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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109228
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】鞍乗り型車両
(51)【国際特許分類】
   B62J 45/00 20200101AFI20240806BHJP
   B62J 25/04 20200101ALI20240806BHJP
【FI】
B62J45/00
B62J25/04
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013924
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 聡
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 望
(72)【発明者】
【氏名】佐川 了允
(57)【要約】
【課題】コスト増とならず、簡単な構造で、収容ケースが水没した場合に収容ケース内の制御装置等の電装品の被水抑制、及び防水が可能な構造を提供すること。
【解決手段】ステップフロア(61)の下方に、制御装置(91)を収容する収容ケース(71)を配置した鞍乗り型車両において、収容ケース(71)は、ステップフロア(61)よりも下方に凹み、上方に開口部(71K)を有するボックス形状であり、ステップフロア(61)は、開口部(71K)を覆う蓋部材となり、収容ケース(71)とステップフロア61とによって区画された空間内で、制御装置(91)は、下方が開放するボックス形状の防水カバー(81)で覆われる。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員が足を載せるステップフロア(61)と、モータ(12)を制御する制御装置(91)を収容する収容ケース(71)とを備え、前記ステップフロア(61)の下方に前記収容ケース(71)を配置した鞍乗り型車両において、
前記収容ケース(71)は、前記ステップフロア(61)よりも下方に凹み、上方に開口部(71K)を有するボックス形状であり、前記ステップフロア(61)は、前記開口部(71K)を覆う蓋部材となり、
前記収容ケース(71)と前記ステップフロア(61)とによって区画された空間内で、前記制御装置(91)は、下方が開放するボックス形状の防水カバー(81)で覆われる
鞍乗り型車両。
【請求項2】
前記防水カバー(81)の縦壁(81F,81S,81R)の下端は、前記制御装置(91)よりも下方に位置する
請求項1に記載の鞍乗り型車両。
【請求項3】
前記制御装置(91)は、前記収容ケース(71)に設けられるステー(94)を介して支持され、該制御装置(91)は前記収容ケース(71)の底部(71T)から離間して支持される
請求項1に記載の鞍乗り型車両。
【請求項4】
前記ステー(94)は、前記制御装置(91)の上面に位置する板状部(94A)を有し、
前記板状部(94A)は、前記防水カバー(81)の上板部(81U)と前記制御装置(91)との間に位置する
請求項3に記載の鞍乗り型車両。
【請求項5】
前記制御装置(91)は、上方の前記ステップフロア(61)に寄せて配置され、
前記制御装置(91)の側面に、当該制御装置(91)と前記モータ(12)との間の配線となる三相線を接続する三相線接続部(91S1)を有し、
前記制御装置(91)の下面に放熱フィン(91X)を有する
請求項1に記載の鞍乗り型車両。
【請求項6】
前記収容ケース(71)に収容される他の車体構成部品(92,93)を有し、
前記防水カバー(81)は、前記制御装置(91)と前記他の車体構成部品(92,93)を覆う
請求項1に記載の鞍乗り型車両。
【請求項7】
車体上面視で前記ステップフロア(61)と重なる範囲のうち、車幅方向一側へオフセットした位置に前記制御装置(91)が配置され、車幅方向他側へオフセットした位置に前記他の車体構成部品(92,93)が配置され、
前記制御装置(91)は、車幅方向他側の側面(91S)に、当該制御装置(91)と前記モータ(12)との間の配線となる三相線(W2)を接続する三相線接続部(91S1)を有する
請求項6に記載の鞍乗り型車両。
【請求項8】
前記収容ケース(71)の後壁(71R)には、前記制御装置(91)への配線を含む配線群(W1~W3)が通る連通口(71G)が設けられ、
前記連通口(71G)は、前記防水カバー(81)の後壁(81R)よりも下方、かつ、前記収容ケース(71)の底部(71T)との間に位置し、
前記配線群(W1~W3)は、前記制御装置(91)の下方、かつ、前記収容ケース(71)の底部(71T)との間を通る
