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特開2024-109229フィルム包装ティシュ収納体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109229
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】フィルム包装ティシュ収納体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/06 20060101AFI20240806BHJP
   B65D 33/01 20060101ALI20240806BHJP
   B65D 77/04 20060101ALI20240806BHJP
   B65D 83/08 20060101ALN20240806BHJP
【FI】
B65B5/06
B65D33/01
B65D77/04 B
B65D83/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013925
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 順一
【テーマコード(参考)】
3E003
3E014
3E064
3E067
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AB01
3E003BB05
3E003BC02
3E003BD04
3E003BE01
3E003DA03
3E003DA06
3E014LA09
3E064AA11
3E064AB23
3E064BA22
3E064BC18
3E064FA01
3E064GA01
3E064HD02
3E064HE02
3E064HE03
3E064HJ02
3E064HL01
3E064HP02
3E067AA12
3E067AB77
3E067AC03
3E067AC11
3E067AC14
3E067BA05C
3E067BA12B
3E067BB02C
3E067BB14B
3E067BC06B
3E067BC06C
3E067CA24
3E067EA06
3E067FA02
3E067FB11
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】フィルム包装ティシュ収納体を積み上げたときに、段ボール箱が変形したりフィルム包装ティシュ包装体が破裂したりすることを抑制するためのフィルム包装ティシュ収納体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、複数個のフィルム包装ティシュ2を一方向に積層した状態でガゼット包装袋1pに収納したフィルム包装ティシュ包装体1を段ボール箱4cに複数個箱詰めしたフィルム包装ティシュ収納体4の製造方法であって、各フィルム包装ティシュ包装体1には、ガゼット包装袋1pに吸排気口部121が形成され、当該吸排気口部121を通して抜気しつつ複数個のフィルム包装ティシュ包装体1をフィルム包装ティシュ2の積層方向へ圧縮する圧縮手段により、複数個のフィルム包装ティシュ包装体1をフィルム包装ティシュ2の積層方向へ圧縮した状態で段ボール箱4cに箱詰めするものである。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のフィルム包装ティシュを一方向に積層した状態でガゼット包装袋に収納したフィルム包装ティシュ包装体を段ボール箱に複数個箱詰めしたフィルム包装ティシュ収納体の製造方法であって、各フィルム包装ティシュ包装体には、ガゼット包装袋に吸排気口部が形成され、当該吸排気口部を通して抜気しつつ複数個のフィルム包装ティシュ包装体をフィルム包装ティシュの積層方向へ圧縮する圧縮手段により、複数個のフィルム包装ティシュ包装体をフィルム包装ティシュの積層方向へ圧縮した状態で段ボール箱に箱詰めすることを特徴とするフィルム包装ティシュ収納体の製造方法。
【請求項2】
前記フィルム包装ティシュ包装体内の各フィルム包装ティシュに吸排気口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルム包装ティシュ収納体の製造方法。
【請求項3】
複数個の前記フィルム包装ティシュ包装体を前記フィルム包装ティシュの積層方向へ80-98%圧縮した状態で段ボール箱に箱詰めすることを特徴とする請求項1に記載のフィルム包装ティシュ収納体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム包装ティシュ収納体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ティシュペーパーの箱詰めカートンを段ボール箱に複数個収容して梱包したカートン収納段ボール箱については、複数積み上げた状態で保管したり、運搬したりする際に下段側のカートン収納段ボール箱が重みで潰れ、内部のカートンも潰れるおそれがある。
【0003】
