの内容に合わせる。
【0073】
より詳細には、制御装置201は、スイッチ装置211経由でIP再送信装置101AおよびIP再送信装置101Bへ先頭調整指示を送信する。
【0074】
IP再送信装置101A,101Bにおける制御部18は、スイッチ装置211経由で制御装置201から先頭調整指示を受信した場合、受信した先頭調整指示を配列部14へ出力する。
【0075】
配列部14は、制御部18から先頭調整指示を受けて、パケット群におけるTTSパケットの配列を調整する。より詳細には、配列部14は、TOTが格納されたTTSパケットがパケット群の先頭に配置されるようにパケット群を生成する先頭調整処理を開始する。先頭調整処理は、調整処理の一例である。
【0076】
図4は、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信装置における配列部による先頭調整処理の一例を示す図である。
図4を参照して、たとえば、配列部14は、TTS処理部12から受けたTTSパケットのPIDを確認することにより、TOTが格納されたTTSパケットを検知し、検知したTTSパケットが先頭に配置されたパケット群を生成してRTP処理部15へ出力する。
【0077】
より詳細には、配列部14は、TTS処理部12から受けたTTSパケットにTOTが格納されていない場合、当該TTSパケットを、FIFO(First In First Out)に従う図示しないキューに格納する。配列部14は、キューに格納されているTTSパケットの数が6以下である場合、TTS処理部12からの新たなTTSパケットの到来を待ち受ける。一方、配列部14は、キューに格納されているTTSパケットの数が7に到達した場合、当該キューから7つTTSパケットを取得し、取得した7つのTTSパケットを含むパケット群を生成してRTP処理部15へ出力する。そして、配列部14は、TTS処理部12からの新たなTTSパケットの到来を待ち受ける。
【0078】
配列部14は、TTS処理部12から受けたTTSパケットにTOTが格納されており、かつキューに格納されているTTSパケットがゼロ個の場合、受けたTTSパケットをキューに格納し、TTS処理部12からの新たなTTSパケットの到来を待ち受ける。一方、配列部14は、TTS処理部12から受けたTTSパケットにTOTが格納されており、かつキューにN個のTTSパケットが既に格納されている場合、ヌルデータを含む(7-N)個のTTSパケットを当該キューに格納する。そして、配列部14は、当該キューからヌルデータを含む7つのTTSパケットを取得し、取得した7つのTTSパケットを含むパケット群を生成してRTP処理部15へ出力する。そして、配列部14は、TOTが格納されたTTSパケットをキューの先頭に格納する。ここで、Nは、1以上であり、かつ6以下の整数である。
【0079】
ここで、IP再送信装置101A,101Bにおける処理遅延の影響等により、IP再送信装置101A,101Bにおいて各IPパケットに格納される7つのTTSパケットの組み合わせは、互いに異なる場合がある。これに対して、先頭調整処理を行うことにより、IP再送信装置101A,101Bにおいて生成されるIPパケットのうちの、TOTが格納されたIPパケットでは、当該TOTを含むTTSパケットが先頭に格納される。したがって、後述するようにTOTが送信されるタイミングを切り替えタイミングとして決定することにより、切り替えタイミングの前後において、IP再送信装置101Aにより送信されたIPパケットに格納されるコンテンツの内容と、IP再送信装置101Bにより送信されたIPパケットに格納されるコンテンツの内容との不連続性を抑制することができる。
【0080】
制御部18は、配列部14による先頭調整処理が開始されると、調整完了通知をスイッチ装置211経由で制御装置201へ送信する。
【0081】
なお、制御装置201は、IP再送信装置101A,101Bへ先頭調整指示を送信しない構成であってもよい。この場合、各IP再送信装置101における配列部14は、当該IP再送信装置101の起動後、先頭調整処理を開始する。
【0082】
(3)補正処理
IP再送信システム301では、切り替え処理において、出力されるIPパケットに格納される、IP再送信装置101Bの内部において時間的に変化するカウント値CNT1,CNT2およびシーケンス値NMBを、IP再送信装置101Aの内部におけるカウント値CNT1,CNT2およびシーケンス値NMBに合わせる。
【0083】
より詳細には、再び
