IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 攝津製油株式会社の特許一覧

特開2024-109197硬質表面に付着した油の洗浄剤組成物
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109197
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】硬質表面に付着した油の洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/72 20060101AFI20240806BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20240806BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
C11D1/72
C11D3/20
C11D3/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013863
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】397056042
【氏名又は名称】セッツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124431
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 順也
(74)【代理人】
【識別番号】100174160
【弁理士】
【氏名又は名称】水谷 馨也
(72)【発明者】
【氏名】安井 美咲
(72)【発明者】
【氏名】堀田 美幸
(72)【発明者】
【氏名】村上 拡
(72)【発明者】
【氏名】大八木 伸
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AC08
4H003AE05
4H003BA12
4H003BA20
4H003DA05
4H003DB01
4H003DC02
4H003EB04
4H003EB19
4H003ED02
4H003ED28
4H003FA04
4H003FA20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】硬質表面に付着した油を効率的に洗浄することができる、洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】硬質表面に付着した油の洗浄剤組成物であって、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルの合計含有率が、20質量%以上であり、前記ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドと前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとの比率が、100:0~20:80の範囲にある、洗浄剤組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質表面に付着した油の洗浄剤組成物であって、
ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルの合計含有率が、20質量%以上であり、
前記ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドと前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとの含有率の比率が、質量基準で100:0~20:80の範囲にある、洗浄剤組成物。
【請求項2】
1価アルコール、2価アルコール及び3価アルコールからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
カチオン界面活性剤及びカチオン性ポリマーからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
前記油は、固体脂を含む油である、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項5】
硬質表面に付着した油の洗浄方法であって、
請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物を用意する工程と、
前記洗浄剤組成物を、質量基準で5倍から100倍に水で希釈して、洗浄剤を調製する工程と、
前記洗浄剤を、硬質表面に接触させて、付着した油を洗浄する洗浄工程と、
前記硬質表面を水ですすぐ工程と、
を備える、硬質表面に付着した油の洗浄方法。
【請求項6】
前記洗浄工程を、0℃から40℃の環境で行う、請求項5に記載の洗浄方法。
【請求項7】
前記洗浄工程において、フォーム状にした前記洗浄剤を、前記硬質表面に接触させて、前記硬質表面に付着した油を洗浄する、請求項5又は6に記載の洗浄方法。
【請求項8】
硬質表面に付着した油の洗浄方法に用いるための洗浄剤の製造方法であって、
請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物を用意する工程と、
前記洗浄剤組成物を、質量基準で5倍から100倍に水で希釈して、洗浄剤を調製する工程と、
を含む、洗浄剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬質表面に付着した油の洗浄剤組成物、硬質表面に付着した油の洗浄方法、及び洗浄剤の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、硬質表面に付着した油の洗浄には、界面活性剤を配合した様々な洗浄剤が使用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、少なくともアニオン界面活性剤と非イオン界面活性剤を含み、界面活性剤の合計量が20~50重量%の中性の液体洗剤組成物において、前記液体洗剤組成物に、原液粘度が100~320mPa・s(測定温度:25℃)の流動性を持ち、且つ水で希釈したときに原液の粘度以上に増粘する量のアルカリ金属塩化物を添加したことを特徴とする液体洗剤組成物が開示されている。