そこで、段ボール箱の外フラップの厚みおよび内フラップの厚みや、当該外フラップの厚みに対する当該内フラップの厚みの割合を所定範囲内に収めることによって、段ボール箱の内フラップによるカートン潰れを抑制することを図ったものが、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-60510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、フィルム包装されたティシュペーパー(以下、「フィルム包装ティシュ」とも言う)を複数個包装したフィルム包装ティシュ包装体を段ボール箱に複数個箱詰めしたフィルム包装ティシュ収納体では、単に、複数個のフィルム包装ティシュ包装体を段ボール箱に箱詰めしただけでは、フィルム包装ティシュ包装体と段ボール箱との間に隙間が生じて複数個のフィルム包装ティシュ収納体を積み上げたときに下段のフィルム包装ティシュ収納体の段ボール箱がその上段のフィルム包装ティシュ収納体の重さで潰れたり、あるいはフィルム包装ティシュ包装体が段ボール箱内で圧縮されて破裂したり、または段ボール箱内でのフィルム包装ティシュ包装体の圧縮の反力により段ボール箱が変形したりするという問題があった。当該問題は、特許文献1に記載の紙製のカートンを収容した段ボール箱の製造方法では生じない、複数個のフィルム包装ティシュ包装体を段ボール箱に収納したフィルム包装ティシュ収納体特有の問題であり、段ボール箱が潰れや変形を生じたりフィルム包装ティシュ包装体が破裂したりすることを抑制するためのフィルム包装ティシュ収納体の製造方法について依然として改善する余地がある。
【0006】
本発明は、複数個のフィルム包装ティシュ収納体を積み上げたときに、下段のフィルム包装ティシュ収納体の段ボール箱がその上段のフィルム包装ティシュ収納体の重さで潰れたり、あるいはフィルム包装ティシュ包装体が圧縮により破裂したり、段ボール箱内でのフィルム包装ティシュ包装体の圧縮の反力により段ボール箱が変形したりすることを抑制するためのフィルム包装ティシュ収納体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1形態に係るフィルム包装ティシュ収納体の製造方法は、複数個のフィルム包装ティシュを一方向に積層した状態でガゼット包装袋に収納したフィルム包装ティシュ包装体を段ボール箱に複数個箱詰めしたフィルム包装ティシュ収納体の製造方法であって、各フィルム包装ティシュ包装体には、ガゼット包装袋に吸排気口部が形成され、当該吸排気口部を通して抜気しつつ複数個のフィルム包装ティシュ包装体をフィルム包装ティシュの積層方向へ圧縮する圧縮手段により、複数個のフィルム包装ティシュ包装体をフィルム包装ティシュの積層方向へ圧縮した状態で段ボール箱に箱詰めすることを特徴とするものである。
【0008】
この製造方法により、複数個のフィルム包装ティシュ包装体を段ボール箱にフィルム包装ティシュの積層方向へ隙間なく箱詰めでき、これにより、複数個のフィルム包装ティシュ収納体をフィルム包装ティシュの積層方向へ積み上げたときのフィルム包装ティシュの積層方向への下段のフィルム包装ティシュ収納体の段ボール箱の潰れを防止できる。また、フィルム包装ティシュ包装体がフィルム包装ティシュの積層方向へ圧縮されたときには、フィルム包装ティシュ包装体が吸排気口部を通して抜気されるので、フィルム包装ティシュの積層方向へのフィルム包装ティシュ包装体の圧縮により、フィルム包装ティシュが不用意に破裂することを防止でき、しかも段ボール箱内でのフィルム包装ティシュの積層方向へのフィルム包装ティシュ包装体の圧縮の反力による段ボール箱の変形を防止することができる。
【0009】
本発明の第2形態に係るフィルム包装ティシュ収納体の製造方法は、前記フィルム包装ティシュ包装体内の各フィルム包装ティシュに吸排気口部が形成されていることを特徴とする第1形態として記載のものである。
【0010】
この製造方法により、フィルム包装ティシュ包装体がフィルム包装ティシュの積層方向へ圧縮されたときには、各フィルム包装ティシュも吸排気口部を通して抜気されるので、フィルム包装ティシュの積層方向へのフィルム包装ティシュ包装体の圧縮により、フィルム包装ティシュが不用意に破裂することを防止できるともに、フィルム包装ティシュ包装体をフィルム包装ティシュの積層方向へ効果的に圧縮することができる。
【0011】
本発明の第3形態に係るフィルム包装ティシュ収納体の製造方法は、複数個の前記フィルム包装ティシュ包装体を前記フィルム包装ティシュの積層方向へ80-98%圧縮した状態で段ボール箱に箱詰めすることを特徴とする第1形態として記載のものである。
【0012】
この製造方法により、複数個のフィルム包装ティシュ包装体を段ボール箱にフィルム包装ティシュの積層方向へ不都合なくより効果的に隙間なく箱詰めできる。段ボール箱内でのフィルム包装ティシュ包装体のフィルム包装ティシュの積層方向への圧縮率が80%未満であると、フィルム包装ティシュ包装体の圧縮の反力により、段ボール箱が変形する恐れがあり、段ボール箱内でのフィルム包装ティシュ包装体のフィルム包装ティシュの積層方向への圧縮率が98%を超えると、複数個のフィルム包装ティシュ収納体をフィルム包装ティシュの積層方向へ積み上げたときに下段のフィルム包装ティシュ収納体の段ボール箱がその上段のフィルム包装ティシュ収納体の重さで潰れる恐れがある。
【0013】
