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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010931
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】回転電機装置及び回転機械装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/33 20160101AFI20240118BHJP
   F04D 29/00 20060101ALI20240118BHJP
   H02K 9/06 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
H02K11/33
F04D29/00 B
H02K9/06 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112535
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】玉川 充
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智大
(72)【発明者】
【氏名】濱田 憲
【テーマコード(参考)】
3H130
5H609
5H611
【Fターム(参考)】
3H130AA03
3H130AB23
3H130AB60
3H130BA97G
3H130BA97H
3H130DC02Z
5H609BB01
5H609BB14
5H609BB18
5H609PP05
5H609PP16
5H609QQ02
5H609RR03
5H609RR24
5H611AA09
5H611BB01
5H611BB04
5H611TT01
5H611UA04
(57)【要約】
【課題】小型化が可能な回転電機装置及び回転機械装置を提供すること。
【解決手段】回転電機装置は、ケーシングを有する回転電機と、前記ケーシングの側面に設けられた可変速制御を行う第1構成部品と、前記回転電機の回転機械が接続される側とは反対側に設けられる、前記第1構成部品とともに、前記可変速制御を行う第2構成部品と、を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングを有する回転電機と、
前記ケーシングの側面に設けられた可変速制御を行う第1構成部品と、
前記回転電機の回転機械が接続される側とは反対側に設けられる、前記第1構成部品とともに、前記可変速制御を行う第2構成部品と、
を備える回転電機装置。
【請求項2】
前記第1構成部品を収容する電装箱をさらに備え、
前記第1構成部品は、前記電装箱内に設けられる基板と、前記基板に実装される、発熱素子を含む複数の電気部品と、を備え、
前記電装箱は、前記回転電機とは反対側に向けて配置する前記発熱素子を固定した放熱部を備える、請求項1に記載の回転電機装置。
【請求項3】
前記ケーシングの前記回転機械が接続される側とは反対側に設けられる、前記第2構成部品を覆う部品カバーを備える、請求項1に記載の回転電機装置。
【請求項4】
前記回転電機を冷却する外扇ファンと、
前記外扇ファンを覆うファンカバーと、をさらに備え、
前記回転電機は、前記回転機械が接続される側とは反対側の端部が、前記部品カバーを貫通して突出し、前記外扇ファンが固定される回転軸を有する、請求項3に記載の回転電機装置。
【請求項5】
前記ケーシングは、少なくとも一部に曲面状の取付面を有し、
前記電装箱は、前記取付面に固定される、請求項2に記載の回転電機装置。
【請求項6】
前記電装箱は、前記取付面に沿った外面を有する曲面部を有し、前記曲面部の周方向で中心において、曲率中心に沿った方向において少なくとも一箇所以上で、前記取付面に固定される、請求項5に記載の回転電機装置。
【請求項7】
前記電装箱内に設けられ、外部と無線通信を行う通信部をさらに備え、
前記電装箱は、前記放熱部を除く少なくとも一部は、電波を通す樹脂材料で形成される、請求項2に記載の回転電機装置。
【請求項8】
前記第2構成部品は、平滑コンデンサ、リアクトル及びノイズフィルタの少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の回転電機装置。
【請求項9】
前記第2構成部品は、単数又は複数の電気部品と、前記複数の電気部品の少なくともいずれかを実装する単数又は複数の基板を有する、請求項2に記載の回転電機装置。
【請求項10】
前記ケーシング及び前記電装箱は、対向する部位に配線を通す開口が形成される、請求項2に記載の回転電機装置。
【請求項11】
前記ケーシング及び前記電装箱は、前記対向する部位に設けられ、前記開口を囲うOリングを備える、請求項10に記載の回転電機装置。
【請求項12】
前記電装箱は、防水用コードコネクタと、前記コードコネクタが設けられた電源ケーブルと、を備える、請求項11に記載の回転電機装置。
【請求項13】
前記回転機械を制御するための信号線と結線するための接続部材を備え、
前記ケーシング及び前記電装箱は、対向する部分に前記接続部材が配置されるスペースが形成される、請求項2に記載の回転電機装置。
【請求項14】
ケーシングを有する回転電機と、
前記ケーシングの側面に設けられた可変速制御を行う第1構成部品と、
前記回転電機の前記ケーシングの側面で前記第1構成部品とは別の位置に設けられる、前記第1構成部品とともに、前記可変速制御を行う第2構成部品と、
を備える回転電機装置。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の回転電機装置と、
前記回転電機に接続される回転機械と、
を備える回転機械装置。
【請求項16】
前記回転機械はポンプであり、陸上用又は水中用である、請求項15に記載の回転機械装置。
【請求項17】
前記回転電機は、三相永久磁石搭載同期電動機、又は、三相誘導電動機である、請求項15に記載の回転機械装置。
【請求項18】
前記ポンプは、メカニカルシールを使用するメカニカルシール付きポンプ、又は軸受スリーブを使用するシールレスポンプである、請求項16に記載の回転機械装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機を可変速制御する回転電機装置及び回転電機装置に接続される回転機械を備える回転機械装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ等の回転機械を駆動するモータ等の回転電機が知られている。また、回転電機に可変速制御を行うインバータ等を含む制御装置を搭載する回転電機装置が知られている。このような回転電機装置として、モータ側面部にインバータを配置し、モータのポンプが接続される側とは反対側に冷却用の外扇ファンを設ける技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、モータのポンプとは反対側にインバータを配置し、インバータのモータ及びポンプとは反対側に冷却用の外縁ファンを設ける技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、モータフレームの側面部の数カ所に、異なる平面部を設け、インバータ、制御基板、コンデンサを取り付け、その他のモータフレームの外周に端子箱、ノイズフィルタ、リアクトルを設ける技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5677010号公報
【特許文献2】特開2019-134667号公報
【特許文献3】特許第5722644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した回転電機装置は、ポンプ等の回転機械が接続されることから、小型化が求められる。しかしながら、小型化のために制御装置にノイズフィルタやリアクトル等の電気部品の一部を設けない構成とすると、耐雷サージや耐静電気サージの他に、インバータのスイッチング時に発生するノイズの影響を受け、各種ノイズ評価試験や高調波抑制基準を達成することができず、結果として、外部機器や制御装置に悪影響を起こす。
【0007】
そこで本発明は、小型化が可能な回転電機装置及び回転機械装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、回転電機装置は、ケーシングを有する回転電機と、前記ケーシングの側面に設けられた可変速制御を行う第1構成部品と、前記回転電機の回転機械が接続される側とは反対側に設けられる、前記第1構成部品とともに、前記可変速制御を行う第2構成部品と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小型化が可能な回転電機装置及び回転機械装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る給水装置を用いた給水システムの構成の一例を示す説明図。
図2】同給水装置に用いられるポンプ装置の構成を示す斜視図。
図3】同ポンプ装置の構成を示す平面図。
図4】同モータ及び制御部の構成を示す断面図。
図5】同モータ及び制御部の構成を示す側面図。
図6】同モータ及び制御部の構成を示す側面図。
図7】同モータ及び制御部の構成を示す断面図。
図8】同モータ及び制御部の第1ケースの構成を示す斜視図。
図9】同モータの構成を示す斜視図。
図10】同モータの構成を示す斜視図。
図11】同モータの構成を示す斜視図。
図12】同モータの構成を示す斜視図。
図13】同制御部の筐体の構成を示す斜視図。
図14】同制御部の筐体の構成を示す平面図。
図15】同制御部の第2ケースの構成を示す平面図。
図16】同制御部の第2ケースの構成を示す平面図。
図17】同制御部に用いられるインバータユニットの構成を模式的に示す説明図。
図18】同制御部に用いられるインバータユニットの変形例の構成を模式的に示す説明図。
図19】同制御部に用いられるインバータユニットの変形例の構成を模式的に示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る回転機械装置の例を、図1乃至図17を用いて説明する。なお、本実施形態に係る回転機械装置は、図1及び図3に示すように、ポンプ装置2である。以下、回転機械装置をポンプ装置2として説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る給水装置1を用いた給水システムの構成の一例を示す説明図であり、図2は、給水装置1に用いられるポンプ装置2の構成を示す斜視図であり、図3は、ポンプ装置2の構成を示す平面図である。図4乃至図7は、モータ21及び制御部23の構成を示す断面図または平面図である。図8は、モータ21及び制御部23の第1ケース61の構成を示す斜視図であり、図9乃至図12は、モータ21の構成を示す斜視図である。図13及び図14は、制御部23及び基板91の構成を示す斜視図及び平面図であり、図15及び図16は、制御部23の第2ケース62の構成を示す平面図である。図17は、制御部23に用いられるインバータユニット90の構成を模式的に示す説明図である。図18は、制御部23に用いられるインバータユニット90の変形例の構成を模式的に示す説明図である。図19は、制御部23に用いられるインバータユニット90の変形例の構成を模式的に示す説明図である。
