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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010915
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/263 20060101AFI20240118BHJP
   E06B 5/00 20060101ALI20240118BHJP
   E06B 1/32 20060101ALI20240118BHJP
   E06B 7/22 20060101ALN20240118BHJP
【FI】
E06B3/263 G
E06B5/00 B
E06B1/32
E06B7/22 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112506
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】油谷 祥太
(72)【発明者】
【氏名】谷口 雅洋
【テーマコード(参考)】
2E011
2E014
2E036
2E239
【Fターム(参考)】
2E011CA01
2E011CA06
2E011CB01
2E011CC04
2E011CC05
2E014AA03
2E014BA02
2E014BA08
2E014BB01
2E014BB03
2E014BD06
2E036AA01
2E036AA03
2E036AA04
2E036BA01
2E036CA04
2E036DA02
2E036DA09
2E036EA03
2E036EA07
2E036EB02
2E036EB07
2E036FA10
2E036FB01
2E036FB02
2E036GA02
2E036GA07
2E036HA01
2E036HB34
2E239AB00
(57)【要約】
【課題】断熱性能を向上でき、かつ、耐風圧性能を向上できる建具を提供すること。
【解決手段】建具は、窓枠と、窓枠に対して開閉可能に取り付けられた障子とを備える。窓枠は、金属枠である金属下枠21と、樹脂枠である樹脂下枠25とを備える。障子は、金属框である金属下框51と、樹脂框である樹脂下框55とを備える。金属枠は、金属框の室内面に対向する支持面を備える。樹脂枠は、樹脂框の室内面に対向する対向面を備える。金属框の室内面と支持面との見込み方向の間隔寸法L1は、樹脂框の室内面と対向面との見込み方向の間隔寸法L2よりも小さい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓枠と、前記窓枠に対して開閉可能に取り付けられた障子とを備える建具であって、
前記窓枠は、金属枠と樹脂枠とを備え、
前記障子は、金属框と樹脂框とを備え、
前記金属枠は、前記金属框の室内面に対向する支持面を備え、
前記樹脂枠は、前記樹脂框の室内面に対向する対向面を備え、
前記金属框の室内面と前記支持面との見込み方向の間隔寸法は、前記樹脂框の室内面と前記対向面との見込み方向の間隔寸法よりも小さい
ことを特徴とする建具。
【請求項2】
請求項1に記載の建具において、
前記金属枠または前記金属框の一方には他方に当接する第1タイト材が取り付けられ、
前記樹脂枠または前記樹脂框の一方には他方に当接する第2タイト材が設けられている
ことを特徴とする建具。
【請求項3】
請求項1に記載の建具において、
前記金属枠または前記金属框の一方には他方に当接する第1タイト材が取り付けられ、
前記樹脂枠または前記樹脂框の一方は、前記第1タイト材の内周側を覆うカバー部を有している
ことを特徴とする建具。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の建具において、
前記第1タイト材は、硬質樹脂製のベース部と、軟質樹脂製のヒレ部とを備え、
前記第1タイト材が前記金属枠に取り付けられている場合は、前記支持面は前記ベース部で構成され、
前記第1タイト材が前記金属框に取り付けられている場合は、前記金属框の室内面は前記ベース部で構成される
ことを特徴とする建具。
【請求項5】
請求項2または請求項3に記載の建具において、
前記金属枠または前記金属框の少なくとも一方は、前記第1タイト材よりも内周側に位置し、前記金属枠または前記金属框の他方に対向する加熱発泡材取付面を有し、
前記加熱発泡材取付面には加熱発泡材が取り付けられている
ことを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属枠および樹脂枠を有する窓枠と、金属框および樹脂框を有する障子とを備えた複合建具が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の複合建具は、金属枠の内周側に樹脂枠が取り付けられた窓枠と、金属框の室内側に樹脂框が取り付けられた障子とで構成されている。これにより、金属枠や金属框が樹脂枠や樹脂框で覆われるため、複合建具の断熱性を向上できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-196945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記複合建具は、住宅用の建具として利用できるが、ビル向けの商品ではより高い耐風圧性能が求められるため、利用できない場合がある。すなわち、障子に屋外からの風圧(正圧)が加わった場合、障子の樹脂框が樹脂枠に室外側から当接して高い圧力が加わるため、樹脂枠や樹脂框が金属枠や金属框から外れるおそれがある。このため、断熱性能を向上できる複合型の建具において、ビルなどに設置できるように耐風圧性能を向上させることが求められている。