【0004】
特許文献1に記載された液体洗剤組成物は、台所用液体洗剤等として好適であり、高濃度の界面活性剤を含有していても適度な粘度を持ち、且つ水で希釈すると原液の粘度よりも粘度上昇し、さらに原液粘度以下になる以上に水で希釈しても急激な粘度低下を起こさないとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-138297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された台所用液体洗剤などの家庭用洗浄剤とは異なり、食品加工施設、食肉解体施設などの業務用洗浄剤を用いた洗浄においては、洗浄対象となる設備の面積が非常に大きい。このため、業務用洗浄剤を用いた洗浄では、家庭用洗浄剤を用いた洗浄に比して、より効率的に油を洗浄することが求められる。
【0007】
このような状況下、本発明は、硬質表面に付着した油を効率的に洗浄することができる、洗浄剤組成物を提供することを主な目的とする。さらに、本発明は、当該洗浄剤組成物を利用した硬質表面に付着した油の洗浄方法、洗浄剤の製造方法を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、洗浄剤組成物におけるポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルの合計含有率を20質量%以上とした上で、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドとポリオキシアルキレンアルキルエーテルとの含有率の比率を、質量基準で100:0~20:80の範囲に設定した洗浄剤組成物は、洗浄剤として利用することで、硬質表面に付着した油を効率的に洗浄できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成したものである。
【0009】
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 硬質表面に付着した油の洗浄剤組成物であって、
ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルの合計含有率が、20質量%以上であり、
前記ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドと前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとの含有率の比率が、質量基準で100:0~20:80の範囲にある、洗浄剤組成物。
項2. 1価アルコール、2価アルコール及び3価アルコールからなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1に記載の洗浄剤組成物。
項3. カチオン界面活性剤及びカチオン性ポリマーからなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
項4. 前記油は、固体脂を含む油である、項1~3のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
項5. 硬質表面に付着した油の洗浄方法であって、
項1又は2に記載の洗浄剤組成物を用意する工程と、
前記洗浄剤組成物を、質量基準で5倍から100倍に水で希釈して、洗浄剤を調製する工程と、
前記洗浄剤を、硬質表面に接触させて、付着した油を洗浄する洗浄工程と、
前記硬質表面を水ですすぐ工程と、
を備える、硬質表面に付着した油の洗浄方法。
項6. 前記洗浄工程を、0℃から40℃の環境で行う、項5に記載の洗浄方法。
項7. 前記洗浄工程において、フォーム状にした前記洗浄剤を、前記硬質表面に接触させて、前記硬質表面に付着した油を洗浄する、項5又は6に記載の洗浄方法。
項8. 硬質表面に付着した油の洗浄方法に用いるための洗浄剤の製造方法であって、
項1~4のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物を用意する工程と、
前記洗浄剤組成物を、質量基準で5倍から100倍に水で希釈して、洗浄剤を調製する工程と、
を含む、洗浄剤の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、硬質表面に付着した油を効率的に洗浄することができる、洗浄剤組成物を提供することができる。さらに、本発明によれば、当該洗浄剤組成物を利用した硬質表面に付着した油の洗浄方法、洗浄剤の製造方法を提供することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の洗浄剤組成物は、硬質表面に付着した油の洗浄剤組成物である。本発明の洗浄剤組成物において、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルの合計含有率が、20質量%以上であり、かつ、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドとポリオキシアルキレンアルキルエーテルとの含有率の比率(ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)が、質量基準で100:0~20:80の範囲にあることを特徴とする。
【0012】
本発明の洗浄剤組成物は、このような構成を備えていることにより、硬質表面に付着した油を効率的に洗浄することができる。
【0013】
