(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109129
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
G07G1/12 351B
G07G1/12 351Z
G07G1/12 361D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013710
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 裕一
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142DA04
3E142FA36
3E142FA39
(57)【要約】
【課題】インボイス制度に対応する書類の作成を容易に行うことができる情報処理装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、委託商品毎に、委託元の委託事業者の登録事業者番号と、委託商品の価格と、税率とを関連付けて記憶した委託商品マスタ(マスタファイル)から、委託商品に関連付いた情報を取得して、取引の内容に応じた、インボイス制度に対応する書類を作成する出力データ作成部(作成部)と、出力データ作成部が作成した書類を保存および印字するデータ出力部(出力部)と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
委託商品毎に、委託元の委託事業者の登録事業者番号と、委託商品の価格と、税率とを関連付けて記憶したマスタファイルから、委託商品に関連付いた情報を取得して、取引の内容に応じた、インボイス制度に対応する書類を作成する作成部と、
前記作成部が作成した書類を保存および印字する出力部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記作成部は、インボイス制度に対応する書類を作成する場合に、当該書類の発行日時に応じたフォーマットで前記書類を作成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記作成部は、前記取引の内容を、委託業者および税率毎に分類して前記書類を作成する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータを、
委託商品毎に、委託元の委託事業者の登録事業者番号と、委託商品の価格と、税率とを関連付けて記憶した記憶部から、委託所品に関連付いた情報を取得して、取引の内容に応じた、インボイス制度に対応する書類を作成する作成部と、
前記作成部が作成した書類を表示または印字する出力部と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、客が店舗で買い物を行うと、店舗に備えられた会計処理装置が、商品の合計金額や消費税額を計算してレシートを発行する(例えば、特許文献1)。
【0003】
2023年10月1日以降、インボイス制度が施行されると、例えば、適格請求書発行事業者であることを示す登録事業者番号の記載が必須になる等、請求書や領収書等の商品の取引に係る書類の書式が変更になる。したがって、従来の会計処理装置のままでは、インボイス制度に対応する書類の自動生成を行うことができない。そのため、インボイス制度に則った書式の書類を自動生成することが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、インボイス制度に対応する書類の作成を容易に行うことができる情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報処理装置は、作成部と、出力部とを備える。作成部は、委託商品毎に、委託元の委託事業者の登録事業者番号と、委託商品の価格と、税率とを関連付けて記憶したマスタファイルから、委託商品に関連付いた情報を取得して、取引の内容に応じた、インボイス制度に対応する書類を作成する。出力部は、作成部が作成した書類を保存および印字する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態の情報処理装置が出力する請求書の記載内容の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態の情報処理装置が出力する領収書の記載内容の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態の情報処理装置のハードウエア構成の一例を示すハードウエアブロック図である。
【
図4】
図4は、委託商品マスタのデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、一般商品マスタのデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態の情報処理装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態の情報処理装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示を適用した、インボイス制度に対応可能な情報処理装置10について、図面を参照して説明する。
