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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109313
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】フレキシブルホース用洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 9/04 20060101AFI20240806BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
B08B9/04
B08B3/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014034
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】谷田 康彦
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA12
3B116AB53
3B116BB22
3B116BB47
3B116BB52
3B201AA12
3B201AB53
3B201BB22
3B201BB47
3B201BB52
(57)【要約】      (修正有)
【課題】省スペースで、フレキシブルホースの洗浄が簡便で効率良くできるフレキシブルホース用洗浄装置を提供する。
【解決手段】上下方向に延びるフレームと、動力装置と、昇降ユニットと、洗浄液供給部と、を備え、上記昇降ユニットは、フレキシブルホースの一方の端部を上記昇降ユニットの下部に着脱可能に接続する取り付け具を備え、フレキシブルホースが上記取り付け具に接続した状態で上記動力装置により上記フレームに沿って上下方向に移動し、上記洗浄液供給部は、上下方向に延びる供給管と、上記供給管の下部に接続された洗浄ノズルとを有し、上方から平面視したときに、上記取り付け具の中空部に上記洗浄ノズルが位置しており、上記供給管の上部から洗浄液が供給され、上記昇降ユニットが上下方向に移動することにより、上記取り付け具と上記洗浄ノズルの上下方向の位置が相対的に変化する、フレキシブルホース用洗浄装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びるフレームと、動力装置と、昇降ユニットと、洗浄液供給部と、を備え、
前記昇降ユニットは、フレキシブルホースの一方の端部を前記昇降ユニットの下部に着脱可能に接続する取り付け具を備え、フレキシブルホースが前記取り付け具に接続した状態で前記動力装置により前記フレームに沿って上下方向に移動し、
前記洗浄液供給部は、上下方向に延びる供給管と、前記供給管の下部に接続された洗浄ノズルとを有し、上方から平面視したときに、前記取り付け具の中空部に前記洗浄ノズルが位置しており、
前記供給管の上部から洗浄液が供給され、
前記昇降ユニットが上下方向に移動することにより、前記取り付け具と前記洗浄ノズルの上下方向の位置が相対的に変化する、
フレキシブルホース用洗浄装置。
【請求項2】
前記洗浄ノズルから水平方向に洗浄液が噴射される、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
更に、前記フレームの下端から延びるL字形のガイドを備え、
前記ガイドは、上下方向の辺と、横方向の辺と、前記上下方向の辺と横方向の辺とを接続するコーナー部と、を有し、前記上下方向の辺が前記フレームの下端から延びており、
前記昇降ユニットが下方向に移動すると、フレキシブルホースの他方の端部が前記ガイドに沿って上下方向から横方向に移動し、
前記昇降ユニットが上方向に移動すると、フレキシブルホースの他方の端部が前記ガイドに沿って横方向から上下方向に移動する、請求項1又は2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記ガイドが、フレキシブルホースの移動方向に沿って回転する回転体を有している、請求項3に記載の洗浄装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルホース用洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工場の敷地内には、各種の固定配管が敷設されている。これらの配管は、使用を重ねるうちに、その内面にスラッジなどの付着物が堆積していき、そのうち、配管としての機能を発揮できなくなるおそれがある。このため、配管内は、定期的に洗浄する必要がある。