請求項1から7のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗り型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車等の鞍乗り型車両には、乗員が足を載せるステップフロアと、モータ等を制御する制御装置を収容する収容ケースとを備え、ステップフロアの下方に収容ケースを配置した構成が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-091689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
収容ケースには内部に水抜き穴が設けられており、収容ケース内に浸入した水が排出できるようになっているが、道路整備が充足していない地域や国での使用を考慮すると、制御装置等の電装品の被水抑制、及び防水の性能を高める必要がある。その方法の一つとして、防水カプラ及び防水端子等を使う方法がある。
しかし、防水カプラ及び防水端子等を使う方法はコストが高くなってしまう。
そこで、本発明は、コスト増とならず、簡単な構造で、収容ケースが水没した場合に収容ケース内の制御装置等の電装品の被水抑制、及び防水が可能な構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
乗員が足を載せるステップフロアと、モータを制御する制御装置を収容する収容ケースとを備え、前記ステップフロアの下方に前記収容ケースを配置した鞍乗り型車両において、前記収容ケースは、前記ステップフロアよりも下方に凹み、上方に開口部を有するボックス形状であり、前記ステップフロアは、前記開口部を覆う蓋部材となり、前記収容ケースと前記ステップフロアとによって区画された空間内で、前記制御装置は、下方が開放するボックス形状の防水カバーで覆われる鞍乗り型車両を提供する。
【発明の効果】
【0006】
コスト増とならず、簡単な構造で、収容ケースが水没した場合に収容ケース内の制御装置等の電装品の被水抑制、及び防水が可能な構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両の側面図である。
図2】鞍乗り型車両を上方から示す平面図である。
図3】フロアフレームを周辺構成と共に示す左側面図である。
図4】収納ボックスを周辺構成と共に示す斜視図である。
図5】ステップフロアを取り外した状態の収容ケースを周辺構成と共に上方から示す図である。
図6図5から防水カバーを取り外した状態を示す図である。
図7図6から第1ステーを取り外した状態を示す図である。
図8】PCU、補機バッテリ及びヒューズボックスを配線群と共に右上方から示す斜視図である。
図9】PCU、補機バッテリ、及びヒューズボックスを配線群と共に右下方から示す斜視図である。
図10】収容ケースを防水カバーと共に後方から示す図である。
図11図2のA-A断面図である。
図12図2のB-B断面図である。
図13図2のC-C断面図である。
図14】防水カバー及び収容ケースの前面図である。
図15】防水カバー及び収容ケースの右側面図である。
図16】バッテリ収容部本体を周辺構成と共に左前方から示す斜視図である。
図17】バッテリ収容部本体のバッテリケースを示す図である。
図18】バッテリ収容部本体の上部の説明に供する図である。
図19】バッテリ収容部本体の上部の説明に供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示す。
【0009】
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。図2は、鞍乗り型車両10を上方から示す平面図である。
図1に示すように、鞍乗り型車両10は、スクータ型の電動二輪車であり、車体フレーム11と、パワーユニットとして機能する駆動用のモータ12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える。図2に示すように、鞍乗り型車両10は、車幅中心を前後方向に延びる面LC(以下、「車幅中心LC」と適宜に表記する)を基準にして、左右対称形状である。但し、鞍乗り型車両10は、一部が左右対称形状でなくてもよいし、各部の形状を適宜に変更してもよい。
【0010】
図1に示すように、車体フレーム11は、車体前部に設けられるヘッドパイプ18と、ヘッドパイプ18から後下方に延びるダウンフレーム19と、ダウンフレーム19から左右に分岐して後方に延びるフロアフレーム20と、フロアフレーム20の後端から後上方に延びる左右のリアフレーム21とを備える。
乗員が把持する操舵用のハンドル11Hは、ヘッドパイプ18の上方に支持される。フロントフォーク14は、ハンドル11Hと一体で左右に操舵自在に支持される。前輪13は、フロントフォーク14の下端部に設けられる車軸13aに支持される。
【0011】
乗員用のシート17は、前後に乗員が着座可能なタンデムシートであり、左右のリアフレーム21に支持される。シート17の高さは、乗員が着座しやすい高さに設定される。シート17の下方には、収納ボックス51が支持される。
シート17は、シート17の前下部に位置するシートヒンジを介して上方に回動自在、つまり、開閉自在である。シート17を開状態にすることによって、収納ボックス51内に外部からアクセス可能となり、シート17を閉状態にすることによって、収納ボックス51内に外部からアクセス不能となる。
