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特開2024-109132情報管理システム、情報管理装置、情報管理方法および情報管理プログラム並びに印刷装置
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  • 特開-情報管理システム、情報管理装置、情報管理方法および情報管理プログラム並びに印刷装置 図1
  • 特開-情報管理システム、情報管理装置、情報管理方法および情報管理プログラム並びに印刷装置 図2
  • 特開-情報管理システム、情報管理装置、情報管理方法および情報管理プログラム並びに印刷装置 図3
  • 特開-情報管理システム、情報管理装置、情報管理方法および情報管理プログラム並びに印刷装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109132
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】情報管理システム、情報管理装置、情報管理方法および情報管理プログラム並びに印刷装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20240806BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013721
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128451
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 隆一
(72)【発明者】
【氏名】永野 洋
(72)【発明者】
【氏名】藤原 亮
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】簡易な方法でユーザに関する情報を読み出すことができるとともに、ユーザに関する情報が必要以上に出力されるのを防止する情報管理システム、情報管理装置、情報管理方法および情報管理プログラム並びに印刷装置を提供する。
【解決手段】ユーザに関する情報を取得するためのユーザに固有のコード情報をユーザが所有する媒体に付与する印刷装置30と、コード情報とユーザに関する情報とを紐づけて記憶する記憶部11と、コード情報を読み取る端末装置と、コード情報が端末装置によって読み取られた際、コード情報に紐付けされたユーザに関する情報を出力する制御部12とを備え、制御部12が、ユーザに関する情報の性質およびコード情報を読み取った人物の属性に基づいて、ユーザに関する情報の出力を制限する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに関する情報を取得するための前記ユーザに固有のコード情報を前記ユーザが所有する媒体に付与するコード情報付与部と、
前記コード情報と前記ユーザに関する情報とを紐づけて記憶する記憶部と、
前記コード情報を読み取る読取部と、
前記コード情報が前記読取部によって読み取られた際、前記コード情報に紐付けされたユーザに関する情報を出力する制御部とを備え、
前記制御部が、前記ユーザに関する情報の性質および前記コード情報を読み取った人物の属性に基づいて、前記ユーザに関する情報の出力を制限する情報管理システム。
【請求項2】
前記コード情報が、1次元バーコードまたは2次元バーコードである請求項1記載の情報管理システム。
【請求項3】
前記コード情報付与部が、前記コード情報が前記ユーザに関する情報を取得するためのコード情報であることを示す情報を前記媒体に付与する請求項1記載の情報管理システム。
【請求項4】
前記制御部が、前記ユーザに関する情報の取得の緊急性に関する情報を取得した場合には、前記ユーザに関する情報の出力制限を変更する請求項1記載の情報管理システム。
【請求項5】
請求項1記載の情報管理システムにおけるコード情報付与部を構成し、前記媒体に対して前記コード情報を印刷する印刷装置。
【請求項6】
ユーザに関する情報を取得するための前記ユーザに固有のコード情報と前記ユーザに関する情報とを紐づけて記憶する記憶部と、
前記ユーザが所有する媒体に付与された前記コード情報を読み取った情報を取得し、該取得したコード情報に紐付けされた前記ユーザに関する情報を読み出して出力する制御部とを備え、
前記制御部が、前記ユーザに関する情報の性質および前記コード情報を読み取った人物の属性に基づいて、前記ユーザに関する情報の出力を制限する情報管理装置。
【請求項7】
ユーザに関する情報を取得するための前記ユーザに固有のコード情報と前記ユーザに関する情報とを紐づけて記憶し、
前記ユーザが所有する媒体に付与された前記コード情報を読み取った情報を取得し、
該取得したコード情報に紐付けされた前記ユーザに関する情報を読み出して出力する際、前記ユーザに関する情報の性質および前記コード情報を読み取った人物の属性に基づいて、前記ユーザに関する情報の出力を制限する情報管理方法。
【請求項8】