図3を参照して、制御装置201は、IP再送信装置101A,101Bから調整完了通知を受信すると、スイッチ装置211経由でIP再送信装置101A,101Bへ取得指示を送信する。
【0084】
IP再送信装置101A,101Bにおける制御部18は、スイッチ装置211経由で制御装置201から取得指示を受信した場合、TTS処理部12において生成されたTTSパケットに含まれるカウント値CNT1と、RTP処理部15において生成されたRTPパケットに含まれるシーケンス値NMBおよびカウント値CNT2とを取得する。
【0085】
より詳細には、制御部18は、取得指示を受信した場合、TTS処理部12において生成されるTTSパケットおよびRTP処理部15において生成されるRTPパケットの監視を開始する。
【0086】
制御部18は、TTS処理部12においてたとえばTOTが格納されたTTSパケットが生成されるのを待ち受け、TOTが格納されたTTSパケットが生成された場合、当該TTSパケットに含まれるカウント値CNT1、および当該TOTのセクションであるTOTセクションを取得する。制御部18は、取得したカウント値CNT1およびTOTセクションを含む取得情報G1を生成し、生成した取得情報G1を記憶部19に保存する。
【0087】
また、制御部18は、RTP処理部15においてたとえばTOTが格納されたRTPパケットが生成されるのを待ち受け、TOTが格納されたRTPパケットが生成された場合、当該RTPパケットに含まれるカウント値CNT2、シーケンス値NMBおよび当該TOTのセクションであるTOTセクションを取得する。制御部18は、取得したカウント値CNT2、シーケンス値NMBおよびTOTセクションを含む取得情報G2を生成し、生成した取得情報G2を記憶部19に保存する。
【0088】
IP再送信装置101Bにおける制御部18は、取得情報G1,G2を生成した場合、取得完了通知をスイッチ装置211経由で制御装置201へ送信する。
【0089】
IP再送信装置101Aにおける制御部18は、生成した取得情報G1,G2をスイッチ装置211経由で制御装置201へ送信する。
【0090】
制御装置201は、スイッチ装置211経由でIP再送信装置101Aから取得情報G1,G2を受信し、受信した取得情報G1,G2を含む補正指示をスイッチ装置211経由でIP再送信装置101Bへ送信する。
【0091】
IP再送信装置101Bにおける制御部18は、当該IP再送信装置101Bにおけるカウント値CNT1,CNT2およびシーケンス値NMBを補正するための、IP再送信装置101Aにおける取得情報G1,G2を取得する。より詳細には、制御部18は、スイッチ装置211経由で制御装置201から補正指示を受信し、受信した補正指示から取得情報G1,G2を取得する。
【0092】
制御部18は、取得した取得情報G1に含まれるTOTセクションと、記憶部19における取得情報G1に含まれるTOTセクションとを照合し、TOTセクション同士が一致するか否かを判断する。たとえば、制御部18は、各TOTセクションのJST(Japan Standard Time)を照合することにより、TOTセクション同士が一致するか否かを判断する。制御部18は、TOTセクション同士が一致する場合、受信した取得情報G1に含まれるカウント値CNT1から、記憶部19における取得情報G1に含まれるカウント値CNT1を差し引いた差分値Dcnt1を算出する。制御部18は、算出した差分値Dcnt1を含む補正指示をTTS処理部12へ出力する。
【0093】
また、制御部18は、取得した取得情報G2に含まれるTOTセクションと、記憶部19における取得情報G2に含まれるTOTセクションとを照合し、TOTセクション同士が一致するか否かを判断する。制御部18は、TOTセクション同士が一致する場合、受信した取得情報G2に含まれるカウント値CNT2から、記憶部19における取得情報G2に含まれるカウント値CNT2を差し引いた差分値Dcnt2と、受信した取得情報G2に含まれるシーケンス値NMBから、記憶部19における取得情報G2に含まれるシーケンス値NMBを差し引いた差分値Dnmbとを算出する。制御部18は、算出した差分値Dcnt2,Dnmbを含む補正指示をRTP処理部15へ出力する。
【0094】
TTS処理部12は、制御部18により取得された取得情報G1に基づいて、IPパケットに格納されるカウント値CNT1を補正するTTS補正処理を行う。TTS補正処理は、調整処理の一例である。より詳細には、TTS処理部12は、制御部18から補正指示を受けた場合、TTSパケットを生成するたびに、生成したTTSパケットに含まれるカウント値CNT1に、受けた補正指示に含まれる差分値Dcnt1を加算する。これにより、IP再送信装置101A,101Bの起動タイミングの不一致等により生じる、IP再送信装置101A,101Bにおけるカウンタ13のカウント値CNT1のずれを補償することができる。