【0012】
シート17とダウンフレーム19との間には、下方に凹む足跨ぎ空間が形成される。足跨ぎ空間の下方には、乗員が足を置く板状のステップフロア61が配置される。
スイングアーム16は、車体フレーム11に通されたピボット軸22に支持される。ピボット軸22は、車幅方向に水平に延びる軸であり、スイングアーム16の前端部に挿通される。スイングアーム16は、ピボット軸22を中心に上下に揺動する。
【0013】
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。スイングアーム16の後部とリアフレーム21との間には左右一対のリアクッション23が介挿される。モータ12は、後輪15のホイールに収められるインホイールモータであり、後輪15を駆動する。モータ12の中央には、リア用のブレーキ装置24が設けられる。リアフレーム21の後下部には、車体を自立可能にするためのスタンド部材25が回動自在に設けられる。
【0014】
鞍乗り型車両10は、前輪13を上方から覆うフロントフェンダー26と、後輪15を上方から覆うリアフェンダー27とを備える。さらに、鞍乗り型車両10は、車体を覆う車体カバー30を備える。車体カバー30は、車体前部を前方等から覆うフロントカバー31と、フロアフレーム20を側方等から覆うロアカバー32と、リアフレーム21を側方等から覆うリアカバー33とを備える。
【0015】
図3は、フロアフレーム20を周辺構成と共に示す左側面図である。
左右のフロアフレーム20は、ステップフロア61の下方を前後方向に延びる。本実施形態のフロアフレーム20は、左右に間隔を空けて前後方向に延びる左右のアッパーフロアフレーム20aと、各アッパーフロアフレーム20aの下方を前後方向に延びる左右のロアフロアフレーム20bとを備える。アッパーフロアフレーム20aとロアフロアフレーム20bとは、架橋部材20cを介して連結されている。ステップフロア61は、左右のアッパーフロアフレーム20aに載置される。
左右のフロアフレーム20間、かつ、フロアフレーム20の下方には、車体構成部品を収容する収容ケース71が配置される。
【0016】
図4は、収納ボックス51を周辺構成と共に示す斜視図である。
収納ボックス51は、上方に開口部51Kを有するボックス形状であり、左右長に比して前後長が大きい形状に形成される。収納ボックス51の前部には、下方に膨出するバッテリ収容部本体100Kが設けられる。
収納ボックス51のうち、バッテリ収容部本体100Kを除く箱形状の部分は、「収納ボックス本体51A」を構成する。収納ボックス本体51Aの前部と、バッテリ収容部本体100Kとによって、駆動用のバッテリ52を着脱自在に収容するバッテリ収容部100が構成される。収納ボックス本体51Aの後部には、任意の収納物を収納可能に下方に凹む収納部51Bが一体に形成される。駆動用のバッテリ52は例えば48Vのバッテリである。
【0017】
<収容ケース71及びその周辺構造について>
収容ケース71及びその周辺構造について説明する。
図5は、ステップフロア61を取り外した状態の収容ケース71を周辺構成と共に上方から示す図である。
図3及び図5に示すように、収容ケース71は、ステップフロア61よりも下方に凹み、上方に開口部71Kを有するボックス形状(有底ボックス形状と言うこともできる)に形成される。収容ケース71の開口部71Kには、上方から防水カバー81が挿入される。収容ケース71には、防水カバー81の上方を車幅方向に架橋する架橋部材71Pが設けられる、この架橋部材71Pによって防水カバー81の上方への移動が規制される。架橋部材71Pは、防水カバー81等を上方からガードするガード部材、及び、収容ケース71を補強する補強部材等として機能する。
【0018】
図6は、図5から防水カバー81を取り外した状態を示す図である。
収容ケース71内には、PCU(Power Control Unit)91、補機バッテリ92、及びヒューズボックス93が収容される。
PCU91は、モータ12等の制御装置として機能する電装品であり、補機バッテリ92、及びヒューズボックス93よりも大型の直方体形状を有している。PCU91は、第1ステー94によって車幅中心LCに対して車幅方向一方側(本実施形態では左側)にオフセットした位置に固定される。
【0019】
補機バッテリ92は、PCU91等の動作電源として機能するバッテリであり、駆動用のバッテリ52よりも小型、かつ低圧(例えば12V)のバッテリである。この補機バッテリ92は、車幅中心LCに対して車幅方向他方側(本実施形態では右側)、かつ、前方寄りにオフセットした位置に、長辺を前後方向にして配置され、第2ステー95を介して収容ケース71に支持される。
【0020】
ヒューズボックス93は、PCU91及び補機バッテリ92につながる配線経路中に設けられる複数のヒューズをまとめたユニットである。ヒューズボックス93は、第3ステー96によって、車幅中心LCに対して車幅方向他方側(本実施形態では右側)、かつ、後方寄りにオフセットした位置に固定される。