【0008】
(インボイス制度の概要)
インボイス制度とは、消費税の仕入額控除を受けるために、所定の記載要件を満たした請求書や領収書の発行と保存を義務付ける制度である。インボイス制度は、売り手側と買い手側の双方に適用される。売り手は、買い手から要求された際に、インボイスを発行しなければならない。そして、買い手は、発行されたインボイスを保存しておかなければならない。
【0009】
インボイス制度が導入されるのは、消費税に8%と10%の2種類の税率が存在しており、取引の内容について、どちらの消費税率が適用されたのかを明確にする必要性が出てきたためである。
【0010】
インボイス制度は、2023年10月1日から開始される。そのため、商品の取引に係る請求書や領収書を発行する情報処理装置は、2023年10月1日までに、所定の記載要件を満たす請求書や領収書を発行することができるようにする必要がある。
【0011】
インボイス制度に対応する請求書と領収書は、適格請求書発行事業者でなければ発行することができない取り決めになっている。そのため、関連する事業者は、事前に登録申請書を提出して、適格請求書発行事業者として登録されなければならない。適格請求書発行事業者に登録されると、登録事業者番号が発行される。事業者は、発行する請求書や領収書に、適格請求書発行事業者の登録事業者番号を記載する必要がある。
【0012】
なお、インボイス制度は、請求書と領収書のみならず、レシート、納品書、仕入明細書等、取引の証明となる書類は全てがその対象となる。また、インボイス制度に則った書類の作成が必要なのは、消費税の課税期間に係る基準期間において、課税売上高が1,000万円以上である事業者、いわゆる課税事業者のみであり、納税義務がない免税事業者は対象外である。
【0013】
(情報処理装置が出力する領収書と請求書)
図1と
図2を用いて、情報処理装置10が出力する代表的な取引の証明書である、請求書12と領収書13の記載内容を説明する。
図1は、実施形態の情報処理装置が出力する請求書の記載内容の一例を示す図である。
図2は、実施形態の情報処理装置が出力する領収書の記載内容の一例を示す図である。
【0014】
図1は、情報処理装置10が生成した請求書12を印字して出力した例を示す。請求書12には、当該請求書12を発行した店舗名50と、請求書12の発行日時14とが印字される。
【0015】
そして、請求書12には、取引の内容を示す一般商品名51と、税率52と、登録事業者番号53と、委託事業者名54と、委託商品名55,57と、税率56,58と、請求金額の合計値である合計金額59とが印字される。
【0016】
購入される商品には、一般商品と委託商品とが混在する場合があるため、請求書12には、一般商品に係る請求内容と、委託商品に係る請求内容とが区別して印字される。請求書12の例では、一般商品名51に係る内容と、委託商品名55,57に係る内容とが区別されて印字される。
【0017】
商品を購入する際にかかる税率は、消費税率10%または軽減税率が適用された消費税率8%のいずれである。そのため、請求書12には、どの商品に何%の消費税が課税されるかが区別して印字される。例えば、購入された一般商品名51のうち、軽減税率が適用される商品Aには、商品Aの価格の欄に、軽減税率を示す「軽」が印字される。同様に、購入された委託商品のうち、軽減税率が提供される商品Dには、商品Dの価格の欄に、軽減税率を示す「軽」が印字される。また、税率52,56,58の欄には、該当する商品のうち、消費税10%の対象となる商品の金額と、商品税8%の対象となる商品の金額、および具体的な税額とが印字される。
【0018】
委託商品については、商品毎に、登録事業者番号53と、委託事業者名54とが印字される。
【0019】
登録事業者番号53は、委託商品の販売を委託する委託事業者の登録番号である。登録事業者番号53は、アルファベットの「T」とその後に続く13桁の数字で表される。登録事業者番号53は、委託事業者による事前申請によって発行される。なお、以後の説明において、登録事業者番号53をインボイス登録番号と呼ぶこともある。
【0020】
委託事業者名54は、登録事業者番号53と関連付けられた、事業者名である。
【0021】
図1に示す請求書12において、商品Cと商品Dとは、同じ販売委託事業者から委託された委託商品であるが、異なる販売委託業者から委託された商品が混在している場合は、商品毎に、異なる登録事業者番号53と委託事業者名54とが印字される。
【0022】
なお、情報処理装置10は、請求書12の記載内容を、漏れなく自身の記憶部30(
図3参照)に記憶する。
【0023】
図2は、情報処理装置10が生成した領収書13を印字して出力した例を示す。領収書13には、当該領収書13を発行した店舗名50と、領収書13の発行日時15とが印字される。なお、
図1、
図2の例は、請求書12の発行と同時に支払いが行われて、領収書13が発行された例を示している。
【0024】
領収書13には、請求書12の印字内容と同じ内容が同じ形式で印字される。そして、領収書13には、更に、預かり金額60と、釣銭額61とが印字される。
【0025】
預かり金額60は、客が支払った金額である。