【0095】
RTP処理部15は、制御部18により取得された取得情報G2に基づいて、IPパケットに格納されるカウント値CNT2およびシーケンス値NMBを補正するRTP補正処理を行う。RTP補正処理は、調整処理の一例である。より詳細には、RTP処理部15は、制御部18から補正指示を受けた場合、RTPパケットを生成するたびに、生成したRTPパケットに含まれるカウント値CNT2およびシーケンス値NMBに、受けた補正指示に含まれる差分値Dcnt2および差分値Dnmbをそれぞれ加算する。これにより、IP再送信装置101A,101Bの起動タイミングの不一致等により生じる、IP再送信装置101A,101Bにおけるカウンタ16のカウント値CNT2およびシーケンス値NMBのずれを補償することができる。
【0096】
IP再送信装置101Bにおける制御部18は、補正指示をTTS処理部12およびRTP処理部15へ出力すると、補正設定完了通知をスイッチ装置211経由で制御装置201へ送信する。
【0097】
(3)再送信の切り替え
IP再送信システム301では、切り替え処理において、コンテンツの再送信の切り替えタイミングを決定し、当該切り替えタイミングにおいて、IP再送信装置101AからIP再送信装置101Bへコンテンツの再送信を切り替える。
【0098】
より詳細には、制御装置201は、スイッチ装置211経由でIP再送信装置101Bから補正設定完了通知を受信すると、たとえば、次にTOTが送信されるタイミングであるTOT送信タイミングを、切り替えタイミングとして決定する。そして、制御装置201は、TOT送信タイミングにおいてコンテンツの再送信を切り替えるべき旨の切替指示をスイッチ装置211経由でIP再送信装置101A,101Bへ送信する。
【0099】
IP再送信装置101A,101Bにおける制御部18は、切り替えタイミングを取得する。より詳細には、制御部18は、スイッチ装置211経由で制御装置201から切替指示を受信する。制御部18は、切替指示を受信した場合、IP送信部17において生成されるイーサネットフレームFrの監視を開始する。
【0100】
IP再送信装置101Aにおける制御部18は、IP送信部17においてTOTが格納されたイーサネットフレームFrが生成されるのを待ち受け、TOTが格納されたイーサネットフレームFrが生成された場合、当該イーサネットフレームFrの直前に生成されたイーサネットフレームFrが送信された後であって、TOTが格納されたイーサネットフレームFrが送信される前に、IP送信部17を送信オン状態から送信オフ状態に切り替える。
【0101】
IP再送信装置101BにおけるIP送信部17は、制御部18により取得された切り替えタイミングにおいて、先頭調整処理、TTS補正処理およびRTP補正処理が反映されたIPパケットの送信を開始する。
【0102】
より詳細には、IP再送信装置101Bにおける制御部18は、IP送信部17においてTOTが格納されたイーサネットフレームFrが生成されるのを待ち受け、TOTが格納されたイーサネットフレームFrが生成された場合、IP送信部17を送信オフ状態から送信オン状態に切り替える。
【0103】
[動作の流れ]
図5は、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信システムにおける切り替え処理のシーケンスの一例を示す図である。
【0104】
図5を参照して、まず、制御装置201は、切り替え元であるIP再送信装置101Aと、切り替え先であるIP再送信装置101Bとを含む切り替え計画を作成する(ステップS11)。
【0105】
次に、IP再送信システム301における切り替え方法では、IP再送信装置101Aが受信するコンテンツを、IP再送信装置101Bにも受信開始させる。より詳細には、制御装置201は、IP再送信装置101Aに対応する設定情報C1をIP再送信装置101Bへ送信する(ステップS12)。
【0106】
次に、IP再送信装置101Bは、設定情報C1に従って、コンテンツを含むストリームの生成を開始する(ステップS13)。
【0107】
