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特開2024-109183杭施工情報記録システムおよびプログラム
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  • 特開-杭施工情報記録システムおよびプログラム 図1
  • 特開-杭施工情報記録システムおよびプログラム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109183
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】杭施工情報記録システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   E02D 5/22 20060101AFI20240806BHJP
   E02D 13/06 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
E02D5/22
E02D13/06
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013835
(22)【出願日】2023-02-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】591237076
【氏名又は名称】日邦電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130199
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 充弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 利典
【テーマコード(参考)】
2D041
2D050
【Fターム(参考)】
2D041BA44
2D050AA01
2D050FF01
2D050FF02
2D050FF03
2D050FF04
(57)【要約】
【課題】杭伏図上の杭と実際に施工された杭とを取り違えることを抑制し、杭の施工が杭伏図通りに行われたかどうかの確認を杭伏図上で容易に行うようにする。また、杭の施工から長期間が経過した後でも、各杭の品質と施工位置とを追跡できるようにする。
【解決手段】杭施工情報記録システム100は、施工管理装置30、端末40、60、およびサーバ10を備える。施工管理装置30は、杭の施工現場において、施工された杭の位置情報を含む、杭の施工に関する杭施工情報を取得し、サーバ10は、杭施工情報および杭伏図データに基づいて生成された、杭伏図データに杭の施工状況が付加された杭施工状況データを保存し、施工管理装置30および/または端末40、60は、杭施工状況データに基づいて、杭伏図に杭の施工状況が付加された杭施工状況図300を表示する。杭の施工状況が杭伏図とともにリアルタイムで記録・表示・共有される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
杭伏図に基づいた杭の施工に関する情報を記録する、杭施工情報記録システムであって、
通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続される、施工管理装置、端末、およびサーバを備え、
前記施工管理装置は、
杭の施工現場において、施工された杭の位置情報を含む、杭の施工に関する杭施工情報を取得し、
前記サーバは、
前記杭施工情報および杭伏図データに基づいて生成された、前記杭伏図データに杭の施工状況が付加された杭施工状況データを保存し、
前記施工管理装置および/または前記端末は、
前記杭施工状況データに基づいて、杭伏図に杭の施工状況が付加された杭施工状況図を表示する、
杭施工情報記録システム。
【請求項2】
前記杭施工状況図は、各杭の位置が図面上に表示されており、
前記杭の施工状況として、各杭について、施工済、施工中、または未施工のいずれかであることが区別して表示される、
請求項1に記載の杭施工情報記録システム。
【請求項3】
前記施工管理装置および/または前記端末は、
前記杭施工状況図を表示した状態において、杭が選択された場合、当該選択された杭についての前記杭施工情報を表示する、
請求項1に記載の杭施工情報記録システム。
【請求項4】
前記杭施工情報は、
前記端末が取得した杭の施工に関する情報を含み、
前記サーバは、
前記施工管理装置および前記端末によって取得した前記杭施工情報、および前記杭伏図データに基づいて生成された、前記杭伏図データに杭の施工状況が付加された前記杭施工状況データを保存する、
請求項1に記載の杭施工情報記録システム。
【請求項5】
前記サーバは、
複数の施工現場について、各施工現場の位置情報と、各施工現場における前記杭施工状況データを保存しており、
前記通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続された端末は、各施工現場の位置情報、および各施工現場における前記杭施工状況データを広域地図とともに表示可能である、
請求項1に記載の杭施工情報記録システム。
【請求項6】
前記広域地図には、各施工現場の位置情報が表示されており、
閲覧するユーザーが前記位置情報のいずれかを選択し、当該ユーザーが所定の条件を満たしている場合には、前記選択された位置情報に関連付けられた施工現場の前記杭施工状況データが表示される、
請求項5に記載の杭施工情報記録システム。
【請求項7】
杭伏図に基づいた杭の施工に関する情報を記録する、杭施工情報記録システムにおいて、
