(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010924
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 41/265 20180101AFI20240118BHJP
F21S 41/26 20180101ALI20240118BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20240118BHJP
F21S 41/151 20180101ALI20240118BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20240118BHJP
F21W 102/135 20180101ALN20240118BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240118BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240118BHJP
【FI】
F21S41/265
F21S41/26
F21S41/143
F21S41/151
F21V5/04 250
F21W102:135
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112525
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】弁理士法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】本多 一輝
(72)【発明者】
【氏名】西村 将太
(57)【要約】 (修正有)
【課題】デザイン性を向上させることが可能な車両用灯具を提供する。
【解決手段】複数の発光素子1、2、3、4、5と、複数の発光素子の各々から出射する光を透過させるレンズと、レンズを透過した前記光を通過させる筐体10eと、を含み、複数の発光素子は、車両への搭載時の左端側に配置される少なくとも1つの第1発光素子1と、車両への搭載時の右端側に配置される少なくとも1つの第2発光素子5と、を有し、第1発光素子1から出射してレンズを透過した第1光11は、車両への搭載時の前後方向を基準として右方向へ偏って拡がるように筐体10eを通過し、第2発光素子5から出射してレンズを透過した第2光は、車両への搭載時の前後方向を基準として左方向へ偏って拡がるように筐体10eを通過する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子と、
前記複数の発光素子の各々から出射する光を透過させるレンズと、
前記レンズを透過した前記光を通過させる筐体と、
を含み、
前記複数の発光素子は、車両への搭載時の左端側に配置される少なくとも1つの第1発光素子と、当該車両への搭載時の右端側に配置される少なくとも1つの第2発光素子と、を有し、
前記第1発光素子から出射して前記レンズを透過した第1光は、前記車両への搭載時の前後方向を基準として右方向へ偏って拡がるように前記筐体を通過し、
前記第2発光素子から出射して前記レンズを透過した第2光は、前記車両への搭載時の前後方向を基準として左方向へ偏って拡がるように前記筐体を通過する、
車両用灯具。
【請求項2】
前記第1光は、前記車両への搭載時の前後方向を基準にして前記右方向へ進む成分が前記左方向へ進む成分よりも多く、
前記第2光は、前記車両への搭載時の前後方向を基準にして前記左方向へ進む成分が前記右方向へ進む成分よりも多い、
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記筐体は、第1開口と当該第1開口よりも径の小さい第2開口を有しており、
前記レンズは、光出射面が前記筐体の前記第2開口に近い側に配置されており、当該光出射面から前記第1開口側へ前記第1光及び前記第2光を出射させる、
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記複数の発光素子は、前記第1発光素子と前記第2発光素子の間に配置された1つ以上の第3発光素子を有し、
前記第3発光素子から出射して前記レンズを透過した第3光は、前記車両への搭載時の前後方向を基準として略対称に拡がるように前記筐体を通過する、
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記第1光及び前記第2光は、前記第3光よりも広角に出射する、