【0013】
ポンプ装置2は、例えば、貯水槽や、建造物に設けられた蛇口やシャワーヘッド等の供給先に給水する自動給水装置である。ポンプ装置2は、陸上に設置される陸上用か、又は、水中に配置される水中用である。
【0014】
例えば、ポンプ装置2は、給水装置に用いられる。給水装置は、例えば、水道本管に設けられた水道分管に接続され、水道分管から供給される水を増圧する、所謂直結式給水装置である。なお、給水装置は、受水槽等に接続され、受水槽の水を増圧し、二次側の給水先へ給水する構成であってもよい。また、給水装置は、工業用水の増圧給水や、井戸水の増圧給水に用いられても良い。
【0015】
このような、給水装置は、例えば、回転軸が水平方向に沿うように、架台上に横置きで単数又は複数のポンプ装置2を固定し、配管ユニットでポンプ装置を接続する。または、給水装置は、例えば、回転軸が重力方向に沿うように、架台上に縦置きで固定するか、又は、配管ユニットに固定支持することで、単数又は複数のポンプ装置2を配置する。また、給水装置は、複数のポンプ装置2の二次側に、アキュムレータと、圧力センサや流量センサ等の各種センサ類と、を備える。なお、センサ類の一例としては、圧力センサ及び流量センサ以外として、例えば、温度センサ、液面センサ、騒音センサ、振動センサ等のポンプ装置2の駆動制御に用いられるセンサが用いられていても良い。このようなセンサ類は、ポンプ装置2が用いられる給水装置の仕様や設置場所等によって適宜設定される。また、給水装置は、ポンプ装置2単体で給水に用いられ、制御部23によって制御されるか、又は、複数台のポンプ装置2を組み合わせ、統括制御部及びポンプ装置2の各制御部23によって複数台のポンプ装置2を制御する。
【0016】
本実施形態の一例として、2台のポンプ装置2を給水装置1に用いる例を以下説明する。
【0017】
図1に示すように、給水装置1は、2台のポンプ装置2と、統括制御部4と、を備える。また、給水装置1は、例えば、圧力センサ5及び流量センサ6を備える。
【0018】
図1乃至図3に示すように、ポンプ装置2は、モータ21と、ポンプ22と、モータ21を可変速駆動制御するインバータ(可変速制御部)を含む制御部23と、を備える。ポンプ装置2は、回転電機であるモータ21により、回転機械であるポンプ22を駆動する回転機械装置である。また、モータ21及び制御部23は、回転電機装置3を構成する。ポンプ装置2は、モータ21にポンプ22が連結され、制御部23を構成する複数の構成部品がモータ21の異なる複数箇所に固定される。また、ポンプ装置2は、モータ21及びポンプ22が、ボルト等の締結部材99により固定されるとともに、制御部23の構成部品がモータ21に、ビスやボルト等の締結部材99により固定される。
【0019】
モータ21は、回転電機である。モータ21は、例えば、三相永久磁石搭載同期電動機、又は、三相誘導電動機である。
【0020】
モータ21は、制御部23によって駆動制御される。図4乃至図12に示すように、モータ21は、モータ軸31と、外周面に放熱部材としてのモータ放熱フィン32aを複数有するモータケーシング32と、モータケーシング32内に固定される固定子33と、モータ軸31が固定される回転子34と、を備える。また、モータ21は、軸方向の一端部に設けられる外扇ファン35と、モータケーシング32に固定され、外扇ファン35を覆うファンカバー36と、を有する。また、モータ21は、モータ軸31を回転可能に支持する軸受部材37を、例えば、一対有する。モータ21は、内部配線である電力線21aを介して制御部23に接続される。また、例えば、モータ21は、モータケーシング32のポンプ22が接続される側とはモータ軸31の軸方向で反対側に、制御部23の構成要素の一部が配置される実装空間38を有する。
【0021】
モータ軸31は、モータケーシング32の軸方向で両端から突出する回転軸である。モータ軸31の一端は、ポンプ22に接続され、モータ軸31の他端は、外扇ファン35に接続される。
【0022】
モータケーシング32は、金属材料で形成されたモータフレームである。モータケーシング32は、例えば、円筒状に形成されるとともに、外周面の一部に、軸方向に延びるモータ放熱フィン32aが複数形成される。モータケーシング32は、外周面の周方向の一部に、モータ放熱フィン32aが設けられず、制御部23の構成の一部が固定される取付面32bを有する。
【0023】
例えば、モータケーシング32は、有底円筒状に形成された第1フレーム32Aと、第1フレーム32Aの開口を閉塞する第2フレーム32Bと、を備える。
【0024】
第1フレーム32Aは、ポンプ22側が開口し、そして、外扇ファン35側が閉塞する。第1フレーム32Aは、複数のモータ放熱フィン32a及び外周面に取付面32bが形成される。また、第1フレーム32Aは、端面に形成された、モータ軸31の他端を挿通する第1開口32c、第1フレーム32Aを第2フレーム32Bに固定するボルト等の締結部材99が挿通する複数の第1挿通孔部32d、閉塞する端面に形成された第1配線用開口32e、閉塞する端面に形成されたシール溝32f、シール溝32fよりも径方向内方に形成され、制御部23の構成の一部が固定される溝、突起、ネジ孔等の少なくとも一箇所以上の第1固定部32g、並びに、制御部23の一部及びファンカバー36が固定される第2固定部32hが形成される。
【0025】
第2フレーム32Bは、第1フレーム32Aのポンプ22側の開口を閉塞する。第2フレーム32Bには、中央にモータ軸31の一端が挿通する第2開口32i及び第1フレーム32Aを固定するボルト等の締結部材99が挿通する複数の第2挿通孔部32jが形成される。
【0026】
モータ放熱フィン32aは、モータケーシング32の外周面から径方向外方に立設されるとともにそれぞれモータ軸31の軸方向に延びる板状の部材である。複数のモータ放熱フィン32aは、取付面32bを除き、モータケーシング32の外周面において周方向に所定のピッチで配置される。
【0027】
図9に示すように、取付面32bは、所定の曲率半径を有する曲面状、本実施形態においては、モータケーシング32の外径(半径)と同じ曲率半径に形成された曲面状に形成される。即ち、本実施形態の取付面32bは、モータケーシング32の外周面のうち、モータ放熱フィン32aが設けられない部位である。なお、取付面32bは、例えば、モータケーシング32の外径と異なる曲率半径の曲面であってもよい。取付面32bには、ボルトやビス等の締結部材99が固定される単数又は複数の雌ねじ部32b1が形成される。
【0028】
具体例として、雌ねじ部32b1は、モータ21の軸方向に並んで、複数、本実施形態においては2つ設けられる。
【0029】
図12に示すように、第1開口32cは、第1フレーム32Aの端面の中央に形成される。第1開口32cは、モータ軸31の外径よりも若干大径に形成される。
【0030】
第1挿通孔部32dは、第1フレーム32Aのポンプ22側の端部の外周面の一部に設けられた突起部32d1と、突起部32d1に形成され、モータ21の軸方向に延びる孔32d2と、を有する。第1挿通孔部32dは、例えば、取付面32bを避けて、第1フレーム32Aのポンプ22側の端部の外周面に、周方向に所定の間隔を空けて複数箇所、本実施形態においては3箇所に設けられる。
【0031】
第1配線用開口32eは、制御部23の後述する電装品52同士及び/又は制御部23と固定子33とを接続する電力線21aを通す開口である。第1配線用開口32eは、電力線21aを挿通可能な開口面積及び形状に形成される。例えば、第1配線用開口32eは、円形状に形成される。
【0032】
シール溝32fは、第1フレーム32Aの端面の外周縁に隣接して設けられる。シール溝32fは、外周縁と同形状に形成された溝であり、例えば、円環状の溝である。シール溝32fには、Oリング等のパッキン32kが設けられる。
【0033】
第1固定部32gは、第1フレーム32Aの端面に形成される。第1固定部32gは、複数の突起やネジ孔等により形成される。本実施形態において、第1固定部32gは、例えば、制御部23の後述するコンデンサ実装用基板932を第1フレーム32Aの端面から離間して固定する4つのネジ孔が形成された円筒状の突起と、制御部23の後述するリアクトル94を固定する、端面に形成された2つのネジ孔と、を有する。
【0034】
第2固定部32hは、例えば、第1フレーム32Aの外周面に、所定の間隔を空けて、取付面32bを避けて設けられる、第1フレーム32Aの軸方向に延びる突起部32h1と、突起部32h1に形成された雌ねじ部32h2と、を有する。本実施形態において、第2固定部32hは、例えば、制御部23の後述する部品カバー53及びファンカバー36をボルト等の締結部材99で固定する。
【0035】
第2開口32iは、第2フレーム32Bの端面の中央に形成される。第2開口32iは、第1フレーム32A及び第2フレーム32Bを一体に組み立てたときに、第1フレーム32Aに形成される第1開口32cと同軸となる。第2開口32iは、モータ軸31の外径よりも若干大径に形成される。
【0036】
第2挿通孔部32jは、第2フレーム32Bの外周面の一部に設けられた突起部32j1と、突起部32j1に形成され、モータ21の軸方向に延びる孔32j2と、を有する。第2挿通孔部32jは、例えば、取付面32bと軸方向で対向する領域を避けて、第2フレーム32Bの外周面に、周方向に所定の間隔を空けて複数箇所、本実施形態においては3箇所に設けられる。4つの第2挿通孔部32jは、第1フレーム32A及び第2フレーム32Bを一体に組み立てたときに、第1フレーム32Aに形成される4つの第1挿通孔部32dと軸方向で対向する。
【0037】
図4に示すように、固定子33は、第1フレーム32A内に固定される。回転子34は、固定子33に電力線21aを介して電力が供給されることで回転する。
【0038】
外扇ファン35は、モータ軸31に固定される。外扇ファン35は、軸方向でモータケーシング32のポンプ22が接続される側とは反対側のモータ軸31に固定される。外扇ファン35は、モータ軸31の回転に伴って回転することで、送風し、モータ21を冷却する。例えば、外扇ファン35は、ファンカバー36内から複数のモータ放熱フィン32aに送風する。
【0039】