次に、IP再送信システム301における切り替え方法では、出力されるIPパケットに格納される、IP再送信装置101Bの内部において時間的に変化するコンテンツの内容を、IP再送信装置101Aの内部におけるコンテンツの内容に合わせる。より詳細には、制御装置201は、IP再送信装置101A,101Bへ先頭調整指示を送信する(ステップS14)。
【0108】
次に、IP再送信装置101Aは、先頭調整処理を開始する(ステップS15)。また、IP再送信装置101Bは、先頭調整処理を開始する(ステップS16)。
【0109】
次に、IP再送信装置101Aは、調整完了通知を制御装置201へ送信する(ステップS17)。また、IP再送信装置101Bは、調整完了通知を制御装置201へ送信する(ステップS18)。
【0110】
次に、IP再送信システム301における切り替え方法では、IP再送信装置101Bにおけるカウント値CNT1,CNT2およびシーケンス値NMBを、IP再送信装置101Aにおけるカウント値CNT1,CNT2およびシーケンス値NMBに合わせる。より詳細には、制御装置201は、IP再送信装置101A,101Bへ取得指示を送信する(ステップS19)。
【0111】
次に、IP再送信装置101Aは、TOTが格納されたTTSパケットに含まれるカウント値CNT1、および当該TOTのTOTセクションを取得し、取得したカウント値CNT1およびTOTセクションを含む取得情報G1を生成する。また、IP再送信装置101Aは、TOTが格納されたRTPパケットに含まれるカウント値CNT2、シーケンス値NMBおよび当該TOTのTOTセクションを取得し、取得したカウント値CNT2、シーケンス値NMBおよびTOTセクションを含む取得情報G2を生成する(ステップS20)。
【0112】
また、IP再送信装置101Bは、TOTが格納されたTTSパケットに含まれるカウント値CNT1、および当該TOTのTOTセクションを取得し、取得したカウント値CNT1およびTOTセクションを含む取得情報G1を生成する。また、IP再送信装置101Bは、TOTが格納されたRTPパケットに含まれるカウント値CNT2、シーケンス値NMBおよび当該TOTのTOTセクションを取得し、取得したカウント値CNT2、シーケンス値NMBおよびTOTセクションを含む取得情報G2を生成する(ステップS21)。
【0113】
次に、IP再送信装置101Aは、取得情報G1,G2を制御装置201へ送信する(ステップS22)。
【0114】
また、IP再送信装置101Bは、取得完了通知を制御装置201へ送信する(ステップS23)。
【0115】
次に、制御装置201は、IP再送信装置101Aから受信した取得情報G1,G2を含む補正指示を、IP再送信装置101Bへ送信する(ステップS24)。
【0116】
次に、IP再送信装置101Bは、受信した補正指示およびIP再送信装置101Bにおいて生成した取得情報G1,G2に基づいて、差分値Dcnt1,Dcnt2,Dnmbを算出し、算出した差分値Dcnt1,Dcnt2,Dnmbに基づいて、TTS補正処理およびRTP補正処理を開始する(ステップS25)。
【0117】
次に、IP再送信装置101Bは、補正設定完了通知を制御装置201へ送信する(ステップS26)。
【0118】
次に、IP再送信システム301における切り替え方法では、コンテンツの再送信の切り替えタイミングを決定する。より詳細には、制御装置201は、次にTOTが送信されるTOT送信タイミングを、切り替えタイミングとして決定する(ステップS27)。
【0119】
次に、制御装置201は、切替指示をIP再送信装置101A,101Bへ送信する(ステップS28)。
【0120】
次に、IP再送信システム301における切り替え方法では、切り替えタイミングにおいて、IP再送信装置101AからIP再送信装置101Bへコンテンツの再送信を切り替える。より詳細には、IP再送信装置101Aは、TOTが格納されたイーサネットフレームFrを生成すると、当該イーサネットフレームFrが送信される前に、IP送信部17を送信オン状態から送信オフ状態に切り替えることによりコンテンツの再送信を停止する(ステップS29)。
【0121】
また、IP再送信装置101Bは、TOTが格納されたイーサネットフレームFrを生成すると、IP送信部17を送信オフ状態から送信オン状態に切り替えることによりコンテンツの再送信を開始する(ステップS30)。
【0122】