後述の通り、本発明の洗浄剤組成物は、そのまま洗浄剤として使用することもできるし、本発明の洗浄剤組成物を洗浄剤原液とし、用時に洗浄剤原液を水で希釈して洗浄剤として使用してもよい。また、本発明の洗浄剤組成物は、油の中でも、食品の油、特に固体脂(食肉の脂など)を含む油に対して、優れた洗浄効果を発揮することができる。例えば食品加工設備などにおいては、食品の油と共に、細菌が硬質表面に付着することがある。すなわち、硬質表面に付着した油には、細菌(例えば、一般生菌、大腸菌群、大腸菌など)が含まれることがある。本発明の洗浄方法は、硬質表面に付着した油を効率的に洗浄することができるため、油に細菌が含まれる場合にも、油と共に細菌を好適に洗浄することができる。
【0014】
以下、本発明の洗浄剤組成物、当該洗浄剤組成物を利用した硬質表面に付着した油の洗浄方法、洗浄剤の製造方法について、詳述する。なお、本明細書において、「~」で結ばれた数値は、「~」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。複数の下限値と複数の上限値が別個に記載されている場合、任意の下限値と上限値を選択し、「~」で結ぶことができるものとする。
【0015】
1.洗浄剤組成物
本発明の洗浄剤組成物において、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルの合計含有率が、20質量%以上であって、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドとポリオキシアルキレンアルキルエーテルとの含有率の比率が、質量基準で100:0~20:80の範囲にある。すなわち、本発明の洗浄剤組成物において、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドは必須成分であり、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは必要に応じて配合される任意成分である。
【0016】
本発明の洗浄剤組成物において、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドは、ノニオン界面活性剤として機能する成分である。ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドとしては、公知のものを使用することができ、市販品を使用することもできる。ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドの市販品としては、川研ファインケミカル社製の商品名アミゼット2C、アミゼット5C、アミゼット10Cなどが挙げられる。なお、「アミゼット」は川研ファインケミカル株式会社の登録商標である。本発明の洗浄剤組成物に含まれるポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドは、1種類のみであってもよいし、2種類以上であってよい。
【0017】
ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドにおけるエチレンオキサイドの付加モル数は、好ましくは0~11、より好ましくは0~6、さらに好ましくは0~4である。
【0018】
本発明の洗浄剤組成物において、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドの含有率は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、また、好ましくは100質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下であり、好ましい範囲としては、10~100質量%程度、10~80質量%程度、10~70質量%程度、10~60質量%程度、10~50質量%、20~100質量%程度、20~80質量%程度、20~70質量%程度、20~60質量%程度、20~50質量%程度、30~100質量%程度、30~80質量%程度、30~70質量%程度、30~60質量%程度、30~50質量%程度などが挙げられる。
【0019】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおいて、ポリオキシアルキレンのオキシアルキレン部分としては、特に制限されないが、硬質表面に付着した油をより効率的に洗浄可能とし、特に、固体脂を含む油を効率的に洗浄する観点から、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びブチレンオキシドからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいることが好ましく、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを含んでいることがさらに好ましく、エチレンオキシドを含んでいることがさらに好ましい。特に、ポリオキシアルキレンは、ポリオキシエチレンであることが好ましい。
【0020】
また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおいて、ポリオキシアルキレンの繰り返し単位の数(オキシアルキレン基の数)としては、特に制限されないが、硬質表面に付着した油をより効率的に洗浄可能とし、特に、固体脂を含む油を効率的に洗浄する観点から、好ましくは2~15程度、より好ましくは2~9程度、さらに好ましくは3~7程度が挙げられる。
【0021】
また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおいて、アルキルエーテル部分の炭素数としては、特に制限されないが、硬質表面に付着した油をより効率的に洗浄可能とし、特に、固体脂を含む油を効率的に洗浄する観点から、好ましくは5~20程度、より好ましくは6~18程度、さらに好ましくは8~16程度が挙げられる。
【0022】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの中でも、特に、ポリオキシエチレンアルキル(C10~C14)エーテルが好ましい。
