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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109306
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】モータコントロールセンタ
(51)【国際特許分類】
   H02B 3/00 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
H02B3/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014026
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】513296958
【氏名又は名称】東芝産業機器システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 貴之
(57)【要約】
【課題】筐体の外観からモータコントロールセンタ内部の状態を把握でき、事故発生の予防に貢献するモータコントロールセンタを提供する。
【解決手段】モータコントロールセンタは、筐体と、前記筐体内部に収容された電気用品と、電気用品の温度を検知する温度検知装置と、筐体の外側表面の少なくとも一部に設けられた呈色又は変色が可能な呈色部と、呈色部を呈色させる呈色処理を実行する呈色処理部と、を備える。呈色処理部は、温度検知装置の検知結果が所定の第1温度以上である場合、呈色部を第1色に呈色させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内部に収容された電気用品と、
前記電気用品の温度を検知する温度検知装置と、
前記筐体の外側表面の少なくとも一部に設けられた呈色又は変色が可能な呈色部と、
前記呈色部を呈色させる呈色処理を実行する呈色処理部と、を備え、
前記呈色処理部は、前記温度検知装置の検知結果が所定の第1温度以上である場合、前記呈色部を第1色に呈色させる、
モータコントロールセンタ。
【請求項2】
前記呈色処理部は、前記温度検知装置の検知結果が前記第1温度未満である場合、前記呈色部を前記第1色とは異なる第2色に呈色させる、
請求項1に記載のモータコントロールセンタ。
【請求項3】
前記呈色部は、可逆性示温塗料を含んで構成されている、
請求項1に記載のモータコントロールセンタ。
【請求項4】
前記電気用品を含んで構成される単位装置を備え、
前記筐体は、前記単位装置を収容する収容室と、前記収容室を開閉する扉と、を有し、
前記呈色部は、前記扉の外表面の少なくとも一部に設けられる、
請求項1に記載のモータコントロールセンタ。
【請求項5】
前記単位装置は、外部のモータを駆動制御するモータマルチリレーを含んで構成され、
前記モータマルチリレーは、前記温度検知装置の検知温度が前記第1温度よりも高温である所定の第2温度以上である場合、前記外部のモータの駆動を停止する、
請求項4に記載のモータコントロールセンタ。
【請求項6】
前記単位装置は、外部のモータを駆動制御するモータマルチリレーを含んで構成され、
前記モータマルチリレーは、前記電気用品から信号を受け取って前記単位装置の状態を判定し、前記判定の結果に基づいて、前記呈色部を呈色させる、
請求項4に記載のモータコントロールセンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、モータコントロールセンタに関する。
【背景技術】
【0002】
モータコントロールセンタは、主回路における開閉器、保護装置及び、監視・制御装置などを単位装置毎に筐体に組み込んだ装置である。筐体内に組み込まれる各単位装置は、それぞれ受電制御、モータ制御、フィーダ制御等の機能を有し、各機能を満たすために必要な主回路及び補助回路の装置を備えた構成である。
【0003】
筐体内には、導体、電線、電気機器等多くの電気用品が収容されており、筐体内の温度上昇は電子部品の寿命低下や特性劣化などの原因となる。そこで、筐体内の温度上昇を抑制するための対策が検討されている。
【0004】
例えば特許文献1には、箱構造体内に負荷駆動用のインバータ装置を含む主回路器具などを収納して成る配電盤において、前記箱構造体内の換気を行い得るように設置された複数台の換気扇と、前記インバータ装置の負荷率などに基づいて前記箱構造体内の温度上昇値を予測する演算を行う演算手段と、この演算手段の演算結果に基づいて前記換気扇の運転台数を選択することにより前記箱構造体内の温度が適正温度以下となるように制御する制御手段とを備えた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-56707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、対策を講じていたにも関わらず電気用品の故障や接続不良などによって筐体内部で異常発熱が生じた際に、作業者が即座に対応することが重要である。
【0007】
そこで、筐体の外観からモータコントロールセンタ内部の状態を把握でき、事故発生の予防に貢献するモータコントロールセンタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