図3図4及び図6に示すように、ファンカバー36は、例えば、軸方向でモータケーシング32のポンプ22が接続される側とは反対側に固定される。ファンカバー36は、例えば、外扇ファン35と対向する部位に、複数の通風孔が形成された天板36aと、天板36aから外扇ファン35側へと延びるスカート部36bと、を備える。また、ファンカバー36は、制御部23の一部が配置される部位、より具体的には、モータケーシング32の取付面32bと隣接する天板36a及びスカート部36bの一部が切欠する。例えば、ファンカバー36は、天板36aから見た平面視で、欠円状に形成される。
【0040】
ファンカバー36は、例えば、ボルト等の締結部材99により、モータケーシング32の端部に固定される。ファンカバー36は、締結部材99が挿入され、締結部材99の頭部を支持する複数の第3固定部36cを有する。スカート部36bの内径は、モータケーシング32の外径よりも大きく形成される。スカート部36bは、外扇ファン35により送風された空気を、モータケーシング32の外周面、具体例として、複数のモータ放熱フィン32aの間に案内する。
【0041】
第3固定部36cは、第2固定部32hと同数設けられる。第3固定部36cは、例えば、ファンカバー36の上面に、周方向に所定の間隔を空けて設けられる。第3固定部36cは、ファンカバー36の一部が窪むことで形成され、締結部材99の頭部を支持する座面36c1と、座面36c1に形成され、締結部材99を挿通させる孔部36c2と、を有する。
【0042】
図4に示すように、軸受部材37は、モータ軸31を軸支する。軸受部材37は、ベアリングである。一対の軸受部材37は、例えば、第1フレーム32A及び第2フレーム32Bに固定される。一対の軸受部材37は、モータ軸31の両端側を支持する。
【0043】
実装空間38は、第1フレーム32Aの閉塞する端面と外扇ファン35との間の空間であり、制御部23の構成要素の一部を配置する。本実施形態においては、実装空間38には、第1固定部32gに固定されるコンデンサ実装用基板932及びリアクトル94、並びに、第2固定部32hに固定される部品カバー53が配置される。
【0044】
ポンプ22は、回転機械である。ポンプ22は、モータ21に接続される。ポンプ22は、ポンプケーシング22a内に設けられるインペラ22bを単数又は複数有する、単段または複数段のポンプである。ポンプ22のインペラ22bは、モータ21のモータ軸31に直接的に接続されるか、又はモータ軸31に継手等を介して接続された回転軸に接続される。例えば、本実施形態においては、インペラは、モータ軸31に直接固定される。ポンプ22は、モータ軸31の回転に伴ってインペラが回転することで、流体を増圧して二次側に圧送する。また、ポンプ22は、例えば、ポンプケーシング22a及びモータ軸31の軸封部材(軸シール部)22cとして、メカニカルシールを使用するメカニカルシール付きポンプ、又は軸受スリーブを使用するシールレスポンプである。
【0045】
制御部23は、モータ21を可変速制御する。図4及び図7図13乃至図16に示すように、制御部23は、筐体51と、モータ21の可変速制御を行うための複数の電装品(電気部品)52と、部品カバー53と、を備える。制御部23は、モータ21の異なる複数箇所、本実施形態においては、2箇所に、モータ21の可変速制御を行うための複数の電装品52を分けた第1構成部品54及び第2構成部品55を配置することで構成される。具体例として、制御部23は、モータ21の側面外周部に第1構成部品54が収容された筐体51が固定され、モータ21と一体化されるとともに、実装空間38に部品カバー53及び第2構成部品55が収容される。また、制御部23は、第1構成部品54及び第2構成部品55を接続する配線23aと、第1構成部品54、第2構成部品55及びモータ21を駆動するための電力を供給する電源ケーブル23bと、を有する。
【0046】
筐体51は、電装箱を構成する。筐体51は、図2及び図8図13乃至図16に示すように、第1ケース61と、第2ケース62と、を備える。
【0047】
第1ケース61は、電波を通す(電波を遮蔽しない)樹脂材料で形成される。ここで、「電波を通す」とは、後述する通信部97において使用する無線電波の波長が通過可能なことを意味する。第1ケース61は、モータケーシング32にビスやボルト等の締結部材99により固定される。具体的には、第1ケース61は、第1フレーム32Aの取付面32bに形成された2つの雌ねじ部32b1及び部品カバー53の外周面に設けられた後述する1つの雌ねじ部53fに、締結部材99により固定される。
【0048】
第1ケース61は、所定の深さを有する矩形の皿状又は椀状に形成された第1胴部71と、第1胴部71の開口する開口端の外周縁に形成された第1フランジ72と、を備える。第1胴部71は、曲面部71a、凹部71b、電源ケーブル用開口部71c、シール溝71d及びパッキン71eを備える。
【0049】
曲面部71aは、第1ケース61をモータ21に固定した状態において、モータ21の軸方向に直交する方向で第1ケース61の中央に形成され、モータ21の軸方向に延びるとともに、モータ21の軸周りで湾曲する。曲面部71aのモータ21と対向する外面の曲率半径は、取付面32bの外面の曲率半径と同じである。即ち、第1ケース61がモータ21に固定されると、曲面部71aは、取付面32bと当接する。曲面部71aは、取付面32b及び部品カバー53の雌ねじ部32b1、53fに固定するための締結部材99を挿通する複数、本実施形態において3つの孔部71a1と、取付面32bに形成された電力線21a及び制御部23の構成部品を接続する配線23aを配置する開口71a2と、を有する。
【0050】
3つの孔部71a1は、軸方向に沿って所定の間隔を空けて並び、第1ケース61をモータ21に固定した状態において、取付面32b及び部品カバー53に形成された3つの雌ねじ部32b1、53fと対向する。
【0051】
開口71a2は、第1ケース61をモータ21に固定した状態において、部品カバー53の後述する第2配線用開口53eと対向する。開口71a2は、電力線21a及び制御部23の複数の電装品52を接続する配線23aを挿通して配置可能な開口面積に形成される。開口71a2は、例えば、円形、欠円又はD字状等の開口である。開口71a2は、例えば、3つの孔部71a1の内、部品カバー53に形成される雌ねじ部53fと対向する孔部71a1に隣接して形成される。
【0052】
凹部71bは、第1胴部71の第1フレーム32Aの閉塞する端部側の角部の一部が第2ケース62側に窪むことで形成される。凹部71bは、一部に形成され、第2ケース62内に設けられた後述するコネクタ98を配置するコネクタ用開口71b1を有する。
【0053】
電源ケーブル用開口部71cは、第1胴部71の一部、具体例として、第1ケース61がモータ21に固定された姿勢で、曲面部71aが設けられる面と隣接するポンプ22側の壁面に設けられる。電源ケーブル用開口部71cは、防水用コードコネクタ71fを有し、防水用コードコネクタ71fを介して、電源ケーブル23bを固定することで、水密に電源ケーブル23bを配置できる。なお、図3図4及び図6に示すように、電源ケーブル用開口部71cは、第2ケース62に設けられる構成としてもよい。
【0054】
シール溝71dは、パッキン71eを配置可能に、曲面部71aのモータ21と対向する外面に形成される。シール溝71dは、開口71a2及び開口71a2に隣接する孔部71a1を囲う。
【0055】
パッキン71eは、シール溝71dに設けられる。パッキン71eは、第1ケース61がモータ21に固定されたときに、部品カバー53と密着することで、部品カバー53及び第1ケース61を液封する。パッキン71eは、例えば、Oリングである。パッキン71eは、開口71a2及び開口71a2に隣接する孔部71a1から筐体51内に水が浸入することを抑制する。
【0056】
第1フランジ72は、例えば、矩形環状に形成される。第1フランジ72は、板状に形成され、ボルトやビス等の締結部材99により第2ケース62に固定される。第1フランジ72は、シール溝72aと、シール溝72aよりも外方に形成された複数の孔部72bと、シール溝72aに配置されるパッキン72cと、を有する。
【0057】
シール溝72aは、第2ケース62と当接する面に形成される。シール溝72aには、パッキン72cが配置される。孔部72bには、締結部材99が挿入される。本実施形態において、孔部72bは、4つ形成され、第1フランジ72の四角にそれぞれ設けられる。パッキン72cは、第1フランジ72と、第2ケース62の後述する第2フランジ82とを液封する。パッキン72cは、例えば、Oリングである。
【0058】
第2ケース62は、例えば、金属材料で形成される。例えば、第2ケース62は、熱伝導率の高い金属材料、例えば、アルミニウム等により形成される。第2ケース62は、所定の深さを有する矩形の皿状又は椀状に形成された第2胴部81と、第2胴部81の開口する開口端の外周縁に形成された第2フランジ82と、を備える。
【0059】
第2胴部81は、外面に形成された複数の放熱フィン81aと、内面に形成され、第1構成部品54の一部と当接する当接部81bと、固定部81cと、を有する。
【0060】
放熱フィン81aは、モータ21の軸方向、及び、軸方向に直交する方向のそれぞれに傾斜する、一方向に延びる突起である。放熱フィン81aは、所定の間隔を空けて、並んで配置される。放熱フィン81aは、筐体51内の第1構成部品54の放熱部として構成される。当接部81bは、第2胴部81の内面から突出する平板状の突起である。
【0061】
当接部81bは、例えば、ボルトやビス等の締結部材99によって、当接する第1構成部品54を構成する電装品52を固定できるねじ孔81b1を単数又は複数有する。当接部81bは、当接する第1構成部品54の数股は接触箇所に応じた数が設けられる。例えば、本実施形態において、当接部81bは、3つ設けられる。
【0062】
固定部81cは、第1構成部品54を固定する円筒状の突起81c1と、突起81c1に形成された雌ねじ部81c2と、を有する。固定部81cは、複数設けられ、第1構成部品54の後述する基板91を複数箇所で固定する。
【0063】
第2フランジ82は、第1ケース61の第1フランジ72と同形状に形成される。第2フランジ82は、第1フランジ72の孔部72bと同数形成され、締結部材99が挿入される孔部82aを有する。複数の孔部82aは、第1フランジ72及び第2フランジ82を合わせたときに、第1フランジ72の複数の孔部72bと対向する位置に設けられる。
【0064】
複数の電装品52は、図4に示すように、基板91と、パワー回路素子92と、コンデンサ基板93と、リアクトル94と、ノイズフィルタと、制御操作部96と、無線通信部97と、を含む。複数の電装品52は、インバータユニット(インバータ、可変速制御部)90を構成する。
【0065】