ユーザに関する情報を取得するための前記ユーザに固有のコード情報と前記ユーザに関する情報とを紐づけて記憶するステップと、
前記ユーザが所有する媒体に付与された前記コード情報を読み取った情報を取得するステップと、
該取得したコード情報に紐付けされた前記ユーザに関する情報を読み出して出力する際、前記ユーザに関する情報の性質および前記コード情報を読み取った人物の属性に基づいて、前記ユーザに関する情報の出力を制限するステップとをコンピュータに実行させる情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人に関する情報を管理する情報管理システム、情報管理装置、情報管理方法および情報管理プログラム並びに印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、医療情報などの個人に関する情報を管理する方法が種々提案されている。たとえばデータサーバに情報を記憶しておくことにより、所望の情報を検索しやすくしたり、データサーバにアクセスできない病院でも個人の医療情報を用いることが可能なように、個人の医療情報を光カードに格納し、必要に応じて読み出し表示する方法が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-149836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のように光カードを利用する場合、特殊な光カードを用意する必要がある。また、特殊な光カードの読取部や読み取った情報を表示する表示部が必要となり、システム全体が大型化し、配置できる場所に制約がある。
【0005】
さらに、光カードを読み取りさえすれば、誰でも個人の医療情報を見ることができるので、個人情報の管理としてプライバシーの問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、簡易な方法でユーザに関する情報を読み出すことができるとともに、ユーザに関する情報が必要以上に出力されることを防止する情報管理システム、情報管理装置、情報管理方法および情報管理プログラム並びに印刷装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報管理システムは、ユーザに関する情報を取得するためのユーザに固有のコード情報をユーザが所有する媒体に付与するコード情報付与部と、コード情報とユーザに関する情報とを紐づけて記憶する記憶部と、コード情報を読み取る読取部と、コード情報が読取部によって読み取られた際、コード情報に紐付けされたユーザに関する情報を出力する制御部とを備え、制御部が、ユーザに関する情報の性質およびコード情報を読み取った人物の属性に基づいて、ユーザに関する情報の出力を制限する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の情報管理システムによれば、ユーザが所有する媒体にコード情報を付与し、そのコード情報を読み取ることによってユーザに関する情報を読み出して出力するとともに、ユーザに関する情報の性質およびコード情報を読み取った人物の属性に基づいて、ユーザに関する情報の出力を制限するようにしたので、簡易な方法でユーザに関する情報を出力することができるとともに、ユーザに関する情報が必要以上に出力されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の情報管理システムの一実施形態の概略構成を示すブロック図
図2】ユーザに関する情報の表示制限を示す図
図3】コード情報付与媒体の一例を示す図
図4】コード情報付与媒体を用いて病院で診察を受ける際の処理の流れを説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の情報管理システム1の一実施形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態の情報管理システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0011】
本実施形態の情報管理システム1は、ユーザに関する種々の情報を予め記憶し、その記憶された情報を種々の場面で読み出して出力するシステムである。そして、本実施形態の情報管理システム1においては、ユーザが所有するコード情報付与媒体を用いて、ユーザに関する情報の表示を管理する。具体的には、本実施形態の情報管理システム1は、コード情報付与媒体に付与されたコード情報を所定の端末装置により読み取ることによって、ユーザに関する情報が読み出され、端末装置に表示される。そして、ユーザに関する情報の表示の際、ユーザに関する情報の性質およびコード情報を読み取った人物の属性に基づいて、端末装置に表示されるユーザに関する情報の表示を制限する。
【0012】