【0003】
人が入ることができないような小さな径の配管の内面を洗浄する方法として、例えば、洗浄ホースの先端部に取り付けた自走式噴射ノズルを配管の開口部から配管内に挿入する方法(例えば、特許文献1)、ホースの先端に取り付けた高圧水噴射ノズルに管内面付着物を剥がし取る剥がし取り手段を設け、この剥がし取り手段による管内面付着物の剥離と高圧水噴射ノズルからの噴射水の吹きつけによって管内を洗浄する方法(例えば、特許文献2)等が知られている。
【0004】
ところで、ドラム充填機の可動部分等で、固定配管ではなく取り外し可能なフレキシブルホースを用いることがある。フレキシブルホースも固定配管と同様に内部を定期的に洗浄する必要があるが、ホースを水平に置いて水蒸気を導入して洗浄すると、水蒸気が反対側の端部まで届かず、ホース内部を充分に洗浄できないという問題があった。また、取り外したフレキシブルホースを洗浄するために製造ラインとは別のスペースが必要であり、フレキシブルホースが長く数が多い場合にスペースの確保が難しいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-66163号公報
【特許文献2】特許第4303060号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するものであり、省スペースで、フレキシブルホースの洗浄が簡便で効率良くできるフレキシブルホース用洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
本発明は、上下方向に延びるフレームと、動力装置と、昇降ユニットと、洗浄液供給部と、を備え、上記昇降ユニットは、フレキシブルホースの一方の端部を上記昇降ユニットの下部に着脱可能に接続する取り付け具を備え、フレキシブルホースが上記取り付け具に接続した状態で上記動力装置により上記フレームに沿って上下方向に移動し、上記洗浄液供給部は、上下方向に延びる供給管と、上記供給管の下部に接続された洗浄ノズルとを有し、上方から平面視したときに、上記取り付け具の中空部に上記洗浄ノズルが位置しており、上記供給管の上部から洗浄液が供給され、上記昇降ユニットが上下方向に移動することにより、上記取り付け具と上記洗浄ノズルの上下方向の位置が相対的に変化する、フレキシブルホース用洗浄装置に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、省スペースで、フレキシブルホースの洗浄が簡便で効率良くできるフレキシブルホース用洗浄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明のフレキシブルホース用洗浄装置の内部構造の一例を示す模式図である。
図2図2は、図1の昇降ユニット、洗浄液供給部、フレーム及びカバーを説明するための詳細な模式図である。
図3図3は、図2におけるA-A断面図であり、昇降ユニット、洗浄液供給部、フレーム及びカバーを示す。
図4図4は、図2におけるB-B断面図であり、昇降ユニットの底板、洗浄液供給部、ソケット及び取り付け具を示す。
図5図5は、図1において、昇降ユニットが最も高い位置まで上昇したときのフレキシブルホース用洗浄装置の内部構造を示す模式図である。
図6図6は、図5におけるC-C断面図であり、ガイドの断面形状を示す。
図7図7は、本発明のフレキシブルホース用洗浄装置の使用時にフレキシブルホースに装着するスライダーを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のフレキシブルホース用洗浄装置について説明する。なお、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更されてもよい。また、以下において記載する個々の好ましい構成を複数組み合わせたものもまた本発明である。
【0011】
本発明のフレキシブルホース用洗浄装置の実施形態について、図面を参照しつつ、以下に説明する。
【0012】