基板91は、第2ケース62内に配置され、第2胴部81の固定部81cに締結部材99により固定される。基板91は、第2胴部81の内面から所定の距離だけ離れて、第2ケース62に固定される。基板91の一方の主面は、第1ケース61と対向し、基板91の他方の主面は、第2ケース62の第2胴部81と対向する。基板91には、各電装品や回路パターンが実装される。また、基板91は、電力線21aが接続され、モータ21に電気的に接続される。
【0066】
パワー回路素子92は、発熱する発熱体(発熱素子)である。パワー回路素子92は、例えば、基板91の第2胴部81と対向する主面に実装され、第2ケース62の当接部81bに接触して配置される。
【0067】
パワー回路素子92は、例えば、プロセッサ921と、コンバータ回路を含むコンバータ部922と、インバータ回路を含むインバータ部923と、を備える。なお、パワー回路素子92は、プロセッサ921のメモリとは別に、記憶媒体としてのメモリを有していてもよい。また、パワー回路素子92は、一つの基板にプロセッサ921、コンバータ部922及びインバータ部923等の複数の実装品(電子部品)を実装する構成であってもよい。
【0068】
プロセッサ921は、モータ21を駆動するための制御回路である。プロセッサ921は、典型的にはマイコンであるが、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、DSC(Digital Signal Controller)またはその他の汎用または専用のプロセッサなどであってもよい。プロセッサ921は、例えば、通信制御、周波数制御などの任意の処理を行う。図2に示すように、プロセッサ921は、例えば、インバータユニット90、制御操作部96及び無線通信部97に接続される。
【0069】
プロセッサ921は、例えば、処理回路と、メモリと、を含む。プロセッサ921は、例えば、不揮発性のEEPROM(登録商標)領域と、揮発性のDRAM領域等のメモリと、を含む。プロセッサ921は、メモリ又はEEPROM領域に保存されたプログラムを実行することで、処理部としての通信制御部921a及び周波数制御部921b等として機能し得る。なお、プロセッサ921内の構成や各部の機能分担は、便宜的なものであり、適宜、変更可能である。
【0070】
プログラムとしては、例えば、ファームウェア、OS、主にパラメータの処理に関する処理プログラム、ポンプ制御プログラム(例、自動運転プログラム)、周波数制御プログラムなどが適宜、記憶される。なお、プログラムは、例えば、無線通信部97を介して統括制御部4や通信端末200から取得し、メモリやEEPROM領域に格納される構成であってもよく、電源投入時に、予め格納されたメモリからプロセッサ921に取得されてEEPROM領域に格納される構成であってもよい。また、プログラムは、メモリに記憶され、EEPROM領域に記憶されず、プロセッサ921がメモリに記憶されたプログラムを実行する構成であってもよい。
【0071】
また、例えば、電源投入時に、制御操作部96の接続状態に基づいて、ポンプ台数、給水方式種別等といった読み出しパラメータがメモリからプロセッサ921に取得されてEEPROM領域に格納される構成としてもよい。なお、読み出しパラメータがEEPROM領域に記憶されず、プロセッサ921がメモリに記憶された読み出しパラメータを取得する構成であってもよい。
【0072】
例えば、ポンプ台数の読み出しパラメータとは、ポンプ22の台数であり、給水方式種別の読み出しパラメータとは、例えば、直結給水方式や受水槽方式等である。これら読み出しパラメータは、給水装置1やポンプ装置2の出荷時や設置時に設定される。なお、本実施形態において、給水装置1が直結給水方式であることから、例えば、給水方式種別の読み出しパラメータは、直結給水方式が設定される。また、読み出しパラメータはこれらに限定されず、種々設定可能である。なお、制御操作部96を設けず、または、制御操作部96で設定後に、無線通信により読み出しパラメータを統括制御部4や通信端末200から取得する構成としてもよい。
【0073】
DRAM領域は、プロセッサ921に設けられ、運転データが記憶される。なお、運転データは、DRAM領域内に設けた専用レジスタに格納してもよい。運転データとしては、例えば、吸い込み圧力、吐出し圧力、瞬時流量、出力電流、運転周波数、中間電圧、出力電圧、消費電力等が挙げられる。
【0074】
通信制御部921aは、無線通信部97を制御して、統括制御部4及び通信端末200との無線通信を行う。例えば、通信制御部921aは、アドバタイズパケットを送信した統括制御部4及び通信端末200に接続要求を送信する。また、通信制御部921aは、無線通信部97を介して、給水装置1との接続を確立するための何らかのデータを送信することや、操作者の操作に応じて、統括制御部4又は通信端末200にリクエストを送信することもあり得る。あるいは、通信制御部921aは、通信端末200及び/又は統括制御部4との接続を確立するための何らかのデータ、例えば統括制御部4及びインバータユニット90、並びに/又は、制御部23及び通信端末200がそれぞれスキャナおよびアドバタイザとしてBluetooth(登録商標)で接続する場合には、アドバタイザとしての給水装置1からのリクエスト、を受信することもあり得る。
【0075】
例えば、自動運転モードのとき、統括制御部4と無線通信部97との間で通信を接続した場合に、通信制御部921aは、無線通信部97を介して、統括制御部4から、各種センサ5、6の検出信号、制御パラメータ及びプログラム等を受信し、また、周波数等の各種運転パラメータを統括制御部4に送信する。そして、通信制御部921aは、無線通信部97を介して、通信端末200との間で通信を接続した場合、各種運転データ等を通信端末200へ送信する。
【0076】
周波数制御部921bは、例えば、統括制御部4から無線通信部97を介して受信したインバータ制御信号をインバータユニット90へ出力し、モータ21を制御する。これにより、周波数制御部921bは、目標圧力一定運転等により、ポンプ22を制御する。
【0077】
なお、周波数制御部921bは、例えば、メモリ又はプロセッサ921のEEPROM領域に保存されたポンプ制御のためのプログラムと、統括制御部4から無線通信部97を介して受信した各パラメータ及び各センサ5、6からの最新の検出信号等と、に応じてインバータ制御信号を生成し、インバータ制御信号を、インバータユニット90へ出力し、モータ21を制御する構成としてもよい。
【0078】
コンバータ部922は、例えば、ダイオードや制御回路等を含むコンバータ回路により構成される整流装置である。インバータ部923は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やIPM(Intelligent Power Module)等のパワー半導体素子や制御回路等を含むインバータ回路により構成される周波数発生装置である。
【0079】
コンデンサ基板93は、例えば、複数の非電解型の平滑コンデンサ931と、複数の平滑コンデンサ931が実装されるコンデンサ実装用基板932と、を備える。コンデンサ基板93は、図4及び図10に示すように、モータ21の実装空間38に配置される。コンデンサ実装用基板932は、モータ軸31を避けるとともに、他の第2構成部品55を第1フレーム32Aの第1固定部32gに配置可能な形状に形成される。コンデンサ実装用基板932は、例えば、モータケーシング32の半径よりも小さい曲率半径の、扇状、円弧状、U字状等に形成された平板状の基板である。コンデンサ実装用基板932は、モータケーシング32のコンデンサ基板93は、モータ21の第1フレーム32Aに形成された第1固定部32gに、締結部材により固定される。
【0080】
リアクトル94は、高調波抑制対策用に設けられる。リアクトル94は、例えば、コンバータ部922の一次側に設けられる交流リアクトルである。なお、リアクトル94は、交流リアクトルに加え、コンバータ部922の二次側に設けられる直流リアクトルを有する構成であってもよい。
【0081】
ノイズフィルタは、制御部23の電気回路上のノイズを除去する。例えば、ノイズフィルタは、パワー回路素子92の一次側(入力側)のノイズを除去する入力側ノイズフィルタや、パワー回路素子92の二次側(出力側)のノイズを除去する出力側ノイズフィルタ等を含む。
【0082】
具体例として、ノイズフィルタは、電源ラインへ流れるノイズ、モータ21とインバータ部923との間の電力線21aを含むケーブルやプリント配線等から放射されるノイズ、モータ21からの漏れ電流によるグランドノイズ、雷サージ等をフィルタリングするノイズフィルタを構成する。なお、ノイズフィルタは、これらのいずれか、または選択した複数のノイズを除去する構成であってもよく、上述以外のノイズを除去する構成であってもよい。
【0083】
図17に示すように、インバータユニット90は、プロセッサ921、コンバータ部922、複数のコンデンサ931及びインバータ部923により構成され、電源70に接続される。
【0084】
ここで、電源70は、例えば三相電源である。電源70から流れる電流は、コンバータ部922によって直流に変換され、コンデンサ931にて整流され、インバータ部923にて可変電圧可変周波数の交流に変換され、モータ21に入力される。
【0085】
なお、電源70は、三相電源に限定されず、単相電源でもよい。図18及び図19に、電源70が単相電源である例を示す。なお、図18は、リアクトル94がコンバータ部922の一次側、例えば、電源70とコンバータ部922との間に設けられるインバータユニット90の例であり、図19は、リアクトル94がコンバータ部922の二次側、例えば、コンバータ部922とコンデンサ931との間に設けられるインバータユニット90の例である。
【0086】
制御操作部96は、例えば、基板91に設けられる。制御操作部96は、例えば、基板91の第1ケース61側の主面に設けられる。制御操作部96は、例えば、運転状況、故障状況、設定状況等、各種情報を表示する表示部と、各種設定を変更する押しボタンスイッチ等の操作部と、各種入出力信号を接続する端子と、を備える。例えば、制御操作部96の操作部は、制御に関するパラメータのうち、読み出しパラメータを取得するための電気的な接続状態を物理的に設定する入力部である。具体例として、制御操作部96は、ディップスイッチ又はジャンパーピン等が適宜用いられる。制御操作部96は、例えば、ポンプ台数、給水方式種別等といった読み出しパラメータが割り付けられている。また、制御操作部96は、無線通信が不能の場合に、ポンプ装置2の動作指令を入力可能な入力部を有する構成としてもよい。
【0087】