ユーザに関する情報の表示制限については、たとえば病院などの医療施設においてユーザに関する情報を読み出して使用する場合、ユーザに関する情報のうち、病歴や診察結果などの情報は、その性質上、医師は知る必要があるが、病院の事務員などは知る必要がなく、寧ろ、ユーザが秘匿したい場合もある。また、逆に、ユーザの住所などの情報は、その性質上、病院の事務員は知る必要があるが、たとえば検査技師などは知る必要がない。
【0013】
また、たとえば学校においてユーザに関する情報を読み出して使用する場合、生徒の病歴などの情報は、その性質上、担任教師や保険教師は知る必要があるが、学校の事務員は知る必要がなく、寧ろ、ユーザが秘匿したい場合もある。また、生徒の投薬情報や検査情報は、保健教師は知る必要があるが、担任教師は、これらの情報を見ても分からないので、そのような情報まで見る必要はない。
【0014】
そこで、本実施形態では、上述したようなユーザに関する情報の性質とコード情報を読み取った人物の属性に基づいて、端末装置に表示されるユーザに関する情報を制限する。以下の本実施形態の情報管理システム1の具体的な構成について説明する。
【0015】
本実施形態の情報管理システム1は、図1に示すように、情報管理装置10、医師用端末装置20、看護師用端末装置21、救急隊員用端末装置22、検査技師用端末装置23,病院事務員用端末装置24、薬剤師用端末装置25、担任教師用端末装置26、保険教師用端末装置27、学校事務員用端末装置28および印刷装置30を備えている。なお、本実施形態においては、上述した各端末装置が、本発明の読取部に相当し、印刷装置30が、本発明のコード情報付与部に相当する。
【0016】
医師用端末装置20、看護師用端末装置21、救急隊員用端末装置22、検査技師用端末装置23,病院事務員用端末装置24、薬剤師用端末装置25、担任教師用端末装置26、保険教師用端末装置27および学校事務員用端末装置28と、情報管理装置10とは、インターネット回線などの通信回線を介して接続されており、互いに種々の情報のやり取りが可能に構成されている。
【0017】
また、医師用端末装置20、看護師用端末装置21、救急隊員用端末装置22、検査技師用端末装置23,病院事務員用端末装置24、薬剤師用端末装置25、担任教師用端末装置26、保険教師用端末装置27および学校事務員用端末装置28には、情報管理装置10へアクセスするための専用アプリケーションがインストールされている。医師、看護師、救急隊員、検査技師、病院事務員、薬剤師、担任教師、保険教師および学校事務員は、上記専用アプリケーションを用いて、情報管理装置10に対して予めログイン情報を登録する。ログイン情報としては、ログインID、ログインパスワードおよびユーザの属性情報などが登録される。
【0018】
医師、看護師、救急隊員、検査技師、病院事務員、薬剤師、担任教師、保険教師および学校事務員は、上記専用アプリケーションを起動し、ログインIDおよびログインパスワードを入力してログインする。これにより、各端末装置は情報管理装置10へのアクセスが可能となり、また、情報管理装置10はアクセスした端末装置を所有する人物の属性を識別することができる。ログインの際のユーザ認証に生体認証などを組み合わせてもよい。
【0019】
なお、以下で説明する医師用端末装置20、看護師用端末装置21、救急隊員用端末装置22、検査技師用端末装置23,病院事務員用端末装置24、薬剤師用端末装置25、担任教師用端末装置26、保険教師用端末装置27および学校事務員用端末装置28の種々の機能は、上記専用アプリケーションによって実行される。
【0020】
また、本実施形態では、医師用端末装置20、看護師用端末装置21、救急隊員用端末装置22、検査技師用端末装置23,病院事務員用端末装置24、薬剤師用端末装置25、担任教師用端末装置26、保険教師用端末装置27および学校事務員用端末装置28のそれぞれにインストールされた専用アプリケーションを用いるようにしたが、これに限らず、情報管理装置10によってウェブブラウザ経由で提供される専用アプリケーションを利用してもよい。
【0021】
また、医師用端末装置20、看護師用端末装置21、救急隊員用端末装置22、検査技師用端末装置23,病院事務員用端末装置24、薬剤師用端末装置25、担任教師用端末装置26、保険教師用端末装置27および学校事務員用端末装置28は、コード情報付与媒体に付与されたコード情報を読み取るカメラ機能を有する。
【0022】
医師用端末装置20、看護師用端末装置21、救急隊員用端末装置22、検査技師用端末装置23,病院事務員用端末装置24、薬剤師用端末装置25、担任教師用端末装置26、保険教師用端末装置27および学校事務員用端末装置28は、たとえばタブレット端末やスマートフォンなどの移動体端末から構成されるが、たとえばカメラ機能を備えたデスクトップパソコンまたはノート型パソコンなどから構成するようにしてもよい。
【0023】
次に、情報管理装置10について説明する。情報管理装置10は、記憶部11および制御部12を備えている。
【0024】