【0026】
釣銭額61は、預かり金額60から合計金額59を差し引いた金額である。
【0027】
なお、情報処理装置10は、領収書13の記載内容を、漏れなく自身の記憶部30(
図3参照)に記憶する。
【0028】
図1に示す請求書12と、
図2に示す領収書13は、情報処理装置10が、インボイス制度が施行される2023年10月1日以降に発行する書類の印字例である。情報処理装置10は、インボイス制度が施行される前の期日には、例えば、登録事業者番号53と委託事業者名54とが印字されていない請求書と領収書とを発行する。
【0029】
(情報処理装置のハードウエア構成)
図3を用いて、実施形態の情報処理装置10のハードウエア構成を説明する。
図3は、実施形態の情報処理装置のハードウエア構成の一例を示すハードウエアブロック図である。
【0030】
情報処理装置10は、制御部20と、記憶部30と、各種周辺機器とが内部バスで互いに接続された構成を有する。
【0031】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23を備えている。
【0032】
CPU21は、情報処理装置10の全体の動作を制御する。ROM22は、CPU21を動作させる各種プログラムや各種データを記憶する。RAM23は、CPU21のワークエリアとして使用され、ROM22や記憶部30に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部20は、ROM22や記憶部30に記憶された各種プログラムをRAM23に展開して、CPU21を動作させることによって、情報処理装置10の各種制御処理を実行する。
【0033】
記憶部30は、制御プログラム31と委託商品マスタ32と、一般商品マスタ33と、生成データファイル34とを記憶する。
【0034】
制御プログラム31は、情報処理装置10を動作させるためのプログラムである。
【0035】
なお、本実施形態の情報処理装置10で実行される制御プログラム31は、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、制御プログラム31を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、更には、制御プログラム31を、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0036】
委託商品マスタ32は、委託商品毎に、委託元の委託事業者の登録事業者番号と、委託商品の価格と、税率とを関連付けて記憶したマスタファイルである。なお、委託商品マスタ32は、本開示におけるマスタファイルの一例である。委託商品マスタ32の構造について、詳しくは後述する(
図4参照)。
【0037】
一般商品マスタ33は、一般商品毎に、当該商品の商品情報を記憶したマスタファイルである。一般商品マスタ33の構造について、詳しくは後述する(
図5参照)。
【0038】
生成データファイル34は、情報処理装置10が作成した、前述した請求書12や領収書13等の内容を記憶したデータファイルである。
【0039】
なお、委託商品マスタ32と一般商品マスタ33は、非図示の通信インタフェースによって、情報処理装置10と接続される外部のサーバ装置(非図示)に記憶されてもよい。その場合、情報処理装置10は、請求書12や領収書13等の書類を作成する際に、外部のサーバ装置にアクセスして、委託商品マスタ32や一般商品マスタ33に記憶された情報を取得する。
【0040】
情報処理装置10には、周辺機器として、表示デバイス41、操作デバイス42、スキャナ43、プリンタ44がそれぞれ接続されている。
【0041】
表示デバイス41は、情報処理装置10が請求書12や領収書13等の書類を作成する際に、操作メニューや書類の作成結果等を表示する。表示デバイス41は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等である。
【0042】
操作デバイス42は、情報処理装置10の操作者が、請求書12や領収書13等の書類の作成を行う際に、操作者が各種操作指示を行う入力装置である。操作デバイス42は、例えば、キーボードや、表示デバイス41の表示面に積層されたタッチパネル等である。
【0043】
スキャナ43は、委託商品や一般商品に貼付された、商品コードが記憶されたバーコードや2次元コードを読み取る入力装置である。
【0044】
プリンタ44は、生成された請求書12や領収書13等の書類を印字して出力する出力装置である。
【0045】
(委託商品マスタのデータ構造)
図4を用いて、委託商品マスタ32のデータ構造を説明する。
図4は、委託商品マスタのデータ構造の一例を示す図である。
【0046】
委託商品マスタ32は、
図4に示すように、委託商品を識別する委託商品コードに関連付けて、当該委託商品コードに対応する委託商品の委託商品情報を記憶する。
【0047】
委託商品情報は、商品名、種別、価格、税率、販売開始日、販売終了日、インボイス事業者区分、インボイス登録番号、委託事業者名・氏名等を含む。
【0048】
税率欄には、当該委託商品が軽減税率の適用対象商品であるかの情報を併せて記憶される。