PCU91、補機バッテリ92及びヒューズボックス93は電装品であるため、これら電装品にはバッテリ52,92等と電気的に接続するための配線が接続される。
【0021】
第1ステー94は、複数の締結部材T1によってPCU91の上面を支持する。第1ステー94は、PCU91の上面に面接触する水平板状の板状部94Aを有すると共に、PCU91よりも車幅中心LC側を下方に立ち下がる前後一対の足部94B,94Cを一体に有する。
ここで、図7は、図6から第1ステー94を取り外した状態を示す図であり、収容ケース71内の配線も示している。また、図8は、PCU91、補機バッテリ92及びヒューズボックス93を配線群と共に右上方から示す斜視図である。また、図9は、PCU91、補機バッテリ92、及びヒューズボックス93を配線群と共に右下方から示す斜視図である。また、図10は、収容ケース71を防水カバー81と共に後方から示す図であり、図11は、図2のA-A断面図であり、図12は、図2のB-B断面図であり、図13は、図2のC-C断面図である。
【0022】
第1ステー94の足部94B,94Cは、図8及び図11等に示すように、収容ケース71の底部71Tに向けて下方に延出し、収容ケース71の底部71Tに締結固定される。
また、第1ステー94は、PCU91に対して車幅方向外側に位置するサブステー94S(図7図12)の上部に、締結部材T2(図6)によって固定される。
サブステー94Sは、図12に示すように、収容ケース71の底部71Tから上方に立ち上がって第1ステー94の位置まで延在する部材であり、収容ケース71の底部71Tに締結固定されている。つまり、第1ステー94は、足部94B,94Cを介して収容ケース71の底部71Tに直接固定されると共に、サブステー94Sを介して収容ケース71の底部71Tに固定される。
【0023】
図11図13に示すように、PCU91は、収容ケース71に設けられる第1ステー94を介して、収容ケース71の底部71Tから離間した状態で支持される。PCU91と収容ケース71の底部71Tとの間に空いたスペースSPは、PCU91等につながる配線が通る配線スペースとして利用される。
より具体的には、図8及び図9に示すように、PCU91の前面91Fには、各バッテリ52,92につながる配線(電源ケーブル)、及びアース線等からなる第1配線群W1が接続される第1配線接続部91F1(図11)が設けられる。図11に示すように、各第1配線群W1はスペースSPを通るように配策される。
【0024】
モータ12は、三相の駆動信号によって制御されるモータであるため、図8及び図9に示すように、モータ12とPCU91との間には各相に対応する3本の配線(高圧パワーケーブル)からなる第2配線群W2が接続される。
図8及び図9に示すように、PCU91は、車幅中心LC側の側面91S(車幅方向他側に相当)に、第2配線群W2が接続される第2配線接続部91S1が設けられる。図12等に示すように、第2配線群W2は、PCU91と収容ケース71の底部71Tとの間のスペースSPを通るように配策される。
【0025】
図10に示すように、収容ケース71の後壁71Rには、後壁71Rの上下に渡って開口する所定幅の後壁開口部71RKが設けられる。後壁71Rの内側には、防水カバー81が挿入され、防水カバー81の後壁81Rによって後壁開口部71RKの一部(下部を除く部分に相当)が前方から覆われることによって、後壁開口部71RKの下部だけが後壁71Rの内外を連通させる。
後壁開口部71RKの下部からなる連通口71Gは、PCU91と収容ケース71の底部71Tとの間のスペースSPに連通する。図13に示すように、スペースSP内の配線(上述した第1配線群W1、及び第2配線群W2)は、この連通口71Gを通って収容ケース71外に延出する。
【0026】
図9に示すように、PCU91の下面には放熱フィン91Xが設けられる。PCU91は、第1ステー94を介して収容ケース71の底部71Tから離間して支持されるので、図12に示すように、放熱フィン91Xは、PCU91と収容ケース71の底部71Tとの間に空いたスペースSPを利用してPCU91を効果的に空冷する。
【0027】
補機バッテリ92は、収容ケース71の底部71Tに設けられた凹部71V(図12等)に載置される。補機バッテリ92の上部には、各極性の配線(低圧パワーケーブル)がそれぞれ接続される。各極性の配線は、補機バッテリ92と防水カバー81との間を通って後方に向けて延出し、ヒューズボックス93を経由してPCU91等に接続される。
図13等に示すように、ヒューズボックス93は、上方の防水カバー81に寄せて配置され、ヒューズボックス93からの複数の配線からなる第3配線群W3は、ヒューズボックス93と収容ケース71の底部71Tとの間を通って各部に引き回される。
なお、第3配線群W3のうち、収容ケース71外に延びる配線は、収容ケース71の後壁71Rの下部に形成された連通口71Gを通って収容ケース71外に延出する。
【0028】