無線通信部97は、無線電波によって情報の送受信が可能なアンテナを含む。無線通信部97は、例えば、接地型1/4λモノポールアンテナである。無線通信部97は、例えば、基板91の第1ケース61側の主面に実装されている。例えば、無線通信部97は、チップアンテナ又はパターンアンテナが基板91に実装されることで構成される。なお、無線通信部97は、通信モジュールとして無線通信部97が基板に実装され、コネクタを介して基板91に着脱自在に設けられてもよい。
【0088】
このような無線通信部97は、プロセッサ921により制御され、無線通信技術を用いて、他のポンプ装置2の無線通信部97、複数のポンプ装置2を統括で制御する統括制御部4、及び/又は、通信端末200などの外部装置と通信可能な任意の通信インターフェースである。無線通信部97は、例えば、Bluetooth(登録商標)(例えば、Bluetoothe Low Energyの規格(以下、BLE規格ともいう))、Wi-Fi(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信技術、及び、LTE(Long Term Evolution)(登録商標)等の携帯電話回線を含めた汎用無線通信技術やsigfox(登録商標)等の専用無線通信技術等を含む遠距離無線通信技術等の無線通信技術を用いて、統括制御部4及び通信端末200等の無線通信を行う外部装置に接続できる。なお、無線通信部97は、他の無線通信技術であってもよい。なお、BLE規格は、例えば、BLEのバージョン4.0以上の規格であり、BLEの通信方式と互換性があればよい。
【0089】
例えば、無線通信部97は、異なる無線通信技術を複数用いる構成、例えば、BLE規格及びNFCを用いる構成といったように、通信距離が異なる技術の場合には、無線通信部97を複数設ける構成としてもよい。
【0090】
また、無線通信部97は、統括制御部4及び通信端末200と制御部23との接続を確立するための何らかのデータ、例えば統括制御部4及び制御部23、並びに/又は、通信端末200及び制御部23が、それぞれスキャナおよびアドバタイザとしてBluetoothで接続する場合には、スキャナとしての統括制御部4及び通信端末200からのそれぞれのリクエストを受信することもあり得る。
【0091】
例えば、無線通信部97は、制御部23の識別情報を含むアドバタイズパケットをブロードキャスト通信してもよい。また、例えば、無線通信部97は、当該アドバタイズパケットを受信する統括制御部4又は通信端末200から接続要求を受けると、統括制御部4又は通信端末200との間の通信を接続してもよい。無線通信部97は、プロセッサ921に電気的に接続され、統括制御部4又は通信端末200との間の通信を接続可能な通信手段の一例である。
【0092】
コネクタ98は、例えば、ケーブルの端子と接続可能に形成される。コネクタ98は、例えば、ケーブルの端子を接続できる端子台である。コネクタ98は、例えば、複数のケーブルの端子を接続可能に形成される。コネクタ98は、基板91に電気的に接続される。コネクタ98は、例えば、ポンプ22を制御するための信号を入力するための信号線を結線する接続部材である。信号線は、例えば、センサ等に接続される。また、コネクタ98は、例えば、パッキンを介して凹部71bに設けられることで、凹部71bのコネクタ用開口71b1から水が浸入することを防止可能に、凹部71bに固定される。コネクタ98は、筐体51内に配置されるとともに、端部が第1ケース61の第1胴部71の凹部71bに形成されたコネクタ用開口71b1に配置される。これにより、コネクタ98は、筐体51及びモータ21の間のスペースにおいて、ケーブルの端子と接続可能に形成される。
【0093】
筐体51に設けられる第1構成部品54は、図4及び図7に示すように、例えば、基板91、パワー回路素子92、ノイズフィルタ、制御操作部96、無線通信部97、コネクタ98を含む。第1構成部品54は、第2構成部品55とともに、モータ21に可変速制御を行わせるための複数の電装品である。なお、第1構成部品54は、インバータユニット90を構成する他の構成部品を含んでいてもよい。
【0094】
モータ21の実装空間38に設けられる第2構成部品55は、例えば、コンデンサ基板93、リアクトル94を含む。なお、第2構成部品55は、インバータユニット90を構成する複数の電装品52のうち、比較的大きく、且つ、発熱し難いものである。このため、第2構成部品55の他の例としては、ノイズフィルタが挙げられる。よって、第2構成部品55は、例えば、コンデンサ基板93、リアクトル94及びノイズフィルタの少なくともいずれかであるか、または、全てであってもよい。また、第2構成部品55は、筐体51の第2ケース62に当接させて、放熱フィン81aによって放熱をしなくて良い電装品52、及び、基板91に直接実装しなければならない電装品52以外であれば、第2構成部品55に含めても良い。
【0095】
図4及び図10に示すように、部品カバー53は、一端が開口し、他端が閉塞する有底円筒状に形成される。部品カバー53は、開口する一端が第1フレーム32Aと当接し、そして、他端が外扇ファン35と対向する。部品カバー53は、閉塞する端部に形成され、モータ軸31の他端を挿通する第3開口53aと、第3開口53aに設けられる水切り鍔53bと、第1フレーム32A及びファンカバー36に固定される複数の第4固定部53cと、外周面の一部に形成された雌ねじ部53dと、外周面の一部に形成され、電力線21a及び第1構成部品54及び第2構成部品55を接続する配線23aを配置する第2配線用開口53eと、を有する。
【0096】
第3開口53aは、部品カバー53の端面の中央に形成される。第3開口53aは、第1フレーム32A、ファンカバー36及び部品カバー53を一体に組み立てたときに、第1フレーム32Aに形成される第1開口32c及び第2フレーム32Bに形成される第2開口32iと同軸となる。第3開口53aは、モータ軸31の外径よりも若干大径に形成される。
【0097】
水切り鍔53bは、部品カバー53の端面及び外扇ファン35の間に設けられる。水切り鍔53bは、モータ軸31に固定され、外部から、モータ軸31の外周面及び部品カバー53の第3開口53aの内周面の隙間から、部品カバー53内へ水が浸入することを防止する。
【0098】
第4固定部53cは、第1フレーム32Aの第2固定部32hと同数設けられる。第4固定部53cは、例えば、部品カバー53の外周面に、所定の間隔を空けて設けられる、部品カバー53の軸方向に延びる突起部53c1と、突起部53c1に形成された孔部53c2と、を有する。第4固定部53cは、第1フレーム32A、部品カバー53及びファンカバー36を一体に組み立てたときに、第1フレーム32Aの第2固定部32h及びファンカバー36の第3固定部36cと対向する。これら第2固定部32h、第3固定部36c及び第4固定部53cを締結部材99で締結することで第1フレーム32A、ファンカバー36及び部品カバー53が一体に固定される。
【0099】
雌ねじ部53dは、部品カバー53の外周面の一部に形成される。雌ねじ部53dは、部品カバー53の外周面であって、部品カバー53を第1フレーム32Aに取り付けたときに、第1フレーム32Aの取付面32bに形成された2つの雌ねじ部32b1と、軸方向で並ぶ位置に形成される。
【0100】
第2配線用開口53eは、電力線21a及び配線23aを挿通して配置可能な開口面積に形成される。第2配線用開口53eは、例えば、円形、欠円又はD字状等の開口である。第2配線用開口53eは、例えば、第1ケース61に形成される開口71a2と同形状に形成される。第2配線用開口53eは、第1ケース61をモータ21に固定したときに、第1ケース61の開口71a2と対向する。
【0101】
このような制御部23は、インバータユニット(可変速制御部)90を構成するとともに、インバータユニット90を構成する複数の電装品52のうち、発熱体であるパワー回路素子92(発熱素子)及び基板91を含む第1構成部品54を筐体51に収容してモータ21の側面に密着して設けるとともに、他の電装品52である第2構成部品55を部品カバー53で覆い、モータ21の実装空間38に配置する。そして、第2構成部品55に接続されるケーブルは、第1フレーム32Aの第1配線用開口32e及び第2配線用開口53eを通って、固定子33及び/又は第1構成部品54と接続される。また、筐体51は、第1ケース61が締結部材99により第1フレーム32Aに設けられた2つの雌ねじ部32b1及び部品カバー53の雌ねじ部53dに固定される。また、筐体51の曲面部71aの外面の曲率半径は、モータ21の取付面32bの外面の曲率半径と同じであることから、筐体51及びモータ21は、曲面同士が接触して固定される。
【0102】
統括制御部4は、例えば、各モータ21を制御する制御部23と無線通信によって接続され、各モータ21を駆動制御することで、各ポンプ22の回転数を制御する。具体的には、統括制御部4は、圧力センサ5及び各流量センサ6からの検出信号に基づいて、制御部23と無線通信を行い、インバータユニット90を介してモータ21の駆動を制御する。
【0103】
例えば、統括制御部4は、圧力センサ5で検出された圧力及び流量センサ6で検出された流量に対応する検出信号に基づいて、各モータ21の停止及び始動を行う。具体例として、統括制御部4は、圧力センサ5で検出された検出信号から算出されたポンプ22の二次側の圧力が予め定められた始動圧力以下に低下したことを検知すると、一方のモータ21を駆動して、ポンプ22を始動する。統括制御部4は、駆動しているポンプ22の二次側の流量センサ6からの検出信号に基づいて、流量が少水量であることを検知するとポンプ22を停止させる。例えば、流量センサ6は、停止流量(少水量)となったときに検出信号を出力する流量スイッチとして機能し、そして、統括制御部4は、流量センサ6から出力された検出信号に基づいて、モータ21を制御してポンプ22を停止する。
【0104】
また、統括制御部4は、圧力センサ5で検出された圧力に対応する検出信号、及び、インバータユニット90の運転周波数(出力周波数)に基づき、モータ21の回転速度を制御し、吐出し圧力一定制御又は推定末端圧力一定制御等の目標圧力一定制御により、ポンプ22を運転制御する。なお、ポンプ22の回転速度は、モータ21の回転速度と同一であり、そして、ポンプ22(モータ21)の回転速度は、インバータユニット90(インバータ部923)の運転周波数と一定の関係を有する。
【0105】
なお、本実施形態においては、給水装置1が複数の例として二台のポンプ装置2を有する例を用いて説明することから、統括制御部4を備える給水装置1の例を示すが、ポンプ装置2が一台である場合には、給水装置1は、統括制御部4を有さず、統括制御部4の構成を制御部23が備え、制御部23が圧力センサ5及び流量センサ6から出力される検出信号に基づいて、目標圧力一定制御によりポンプ22を運転制御する構成としてもよい。
【0106】