ここで、フィルム包装ティシュ包装体のフィルム包装ティシュの積層方向への圧縮率は、箱詰め状態でのフィルム包装ティシュ包装体のフィルム包装ティシュの積層方向の高さ寸法(段ボール箱の内フラップ間の高さ寸法)/段ボール箱への箱詰め状態から取り出したフィルム包装ティシュ包装体のフィルム包装ティシュの積層方向の高さ寸法の値である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数個のフィルム包装ティシュ包装体をフィルム包装ティシュの積層方向へ圧縮した状態で段ボール箱に隙間なく箱詰めでき、これにより、複数個のフィルム包装ティシュ収納体をフィルム包装ティシュの積層方向へ積み上げたときの下段のフィルム包装ティシュ収納体のフィルム包装ティシュの積層方向への段ボール箱の潰れを防止できる。また、フィルム包装ティシュ包装体のフィルム包装ティシュの積層方向への圧縮によるフィルム包装ティシュ包装体の破裂を防止でき、しかも段ボール箱内でのフィルム包装ティシュ包装体のフィルム包装ティシュの積層方向への圧縮の反力による段ボール箱の変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る、フィルム包装ティシュ包装体の全体斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る、フィルム包装ティシュ包装体の正面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る、フィルム包装ティシュ包装体の天面側の傾斜面に形成された吸排気口部周辺の拡大平面図であり、(a)は本実施形態に係る吸排気口部の形状について示し、(b)は本実施形態の変形例に係る吸排気口部の形状について示す。
図4】本発明の一実施形態に係る、フィルム包装ティシュ包装体の天面側の平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る、フィルム包装ティシュ包装体に収納されるフィルム包装ティシュの全体斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る、フィルム包装ティシュ収納体の全体斜視図である。
図7図6のVII-VII方向断面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る、複数のフィルム包装ティシュ包装体を段ボール箱へ挿入し収納する工程について説明するための概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1から図8を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。但し、本発明は本形態の態様に限定されるものではない。
【0017】
本発明に係る製造方法で製造されるフィルム包装ティシュ収納体に収納されるフィルム包装ティシュ包装体は、複数個のフィルム包装ティシュを収納してガゼット包装したものである。以下、本発明の一実施形態では、フィルム包装ティシュは、2枚のティシュペーパーを1組として、複数組のティシュペーパーを交互に折り畳み積層した積層体をフィルムによってピロー包装またはキャラメル包装したものである。
【0018】
なお、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「天面」および「底面」とは、フィルム包装ティシュ収納体、フィルムガゼット包装袋、フィルム包装袋の面自体を指すものとして参照される。但し、これらの用語はあくまで便宜上のものであり、重力方向における絶対的な位置を規定するものではないことは勿論である。また、「上」、「下」などの用語についても同様である。
【0019】
さらに、本明細書、特許請求の範囲、および図面の記載において、「高さ方向」、「幅方向」、および「奥行き方向」はそれぞれ直交するものとする。
【0020】
また、本明細書の記載において、「矩形」とは、長方形のほか正方形を含むだけでなく、略長方形や略正方形を含むものであり、「直方体」とは、立方体を含むだけでなく、略直方体や略立方体を含むものである。
【0021】
本明細書、特許請求の範囲、および図面の記載において、「吸排気口部」とは、例えば、切込み片と、当該切込み片が外側に突出することで形成される小孔(吸排気口)とで構成されるものとして参照される。具体的には、例えば、フィルム包装ティシュ包装体やフィルム包装ティシュの内部が、膨張したり、外部からの圧力によって圧迫されたりしたときに、切込み片が開放する(突出する)ことによって、フィルム包装ティシュ包装体やフィルム包装ティシュの内部に在る空気が、当該小孔を通って外側に向けて抜気される(逃げる)。本発明では、吸排気口部の形状・大きさや形成される位置は、本発明の効果が奏する限りにおいて様々なものや位置が採用されうる。
【0022】
<フィルム包装ティシュ包装体の構造>
図1は本発明の一実施形態に係るフィルム包装ティシュ包装体1の全体斜視図であり、図2は本実施形態に係るフィルム包装ティシュ包装体1の正面図である。また、図3は本実施形態に係るフィルム包装ティシュ包装体1の天面側の傾斜面12に形成された吸排気口部121周辺の拡大平面図である。図4は本実施形態に係るフィルム包装ティシュ包装体1の天面側の平面図である。
【0023】
本実施形態では、図1に示すように、天面側に天面側封止部11を有するフィルムガゼット包装袋(以下、単に「ガゼット包装袋」とも言う)1p内に複数個のフィルム包装ティシュ2が収納されているフィルム包装ティシュ包装体1であって、ガゼット包装袋1pの天面には、天面側封止部11を境として正面側および背面側に吸排気口部121が設けられている。
【0024】