また、前記複合建具をビルに設置する際には防火性能を向上させることも求められる。
【0005】
本発明の目的は、断熱性能を向上でき、かつ、耐風圧性能を向上できる建具を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、断熱性能を向上でき、かつ、耐風圧性能を向上できるとともに、防火性能も向上できる建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の建具は、窓枠と、前記窓枠に対して開閉可能に取り付けられた障子とを備える建具であって、前記窓枠は、金属枠と樹脂枠とを備え、前記障子は、金属框と樹脂框とを備え、前記金属枠は、前記金属框の室内面に対向する支持面を備え、前記樹脂枠は、前記樹脂框の室内面に対向する対向面を備え、前記金属框の室内面と前記支持面との見込み方向の間隔寸法は、前記樹脂框の室内面と前記対向面との見込み方向の間隔寸法よりも小さいことを特徴とする。
また、前記建具において、前記金属枠または前記金属框の一方には他方に当接する第1タイト材が取り付けられ、前記樹脂枠または前記樹脂框の一方には他方に当接する第2タイト材が設けられ、あるいは、前記樹脂枠または前記樹脂框の一方は、前記第1タイト材の内周側を覆うカバー部を有し、前記金属枠または前記金属框の少なくとも一方は、前記第1タイト材よりも内周側に位置し、前記金属枠または前記金属框の他方に対向する加熱発泡材取付面を有し、前記加熱発泡材取付面には加熱発泡材が取り付けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の建具によれば、窓枠は金属枠に加えて樹脂枠を備え、障子は金属框に加えて樹脂框を備えるため、断熱性能を向上できる。また、前記金属框の室内面と前記支持面との間隔寸法は、前記樹脂框の室内面と前記対向面との間隔寸法よりも小さいため、室外側からの風によって障子に正圧が加わった際に、金属框が金属枠の支持面に当接し、樹脂框は樹脂枠に当接しないため、樹脂枠や樹脂框が金属枠や金属框から外れることを防止でき、耐風圧性能を向上できる。
また、金属枠または金属框の一方に第1タイト材を設け、金属枠または金属框の少なくとも一方に第1タイト材よりも内周側の位置する加熱発泡材取付面を設けて加熱発泡材を取り付けていれば、火災時に金属枠や金属框が高温となって第1タイト材が発火しても、その炎を加熱発泡材で遮断できて室内側への延焼を防止できて防火性能を向上できる。また、金属枠や金属框に加熱発泡材取付面を設けていれば、加熱発泡材を配置するための別体のアタッチメントを用意する必要が無く、コストを低減でき、意匠性も向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態の建具を示す縦断面図である。
図2】前記実施形態の建具を示す横断面図である。
図3】前記実施形態の下枠および下框を示す縦断面図である。
図4】前記実施形態の下枠および縦枠の接合部を示す斜視図である。
図5】前記実施形態の下枠および縦枠の接合部を示す斜視図である。
図6】前記実施形態の下枠および縦枠の接合部を示す斜視図である。
図7】本発明の第2実施形態の建具の下枠および下框を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る建具について図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態の建具である縦すべり出し窓1の縦断面図であり、図2は縦すべり出し窓1の横断面図である。
縦すべり出し窓1は、ビルなどの建物の開口に設置されるものであり、窓枠2と、窓枠2内に配置された障子3と、窓枠2を障子3に縦すべり出し式に開閉可能に連結した連結部品5とを備えている。
【0010】
窓枠2は、上枠10、下枠20および左右の縦枠30を枠組みして構成されている。
障子3は、上框40、下框50および左右の縦框60を枠組みして構成される框体と、框体で保持されるガラスパネル等の面材4とで構成されている。なお、本実施形態では、複層ガラスの面材4を用いているが、面材4は1枚のガラスでもよいし、3枚のガラスでもよい。
【0011】
図1、2に示すように、上枠10は、金属上枠11と、樹脂上枠15とを備えて構成され、下枠20は、金属下枠21と、樹脂下枠25とを備えて構成され、縦枠30は、金属縦枠31と、樹脂縦枠35とを備えて構成される。
また、上框40は、金属上框41と、樹脂上框45とを備えて構成され、下框50は、金属下框51と、樹脂下框55とを備えて構成され、縦框60は、金属縦框61と、樹脂縦框65とを備えて構成される。
【0012】
金属上枠11、金属下枠21、金属縦枠31は、それぞれアルミ製の押出形材で構成され、これらの金属上枠11、金属下枠21、金属縦枠31によって金属枠が構成されている。
また、樹脂上枠15、樹脂下枠25、樹脂縦枠35は、それぞれ合成樹脂製の押出形材で構成され、これらの樹脂上枠15、樹脂下枠25、樹脂縦枠35によって樹脂枠が構成されている。
金属上框41、金属下框51、金属縦框61は、それぞれアルミ製の押出形材で構成され、これらの金属上框41、金属下框51、金属縦框61によって金属框が構成されている。
また、樹脂上框45、樹脂下框55、樹脂縦框65は、それぞれ合成樹脂製の押出形材で構成され、これらの樹脂上框45、樹脂下框55、樹脂縦框65によって樹脂枠が構成されている。