杭の施工現場において使用される施工管理装置および端末と通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続され、杭施工情報および杭伏図データに基づいて生成された、前記杭伏図データに杭の施工状況が付加された杭施工状況データを保存する、サーバを備え、
前記施工管理装置のコンピュータを、
施工された杭の位置情報を含む、杭の施工に関する前記杭施工情報を取得し、前記サーバに保存された前記杭施工状況データに基づいて、杭伏図に杭の施工状況が付加された杭施工状況図を表示するように機能させる、プログラム。
【請求項8】
杭伏図に基づいた杭の施工に関する情報を記録する、杭施工情報記録システムにおいて、
杭の施工現場において使用される施工管理装置および端末と通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続され、杭施工情報および杭伏図データに基づいて生成された、前記杭伏図データに杭の施工状況が付加された杭施工状況データを保存する、サーバを備え、
前記端末のコンピュータを、
前記サーバに保存された前記杭施工状況データに基づいて、杭伏図に杭の施工状況が付加された杭施工状況図を表示するように機能させる、プログラム。
【請求項9】
杭伏図に基づいた杭の施工に関する情報を記録する、杭施工情報記録システムにおいて、
杭の施工現場において使用され、施工された杭の位置情報を含む、杭の施工に関する杭施工情報を取得する施工管理装置、および端末を備え、
サーバのコンピュータを、
前記施工管理装置および前記端末と通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続され、前記杭施工情報および杭伏図データに基づいて生成された、前記杭伏図データに杭の施工状況が付加された杭施工状況データを保存するように機能させ、
前記施工管理装置および前記端末は、前記サーバに接続することで、前記杭施工状況データに基づいて、杭伏図に杭の施工状況が付加された杭施工状況図を表示する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭の施工に関する情報を、杭伏図とともに記録・表示・共有する、杭施工情報記録システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、構造物を建設する際の基礎として、地盤に杭基礎を設置する杭基礎工法が知られている。杭基礎工法として各種の工法が知られており、例えば鋼管の先端に螺旋翼が設けられた鋼管杭を杭打機と呼ばれる建設機械で地盤に回転圧入する回転圧入工法などが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
杭基礎の設計は、地盤の地質条件、建設する構造物の特性、施工条件など様々な条件を考慮して行われる。そして、杭番号、杭の種類(鋼管杭、コンクリート杭など)、杭を地盤に打ち込む位置(杭芯の位置)など、杭の施工に関する情報が記載された杭伏図が作成される。
【0004】
杭の施工現場においては、杭伏図に基づいて作業が行われる。杭打機のオペレータは、杭伏図に基づいて地盤にマーキングされた杭芯位置に合わせるように杭打ち機を操作して、杭を地盤に打ち込む施工を行う。そして、施工が完了すると杭伏図に手作業で印をつけるなどして、杭伏図通りに施工が完了したかどうかのチェックを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020‐158965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、杭伏図には杭基礎を構成する多数の杭が記載されている。このため、オペレータが杭伏図に基づいて施工やチェックを行う際に、杭伏図上の杭と実際に施工された杭とを取り違える場合がある。その結果、杭の施工が杭伏図通りに行われなくなるおそれがある。
【0007】
また、杭の施工時には各杭の品質や施工位置等について記録されるものの、杭の施工から長期間経過した後でも杭の品質や施工位置を特定できるような形では記録されていない。このため、杭基礎の施工後に、例えば一部の杭に品質不良が発見されたとしても、該当する杭がどの位置に施工されたのかを追跡することは非常に困難である。
【0008】
さらに、地盤に残された杭は現状では産業廃棄物として取り扱われており、土地の価値を下げるマイナス要因となっている。このため、構造物を建て替える際には、以前に施工された杭基礎は全く再利用されずに杭抜き工事が行われている。しかしながら、杭基礎の施工時における各杭の品質と施工位置とが追跡できれば、耐用年数等を考慮した上で杭基礎の一部をそのまま再利用できる可能性がある。このように地盤に残された杭の品質と施工位置とを追跡可能として、地盤に残された杭基礎を再利用できるようになれば、地盤に残された杭は土地の評価を下げるマイナス要因にはならずに、むしろ土地の評価を上げるプラス要因として取り扱われるようになる可能性がある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の目的は、杭の施工状況を杭伏図とともにリアルタイムで記録・表示・共有することにより、杭伏図上の杭と実際に施工された杭とを取り違えることを抑制し、杭の施工が杭伏図通りに行われたかどうかの確認を杭伏図上で容易に行うことができるようにすることである。また第2の目的は、杭の施工から長期間が経過した後でも、杭の施工に関する情報を杭伏図上に表示・共有できるようにすることにより、各杭の品質と施工位置とを追跡できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明の杭施工情報記録システムは、杭伏図に基づいた杭の施工に関する情報を記録する、杭施工情報記録システムであって、