なお、本実施形態では、ガゼット包装袋1pの天面において、傾斜面12の正面側および背面側に吸排気口部121が二対設けられているが、本発明ではこの限りではなく、吸排気口部121が設けられる場所は、ガゼット包装袋1pの天面、正面、背面、および/または側面の何処でもよいし、吸排気口部121が設けられる数は、1つ以上であれば特に限定されない。
【0025】
本実施形態では、フィルム包装ティシュ包装体1は、図1図2図4に示すように、天面側の開口を封止するための天面側封止部11と、天面側封止部11を挟むように正面側と背面側に位置する一対の傾斜面12と、を天面に有する頂部1Aと、5個のフィルム包装ティシュ2を横詰めで収納している胴部1Bとで構成される。
【0026】
ガゼット包装は、天底側の熱融着等による接着部分の間にある袋状の空間に、被包装物が複数個内包され、正面と背面との間にマチを有する包装形態であり、本実施形態においても、天面側封止部11を兼ねる持ち手部11hと底面側封止部13との間であって、正面と背面との間にマチ14が形成され、天面側封止部11と底面側封止部13との間にある袋状の空間に、被包装物であるフィルム包装ティシュ2が複数個内包されている。なお、天面側封止部11には、幅方向両端部にフィルムが4枚重ね合わされた4枚重ね部11aが形成されているとともに、幅方向両側の4枚重ね部11aの間にフィルムが2枚重ね合わされた2枚重ね部11bが形成され、この2枚重ね部11bに指掛け孔112が形成され、かつ互いに重ね合わされたフィルムが全域に亘って部分的にヒートシール結合されている。また、底面側封止部13には、天面側封止部11と同様に、幅方向両端部にフィルムが4枚重ね合わされた4枚重ね部13aが形成されているとともに、幅方向両側の4枚重ね部13aの間にフィルムが2枚重ね合わされた2枚重ね部13bが形成され、互いに重ね合わされたフィルムが幅方向に沿って直線状にヒートシール結合されている。なお、本発明では、持ち手部11hが形成されなくてもよいし、持ち手部11hを有しても指掛け孔112が形成されなくてもよいし、また、持ち手部11hが形成されるような高さを有しない(底面側封止部13のような構造である)天面側封止部11を設ける態様も許容されうる。
【0027】
このようなガゼット包装は、例えば、ガゼットチューブともいわれる筒状のガゼット包装袋の側部を袋内側に折り込みして偏平にしたガゼットチューブの天面側となる部分を熱融着してヒートシールすることにより、天面側の開口を封止する天面側封止部11を兼ねる持ち手部11hを形成し、その後に天面側が封止されたガゼット包装袋前駆体の底面側開口を拡開してそこから被包装物であるフィルム包装ティシュ2を(本実施形態では5個を横詰めで)挿入し、その後に底面側も熱融着等の適宜の封止手段にて封止して底面側封止部13を形成するようにして製造される。
【0028】
図3は、上述したように、本実施形態に係る、フィルム包装ティシュ包装体1の天面側の傾斜面12に形成された吸排気口部121周辺の拡大平面図であり、図3(a)は本実施形態に係る吸排気口部121の形状について示し、図3(b)は本実施形態の変形例に係る吸排気口部121’の形状について示す。
【0029】
吸排気口部121は、切込み片121dと、当該切込み片121dが外側に突出することで形成される小孔とで構成される。切込み片121dは、一直線上にない3点を結ぶ2辺を連続的に結ぶ直線あるいは曲線の切れ込みであり、開閉可能となっている。本実施形態では、図1から図3(a)に示すように、ガゼット包装袋1pの傾斜面12に円形に切れ込みを入れていき一部を残すことで形成されている。詳しく説明すると、図3(a)に示すように、円状に切れ込みを入れて上下に連結部121cを残す形で吸排気口部121が2つの半円状の孔により略円形に形成されている。このように一部を残すことで、切れ込みが入った場所においてフラップ状の切込み片121dが吸排気口部121を開閉可能となり、吸排気口部121を通して抜気することが可能となり、また、吸排気口部121からの塵埃等の異物の侵入を抑制することが可能となる。
【0030】
なお、本発明では、吸排気口部121の切れ込み形状は円形に限られず、略円形、楕円、卵形、2つの同形の円弧を両端部でそれぞれ接続したような貝形状、多角形等が採用されうる。また、本発明では、吸排気口部121において切込みを残す部分は、本発明の効果を奏する限りにおいて、様々な箇所や形状が採用されうる。また、本発明では、吸排気口部121を切込み片121dにより開閉可能とする場合に限らず、吸排気口部121を常時開口する円形や多角形等の開口として形成するようにしてよい。
【0031】
単一の吸排気口部121の面積(2つの半円状の孔により構成される単一の吸排気口部121の面積)は、7mm2~50mm2とすることが好ましく、吸排気口部121の総面積(単一の吸排気口部121の面積×吸排気口部121の個数(本実施形態の場合には4個))は、28mm2~200mm2とすることが好ましい。吸排気口部121の総面積が28mm2以上であると、フィルム包装ティシュ包装体1がフィルム包装ティシュ2の積層方向(高さ方向)へ圧縮されたときには、フィルム包装ティシュ包装体1を素早くかつ十分に抜気することができる。吸排気口部121の総面積が28mm2を下回ると、抜気効果が低下する。吸排気口部121の総面積が200mm2を超えると、吸排気口部121からの塵埃等の異物の侵入の抑制効果が低下し、特に、吸排気口部121を常時開口する開口として形成した場合に、吸排気口部121からの塵埃等の異物の侵入の抑制効果が顕著に低下する。