【0023】
本発明の洗浄剤組成物に含まれるポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、1種類のみであってもよいし、2種類以上であってよい。
【0024】
本発明の洗浄剤組成物において、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルについても、ノニオン界面活性剤として機能する成分である。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、公知のものを使用することができ、市販品を使用することもできる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの市販品としては、日本触媒社製の商品名ソフタノール50、ソフタノール90、ソフタノール120、ソフタノールEP7085、ソフタノールEP9050、ソフタノール30、ソフタノール70、青木油脂社製のファインサーフD-1303、ブラウノンEL1505、ファインサーフTD-50などが挙げられる。なお、「ソフタール」は日本触媒株式会社の登録商標である。
【0025】
本発明の洗浄剤組成物においては、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルの合計含有率が、20質量%以上であって、かつ、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドとポリオキシアルキレンアルキルエーテルとの含有率の比率が、質量基準で100:0~20:80の範囲にあればよく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは含まれていなくてもよい。本発明の洗浄剤組成物にポリオキシアルキレンアルキルエーテルが含まれる場合、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有率は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下であり、好ましい範囲としては、3~80質量%程度、3~70質量%程度、3~60質量%程度、3~50質量%程度、5~80質量%程度、5~70質量%程度、5~60質量%程度、5~50質量%程度、10~80質量%程度、10~70質量%程度、10~60質量%程度、10~50質量%などが挙げられる。
【0026】
本発明の洗浄剤組成物において、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルの合計含有率は、20質量%以上であればよいが、本発明の効果をより一層好適に発揮する観点からは、好ましくは25質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは35質量%以上である。
【0027】
また、本発明の洗浄剤組成物において、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドとポリオキシアルキレンアルキルエーテルとの含有率の比率(ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドとポリオキシアルキレンアルキルエーテル)が、質量基準で100:0~20:80の範囲にあればよいが、本発明の効果をより一層好適に発揮する観点からは、好ましくは95:5~20:80、より好ましくは90:10~20:80、さらに好ましくは85:15~25:75である。
【0028】
本発明の洗浄剤組成物は、水を含んでいてもよいし含んでいなくてもよい。本発明の洗浄剤組成物を硬質表面の洗浄に利用する場合には、水を含む組成物として硬質表面に付着させて洗浄を行う。本発明の洗浄剤組成物が水を含む場合、洗浄剤組成物をそのまま洗浄剤として使用することもできるし、本発明の洗浄剤組成物を洗浄剤原液とし、用時に洗浄剤原液を水で希釈して洗浄剤として使用することもできる。
【0029】
本発明の洗浄剤組成物が水を含む場合、水の含有率としては、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、また、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは65質量%以下であり、好ましい範囲としては、5~75質量%程度、5~70質量%程度、5~65質量%程度、10~75質量%程度、10~70質量%程度、10~65質量%程度、15~75質量%程度、15~70質量%程度、15~65質量%などが挙げられる。
【0030】
本発明の洗浄剤組成物を洗浄剤原液とする場合には、洗浄剤原液を用時に水で希釈して硬質表面の洗浄に用いる。具体的には、洗浄剤原液を、質量基準で5倍から100倍に水で希釈して、洗浄剤を調製する。
【0031】
洗浄剤原液の希釈倍率は、洗浄剤組成物の組成に応じて適宜調製することができ、洗浄剤原液中の水の含有率が例えば20質量%以下であれば、希釈倍率は質量基準で5倍から100倍程度である。硬質表面に付着した油をより効率的に洗浄可能とし、特に、固体脂を含む油を効率的に洗浄する観点から、当該希釈倍率は、質量基準で、好ましくは10倍から70倍、より好ましくは10倍から60倍、さらに好ましくは15倍から55倍、特に好ましくは20倍から50倍である。
【0032】
水としては、特に制限されず、水道水などを使用することができる。
【0033】
本発明の洗浄剤組成物は、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、脂肪酸アルカノールアミド、アルカリ成分、溶剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、カチオン性ポリマーなどが挙げられる。なお、本発明の洗浄剤組成物は、本発明効果を発揮する上で、アルカリ成分を含む必要が無く、アルカリ成分を含まないことが好ましい。洗浄剤組成物に他の成分が含まれる場合、その含有率としては、60質量%以下であり、好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。