記憶部11は、ユーザ毎について、ユーザのコード情報とユーザに関する情報とを対応づけたユーザ情報テーブルを記憶する。本実施形態の記憶部11は、主に、病院などの医療施設で用いられるユーザに関する情報および学校で用いられるユーザに関する情報を記憶する。具体的には、たとえば図2に示すように、住所や年齢などの個人情報、病歴、診察結果、投薬情報、検査情報、診察・検査画像情報および学校出欠・早退情報が、ユーザに関する情報として記憶部11に記憶される。
【0025】
また、記憶部11は、医師、看護師、救急隊員、検査技師、病院事務員、薬剤師、担任教師、保険教師および学校事務員の上述したログイン情報を記憶する。
【0026】
また、制御部12は、入力されたコード情報に基づいて、記憶部11に記憶されたユーザ情報テーブルを参照し、コード情報に紐付けされたユーザに関する情報の出力を制御する。そして、本実施形態の制御部12は、ユーザに関する情報の性質とコード情報を読み取った人物の属性に基づいて、ユーザに関する情報の出力を制御する。
【0027】
図2は、コード情報を読み取った人物の属性と、その人物の端末装置における種々のユーザに関する情報の表示と非表示を示した表である。図2に示す「○」が表示を意味し、「×」が非表示を意味する。
【0028】
たとえば病院などの医療施設においてコード情報が読み取られた場合、コード情報を読み取った人物が、医師である場合には、学校に関連する学校出欠・早退情報以外の全ての情報がユーザ情報テーブルから読み出されて医師用端末装置20に出力されて表示される。また、コード情報を読み取った人物が、看護師である場合には、学校に関連する学校出欠・早退情報、検査情報および診察・検査画像情報以外の情報がユーザ情報テーブルから読み出されて看護師用端末装置21に出力されて表示される。また、コード情報を読み取った人物が、病院事務員である場合には、個人情報のみがユーザ情報テーブルから読み出されて病院事務員用端末装置24に出力されて表示される。
【0029】
一方、たとえば学校においてコード情報が読み取られた場合、コード情報を読み取った人物が、担任教師である場合には、個人情報、病歴および学校出欠・早退情報がユーザ情報テーブルから読み出されて担任教師用端末装置26に出力されて表示される。また、コード情報を読み取った人物が、保険教師である場合には、個人情報、病歴、診察結果、投薬情報および学校出欠・早退情報がユーザ情報テーブルから読み出されて保険教師用端末装置27に出力されて表示される。また、コード情報を読み取った人物が、学校事務員である場合には、個人情報のみがユーザ情報テーブルから読み出されて学校事務員用端末装置28に出力されて表示される。
【0030】
また、図2に示す「緊急対応に関わる者」とは、ユーザに対して緊急対応が必要である場合に、その緊急対応を行う者である。上述した医師、看護師、救急隊員、検査技師、病院事務員、薬剤師、担任教師、保険教師および学校事務員が、ユーザに対して緊急対応を行う必要がある場合には、それぞれの端末装置において、「緊急対応に関わる者」であることを示す情報が設定入力される。
【0031】
そして、制御部12は、「緊急対応に関わる者」であることを示す情報が、上述した人物のログイン情報とともに入力された場合には、制御部12は、そのログイン情報の人物の属性に関わらず、全てのユーザに関する情報を出力する。このように、「緊急対応に関わる者」である場合には、ユーザに関する情報の制限を変更することによって、臨機応変な対応が可能となる。具体的には、たとえば病院に運ばれてきた患者が一刻を争う患者である場合、看護師に対する患者(ユーザ)に関する情報の表示制限を解除させることによって、看護師が十分な準備を行うことができ、緊急手術などの対応をスムーズに行うことができる。
【0032】
情報管理装置10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などの半導体メモリやハードディスクなどのストレージ、並びに通信I/F(Interface)などを備えている。
【0033】
情報管理装置10のストレージには、本発明の情報管理プログラムの一実施形態がインストールされている。この情報管理プログラムがCPUによって起動されることによって、情報管理装置10の上述した機能が実行される。
【0034】
また、本実施形態においては、CPUによって情報管理プログラムを実行することによって上述した機能を実行するようにしたが、情報管理プログラムが実行する一部の機能または全部の機能をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)、その他の電気回路などのハードウェアから構成するようにしてもよい。
【0035】
次に、上述したコード情報付与媒体について説明する。図3は、コード情報付与媒体40の一例を示す図である。コード情報付与媒体40は、カード状の形状からなり、たとえば板状の樹脂や紙などから形成される。そして、コード情報付与媒体40の表面には、図3に示すように、コード情報としてQRコード(登録商標)が印刷されている。QRコードには情報管理装置10へのアクセス情報(たとえばURL)が含まれている。なお、本実施形態では、QRコードを印刷するようにしたが、これに限らず、1次元バーコードを用いるようにしてもよい。