【0032】
本実施形態の変形例では、図3(b)に示すように、吸排気口部121’において切込み片121’dはV字形状を有するものであり、切れ込みの端部同士の連結部分が、切込み片121’dの基端となっている。ここで例えば、フィルム包装ティシュ包装体1の内部から抜気される際、その基端から切込み片121’dが外側へ向けて突出することになり、抜気後には、その基端において復元力が作用し、切込み片121’dが元の位置に戻り、小孔を閉鎖することになり、塵埃侵入防止として機能することになる。
【0033】
本実施形態では、指掛け孔112が持ち手部11hの幅方向に離間して2箇所設けられている。この構成により、持ち運び時に持ち手部11hに作用する力が分散し、持ち手部11hの全体に亘って強度を効果的に向上することができる。本発明では、指掛け孔112は、持ち手部11hに1箇所設けられても良いし、持ち手部11hの幅方向に離間して3箇所以上設けられても良いし、持ち手部11hに指掛け孔112が全く設けられない態様も許容されうる。
【0034】
本実施形態では、持ち手部11hにおいて互いに重ね合わされたフィルムが持ち手部11h全域に亘って網点状にヒートシール結合されている。この構成により、持ち手部11hの全体に亘って凹凸が付与され、ひいては、持ち手部11hの滑りが防止されて運搬時の作業性が向上する。持ち手部11hには、図1および図2に示すように、互いに重ね合わされたフィルムをヒートシール結合することで、複数の矩形状のヒートシール部111が縦横方向において所定間隔をもって整列して形成されている。なお、本発明では、持ち手部11hにヒートシール部111が形成されない態様も許容されうる。
【0035】
ヒートシール部111の網点状の点の形状は、本実施形態では矩形であるが、本発明ではこれに限られず、例えば、正方形や、曲線を含む角丸多角形、円、楕円等が採用されうる。また、ヒートシール部111の網点状のパターンは、本実施形態では矩形のヒートシール部111が縦横方向に所定間隔をもって整列した格子パターンとしたが、本発明ではこれに限られず、斜め格子パターンなど様々な配列パターンが採用可能である。
【0036】
ガゼット包装袋1pの持ち手部11hにおいて、フィルム2枚重ね部11bに指掛け孔112を有する構成とするための好ましい要件としては、図1および図2を参照して、(1)フィルム包装ティシュ包装体1の奥行き寸法L2≦フィルム包装ティシュ包装体1の幅寸法L1×0.6、かつ(2)持ち手部11hの幅寸法L3≦フィルム包装ティシュ包装体1の幅寸法L1×1.1である。ここで上記(2)の数値1.1は、フィルム包装ティシュ包装体1が幅方向に圧縮されることを考慮したものである。
【0037】
本実施形態に係るフィルム包装ティシュ2は、ティシュペーパーの束をオーバーラップ包装したものであり、当該オーバーラップ包装は、キャラメル包装または合せ包み包装とも呼ばれる包装である。
【0038】
フィルム包装ティシュ2は、フィルム包装袋2p内にティシュペーパーの束が収納されている状態で略直方体を呈しているものであり、フィルム包装袋2pには、後述の図5に示すように、当該ティシュペーパーの取り出し口が形成されるミシン目220が天面部22に直線状に形成されている。
【0039】
フィルム包装ティシュ2の外装を構成する柔軟性のある樹脂製の包装フィルムの具体例としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム、塩化ビニリデンフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体の単層フィルム、または、それらのフィルムを含む適宜積層されたラミネートフィルムや、それらのフィルムにアルミ蒸着などの表面処理を施したガスバリアフィルムが挙げられる。また、環境保護の観点から、サトウキビ、芋(デンプン)、トウモロコシといった植物原料に由来するバイオマスフィルムや、ポリ乳酸等を原料とする生分解性フィルムを用いることが望ましい。コストの観点からはポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムが好ましい。
【0040】
また、フィルム包装ティシュ2の外装を構成する包装フィルムは、意匠性や手触り性に優れる梨地フィルムであってもよいし、さらに、香り付きのティシュペーパーなど臭気のあるものを包装するのであれば、保香性に優れるエチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いることができる。エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの一方面または両面に、ポリエチレン樹脂製フィルムやポリプロピレン樹脂製フィルムを積層して熱融着性が高められた複層の樹脂フィルムを用いてもよい。
【0041】
ガゼット包装袋1pのフィルムとしては、ポリプロピレンフィルム及びポリエチレンフィルムであるのがコスト面及び開封性の点で望ましく、ポリエチレンフィルムとしては、直鎖低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)、低密度ポリエチレンフィルム(LDPE)、中密度ポリエチレンフィルム(MDPE)が挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム、塩化ビニリデンフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体の単層フィルム、または、それらのフィルムを含む適宜積層されたラミネートフィルムや、それらのフィルムにアルミ蒸着などの表面処理を施したガスバリアフィルムを用いることが可能である。フィルム包装ティシュ2の外装を構成する包装フィルムと同様に、環境保護の観点から、サトウキビ、芋(デンプン)、トウモロコシといった植物原料に由来するバイオマスフィルムや、ポリ乳酸等を原料とする生分解性フィルムを用いることが望ましい。