通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続される、施工管理装置、端末、およびサーバを備え、
前記施工管理装置は、
杭の施工現場において、施工された杭の位置情報を含む、杭の施工に関する杭施工情報を取得し、
前記サーバは、
前記杭施工情報および杭伏図データに基づいて生成された、前記杭伏図データに杭の施工状況が付加された杭施工状況データを保存し、
前記施工管理装置および/または前記端末は、
前記杭施工状況データに基づいて、杭伏図に杭の施工状況が付加された杭施工状況図を表示する(第1の構成)。
【0011】
上記構成によれば、施工管理装置および/または端末は、サーバに保存された杭施工状況データに基づいて、杭伏図に杭の施工状況が付加された杭施工状況図を表示する。
杭施工状況図には、各杭の位置が図面上に表示されており、その各杭に対して杭の施工状況がリアルタイムで表示される。
このため、杭打機のオペレータが杭施工状況図を確認しながら杭の施工を行うことにより、杭伏図上の杭と実際に施工された杭との取り違えを抑制することができ、杭の施工が杭伏図通りに行われているかどうかの確認を杭伏図上で容易に行うことができる。
また、杭施工の現場から離れた事務所等に端末を設置することにより、遠隔地から杭の施工状況を杭伏図上でリアルタイムに確認することができる。
また、杭施工状況データには、杭伏図の各杭の位置と、各杭についての杭施工情報が関連付けられて記録される。
このため、杭の施工から長期間が経過した後でも、杭の施工に関する情報を杭伏図上に表示・共有でき、長期間経過後であっても各杭の品質と施工位置とを追跡することができる。
【0012】
本発明の杭施工情報記録システムの具体構成として、以下の構成が挙げられる。
上記第1の構成において、
前記杭施工状況図は、各杭の位置が図面上に表示されており、
前記杭の施工状況として、各杭について、施工済、施工中、または未施工のいずれかであることが区別して表示されてもよい(第2の構成)。
【0013】
上記構成によれば、杭施工状況図には、各杭について、施工済、施工中、または未施工のいずれかであることが区別して表示される。
このため、杭の施工が杭伏図通りに行われているかどうかの確認を杭伏図上においてリアルタイムに容易に行うことができる。
【0014】
上記第1または第2の構成において、
前記施工管理装置および/または前記端末は、
前記杭施工状況図を表示した状態において、杭が選択された場合、当該選択された杭についての前記杭施工情報を表示してもよい(第3の構成)。
【0015】
上記構成によれば、施工管理装置および/または端末は、杭施工状況図を表示した状態において、杭が選択された場合、当該選択された杭についての杭施工情報を表示する。
このため、施工管理装置や端末に表示された杭伏図上において、各杭の詳細な施工情報を確認することができる。
また、杭の施工から長期間経過後でも、各杭の詳細な施工情報を杭伏図上において確認することができる。
【0016】
上記第1から第3のいずれかの構成において、
前記杭施工情報は、
前記端末が取得した杭の施工に関する情報を含み、
前記サーバは、
前記施工管理装置および前記端末によって取得した前記杭施工情報、および前記杭伏図データに基づいて生成された、前記杭伏図データに杭の施工状況が付加された前記杭施工状況データを保存してもよい(第4の構成)。
【0017】
上記構成によれば、施工管理装置および端末によって取得した杭施工情報、および杭伏図データに基づいて生成された、杭伏図データに杭の施工状況が付加された杭施工状況データを保存する。
このため、例えば端末で取得した杭の施工現場における画像情報等を、現場から離れた場所において表示・共有することができ、リアルタイムで施工状況を確認することができる。
【0018】
上記第1から第4のいずれかの構成において、
前記サーバは、
複数の施工現場について、各施工現場の位置情報と、各施工現場における前記杭施工状況データを保存しており、
前記通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続された端末は、各施工現場の位置情報、および各施工現場における前記杭施工状況データを広域地図とともに表示可能としてもよい(第5の構成)。
【0019】
上記構成によれば、通信ネットワークを介してサーバと相互に通信可能に接続された端末は、各施工現場の位置情報、および各施工現場における杭施工状況データを広域地図とともに表示可能である。
このため、例えば日本地図のような広域地図に各施工現場の位置を表示することができ、広域地図を拡大して各施工現場を特定することにより、特定された施工現場の杭施工状況を確認することができる。
これにより、複数の施工現場における各杭の品質と施工位置とを長期間経過後であっても杭伏図上において容易に確認することができる。
【0020】
上記第5の構成において、
前記広域地図には、各施工現場の位置情報が表示されており、
閲覧するユーザーが前記位置情報のいずれかを選択し、当該ユーザーが所定の条件を満たしている場合には、前記選択された位置情報に関連付けられた施工現場の前記杭施工状況データが表示されるようにしてもよい(第6の構成)。
【0021】
上記構成によれば、閲覧するユーザーが所定の条件を満たしている場合には、選択された位置情報に関連付けられた施工現場の杭施工状況データが表示される。