図1は、本発明のフレキシブルホース用洗浄装置の内部構造の一例を示す模式図である。
また、図1は、昇降ユニットが最も低い位置のときのフレキシブルホース用洗浄装置の内部構造を示す模式図である。
図1に示すように、フレキシブルホース用洗浄装置1は、上下方向に延びるフレーム10と、動力装置20と、昇降ユニット30と、洗浄液供給部40と、を備える。以下では、「フレキシブルホース用洗浄装置」を「洗浄装置」とも記載する。
【0013】
図2は、図1の昇降ユニット、洗浄液供給部、フレーム及びカバーを説明するための詳細な模式図である。図3は、図2におけるA-A断面図であり、昇降ユニット、洗浄液供給部、フレーム及びカバーを示す。
図1図2及び図3に示すように、フレーム10は、上下方向に長い4本の部材11、部材11を横方向に接続する接続部材12、及び、接続部材12の横方向の中央に設けられた上下方向に長い補助部材13で構成されている。補助部材13は、接続部材12を上下方向に接続している。
【0014】
図3に示すように、部材11は、断面L字形のアングル部材である。部材11は断面L字形のアングル部材でなくてもよく、後述のキャスター37の車輪37aが移動可能であれば、断面が凹部を有する円柱状、角柱状等であってもよい。
4本の部材11は、洗浄装置1を平面視したときに、正方形の四隅を構成する位置と方向に配置されている。
【0015】
図1図2及び図3に示すように、接続部材12及び補助部材13は四角柱である。接続部材12及び補助部材13の形状は特に限定されない。
接続部材12は、4本の部材11のそれぞれの上端を接続し、更に部材11の上下方向の異なる位置に、等間隔で複数箇所設けられている。
補助部材13は、接続部材12が設けられている箇所では、接続部材12と交差する。接続部材12と補助部材13とが交差する箇所は、接続部材12が切り欠き部を有し、接続部材12に補助部材13が嵌め込まれた状態になっている。
【0016】
フレーム10は、4本の部材11、接続部材12及び補助部材13が互いに接合されて一体となっている。フレーム10の下端、すなわち部材11の下端は平板上の台座14に接合されている。
【0017】
本実施形態において、フレーム10はカバー15で覆われている。洗浄装置1はカバー15を有していなくてもよく、以下ではカバー15の一例として示す。カバー15は、上下方向に長い直方体であり、四角形の平板を接合して形成されている。図3に示すように、カバー15は、内部の四隅に、上下方向に延びる柱16を有していてもよく、その場合、柱16は、カバー15に接合されている。カバー15は、フレーム10と、台座14に接合されている。
部材11、接続部材12、補助部材13、台座14、カバー15及び柱16の接合方法は特に限定されず、溶接、接着、ボルト接合等のいずれの方法であってもよいが、溶接が好ましい。
【0018】
図1に示すように、フレキシブルホース100が長い場合、フレキシブルホース100の一部がカバー15の外に延びてもよいように、カバー15の下部は開口部15aを有している。カバー15は、フレキシブルホース100を後述の昇降ユニット30の取り付け具31に容易に着脱可能なように、開閉可能な扉(不図示)を備えていてもよい。
【0019】
図1に示すように、動力装置20は、洗浄装置1の上部に備えられている。本実施形態では、動力装置20は、箱状の外装と駆動部(不図示)とを有し、駆動部は外装内部に固定されている。本実施形態では、駆動部に電動ホイストが用いられている。
駆動部は、チェーン21及びフック22を有しており、チェーン21にぶら下がる態様でフック22が備えられている。チェーン21の代わりに金属製のワイヤー等を使用することもできる。
【0020】
本実施形態において、カバー15の上面に動力装置20が備えられている。カバー15の上面は、孔(不図示)が設けられており、孔を通じてチェーン21及びフック22がカバー15の内部に導入されている。
【0021】
図1図2及び図3に示すように、昇降ユニット30は、天板33と、上下方向で天板33に対向する底板34と、上下方向で天板33及び底板34を接続する側柱35と、を有している。図3に示すように、天板33及び底板34は正方形である。4本の側柱35は、天板33及び底板34の四方の隅をそれぞれ接続している。側柱35は、断面L字形のアングル部材である。