請求項4に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2017-047815号公報(特許文献1)に記載の車両用灯具は、ハイビーム用配光パターンを形成するための第1灯具ユニットと、ロービーム用配光パターンを形成するための第2灯具ユニットを備える。第1灯具ユニットは、5つの発光モジュールを有しており、第2灯具ユニットよりも車両中心側に配置されている。第2灯具ユニットは、3つの発光モジュール46を有しており、第1灯具ユニットよりも車両左端側に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に係る具体的態様は、デザイン性を向上させることが可能な車両用灯具を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る一態様の車両用灯具は、(a)複数の発光素子と、(b)前記複数の発光素子の各々から出射する光を透過させるレンズと、(c)前記レンズを透過した前記光を通過させる筐体と、を含み、(d)前記複数の発光素子は、車両への搭載時の左端側に配置される少なくとも1つの第1発光素子と、当該車両への搭載時の右端側に配置される少なくとも1つの第2発光素子と、を有し、(e)前記第1発光素子から出射して前記レンズを透過した第1光は、前記車両への搭載時の前後方向を基準として右方向へ偏って拡がるように前記筐体を通過し、(f)前記第2発光素子から出射して前記レンズを透過した第2光は、前記車両への搭載時の前後方向を基準として左方向へ偏って拡がるように前記筐体を通過する、車両用灯具である。
【0006】
上記構成によれば、デザイン性を向上させることが可能な車両用灯具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態の車両用灯具の光学要素についての分解斜視図である。
【
図2】
図2(A)、
図2(B)は、車両用灯具の断面構造を簡略化して示した図である。
【
図3】
図3(A)、
図3(B)は、それぞれ比較例の車両用灯具の構成を示す図である。
【
図4】
図4(A)は、ロービームのみ照射時の発光素子の動作状態を模式的に示した図である。
図4(B)は、ロービーム及びハイビームの照射時の発光素子の動作状態を模式的に示した図である。
【
図5】
図5(A)~
図5(E)は、各発光素子から出射する光による配光パターンを示す図である。
【
図6】
図6(A)は、ロービームの配光パターンを示す図である。
図6(B)は、ロービーム及びハイビームの配光パターンを示す図である。
【
図7】
図7(A)、
図7(B)は、発光素子から出射する光が特定方向へ偏って拡がるようにするためのレンズの構成例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、レンズのより詳細な実施例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、一実施形態の車両用灯具の光学要素についての分解斜視図である。本実施形態の車両用灯具10は、光源基板10aと、ヒートシンク10bと、レンズ10cと、駆動回路10dを含んで構成されている。
【0009】
光源基板10aは、車両に搭載された際の左右方向(図中のX方向)に沿って配列された複数の発光素子1~5を備える。本実施形態では各発光素子1~5の一例としてLEDを考えるが、各発光素子1~5はレーザー素子であってもよい。
【0010】
ヒートシンク10bは、光源基板10aの放熱に用いられるものであり光源基板10aの背面側に配置されている。
【0011】
レンズ10cは、基板10aの前面側に配置されており、各発光素子1~5から出射される光を透過させて配光パターンを形成する。
【0012】
駆動回路10dは、光源基板10aと接続されており、各発光素子1~5を駆動する。
【0013】
光源基板10aの各発光素子1~5のうち、発光素子2、4はハイビームの形成に用いられ、発光素子1、3、5はロービームの形成に用いられる。発光素子1、5は、それぞれ左端と右端に配置されている。発光素子3は、発光素子1と発光素子5の中間に配置されている。発光素子2は、発光素子1と発光素子3の間に配置されている。発光素子4は、発光素子3と発光素子5の間に配置されている。
【0014】
図2(A)、