モータコントロールセンタは、筐体と、前記筐体内部に収容された電気用品と、前記電気用品の温度を検知する温度検知装置と、前記筐体の外側表面の少なくとも一部に設けられた呈色又は変色が可能な呈色部と、前記呈色部を呈色させる呈色処理を実行する呈色処理部と、を備える。前記呈色処理部は、前記温度検知装置の検知結果が所定の第1温度以上である場合、前記呈色部を第1色に呈色させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態によるモータコントロールセンタの一例の概略正面図
図2】一実施形態によるモータコントロールセンタの一例の概略構成を示す図
図3】一実施形態によるモータコントロールセンタの一例の一の単位装置に着目して他の単位装置を省略して概略構成を示すブロック図
図4】一実施形態によるモータコントロールセンタの一例の化粧パネルを図1のIV-IV線に沿って示す概略断面図
図5】一実施形態によるモータコントロールセンタの一例の端子台室扉を図1のV-V線に沿って示す概略断面図
図6】一実施形態によるモータコントロールセンタの一例のユニット室扉を図1のVI-VI線に沿って示す概略断面図
図7】一実施形態によるモータコントロールセンタの一例の呈色処理における電気用品の温度、温度信号とその電流値、筐体の発熱温度帯、及び呈色部の色の一例を示す表
図8】一実施形態によるモータコントロールセンタの一例の呈色処理における電気用品の状態、状態信号とその電流値、筐体の発熱温度帯、及び呈色部の色との一例を示す表
図9】一実施形態によるモータコントロールセンタの呈色処理部による第1呈色部及び又は第2呈色部の呈色についての処理の内容を示すフローチャート
図10】一実施形態によるモータコントロールセンタの呈色処理部による第3呈色部の呈色についての処理の内容を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態によるモータコントロールセンタについて、図1図10を参照して説明する。なお、本明細書では、モータコントロールセンタを単にコントロールセンタと称することがある。
【0011】
図1に示すコントロールセンタ10は、縦長矩形箱状の筐体11を外殻として構成されている。以下の説明では、筐体11の開口側を、コントロールセンタ10の前面側とし、開口とは反対側を、コントロールセンタ10の背面側とする。また、コントロールセンタ10を図1の姿勢で床面に設置した場合における重力方向に対する上下方向を、コントロールセンタ10の上下方向とする。また、図1のコントロールセンタ10を前側から見た場合における左右方向を、コントロールセンタ10の左右方向とする。
【0012】
図1、2に示すように、コントロールセンタ10は、筐体11、電源母線20、端子台25、及び一又は複数の単位装置30を備える。電源母線20、端子台25、単位装置30又はそれらの構成部品は、筐体11内部の電気用品の一例である。
【0013】
筐体11は、前面に開口部12を有し、一又は複数の扉13、14、15、及び化粧パネル16を含んで構成される。開口部12は、筐体11の前面に形成されており、筐体11の内部と外部とを連通する。複数の扉13、14、15は、開口部12を開閉する。化粧パネル16は、筐体11の前面の上部に設けられており、開口部12の上方に位置する。扉13、14、15、及び化粧パネル16を含めた筐体11は、導体例えばスチールやアルミダイカストなどの金属部材で構成されている。
【0014】
図2は、扉13、14、15及び化粧パネル16を省略して示すコントロールセンタ10の概略構成図である。図3は、一の単位装置30に注目して示すコントロールセンタ10のブロック図である。電源母線20は、筐体11内部に収容されており、外部の商用電源から電力を単位装置30及びひいては単位装置30の制御対象すなわち負荷である外部のモータ100に供給する。電源母線20は、概ね水平方向に延びる水平母線21と、概ね鉛直方向に延びる垂直母線22とを含んで構成されている。水平母線21は、筐体11の上部に収容されている。水平母線21には、垂直母線22の上端部が接続されている。垂直母線22は、水平母線21から下方に向かって延びる。垂直母線22には、各単位装置30に接続される接続線23の上流側端部が接続される。
【0015】
筐体11内部は、複数の区画に区分されている。筐体11は、内部に複数この場合5個のユニット室41と、端子台室42と、配線室43と、を有する。複数のユニット室41は、筐体11の上下方向に並んで設けられている。各ユニット室41は、単位装置30を内部に収納する空間である。なお、各ユニット室41は、筐体11の左右の一方の側この場合左側寄りに設けられている。なお、各ユニット室41は、筐体11の上下方向だけでなく左右方向に複数並べて配置しても良い。
【0016】
端子台室42は、筐体11内部のユニット室41以外の部分に設けられている。本実施形態では、端子台室42は、筐体11の下部において、ユニット室41の下方に設けられている。端子台室42は、複数この場合5個の端子台25を内部に収容する。端子台25は、内部に端子台25を収容している。端子台25は、各単位装置30から延びる接続線24と、負荷である外部のモータ100へと延びる電線101とを接続する機能を有する。
【0017】
配線室43は、接続線24を収容する。配線室43は、筐体11内部のユニット室41又は端子台室42以外の部分に設けられている。本実施形態では、配線室43は、ユニット室41と端子台室42の右方に設けられ、上下方向に延びて形成されている。
【0018】
複数の扉13、14、15は、一又は複数のユニット室扉13、端子台室扉14、及び配線室扉15を含む。一又は複数この場合5枚のユニット室扉13は、各ユニット室41の前面を開閉する。端子台室扉14は、端子台室42の前面を開閉する。配線室扉15は、配線室43の前面を開閉する。ユニット室扉13、端子台室扉14、及び配線室扉15は、それぞれ各ユニット室41、端子台室42、及び配線室43の前方に回動可能に取り付けられている。