【0013】
次に、窓枠2および障子3の詳細構造について、図3に拡大して示す下枠20および下框50を例に説明する。
【0014】
[下枠]
下枠20の金属下枠21は、下枠本体22と、戸当り部23と、係合部24とを備えている。
下枠本体22は、見込み方向に沿って延長された見込み片部221と、見込み片部221の室外端部から下方(窓枠2の外周側)に延出された室外面部222と、見込み片部221の室内端部近傍から下方に延出された室内面部223と、室外面部222および室内面部223間を連結する下面部224とを備えて構成されている。このため、下枠本体22には中空部が形成されている。
【0015】
戸当り部23は、下框50の室内側に配置される部分であり、見込み片部221の室内端部から上方に延出された見付け片231と、見付け片231の上下方向の中間位置から室外側に突出した一対の保持片232と、見付け片231の先端つまり上端から室外側に突出した突起233とを備えている。各保持片232は断面L字状に形成され、保持片232には第1タイト材70が保持されている。
第1タイト材70は、硬質樹脂で構成されたベース部71と、軟質樹脂で構成されたヒレ部72とで構成されている。ベース部71は保持片232に装着されている。ヒレ部72はベース部71から連続して形成され、後述するように下框50に当接している。
見付け片231において、保持片232と突起233との間、つまり保持片232よりも窓枠2の内周側(上側)に、加熱発泡材80が取り付けられる加熱発泡材取付面234が設けられている。加熱発泡材80を加熱発泡材取付面234に取り付ける方法としては、接着でもよいし、ビス止めでもよく、さらには加熱発泡材80を保持する保持溝を金属下枠21に形成して取り付けてもよく、加熱発泡材80の取付方法は特に限定されない。後述する他の加熱発泡材の取付方法も同様である。また、見付け片231の室内面には突起235が形成されている。
【0016】
係合部24は、樹脂下枠25が係合される部分であり、見付け片231から室内側に延出された延出片241と、延出片241の室内側端部から上方に延出された断面L字状の係合片242と、延出片241において係合片242の室外側から上方に延出された突片243とを備えている。
また、延出片241の外周側(下側)には、見付け片231から室内側に延出された第2延出片244が形成されている。各延出片241、244の室内側端部には、これらの端部間を連結し、さらに下方に延長された室内見付け片245が設けられている。
このため、見付け片231と、延出片241、244と、室内見付け片245とで中空部246が区画形成されている。
【0017】
樹脂下枠25は、金属下枠21が室内空間に露出しないように、延出片241の上面と、見付け片231の室内露出面とを被覆して断熱性能を向上させるものである。この樹脂下枠25は、見込み方向に延出された見込み片部251と、見込み片部251から室外側に延出されて突起233に係合する係合片部253と、見込み片部251の室外側端部から下方に延出されて突起235に係止される第1係止片254と、見込み片部251の見込み方向中間位置から下方に延出され、係合片242、突片243間に挿入されて係止される第2係止片255と、係合片部253から室外側に延出された第2タイト材256とを備えている。
樹脂下枠25は、第2タイト材256以外は硬質樹脂で形成され、第2タイト材256は軟質樹脂で形成された二色押出成形品である。
【0018】
[下框]
下框50の金属下框51は、下框本体52と、当接部53とを備えている。
下框本体52は、見込み方向に沿って延長された見込み片521と、見込み片521の室外端部から上方に延出された室外係合片522と、見込み片521の室内端部から上方に延出された室内保持片523とを備えて構成されている。室内保持片523の上端には室内側に突出する突片と、段部とが形成されている。
見込み片521の上面にはビスホールが形成され、ビスホールの室外側には突起524が形成されている。
【0019】
見込み片521の突起524と、室外係合片522とには押縁54が係合されている。この押縁54と室内保持片523との間に複層ガラスである面材4が、バックアップ材、シール材を介して保持されている。なお、面材4は、見込み片521の上面に配置されたセッティングブロック6に載置されている。
【0020】
当接部53は、下框本体52から室内側に突出された部分であり、室内保持片523から室内側に延出された外周側見込み片531および内周側見込み片532と、外周側見込み片531および内周側見込み片532の室内端部間を連結する当接片533とを備える。内周側見込み片532は、外周側見込み片531よりも内周側、つまり下框50においては上側に設けられている。そして、これらの外周側見込み片531および内周側見込み片532と、当接片533と、室内保持片523とで中空部が区画形成されている。
当接片533の室内側にはビスホールが形成されている。また、内周側見込み片532の上面には断面L字状の係合片535が形成されている。
【0021】
縦すべり出し窓1において障子3を開閉する連結部品5は、外周側見込み片531と、外周側見込み片531に対向する下枠20の見込み片部221とにそれぞれ固定されている。
【0022】
樹脂下框55は、金属下框51が室内空間に露出しないように、内周側見込み片532の上面と、室内保持片523の室内露出面とを被覆して断熱性能を向上させるものである。この樹脂下框55は、見込み方向に延出された見込み片部551と、見込み片部551の室内端部から下方に延出された見付け片部552と、見込み片部551から延出されて室内保持片523に係合する第1係合片553と、見込み片部551から延出されて係合片535に係合する第2係合片554とを備える。