【0034】
脂肪酸アルカノールアミドにおいて、脂肪酸アルカノールアミドの脂肪酸残基(脂肪酸からカルボキシ基を除いた1価の炭化水素基)であるアルキル基またはアルケニル基は、直鎖状でも分岐を有してもよく、直鎖状が好ましい。前記脂肪酸残基の炭素数は8~22が好ましく、10~18がより好ましく、12~14が特に好ましい。脂肪酸アルカノールアミドは、モノアルカノールアミド構造を有するものであってもよく、ジアルカノールアミド構造を有するものであってもよい。硬質表面に付着した油をより効率的に洗浄可能とし、特に、固体脂を含む油を効率的に洗浄する観点から、ジアルカノールアミド構造を有するものが好ましい。
【0035】
脂肪酸アルカノールアミドの具体例としては、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、イソステアリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド等の脂肪酸モノアルカノールアミド;ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸モジエタノールアミド、パルミチン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、イソステアリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジイソプロパノールアミド等の脂肪酸ジアルカノールアミドなどが挙げられる。これらの中でも、特にヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドが好適である。
【0036】
脂肪酸アルカノールアミドは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0037】
本発明の洗浄剤組成物が脂肪酸アルカノールアミドを含む場合、脂肪酸アルカノールアミドの含有率としては、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上であり、また、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下であり、好ましい範囲としては、3~50質量%程度、3~45質量%程度、3~40質量%程度、5~50質量%程度、5~45質量%程度、5~40質量%程度、7~50質量%程度、7~45質量%程度、7~40質量%などが挙げられる。
【0038】
アルカリ成分としては、特に制限されず、公知の洗浄剤に配合されているものを用いることができる。
【0039】
アルカリ成分の具体例としては、例えば、エタノールアミンなどのアミン化合物が挙げられる。エタノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。アルカリ成分は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0040】
本発明の洗浄剤組成物にアルカリ成分が含まれる場合、その含有率としては、20質量%以下であり、好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。前記のとおり、本発明の洗浄剤組成物は、本発明効果を発揮する上で、アルカリ成分を含む必要が無く、アルカリ成分を含まないことが好ましい。
【0041】
溶剤としては、特に制限されず、公知の洗浄剤に配合されているものを用いることができる。
【0042】
溶剤としては、1価アルコール、2価アルコール、3価アルコールなどのアルコール類が挙げられ、具体例としては、エタノール、プロパノールなどの炭素数1~3のアルコール化合物;エチレングリコール、プロピレングリコールなどの炭素数1~3のアルキレングリコール;ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。溶剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0043】
本発明の洗浄剤組成物に溶剤が含まれる場合、その含有率としては、20質量%以下であり、好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
【0044】
カチオン界面活性剤、カチオン性ポリマーとしては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩;塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等のジアルキルジメチルアンモニウム塩、トリアルキルモノメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N‘-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム)、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩;アルキル四級アンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POE-アルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、及び塩化ベンゼトニウム、ポリヘキサメチレンビグアナイド等のビグアナイド系化合物等が挙げられる。
【0045】