【0019】
コントロールセンタ10は、図1図2等に示すように一又は複数の単位装置30を備える。単位装置30は、外形が概ね矩形の箱状に形成されており、外寸が各ユニット室41の内寸よりやや小さい。単位装置30は、各ユニット室41に挿抜可能に構成されている。単位装置30は、開口部を通して前後方向に移動させることによって、各ユニット室41に装着又は各ユニット室41から脱着される。
【0020】
単位装置30は、前面が開口した矩形箱状のユニットフレーム31の内部に、図3に示すように、モータマルチリレー32、配線用遮断器33、電磁接触器34、サーマルリレー35、及びその他の電気用品を組み合わせて構成される。モータマルチリレー32は、負荷つまり外部のモータ100を制御する機能を有する。モータマルチリレー32は、制御部321と表示部322とを含んで構成されている。制御部321はCPU321aと記憶領域321bとを含んで実現されており、モータマルチリレー32に送信される信号を受け取ったり信号を出力したりする。記憶領域321bは、CPU321aが実行するプログラム等を記憶している。表示部322は、例えば液晶パネルなどで構成されており、モータ100の駆動状態などを表示可能に構成されている。配線用遮断器33は、規定を超える過電流が生じたときに電路を自動的に遮断する保護装置としての機能を有する。電磁接触器34は、開閉することでモータ100に電力を供給したり電力の供給を停止したりするスイッチとして機能する。サーマルリレー35は、モータ100を保護するリレーとして機能する。
【0021】
配線用遮断器33、電磁接触器34、サーマルリレー35は、主電源とモータ100とを繋ぐ主回路を形成する。また、配線用遮断器33、電磁接触器34、サーマルリレー35は、モータマルチリレー32に電気的に接続されており、モータマルチリレー32の制御回路は、配線用遮断器33、電磁接触器34、サーマルリレー35から出力される信号を受け取る。また、モータマルチリレー32の制御部321は、電磁接触器34に開閉の指令を送信する。
【0022】
なお、ユニット室扉13は、複数の開口部を有している。配線用遮断器33のハンドル部とモータマルチリレー32の表示部322とは、それぞれ開口部から筐体11外部に露出している。
【0023】
図3に示すように、コントロールセンタ10は、一又は複数の温度検知装置50を備える。図3では、筐体11内の一の単位装置30のみを示し、他の単位装置30は省略されている。温度検知装置50は、コントロールセンタ10を構成する電気用品の温度例えば表面温度又は内部温度を検知して、検知した温度に応じて温度信号を出力する機能を有する。本実施形態では、複数の温度検知装置50は、電気用品の表面温度を検知する熱電対を含んで構成される。なお、他の実施形態では、温度検知装置として、サーミスタ、測温抵抗体、サーマルダイオード等既知の温度センサを用いる構成であっても良い。
【0024】
本実施形態では、コントロールセンタ10は、温度検知装置50として、複数の温度検知装置51~55を備える。温度検知装置51は、水平母線21の温度を検知する。温度検知装置52は、端子台25の温度を検知する。温度検知装置53は、配線用遮断器33の温度を検知する。温度検知装置54は、電磁接触器34の温度を検知する。温度検知装置55は、サーマルリレー35の温度を検知する。なお、本明細書において温度検知装置51~55を区別する必要がない場合は、温度検知装置50と総称することがある。
【0025】
コントロールセンタ10は、内部の電気用品の温度や状態を筐体11の外表面に可視化する機能を有する。すなわち、筐体11は、内部の電気用品の温度や状態に応じて呈色又は変色する。コントロールセンタ10は、複数の呈色処理部を備える。呈色処理部は、電気用品の温度や状態を筐体11の外表面に視覚的にこの場合色彩で表す呈色処理を実行する。
【0026】
図1、及び図4~6に示すように、筐体11は、一又は複数この場合7個の呈色部60を有する。図1では、呈色部60は網掛けで示されている。呈色部60は、筐体11の外表面の少なくとも一部に設けられていて、内部の電気用品の温度や状態に応じて呈色又は変色する。呈色部60は、筐体11のうちとりわけ作業者等に視認されやすい部位例えば前面部の外表面に設けられる。各呈色処理部は、呈色部60を呈色又は変色させる。
【0027】
図4図6に示すように、本実施形態では、呈色部60は、温度によって変色する塗料で構成された層を成している。すなわち、筐体11の外表面の少なくとも一部には、呈色部60として、温度によって可逆的に変色する可逆性示温塗料の層が形成されている。可逆性示温塗料に用いられる顔料又は染料としては、例えばAgHgI、CuHgI、AgHgI-CuHgI固溶体などの無機顔料や、有機染料化合物等が挙げられるがこれらに限らない。筐体11上の呈色部60の層は、塗装によって形成されても良いし、インクプリントによって形成されても良い。
【0028】