例えば、閲覧するユーザーが特定の施工現場の杭施工状況データを購入して利用したい場合、閲覧するユーザーが例えば利用料金を支払って購入済みであることを条件として、杭施工状況データが表示され、取得できるようにすることができる。
これにより、施工現場の杭施工状況データの利用価値を高めることができる。
【0022】
本発明のプログラムは、
杭伏図に基づいた杭の施工に関する情報を記録する、杭施工情報記録システムにおいて、
杭の施工現場において使用される施工管理装置および端末と通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続され、杭施工情報および杭伏図データに基づいて生成された、前記杭伏図データに杭の施工状況が付加された杭施工状況データを保存する、サーバを備え、
前記施工管理装置のコンピュータを、
施工された杭の位置情報を含む、杭の施工に関する前記杭施工情報を取得し、前記サーバに保存された前記杭施工状況データに基づいて、杭伏図に杭の施工状況が付加された杭施工状況図を表示するように機能させる、プログラムである(第7の構成)。
【0023】
本発明のプログラムは、
杭伏図に基づいた杭の施工に関する情報を記録する、杭施工情報記録システムにおいて、
杭の施工現場において使用される施工管理装置および端末と通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続され、杭施工情報および杭伏図データに基づいて生成された、前記杭伏図データに杭の施工状況が付加された杭施工状況データを保存する、サーバを備え、
前記端末のコンピュータを、
前記サーバに保存された前記杭施工状況データに基づいて、杭伏図に杭の施工状況が付加された杭施工状況図を表示するように機能させる、プログラムである(第8の構成)。
【0024】
本発明のプログラムは、
杭伏図に基づいた杭の施工に関する情報を記録する、杭施工情報記録システムにおいて、
杭の施工現場において使用され、施工された杭の位置情報を含む、杭の施工に関する杭施工情報を取得する施工管理装置、および端末を備え、
サーバのコンピュータを、
前記施工管理装置および前記端末と通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続され、前記杭施工情報および杭伏図データに基づいて生成された、前記杭伏図データに杭の施工状況が付加された杭施工状況データを保存するように機能させ、
前記施工管理装置および前記端末は、前記サーバに接続することで、前記杭施工状況データに基づいて、杭伏図に杭の施工状況が付加された杭施工状況図を表示する、プログラムである(第9構成)。
【発明の効果】
【0025】
本発明の杭施工情報記録システムおよびプログラムよれば、杭の施工状況を杭伏図とともにリアルタイムで記録・表示・共有することにより、杭伏図上の杭と実際に施工された杭とを取り違えることを抑制し、杭の施工が杭伏図通りに行われたかどうかの確認を杭伏図上で容易に行うことができる。
また、杭の施工から長期間が経過した後でも、杭の施工に関する情報を杭伏図上に表示・共有でき、各杭の品質と施工位置とを追跡することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態に係る杭施工情報記録システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】サーバに格納される杭伏図データの一例を示す図である。
図3】杭施工状況図の一例を示す図である。
図4】杭施工状況図において詳細な杭施工情報を表示する状態を示す図である。
図5】各施工現場の位置情報、および各施工現場における杭施工状況データを表示する広域地図の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[実施形態]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係る杭施工情報記録システム100について詳しく説明する。
【0028】
杭の施工に用いられている杭伏図200図2参照)には、杭番号、杭を地盤に打ち込む位置(杭芯の位置210)など、杭の施工に関する情報が記載されている。杭の施工現場においては、杭伏図200に基づいて作業が行われる。図2の杭伏図200では、図面上の各杭の位置のみ記載しており、杭芯位置の寸法等の情報は省略している。
【0029】
本実施形態に係る杭施工情報記録システム100は、杭伏図200に杭の施工状況をリアルタイムで付加し、施工状況を付加した杭施工状況図300図3図4参照)をリアルタイムで記録・表示・共有できるようにするシステムである。杭施工状況図300には、各杭の位置が図面上に表示されており、その各杭に対して杭の施工状況がリアルタイムで表示される。
【0030】
また、杭施工情報記録システム100は、杭の施工から長期間が経過した後でも、杭の施工に関する情報を杭施工状況図300として表示・共有でき、長期間経過後であっても各杭の品質と施工位置とを追跡することができるシステムである(図4図5参照)。
【0031】
本実施形態では、一例として鋼管杭の施工に関する情報を杭施工情報記録システム100によって記録・表示・共有する場合について説明する。本実施形態の説明は、本発明の対象となる杭の施工について、杭の種類や、杭を施工する工法等を限定するものではない。
【0032】
以下の図では同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成が省略されたりしている。
【0033】