【0022】
天板33及び底板34は板状であれば形状は特に限定されず、正方形以外の四角形、円形、楕円形等であってもよい。側柱35の形状は特に限定されず、板状、四角柱、円柱等であってもよい。
【0023】
図2に示すように、昇降ユニット30は、天板33の上面中央に吊りピース32を備えている。本実施形態において、吊りピース32は中央に孔を有している。上記フック22を吊りピース32の孔に引っ掛けて、動力装置20と昇降ユニット30とを接続し、動力装置20により昇降ユニット30を上下方向に移動させる。吊りピース32の外形は、特に限定されない。
【0024】
昇降ユニット30の天板33には、後述の洗浄液供給部40が上下方向に通過可能な孔33aが設けられている。孔33aは円形であるが、形状は特に限定されない。本実施形態では、天板33の中心と天板33の端辺までの最短距離の半分の位置に、孔33aの中心が位置する。
【0025】
図2図3及び図4に示すように、昇降ユニット30の底板34にも、後述の洗浄液供給部40が上下方向に通過可能な円形の孔34aが設けられている。天板33の孔33aと、底板34の孔34aとは、平面視で中心が同じ位置になるように設けられている。
【0026】
図4は、図2におけるB-B断面図であり、昇降ユニットの底板、洗浄液供給部、ソケット及び取り付け具を示す。図2及び図4に示すように、昇降ユニット30の底板34は、下面に円環状のソケット36を有している。ソケット36は底板34の下面から直線状に延びている。ソケット36の円環の内側(孔36a)は、後述の取り付け具31を接続するためにねじ切りされている。
【0027】
昇降ユニット30は、取り付け具31を備えている。取り付け具31は、ソケット36に接続されている。取り付け具31は、中空部31aを有している。取り付け具31は、ソケット36に接続するために、上部の外側表面がねじ切りされている。取り付け具31の下部は、フレキシブルホース100の一方の端部を着脱可能に接続する篏合構造を備えている。図3に示すように、ソケット36及び取り付け具31は、平面視で、ソケット36の中心及び取り付け具31の中心が、孔34aの中心に位置するように設けられている。
【0028】
図3に示すように、昇降ユニット30は、フレーム10の内部に位置し、平面視で、フレーム10の中心と、昇降ユニット30の中心とが同じ位置にある。
【0029】
図2及び図3に示すように、昇降ユニット30は、天板33の上面側の四隅、及び、底板34の下面側の四隅から、それぞれ対向する位置にあるフレーム10の部材11に向かってキャスター37が設けられており、キャスター37の車輪37aが部材11に接している。
【0030】
本実施形態では、キャスター37は、以下のように取り付けられている。図3に示すように、底板34の下面側の四隅には、底板34の下面から垂直に延びる取り付け片34bが設けられている。キャスター37の取り付け部37bがこの取り付け片34bに接しており、ボルト留めされている。天板33の上面側の四隅にも、底板側と同様に、天板33の上面から垂直に延びる取り付け片が設けられており、キャスター37がボルト留めされている。キャスターの取り付け手段は特に限定されず、ボルト留め以外に溶接などであってもよい。
【0031】
図1図2及び図5に示すように、洗浄液供給部40は、上下方向に延びる供給管41と、供給管41の下部に接続された洗浄ノズル42とを有している。図5は、図1において、昇降ユニットが最も高い位置まで上昇したときのフレキシブルホース用洗浄装置の内部構造を示す模式図である。
本実施形態において、洗浄液供給部40の位置は固定されている。
本実施形態において、供給管41は棒状である。供給管41は、洗浄中にフレキシブルホース100の内側に接触しない構造であれば棒状に限定されず、例えばらせん状であってもよい。
【0032】
洗浄液供給部40は供給管41の一部と洗浄ノズル42が昇降ユニット30を貫通する位置に設けられているが、上述のように昇降ユニット30の各部材に供給管41と洗浄ノズル42が通過可能な孔が設けられているため、昇降ユニット30と洗浄液供給部40は接触しない。図3及び図4に示すように、取り付け具31の中空部31aに供給管41と洗浄ノズル42が位置している。
