(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109160
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】容器詰飲料、およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 2/00 20060101AFI20240806BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20240806BHJP
A23L 2/58 20060101ALI20240806BHJP
A23L 5/43 20160101ALI20240806BHJP
【FI】
A23L2/00 A
A23L2/52 101
A23L2/58
A23L5/43
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013787
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】596126465
【氏名又は名称】アサヒ飲料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】木下 藍子
【テーマコード(参考)】
4B018
4B117
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018MA01
4B018MA07
4B018MD10
4B018MD52
4B018MD53
4B018MD94
4B018MF04
4B117LE10
4B117LG02
4B117LG03
4B117LG08
4B117LK09
4B117LL03
4B117LP14
4B117LP17
(57)【要約】
【課題】飲料中に生成され得る液色と異なる色の凝集物の視認を抑制できる新規な技術を提供する。
【解決手段】果実および/または野菜由来の不溶性固形分と、脂溶性色素と、ジグリセリンモノミリステートとを含み、以下の(A)~(C)を満たす、ホットパック充填法により充填された容器詰飲料。
(A)ジグリセリンモノミリステートの含有量が0.005~0.5g/L
(B)シリコーン樹脂をさらに含有し、その含有量が0.0001~0.1g/L
(C)不溶性固形分の含有量が0.02~0.5%
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
果実および/または野菜由来の不溶性固形分と、脂溶性色素と、ジグリセリンモノミリステートとを含み、以下の(A)~(C)を満たす、ホットパック充填法により充填された容器詰飲料。
(A)ジグリセリンモノミリステートの含有量が0.005~0.5g/L
(B)シリコーン樹脂をさらに含有し、その含有量が0.0001~0.1g/L
(C)不溶性固形分の含有量が0.02~0.5%
【請求項2】
充填されるときの飲料の温度が60~120℃である、請求項1に記載の容器詰飲料。
【請求項3】
前記脂溶性色素としてマリーゴールド色素および/またはカロテノイド色素を含む、請求項1に記載の容器詰飲料。
【請求項4】
果実および/または野菜由来の不溶性固形分と、脂溶性色素と、ジグリセリンモノミリステートと、シリコーン樹脂とを含み、以下の(a)~(c)を満たすように飲料を調製し、
得られた飲料をホットパック充填法により充填することを含む、容器詰飲料の製造方法。
(a)ジグリセリンモノミリステートの含有量が0.005~0.5g/L
(b)シリコーン樹脂の含有量が0.0001~0.1g/L
(c)不溶性固形分の含有量が0.02~0.5%
【請求項5】
果実および/または野菜由来の不溶性固形分と、脂溶性色素と、ジグリセリンモノミリステートとを含み、ホットパック充填法により充填される容器詰飲料における液色と異なる色の凝集物の視認の抑制方法であって、
以下の(A)~(C)を満たすように飲料を調製することを含む、前記抑制方法。
(A)ジグリセリンモノミリステートの含有量が0.005~0.5g/L
(B)シリコーン樹脂をさらに含有し、その含有量が0.0001~0.1g/L
(C)不溶性固形分の含有量が0.02~0.5%
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器詰飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
摂取者の多様なニーズに合わせるため、果実または野菜由来の成分を含んだ飲料が提案されている(例えば特許文献1)。
【0003】
一方、飲食品において外観を鮮やかにすることなどを目的として着色料を添加して製造する態様が従来から多く採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、飲料中に生成され得る液色と異なる色の凝集物の視認を抑制できる新規な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、果実または野菜由来の成分と脂溶性色素とジグリセリンモノミリステートとを含む飲料を調製し、これをホットパック充填法により容器に充填しようとしたところ、液色と異なる色(液色よりも濃い色)の凝集物が生じてしまうことに気が付いた。