見込み片部551の室外端は、室内保持片523の突片および段部上に配置され、見込み片部551の上面と、室内保持片523の上端とが連続するように構成されている。
見付け片部552の室内面は、当接部53の当接片533の室内面と見込み方向の位置が同一とされ、各室内面が見付け方向に連続して面一となるように構成されている。
そして、当接片533は、保持片232に対向する高さ位置に設けられており、当接片533には第1タイト材70が当接する。また、見付け片部552には第2タイト材256が当接する。
【0023】
下框50では、見込み片521の上面におけるビスホールの室内側と、室内保持片523の室内面における外周側見込み片531の下側と、内周側見込み片532の上面とに、それぞれ加熱発泡材85が取り付けられている。
【0024】
窓枠2の上枠10および縦枠30と、障子3の上框40および縦框60とは、下枠20、下框50に類似する構成であるため、図1および図2を参照して説明する。
【0025】
[上枠]
上枠10の金属上枠11は、上枠本体12と、戸当り部13と、係合部14とを備えている。
上枠本体12は、見込み方向に沿って延長された見込み片部121と、見込み片部121から上方に延出された室外面部122、見付け片部123、室内面部124と、室外面部122および見付け片部123を連結する上面部125と、見付け片部123および室内面部124を連結する連結片部126とを備える。このため、上枠本体12には2つの中空部が形成されている。
【0026】
戸当り部13は、上框40の室内側に配置される部分であり、見込み片部121の室内端部から下方に延出された見付け片131と、見付け片131の上下方向の中間位置から室外側に突出した一対の保持片132と、見付け片131の先端つまり下端から室外側に突出した突起133とを備えている。各保持片132は断面L字状に形成され、保持片132には第1タイト材70が保持されている。
見付け片131において、保持片132と突起133との間、つまり保持片132よりも窓枠2の内周側(下側)に、加熱発泡材80が取り付けられる加熱発泡材取付面134が設けられている。
【0027】
係合部14は、樹脂上枠15が係合される部分であり、室内面部124および連結片部126の接合部から室内側に延出された延出片141と、延出片141の室内側端部から下方に延出された断面L字状の係合片142と、延出片141において係合片142の室外側から下方に延出された突片143とを備えている。
【0028】
樹脂上枠15は、樹脂下枠25と同様に、金属上枠11が室内空間に露出しないように、見付け片131、室内面部124、延出片141を被覆して断熱性能を向上させるものである。この樹脂上枠15は、見込み方向に延出された見込み片部151と、見込み片部151から下方に延出された見付け片部152と、見付け片部152から室外側に延出されて突起133に係合する係合片部153と、見込み片部151の室外側端部から上方に延出されて室内面部124に形成される突起に係止される第1係止片154と、見込み片部151の見込み方向中間位置から上方に延出され、係合片142、突片143間に挿入されて係止される第2係止片155と、係合片部153から室外側に延出された第2タイト材156とを備えている。見付け片部152は、見付け片131から室内側に離れて配置されている。
樹脂上枠15は、第2タイト材156以外は硬質樹脂で形成され、第2タイト材256は軟質樹脂で形成された二色押出成形品である。
【0029】
[上框]
上框40は、第3タイト材73が取り付けられる保持片を備える点と、ビスホールの形状が相違する点を除いて下框50と同様の構成である。
上框40の金属上框41は、上框本体42と、当接部43とを備えている。上框本体42は、見込み方向に沿って延長された見込み片421と、見込み片421の室外端部から下方に延出された室外係合片422と、見込み片421の室内端部から下方に延出された室内保持片423とを備えて構成されている。
見込み片421の上面の室内側端部には、一対の保持片が形成され、第3タイト材73が保持されている。見込み片421の下面にはビスホールが形成され、ビスホールの室外側には突起が形成されている。
【0030】
見込み片421の突起と、室外係合片422とには押縁44が係合されている。この押縁44と室内保持片423との間に複層ガラスである面材4が、バックアップ材、シール材を介して保持されている。
【0031】
当接部43は、上框本体42から室内側に突出された部分であり、当接部53と同様に、室内保持片423から室内側に延出された外周側見込み片431および内周側見込み片432と、外周側見込み片431および内周側見込み片432の室内側端部間を連結する当接片433とを備える。
当接片433の室内側にはビスホールが形成されている。また、内周側見込み片432の下面には断面L字状の係合片が形成されている。
縦すべり出し窓1において障子3を開閉する連結部品5は、外周側見込み片431と、外周側見込み片431に対向する見込み片部121とにそれぞれ固定されている。
【0032】
樹脂上框45は、樹脂下框55と同一断面形状の部品であるため、説明を省略する。樹脂上框45の室内面は、当接片433の室内面と見込み方向の位置が同一とされ、各室内面が見付け方向に連続して面一となるように構成されている。