図2及び図3に示すように、洗浄液供給部40と、昇降ユニット30の吊りピース32、側柱35及びキャスター37とについても、互いに接触しない位置、形状及び大きさで設けられている。
【0033】
図1及び図5に示すように、洗浄装置1では、供給管41の上部から洗浄液が供給される。本実施形態では、洗浄液を供給管41に供給する洗浄タンクT及び洗浄ポンプPは、フレーム10の外部に備えられている。
供給管41の上部は、カバー15の上面に設けられた孔(不図示)を貫通して、カバー15の上面の上で90度曲げられて水平方向に延び、洗浄タンクTに接続された洗浄液供給管WPに連通している。供給管41の水平方向に延びている部分が、配管支持金具(不図示)によりカバー15の上面に固定されている。洗浄液供給管WPは、動力装置の外装に設けられた連通孔(不図示)を貫通して、外装の内部まで延びている。
供給管41が固定される位置は、限定されない。本実施形態では、供給管41の上部がカバー15の上面に固定されることにより洗浄液供給部40の位置が固定されているが、固定する位置は特に限定されない。
供給管41が貫通するカバー15の上面の孔は、上述したチェーン21が通る孔と同じであってもよいし、別の孔であってもよい。
供給管41の上部は、カバー15の上面を貫通せず、カバー15の上面の下で90度曲がっていてもよい。
【0034】
洗浄装置1は、洗浄ノズル42から洗浄液を噴射することにより、フレキシブルホース100の内側を洗浄する。図4に示すように、洗浄ノズル42は外形に段差がなく、直線及び滑らかな曲線で構成されている。洗浄ノズル42の形状は特に限定されないが、洗浄装置の使用時にフレキシブルホース内部に引っかかることを防ぐため、その垂直断面形状に段差がないものが好ましい。洗浄ノズル42の先端42aは、半球状である。先端42aは、洗浄装置の使用時にフレキシブルホース内部に引っかかることを防ぐため、その垂直断面形状が鋭角ではなく鈍角であることが好ましく、楕円状又は円状がより好ましい。更に、供給管41と洗浄ノズル42との接続部42bにも、段差がないことが好ましい。
【0035】
洗浄ノズル42は、市販品をそのまま用いてもよいし、市販品を加工して作製してもよい。市販品としては、例えば、スプレーイングシステムスジャパン合同会社製:Y32982-106-1/4-NPCN等が挙げられる。本実施形態の洗浄ノズル42は、市販品を加工したものである。
本実施形態の洗浄ノズル42は、水平方向に洗浄液が噴射されるタイプである。洗浄ノズル42は、水平方向に洗浄液が噴射されるタイプ以外であってもよく、前方噴射タイプ、後方噴射タイプ、前方後方噴射タイプのものを使用してもよい。
【0036】
次に、洗浄液供給部40の上下方向の位置について説明する。
本実施形態では、図1に示すように、昇降ユニット30が最も低い位置にあるとき、洗浄ノズル42は、取り付け具31より高い位置にある。この状態で、フレキシブルホース100の一方の端部を取り付け具31の下部に接続するので、洗浄ノズル42は、フレキシブルホース100の上端より高い位置にある。
図5に示すように、昇降ユニット30が最も高い位置にあるとき、フレキシブルホース100が上下方向に真っ直ぐ延びており、洗浄ノズル42は、フレキシブルホース100の下端とほぼ同じ位置にある。
洗浄液供給部40の上下方向の位置は特に限定されず、フレキシブルホース100の内側が上端から下端まで洗浄できればよい。
【0037】
図1及び図5に示すように、洗浄装置1は、更に、フレーム10の下部から延びるL字形のガイド50を備えていることが好ましい。昇降ユニット30の移動に合わせて、取り付け具31に接続されたフレキシブルホース100が移動するが、ガイド50はフレキシブルホース100が引きずられて傷むことを防止する目的で設けられている。
ガイド50は、上下方向の辺50Aと、横方向の辺50Cと、上下方向の辺50Aと横方向の辺50Cとを接続するコーナー部50Bと、を有している。ガイド50の上下方向の辺50Aが、フレーム10の下部から延びている。ガイド50をL字形にしてフレキシブルホース100を横方向に移動させることにより、洗浄装置1の全高を低くすることができる。
本実施形態において、ガイド50は、上下方向の辺50Aと、横方向の辺50Cと、コーナー部50Bとを合わせた長さが、フレキシブルホース100の全長より長く形成されている。
【0038】