[全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る杭施工情報記録システム100の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、杭施工情報記録システム100は、サーバ10、施工管理装置30、および複数の端末(携帯情報端末40、閲覧用端末60)を有している。本実施形態では、サーバ10の一例としてクラウドサーバを用いている。
【0034】
杭施工情報記録システム100は、施工管理装置30により施工現場において取得される杭施工情報と、予め事務所等で作成された杭伏図データとに基づいて杭施工状況データを生成する。生成された杭施工状況データは、サーバ10に保存される。サーバ10に保存された杭施工状況データは、施工管理装置30、および複数の端末(携帯情報端末40、閲覧用端末60)によって共有可能である。すなわち、ユーザーは、施工管理装置30、および任意の端末(携帯情報端末40、閲覧用端末60)によりサーバ10に接続することで杭施工状況データを共有し、杭施工状況データに基づいて表示される杭施工状況図300図3図4参照)を共有化することができる。なお、本実施形態では、杭施工状況データはサーバ10において生成されることとして説明するが、施工管理装置30あるいは端末で生成されてもよい。
【0035】
サーバ10、施工管理装置30、および複数の端末(携帯情報端末40、閲覧用端末60)は、杭の施工に関する情報を記録・共有・表示するためのアプリケーションソフトウェア(以下、「情報共有ソフトウェア」と記す)を実行可能に構成されている。
【0036】
本実施形態における杭の施工に関する情報には、杭伏図データ、施工管理装置30および携帯情報端末40で取得した杭施工情報、および、杭伏図データに杭の施工状況が付加された杭施工状況データが含まれている。
【0037】
さらにサーバ10は、杭伏図データに杭の施工状況が付加された杭施工状況データを生成するためのアプリケーションソフトウェア(以下、「杭施工状況データ作成ソフトウェア」と記す)を実行可能に構成されている。
【0038】
サーバ10は、施工管理装置30、および複数の端末(携帯情報端末40、閲覧用端末60)とインターネット回線等の通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。
【0039】
サーバ10は、予め作成されている杭伏図データおよび、施工管理装置30によって施工現場で順次取得される杭施工情報を保存するとともに、杭施工情報および杭伏図データに基づいて杭施工状況データを順次生成し、保存することが可能である。
【0040】
なお、杭施工状況データは、杭施工情報および杭伏図データに基づいて杭施工状況データ作成ソフトウェアにより生成されるが、当該杭施工状況データ作成ソフトウェアはサーバ10のサーバ処理部(図示せず)に格納して実行処理されるようにしてもよい。あるいは、当該杭施工状況データ作成ソフトウェアを施工管理装置30、端末およびサーバ10のサーバ処理部(図示せず)の両方に格納して実行処理されるようにしてもよい。この場合、施工管理装置30、端末およびサーバ10のいずれかにおいて杭施工状況データを生成することが可能となる。
【0041】
[施工管理装置]
施工管理装置30は、杭の施工現場において、施工された杭の位置情報を含む、杭の施工に関する杭施工情報を取得するものである。
【0042】
杭の施工は、杭打機(例えば、建柱車や三点杭打機等)をオペレータが操作することにより行われる。施工管理装置30は、杭打機に設置されている。施工管理装置30は、各杭の施工中において、杭の深度、電流、注入液の注入量などの杭の施工に関する情報をモニタリングしている。
【0043】
施工管理装置30は、制御部31、表示部32、通信部33、記憶部34、GNSS(Global Navigation Satellite System)35、深度計36、流量計37、および電流計38を有している。施工管理装置30は、制御部31によって表示部32、通信部33、記憶部34、GNSS35、深度計36、流量計37、および電流計38の各部の動作が制御されている。
【0044】
施工管理装置30は、各杭の施工中において、深度計36による杭の深度、流量計37による注入液(セメントミルク)の注入量、電流計38による電流値等の杭の管理に必要なデータをモニタリングしており、これにより杭が支持層に到達したことの確認や、注入液の注入量の記録を行っている。また、施工管理装置30は、施工された杭の位置情報をGNSS35によって取得する。これらのGNSS35、深度計36、流量計37、および電流計38によって取得された杭ごとの施工情報は、杭の施工に関する杭施工情報として記録される。また、施工管理装置30によって取得された杭施工情報は、サーバ10にもリアルタイムで共有される。
【0045】
なお、施工された杭の位置情報の取得は、GNSS35以外の手段によって取得してもよい。例えばトータルステーションを用いることで施工された杭の位置情報を取得してもよい。
【0046】
また、本発明の施工管理装置によって取得される、杭の施工に関する杭施工情報は、上述のGNSS、深度計、流量計、および電流計によって取得される情報に限定されない。杭の種類や工法に対応するように、例えば、油圧トルク(杭打ち機が電動オーガでない場合)、圧入力(杭の押し込み力)、あるいは貫入量(鋼管杭が1回転で地面に貫入する量によって管理)等を杭施工情報として取得するようにしてもよい。
【0047】
[携帯情報端末]
携帯情報端末40は、杭の施工現場において、上述の施工管理装置30による杭施工情報に加えて、杭の施工現場における画像情報等を取得するものである。携帯情報端末40は、杭打機のオペレータによって操作されてもよく、杭打機のオペレータとは異なるユーザー(例えば、現場責任者)によって操作されてもよい。