収容ケース71について更に説明すると、収容ケース71の前壁71F(図14参照)及び左右の側壁71S(図14図15参照)には開口部が無い。そのため、車体前方及び左右からの水分(前輪が跳ねた雨水等)が収容ケース71内に浸入する事態が防止される。
また、収容ケース71の底部71Tには、底部71Tを上下に貫通する水抜き孔71Hが設けられる、なお、図7は一部の水抜き孔71Hのみを示す。水抜き孔71は間隔を空けて複数設けられ、収容ケース71内に浸入した水を排出する。
【0029】
図14は、防水カバー81及び収容ケース71の前面図である。また、図15は、防水カバー81及び収容ケース71の右側面図である。
図14及び図15に示すように、防水カバー81は、前壁81Fと、左右の側壁81Sと、後壁81Rと、これら壁81F,81S、81Rの上縁間を塞ぐ上板部81Uとを備え、下方が開放するボックス形状に形成される。防水カバー81は、この防水カバー81が水に浸かった場合に防水カバー81下方の開放面が水面で蓋をされることによって、内部に水が浸入しないカバーであり、例えば、各壁81F,81S、81Rや上板部81U81Uが水や空気を通さず、かつ、耐水性を有する板材で形成されている。
【0030】
図11図15中の符号DRは、防水カバー81が水に浸かった場合でも、防水カバー81内に水が浸入しないドライエリアの範囲を示している。
なお、本実施形態の防水カバー81は、図14に示すように、前壁81Fが他の壁81S、81Rよりも低い位置まで延び、他の壁81S、81Rは、ドライエリアDRの上端に相当する同じ高さまで下方に延びる形状の場合を示しているが、防水カバー81の形状は適宜に変更してもよい。
【0031】
収容ケース71は、防水カバー81の縦壁(前壁81F、左右の側壁81S、及び後壁81Rに相当)が載置される載置部71Q(例えば、図11参照)を有している。これら載置部71Qの少なくともいずれかは、下方に凹む凹形状に形成される。収容ケース71の周囲壁が、凹形状の載置部71Qに嵌まることで、収容ケース71に対する防水カバー81の水平方向(前後、及び左右の方向)への移動が規制され、防水カバー81を収容ケース71に位置決めできる。
【0032】
本構成では、図13に示すように、収容ケース71内のPCU91、及びヒューズボックス93の全体が、防水カバー81内、つまりドライエリアDR内に収まる。収容ケース71内の補機バッテリ92については、図12に示すよう、補機バッテリ92の配線接続部となる上部が少なくともドライエリアDR内に収まる。
換言すると、防水カバー81の周囲壁(前壁81F、左右の側壁81S、後壁81Rに相当)の下端は、PCU91、ヒューズボックス93、及び補機バッテリ92の上部よりも下方まで延出する。そのため、仮に、収容ケース71が水溜まり等に浸かり、収容ケース71内に水が浸入した場合でも、防水カバー81の周囲壁の下端よりも上方に水が浸入し難くなり、PCU91、ヒューズボックス93及び補機バッテリ92の上部等の被水を抑制できる。
【0033】
図11に示すように、防水カバー81とPCU91との間には、第1ステー94の板状部94Aが存在するが、板状部94Aは防水カバー81内の上下方向のスペースSPを殆ど阻害しないので、PCU91を防水カバー81の上板部81Uに近接配置できる。これにより、PCU91を収容ケース71の底部71Tから離間した位置にでき、PCU91の被水防止に有利になると共に、配線等のスペースを広く確保し易くなる。
【0034】
本構成では、図12図13等に示すように、ステップフロア61は、収容ケース71の上方に開口する開口部71Kを覆う蓋部材として機能する。そのため、ステップフロア61により、上方から収容ケース71内に水が浸入する事態を抑制でき、上方からの水でPCU91、ヒューズボックス93、補機バッテリ92及び配線が被水する事態を抑制できる。
また、収容ケース71は、PCU91、ヒューズボックス93、補機バッテリ92及び配線群を下方から覆うので、下方等から飛散する水が、PCU91、ヒューズボックス93、補機バッテリ92及び配線群に付着する事態を効果的に防止できる。
このように、本構成では、収容ケース71が水に浸かっていない場合は、収容ケース71及びステップフロア61等によって収容ケース71内への水の浸入を抑制し、PCU91等の被水を抑制できる。また、収容ケース71が水に浸かり、収容ケース71内に水が浸入した場合は、防水カバー81によって、PCU91等の被水を効果的に抑制できる。以上により、ステップフロア61下方の電装品の防水対策が可能になる。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態では、収容ケース71は、ステップフロア61よりも下方に凹み、上方に開口部71Kを有するボックス形状であり、ステップフロア61は、開口部71Kを覆う蓋部材となり、収容ケース71とステップフロア61とによって区画された空間内で、PCU91は、下方が開放するボックス形状の防水カバー81で覆われる。この構成によれば、簡単な構造で、収容ケース71が水没した場合に収容ケース71内のPCU91等の電装品の被水抑制、及び防水が可能になる。しかも、防水カプラ及び防水端子等を使用しないので、コストを抑えつつ電装品の被水抑制、及び防水が可能になる。したがって、コスト増とならず、簡単な構造で、収容ケース71内の電装品の被水抑制、及び防水が可能になる。なお、PCU91は、本発明の「制御装置」に相当する。