図1図4図6に示すように、筐体11は、呈色部60として、第1呈色部61と、第2呈色部62と、第3呈色部63とを有する。第1呈色部61は、化粧パネル16の外表面の少なくとも一部又は全体に設けられている。第2呈色部62は、端子台室扉14の外表面の少なくとも一部又は全体に設けられている。第3呈色部63は、ユニット室扉13の外表面の少なくとも一部又は全体に設けられている。例えば、第1呈色部61と、第2呈色部62と、第3呈色部63とは、それぞれ化粧パネル16、端子台室扉14、又はユニット室扉13の外表面の面積の50%以上の領域に設けることができる。本実施形態では、第1呈色部61と、第2呈色部62と、第3呈色部63とは、それぞれ化粧パネル16、端子台室扉14、又はユニット室扉13の外表面の表面積の90%以上の領域に亘って設けられている。なお、本明細書において第1呈色部61、第2呈色部62、第3呈色部63を区別する必要がない場合は、呈色部60と総称することがある。
【0029】
温度検知装置50は、モータマルチリレー32と共に又は単独で、呈色処理部として機能する。呈色処理部は、呈色部60を呈色又は変色させる処理を実行する。呈色処理部は、具体的には、筐体11の呈色部60の設けられた部分つまり呈色部60と重なる部分又は筐体11の呈色部60の近傍に位置する部分に温度信号を送り、筐体11の当該部分を発熱させることによって、呈色部60を加温し、その結果呈色部60を呈色又は変色させる。
【0030】
温度検知装置51と、温度検知装置52とは、それぞれ単独で呈色処理部として機能することができる。各単位装置30に配置された温度検知装置53~55は、各単位装置30のモータマルチリレー32と共に、呈色処理部として機能する。すなわち、温度検知装置51~55は、電気用品の温度を検知すると、温度信号を直接又は間接的に筐体11の呈色部60が設けられた部分に送る。本実施形態では、温度検知装置51、52は、電線などを介して温度信号を直接筐体11に送り、温度検知装置53~55は温度信号を間接的にこの場合モータマルチリレー32を介して筐体11に送る。
【0031】
すなわち呈色処理は、単位装置30のモータマルチリレー32、及び又は、温度検知装置50によって実行される。本実施形態では、単位装置30外部の電気用品21、25の温度を筐体11の色に反映する呈色処理は、温度検知装置51、52によって実行される。単位装置30内部の電気用品の温度を筐体11の色に反映する呈色処理は、各単位装置30に配置された温度検知装置53~55及びモータマルチリレー32によって実行される。
【0032】
呈色処理部は、温度信号を筐体11の各部位に送る。筐体11の各部位は、呈色処理部から温度信号を受け取って発熱する。この場合、筐体11は、温度検知装置50又はモータマルチリレー32から温度信号を受け取る。筐体11は、受け取った温度信号つまり微小電流値に応じて温度変化する。呈色部60は、筐体11の温度変化に伴って自身も加温されて呈色又は変色する。
【0033】
呈色処理部は、電気用品の温度が所定の閾値この場合第1温度T1以上であれば、電気用品の温度が「高温」であると判断し、所定の第1温度T1未満であれば、電気用品の温度は「通常温度」であると判断する。温度検知装置51~55が出力する温度信号は、微小電流である。微小電流の大きさは電気用品の温度に応じて変化する。また、第1温度T1は、例えば65℃~100℃の範囲内に設定することができる。本実施形態では、第1温度T1は95℃に設定される。
【0034】
例えば、図7に示すように、温度検知装置50が検知した温度が第1温度T1未満であれば、温度検知装置50は、電気用品の温度が「通常温度」であるとして、「通常」を示す温度信号を出力する。温度信号「通常」は、所定の第1電流値I1の微小電流である。温度検知装置50が検知した温度が第1温度T1以上であれば、温度検知装置50は、温度が「高温」であるとして、「高温」を示す温度信号を出力する。温度信号「高温」は、所定の第2電流値I2の微小電流である。この場合、第2電流値I2は、第1電流値I1よりも大きい値である。
【0035】
本実施形態では、図7に示すように、呈色部60は、呈色処理部から受け取った温度信号が「通常温度」を示す場合すなわち微小電流の大きさが第1電流値I1である場合、筐体11は第1温度帯TR1に発熱する。筐体11が第1温度帯TR1に発熱すると、呈色部60も概ね第1温度帯TR1に加温されてとなって例えば赤色を呈色する。呈色処理部から受け取った温度信号が「高温」を示す場合すなわち微小電流の大きさが第2電流値I2である場合、筐体11は第2温度帯TR2に発熱する。筐体11が第2温度帯TR2に発熱すると、呈色部60も概ね第2温度帯TR2に加温されて例えば橙色に呈色する。この場合、第2温度帯TR2は、第1温度帯TR1よりも高温の温度帯である。
【0036】
更に、モータマルチリレー32は、温度検知装置53~55が検知した電気用品33~35の温度が第1温度T1よりも高温である所定の第2温度T2以上であれば、電気用品33~35の温度は「異常高温」であると判定する。第2温度T2は、例えば100℃~110℃の範囲内に設定することができる。本実施形態では第2温度T2は105℃に設定されている。温度検知装置53~55が検知した温度が第2温度T2以上である場合、モータマルチリレー32は温度が「異常高温」であると判定して、電磁接触器34に開くよう指令を送って、モータ100への電力の供給を停止する。これにより、コントロールセンタ10は、異常発熱が生じた状態での運転の継続を抑制し、事故の予防に貢献する。また、モータマルチリレー32は温度が「異常高温」であると判定すると、表示部322に警報を表示する。表示部322に表示する警報には、高温異常が生じた旨及びその内容つまりいずれの電気用品33~35で異常高温が発生したかを表示することができる。
【0037】