【0042】
なお、本発明では、天面側に天面側封止部11を有するガゼット包装袋1p内に複数個のフィルム包装ティシュ2が収納される構成であればよく、底面側封止部13については、互いに重ね合わされたフィルムを幅方向に沿って直線状にヒートシール結合する構成に限らず、合わせ包みヒートシール包装により封止するようにしてもよい。また、持ち手部11hが天面側封止部11を兼ねる構成に限らず、例えば、持ち手部11hとフィルム包装ティシュ2の収納部との間において、互いに重ね合わされたフィルムを幅方向に沿って直線状にヒートシール結合して封止する天面側封止部を別途設けるようにしてもよい。
【0043】
本実施形態では、フィルム包装ティシュ包装体1において、図4に示すように、吸排気口部121が天面に持ち手部11hを境として対称に二対形成されている。この構成により、フィルム包装ティシュ包装体1において持ち手部11hを境として正面側および背面側の吸排気口部121をダイカットロール等により一工程で簡単に形成できる。本発明では、吸排気口部121の数はこれに限られず、また、天面の正面側および背面側のいずれか一方に吸排気口部121を設ける態様も許容されうる。
【0044】
図5は、本実施形態に係る、フィルム包装ティシュ包装体1に収納されるフィルム包装ティシュ2の全体斜視図である。
【0045】
フィルム包装ティシュ2は、フィルム包装袋2p内にティシュペーパーの束が収納されている状態で略直方体を呈しているものであり、フィルム包装袋2pには、図5に示すように、当該ティシュペーパーの取り出し口が形成されるミシン目220が天面部22に直線状に形成されている。
【0046】
本実施形態では、図5に示すように、フィルム包装ティシュ包装体1内の各フィルム包装ティシュ2に吸排気口部121が形成されている。
【0047】
この構成により、フィルム包装ティシュ包装体1がフィルム包装ティシュ2の積層方向(高さ方向)へ圧縮されたときには、各フィルム包装ティシュ2も吸排気口部121を通して抜気されるので、フィルム包装ティシュ2の積層方向へのフィルム包装ティシュ包装体1の圧縮により、各フィルム包装ティシュ2が不用意に破裂することを防止できるともに、フィルム包装ティシュ包装体1をフィルム包装ティシュ2の積層方向へ効果的に圧縮することができる。
【0048】
より具体的には、フィルム包装袋2pの一対の長側面部23には、図5に示すように、二対の吸排気口部121が離間して形成されている。なお、吸排気口部121の数は、これに限られず、吸排気口部121が形成される箇所は、略直方体のフィルム包装袋2pを構成する長側面部23および短側面部24のいずれの面部であってもよい。なお、吸排気口部121は、フィルム包装ティシュ包装体1の吸排気口部121と同様に開閉可能に構成するようにしてもよく、常時開口する開口とするようにしてもよい。また、単一の吸排気口部121の面積(2つの半円状の孔により構成される単一の吸排気口部121の面積)は、7mm2~50mm2とすることが好ましく、吸排気口部121の総面積(単一の吸排気口部121の面積×吸排気口部121の個数(本実施形態の場合には4個))は、28mm2~200mm2とすることが好ましい。吸排気口部121の総面積が28mm2以上であると、フィルム包装ティシュ包装体1がフィルム包装ティシュ2の積層方向(高さ方向)へ圧縮されたときには、フィルム包装ティシュ2を素早くかつ十分に抜気することができる。吸排気口部121の総面積が28mm2を下回ると、抜気効果が低下する。吸排気口部121の総面積が200mm2を超えると、吸排気口部121からの塵埃等の異物の侵入の抑制効果が低下し、特に、吸排気口部121を常時開口する開口として形成した場合に、吸排気口部121からの塵埃等の異物の侵入の抑制効果が顕著に低下する。
【0049】
本発明では、フィルム包装袋2pに吸排気口部121を設けない態様も許容され得る。
【0050】
<フィルム包装ティシュ収納体の製造方法>
図6は本発明の一実施形態に係る、フィルム包装ティシュ収納体の全体斜視図であり、図7図6のVII-VII方向断面図であり、図8は本実施形態に係る、複数のフィルム包装ティシュ包装体を段ボール箱へ挿入し収納する工程について説明するための概要図である。説明の便宜上、図6から図8では、フィルム包装ティシュ包装体1を5つ並んでいる直方体で概略的に表している。
【0051】
本実施形態では、フィルム包装ティシュ収納体4は以下の(A)から(E)工程を経て製造される。
(A)折り畳み・積層工程
インターホルダーにより2プライのティシュペーパー原紙をポップアップ方式に折り畳み、指定枚数を積層し、長尺の積層体にする工程である。
(B)断裁工程
カッターにより長尺の積層体を指定寸法に断裁する工程である。
(C)ティシュ束のフィルム包装工程
指定寸法に断裁された積層体をフィルム包装袋2p内に収納する工程である。
(D)ガゼット包装工程