当該液色と異なる色の凝集物は、容器に充填される飲料が充填前に高温で泡立つなどすることで果実または野菜由来の不溶性固形分とジグリセリンモノミリステートが凝集物を形成し、さらに該凝集物のまわりに脂溶性色素が付着することで生成するものと考えられた。
液色と異なる色の凝集物が視認できる状態にあると飲料の商品価値が削がれることがあり、好ましくない。
【0007】
鋭意研究の結果、本発明者は、飲料中に所定の含有量でシリコーン樹脂を含有させるとともに、果実および/または野菜由来の不溶性固形分とジグリセリンモノミリステートとをそれぞれ所定の含有量とすることで凝集物の視認を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]
果実および/または野菜由来の不溶性固形分と、脂溶性色素と、ジグリセリンモノミリステートとを含み、以下の(A)~(C)を満たす、ホットパック充填法により充填された容器詰飲料。
(A)ジグリセリンモノミリステートの含有量が0.005~0.5g/L
(B)シリコーン樹脂をさらに含有し、その含有量が0.0001~0.1g/L
(C)不溶性固形分の含有量が0.02~0.5%
[2]
充填されるときの飲料の温度が60~120℃である、[1]に記載の容器詰飲料。
[3]
前記脂溶性色素としてマリーゴールド色素および/またはカロテノイド色素を含む、[1]または[2]に記載の容器詰飲料。
[4]
果実および/または野菜由来の不溶性固形分と、脂溶性色素と、ジグリセリンモノミリステートと、シリコーン樹脂とを含み、以下の(a)~(c)を満たすように飲料を調製し、
得られた飲料をホットパック充填法により充填することを含む、容器詰飲料の製造方法。
(a)ジグリセリンモノミリステートの含有量が0.005~0.5g/L
(b)シリコーン樹脂の含有量が0.0001~0.1g/L
(c)不溶性固形分の含有量が0.02~0.5%
[5]
果実および/または野菜由来の不溶性固形分と、脂溶性色素と、ジグリセリンモノミリステートとを含み、ホットパック充填法により充填される容器詰飲料における液色と異なる色の凝集物の視認の抑制方法であって、
以下の(A)~(C)を満たすように飲料を調製することを含む、前記抑制方法。
(A)ジグリセリンモノミリステートの含有量が0.005~0.5g/L
(B)シリコーン樹脂をさらに含有し、その含有量が0.0001~0.1g/L
(C)不溶性固形分の含有量が0.02~0.5%
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、飲料中に生成され得る液色と異なる色の凝集物の視認を抑制できる新規な技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の1つの実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態は、果実および/または野菜由来の不溶性固形分と、脂溶性色素と、ジグリセリンモノミリステートとを含み、ホットパック充填法により充填された容器詰飲料に関する。さらに、本実施形態の容器詰飲料は、以下の(A)、(B)および(C)を満足する。
(A)ジグリセリンモノミリステートの含有量が0.005~0.5g/L
(B)シリコーン樹脂をさらに含有し、その含有量が0.0001~0.1g/L
(C)不溶性固形分の含有量が0.02~0.5%
なお、本実施形態において、含有量とは、容器内の飲料(内容物)における含有量を意味する。
【0011】
本明細書において、果実および/または野菜由来の不溶性固形分とは、果物または野菜の果肉や果皮などに由来する水に不溶である成分をいう。例えば、柑橘類果実の場合、アルベドやフラベドなどの果皮やさのう、じょうのう、じょうのう膜などの果皮に由来する。また、にんじんの場合は、食用とされる根やその皮などに由来する。
本実施形態に係る飲料において、不溶性固形分の含有量は0.02~0.5%である。0.02%未満である場合、液色と異なる色の凝集物が生じないか、もしくは生じても極めて僅かなため、視認されない。また、0.5%より多い場合も、濁りや沈殿等により液色と異なる色の凝集物を視認できない。
【0012】
不溶性固形分の含有量は、例えば、飲料中における果実および/または野菜由来の成分の比率等を変更することなどにより調整できる。
また、不溶性固形分の含有量の測定方法は、例えば「最新果汁・果実飲料事典」、(社)日本果汁協会、574ページに記載の遠心分離法により得ることができる。
具体的には、遠心沈降管に試料を入れ、回転半径14.5cmの遠心分離機で、20℃において3,000回転、10分間遠心し、沈殿物の容量%を不溶性固形分測定用遠心沈殿管(目盛り付き)で読み取り、その体積を全試料の体積の百分率として表わす。
【0013】
脂溶性色素は、対象(容器に充填される飲料)の外観に色を付与することを目的として添加される、脂溶性の成分をいう。脂溶性色素は、乳化色素製剤(脂溶性色素が乳化剤の作用により粒子(乳化粒子)に含まれて水中に分散することによりエマルジョンの状態を呈している、水中油型組成物)の態様で添加されるようにしてもよい。