統括制御部4及び制御部23が無線接続によってモータ21の制御を行う処理に加えて、統括制御部4及び/又は制御部23が通信端末200と無線接続することにより、適宜、運転データを通信端末200に送信してもよい。
【0107】
このような通信端末200との通信を伴う形態は、給水システムとして、制御部23及び/又は統括制御部4と通信端末200とを備えた管理システムや、給水装置1及び通信端末200を備えた管理システムを構成する。また、このような給水システムの形態は、統括制御部4と、通信端末200に実行されるプログラムとを備えた管理システムや、給水装置1と、通信端末200に実行されるプログラムとを備えた管理システムを構成してもよい。
【0108】
あるいは、このような給水システムの形態は、統括制御部4に実行される第1プログラムと、通信端末200に実行される第2プログラムとを備えた管理システムや、給水装置1に実行される第1プログラムと、通信端末200に実行される第2プログラムとを備えた管理システムを構成してもよい。ここで、「管理システム」の用語は、適宜、「システム」、「処理システム」又は「パラメータ処理システム」のように言い換えてもよい。同様に、「・・・に実行されるプログラム」の用語は、適宜、「・・・に搭載されるプログラム」又は「・・・に内蔵されるプログラム」のように言い換えてもよい。
【0109】
また、給水装置1として、統括制御部4を有さず、ポンプ装置2を一台備え、統括制御部4の構成を制御部23が有する構成とする場合においては、給水システムは、制御部23及び通信端末200を備える構成、又は、一台のポンプ装置2を有する給水装置1及び通信端末200を備える構成とすればよい。
【0110】
なお、運転データは、ある運転点での、周波数、電流、電圧、圧力、流量、振動値、モータの絶縁抵抗、及び受水槽の設定などといった、給水装置1の運転状態を示すデータである。補足すると、給水装置1の運転データは、例えば、給水装置1の最新の1つまたはロギングされた複数の時点におけるステータスであり得る。具体的には、運転データは、例えば給水装置1のインバータユニット90から取得した各時点の電圧/電流値、圧力センサ5から取得した各時点の検出信号またはこれに基づき算出された圧力値、流量センサ6から取得した各時点の検出信号またはこれに基づき算出された流量値、モータ21の各時点の運転速度(周波数)、各時点の積算運転データ、などを含み得る。また、積算運転データとは、例えば、積算運転時間及び積算始動回数の少なくとも一方を含む。
【0111】
統括制御部4は、図5に示すように、例えば、通信部161、入力部162、インターフェース163、表示部164、設定部165、メモリ166及びプロセッサ167を備える。統括制御部4は、通信部161によって制御部23の無線通信部97と無線通信を行う通信端末を構成する。統括制御部4は、例えば、筐体内に、各構成を実装するか、又は、各構成に接続される制御基板を備える。
【0112】
通信部161は、プロセッサ167により制御され、無線通信技術を用いて、通信端末200などの外部装置と通信可能な任意の通信インターフェースである。通信部161は、例えば、通信モジュール又は通信基板等として実装されていてもよい。通信モジュールは、例えばコネクタを介して統括制御部4の制御基板に着脱自在に設けられてもよい。具体的には、通信部161は、例えば、Bluetooth(登録商標)(例えば、Bluetoothe Low Energyの規格(以下、BLE規格ともいう))、Wi-Fi(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信技術、及び、LTE(Long Term Evolution)等の携帯電話回線を含めた汎用無線通信技術やsigfox(登録商標)等の専用無線通信技術等を含む遠距離無線通信技術等の無線通信技術を用いて、制御部23及び通信端末200等の外部装置に接続できる。
【0113】
例えば、通信部161は、統括制御部4の識別情報を含むアドバタイズパケットをブロードキャスト通信する。また、例えば、通信部161は、当該アドバタイズパケットを受信する制御部23又は通信端末200から接続要求を受けると、制御部23又は通信端末200との間の通信を接続してもよい。通信部161は、プロセッサ167に電気的に接続され、通信端末200との間の通信を接続可能な通信手段の一例である。なお、アドバタイズパケットのブロードキャスト通信は、統括制御部4の通信部161及び制御部23の無線通信部97の一方が行い、他方が受信する構成でもよい。
【0114】
入力部162は、例えば、ボタンを含む操作パネル、タッチパネル、キーボード、マウス、等のユーザ入力を受け付ける装置と、圧力センサ、マイクロフォン、カメラなどのセンサとの、少なくともいずれかを有する。入力部162は、パラメータ設定、各運転モードの設定等の任意のユーザからの指令であるユーザ入力を受け付ける装置である。
【0115】
インターフェース163は、圧力センサ5及び流量センサ6や、外部端末等が電気的に接続可能な端子又は回路である。また、インターフェース163は、受水槽の液面制御をする電極棒を給水装置が備えている場合には、該電極棒が電気的に接続される。
【0116】
表示部164は、例えば、液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイなどの表示デバイスを有する。また、表示部164は、表示デバイスに代えて、又は、表示デバイスに加えて、スピーカ、LED(Light Emitting Diode)点灯部等を有していても良い。
【0117】
設定部165は、制御に関するパラメータのうち、読み出しパラメータを取得するための電気的な接続状態を物理的に設定する入力部である。設定部165としては、例えば、ディップスイッチ又はジャンパーピン等が適宜用いられてもよい。このような設定部165は、例えば、ポンプ台数、給水方式種別等といった読み出しパラメータが割り付けられていてもよい。
【0118】
例えば、ポンプ台数の読み出しパラメータとは、ポンプ22の台数であり、給水方式種別の読み出しパラメータとは、例えば、直結給水方式や受水槽方式等である。これら読み出しパラメータは、給水装置1の出荷時や設置時に設定される。また、読み出しパラメータはこれらに限定されず、種々設定可能である。なお、設定部165を設けず、入力部162の設定により読み出しパラメータを取得する構成としてもよい。
【0119】
なお、このような、ディップスイッチ又はジャンパーピンや、読み出しパラメータの割り付けは、設定部165及びポンプ装置2の制御部23の制御操作部96の双方に設ける構成であってもよく、給水装置1が複数のポンプ装置2を有する場合には、設定部165にのみ設ける構成であっても、給水装置1が単数のポンプ装置2を有する場合には、制御操作部96のみに設ける構成であってもよい。
【0120】
メモリ166は、データの読出及び書込が可能である。メモリ166は、プロセッサ167によって使用されるデータ、ポンプ22の運転データやポンプ22の制御に用いる各種データやプログラム等を格納する。メモリ166は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)(登録商標)、ROM(Read only memory)又はNAND型フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。また、メモリ166は、フラッシュメモリを搭載したSSD(Solid State Drive)を含む。
【0121】
メモリ166に格納されるデータとしては、例えば、統括制御部4を識別する識別情報、コード、テーブルなどが適宜記憶される。運転データとしては、給水装置1の運転状態を示す運転データのうちの定期的に取得される積算値に関する積算運転データ(以下、運転データ(積算)ともいう)が記憶される。また、メモリ166には、ポンプ22の制御や補正に要する外部パラメータ及び内部パラメータが記憶される。
【0122】
外部パラメータは、制御目標に関するデータである。外部パラメータとしては、例えば、定格圧力、末端圧力、始動圧力、定格流量等が挙げられる。「定格圧力」は、目標圧力一定制御運転における定格流量時の目標圧力(制御目標)である。「末端圧力」は、蛇口やシャワーヘッド等の供給先の水圧であり、例えば、配管抵抗を考慮した値である。「始動圧力」は、ポンプを始動する際の、給水装置1の二次側の基準圧力である。「始動圧力」は、例えば、末端圧力より、所定の揚程を4mとして減算することにより、始動圧力=末端圧力-4mとして、算出してもよい。「定格流量」は、定格圧力を決める際の流量であり、使用可能な最大流量である。このように、外部パラメータの「定格圧力」、「末端圧力」、「始動圧力」及び「定格流量」は互いに制御目標に関連している。また、「定格圧力」、「末端圧力」、「始動圧力」は、給水装置1の発注時に、給水現場に合わせたいわゆる「一点仕様」として注文があった場合、専用設定する必要がある。このため、製造工程における給水装置1の試運転時や、給水装置1の設置後に、作業員が、統括制御部4の入力部162を操作するか、又は、外部端末をインターフェース163に接続し、外部端末を操作して、各外部パラメータの初期値を設定する。
【0123】
内部パラメータとしては、例えば、加速時間や減速時間、増台遅延時間や減台遅延時間、上限周波数や下限周波数など、自動運転に用いられる定数である。「加速時間」は、インバータの出力が始動から最高周波数まで達する時間である。「減速時間」は、インバータが最高周波数から停止するまでの時間である。「増台遅延時間」は、停止しているポンプを起動して増台するときの遅延時間である。「減台遅延時間」は、運転中のポンプを停止して減台するときの遅延時間である。「上限周波数」は、増台時又は減台時の上限の周波数である。「下限周波数」は、増台時又は減台時の下限の周波数である。内部パラメータの「加速時間」、「減速時間」、「増台遅延時間」、「減台遅延時間」、「上限周波数」及び「下限周波数」は、製造時や設置時の試運転などにおいて、並列起動時、揃速運転時又は解列時等に不具合現象が発生した場合に、初期値から修正される定数である。
【0124】
内部パラメータは、キャリア周波数、最低周波数、最高周波数、インバータ種別、モータ定格電流、過電流保護レベルなど、モータ定格やインバータメーカ及びインバータ定格などにより決定される。「キャリア周波数」は、インバータのパルス幅変調(PWM)制御に用いられるスイッチング制御信号を生成するための比較器に入力される一定周期のキャリア(三角波)と、変調波(所望の波形)とのうち、キャリアが持つ周波数である。「最低周波数」は、インバータが運転時に出力可能な最低の周波数である。「最高周波数」は、インバータが運転時に出力可能な最高の周波数である。「インバータ種別」は、インバータの種類又は形式である。「モータ定格電流」は、モータ21の定格電流である。「過電流保護レベル」は、インバータユニット90のスイッチング素子の電流値に基づいて、当該スイッチング素子を過電流から保護する動作を開始する際の、当該電流値である。