図6は、図5におけるC-C断面図であり、ガイドの断面形状を示す。図6に示すように、ガイド50の断面構造は、底壁部50aと底壁部50aの両端に設けられた側壁部50bとで形成されている。底壁部50aの幅は、フレキシブルホース100がガイド50内を移動することができれば特に限定されず、フレキシブルホース100の太さの2~4倍程度が好ましい。側壁部50bの高さは、フレキシブルホース100が移動中にガイドの外に出ないように、フレキシブルホース100の太さの2~4倍程度とすることが好ましい。
【0039】
本実施形態において、ガイド50が、フレキシブルホース100の移動方向に沿って回転する回転体51を有していることが好ましい。回転体51が回転することによりフレキシブルホース100がよりスムーズに移動することが可能になる。本実施形態では、回転体51はローラーである。回転体51は、球状等であってもよい。
【0040】
ガイド50は、不図示の連結部材を介してフレーム10に固定されている。
【0041】
図7は、本発明のフレキシブルホース用洗浄装置の使用時にフレキシブルホースに装着するスライダーを示す模式図である。図1及び図5に示すように、本実施形態において、フレキシブルホース100の他方の端部にスライダー60が取り付けられていてもよい。
【0042】
図7に示すように、スライダー60は、そり部61と、フレキシブルホース100の他方の端部を固定するナット形状の固定金具62と、フレキシブルホースを支えるホース支持部63とを有する。そり部61は長方形の板状である。固定金具62及びホース支持部63は、固定金具62の中心及びホース支持部63の中心を通る中心線が、そり部61の長辺と平行になるように、そり部61の上面に一直線上に取り付けられている。そり部61は、固定金具62側の短辺に沿って端部が上方に曲がっている。また、そり部61は、両方の長辺に沿って端部がやや上方に曲がっている。
スライダー60を用いると、フレキシブルホース100の端部がガイド50の回転体51上を滑りやすくなる。また、フレキシブルホース100の端部と回転体51が接触して発生する音を抑えることができる。
【0043】
洗浄装置1のフレーム10、昇降ユニット30(車輪37aを除く)、洗浄液供給部40、ガイド50及びスライダー60の構成材料は、金属であることが好ましく、錆びにくいステンレス、アルミニウム等であることがより好ましい。
【0044】
図1及び図5に示すように、洗浄装置1は、動力装置20と洗浄ポンプPを作動させるための操作盤OBを有していてもよい。動力装置20と、洗浄ポンプPと、操作盤OBとは、電気的に接続されている。所定のプログラムにより、昇降ユニット30の上昇距離、下降距離や回数、洗浄ノズル42からの洗浄液の噴射のタイミングや時間等を設定しておき、動力装置20及び洗浄ポンプPを作動させることができる。
【0045】
洗浄装置1は、フレキシブルホース100の上端を探知する検知器、昇降ユニット30の下端を検知する検知器を備えていてもよい(不図示)。検知器を操作盤OBに電気的に接続しておき、昇降ユニット30を上昇させて昇降ユニット30の上端が検知器の高さに達したら、検知器から操作盤OBに電気信号を送って動力装置20を停止させ、次に昇降ユニット30を下降させる動作を行う電気信号を送る。昇降ユニット30を下降させて、昇降ユニット30の下端を探知したら、動力装置20を停止させ、再度昇降ユニット30を上昇させるか、又はそのまま停止させる。
【0046】
次に、本発明の洗浄装置の使用方法及び動作について、図1及び図5を用いて説明する。初期状態は図1に示す、昇降ユニット30が最も低い位置にある状態とする。
(1)まず、フレキシブルホース100の端部を、ガイド50の回転体51上に置く。フレキシブルホース100の本体部分をガイド50の回転体51上に沿って置き、もう一方の端部を停止している昇降ユニット30の取り付け具31に接続する。必要に応じて回転体51上のフレキシブルホース100の端部にスライダー60を嵌めて、そり部61の下面が回転体51に接触するように置く。
【0047】
(2)次に操作盤OBに電源を入れ、動力装置20を作動させて昇降ユニット30を上方向に移動させる。フレーム10の部材11は、昇降ユニット30のガイドレールの役割を果たし、昇降ユニット30が車輪37aを介してフレーム10の部材11に沿って上下方向に移動する。昇降ユニット30が上方向に移動すると、フレキシブルホース100の他方の端部がガイド50に沿って横方向から上下方向に移動する。