脂溶性色素としては、マリーゴールド色素、カロテノイド色素、リコピン色素などを挙げることができ、これらのうちマリーゴールド色素、カロテノイド色素の少なくともいずれかを含有することが好ましい。
本実施形態に係る飲料における脂溶性色素の含有量については特に限定されず、当業者が適宜設定でき、例えば0.1~1.0g/Lとすることができる。
【0014】
ジグリセリンモノミリステートはグリセリンの2量体に1分子のミリスチン酸がエステル結合した化合物である。
本実施形態に係る飲料において、ジグリセリンモノミリステートの含有量は0.005~0.5g/Lであり、好ましくは0.01~0.2g/Lである。
【0015】
シリコーン樹脂はシロキサン結合を主骨格にもつ高分子である。シリコーン樹脂は、例えば飲料の泡立ちを抑えることができる消泡剤としての作用を有するものを用いることができ、食品に添加可能であれば特に限定されず使用することができる。
本実施形態に係る飲料において、シリコーン樹脂の含有量は0.0001~0.1g/Lであり、好ましくは0.0001~0.05g/Lであり、より好ましくは0.0001~0.01g/Lである。
【0016】
ジグリセリンモノミリステート、シリコーン樹脂の含有量は、使用される原材料などから算出することができる。
また、ジグリセリンモノミリステートの含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することもできる。
シリコーン樹脂の含有量についても、ICP-AES法により測定することもできる。
【0017】
本実施形態に係る飲料は、本発明の効果を得ることができる範囲で必要に応じて他の成分を適宜、飲料中に含ませることができ、特に限定されない。
具体的には、糖類や高甘味度甘味料などの甘味料、果汁、野菜汁、ミネラル、酸味料、香料、ビタミン、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定化剤、増粘剤などの、飲食品に通常配合される成分を含有することができる。
また、本実施形態において、飲料の糖度や酸度、pHは特に限定されず、当業者は適宜設定できる。
【0018】
果汁とは、果実を破砕して搾汁又は裏ごし等をし、必要に応じて皮、種子等を除去した液体成分をいう。
果汁が由来する果物については、例えば、柑橘類、バラ科植物の果物、ブドウ、パイナップル、グァバ、バナナ、マンゴー、アセロラ、ライチ、パパイヤ、パッションフルーツ、ブルーベリー、キウイフルーツ、メロンなどが挙げられる。柑橘類としてはオレンジ、うんしゅうみかん、グレープフルーツ、レモン、ライム、柚子、いよかん、なつみかん、はっさく、ポンカン、シークワーサー、かぼす等が例示できる。また、バラ科植物の果物としてはアンズ、イチゴ、ウメ、サクランボ、スモモ、西洋ナシ、日本梨、ビワ、モモ、リンゴ、プルーン、ラズベリーなどが例示できる。
野菜汁とは、果汁同様に野菜を破砕して搾汁又は裏ごし等をし、必要に応じて皮、種子等を除去した液体成分をいう。
野菜汁が由来する野菜については、例えば、ニンジン、タマネギ、ブロッコリー、カブ大根、キャベツ、芽キャベツ、芽キャベツの葉、セロリ、ホウレンソウ、ピーマン、アスパラガス、大麦若葉、春菊、白菜、カラシ菜、サラダ菜、小松菜、チンゲン菜、明日葉、甘藷、馬鈴薯、トマト、モロヘイヤ、パプリカ、クレソン、パセリ、セロリ、三つ葉、レタス、ラディッシュ、ケール、メキャベツの葉、紫蘇、茄子、大根、インゲン、カボチャ、牛蒡、ネギ、生姜、大蒜、ニラ、高菜、カリフラワー、トウモロコシ、さやえんどう、オクラ、かぶ、きゅうり、コールラビ、ウリ、ズッキーニ、へちま、もやし、各種スプラウト類等が挙げられる。
例えばこれらのうち1種または2種以上の果物の果汁や野菜の野菜汁が選択されて本実施形態の飲料に含有されるようにしてもよい。
また、果汁や野菜汁は、搾汁処理や抽出処理により得られるものをそのまま飲料中に添加してもよいほか、例えば濃縮、還元、発酵、凍結乾燥といった処理を経て飲料中に添加されたものであってもよい。
【0019】
本実施形態の飲料は、飲料(内容物)が容器に充填されて封入される容器詰飲料である。また、本実施形態の飲料は、ホットパック充填法により充填されている容器詰飲料である。
ここで、ホットパック充填法とは、加熱された飲料(内容物)を冷却処理に供することなく容器に充填し、その後密封する充填方法をいう。ホットパック充填法においては加熱された飲料によって容器内面をも殺菌する。
容器の種類はホットパック充填法に使用可能である限り特に限定されず、例えば、紙容器、透明又は半透明のビン、PETボトル等の透明又は半透明のプラスチック容器、スチール缶やアルミニウム缶等の金属缶等が挙げられる。このうち、透明である容器(内容物が透けて見える容器)に充填される場合、生成した液色と異なる色の凝集物がより視認されやすい状態にあるため、本実施形態に係る不溶性固形分含有量、ジグリセリンモノミリステート含有量およびシリコーン樹脂含有量が適用されることが好ましい。
充填されるときの飲料の温度は特に限定されず、当業者が適宜設定でき、60~120℃が好ましい。
【0020】