温度検知装置51は、水平母線21の温度を検知して、温度信号つまり微小電流を化粧パネル16に直接送る。温度検知装置51から微小電流を受けた化粧パネル16は、微小電流の大きさに応じて発熱する。化粧パネル16に設けられた第1呈色部61は、化粧パネル16の温度に応じてつまり化粧パネル16が受け取った温度信号に応じて可逆的に呈色する。
【0038】
温度検知装置52は、端子台25の温度を検知して、温度信号つまり微小電流を端子台室扉14に送る。温度検知装置52から微小電流を受けた端子台室扉14は、微小電流の大きさに応じて発熱する。第2呈色部62は、端子台室扉14の温度に応じてつまり端子台室扉14が受け取った温度信号に応じて加温されて可逆的に呈色する。
【0039】
各ユニット室扉13に設けられた各第3呈色部63は、単位装置30を構成する電気用品の温度に応じて呈色又は変色する。温度検知装置53~55は、それぞれ配線用遮断器33、電磁接触器34、サーマルリレー35の温度を検知して、温度信号をユニット室扉13に間接的に送る。この場合、温度検知装置53~55は、配線用遮断器33、電磁接触器34、サーマルリレー35の温度を検知して温度信号をモータマルチリレー32に送る。モータマルチリレー32は、温度検知装置53~55から受け取った温度信号に基づいて、ユニット室扉13に温度信号を送る。微小電流である温度信号を受け取ったユニット室扉13は、電流値に応じて発熱する。ユニット室扉13に設けられた第3呈色部63は、ユニット室扉13の温度帯に応じて加温されて呈色又は変色する。
【0040】
温度検知装置53~55から温度信号を受け取ったモータマルチリレー32は、温度検知装置53~55のうちいずれか一つ以上から受け取った温度信号が「高温」を示す場合、第2電流値I2の微小電流をユニット室扉13に送る。第2電流値I2の微小電流を受けたユニット室扉13が第2温度帯TR2に発熱すると、第3呈色部63も加温され、対応する色この場合「橙色」を呈色する。
【0041】
モータマルチリレー32は、温度検知装置53~55の全てから受け取った温度信号が「通常温度」を示す場合、第1電流値I1の微小電流をユニット室扉13に送る。微小電流を受けたユニット室扉13が第1温度帯TR1に発熱すると、第3呈色部63も加温され、対応する色この場合「赤色」を呈色する。
【0042】
図8に示すように、例えば、モータマルチリレー32は、単位装置30が故障しているのか、通常運転状態であるのか、或いは停止状態であるのかを判定する。モータマルチリレー32は、電気用品例えば配線用遮断器33、電磁接触器34、及びサーマルリレー35の状態に基づいて単位装置30の運転状態を判定する。モータマルチリレー32は、判定した単位装置30の状態に応じてユニット室扉13に状態信号を送る。本実施形態では、状態信号は、微小電流であって、電気用品の状態に応じて微小電流値が変化する。ユニット室扉13は、受け取った微小電流の大きさに応じた温度に発熱する。第3呈色部63は、ユニット室扉13の温度の変化を受けて加温され、呈色又は変色する。
【0043】
例えば単位装置30からモータ100への電力の供給が停止している場合すなわち判定した状態が「停止」である場合、モータマルチリレー32は、状態信号「停止」として第3電流値I3の微小電流を出力する。この場合、第3電流値I3は、例えば第1電流値I1よりも大きくてかつ第2電流値I2よりも小さな値である。単位装置30の状態が「通常」であるつまりモータ100への電力の供給が供給されていてかつ「故障」ではないと判定した場合、モータマルチリレー32は、状態信号「通常」として第1電流値I1の微小電流を出力する。なお、運転状態が「通常」であっても、温度信号が「高温」であれば、モータマルチリレー32は、温度信号を優先して第2電流値I2の微小電流をユニット室扉13に出力する。なお、運転状態が「通常」であれば、モータマルチリレー32は特に状態信号を出力しない構成であっても良い。更に、電気用品の少なくともいずれか一つが故障している場合、モータマルチリレー32は、単位装置30の状態を「故障」と判定する。
【0044】
電磁接触器34が開いている状態つまりモータ100が停止している状態では、モータマルチリレー32は、ユニット室扉13に「停止」の状態信号つまり第3電流値I3の微小電流を出力する。第3電流値I3の微小電流を受けたユニット室扉13は、発熱して第1温度帯TR1よりも高くかつ第2温度帯TR2よりも低い第3温度帯TR3となる。ユニット室扉13が第3温度帯TR3に発熱すると、第3呈色部63も概ね第3温度帯TR3まで加温されて対応する色この場合「緑色」を呈色する。
【0045】
電磁接触器34が閉じている状態つまりモータ100が運転している状態では、モータマルチリレー32は、ユニット室扉13に「通常」の状態信号つまり第1電流値I1の微小電流を出力する。第1電流値I1の微小電流を受けたユニット室扉13は発熱して第1温度帯TR1となる。ユニット室扉13が第1温度帯TR1に発熱すると、第3呈色部63も概ね第1温度帯TR1まで加温されて対応する色この場合「赤色」を呈色する。
【0046】
配線用遮断器33、電磁接触器34、及びサーマルリレー35を含む単位装置30を構成する電気用品は、それぞれ故障した場合にモータマルチリレー32に対して故障信号を出力する。モータマルチリレー32は、配線用遮断器33、電磁接触器34、及びサーマルリレー35を含む電気用品のいずれか1つ以上から故障信号を受けた場合、電磁接触器34に対して閉信号つまりモータ100を停止する信号を送る。更に、モータマルチリレー32は、表示部322に警報を表示する。表示部322に表示する警報には、例えば故障が発生した旨とその内容、すなわちいずれの電気用品33~35が故障したのかを含むことができる。