図2(B)は、車両用灯具の断面構造を簡略化して示した図である。上記のように、車両用灯具10の各発光素子1~5から出射する光はレンズ10cによって集光されて車両前方へ照射される。レンズ10cの前側には各発光素子1~5からの出射光を一定範囲に絞って通過させるための筐体(エクステンション)10eが設けられている。レンズ10cの光出射面は、筐体10eの図中下側の第2開口に近い側に配置されている。図示のようにこの第2開口は、筐体10eの図中上側の第1開口よりも径が小さい。
【0015】
各発光素子1~5のうち、車両に搭載された際の左右方向(図中X方向)における左端側及び右端側の発光素子1、5に挟まれて配置されている各発光素子2~4から放出される光は、レンズ10cによって集光されて、車両に搭載された際の前後方向(図中Y方向)を基準にほぼ対称に拡がって車両前方へ照射される。
【0016】
他方で、各発光素子1、5から放出される光を抜き出して
図2(B)に示すように、発光素子1、5からの光は、Y方向を基準にして非対称に拡がってレンズ10cから出射する。
【0017】
詳細には、発光素子1からの光11は、Y方向を基準にして右方向へ進む成分11aが左方向へ進む成分11bよりも多い。そして、この光11は、筐体10eの自身に近い側の内壁から遠ざかる側であって、各発光素子1~5のうちでの自身の位置(図示の例では左側)と逆方向(図示の例では右側)に偏って拡がるようにレンズ10cから出射する。
【0018】
また、発光素子5からの光15は、Y方向を基準にして左方向へ進む成分15aが右方向へ進む成分15bよりも多い。そして、この光15は、筐体10eの自身に近い側の内壁から遠ざかる側であって、各発光素子1~5のうちでの自身の位置(図示の例では右側)と逆方向(図示の例では左側)に偏って拡がるようにレンズ10cから出射する。
【0019】
これらの発光素子1、5は、ロービーム形成に用いられるものであり、より広角に光を出射させる必要があるので、他の発光素子2~4に比べて光の拡がり角度がより大きく設定されている。それにも関わらず、拡がり方向を偏らせることで筐体10eの開口径Lを狭くすることができる。
【0020】
図3(A)、
図3(B)は、それぞれ比較例の車両用灯具の構成を示す図である。各図に比較例の車両用灯具100a、100bは、それぞれ、発光素子101、102、103、104、105と、レンズ110cと、筐体110eを備えている。各比較例の車両用灯具100a、100bでは、図中の左側に寄せて配列されている各発光素子101~103がロービーム形成に用いられ、図中の右側に寄せて配列されている発光素子104、105がハイビーム形成に用いられる。そして、発光素子101~103のほうが発光素子104、105に比べて光の拡がり角度がより大きく設定されている。
【0021】
図3(A)に示す比較例の車両用灯具100aでは、各発光素子101~103による光が筐体110eによって遮られないようにするために筐体110eの開口径L1が上記した実施形態の車両用灯具10に比べて大きくなる。それにより、車両用灯具100aの存在がより目立つようになり、外観デザインの観点で望ましくない。
【0022】
他方で、
図3(B)に示す比較例の車両用灯具100bのように、各発光素子101~103による光が筐体110eによって遮られないようにするために各発光素子101~105とレンズ110cを筐体110eの図中上側の開口に近づけて配置した場合には、筐体110eの開口径L2を小さくできるもののレンズ110cや各発光素子101等の存在がより目立つようになり、やはり外観デザインの観点で望ましくない。
【0023】
図4(A)は、ロービームのみ照射時の発光素子の動作状態を模式的に示した図である。図示のように、本実施形態の車両用灯具10では、各発光素子1~5のうちの各発光素子1、3、5から出射する光がレンズ10cを透過することによってロービームが形成される。各発光素子1、5は、駆動回路10dから駆動電圧が印加されて点灯する。
【0024】
図4(B)は、ロービーム及びハイビームの照射時の発光素子の動作状態を模式的に示した図である。本実施形態の車両用灯具10では、図示のように、各発光素子1~5のうちの各発光素子1、5から出射する光がレンズ10cを透過することによってロービームが形成され、各発光素子2、4から出射する光がレンズ10cを透過することによってハイビームが形成される。各発光素子1~5は、駆動回路10dから駆動電圧が印加されて点灯する。
【0025】
図5(A)~
図5(E)は、各発光素子から出射する光による配光パターンを示す図である。
図5(A)は、発光素子5から出射する光をレンズ10cに通すことによって得られる配光パターンを示している。具体的には、この配光パターンは、主に水平線の下方において車両前方の中心(0°)から左側(L側)に拡がって幅広く照射される配光パターンである。