なお、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信システム301では、IP再送信装置101BにおけるTTS処理部12は、TTSパケットに含まれるカウント値CNT1の補正を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。TTS処理部12は、TTSパケットに含まれるカウント値CNT1の補正を行わない構成であってもよい。
【0123】
また、TTS処理部12は、TTSパケットに含まれるカウント値CNT1の補正を行う代わりに、カウンタ13のカウント値CNT1の補正を行う構成であってもよい。この場合、TTS処理部12は、カウンタ13から補正後のカウント値CNT1を取得し、取得したカウント値CNT1を含むTTSパケットを生成する。
【0124】
また、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信システム301では、IP再送信装置101BにおけるRTP処理部15は、RTPパケットに含まれるカウント値CNT2およびシーケンス値NMBの補正を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。RTP処理部15は、RTPパケットに含まれるカウント値CNT2およびシーケンス値NMBの少なくともいずれか一方の補正を行わない構成であってもよい。
【0125】
また、RTP処理部15は、RTPパケットに含まれるカウント値CNT2の補正を行う代わりに、カウンタ16のカウント値CNT2の補正を行う構成であってもよい。この場合、RTP処理部15は、カウンタ16から補正後のカウント値CNT2を取得し、取得したカウント値CNT2を含むRTPパケットを生成する。
【0126】
また、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信システム301では、IP再送信装置101A,101Bにおける配列部14は、先頭調整処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。配列部14は、先頭調整処理を行わない構成であってもよい。すなわち、配列部14は、TTS処理部12から受けたTTSパケットにTOTが格納されているか否かに関わらず、TTS処理部12から受けた順に配列された7つのTTSパケットを含むパケット群を生成する構成であってもよい。
【0127】
また、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信システム301では、IP再送信装置101A,101Bにおける制御部18は、TOTが格納されたTTSパケットに含まれるカウント値CNT1を取得し、取得したカウント値CNT1を含む取得情報G1を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御部18は、TOT以外の他のSI情報が格納されたTTSパケットに含まれるカウント値CNT1を取得して取得情報G1を生成する構成であってもよい。ただし、TOTは他のSI情報と比べて周期が長いので、IP再送信装置101A,101Bにおいて、同一のTOTが格納されたTTSパケットに含まれるカウント値CNT1をより確実に取得することができる。
【0128】
また、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信システム301では、制御装置201は、次にTOTが送信されるタイミングであるTOT送信タイミングを、切り替えタイミングとして決定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御装置201は、次にTOT以外の他のSI情報が送信されるタイミングを、切り替えタイミングとして決定する構成であってもよい。また、制御装置201は、所定のシーケンス値NMBが格納されたイーサネットフレームFrが送信されるタイミング、所定のカウント値CNT1が格納されたイーサネットフレームFrが送信されるタイミング、または所定のカウント値CNT2が格納されたイーサネットフレームFrが送信されるタイミングを、切り替えタイミングとして決定する構成であってもよい。
【0129】
また、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信システム301では、制御装置201が切り替えタイミングを決定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御装置201の代わりに、IP再送信装置101が切り替えタイミングを決定する構成であってもよい。
【0130】