【0049】
インボイス事業者区分欄には、課税事業者か、免税事業者か、を識別する情報が記憶される。なお、免税事業者とは、消費税の課税期間に係る基準期間において、課税売上高が1,000万円に満たない事業者である。免税事業者は、消費税の納税義務が免除される。一方、課税事業者は、納税義務がある事業者である。
【0050】
インボイス登録番号欄には、委託事業者が、適格請求書発行事業者として登録を申請した際に発行される登録事業者番号53が記憶される。登録事業者番号は、アルファベットの「T」とその後に続く13桁の数字で表される。
【0051】
委託事業者名・氏名欄には、委託事業者の名称および氏名が記憶される。
【0052】
また、委託商品マスタ32は、
図4に非図示の特売情報等を含んでもよい。
【0053】
(一般商品マスタのデータ構造)
図5を用いて、一般商品マスタ33のデータ構造を説明する。
図5は、一般商品マスタのデータ構造の一例を示す図である。
【0054】
一般商品マスタ33は、
図5に示すように、一般商品を識別する一般商品コードに関連付けて、当該一般商品コードに対応する一般商品の一般商品情報を記憶する。一般商品情報は、商品名、種別、価格、税率、販売開始日、販売終了日等を含む。
【0055】
税率欄には、当該一般商品が軽減税率の適用対象商品であるかの情報を併せて記憶される。
【0056】
また、一般商品マスタ33は、
図5に非図示の特売情報等を含んでもよい。
【0057】
(情報処理装置の機能構成)
図6を用いて、情報処理装置10の機能構成を説明する。
図6は、実施形態の情報処理装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0058】
情報処理装置10の制御部20は、制御プログラム31をRAM23に展開して動作させることによって、
図6に示す作成書類種別取得部91と、商品情報取得部92と、インボイス制度対応書類作成要否判定部93と、登録番号取得部94と、税率算出部95と、出力データ作成部96と、データ出力部97とを機能部として実現する。なお、これらの機能部の一部または全ては、専用ハードウエアによって実現されてもよい。
【0059】
作成書類種別取得部91は、情報処理装置10が作成する書類の種別に係る情報を取得する。作成書類種別取得部91は、具体的には、情報処理装置10の操作者の選択操作を受けて、作成処理の種別を取得する。
【0060】
商品情報取得部92は、例えば、スキャナ43によって、商品に貼付されたバーコードや2次元コード等のコードシンボルを読み取ることにより、商品コードを取得する。更に、商品情報取得部92は、取得した商品コードを委託商品マスタ32および一般商品マスタ33と照合することによって、商品情報を取得する。
【0061】
インボイス制度対応書類作成要否判定部93は、現在の日時に基づいて、インボイス制度に則った書類の作成が必要であるかを判定する。インボイス制度対応書類作成要否判定部93は、具体的には、現在の日時が、2023年10月1日0時0分以降である場合、インボイス制度に則った書類の作成が必要であると判定する。
【0062】
登録番号取得部94は、インボイス制度に則った書類を作成する場合に、委託商品マスタ32から、該当する委託商品に関連付いた登録事業者番号53を取得する。
【0063】
税率算出部95は、購入される一般商品または委託商品に係る消費税率を算出する。
【0064】
出力データ作成部96は、委託商品毎に、委託元の委託事業者の登録事業者番号と、委託商品の価格と、税率とを関連付けて記憶した委託商品マスタ32(マスタファイル)から、委託所品に関連付いた情報を取得して、取引の内容に応じた、インボイス制度に対応する書類を作成する。また、出力データ作成部96は、発行日時に応じたフォーマットで書類を作成する。なお、出力データ作成部96は、本開示における作成部の一例である。
【0065】
データ出力部97は、出力データ作成部96が作成した書類を保存および印字する。なお、データ出力部97は、本開示における出力部の一例である。
【0066】
(情報処理装置が行う処理の流れ)
図7を用いて、情報処理装置10が行う処理の流れを説明する。
図7は、実施形態の情報処理装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0067】
作成書類種別取得部91は、作成書類の種別を取得する(ステップS11)。
【0068】
インボイス制度対応書類作成要否判定部93は、現在の日時、および販売業者が課税事業者であるかに基づいて、インボイス制度に則った書類の作成が必要であるかを判定する(ステップS12)。なお、現在の日時は、CPU21が備えるタイマから読み取られる。そして、インボイス制度対応書類作成要否判定部93は、現在の日時が2023年10月1日以降であって、販売業者が課税事業者である場合に、インボイス制度に則った書類の作成が必要であると判定する。インボイス制度に則った書類の作成が必要であると判定される(ステップS12:Yes)とステップS13に進む。一方、インボイス制度に則った書類の作成が必要であると判定されない(ステップS12:No)とステップS18に進む。
【0069】