そして、当接部43は保持片132に対向する高さ位置に設けられており、当接片433の室内面には第1タイト材70が当接する。また、樹脂上框45は係合片部153に対向する高さ位置に設けられており、樹脂上框45の室内面には第2タイト材156が当接する。
【0033】
[縦枠]
縦枠30の金属縦枠31は、縦枠本体32と、戸当り部33と、係合部34とを備えている。
縦枠本体32は、見込み方向に沿って延長された見込み片部321と、見込み片部321の室外端部に連結された室外面部322と、見込み片部321の見込み方向中間位置から窓枠2の内周側に突設された断面L字状の保持片323とを備える。
【0034】
戸当り部33は、縦框60の室内側に配置される部分であり、見込み片部321から窓枠2の内周側に延出された見付け片331と、見付け片331の左右方向の中間位置から室外側に突出した一対の保持片332と、見付け片331の先端つまり窓枠内周側から室外側に突出した突起333とを備えている。各保持片332は断面L字状に形成され、第1タイト材70が保持されている。
見付け片331において、保持片332と突起333との間、つまり保持片332よりも窓枠2の内周側に、加熱発泡材80が取り付けられる加熱発泡材取付面334が設けられている。
【0035】
係合部34は、樹脂縦枠35が係合される部分であり、見込み片部321および見付け片331の接合部から室内側に延出された延出片341と、延出片341の室内側端部から窓枠内周側に延出された断面L字状の係合片342と、延出片341において係合片342の室外側から窓枠内周側に延出された突片343とを備えている。
【0036】
樹脂縦枠35は、樹脂下枠25や樹脂上枠15と同様に、金属縦枠31が室内空間に露出しないように、見付け片331、延出片341を被覆して断熱性能を向上させるものである。この樹脂縦枠35は、見込み方向に延出された見込み片部351と、見込み片部351から窓枠2の内周側に延出された見付け片部352と、見付け片部352の先端部から室外側に延出されて突起333に係合する係合片部353と、見込み片部351の室外側端部から窓枠2の外周側に延出されて見付け片331に形成される突起に係止される第1係止片354と、見込み片部351の見込み方向中間位置から外周側に延出され、係合片342、突片343間に挿入されて係止される第2係止片355と、係合片部353から室外側に延出された第2タイト材356と、を備えている。見付け片部352は、見付け片331から室内側に離れて配置され、樹脂上枠15の見付け片部152と上下方向に連続する位置に配置されている。
樹脂縦枠35は、第2タイト材356以外は硬質樹脂で形成され、第2タイト材356は軟質樹脂で形成された二色押出成形品である。
【0037】
[縦框]
縦框60は、上框40、下框50と類似する構造である。
縦框60の金属縦框61は、縦框本体62と、当接部63とを備えている。縦框本体62は、見込み方向に沿って延長された見込み片621と、見込み片621の室外端部から面材4が配置される内周側に延出された室外係合片622と、見込み片621の室内端部から内周側に延出された室内保持片623とを備えて構成されている。
見込み片621の縦枠30に対向する外周面の室外側端部には、一対の保持片が形成され、第3タイト材73が保持されている。
見込み片621および室外係合片622には、押縁64が係合されている。押縁64と室内保持片623との間に複層ガラスである面材4が、バックアップ材、シール材を介して保持されている。
【0038】
当接部63は、縦框本体62から室内側に突出された部分であり、当接部43、53と同様に、室内保持片623から室内側に延出された外周側見込み片631および内周側見込み片632と、外周側見込み片631および内周側見込み片632の室内側端部間を連結する当接片633とを備える。
内周側見込み片632の内周面には断面L字状の係合片が形成されている。外周側見込み片631の外周面にも断面L字状の係合片が形成され、室内保持片623にはこの係合片に対向する突片が形成されている。
【0039】
樹脂縦框65は、樹脂下框55と同一断面形状の部品であるため、説明を省略する。樹脂縦框65の室内面は、当接片633の室内面と見込み方向の位置が同一とされ、各室内面が見付け方向に連続して面一となるように構成されている。
そして、当接部63は保持片332に対向する位置に設けられており、当接片633の室内面には第1タイト材70が当接する。また、樹脂縦框65は係合片部353に対向する位置に設けられており、樹脂縦框65の室内面には第2タイト材356が当接する。
【0040】
上枠10、下枠20、左右の縦枠30は、上枠10および下枠20に形成されたビスホールに縦枠30からタッピングねじをねじ込むことで枠組みされて、窓枠2を構成している。
上框40、下框50、左右の縦框60は、上框40および下框50に形成されたビスホールに縦框60からタッピングねじをねじ込むことで枠組みされて、障子3の框体を構成している。
また、左右の縦框60のうち、戸先側の縦框60にはハンドル90が取り付けられている。戸先側の縦框60に対向する縦枠30には、ハンドル90が係止される受け部品91が固定されている。なお、ハンドル90は、グレモンハンドルでもよいし、カムラッチハンドルでもよく、さらにオペレーターハンドルでもよい。
【0041】
[障子と窓枠との見込み方向の間隔寸法]
次に、本実施形態における窓枠2と障子3との見込み方向の間隔寸法に関して、図3に示す下枠20と下框50との間隔寸法を例示して説明する。