【0047】
なお、筐体11は作業者が接触する可能性があるため、筐体11の温度はやけどなどの危険のない範囲内に設定されている。第2温度帯TR2は、例えば50℃以上60℃未満の範囲内に設定することができる。第1温度帯TR1は、例えば40℃未満の範囲内に設定されている。第3温度帯TR3は、例えば40℃以上50℃未満の範囲内に設定されている。なお、呈色部60がそれぞれの温度帯TR1、TR2、TR3に応じて何色を呈色するかは、上記に限らない。
【0048】
呈色処理部としての温度検知装置51、52による呈色処理の内容について、図9のフローチャートを参照して説明する。図9のスタート時において、電源母線20には外部の商用電源から電力が供給されているものとする。
【0049】
呈色処理が実行されると(スタート)、ステップS11において温度検知装置51、52は、検知温度が第1温度以上であるか否かを判定する。検知温度が第1温度未満であった場合(ステップS11でNo)、温度検知装置51、52は、処理をステップS12に進める。ステップS12において、温度検知装置51、52は、筐体11の対応する部位この場合化粧パネル16又は端子台室扉14に、温度信号「通常」を出力する。これにより、呈色部61又は62は赤色に呈色する。その後、温度検知装置51、52は、処理をステップS11に戻す。
【0050】
検知温度が第1温度以上であった場合(ステップS11でYes)、温度検知装置51、52は、処理をステップS13に進める。ステップS13において、温度検知装置51、52は、筐体11の対応する部位この場合化粧パネル16又は端子台室扉14に、温度信号「高温」を出力する。これにより、呈色部61又は62は橙色に呈色する。その後、温度検知装置51、52は、処理をステップS11に戻す。このようにして、呈色処理部としての温度検知装置51、52による呈色部61、62に対する呈色処理が実行される。
【0051】
呈色処理部としての温度検知装置53~55及びモータマルチリレー32による可視化処理の内容について、図10のフローチャートを参照して説明する。図9のスタート時において、電磁接触器34は開いた状態である。すなわち、モータマルチリレー32が制御する外部のモータ100は停止している。なお、コントロールセンタ10に含まれる複数の単位装置30の各々について、各々の温度状態と運転状態とに基づいて呈色処理は独立して実行される。
【0052】
モータマルチリレー32は、処理を開始すると(スタート)、ステップS21において状態信号「停止」を対応するユニット室扉13に出力する。対応するユニット室扉13とは、当該モータマルチリレー32を含む単位装置30が収容されたユニット室41を開閉するユニット室扉13を指す。ユニット室扉13は、状態信号「停止」に相当する第3電流値I3の微小電流を受けて第3温度帯TR3に発熱し、その結果第3呈色部63は「停止」状態を表す緑色に呈色又は変色する。
【0053】
ステップS22において、モータマルチリレー32は、例えばコントロールセンタ10外部の図示しないコントローラからモータ100を駆動する指令を受けたか否かを判定する。駆動する指令を受けていない場合(ステップS22でNo)、モータマルチリレー32はステップS22の処理を繰り返す。モータ100を駆動する指令を受けた場合(ステップS22でYes)、モータマルチリレー32は、処理をステップS23に進める。ステップS23において、モータマルチリレー32は電磁接触器34に指令を送って電磁接触器34を閉じる。これにより、モータ100に電力が供給される。
【0054】
ステップS24において、モータマルチリレー32は、状態信号「通常」を筐体11この場合ユニット室扉13に送る。ユニット室扉13は、第1電流値I1の微小電流を受けて第1温度帯TR1に発熱し、その結果第3呈色部63は「通常」状態を表す赤色に呈色又は変色する。
【0055】
ステップS25において、モータマルチリレー32は、温度検知装置53~55の少なくとも1つから「高温」の温度信号を受け取ったか否かを判定する。すなわち、モータマルチリレー32は、電気用品33~35の少なくとも1つが第1温度T1以上の高温になっているか否かを判定する。温度検知装置53~55のいずれからも「高温」の温度信号を受け取っていない場合(ステップS25でNo)、モータマルチリレー32は処理をステップS26に進める。ステップS26において、モータマルチリレー32は、状態信号「通常」を筐体11この場合ユニット室扉13に送る。
【0056】
ステップS27において、モータマルチリレー32は、電気用品33~35の少なくとも1つから故障の信号を受け取ったか否かを判定する。電気用品33~35のいずれからも故障の信号を受け取っていない場合(ステップS27でNo)、モータマルチリレー32は、処理をステップS25に進める。電気用品33~35の少なくとも1つから故障の信号を受け取っている場合(ステップS27でYes)、モータマルチリレー32は、処理をステップS30に進める。
【0057】
ステップS25に戻り、温度検知装置53~55の少なくとも1つから高温の温度信号を受け取っている場合(ステップS25でYes)、モータマルチリレー32は処理をステップS28に進める。ステップS28において、モータマルチリレー32は温度信号「高温」として第2電流値I2の微小電流をユニット室扉13に送る。これにより、ユニット室扉13は、微小電流を受けて第2温度帯TR2に発熱し、その結果第3呈色部63は「高温」状態を表す橙色に呈色又は変色する。
【0058】