【0125】
また、メモリ166は、不揮発性メモリに加え、電源遮断時に消去してもよいデータが展開されるワークエリアを有するRAMを含み得る。
【0126】
プロセッサ167は、統括制御部である。プロセッサ167は、典型的にはマイコンであるが、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、またはその他の汎用または専用のプロセッサなどであってもよい。プロセッサ167は、例えば、通信制御、表示制御、ポンプ制御などの任意の処理を行う。図3に示すように、プロセッサ167は、例えば、インターフェース163等を介して、圧力センサ5、各流量センサ6に接続され、通信部161及び無線通信部97を介して、各制御部23のインバータユニット90に接続される。
【0127】
プロセッサ167は、例えば、処理回路とメモリとを含む。プロセッサ167は、例えば、不揮発性のEEPROM領域167aと、揮発性のDRAM領域167bとを含む。また、プロセッサ167は、メモリ166又はEEPROM領域167aに保存されたプログラムを実行することで、通信制御部167c、処理部167d及びポンプ制御部167e等として機能し得る。なお、プロセッサ167内の各部の機能分担は、便宜的なものであり、適宜、変更可能である。
【0128】
プログラムとしては、例えば、ファームウェア、OS、主にパラメータの処理に関する処理プログラム、ポンプ制御プログラム(例、自動運転プログラム)などが適宜、記憶される。なお、プログラムは、例えば、電源投入時に、設定部165の接続状態に基づいてメモリ166からプロセッサ167に取得されてEEPROM領域167aに格納される構成であってもよい。また、プログラムは、メモリ166に記憶され、EEPROM領域167aに記憶されず、プロセッサ167がメモリ166に記憶されたプログラムを実行する構成であってもよい。
【0129】
また、例えば、読み出しパラメータは、電源投入時に、設定部165の接続状態に基づいてメモリ166からプロセッサ167に取得されてEEPROM領域167aに格納される。なお、読み出しパラメータがEEPROM領域167aに記憶されず、プロセッサ167がメモリ166に記憶された読み出しパラメータを取得する構成であってもよい。
【0130】
DRAM領域167bは、プロセッサ167に設けられ、運転データが記憶される。なお、運転データは、DRAM領域167b内に設けた専用レジスタに格納してもよい。運転データとしては、例えば、吐出し圧力、瞬時流量、出力電流、運転周波数、出力電圧、消費電力等が挙げられる。
【0131】
通信制御部167cは、通信部161を制御して、制御部23及び通信端末200との無線通信を行う。例えば、通信制御部167cは、アドバタイズパケットを送信した制御部23及び通信端末200に接続要求を送信する。また、通信制御部167cは、通信部161を介して、給水装置1との接続を確立するための何らかのデータを送信することや、操作者の操作に応じて、制御部23又は通信端末200にリクエストを送信することもあり得る。あるいは、通信制御部167cは、制御部23又は通信端末200と統括制御部4との接続を確立するための何らかのデータ、例えば統括制御部4及び制御部23、並びに/又は、統括制御部4及び通信端末200がそれぞれスキャナおよびアドバタイザとしてBluetoothで接続する場合には、アドバタイザとしての給水装置1からのリクエスト、を受信することもあり得る。
【0132】
通信制御部167cは、通信部161を介して、例えば、自動運転モードのとき、制御部23の無線通信部97と通信部161との間で通信を接続した場合に、各種センサ5、6の検出信号、制御パラメータ及びプログラム等を無線通信部97に送信し、また、各種運転パラメータを無線通信部97から受信する。そして、通信制御部167cは、通信部161を介して、通信部161と通信端末200との間で通信を接続した場合、各種運転データ及び外部パラメータを通信端末200へ送信する。
【0133】
処理部167dは、各パラメータに関する処理を実行する。ポンプ制御部167eは、各種センサからの検出信号に基づいて、給水装置1の運転状態を示す運転データを取得し、当該運転データをメモリ166、EEPROM領域167a及び/又はDRAM領域167bに記憶する。なお、運転データの取得は、積算値のように、給水装置1の運転実態に応じて、運転データを算出することを含んでもよい。
【0134】
また、ポンプ制御部167eは、メモリ166又はEEPROM領域167aに保存されたポンプ制御のためのプログラムと、各パラメータとに基づき、最新の検出信号等に応じてインバータ制御信号を生成する。なお、生成したインバータ制御信号は、例えば、通信制御部167cによって、通信部161から無線通信部97に送信される。
【0135】
圧力センサ5は、例えば、ポンプ22の二次側で、2台のポンプ22を連結する連結管に設けられ、連結管内の圧力を検出する。
【0136】
流量センサ6は、例えば、各ポンプ22の二次側にそれぞれ設けられ、各ポンプ22の吐出流量を検出する。なお、流量センサ6は、連結管に設けられ、連結管内の流量を検出する構成であってもよい。
【0137】
次に、このような給水装置1とデータ通信を行う通信端末200の例について、以下説明する。通信端末200は、管理サーバ、プログラマブルコントローラ、情報処理や入力処理を行う処理端末等である。通信端末200は、例えば、PC、モバイル端末(例えば、タブレット、スマートフォン、ラップトップ、フィーチャーフォン、携帯端末)、ゲーム機等が挙げられるが、これらに限定されず、専用の通信機器であってもよい。
【0138】
このような通信端末200は、図5に例示するように、通信部201、入力部202、表示部203、メモリ204及びプロセッサ205を備える。
【0139】
通信部201は、プロセッサ205により制御され、例えば、無線通信技術を用いて、給水装置1等の外部装置と通信可能な任意の通信インターフェースである。具体的には、通信部201は、例えば、例えば、Bluetooth(登録商標)(例えば、Bluetoothe Low Energyの規格(以下、BLE規格ともいう))、Wi-Fi(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信技術、及び、LTE(Long Term Evolution)等の携帯電話回線を含めた汎用無線通信技術やsigfox(登録商標)等の専用無線通信技術等を含む遠距離無線通信技術等の無線通信技術を用いて給水装置1の統括制御部4及び制御部23に接続できる。
【0140】
また、通信部201は、無線通信に加え、USBなどの有線通信技術を用いて、他の外部装置に接続できる構成であってもよい。具体例として、通信部201は、BLE規格に基づいて、給水装置1の制御部23及び統括制御部4と無線通信を行う。なお、通信部201は、前述したBLE規格の通信とは別に、基地局及びネットワークを介して管理サーバや他の通信端末に通信可能なモバイル端末の通常の通信インターフェースを含んでもよい。例えば、通信部201は、プロセッサ205により制御され、機能パラメータ、内部パラメータ、外部パラメータ等のデータや、目標圧力一定制御を行うための各種プログラム、及び、これらデータやプログラムを変更する変更指示を統括制御部4の通信部161及び/又は制御部23の無線通信部97に送信する。
【0141】
入力部202は、ユーザ入力を受け付けるための入力I/Fであり、通信端末200に内蔵されてもよいし、通信端末200に外付けされてもよい。入力部202は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、マイクロフォン、カメラなどであってもよいし、タッチスクリーンのように出力I/Fの機能を備えていてもよい。ここで、ユーザ入力とは、例えば、タップ、クリック、ドラッグ、特定のキーの押下、マイクロフォンによって捉えられる音声等を含む。
【0142】
表示部203は、プロセッサ205の処理に応じて、画像及び/又は音声を出力するための出力I/Fの一例であり、動画像、静止画像、テキストなどを表示するための表示デバイスを含み得る。表示部203は、音声、楽曲などを出力するためのスピーカを含んでもよい。「表示部」は「出力部」と読み替えてもよい。表示デバイスは、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(electroluminescence)ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどである。表示デバイスは、コンテンツを含む表示データを表示する。なお、表示デバイスは、タッチスクリーンのように入力I/Fの機能を備えていてもよい。表示部203は表示手段の一例である。
【0143】
メモリ204は、プロセッサ205が各処理を実現するために当該プロセッサ205によって実行されるプログラム、および当該プロセッサ205によって使用されるデータなどを記憶する。メモリ204は、かかるプログラム/データが展開されるワークエリアを有するRAMを含み得る。プログラムとしては、例えば、ファームウェア、OS、通信プログラムなどが適宜、記憶される。例えば、通信端末200のプログラムには、予め全ての内部パラメータに関する名称、単位、設定可能範囲などのデータが記憶されており、統括制御部4や制御部23に誤った数値が入力されることを阻止できる。
【0144】
プロセッサ205は、典型的にはCPUであるが、マイコン、FPGA、DSP、GPU(Graphics Processing Unit)またはその他の汎用または専用のプロセッサ等であってもよい。プロセッサ205は、通信部201を介して給水装置1との間で無線通信を行い、給水装置1を管理する処理を実行するものである。プロセッサ205は、メモリ204に保存されたプログラムを実行することで、通信制御部205a及び処理部205bとして通信端末200を機能し得る。なお、プロセッサ205内の各部の機能分担は、便宜的なものであり、適宜、変更可能である。当該通信制御部205a及び処理部205bは、第1受信手段、第1変更手段、第1送信手段、第2受信手段、第2変更手段及び第2送信手段の一例である。
【0145】
通信制御部205aは、通信部201を制御して、給水装置1との無線通信を行う。例えば、通信制御部205aは、アドバタイズパケットを送信した統括制御部4及び/又は制御部23に接続要求を送信する。また、通信制御部205aは、通信部201を介して、給水装置1との接続を確立するための何らかのデータを送信することや、操作者の操作に応じて、給水装置1にリクエストを送信することもあり得る。あるいは、通信制御部205aは、通信端末200と給水装置1との接続を確立するための何らかのデータ、例えば給水装置1及び通信端末200がそれぞれスキャナおよびアドバタイザとしてBluetoothで接続する場合には、アドバタイザとしての給水装置1からのリクエスト、を受信することもあり得る。