図3に示すように、窓枠2、障子3の金属下枠21と金属下框51との見込み方向の間隔寸法をL1とし、樹脂下枠25と樹脂下框55との見込み方向の間隔寸法をL2とする。具体的には、間隔寸法L1は、金属下框51の当接部53の室内面つまり金属框の室内面と、金属下枠21に取り付けられた第1タイト材70のベース部71の室外面、つまり金属枠において金属框の室内面に対向する支持面との見込み方向の間隔寸法である。
間隔寸法L2は、樹脂下框55の室内面つまり樹脂框の室内面と、樹脂下枠25の係合片部253の室外面、つまり樹脂枠において樹脂框の室内面に対向する対向面との見込み方向の間隔寸法である。
上枠10、縦枠30と、上框40、縦框60との間においても、金属上枠11、金属縦枠31の第1タイト材70のベース部71と、金属上框41、金属縦框61の当接部43、63との間の見込み方向の間隔寸法はL1であり、樹脂上框45、樹脂縦框65の室内面と、樹脂上枠15、樹脂縦枠35の係合片部153、353との間の見込み方向の間隔寸法はL2である。
このため、障子3が正圧によって室内側に押された際に、第1タイト材70の軟質樹脂製のヒレ部72や、各第2タイト材156、256、356が変形して潰れても、金属框の当接部43、53、63が、第1タイト材70のベース部71に当接する。ベース部71は、硬質樹脂で構成され、保持片132、232、332で保持されているので、障子3が当接した際の正圧による荷重は、ベース部71および保持片132、232、332を介して金属枠の戸当り部13、23、33で支持される。
そして、間隔寸法L2が間隔寸法L1よりも大きいため、金属框の当接部43、53、63が第1タイト材70のベース部71に当接した際、樹脂上框45、樹脂下框55、樹脂縦框65は、樹脂上枠15、樹脂下枠25、樹脂縦枠35に当接せず、樹脂上枠15、樹脂下枠25、樹脂縦枠35に正圧による力が加わることもない。
【0042】
[水密構造]
次に、窓枠2と障子3との間の水密構造について説明する。
窓枠2の上枠10、下枠20、縦枠30と、障子3の上框40、下框50、縦框60との間には、第1タイト材70と、第2タイト材156、256、356とが配置されている。すなわち、窓枠2および障子3の外周側には、第1タイト材70によるタイトラインが形成され、内周側には、第2タイト材156、256、356によるタイトラインが形成されている。これにより、窓枠2および障子3間では内外周の2重のタイトラインが形成されるので、高い水密性能を確保できる。
また、外周側の第1タイト材70の内周側に、樹脂上枠15、樹脂下枠25、樹脂縦枠35の第2タイト材156、256、356を配置しているので、第1タイト材70が室内側に露出せず、意匠性を向上できる。
さらに、金属上框41には上枠本体12の見込み片部121に当接する第3タイト材73が取り付けられ、金属縦框61には縦枠本体32の室外面部322に当接する第3タイト材73が取り付けられているので水密性能をさらに向上できる。
【0043】
金属下枠21の見付け片231と、金属縦枠31の見付け片331とは、図4に示すように、見付け片231の左右両端部分に切欠部2311が形成され、この切欠部2311に見付け片331の下端が当接されている。同様に、図示を省略するが、金属上枠11の見付け片131の左右両端部分にも切欠部が形成され、この切欠部に見付け片331の上端が当接されている。
また、樹脂下枠25の左右両端には、図5に示すように、見付け片331と干渉しないように切欠部2511が形成されている。この切欠部2511は、見付け片331の室内面から室内側に離れて形成されており、切欠部2511と見付け片331との間には隙間が形成されている。なお、図示を省略するが、樹脂上枠15の左右両端も同様に切り欠かれている。
見付け片131、231および見付け片331の当接部分は、金属材同士のメタルタッチとなり、特に風圧などで室内外に圧力差が生じた場合などに、メタルタッチ部分から見付け片131、231、331の室内側に雨水などが浸入する可能性がある。このメタルタッチ部分から浸入した雨水は、以下の経路で排出することができる。
見付け片131の切欠部と見付け片331とのメタルタッチ部分の室内側には、樹脂上枠15の見付け片部152が空間を介して配置されている。このため、見付け片131および見付け片331のメタルタッチ部分から浸入した雨水は、見付け片131および見付け片部152間の空間に落下し、係合片部153の切欠部分から下方に落下する。係合片部153の下側には、図6に示すように、樹脂縦枠35が配置され、見付け片331と見付け片部352との間に上下に連通する空間が形成されているので、前記雨水はこの空間を通じて流れ落ち、樹脂下枠25の切欠部2511と見付け片331との隙間から延出片241上に流れ落ちる。
延出片241の室内外には、見付け片231および突片243が形成されて凹溝状に形成されているので、延出片241上に浸入した雨水がさらに室内側に浸入することを防止できる。なお、この凹溝に浸入した雨水は、例えば、延出片241の端部などに排水穴を形成して、延出片241の下側にある中空部246に排出し、さらに中空部246の室外面である見付け片231に形成した排出穴から排出することができる。
【0044】
[防火構造]
次に、縦すべり出し窓1の防火構造について説明する。
縦すべり出し窓1の窓枠2および障子3には、防火性能を確保するために加熱発泡材80、85が取り付けられている。