続いてステップS29において、モータマルチリレー32は、温度検知装置53~55の少なくとも1つから温度信号「異常高温」を受け取ったか否かを判定する。すなわち、モータマルチリレー32は、電気用品33~35の少なくとも1つが第2温度T2以上の高温になっているか否かを判定する。温度検知装置53~55のいずれからも温度信号「異常高温」を受け取っていない場合(ステップS29でNo)、モータマルチリレー32は処理をステップS27に進める。温度検知装置53~55の少なくとも1つから温度信号「異常高温」を受け取っている場合(ステップS29でYes)、モータマルチリレー32は処理をステップS30に進める。
【0059】
続いて、ステップS30において、モータマルチリレー32は電磁接触器34を開くよう指令を出力する。これにより、主回路が開いてモータ100への電力の供給が停止されモータ100の駆動が停止する。したがって、電気用品33~35が異常に高温である状態や、電気用品33~35に故障が生じた状態のまま、すなわち事故につながりやすい状態のままモータ100への電力の供給が継続されることが抑制される。
【0060】
ステップS31において、モータマルチリレー32は、状態信号「停止」を対応するユニット室扉13に出力する。ユニット室扉13は、状態信号「停止」に相当する第3電流値I3の微小電流を受けて第3温度帯TR3に発熱し、その結果第3呈色部63は「停止」状態を表す緑色に呈色又は変色する。
【0061】
ステップS32において、モータマルチリレー32は、警報を表示部322に表示する。その後、モータマルチリレー32は処理を終了する(エンド)。このようにして、モータマルチリレー32は、呈色処理を実行する。なお、モータマルチリレー32は、処理の途中で、例えばコントロールセンタ10外部の図示しないコントローラからの操作指令等に基づいて、適宜電磁接触器34を閉じることができる。
【0062】
ここで、筐体11内部の電気用品の温度を作業者等に知らせるために、例えば電気用品に貼り付けられた示温シールや示温テープによって表示することも考えられる。しかし、この場合、扉13、14、15を開いて電気用品を筐体11外部に露出させなければ、作業者等は示温シールや示温テープの温度表示を視認することができない。そのため、作業者等が異常発熱の発生を即時に認識することは難しい。
【0063】
これに対し、以上説明した本実施形態によれば、モータコントロールセンタ10は、筐体11と、筐体11内部に収容された電気用品20、21、25、33、34、35と、温度検知装置50、51、52、53、54、55と、呈色部60、61、62、63と、呈色処理部としての温度検知装置50、51、52、53、54、55及びモータマルチリレー32と、を備える。温度検知装置50、51、52、53、54、55は、電気用品20、21、25、33、34、35の温度を検知する。呈色部60、61、62、63は、筐体11の外側表面の少なくとも一部に設けられ呈色又は変色が可能に構成されている。呈色処理部は、呈色部60、61、62、63を呈色させる呈色処理を実行する。呈色処理部としての温度検知装置50、51、52、53、54、55及びモータマルチリレー32は、温度検知装置50、51、52、53、54、55の検知結果が所定の第1温度T1以上である場合、呈色部60、61、62、63を第1色に呈色させる。
【0064】
これによれば、作業者等は、扉13、14、15等を開かなくとも、筐体11内部の電気用品の温度状態を視認することができる。したがって、きるだけ早期に、電気用品に生じた異常発熱を作業者に知らせることができ、事故発生の予防に貢献するモータコントロールセンタ10が提供される。
【0065】
更に、呈色部60、61、62、63は、呈色部60、61、62、63が設けられた筐体11の特定部分の表面積のうち90%以上の領域を占めている。したがって、作業者は、遠くからでも呈色部60、61、62、63が示す色、ひいては電気用品21、25、33、34、35の温度状態を視認することが容易となる。
【0066】
呈色処理部としての温度検知装置50、51、52、53、54、55及びモータマルチリレー32は、温度検知装置50、51、52、53、54、55の検知結果が第1温度T1未満である場合、呈色部60、61、62、63を第1色とは異なる第2色に呈色させる。
【0067】
これにより、通電されていない場合と、通電されていてかつ温度が通常温度である場合とを区別された態様となる。すなわち、作業者は、電気用品21、25、33、34、35の温度状態を一層詳細に視認することができる。
【0068】
モータコントロールセンタ10は、筐体11内に複数の電気用品20、21、25、33、34、35と、複数の電気用品20、21、25、33、34、35の温度を検知する複数の温度検知装置50、51、52、53、54、55とを備える。筐体11は、複数の電気用品20、21、25、33、34、35に対応した複数の呈色部60、61、62、63を有する。呈色処理部は、複数の温度検知装置50、51、52、53、54、55の検知結果が所定の第1温度以上である場合、呈色部60、61、62、63を第1色に呈色させる。
【0069】
これによれば、異常発熱の発生部位毎に、筐体11の外表面のうちそれぞれ対応した部位が呈色するため、作業者は、筐体11内のどの部位で異常発熱が生じているのかを容易に把握することができる。
【0070】
呈色部60、61、62、63は、可逆性示温塗料を含んで構成されている。
【0071】
これにより、一度高温となった後に温度が通常温度に戻った場合には、呈色部60、61、62、63の色も通常を示す色に戻る。したがって、一度高温度帯となったとしても筐体11を取り変える必要がない。