【0036】
また、コード情報付与媒体40のQRコードの近傍には、上記QRコードが、ユーザに関する情報を取得するためのQRコードであることを示すマークMが印刷される。このようにマークMを印刷することによって、QRコードが、ユーザに関する情報を読み出すものであることを即座に認識することができる。
【0037】
印刷装置30は、上述したコード情報付与媒体40に対してQRコードやマークMや上述した文字を印刷する。印刷装置30の印刷方式は特に限定されず、コード情報付与媒体40に印刷可能な印刷方式であれば、インクジェット印刷方式やレーザ印刷方式など如何なる印刷方式でもよい。
【0038】
コード情報については、情報管理装置10の記憶部11にユーザに関する情報を記憶する際に、制御部12において生成され、印刷装置30に出力される。
【0039】
なお、本実施形態では、情報管理装置10へのアクセス情報をコード情報(QRコード)に含めるようにしたが、ユーザに関する情報のうち、記憶容量の大きいものや、更新頻度の高い情報(ユーザによって異なる)については、情報管理装置10において記憶して管理し、記憶容量が小さく、かつ更新頻度の低い情報については、その情報自体をコード化してコード情報(QRコード)にアクセス情報とともに含めるようにしてもよい。コード情報に含めるユーザに関する情報としては、たとえば個人情報や病歴などがある。
この場合、コード情報に含めた個人情報や病歴などの情報が更新された場合には、コード情報が再生成され、コード情報付与媒体40が再発行される。
記憶容量が小さく、かつ更新頻度が低い情報については、制御部12が判断するようにしてもよい。たとえば制御部12は、記憶部11に記憶された各情報の記憶容量を確認したり、また、記憶部11に記憶された各情報が更新された際の日時情報を確認することによって、記憶容量が小さく、かつ更新頻度が低い情報を判断することができる。
また、制御部12が、このような記憶容量が小さく、かつ更新頻度が低い情報について特定のフラグを付加し、そのフラグに基づいて、コード化する情報と情報管理装置10において記憶して管理する情報とを識別するようにしてもよい。
【0040】
次に、ユーザがコード情報付与媒体40を用いて病院で診察を受ける際の処理の流れの一例について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0041】
まず、患者であるユーザのコード情報付与媒体40が、病院受付に配置されている病院事務員用端末装置24によって読み取られる(S10)。
【0042】
病院事務員用端末装置24は、コード情報の読取りによって情報管理装置10にアクセスする(S12)。情報管理装置10の制御部12は、病院事務員用端末装置24からアクセスされると、病院事務員のログイン情報に基づいて、図2に示す表示制限にしたがって、記憶部11に記憶されているユーザに関する情報のうち、ユーザ(患者)の個人情報のみを読み出して、病院事務員用端末装置24に出力する(S14)。
【0043】
病院事務員用端末装置24は、ユーザの個人情報を表示させ、これにより、病院事務員によって受け付け処理が行われる(S16)。
【0044】
次に、ユーザが診察室に入り、診察を受ける前に、医師用端末装置20によってコード情報付与媒体40のQRコードが読み取られる(S18)。
【0045】
医師用端末装置20は、コード情報の読取りによって情報管理装置10にアクセスする(S20)。情報管理装置10の制御部12は、医師用端末装置20からアクセスされると、医師のログイン情報に基づいて、図2に示す表示制限にしたがって、記憶部11に記憶されているユーザに関する情報のうち、学校出欠・早退情報以外の全ての医療に関連する情報を読み出して、医師用端末装置20に出力する(S22)。
【0046】
医師用端末装置20は、ユーザの医療に関する情報を表示させ、これにより、医師によって診察が行われる(S24)。そして、医師による診察結果が、医師用端末装置20から入力され、その診察結果が、記憶部11に新たに記憶される(S26)。また、情報管理装置10では、診療費が算出され、ユーザに関する情報として記憶部11に記憶される。
【0047】
そして、診察が終了した後、再び病院受付にてコード情報付与媒体40のQRコードが病院事務員用端末装置24によって読み取られ(S28)、病院事務員用端末装置24は、情報管理装置10にアクセスする(S30)。
【0048】
そして、制御部12は、病院事務員用端末装置24からアクセスされると、記憶部11に記憶された診療費を読み出し、病院事務員用端末装置24に出力する(S32)。病院事務員用端末装置24は、入力された診療費を表示させる(S34)。
【0049】
上記実施形態の情報管理システム1によれば、ユーザが所有するコード情報付与媒体にコード情報を付与し、そのコード情報を読み取ることによってユーザに関する情報を読み出して出力するとともに、ユーザに関する情報の性質およびコード情報を読み取った人物の属性に基づいて、ユーザに関する情報の出力を制限するようにしたので、簡易な方法でユーザに関する情報を出力することができるとともに、ユーザに関する情報が必要以上に出力されるのを防止することができる。