【0048】
携帯情報端末40は、制御部41、表示部42、通信部43、記憶部44、GNSS45、およびカメラ部46を有している。携帯情報端末40は、制御部41によって表示部42、通信部43、記憶部44、GNSS45、およびカメラ部46の各部の動作が制御されている。
【0049】
携帯情報端末40としては、例えば、タブレット端末やスマートフォンなどが挙げられる。携帯情報端末40は、例えばiPad(登録商標)などのタブレット端末に情報共有ソフトウェアをインストールしたもので、通信ネットワークを介した通信機能を有する。
【0050】
携帯情報端末40は、例えばカメラ部46によって施工中の杭の画像情報を取得する。杭の画像情報としては、例えば杭の着底状況の写真が挙げられる。カメラ部46によって取得された杭ごとの画像情報、およびGNSS45による位置情報は、杭の施工に関する杭施工情報として記録される。また、携帯情報端末40によって取得された杭施工情報は、サーバ10にもリアルタイムで共有される。
【0051】
[閲覧用端末]
閲覧用端末60は、現場から離れた事務所等に設置された閲覧用の端末である。閲覧用端末60は、制御部61、表示部62、通信部63、および記憶部64を有している。閲覧用端末60は、制御部61により、表示部62、通信部63、および記憶部64の各部の動作が制御されている。
【0052】
閲覧用端末60としては、任意のPC等の端末が挙げられる。閲覧用端末60は、PC等の端末に情報共有ソフトウェアをインストールしたもので、通信ネットワークを介した通信機能を有する。
【0053】
閲覧用端末60は、現場から離れた事務所等において、杭伏図データを含む物件情報の登録に用いられたり、杭伏図200に杭の施工状況が付加された杭施工状況図300を表示部62に表示させて、杭の施工状況をリアルタイムで閲覧・確認することなどに用いられる。
【0054】
[杭施工状況データ]
サーバ10には、事前に杭伏図データが保存されている。さらにサーバ10には、上述のように、施工管理装置30および携帯情報端末40によって順次取得された杭施工情報がリアルタイムで共有される。サーバ10は、杭施工状況データ作成ソフトウェアを実行することにより、杭伏図データおよび杭施工情報に基づいて杭施工状況データを生成する。生成された杭施工状況データは、サーバ10に保存されるとともに、施工管理装置30、および複数の端末(携帯情報端末40、閲覧用端末60)にもリアルタイムで共有可能である。
【0055】
施工管理装置30および携帯情報端末40によって取得された杭施工情報がリアルタイムでサーバ10に共有されるため、杭施工状況データには、各杭について、施工済、施工中、または未施工のいずれかであるかの情報も関連付けられる。杭施工状況データの生成では、杭伏図データに含まれている各杭と、各杭の杭施工情報とが、例えば次のような手順で関連付けられる。
【0056】
まず、施工管理装置30の表示部32には、杭伏図と杭のリストが一覧で表示される。ユーザー(杭打機のオペレータ)は、その一覧から杭番号を選択する。リストから選択された杭番号の杭は、杭施工状況データでは、「未施工」の状態から「施工中」の状態に切り替えられる。「施工中」の杭は、杭伏図上において杭の位置の色が変化する。杭の施工および施工管理装置30による計測を開始すると、その杭の施工に関するデータ(杭の深度、電流、注入液の注入量など)が順次取得される。順次取得される杭施工情報(携帯情報端末40による画像情報等も含む)は、順次サーバ10に共有され、杭番号に基づいて関連付けられる。杭の施工が完了すると、当該施工を行った杭の位置情報(GNSSデータ)を取得してサーバ10に共有されることにより、杭番号と杭の位置情報(GNSSデータ)も関連付けられる。施工が完了した杭は杭施工状況データでは「施工済」の状態とされる。
【0057】
[杭施工状況図]
施工管理装置30、および複数の端末(携帯情報端末40、閲覧用端末60)は、情報共有ソフトウェアを実行することにより、サーバ10に保存された杭施工状況データをリアルタイムで共有するとともに、杭施工状況図300をリアルタイムで表示することが可能である。
【0058】
図3は、杭施工状況図300の一例を示す図である。図4は、杭施工状況図300において詳細な杭施工情報を表示する状態を示す図である。図3に示すように、杭施工状況図300は、各杭の位置が図面上に表示されており、杭の施工状況として、各杭について、施工済、施工中、または未施工のいずれかであることが区別して表示されている。
【0059】
例えば、杭310のようにハッチングされた杭は「施工済」であることを示し、杭320のように白黒反転された杭は「施工中」であることを示し、杭330のように白色の杭は「未施工」であることを示すようにしてもよい。また、施工済、施工中、または未施工のいずれかであることを表示する手段は、これに限定されず、色分けによる表示の他、形状による表示など種々の手段を用いることができる。
【0060】
図4に示すように、杭施工状況図300を表示した状態において、いずれかの杭が選択された場合、当該選択された杭についての詳細な杭施工情報を表示する。図4では、画面上のポインタ350によって杭360が選択されている。この場合、杭施工状況図300の右部に杭詳細データ表示欄370が表示され、選択された杭360についての詳細な杭施工情報が表示される。表示可能な杭施工情報には、杭の施工現場における画像情報等も含まれる。
【0061】