また、本開示の第1の実施の形態に係るIP再送信システム301では、制御装置201が、IP再送信装置101Aに対応する設定情報C1をIP再送信装置101Bへ送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御装置201の代わりに、IP再送信装置101AがIP再送信装置101Bへ設定情報C1を送信する構成であってもよい。
【0131】
次に、本開示の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0132】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係るIP再送信システム301と比べて、コンテンツを含むIPパケットを受信し、コンテンツをIPパケットに含めて再送信するIP再送信システム302に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係るIP再送信システム301と同様である。
【0133】
図6は、本開示の第2の実施の形態に係るIP再送信システムの構成を示す図である。
図6を参照して、IP再送信システム302は、IP再送信システム301と比べて、IP再送信装置101の代わりにIP再送信装置102を備える。
【0134】
一例として、IP再送信システム302は、複数台の運用系のIP再送信装置102と、1または複数台の待機系のIP再送信装置102とを備える。
【0135】
制御装置201は、IP再送信システム302における各IP再送信装置102の起動後、コンテンツの再送信に関する設定情報C2をスイッチ装置211経由で運用系のIP再送信装置102へ送信し、コンテンツの再送信を待機すべき旨を示す待機指示S1をスイッチ装置211経由で待機系のIP再送信装置102へ送信する。
【0136】
ヘッドエンド装置221は、自主放送の複数のコンテンツを含むストリームをスイッチ装置222経由で各IP再送信装置102へ送信する。より詳細には、ヘッドエンド装置221は、たとえば7個のTTSパケットを含むIPパケットを生成し、生成したIPパケットをスイッチ装置222経由で各IP再送信装置102へ送信する。
【0137】
(IP再送信装置)
図7は、本開示の第2の実施の形態に係るIP再送信装置の構成を示す図である。
図7を参照して、IP再送信装置102は、IP再送信装置101と比べて、チューナ11の代わりにIP受信部21を備える。IP受信部21は、受信部の一例である。
【0138】
たとえば、IP再送信装置102は、CBRのコンテンツを受信し、VBRのコンテンツを再送信する。すなわち、IP再送信装置102は、ヌルデータを含むコンテンツを受信し、受信したコンテンツに含まれるヌルデータを削除し、当該ヌルデータが削除されたコンテンツを再送信する。
【0139】
IP受信部21は、コンテンツを含むIPパケットをスイッチ装置222経由でヘッドエンド装置221から受信する。また、IP受信部21は、制御部18から受信開始指示を受ける。IP受信部21は、制御部18から受けた受信開始指示に従って、IP再送信装置102に割り当てられたチャンネルに属するコンテンツを含むIPパケットの受信処理を行う。IP受信部21は、受信したIPパケットに含まれるコンテンツを含むストリームをTTS処理部12へ出力する。
【0140】
TTS処理部12は、IP受信部21から受けたストリームからヌルパケットを削除する。TTS処理部12は、ヌルパケットの削除後のストリームが分割されたデータをそれぞれ含む、データ長が188バイトである複数のTSパケットを生成する。
【0141】
IP受信部21は、コンテンツを含むストリームの生成を行う生成オン状態と、ストリームの生成を行わない生成オフ状態とを切り替え可能である。たとえば、IP受信部21は、IP再送信装置102の起動時において、生成オフ状態に設定されている。
【0142】
(初期設定)
待機系のIP再送信装置102における制御部18は、スイッチ装置211経由で制御装置201から待機指示S1を受信し、受信した待機指示S1に従い、IP受信部21の生成オフ状態およびIP送信部17の送信オフ状態を維持する。
【0143】
運用系のIP再送信装置102における制御部18は、スイッチ装置211経由で制御装置201から設定情報C2を受信する。設定情報C2は、IP受信部21におけるIPパケットの受信設定情報と、コンテンツの送信設定情報とを示す。当該受信設定情報は、受信すべきIPパケットの送信元IPアドレスおよび送信元ポート番号を含む。制御部18は、受信した設定情報C2を記憶部19に保存する。