積層体を詰められたフィルム包装ティシュ2を指定数量(本実施形態では5個)ずつガゼット包装する工程である。
(E)製品包装工程
フィルム包装ティシュ2が指定数量ずつ包装されたフィルム包装ティシュ包装体1を段ボール箱4cに複数個詰める工程である(図8を参照)。
【0052】
本発明に係るフィルム包装ティシュ収納体の製造方法は、図6から図8に示すように、複数個(本実施形態では5個)のフィルム包装ティシュ2を一方向に積層した状態でガゼット包装袋1pに収納したフィルム包装ティシュ包装体1を段ボール箱4cに複数個(本実施形態では2×4列の8個)箱詰めしたフィルム包装ティシュ収納体4の製造方法であって、各フィルム包装ティシュ包装体1には、ガゼット包装袋1pに吸排気口部121が形成され、当該吸排気口部121を通して抜気しつつ複数個のフィルム包装ティシュ包装体1をフィルム包装ティシュ2の積層方向へ圧縮する圧縮手段により、複数個のフィルム包装ティシュ包装体1をフィルム包装ティシュ2の積層方向へ圧縮した状態で段ボール箱4cに箱詰めするものである。
【0053】
これにより、複数個のフィルム包装ティシュ包装体1を段ボール箱4cにフィルム包装ティシュ2の積層方向へ隙間なく箱詰めでき、これにより、複数個のフィルム包装ティシュ包装体1を段ボール箱4cにフィルム包装ティシュ2の積層方向へ箱詰めされたフィルム包装ティシュ収納体4をフィルム包装ティシュ2の積層方向へ複数個積み上げたときの下段のフィルム包装ティシュ収納体4のフィルム包装ティシュ2の積層方向への段ボール箱4cの潰れを防止できる。ひいては段ボール箱4cの収納物であるフィルム包装ティシュ包装体1やフィルム包装ティシュ2の破裂や汚損を抑制することができる。また、フィルム包装ティシュ包装体1がフィルム包装ティシュ2の積層方向へ圧縮されたときには、フィルム包装ティシュ包装体1が吸排気口部121を通して抜気されるので、フィルム包装ティシュ2の積層方向へのフィルム包装ティシュ包装体1の圧縮によるフィルム包装ティシュ包装体1の破裂を防止でき、しかも段ボール箱4c内でのフィルム包装ティシュ包装体1のフィルム包装ティシュ2の積層方向への圧縮の反力による段ボール箱4cの変形を防止することができる。
【0054】
本実施形態に係る段ボール箱4cは、いわゆるA式段ボール箱(JIS Z1507の02形式の溝切形の段ボール箱)であり、天面側の一対の内フラップおよび一対の外フラップと、それらに対向する底面側の一対の内フラップおよび一対の外フラップと、天面側の一対の内フラップ(図7では符号4tfで表される部分)および底面側の一対の内フラップ(図7では符号4bfで表される部分)に連続し互いに対向する一対の幅面と、天面側の一対の外フラップおよび底面側の一対の外フラップに連続し互いに対向する一対の長さ面とを含んで直方体形状を有するものである。当該天面側の一対の外フラップおよび底面側の一対の外フラップについては、それらの基端縁において長さ面に対して直角に折り曲げたときに互いに突き合わることが可能となっており、当該天面側の一対の内フラップおよび底面側の一対の内フラップについては、それらの基端縁において幅面に対して直角に折り曲げたときに自由端縁間に隙間が出来る状態となっている(図7を参照)。本実施形態に係る段ボール箱4cのブランクは、組立状態において内フラップ(または外フラップ)が折り曲がる基端縁に直交する方向に延在するように段目が形成されているが、本発明では、当該基端縁に平行に延在するように段目が形成されてもよい。また、本発明では、段ボール箱4cの天面側の一対の内フラップおよび底面側の一対の内フラップについて、それらの基端縁において幅面に対して直角に折り曲げたときに互いに突き合わせられることが可能となる態様も許容されうる。
【0055】
本実施形態では、フィルム包装ティシュ収納体4の製造にあたり、複数個のフィルム包装ティシュ包装体1をフィルム包装ティシュ2の積層方向へ80-98%圧縮した状態で段ボール箱4cに箱詰めする。
【0056】
これにより、複数個のフィルム包装ティシュ包装体1を段ボール箱4cにフィルム包装ティシュ2の積層方向へ不都合なくより効果的に隙間なく箱詰めできる。段ボール箱4c内のフィルム包装ティシュ包装体1のフィルム包装ティシュ2の積層方向への圧縮率が80%未満であると、段ボール箱4c内でのフィルム包装ティシュ包装体1のフィルム包装ティシュ2の積層方向への圧縮の反力により、段ボール箱4cが変形する恐れがあり、段ボール箱4c内のフィルム包装ティシュ包装体1のフィルム包装ティシュ2の積層方向への圧縮率が98%を超えると、複数個のフィルム包装ティシュ収納体4をフィルム包装ティシュ2の積層方向へ積み上げたときに下段のフィルム包装ティシュ収納体4の段ボール箱4cがその上段のフィルム包装ティシュ収納体4の段ボール箱4cの重さで潰れる恐れがある。
【0057】