なお、図4では選択された杭360は「施工済」であるが、施工状況が「施工中」の杭についても詳細な杭施工情報を表示することができる。このため、例えば、「施工中」の杭についての電流波形を杭詳細データ表示欄370においてリアルタイムで表示することが可能である。
【0062】
また、杭施工状況図300は、杭の施工から長期間が経過した後でも、表示・共有でき、長期間経過後であっても各杭の品質と施工位置とを確認することができる。
【0063】
[広域地図]
図5は、各施工現場410の位置情報、および各施工現場410における杭施工状況データを表示する広域地図400の一例を示す図である。図5では、広域地図400において鉄道駅付近を拡大した状態を示している。広域地図400には、鉄道駅付近の複数の施工現場410の位置情報が黒丸印で表示されている。画面上のポインタ420によって所望の施工現場410を選択することにより、その施工現場410における杭施工状況図300に表示が切り替わる(図3参照)。そして、杭施工状況図300においてさらに所望の杭を選択することにより、図4に示したように、選択された杭360についての詳細な杭施工情報が表示される。
【0064】
図5に示した広域地図400は、複数の施工現場における杭施工状況データを共有することにより、表示可能である。
【0065】
なお、施工現場における杭施工状況データは、当該施工現場において構造物を建て替える場合に利用価値があるだけでなく、例えば、近隣で構造物を建設するような場合にも地盤の地質条件等を知る上で参考になるため利用価値がある。このため、サーバ10を自社の端末だけでなく他社の端末とも相互に通信可能とし、他社のユーザーが所定の条件を満たす場合のみ、特定の施工現場における杭施工状況データを共有できるようにしてもよい。
【0066】
例えば、広域地図400には、各施工現場の位置情報を示す黒丸が表示されており、閲覧するユーザーが位置情報(黒丸)のいずれかをポインタ420で選択できるようにする。あるいは、ユーザーが住所によって施工現場を検索して選択できるようにしてもよい。そして、当該ユーザーが所定の条件を満たしている場合にのみ、選択された位置情報に関連付けられた施工現場の杭施工状況データが表示されるようにする。
【0067】
このように、閲覧するユーザーが特定の施工現場の杭施工状況データを購入して利用したいような場合には、閲覧するユーザーが例えば利用料金を支払って購入済みであることなどを条件として、杭施工状況データが表示され、取得できるようにすることができる。これにより、施工現場の杭施工状況データの利用価値を高めることができる。
【0068】
[実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係る杭施工情報記録システム100によれば、施工管理装置30および/または端末(携帯情報端末40、閲覧用端末60)は、サーバ10に保存された杭施工状況データに基づいて、杭伏図に杭の施工状況が付加された杭施工状況図300を表示する。
杭施工状況図300には、各杭の位置が図面上に表示されており、その各杭に対して杭の施工状況がリアルタイムで表示される。
このため、杭打機のオペレータが杭施工状況図300を確認しながら杭の施工を行うことにより、杭伏図上の杭と実際に施工された杭との取り違えを抑制することができ、杭の施工が杭伏図通りに行われているかどうかの確認を杭伏図上で容易に行うことができる。
また、杭施工の現場から離れた事務所等に端末(閲覧用端末60)を設置することにより、遠隔地から杭の施工状況を杭伏図上でリアルタイムに確認することができる。
また、杭施工状況データには、杭伏図の各杭の位置と、各杭についての杭施工情報が関連付けられて記録される。
このため、杭の施工から長期間が経過した後でも、杭の施工に関する情報を杭伏図上に表示・共有でき、長期間経過後であっても各杭の品質と施工位置とを追跡することができる。
【0069】
杭施工状況図300には、各杭について、施工済、施工中、または未施工のいずれかであることが区別して表示される。
このため、杭の施工が杭伏図通りに行われているかどうかの確認を杭伏図上においてリアルタイムに容易に行うことができる。
【0070】
施工管理装置30および/または端末(携帯情報端末40、閲覧用端末60)は、杭施工状況図300を表示した状態において、杭が選択された場合、当該選択された杭についての杭施工情報を表示する。
このため、施工管理装置30や端末(携帯情報端末40、閲覧用端末60)に表示された杭伏図上において、各杭の詳細な施工情報を確認することができる。
また、杭の施工から長期間経過後でも、各杭の詳細な施工情報を杭伏図上において確認することができる。
【0071】
施工管理装置30および端末(携帯情報端末40)によって取得した杭施工情報、および杭伏図データに基づいて生成された、杭伏図データに杭の施工状況が付加された杭施工状況データを保存する。
このため、例えば端末(携帯情報端末40)で取得した杭の施工現場における画像情報等を、現場から離れた場所において表示・共有することができ、リアルタイムで施工状況を確認することができる。
【0072】
通信ネットワークを介してサーバ10と相互に通信可能に接続された端末(携帯情報端末40、閲覧用端末60)は、各施工現場の位置情報、および各施工現場における杭施工状況データを広域地図400とともに表示可能である。
このため、例えば日本地図のような広域地図400に各施工現場の位置を表示することができ、広域地図400を拡大して各施工現場を特定することにより、特定された施工現場の杭施工状況を確認することができる。
これにより、複数の施工現場における各杭の品質と施工位置とを長期間経過後であっても杭伏図上において容易に確認することができる。