【0072】
呈色処理部としての温度検知装置50、51、52、53、54、55及びモータマルチリレー32は、温度検知装置50、51、52、53、54、55の検知結果を受けて異なる電流値の微小電流を筐体11に印加する。呈色部60、61、62、63は、温度によって変色する部材で構成されており、前記筐体が前記微小電流の印加を受けて印加された微小電流の電流値に応じて発熱することで可逆的に呈色する。
【0073】
これによれば、電流値で筐体11の色つまり呈色部60、61、62、63の色を変更することができるので、呈色部60、61、62、63の色を制御することが容易である。
【0074】
コントロールセンタ10は、電気用品32、33、34、35を含んで構成される単位装置30を備える。筐体11は、単位装置30を収容する収容室としてのユニット室41と、ユニット室41を開閉する扉としてのユニット室扉13を有する。呈色部60、61、62、63は、ユニット室扉13の外表面の少なくとも一部に設けられる。
【0075】
これによれば、異常発熱の発生部位と遠く離れた位置ではなく、発生部位の近傍例えばこの場合概ね水平方向に対向した位置の呈色部60、63が呈色又は変色する。そのため、呈色部60、63を見た作業者は、直感的に異常発熱部位の場所を概ね把握することができる。また、通常、一のモータコントロールセンタ10には複数の単位装置30が収容されている。したがって、異常発熱が生じた単位装置30が収容されているユニット室41の扉13の色が変色することで、異常発熱の発生部位を更に明確に示すことができる。
【0076】
単位装置30は、外部のモータ100を駆動制御するモータマルチリレー32を含んで構成される。モータマルチリレー32は、温度検知装置50、53、54、55の検知温度が、第1温度T1よりも高温である所定の第2温度T2以上である場合、外部のモータ100の駆動を停止する。
【0077】
これによれば、モータコントロールセンタ10は、異常発熱が生じた場合に、負荷の運転を停止することで、事故の予防に一層貢献することができる。
【0078】
モータコントロールセンタ10は、温度検知装置50、51、52、53、54、55の検知結果を受けて異なる電流値の微小電流を筐体11、13、14、16に印加する。呈色部60、61、62、63は、温度によって変色する部材で構成されており、筐体11、13、14、16が微小電流の印加を受けて印加された微小電流の電流値に応じて発熱することで可逆的に呈色する。
【0079】
これによれば、電気用品の温度が一度高温になった後に正常な温度に戻った場合には、呈色部60、61、62、63の色も「通常」時の色となり、呈色部60、61、62、63を交換する必要なく半永久的に使用を継続することができる。
【0080】
単位装置30は、外部のモータ100を駆動制御するモータマルチリレー32を含んで構成される。モータマルチリレー32は、電気用品33、34、35から信号を受け取って単位装置30の状態を判定する。モータマルチリレー32は、判定結果に基づいて、呈色部60、61、62、63を呈色させる。
【0081】
これによれば、呈色部60、63の性質を利用して、各単位装置30の状態、例えば「停止」、「通常」、「故障」を呈色部60、63によって表示することができる。したがって、作業者は、遠くからでも各単位装置30の状態を把握することができる。
【0082】
なお、本実施形態では、故障による異常時と、電気用品21、25、33~35が高温である時とで、呈色部60、63の色を同一としたが、これに限らない。例えば、他の実施形態では、故障による異常時と、電気用品21、25、33~35が高温である時とで、呈色部63の色を異ならせても良い。また、本実施形態では、異常高温又は故障と判定された後にモータ100への電力の供給が停止された時と、通常の停止時とで、呈色部63は同じ「緑色」を呈色するように設定されているが、これに限らない。例えば他の実施形態では、異常高温又は故障と判定された後にモータ100への電力の供給が停止された時と、通常の停止時とで、呈色部63の色を異ならせても良い。
【0083】
さらになお、作業者から視認されやすい筐体11の他の部位例えば配線室扉15に、呈色部60を設けても良い。また、本実施形態では、筐体11は、一面に開口が形成されているが、複数の面例えば前後の二面に開口及び当該開口を開閉する扉が形成され二方向から単位装置30を脱着可能な構成であっても良い。この場合、筐体11の前後の二面が作業者から視認されやすい部位となるため、前面に形成された扉13、14、15や化粧パネル16に限らず、後面に形成された扉や化粧パネルに呈色部60を設ける構成としても良い。
【0084】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
10…コントロールセンタ、11…筐体、13…ユニット室扉(筐体)、14…端子台室扉(筐体)、16…化粧パネル(筐体)、20…母線(電気用品)、21…水平母線(電気用品)、25…端子台(電気用品)、30…単位装置、32…モータマルチリレー、33…配線用遮断器(電気用品)、34…電磁接触器(電気用品)、35…サーマルリレー(電気用品)、41…ユニット室(収容室)、42…端子台室、43…配線室、50、51、52、53、54、55…温度検知装置、60、61、62、63…呈色部、100…モータ
図1
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