すなわち、上枠10、下枠20、縦枠30の戸当り部13、23、33においては、第1タイト材70および第2タイト材156、256、356間の加熱発泡材取付面134、234、334に加熱発泡材80が取り付けられている。これにより、例えば、室外火災によってアルミ押出形材である上枠本体12、下枠本体22、縦枠本体32が高温となり、第1タイト材70が発火した場合に、加熱発泡材80が発泡するため、合成樹脂製の樹脂上枠15、樹脂下枠25、樹脂縦枠35が発火することを防止できる。
また、縦枠30の見付け片331の保持片332の外周側にも加熱発泡材80が取り付けられ、見込み片部321の室内側端部、つまり見付け片331との接続部分にも加熱発泡材80が取り付けられている。さらに、縦枠30の見込み片部321の室外側端部と、室外面部322の内周側端部の室内面とにも加熱発泡材80が取り付けられている。
【0045】
さらに、障子3にも加熱発泡材85が取り付けられている。すなわち、図1に示すように、上框40においては、見込み片421の上面および下面と、内周側見込み片432の下面とに、加熱発泡材85が取り付けられている。
また、下框50においては、見込み片521の上面と、室内保持片523の外周側見込み片531よりも下側の室内面と、内周側見込み片532の上面とに、加熱発泡材85が取り付けられている。
さらに、左右の各縦框60においては、見込み片621の外周面および内周面と、内周側見込み片632の内周面とに、加熱発泡材85が取り付けられている。
これらの各加熱発泡材80、85によって、火災時には窓枠2および障子3の隙間が塞がれ、障子3と面材4との隙間も塞がれて、縦すべり出し窓1の防火性能が確保されている。
【0046】
[第1実施形態の作用効果]
本実施形態の縦すべり出し窓1によれば、障子3の金属上框41、金属下框51、金属縦框61に当接部43、53、63を形成し、これらの当接部43、53、63を金属枠の支持面となる第1タイト材70のベース部71に対向させ、当接部43、53、63の室内面と、前記支持面であるベース部71との見込み方向の間隔寸法L1を、樹脂上框45、樹脂下框55、樹脂縦框65の室内面と、樹脂上枠15、樹脂下枠25、樹脂縦枠35の対向面との見込み方向の間隔寸法L2よりも小さくしたので、障子3に正圧が加わった場合に、当接部43、53、63がベース部71に当接してその荷重を支持でき、樹脂上框45、樹脂下框55、樹脂縦框65が、樹脂上枠15、樹脂下枠25、樹脂縦枠35に当接することを防止できる。このため、屋外からの風圧を障子3が受けても、金属枠である金属上枠11、金属下枠21、金属縦枠31で荷重が支持されるため、樹脂上框45、樹脂下框55、樹脂縦框65や、樹脂上枠15、樹脂下枠25、樹脂縦枠35が外れることを防止できる。したがって、縦すべり出し窓1の耐風圧性能を向上でき、ビル等に設置することができる。
また、金属枠側の支持面を第1タイト材70のベース部71で構成しているので、金属製の当接部43、53、63がベース部71に衝突した際の衝撃を吸収でき、当接部43、53、63が傷付くことも防止できる。
【0047】
金属枠である金属上枠11、金属下枠21、金属縦枠31に第1タイト材70を取り付け、樹脂上枠15、樹脂下枠25、樹脂縦枠35に第2タイト材156、256、356を設けたので、窓枠2および障子3間において内外周の二重のタイトラインを形成したので、高水密性能を確保できる。
また、外周側の第1タイト材70の内周側を、第2タイト材156、256、356で覆っているので、第1タイト材70が室内側に露出することを防止でき、意匠性を向上できる。
【0048】
窓枠2および障子3に加熱発泡材80、85が取り付けられているので、防火性能を確保できる。また、金属上枠11、金属下枠21、金属縦枠31において、第1タイト材70よりも内周側に加熱発泡材取付面134、234、334を設けているので、加熱発泡材80を取り付けるためのアタッチメントを不要にできる。これにより、コストを低減でき、意匠性を向上できる。
また、第1タイト材70と、第2タイト材156、256、356との間に加熱発泡材80が配置されているので、仮に第1タイト材70が発火したとしても第2タイト材156、256、356が発火することを防止できる。すなわち、第2タイト材156、256、356は、樹脂形材である樹脂上枠15、樹脂下枠25、樹脂縦枠35によって断熱されているので、金属上枠11、金属下枠21、金属縦枠31が火災で高温となっても発火することはない。したがって、第1タイト材70が発火しても、加熱発泡材80が発泡して炎を遮断できるので、第2タイト材156、256、356が発火することを防止できる。
【0049】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の建具について、図7を参照して説明する。第2実施形態の建具は、図7に示すように、下枠20の樹脂下枠25Bの構成が第1実施形態と相違する。樹脂下枠25Bは、係合片部253から断面L字状に延出されたカバー部257を備え、第2タイト材を備えていない。なお、図示を省略するが、上枠10や縦枠30においても、第2タイト材を備えずにカバー部を備える樹脂上枠や樹脂縦枠を用いればよい。
【0050】
樹脂下枠25Bのカバー部257は、樹脂下框55の上面よりも上方に延出され、さらにカバー部257の室外側端縁は樹脂下框55の室内面よりも室外側の位置まで延長され、下枠20と下框50との見込み方向の隙間を覆うことができる。
また、当接部53の室内面と、ベース部71つまり支持面との見込み方向の間隔寸法L1は、樹脂下框55の室内面と、樹脂下枠25Bのカバー部257の対向面との見込み方向の間隔寸法L2よりも小さい。
【0051】