【0050】
また、コード情報として、QRコードを用いるようにしたので、より簡易な方法でユーザに関する情報の読み出しを行うことができる。
【0051】
また、上述の実施形態では、学校と病院の複数の施設にまたがって、各施設における担当者による情報のアクセス制限を記載したが、役所等の他の施設の間でまたがってよいし、1つの施設内で適用してもよい。この場合、ユーザに関する情報は、各施設に関係する情報となり、各施設の担当者の業務の性質や、ユーザに関する情報の性質に応じて、アクセス制限が決められる。
【0052】
また、緊急事態におけるアクセス制限の解除は、緊急事態の内容に応じて、各施設におけるアクセス制限の解除の仕方を変えるようにしてもよい(例えば、学校に対して病院と市役所が連携する場合、避難災害に関わる事態の場合には、全施設の全担当者でアクセス制限を解除するが、救急搬送など個別の人命救助に関わる場合には、病院の各担当者におけるアクセス制限を解除するのみなど)。
【0053】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。たとえば実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。
【0054】
本発明に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0055】
(付記1)
本発明の情報管理システムは、ユーザに関する情報を取得するためのユーザに固有のコード情報をユーザが所有する媒体に付与するコード情報付与部と、コード情報とユーザに関する情報とを紐づけて記憶する記憶部と、コード情報を読み取る読取部と、コード情報が読取部によって読み取られた際、コード情報に紐付けされたユーザに関する情報を出力する制御部とを備え、制御部が、ユーザに関する情報の性質およびコード情報を読み取った人物の属性に基づいて、ユーザに関する情報の出力を制限する。
【0056】
(付記2)
付記1記載の情報管理システムにおいて、コード情報は、1次元バーコードまたは2次元バーコードとすることができる。
【0057】
(付記3)
付記1または付記2記載の情報管理システムにおいて、コード情報付与部は、コード情報がユーザに関する情報を取得するためのコード情報であることを示す情報を媒体に付与することができる。
【0058】
(付記4)
付記1から付記3いずれかに記載の情報管理システムにおいて、制御部は、ユーザに関する情報の取得の緊急性に関する情報を取得した場合には、ユーザに関する情報の出力制限を変更することができる。
【0059】
(付記5)
本発明の印刷装置は、付記1から付記4いずれかに記載の情報管理システムにおけるコード情報付与部を構成し、媒体に対してコード情報を印刷する。
【0060】
(付記6)
本発明の情報管理装置は、ユーザに関する情報を取得するためのユーザに固有のコード情報とユーザに関する情報とを紐づけて記憶する記憶部と、ユーザが所有する媒体に付与されたコード情報を読み取った情報を取得し、該取得したコード情報に紐付けされたユーザに関する情報を読み出して出力する制御部とを備え、制御部が、ユーザに関する情報の性質およびコード情報を読み取った人物の属性に基づいて、ユーザに関する情報の出力を制限する。
【0061】
(付記7)
本発明の情報管理方法は、ユーザに関する情報を取得するためのユーザに固有のコード情報とユーザに関する情報とを紐づけて記憶し、ユーザが所有する媒体に付与されたコード情報を読み取った情報を取得し、その取得したコード情報に紐付けされたユーザに関する情報を読み出して出力する際、ユーザに関する情報の性質およびコード情報を読み取った人物の属性に基づいて、ユーザに関する情報の出力を制限する。
【0062】
(付記8)
本発明の情報管理プログラムは、ユーザに関する情報を取得するためのユーザに固有のコード情報とユーザに関する情報とを紐づけて記憶するステップと、ユーザが所有する媒体に付与されたコード情報を読み取った情報を取得するステップと、その取得したコード情報に紐付けされたユーザに関する情報を読み出して出力する際、ユーザに関する情報の性質およびコード情報を読み取った人物の属性に基づいて、ユーザに関する情報の出力を制限するステップとをコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0063】
1 情報管理システム
10 情報管理装置
11 記憶部
12 制御部
20 医師用端末装置
21 看護師用端末装置
22 救急隊員用端末装置
23 検査技師用端末装置
24 病院事務員用端末装置
25 薬剤師用端末装置
26 担任教師用端末装置
27 保険教師用端末装置
28 学校事務員用端末装置
30 印刷装置
40 コード情報付与媒体
M マーク
図1
図2
図3
図4