【0036】
また、防水カバー81の縦壁を構成する前壁81F、左右の側壁81S、及び後壁81Rの下端は、PCU91よりも下方に位置する。この構成により、防水カバー81内に浸入する水を、PCU91よりも低い位置に留めることができる。
また、PCU91は、収容ケース71に設けられる第1ステー94を介して支持され、PCU91は収容ケース71の底部71Tから離間して支持されるので、PCU91を収容ケース71の底部71Tよりも高い位置に支持でき、PCU91の被水抑制、及び防水に有利である。また、PCU91の下方に配線等の収容スペースを確保し易くなる。
【0037】
また、第1ステー94は、PCU91の上面に位置する板状部94Aを有し、板状部94Aは、防水カバー81の上板部81UとPCU91との間に位置するので、第1ステー94が防水カバー81内の上下方向のスペースを阻害せず、PCU91を高い位置に配置し易くなる。
【0038】
また、PCU91は、上方のステップフロア61に寄せて配置され、PCU91の側面91Sに、当該PCU91とモータ12との間の配線となる第2配線群W2を接続する第2配線接続部91S1を有し、PCU91の下面に放熱フィン91Xを有している。この構成によれば、第2配線接続部91S1を高い位置に配置でき、第2配線接続部91S1の被水抑制、及び防水に有利である。また、放熱フィン91Xが、PCU91と収容ケース71の底部71Tとの間のスペース側に設けられるので、PCU91の冷却性能を十分に得やすくなる。
なお、第2配線群W2は、本発明の「三相線」に相当し、第2配線接続部91S1は、本発明の「三相線接続部」に相当する。
【0039】
また、鞍乗り型車両10は、収容ケース71に収容される補機バッテリ92及びヒューズボックス93を有し、防水カバー81は、PCU91と、補機バッテリ92及びヒューズボックス93とを覆っている。この構成によれば、共通の防水カバー81を利用して、PCU91、補機バッテリ92及びヒューズボックス93の被水抑制、及び防水が可能になる。
なお、補機バッテリ92及びヒューズボックス93は、本発明の「他の車体構成部品」に相当する。但し、他の車体構成部品は、補機バッテリ92及びヒューズボックス93に限定されず、いずれか一方でもよいし、他の電装品等でもよい。
【0040】
また、車体上面視でステップフロア61と重なる範囲のうち、車幅方向一側へオフセットした位置にPCU91が配置され、車幅方向他側へオフセットした位置に、補機バッテリ92及びヒューズボックス93からなる他の車体構成部品が配置される。この構成の下、PCU91は、車幅方向他側の側面91Sに、三相線接続部を有として機能する第2配線接続部91S1を有する。この構成によれば、PCU91、及び他の車体構成部品を上下方向に重ねずにレイアウトするので、共通の防水カバー81でこれら部品の被水抑制、及び防水を可能にしながら、ステップフロア61の車幅方向中心寄りに三相線が通るスペースを空け、三相線の取り回しがし易くなる。
【0041】
また、収容ケース71の後壁71Rには、PCU91等への配線を含む配線群W1~W3が通る連通口71Gが設けられる。この連通口71Gは、図10に示したように、防水カバー81の後壁81Rよりも下方、かつ、収容ケース71の底部71Tとの間に位置し、配線群W1~W3は、PCU91の下方、かつ収容ケース71の底部71Tとの間を通る。この構成によれば、PCU91と収容ケース71の底部71Tとの間で上下に空くスペースSPを利用して配線群W1~W3の取り回しが容易になる。
【0042】
<バッテリ収容部本体100Kについて>
バッテリ52を着脱自在に収容するバッテリ収容部本体100Kの形状や構成は特に限定されるものではないが、本実施形態のバッテリ52及びバッテリ収容部本体100Kの構成例について、図16図19を用いて説明する。
【0043】
図16は、バッテリ収容部本体100Kを周辺構成と共に左前方から示す斜視図である。また、図17は、バッテリ収容部本体100Kの一部の構成を示す図であり、図18及び図19は、バッテリ収容部本体100Kの上部を周辺構成と共に異なる方向から示す斜視図である。
図16及び図17に示すように、バッテリ収容部本体100Kは、上方に開口するボックス形状のバッテリケース101を備え、バッテリケース101によって、バッテリ52を上方から着脱自在に保持する。
バッテリ収容部本体100Kは、バッテリケース101内のバッテリ52の上方に回動自在なロックレバー102(操作レバー、操作ハンドル等とも称される)と、バッテリケース101内のバッテリ52と電気的に接続するためのコネクタ部103と、バッテリケース101内のバッテリ52の上方への移動を規制する左右の移動規制部材104とを備える。
【0044】