【0026】
図5(B)は、発光素子2から出射する光をレンズ10cに通すことによって得られる配光パターンを示している。具体的には、この配光パターンは、主に水平線の下方(D側)の5°付近から上方(U側)の5°付近にかけて照射され、かつ車両前方の中心(0°)から左右それぞれ10°付近の範囲に照射される比較的に狭い照射範囲の配光パターンである。
【0027】
図5(C)は、発光素子3から出射する光をレンズ10cに通すことによって得られる配光パターンを示している。具体的には、この配光パターンは、主に水平線の下方(D側)の7°付近から上方(U側)の4°付近にかけて照射され、かつ水平線の下方では車両前方の中心(0°)から左右それぞれ15°付近の範囲に照射され、水平線の上方では車両前方の中心から左右それぞれ6°付近の範囲に照射される配光パターンである。この配光パターンは、車両の前方中央において車両から10m付近の位置をスポット的に明るく照射するものとなっている。
【0028】
図5(D)は、発光素子4から出射する光をレンズ10cに通すことによって得られる配光パターンを示している。具体的には、この配光パターンは、上記した発光素子2の場合と同様に、主に水平線の下方(D側)の5°付近から上方(U側)の5°付近にかけて照射され、かつ車両前方の中心(0°)から左右それぞれ10°付近の範囲に照射される比較的に狭い照射範囲の配光パターンである。
【0029】
図5(E)は、発光素子1から出射する光をレンズ10cに通すことによって得られる配光パターンを示している。具体的には、この配光パターンは、主に水平線の下方において車両前方の中心(0°)から右側(R側)に拡がって幅広く照射される配光パターンである。
【0030】
図6(A)は、ロービームの配光パターンを示す図である。上記した
図5(A)、
図5(C)及び
図5(E)に示した各配光パターンが合成されることでこの配光パターンが得られる。図示のように、主に水平線よりも下方を照射する配光パターン、すなわち車両から相対的に近い位置を主に照射する配光パターンとなっている。
【0031】
図6(B)は、ロービーム及びハイビームの配光パターンを示す図である。上記した
図5(A)、
図5(B)、
図5(D)及び
図5(E)に示した各配光パターンが合成されることでこの配光パターン(第1配光パターン)が得られる。図示の配光パターンは、主に水平線よりも下方を照射するロービームの配光パターンと車両の前方中央の遠方を照射するハイビームの配光パターンとを重ねたものとなっている。すなわち、車両から相対的に近い位置と車両から相対的に遠い位置の双方へ光を照射する配光パターンとなっている。
【0032】
図7(A)、
図7(B)は、発光素子から出射する光が特定方向へ偏って拡がるようにするためのレンズの構成例を説明するための図である。各図において、Pは発光素子1(又は発光素子5)の出光点を示し、21~23は屈折率境界面を示す。各屈折率境界面のうち、屈折率境界面20と屈折率境界面21の間及び屈折率境界面22と屈折率境界面23の間は、それぞれレンズ10cの構成材料によって満たされており、屈折率境界面21と屈折率境界面22の間は間隙となっており空気が存在するものとする。屈折率境界面23は、レンズ10cの光出射面でもある。
【0033】
図7(A)に示す構成例のレンズ10cでは、屈折率境界面22の図中左側の部位22aにおいて部分的に曲率が相対的に強く(大きく)設定されている。それにより、出光点Pから出射してレンズ10cに入射した光のうち、屈折率境界面22の部位22aに入射した光成分はより強い屈折を受け、さらに屈折率境界面23にて屈折を受けて図中右方向へ偏って進行する。このような構成のレンズ10cによれば、各発光素子1、5から出射した光を特定方向へ偏って拡がるように進行させることができる。なお、各屈折率境界面20~23を図中のX方向に反転すれば、光の偏る方向を反転させることが可能である。
【0034】
図7(B)に示す構成例のレンズ10cでは、屈折率境界面22の図中右側の部位22bにおいて部分的に曲率が相対的に弱く(小さく)設定されている。それにより、出光点Pから出射してレンズ10cに入射した光のうち、屈折率境界面22の部位22bに入射した光成分はより弱い屈折を受け、さらに屈折率境界面23にて屈折を受けて図中右方向へ偏って進行する。このような構成のレンズ10cによっても、各発光素子1、5から出射した光を特定方向へ偏って拡がるように進行させることができる。なお、各屈折率境界面20~23を図中のX方向に反転すれば、光の偏る方向を反転させることが可能である。