ステップS12において、インボイス制度に則った書類の作成が必要であると判定されると、商品情報取得部92は、客が購入する商品の商品情報を取得する(ステップS13)。
【0070】
商品情報取得部92は、ステップS13で商品情報を取得した商品が、委託商品であるかを判定する(ステップS14)。委託商品であると判定される(ステップS14:Yes)とステップS15に進む。一方、委託商品であると判定されない(ステップS14:No)とステップS16に進む。
【0071】
ステップS14において、委託商品であると判定されると、登録番号取得部94は、委託商品マスタ32から、該当する委託商品に関連付いた登録事業者番号53、即ちインボイス番号を取得する(ステップS15)。
【0072】
ステップS15に続いて、或いは、ステップS14において委託商品であると判定されないと、税率算出部95は、購入される商品に係る消費税率を算出する(ステップS16)。
【0073】
商品情報取得部92は、商品情報の取得が完了したかを判定する(ステップS17)。なお、商品情報の取得が完了したことは、例えば、情報処理装置10の操作者が、表示デバイス41に表示された各種スイッチ(ボタン)の中から、商品情報の取得が完了したことを示すボタンが押下されたことを検出することによって判定される。商品情報の取得が完了したと判定される(ステップS17:Yes)とステップS21に進む。一方、商品情報の取得が完了したと判定されない(ステップS17:No)とステップS13に戻る。
【0074】
ステップS17において、商品情報の取得が完了したと判定されると、出力データ作成部96は、ステップS11で指定された内容の、インボイス制度に対応する書類を作成する(ステップS21)。
【0075】
続いて、データ出力部97は、出力データ作成部96が作成した書類を保存および印字する(ステップS22)。その後、情報処理装置10は、
図7の処理を終了する。
【0076】
ステップS12に戻って、インボイス制度に則った書類の作成が必要であると判定されない(ステップS12:No)と、商品情報取得部92は、客が購入する商品の商品情報を取得する(ステップS18)。
【0077】
続いて、税率算出部95は、購入される商品に係る消費税率を算出する(ステップS19)。
【0078】
そして、商品情報取得部92は、商品情報の取得が完了したかを判定する(ステップS20)。商品情報の取得が完了したと判定される(ステップS20:Yes)とステップS21に進む。一方、商品情報の取得が完了したと判定されない(ステップS20:No)とステップS18に戻る。
【0079】
ステップS20において、商品情報の取得が完了したと判定されると、前述したステップS21に進んで、出力データ作成部96は、ステップS11で指定された内容の、インボイス制度施行前の書式に則った書類を作成する。
【0080】
なお、ここでは、現在の日時が2023年10月1日以前である場合に、インボイス制度施行前の書式に則った書類を作成するものとしたが、情報処理装置10は、現在の日時に関わらずに、インボイス制度に則った書式の書類を作成してもよい。
【0081】
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、本実施形態の情報処理装置10は、委託商品毎に、委託元の委託事業者の登録事業者番号53と、委託商品の価格と、税率とを関連付けて記憶した委託商品マスタ32(マスタファイル)から、委託商品に関連付いた情報を取得して、取引の内容に応じた、インボイス制度に対応する書類を作成する出力データ作成部96(作成部)と、出力データ作成部96が作成した書類を保存および印字するデータ出力部97(出力部)と、を備える。したがって、インボイス制度に対応する書類の作成を容易に行うことができる。
【0082】
また、実施形態の情報処理装置10において、出力データ作成部96(作成部)は、インボイス制度に対応する書類を作成する場合に、書類の発行日時に応じたフォーマットで書類を作成する。したがって、インボイス制度の施行期間においては、インボイス制度に則った書式の書類を作成することができる。
【0083】
また、実施形態の情報処理装置10において、出力データ作成部96(作成部)は、取引の内容を、委託業者および税率毎に分類して書類を作成する。したがって、インボイス制度に則った書式の書類を生成することができる。
【0084】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例示であり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
10 情報処理装置
12 請求書
13 領収書
14,15 発行日時
32 委託商品マスタ(マスタファイル)
33 一般商品マスタ
51 一般商品名
52,56,58 税率
53 登録事業者番号
54 委託事業者名
55,57 委託商品名
59 合計金額
60 預かり金額
61 釣銭額
91 作成書類種別取得部
92 商品情報取得部
93 インボイス制度対応書類作成要否判定部
94 登録番号取得部
95 税率算出部
96 出力データ作成部(作成部)
97 データ出力部(出力部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】