本発明の洗浄剤組成物がカチオン界面活性剤、カチオン性ポリマーを含む場合、それぞれの含有率としては、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは6質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下であり、好ましい範囲としては、0.02~10質量%程度、0.02~8質量%程度、0.02~6質量%程度、0.02~5質量%程度、0.1~10質量%程度、0.1~8質量%程度、0.1~6質量%程度、0.1~5質量%程度、0.5~10質量%程度、0.5~8質量%程度、0.5~6質量%程度、0.5~5質量%程度、1~10質量%程度、1~8質量%程度、1~6質量%程度、1~5質量%などが挙げられる。
【0046】
本発明の洗浄剤組成物は、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、必要に応じて、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、水、他の成分(例えば、脂肪酸アルカノールアミド、アルカリ成分、溶剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、カチオン性ポリマーなど)を混合することによって調製することができる。
【0047】
後述の通り、硬質表面に付着した油をより効率的に洗浄可能とし、特に、固体脂を含む油を効率的に洗浄する観点から、洗浄液は、フォーマーなどでフォーム状としてから、洗浄工程を行うことが好ましい。
【0048】
洗浄剤を調製する際の環境温度は、硬質表面に付着した油をより効率的に洗浄可能とし、特に、固体脂を含む油を効率的に洗浄する観点から、好ましくは0~40℃程度、より好ましくは10~30℃程度が挙げられる。なお、食品加工工場は、低温環境を保つことが求められる場合も多く、そのような場合には、環境温度は、例えば5~20℃程度とすることができる。
【0049】
本発明の洗浄剤組成物の洗浄対象となる油としては、例えば固体脂を含むものが挙げられる。固体脂としては、具体的には、牛肉、豚肉、鶏肉などの食肉の固体脂が挙げられる。
【0050】
2.洗浄方法
本発明の洗浄方法は、硬質表面に付着した油の洗浄方法である。本発明の洗浄方法は、前述した本発明の洗浄剤組成物を利用した洗浄方法である。本発明の洗浄方法は、本発明の洗浄剤組成物を用意する工程1と、洗浄剤組成物を、質量基準で5倍から100倍に水で希釈して、洗浄剤を調製する工程2と、前記洗浄剤を、硬質表面に接触させて、付着した油を洗浄する洗浄工程3と、前記硬質表面を水ですすぐ工程4と、を備える、硬質表面に付着した油の洗浄方法である。
【0051】
(工程1)
工程1では、本発明の洗浄剤組成物を用意する。本発明の洗浄剤組成物は、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルの合計含有率が、20質量%以上であり、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドとポリオキシアルキレンアルキルエーテルとの含有率の比率が、質量基準で100:0~20:80の範囲にある。前記の通り、本発明の洗浄剤組成物は、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、必要に応じて、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、水、他の成分(例えば、脂肪酸アルカノールアミド、アルカリ成分、溶剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、カチオン性ポリマーなど)を混合することによって調製することができる。本発明の洗浄剤組成物の詳細については、前述の通りである。
【0052】
(工程2)
工程2では、工程1で用意した洗浄剤組成物を、質量基準で5倍から100倍に水で希釈して、洗浄剤を調製する工程を行う。すなわち、工程2においては、本発明の洗浄剤組成物を洗浄剤原液とし、水で希釈して洗浄剤を調製してから、当該洗浄剤によって硬質表面に付着した油を洗浄する方法である。前述の通り、洗浄剤組成物に予め水を配合して洗浄剤とすれば、洗浄剤組成物を水で希釈して洗浄剤とする工程2を省略することができる。
【0053】
洗浄剤組成物(洗浄剤原液)の希釈倍率は、質量基準で5倍から100倍であればよいが、硬質表面に付着した油をより効率的に洗浄可能とし、特に、固体脂を含む油を効率的に洗浄する観点から、希釈倍率は、質量基準で、好ましくは10倍から70倍、より好ましくは10倍から60倍、さらに好ましくは15倍から55倍、特に好ましくは20倍から50倍である。
【0054】
水としては、特に制限されず、水道水などを使用することができる。
【0055】
洗浄液は、洗浄剤組成物(洗浄剤原液)と水を混合し、攪拌することで容易に調製することができる。硬質表面に付着した油をより効率的に洗浄可能とし、特に、固体脂を含む油を効率的に洗浄する観点から、洗浄液は、フォーマーなどでフォーム状としてから、下記の洗浄工程を行うことが好ましい。
【0056】
洗浄剤を調製する際の環境温度は、後述の工程3の洗浄工程と同様とすることができる。
【0057】
(工程3)
工程3では、工程2で調製した洗浄剤を、硬質表面に接触させて、付着した油を洗浄する洗浄工程を行う。
【0058】
本発明の洗浄方法が洗浄対象とする硬質表面は、油が付着したものであれば、特に制限されないが、例えば、金属硬質表面(例えば、ステンレス鋼、アルミニウムなどの表面)が好適である。また、本発明の洗浄方法は、固体脂を含む油に対しても好適であるため、食品加工工場、さらには食肉加工工場などで使用される食品加工設備、食肉加工設備などの硬質表面に対して、特に好適に適用することができる。
【0059】
洗浄対象となる固体脂としては、具体的には、牛肉、豚肉、鶏肉などの食肉の固体脂が挙げられる。
【0060】
洗浄工程を行う際の環境温度としては、特に制限されないが、硬質表面に付着した油をより効率的に洗浄可能とし、特に、固体脂を含む油を効率的に洗浄する観点から、好ましくは0~40℃程度、より好ましくは10~30℃程度が挙げられる。なお、食品加工工場は、低温環境を保つことが求められる場合も多く、そのような場合には、環境温度は、例えば5~20℃程度とすることができる。