【0035】
図8は、レンズのより詳細な実施例を示す断面図である。実施例のレンズ10cは、筐体10eに組み込まれた状態で示されている。なお、細線で示した光線を分かりやすくするためにハッチングを省略している。一例として、上記した
図7(B)を用いて説明した屈折率境界面を有する実施例のレンズ10cが示されている。各発光素子1、5から出射する光に対する屈折率境界面として上記した屈折率境界面20~23が用いられている。なお、図示を省略するが
図7(A)を用いて説明した屈折率境界面が採用されてもよい。レンズ10cの光出射面でもある屈折率境界面23は、筐体10eの図中下側の第2開口に近い側に配置されている。図示のようにこの第2開口は、筐体10eの図中上側の第1開口よりも径が小さい。
【0036】
以上のような実施形態によれば、デザイン性を向上させることが可能な車両用灯具を得ることができる。
【0037】
なお、本開示は上記した実施形態の内容に限定されるものではなく、本開示の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した実施形態ではハイビーム形成を担う発光素子とロービーム形成を担う発光素子を混在させた構成の車両用灯具を示していたが、ハイビーム形成とロービーム形成に分けて車両用灯具を構成してもよい。具体的には、上記した実施形態における各発光素子1~5のすべてがハイビーム形成を担うようにして車両用灯具を構成することができる。同様に、上記した実施形態における各発光素子1~5のすべてがロービーム形成を担うようにして車両用灯具を構成することもできる。
【0038】
また、上記した実施形態では各発光素子1、3、5がロービーム形成を担い、各発光素子2、4がハイビーム形成を担っていたがこれらの役割を入れ替えてもよい。また、各発光素子1~5は、ロービームやハイビーム以外の光(例えば、フォグランプ、テールランプ等)の形成を担うものであってもよい。また、発光素子の数は実施形態にて示した5個に限定されない。
【0039】
いずれの場合においても、車両搭載時の左右方向に対応する各発光素子1、5から出射した光を特定方向へ偏って拡がるように進行させることで、筐体10eの開口径を大きくすることなく、デザイン性を向上させることができる。なお、発光素子の数をより多くした場合には、車両搭載時の左右両端それぞれ1個ずつの発光素子ではなく、左右両端側から2個以上の発光素子から出射する光を特定方向へ偏らせて出射させてもよい。
【0040】
本開示は、以下に付記する特徴を有する。
(付記1)
複数の発光素子と、
前記複数の発光素子の各々から出射する光を透過させるレンズと、
前記レンズを透過した前記光を通過させる筐体と、
を含み、
前記複数の発光素子は、車両への搭載時の左端側に配置される少なくとも1つの第1発光素子と、当該車両への搭載時の右端側に配置される少なくとも1つの第2発光素子と、を有し、
前記第1発光素子から出射して前記レンズを透過した第1光は、前記車両への搭載時の前後方向を基準として右方向へ偏って拡がるように前記筐体を通過し、
前記第2発光素子から出射して前記レンズを透過した第2光は、前記車両への搭載時の前後方向を基準として左方向へ偏って拡がるように前記筐体を通過する、
車両用灯具。
(付記2)
前記第1光は、前記車両への搭載時の前後方向を基準にして前記右方向へ進む成分が前記左方向へ進む成分よりも多く、
前記第2光は、前記車両への搭載時の前後方向を基準にして前記左方向へ進む成分が前記右方向へ進む成分よりも多い、
付記1に記載の車両用灯具。
(付記3)
前記筐体は、第1開口と当該第1開口よりも径の小さい第2開口を有しており、
前記レンズは、光出射面が前記筐体の前記第2開口に近い側に配置されており、当該光出射面から前記第1開口側へ前記第1光及び前記第2光を出射させる、
付記1又は2に記載の車両用灯具。
(付記4)
前記複数の発光素子は、前記第1発光素子と前記第2発光素子の間に配置された1つ以上の第3発光素子を有し、
前記第3発光素子から出射して前記レンズを透過した第3光は、前記車両への搭載時の前後方向を基準として略対称に拡がるように前記筐体を通過する、
付記1~3の何れか1つに記載の車両用灯具。
(付記5)
前記第1光及び前記第2光は、前記第3光よりも広角に出射する、
付記4に記載の車両用灯具。
【符号の説明】
【0041】
1、2、3、4、5:発光素子、10:車両用灯具、10a:光源基板、10b:ヒートシンク、10c:レンズ、10d:駆動回路、10e:筐体、20、21、22、23:屈折率境界面