【0073】
[変形例]
今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0074】
本実施形態における杭施工情報記録システムの構成は一例にすぎず、他の種々の構成が考えられる。例えば、下記のように杭伏図データに基づいて杭打機を誘導するようにしてもよい。
【0075】
通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続されるとともに、位置計測のための光波を出射する計測器と、前記計測器から出射される光波を反射するターゲットを有し、前記ターゲットが反射する光波に基づいて前記ターゲットの位置座標を算出する計測装置をさらに備え、
前記ターゲットは、施工される杭、または杭を施工する建設機械に設置されており、
前記サーバは、
前記ターゲットの位置座標に基づいて、施工前における移動中の杭の杭芯位置を算出するとともに、前記杭伏図データによって規定される設計杭芯と、前記施工前の杭の杭芯位置との差異を算出し、
前記施工管理装置は、
前記サーバで算出された、前記設計杭芯と、前記施工前の杭の杭芯位置との差異を表示して、前記設計杭芯の位置へ誘導する、杭施工情報記録システムとする。
【0076】
上記構成によれば、施工管理装置は、サーバで算出された設計杭芯と、施工前の杭の杭芯位置との差異を表示して、設計杭芯の位置へ誘導する。
このため、例えばトータルステーション(計測器)とプリズム(ターゲット)によって施工前における移動中の杭の杭芯位置を算出することができ、
杭打機のオペレータは、施工管理装置の表示を見ながら、杭芯ずれが小さくなるように、設計杭芯の位置へと杭打機を誘導することができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、杭施工情報記録システムに適用することが可能である。
【符号の説明】
【0078】
100 杭施工情報記録システム
10 サーバ
30 施工管理装置
40 携帯情報端末
60 閲覧用端末
200 杭伏図
300 杭施工状況図
400 広域地図
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-10-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
杭伏図に基づいた杭の施工に関する情報を記録する、杭施工情報記録システムであって、
通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続される、施工管理装置、端末、およびサーバを備え、
前記端末は、カメラ部およびGNSSを有する携帯情報端末と、閲覧用端末とを含んでおり、
前記施工管理装置は、
杭の施工現場において、施工された杭の位置情報を含む、杭の施工に関する杭ごとの杭施工情報を取得し、
前記携帯情報端末は、
杭の施工現場において、前記カメラ部による施工中の杭ごとの画像情報の取得、および前記GNSSによる位置情報の取得を行い、
前記サーバは、
前記施工管理装置によって取得された杭ごとの前記杭施工情報と、前記携帯情報端末によって取得された杭ごとの画像情報および位置情報と、杭伏図データと、に基づいて生成された、前記杭伏図データに杭の施工状況が付加された杭施工状況データを保存するとともに、前記杭施工状況データを杭の施工中にリアルタイムで前記施工管理装置、前記携帯情報端末、および閲覧用端末と共有し、
前記施工管理装置、前記携帯情報端末、および前記閲覧用端末は、
前記杭施工状況データに基づいて、杭伏図に杭の施工状況が付加された杭施工状況図を杭の施工中にリアルタイムで表示するとともに、前記杭施工状況図を表示した状態において、杭が選択された場合、当該選択された杭についての前記杭施工情報と、前記携帯情報端末によって取得された杭ごとの画像情報および位置情報とを表示する、
杭施工情報記録システム。
【請求項2】
前記杭施工状況図は、各杭の位置が図面上に表示されており、
前記杭の施工状況として、各杭について、施工済、施工中、または未施工のいずれかであることが区別して表示される、
請求項1に記載の杭施工情報記録システム。
【請求項3】
前記サーバは、
複数の施工現場について、各施工現場の位置情報と、各施工現場における前記杭施工状況データを保存しており、
前記通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続された前記端末は、
杭の施工から長期間が経過した後、施工された杭基礎の上に建設された構造物を建て替える際に地盤に残された杭基礎の施工時における各杭の品質と施工位置とを追跡できるように、あるいは、構造物を建設する場合に近隣で過去に杭の施工が行われた施工現場における地盤の地質条件を知ることができるように、各施工現場の位置情報、および各施工現場における前記杭施工状況データを広域地図とともに表示可能であるとともに、
前記杭施工状況データに基づいて、杭伏図に杭の施工状況が付加された杭施工状況図を表示し、前記杭施工状況図を表示した状態において、杭が選択された場合、当該選択された杭についての前記杭施工情報と、前記携帯情報端末によって取得された杭ごとの画像情報および位置情報とを表示する、
請求項1に記載の杭施工情報記録システム。
【請求項4】
前記広域地図には、各施工現場の位置情報が表示されており、
閲覧するユーザーが前記位置情報のいずれかを選択し、当該ユーザーが所定の条件を満たしている場合には、前記選択された位置情報に関連付けられた施工現場の前記杭施工状況データが表示される、
請求項3に記載の杭施工情報記録システム。