【0144】
運用系のIP再送信装置102における制御部18は、制御装置201から受信した設定情報C2に従い、IP受信部21を生成オン状態に切り替える。より詳細には、制御部18は、設定情報C2を含む受信開始指示をIP受信部21へ出力する。
【0145】
IP受信部21は、制御部18から受信開始指示を受けた場合、受けた受信開始指示に含まれる設定情報C2に従って、コンテンツを含むストリームの出力を開始する。
【0146】
(切り替え方法)
IP再送信システム302では、IP再送信システム301と同様にして、コンテンツの再送信を実行するIP再送信装置102の切り替えが行われる。より詳細には、IP再送信システム302における切り替え方法では、上述した(1)コンテンツの受信開始、(2)先頭調整処理、(3)補正処理、および(4)再送信の切り替えを行う。
【0147】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0148】
上述の実施形態の各処理(各機能)は、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。上記処理回路は、上記1または複数のプロセッサに加え、1または複数のメモリ、各種アナログ回路、各種デジタル回路が組み合わされた集積回路等で構成されてもよい。上記1または複数のメモリは、上記各処理を上記1または複数のプロセッサに実行させるプログラム(命令)を格納する。上記1または複数のプロセッサは、上記1または複数のメモリから読み出した上記プログラムに従い上記各処理を実行してもよいし、予め上記各処理を実行するように設計された論理回路に従って上記各処理を実行してもよい。上記プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、およびASIC(Application Specific Integrated Circuit)等、コンピュータの制御に適合する種々のプロセッサであってよい。なお、物理的に分離した上記複数のプロセッサが互いに協働して上記各処理を実行してもよい。たとえば、物理的に分離した複数のコンピュータのそれぞれに搭載された上記プロセッサがLAN(Local Area Network)、WAN (Wide Area Network)、およびインターネット等のネットワークを介して互いに協働して上記各処理を実行してもよい。上記プログラムは、外部のサーバ装置等から上記ネットワークを介して上記メモリにインストールされても構わないし、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、および半導体メモリ等の記録媒体に格納された状態で流通し、上記記録媒体から上記メモリにインストールされても構わない。
【0149】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
放送されるコンテンツを受信し、受信した前記コンテンツをIPパケットに含めて再送信する複数のIP再送信装置を備えるIP再送信システムにおいて、前記コンテンツの再送信を運用系の前記IP再送信装置から待機系の前記IP再送信装置へ切り替える切り替え方法であって、
前記運用系のIP再送信装置が受信する前記コンテンツを、前記待機系のIP再送信装置にも受信開始させるステップと、
出力される前記IPパケットに格納される情報であって、前記待機系のIP再送信装置の内部において時間的に変化する情報である時間変化情報を、前記運用系のIP再送信装置における前記時間変化情報に合わせるステップと、
前記コンテンツの再送信の切り替えタイミングを決定するステップと、
前記切り替えタイミングにおいて、前記運用系のIP再送信装置から前記待機系のIP再送信装置へ前記コンテンツの再送信を切り替えるステップとを含み、
前記IP再送信装置は、CBRの前記コンテンツを受信し、VBRの前記コンテンツを前記IPパケットに含めて再送信する、切り替え方法。
【符号の説明】
【0150】
11 チューナ
12 TTS処理部
13 カウンタ
14 配列部
15 RTP処理部
16 カウンタ
17 IP送信部
18 制御部
19 記憶部
21 IP受信部
81 アンテナ
91 分配器
101,101A,101B,102,102A,102B IP再送信装置
111,211,222 スイッチ装置
121 IP網
151 STB
201 制御装置
211 ヘッドエンド装置
301,302 IP再送信システム
Fr イーサネットフレーム