さらに、バッテリ収容部本体100Kは、ロックレバー102の回動に応じて、コネクタ部103を、バッテリ52と接続する接続位置/バッテリ52から待避した待避位置とに移動させる第1連動機構105と、ロックレバー102の回動に応じて、移動規制部材104を、バッテリ52の上方への移動を規制する規制位置/規制位置から待避した待避位置へと移動させる第2連動機構106とを備える。
【0045】
図16に示すように、バッテリケース101の左右の側面には、バッテリケース101の上下方向に沿って延びる固定具101Aが固定される。これら固定具101Aは、車体フレーム11(本実施形態ではリアフレーム21)に連結されるステー部101Bを一体に備え、ステー部101Bを介して、バッテリケース101が車体フレーム11に支持される。
固定具101Aの上部には、ロックレバー102が回動自在に支持される。換言すると、固定具101Aは、ロックレバー102の回動支点102Xとなる位置まで延在する形状に形成され、ロックレバー102を回動自在に支持する支持部材を兼用する。これによって、ロックレバー102を回動自在に支持するための専用部品が不要である。
【0046】
さらに、バッテリケース101には、コネクタ部103をバッテリケース101の長手方向に沿って移動自在に支持するスライド部材105Aが設けられ、バッテリケース101の左右側方には、スライド部材105Aとロックレバー102とを連結するリンク105Bが設けられる。リンク105Bとロックレバー102の連結位置は、ロックレバー102の回動支点102Xから偏心した位置とされ、ロックレバー102の回動に応じてリンク105Bを介してスライド部材105Aがバッテリケース101の長手方向に沿って移動する。これによって、ロックレバー102の回動に応じて、コネクタ部103を、バッテリ52と接続する接続位置/待避位置とに移動させる第1連動機構105が構成される。
なお、図16は、ロックレバー102をロック位置に回動した場合を示している。ロック位置の場合、コネクタ部103がバッテリ52と接続する接続位置に移動する。
【0047】
第2連動機構106は、ロックレバー102をロック位置に回動した場合に、左右の移動規制部材104を、バッテリケース101内のバッテリ52の上方への移動を規制する位置に保持する機構である。
図17に示すように、バッテリケース101の上部には、左右の移動規制部材104を、軸部材107を介して回動自在に支持する左右の支持部101Gが一体に設けられる。
図17の符号α、及び図18で示すように、左右の移動規制部材104は、支持部101Gに回動自在に連結される基端部104Aと、バッテリ52側に回動した場合にバッテリ52の上方の移動を規制する規制部104Bとを備える。
【0048】
規制部104Bは、付勢部材によってバッテリ52の反対側に回動するように付勢されており、バッテリ52の反対側に回動している場合に、ロック位置へ移動するロックレバー102が当接する当接部104Cを有している。
当接部104Cは、ロック位置へ移動するロックレバー102に当接することによって、規制部104Bをバッテリ52側に回動させる曲面形状を有している。
【0049】
本構成では、ロックレバー102がロック位置に移動すると、当接部104Cにロックレバー102が当接することによって、図19に示すように、左右の移動規制部材104が、バッテリ52の上方への移動を規制する規制位置に保持される。また、ロックレバー102をロック位置から待避させた場合、付勢部材の付勢力によって、左右の移動規制部材104が、上記規制位置から待避する側へ移動し、バッテリ52を取り出し自在となる。以上が第2連動機構106の構成である。以上が第2連動機構106の構成及び動作である。
【0050】
図3に示すように、バッテリ収容部本体100Kは、ロック位置のロックレバー102の回動を規制するストッパ108を備える。ストッパ108は、収納ボックス本体51Aに回動自在に支持され、ロック位置のロックレバー102に係合する位置へ回動操作されることによって、ロックレバー102をロック位置に保持する。
【0051】
上述の実施形態は本発明の一態様を示すものであり、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、細部等の構成は適宜に変更してもよい。
例えば、上記実施形態では、収容ケース71及び防水カバー81内に、PCU91、補機バッテリ92、及びヒューズボックス93を収容する場合を例示したが、この構成に限定しなくてもよい。
また、本発明を、図1等に示す自動二輪車に適用する場合を説明したが、これに限定されず、本発明を、任意の鞍乗り型車両に適用してもよい。なお、鞍乗り型車両は、二輪車両に限定されず、三輪車両、及び四輪車両等でもよい。また、駆動用のモータ12以外のモータを制御する制御装置を収容するモータ収容構造に本発明を適用してもよい。この場合、電動車両以外の車両が有するモータ収容構造に本発明を適用してもよい。
【0052】
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
【0053】