ここで圧縮率は、箱詰め状態でのフィルム包装ティシュ包装体1のフィルム包装ティシュ2の積層方向の高さ寸法(段ボール箱4cの内フラップ間の高さ寸法(図7の天面側の内フラップ4tfと、底面側の内フラップ4bfとの間の距離H2))/箱詰め状態から取り出したフィルム包装ティシュ包装体1のフィルム包装ティシュ2の積層方向の高さ寸法H1の値である。箱詰め状態でのフィルム包装ティシュ包装体1のフィルム包装ティシュ2の積層方向の高さ寸法については、この寸法と実質的に同一である、段ボール箱4cの内フラップ間の高さ寸法(図7の天面側の内フラップ4tfと底面側の内フラップ4bfとの間の距離H2)を代用することができる。具体的には、段ボール箱4cに箱詰めされた複数個のフィルム包装ティシュ包装体1を取り出し、複数個のフィルム包装ティシュ包装体1が取り出された段ボール箱4cの底面側の内フラップ4bfの基端部と天面側の内フラップ4tfの谷折り線との間隔を測定し、箱詰め状態でのフィルム包装ティシュ包装体1のフィルム包装ティシュ2の積層方向の高さ寸法として代用することができる。この測定には曲尺(例えば、シンワ測定株式会社製の曲尺角厚シルバー50cm表裏同目JIS(製品名))を用いることができる。一方、箱詰め状態から取り出したフィルム包装ティシュ包装体1のフィルム包装ティシュ2の積層方向の高さ寸法H1については、段ボール箱4cに箱詰めされた複数個のフィルム包装ティシュ包装体1を取り出し、そのうちの一のフィルム包装ティシュ包装体1について、温度23℃±1℃、湿度50%±2%の環境条件下において、3時間静置したものを用いて、天面側封止部11および底面側封止部13の厚みを含まない高さ寸法として測定する。この測定には、株式会社ミツトヨ製の精密測定機リニアハイトLH-600E、518-351-10を用いることができる。
【0058】
上記(E)製品包装工程において、図8に示すように、例えば、各フラップを折り曲げる前の段ボール箱4cに、プッシャー5により、8個のフィルム包装ティシュ包装体1を束にしたフィルム包装ティシュ包装体群3を挿入し、段ボール箱4cの天面側の一対の内フラップおよび一対の外フラップと、底面側の一対の内フラップおよび一対の外フラップとを、それらの基端縁において幅面と長さ面に対して直角になるようにそれぞれ折り曲げ、天面側と底面側の両方から押して、段ボール箱4cに収納されたフィルム包装ティシュ包装体群3を圧縮し、フィルム包装ティシュ包装体群3の各フィルム包装ティシュ包装体1の内部にある空気を各包装体1に形成された吸排気口部121を介して段ボール箱4cの外側に逃がす。つまり、段ボール箱4cのフラップが圧縮手段として、フィルム包装ティシュ包装体1をフィルム包装ティシュ2の積層方向に圧縮することになる。そして、二対の外フラップの突き合わせ部分を封緘テープ等でそれぞれ封止することで、図8の左下に示すフィルム包装ティシュ収納体4と成る。
【0059】
本実施形態では、プッシャー5の板は、メッシュ状の素材となっており、各フラップを折り曲げる前の段ボール箱4cにフィルム包装ティシュ包装体群3を挿入する際にフィルム包装ティシュ包装体1が吸排気口部121を通して抜気されるのを妨げることがないようになっている。
【0060】
<その他>
本発明は、上述した各実施形態や、随所に述べた変形例に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。
【0061】
例えば、上記実施形態では、ガゼット包装袋1pの天面に持ち手部11hを境として正面側および背面側に吸排気口部121を形成したが、持ち手部11hを省略し、上述したように、ガゼット包装袋1pの封止側の一端部11Eであってガゼット包装袋1pの天面および/または正面、背面、側面に単一又は複数の吸排気口部121を設けるようにしてもよい。この場合には、複数個のフィルム包装ティシュ包装体1を段ボール箱4cに箱詰めするに際し、その箱詰め動作によりフィルム包装ティシュ包装体1を抜気しつつ複数個のフィルム包装ティシュ包装体1を段ボール箱4cにがたつきなく安定して箱詰めすることができる。特に、複数個のフィルム包装ティシュ包装体1を段ボール箱4cに箱詰めした、複数個のフィルム包装ティシュ収納体4を安定して段積みできるように段ボール箱4cの大きさを小さめに設定し、複数個のフィルム包装ティシュ包装体1を圧縮しつつ段ボール箱4cに箱詰めするに際してフィルム包装ティシュ包装体1を抜気しつつ複数個のフィルム包装ティシュ包装体1を段ボール箱4cにがたつきなく安定して箱詰めすることができる。また、この場合には、吸排気口部121をガゼット包装袋1pの隣接する二つ面、例えば、ガゼット包装袋1pの天面および正面に設けるようにすれば、複数個のフィルム包装ティシュ包装体1を圧縮しつつ段ボール箱4cに箱詰めするに際し、その圧縮方向にかかわらず、フィルム包装ティシュ包装体1を抜気しつつ複数個のフィルム包装ティシュ包装体1を段ボール箱4cにがたつきなく安定して箱詰めすることができる。これらの場合にも、上記本発明の一実施形態に係るフィルム包装ティシュ包装体1と同様に、吸排気口部121を切込み片により開閉可能に形成することが好ましく、これによっても、フィルム包装ティシュ包装体1内への埃等の異物の侵入を防止しつつフィルム包装ティシュ包装体1外へ抜気することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 フィルム包装ティシュ包装体
1A 頂部
11 天面側封止部
11h 持ち手部
111 ヒートシール部
112 指掛け孔
12 傾斜面
121 吸排気口部
1B 胴部
1p ガゼット包装袋
11E 一端部(天面側端部)
13E 他端部(底面側端部)
13Eo 他端部の開口
2 フィルム包装ティシュ
2p フィルム包装袋
3 フィルム包装ティシュ包装体群
4 フィルム包装ティシュ収納体
4c 段ボール箱
4tf 天面側の内フラップ
4bf 底面側の内フラップ
5 プッシャー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8