【0146】
通信制御部205aは、通信部201を介して、例えば、対象装置が自動運転モードのとき、通信端末200と通信部161及び/又は無線通信部97との間で通信を接続した場合、各種運転データや各種パラメータ等を統括制御部4及び/又は制御部23から受信する。
【0147】
処理部205bは、給水装置1の点検、メンテナンス、管理、パラメータ閲覧・変更、プログラム更新など、作業員の作業に応じた情報処理を実行する。
【0148】
処理部205bは、例えば、各種運転データ及び外部パラメータを通信部201が受信すると、当該受信した内容の一部分を表示部203に表示させ、操作者のスクロール操作に応じて、当該表示させる一部分を変更する。
【0149】
このように構成された回転機械装置であるポンプ装置2及び回転電機装置3であるモータ21及び制御部23は、インバータユニット90を構成する複数の電装品52のうち、発熱体であるパワー回路素子92(発熱素子)及び基板91を含む第1構成部品54を筐体51に収容してモータ21の側面に設けるとともに、第1構成部品54に比べて大きく、また、放熱フィン81aによって放熱をしなくて良い第2構成部品55をモータ21の実装空間38に配置した。これにより、筐体51内に収容する電装品52の数を少なく、また、電装品52の実装領域(実装のための容積)を小さくすることができることから、筐体51の容積を小さくすることができるため、モータ21及び制御部23を一体に組み立てた回転電機装置3の小型化が可能となる。
【0150】
また、第1構成部品54と第2構成部品55及び固定子33とを接続するケーブル類(電力線21a、配線23a)は、第1構成部品54から、第1フレーム32Aの第1配線用開口32e及び第2配線用開口53eを通って、固定子33及び/又は第2構成部品55と接続される。また、筐体51(第1ケース61)及び部品カバー53、第1フレーム32A及び部品カバー53、並びに、第1ケース61及び第2ケース62の間にOリング等の液封するパッキン32k、71e、72cを設けた。これにより、複数箇所に電装品を設け、ケーブル類を挿通させる開口や、各電装品を収容する部材(第1ケース61、第2ケース62、部品カバー53及びモータケーシング32)間を液密に密封する構成とした。また、電源ケーブル23bは、防水用コードコネクタ71fを介して電源ケーブル用開口部71cから筐体51内に配置した。
【0151】
これにより、モータ21及び制御部23は、各構成品へ水が浸入することを防止できることから、屋内用及び屋外用でもよく、また、このような陸上用に限らず、水中用にも対応できる。このため、ポンプ装置2は、屋外防水仕様や、水中使用にも容易に対応することができる。また、外部に露出するケーブル類は、電源ケーブル23bの一部で良いことから、モータ21の異なる2箇所以上に制御部23を構成する電装品52を配置しても、ケーブル類の露出を防止し、ケーブル類が設置時や設置後に邪魔になることを防止できるとともに、ケーブル類の保護が可能となる。加えて、ケーブル類の露出を防止できることから、ポンプ装置2の外観性が低下することも防止できる。
【0152】
また、筐体51は、第1ケース61が締結部材99により第1フレーム32Aに設けられた2つの雌ねじ部32b1及び部品カバー53の雌ねじ部53dに固定される。また、筐体51と、モータ21及び部品カバー53との接触面を曲面状とした。そして、筐体51の曲面部71aの外面の曲率半径を、モータ21の取付面32bの外面の曲率半径及び部品カバー53の半径と同じとした。これにより、筐体51及びモータ21、並びに、筐体51及び部品カバー53の接触面同士が沿った形状となり、当接面を向上させて、安定して筐体51をモータ21の側面側に固定することができる。
【0153】
筐体51及びモータ21(部品カバー53含む)を曲面同士の接触とすることで、モータ21の軸周りに回転する力が筐体51に印加されても、筐体51の一部がモータ21に接触する側に力が加わるため、筐体51がモータ21から離間する方向に力が印加することを抑制できる。このため、モータ21及び制御部23は、筐体51をモータ21に、強固、且つ、安定して固定することができる。加えて、筐体51をモータ21及び部品カバー53に固定するための締結部材99を、筐体51の中央側においてモータ21の軸方向に並べて配置する構成とすればよく、締結部材99の数を低減できることから、組み立て性の向上となる。
【0154】
また、筐体51及びモータ21を曲面による接触とすることで、直線状に接触させるよりも、接触面積を向上させることができるとともに、接触面積に対する幅方向における幅寸法を小さくできる。
【0155】
また、筐体51のモータ21に固定される側とは反対側に放熱フィン81aを設ける構成としたことで、モータ21の外扇ファン35を駆動したときに、ファンカバー36から吸い込まれる空気によって生じた空気の流れにより、放熱フィン81aにおいても空気の流れが生じる。よって、放熱フィン81aに送風するファン等を要することなく、効率的に放熱フィン81aにより電装品52を冷却することができる。また、放熱フィン81aの延設方向を、モータ21のモータ軸31の軸方向に対して傾斜させた。これにより、モータ21及びポンプ22が、横軸及び縦軸の双方で配置したときであっても、隣り合う放熱フィン81aの間の空間は、上方に向かうことになり、効率良く冷却することができる。
【0156】
また、筐体51は、第1ケース61を、電波を通す樹脂材料によって形成することで、通信部97による外部との無線通信を阻害することを防止できる。これにより、ポンプ装置2(制御部23)は、統括制御部4や通信端末200と無線通信が可能となる。
【0157】
上述したように、本実施形態に係る給水装置1及びポンプ装置2によれば、可変速制御を行う制御部23の構成要素(電装品52)をモータ21の異なる2箇所に配置することで、小型化が可能となる。
【0158】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、ポンプ装置2は、振動伝達対策として、モータ21とモータ21に固定される部材である制御部23とに、複数の弾性体を介在させる構成としてもよい。
【0159】
また、上述した例では、筐体51の第1ケース61を、電波を通す樹脂材料で形成する構成としたがこれに限定されない。例えば、第1ケース61を金属材料とし、第1ケース61又は第2ケース62の一部に、通信部97で送受信する無線の電波の1/4波長(1/4λ)を直径とする円形状以上の範囲に設けられる通信用窓を設ける構成としてもよい。この通信用窓は、使用する無線電波の波長が通過可能な径以上の形状とすればよい。通信用窓は、電波を通す樹脂材料で形成されるか、又は、開口とすればよい。また、通信用窓の形状は、円形状、又は、1/4波長を直径とする円形が配置できる形状(範囲)であり、1/4波長を直径とする円形が配置できる形状としては、矩形、多角形、異形等、種々の形状を適用できる。
【0160】
また、上述した例では、第1構成部品54を筐体51に、第2構成部品55を、モータ21の実装空間38に配置する構成を説明したがこれに限定されない。例えば、第2構成部品55は、筐体51とは別に、モータ21の外周面の一部に筐体51と同様の筐体に設ける構成としてもよい。この場合、モータ21は、モータケーシング32の周方向の異なる2箇所に、取付面32bを有する構成としてもよい。また、ポンプ装置2は、第1構成部品54及び第2構成部品55に加え、第3構成部品を有し、第2構成部品55を実装空間38に設け、そして第3構成部品を、モータ21の筐体51とは別に、モータ21の外周面の一部に筐体51と同様の筐体に設ける構成としてもよい。
【0161】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0162】
1…給水装置、2…ポンプ装置(回転機械装置)、3…回転電機装置、4…統括制御部、5…圧力センサ、6…流量センサ、21…モータ、21a…電力線、22…ポンプ、22a…ポンプケーシング、22b…インペラ、22c…軸封部材、23…制御部、23a…配線、23b…電源ケーブル、31…モータ軸、32…モータケーシング、32A…第1フレーム、32B…第2フレーム、32a…モータ放熱フィン、32b…取付面、32b1…雌ねじ部、32c…第1開口、32d…第1挿通孔部、32d1…突起部、32d2…孔、32e…第1配線用開口、32f…シール溝、32g…第1固定部、32h…第2固定部、32h1…突起部、32h2…雌ねじ部、32i…第2開口、32j…第2挿通孔部、32j1…突起部、32j2…孔、32k…パッキン、33…固定子、34…回転子、35…外扇ファン、36…ファンカバー、36a…天板、36b…スカート部、36c…第3固定部、36c1…座面、36c2…孔部、37…軸受部材、38…実装空間、51…筐体、52…電装品、53…部品カバー、53a…第3開口、53b…水切り鍔、53c…第4固定部、53c1…突起部、53c2…孔部、53d…雌ねじ部、53e…第2配線用開口、53f…雌ねじ部、54…第1構成部品、55…第2構成部品、61…第1ケース、62…第2ケース、71…第1胴部、71a…曲面部、71a1…孔部、71a2…開口、71b…凹部、71b1…コネクタ用開口、71c…電源ケーブル用開口部、71d…シール溝、71e…パッキン、71f…防水用コードコネクタ、72…第1フランジ、72a…シール溝、72b…孔部、72c…パッキン、81…第2胴部、81a…放熱フィン、81b…当接部、81b1…ねじ孔、81c…固定部、81c1…突起、81c2…雌ねじ部、82…第2フランジ、82a…孔部、90…インバータユニット、91…基板、92…パワー回路素子、93…コンデンサ基板、94…リアクトル、96…制御操作部、97…無線通信部、98…コネクタ、99…締結部材、161…通信部、162…入力部、163…インターフェース、164…表示部、165…設定部、166…メモリ、167…プロセッサ、167a…EEPROM領域、167b…DRAM領域、167c…通信制御部、167d…処理部、167e…ポンプ制御部、200…通信端末、201…通信部、202…入力部、203…表示部、204…メモリ、205…プロセッサ、205a…通信制御部、205b…処理部、921…プロセッサ、921a…通信制御部、921b…周波数制御部、922…コンバータ部、923…インバータ部、931…平滑コンデンサ、932…コンデンサ実装用基板。
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