第2実施形態の建具によれば、間隔寸法L1がL2よりも小さいため、前記第1実施形態と同様に耐風圧性能を向上できる。また、加熱発泡材80が加熱発泡材取付面234に取り付けられているので、防火性能を確保でき、アタッチメントも不要にできる。
さらに、第2タイト材の代わりにカバー部257を設けているので、第1タイト材70が室内側に露出することを防止でき、意匠性を向上できる。
【0052】
[変形例]
本発明の建具としては、前記実施形態の縦すべり出し窓1に限らず、すべり出し窓、外開き窓、突出し窓、外倒し窓などの、障子が窓枠に対して開閉される各種の建具が利用できる。また、段窓や連窓に設けられる開き窓にも適用できる。
前記実施形態では、金属枠に第1タイト材70を取り付けていたが、金属框つまり金属上框41、金属下框51、金属縦框61に第1タイト材を取り付けてもよい。
同様に、第2タイト材は、樹脂上框45、樹脂下框55、樹脂縦框65に設けてもよい。さらに、第2実施形態では、カバー部257を樹脂上枠15、樹脂下枠25B、樹脂縦枠35に形成していたが、樹脂上框45、樹脂下框55、樹脂縦框65にカバー部を形成してもよい。
【0053】
第1実施形態では、金属枠の支持面を第1タイト材70のベース部71で構成していたが、第1タイト材70ではなく、当接部43、53、63に対向する位置に金属枠と一体の支持片を形成して支持面としてもよい。
【0054】
[本発明のまとめ]
本発明は、窓枠と、前記窓枠に対して開閉可能に取り付けられた障子とを備える建具であって、前記窓枠は、金属枠と樹脂枠とを備え、前記障子は、金属框と樹脂框とを備え、前記金属枠は、前記金属框の室内面に対向する支持面を備え、前記樹脂枠は、前記樹脂框の室内面に対向する対向面を備え、前記金属框の室内面と前記支持面との見込み方向の間隔寸法は、前記樹脂框の室内面と前記対向面との見込み方向の間隔寸法よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、窓枠および障子を、金属枠、金属框と、樹脂枠、樹脂框とを組み合わせた複合建具で構成したので断熱性能を向上できる。また、金属框の室内面と金属枠の支持面との見込み方向の間隔寸法を、樹脂框の室内面と樹脂枠の対向面との見込み方向の間隔寸法よりも小さくしているので、障子に正圧が加わった場合に、金属框の室内面が金属枠の支持面に当接し、樹脂框と樹脂枠とは当接しないので、樹脂框や樹脂枠が当接によって外れることを防止でき、耐風圧性能を向上できる。
【0055】
本発明の建具において、前記金属枠または前記金属框の一方には他方に当接する第1タイト材が取り付けられ、前記樹脂枠または前記樹脂框の一方には他方に当接する第2タイト材が設けられていることが好ましい。
本発明によれば、第1タイト材と第2タイト材とで二重のタイトラインを構成できるので、高水密性能を確保できる。
【0056】
本発明の建具において、前記金属枠または前記金属框の一方には他方に当接する第1タイト材が取り付けられ、前記樹脂枠または前記樹脂框の一方は、前記第1タイト材の内周側を覆うカバー部を有していることが好ましい。
本発明によれば、第1タイト材の内周側を覆うカバー部を設けているので、第1タイト材が室内側に露出することを防止でき、意匠性を向上できる。
【0057】
本発明の建具において、前記第1タイト材は、硬質樹脂製のベース部と、軟質樹脂製のヒレ部とを備え、前記第1タイト材が前記金属枠に取り付けられている場合は、前記支持面は前記ベース部で構成され、前記第1タイト材が前記金属框に取り付けられている場合は、前記金属框の室内面は前記ベース部で構成されることが好ましい。
本発明によれば、第1タイト材の硬質樹脂製のベース部で支持面や室内面を構成できるので、障子に正圧が加わった際に金属材同士が当接することを防止でき、当接時の衝撃を弱めて金属材に傷が付くことを防止できる。
【0058】
本発明の建具において、前記金属枠または前記金属框の少なくとも一方は、前記第1タイト材よりも内周側に位置し、前記金属枠または前記金属框の他方に対向する加熱発泡材取付面を有し、前記加熱発泡材取付面には加熱発泡材が取り付けられていることが好ましい。
本発明によれば、第1タイト材の内周側に加熱発泡材を配置できるので、火災時に金属枠や金属框が高温となって第1タイト材が発火しても、その炎を加熱発泡材で遮断でき、室内側への延焼を防止できる。また、金属枠や金属框に加熱発泡材取付面を設けているので、加熱発泡材を配置するための別体のアタッチメントを用意する必要が無く、コストを低減でき、意匠性も向上できる。
【符号の説明】
【0059】
1…縦すべり出し窓、2…窓枠、3…障子、10…上枠、11…金属上枠、12…上枠本体、13…戸当り部、14…係合部、15…樹脂上枠、20…下枠、21…金属下枠、22…下枠本体、23…戸当り部、24…係合部、25…樹脂下枠、25B…樹脂下枠、30…縦枠、31…金属縦枠、32…縦枠本体、33…戸当り部、34…係合部、35…樹脂縦枠、40…上框、41…金属上框、42…上框本体、43…当接部、45…樹脂上框、50…下框、51…金属下框、52…下框本体、53…当接部、55…樹脂下框、60…縦框、61…金属縦框、62…縦框本体、63…当接部、65…樹脂縦框、70…第1タイト材、71…ベース部、72…ヒレ部、80…加熱発泡材、85…加熱発泡材、134…加熱発泡材取付面、156…第2タイト材、234…加熱発泡材取付面、256…第2タイト材、257…カバー部、334…加熱発泡材取付面、356…第2タイト材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7