【0061】
硬質表面に付着した油をより効率的に洗浄可能とし、特に、固体脂を含む油を効率的に洗浄する観点から、洗浄工程においては、フォーム状(泡状)にした洗浄剤を、硬質表面に接触させて、硬質表面に付着した油を洗浄することもできる。洗浄剤をフォーム状にするためには、市販のフォーマーを使用すればよい。
【0062】
また、洗浄工程においては、洗浄剤を硬質表面に接触させればよいが、硬質表面に付着した油をより効率的に洗浄可能とし、特に、固体脂を含む油を効率的に洗浄する観点から、洗浄剤を硬質表面に接触させた状態を、例えば1~30分間程度、好ましくは5~20分間程度保持することが好ましい。保持している間は、ブラシで硬質表面を磨いてもよいし、洗浄剤が硬質表面に付着した状態で静置してもよい。
【0063】
(工程4)
工程4では、工程3で洗浄した硬質表面を水ですすぐ工程を行う。
【0064】
本発明の洗浄剤は、水で好適にすすぐことができる。水ですすぐ時間は特に制限されず、洗浄剤が十分に取り除かれる時間とすればよい。水としては、特に制限されず、水道水などを使用することができる。また、洗浄剤を水ですすぐ際の水の温度としては、特に制限されず、例えば5~60℃程度、好ましくは20~50℃程度が挙げられる。
【0065】
水ですすぐ際の環境温度は、工程3の洗浄工程と同様とすることができる。
【0066】
工程4の後には、必要に応じて、水の拭き取りや、乾燥を行う。
【0067】
3.洗浄剤の製造方法
本発明の硬質表面に付着した油の洗浄方法に用いるための洗浄剤の製造方法は、本発明の洗浄剤組成物を用意する工程1と、当該洗浄剤組成物を、質量基準で5倍から100倍に水で希釈して、洗浄剤を調製する工程2とを含むことを特徴としている。工程1及び工程2の詳細については、前記の「2.洗浄方法」の欄で説明したとおりである。
【0068】
4.洗浄剤原液
本発明の洗浄剤原液は、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルの合計含有率が、20質量%以上であり、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドとポリオキシアルキレンアルキルエーテルとの含有率の比率が、質量基準で100:0~20:80の範囲にある、硬質表面に付着した油の洗浄方法に用いるための、洗浄剤原液である。すなわち、本発明の洗浄剤原液は、本発明の洗浄剤組成物中の水の含有率を少なくするか、水を含まないものとしたものであり、詳細な説明は省略する。
【実施例0069】
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
【0070】
実施例及び比較例で使用した各原料の詳細は、以下の通りである。
アミゼット2C:川研ファインケミカル社製(組成:ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(EO=3))
アミゼット5C:川研ファインケミカル社製(組成:ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(EO=6))
ソフタノール50:日本触媒社製(組成:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(EO=5、C12~14、第2級アルコール))
ソフタノール30:日本触媒社製(組成:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(EO=3、C12~14、第2級アルコール))
ソフタノール70:日本触媒社製(組成:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(EO=7、C12~14、第2級アルコール))
ファインサーフD-1303:青木油脂社製(組成:ポリオキシエチレンデシルエーテル(EO=3))
ブラウノンEL1505:青木油脂社製(組成:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO=5))
ファインサーフTD-50:青木油脂社製(組成:ポリオキシエチレントリデシルエーテル(EO=5))
ソフタノール90:日本触媒社製(組成:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(EO=9、C12~14、第2級アルコール))
ソフタノール120:日本触媒社製(組成:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(EO=12、C12~14、第2級アルコール))
ソフタノールEP7085:日本触媒社製(組成:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(EO=7、PO=8.5、C12~14、第2級アルコール))
ソフタノールEP9050:日本触媒社製(組成:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(EO=9、PO=5、C12~14、第2級アルコール))
アミゾールCME:川研ファインケミカル社製(組成:ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド)
アミゾールFDE:川研ファインケミカル社製(組成:ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド)
アミノーンC-11S:花王社製(組成:ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド)
アミゼット1PC:川研ファインケミカル社製(組成:ポリオキシプロピレンヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド(1P.O.))