(構成1)乗員が足を載せるステップフロアと、モータを制御する制御装置を収容する収容ケースとを備え、前記ステップフロアの下方に前記収容ケースを配置した鞍乗り型車両において、前記収容ケースは、前記ステップフロアよりも下方に凹み、上方に開口部を有するボックス形状であり、前記ステップフロアは、前記開口部を覆う蓋部材となり、前記収容ケースと前記ステップフロアとによって区画された空間内で、前記制御装置は、下方が開放するボックス形状の防水カバーで覆われる鞍乗り型車両。
この構成によれば、コスト増とならず、簡単な構造で、収容ケースが水没した場合に収容ケース内の制御装置等の電装品の被水抑制、及び防水が可能な構造を提供することができる。
【0054】
(構成2)前記防水カバーの縦壁の下端は、前記制御装置よりも下方に位置する構成1に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、防水カバー内に浸入する水を、制御装置よりも低い位置に留めることができる。
【0055】
(構成3)前記制御装置は、前記収容ケースに設けられるステーを介して支持され、該制御装置は前記収容ケースの底部から離間して支持される構成1又は2に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、制御装置を収容ケースの底部よりも高い位置に支持でき、制御装置の被水抑制、及び防水に有利である。また、制御装置の下方に配線等の収容スペースを確保し易くなる。
【0056】
(構成4)前記ステーは、前記制御装置の上面に位置する板状部を有し、前記板状部は、前記防水カバーの上板部と前記制御装置との間に位置する構成3に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、ステーが防水カバー内の上下方向のスペースを阻害せず、制御装置を高い位置にし易くなる。
【0057】
(構成5)前記制御装置は、上方の前記ステップフロアに寄せて配置され、前記制御装置の側面に、当該制御装置と前記モータとの間の配線となる三相線を接続する三相線接続部を有し、前記制御装置の下面に放熱フィンを有する構成1から4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、三相線接続部を高い位置に配置でき、三相線接続部の被水抑制、及び防水に有利である。また、放熱フィンが、制御装置と収容ケースの底部との間のスペース側に設けられるので、制御装置の冷却性能を十分に得やすくなる。
【0058】
(構成6)前記収容ケースに収容される他の車体構成部品を有し、前記防水カバーは、前記制御装置と前記他の車体構成部品を覆う構成1から5のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、共通の防水カバーを利用して、制御装置、及び他の車体構成部品の被水抑制、及び防水が可能になる。
【0059】
(構成7)車体上面視で前記ステップフロアと重なる範囲のうち、車幅方向一側へオフセットした位置に前記制御装置が配置され、車幅方向他側へオフセットした位置に前記他の車体構成部品が配置され、前記制御装置は、車幅方向他側の側面に、当該制御装置と前記モータとの間の配線となる三相線を接続する三相線接続部を有する構成1から6のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、制御装置、及び他の車体構成部品を上下方向に重ねずにレイアウトするので、共通の防水カバーでこれら部品の被水抑制、及び防水を可能にしながら、ステップフロアの車幅方向中心寄りに三相線が通るスペースを空け、三相線の取り回しがし易くなる。
【0060】
(構成8)前記収容ケースの後壁には、前記制御装置への配線を含む配線群が通る連通口が設けられ、前記連通口は、前記防水カバーの後壁よりも下方、かつ、前記収容ケースの底部との間に位置し、前記配線群は、前記制御装置の下方、かつ、前記収容ケースの底部との間を通る構成1から7のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、制御装置と収容ケースの底部との間で上下に空くスペースを利用して配線群の取り回しが容易になる。
【符号の説明】
【0061】
10 鞍乗り型車両
11 車体フレーム
12 駆動用のモータ
17 シート
51 収納ボックス
52 駆動用のバッテリ
61 ステップフロア
71 収容ケース
71K 収容ケースの開口部
71T 収容ケースの底部
71R 収容ケースの後壁
71G 連通口
81 防水カバー
81R 防水カバーの後壁
91 PCU(制御装置)
91S PCUの側面
91S1 第2配線接続部(三相線接続部)
91X 放熱フィン
92 補機バッテリ(他の車体構成部品、電装品
93 ヒューズボックス(他の車体構成部品、電装品)
94 第1ステー
94A 第1ステーの板状部
LC 車幅中心
SP PCUと収容ケースの底部との間のスペース
W1 第1配線群
W2 第2配線群(三相線)
W3 第3配線群
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19