本実施形態の容器詰飲料は、果実および/または野菜由来の不溶性固形分と、脂溶性色素と、ジグリセリンモノミリステートと、シリコーン樹脂とを含み、以下の(a)~(c)を満たすように飲料を調製し、
得られた飲料をホットパック充填法により充填することを含む、容器詰飲料の製造方法により製造することができる。
(a)ジグリセリンモノミリステートの含有量が0.005~0.5g/L
(b)シリコーン樹脂の含有量が0.0001~0.1g/L
(c)不溶性固形分の含有量が0.02~0.5%
【0021】
具体的には、例えば、不溶性固形分を含む果実および/または野菜由来の成分と、脂溶性色素と、ジグリセリンモノミリステートと、シリコーン樹脂と、液体原料と、必要によって加えられるその他の成分とを、(a)ジグリセリンモノミリステートの含有量が0.005~0.5g/L、(b)シリコーン樹脂の含有量が0.0001~0.1g/L、および(c)不溶性固形分の含有量が0.02~0.5%となるように混合することにより飲料を調製する。
液体原料は水のほか、上述の他の成分の溶液や分散液であってもよい。各成分は液体原料に同時に配合されてもよく、また、それぞれが別々に液体原料に配合されてもよく、さらにその順番も特に限定されない。
【0022】
上述のようにして得られた飲料に対しては殺菌処理を行なうようにしてもよい。
殺菌処理は、例えば、飲料の温度が60~120℃となるように加熱することで行うことができる。加熱時間は特に限定されず、当業者が適宜設定できる。
【0023】
得られた本実施形態の飲料は、上述のとおり容器に充填して容器詰飲料とする。本実施形態に係る容器に充填する方法はホットパック充填法であり、例えば、殺菌のために加熱した飲料を冷却処理に供することなく容器に充填し(充填するときの飲料の温度は例えば60℃以上)、その後、冷却する。
【0024】
以上、本実施形態によれば、果実および/または野菜由来の不溶性固形分と、脂溶性色素と、ジグリセリンモノミリステートとを含み、ホットパック充填法により充填される容器詰飲料において、シリコーン樹脂をその含有量を0.0001~0.1g/Lとして含有させ、ジグリセリンモノミリステートの含有量を0.005~0.5g/L、不溶性固形分の含有量を0.02~0.5%とすることで、凝集物が視認されるのを抑えることができる。これは、本実施形態に係る数値範囲とすることで、脂溶性色素が付着する凝集物の形成が抑制されることによるものと考えられる。
そのため、本実施形態によれば、容器詰飲料の商品価値の向上に寄与することが可能である。
【実施例0025】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0026】
[試験1]
表1に記載の飲料を調合し、96℃達温殺菌した。殺菌した飲料をガス洗浄瓶に200ml入れて、エアーポンプを連結しエアーを1.5L/minの速度で10分間流入し、製品液を発泡させた。発泡させるときの飲料の温度は表1に示す温度とした。エアー流入終了後、冷却処理を行うことなく直ちにPETボトルに充填(そのため、発泡時温度は充填されるときの温度に等しいといえる)、冷却して容器詰飲料とした。
得られた容器詰飲料について、凝集物が見えるか見えないかを目視により判定した。
【0027】
【0028】
表1から理解できるとおり、オレンジ混濁濃縮果汁由来の不溶性固形分、ジグリセリンモノミリステート、および脂溶性色素を含む飲料が加熱殺菌後、容器充填前にホットパック充填法での温度で発泡されることにより、液色と異なる色の凝集物が視認されるようになった。一方、シリコーン樹脂を添加した実施例1、2においては液色と異なる色の凝集物は視認されなかった。
【0029】
[試験2]
表2、3に記載の飲料を調合し、試験1と同様の方法で殺菌、充填処理を行い、容器詰飲料を得た。
得られた容器詰飲料について、試験1と同様に凝集物が見えるか見えないかを目視により判定した。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
表2、3、4から理解できるとおり、比較例において、液色と異なる色の凝集物が視認された。一方、シリコーン樹脂を添加した実施例においては、液色と異なる色の凝集物は視認されなかった。
参考例2および3では、凝集物が視認されなかった。不溶性固形分量が少ないため凝集物が発生しない、もしくは極めて僅かなため、見えないと考えられる。また、参考例4でも凝集物が視認されなかった。参考例4は不溶性固形分が多く、沈殿などにより凝集物が見えづらくなっているためと考えられる。
【0034】
[試験3]
表5に記載の飲料を調合し、試験1と同様の方法で殺菌、充填処理を行い、容器詰飲料を得た。
得られた容器詰飲料について、試験1と同様に凝集物が見えるか見えないかを目視により判定した。
【0035】
【0036】
表5から理解できるとおり、りんご混濁果汁、にんじん混濁汁においても同様に、シリコーン樹脂を添加しない比較例においては凝集物が視認され、シリコーン樹脂を添加した実施例では凝集物は視認されなかった。
一方で、マンゴーピューレを用いた参考例5、6では凝集物が視認されなかった。参考例5、6では不溶性固形分が多く、そもそも沈殿を生じるため凝集物が見えづらかったためと推察する。