アミート102:花王社製(組成:ポリオキシエチレンラウリルアミン)
アミート105:花王社製(組成:ポリオキシエチレンラウリルアミン)
アミート302:花王社製(組成:ポリオキシエチレンステアリルアミン)
カチオンG-50:三洋化成工業社製(組成:51%塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム)
プロピレングリコール:旭硝子社製(組成:プロピレングリコール)
【0071】
[洗浄剤組成物の調製]
実施例1~25及び比較例1~12
実施例1~25及び比較例1~12の洗浄剤組成物として、それぞれ、表1~4に記載の組成(質量部)となるようにして、各成分を混合して洗浄剤組成物を調製した。例えば実施例1では、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドとしての「アミゼット2C」40質量部と、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしての「ソフタール50:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(EO=5、C12~14、第2級アルコール)」15質量部と、プロピレングリコール5質量部と、水(バランス量:40質量部)を混合して、実施例1の洗浄剤組成物を調製した。
【0072】
<洗浄評価>
各洗浄剤組成物を洗浄剤原液とし、以下の手順で油の洗浄評価を行った。なお、以下の評価は、常温(25℃)下で行った。各洗浄剤原液を質量基準で20倍希釈に水で希釈した洗浄剤を調製した。また、ステンレス鋼板(SUS304、75mm×25mm×0.8mmの表面に、汚垢(牛脂20g、オイルレッド0.1g、クロロホルム60ml)を塗布したものをテストピースとした。テストピースに、フォーム状にした各洗浄剤を接触させ、15分間分静置洗浄した後、リーナッツ試験機を用いてすすぎを行い(水温40℃,300rpm,1分)、テストピースを乾燥させた。洗浄前後のテストピースの重量を測定して、テストピース表面から除去された汚垢の割合((洗浄前汚垢重量-洗浄後汚垢重量)÷洗浄前汚垢重量×100重量%)を洗浄力(%)とした。泡立ちと洗浄力の観点から、洗浄評価を行った。泡評価基準及び洗浄力評価基準は、以下の通りである。結果を表1~4に示す。
【0073】
(洗浄力評価基準)
◎:洗浄率60%以上
○:洗浄率50%以上60%未満
△:洗浄率40%以上50%未満
×:洗浄率40%未満
【0074】
<起泡性の評価>
泡ポンプ容器(トリガ社製、容器:F5用400HDPE、ポンプ:ポンプフォーマーUPF-43ST)に洗浄剤組成物(水道水20倍希釈)を充填した。10プッシュし約7.5gの泡を200mlメスシリンダー中に作成した。プッシュするスピードは1秒/回で行った。このときのメスシリンダーの目盛りからその容量を記載し、起泡性の確認を行った。
【0075】
(起泡性評価基準)
○:90ml以上
△:60ml以上90ml未満
×:60ml未満
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】