【0048】
昇降ユニット30が上方向に移動すると、取り付け具31に接続したフレキシブルホース100の端部が洗浄ノズル42の位置を通過し、洗浄ポンプPから供給された洗浄液が、洗浄ノズル42からフレキシブルホース100の内側に噴射される。洗浄液は、例えば水道水を使用することができるが、特に限定されない。洗浄液は、フレキシブルホース100の内側を下方向に流れ、フレキシブルホース100の他方の端部から排出される。
【0049】
洗浄しながらフレキシブルホース100の他方の端部がガイド50の上下方向の辺まで移動すると、フレキシブルホース100は上下にまっすぐ伸びた状態となる(図5に示す状態)。洗浄ノズル42がフレキシブルホース100の他方の端部付近に達すると、昇降ユニット30の移動方向が下方向に切り替わる。昇降ユニット30が下方向に移動すると、フレキシブルホース100の他方の端部がガイド50に沿って上下方向から横方向に移動する。
【0050】
(3)昇降ユニット30が所定回数上下方向に移動すると、洗浄開始時の位置(図1に示す状態)に戻る。昇降ユニット30の移動と洗浄液の噴射が完全に停止し、洗浄が完了したら、フレキシブルホース100を取り付け具31から外す。
【0051】
本発明の洗浄装置は、洗浄液供給部に対して昇降ユニットが上下方向に移動することにより、昇降ユニットに接続されたフレキシブルホースと洗浄ノズルの位置を相対的に変化させることができる。そしてフレキシブルホースが上下方向に移動することにより、省スペースで、フレキシブルホースの洗浄を簡便に効率良く行うことができる。本発明の洗浄装置では、フレキシブルホースを完全に上下方向にまっすぐ延びた状態にできるため、横方向のみで洗浄する場合に比べて、ホースの内側をより効果的に洗浄することができる。
【0052】
本発明の洗浄装置において、フレキシブルホースの内側が上端から下端まで洗浄できる位置に洗浄液供給部を備えることにより、フレキシブルホースの洗浄をより効果的に行うことができる。
【0053】
本発明の洗浄装置は、洗浄液供給部が昇降ユニットとフレキシブルホースを貫通する構造であるが、昇降ユニットがフレームに沿って上下方向に移動するため、昇降ユニット、洗浄液供給部及びフレキシブルホースの水平方向の位置がずれることなく、安定してフレキシブルホースの洗浄を行うことができる。
【0054】
昇降ユニットの取り付け具は、ソケットに接続することで昇降ユニットに設けられている。ソケットを介することにより、フレキシブルホースの仕様に合わせて取り付け具を交換することが容易であるため、好ましい。
【0055】
本発明の洗浄装置は、フレキシブルホースが上下方向のみではなく横方向にも移動するため、洗浄装置の高さを抑えることができる。
【0056】
本発明の洗浄装置は、動力装置が電動ホイストではなく、市販の電動リフト(例えば、椿本チエイン社製リフトマスタ、SUS corporation製昇降ユニット等)のようなフレームに備え付けのモーター等であってもよい。その場合は、動力装置は洗浄装置の上部に設置する必要はなく、フレームの下部にあってもよい。動力装置が電動リフトで、昇降機構がフレーム内部に内蔵されている場合、昇降ユニットは板状のテーブルであってもよい。このとき、フレームの位置は、他の部材と干渉しなければ、昇降ユニットの端部でもよいし、中央部であってもよい。
【0057】
なお、本明細書には以下の発明が記載されている。
〔1〕上下方向に延びるフレームと、動力装置と、昇降ユニットと、洗浄液供給部と、を備え、上記昇降ユニットは、フレキシブルホースの一方の端部を上記昇降ユニットの下部に着脱可能に接続する取り付け具を備え、フレキシブルホースが上記取り付け具に接続した状態で上記動力装置により上記フレームに沿って上下方向に移動し、上記洗浄液供給部は、上下方向に延びる供給管と、上記供給管の下部に接続された洗浄ノズルとを有し、上方から平面視したときに、上記取り付け具の中空部に上記洗浄ノズルが位置しており、上記供給管の上部から洗浄液が供給され、上記昇降ユニットが上下方向に移動することにより、上記取り付け具と上記洗浄ノズルの上下方向の位置が相対的に変化する、フレキシブルホース用洗浄装置。
〔2〕上記洗浄ノズルから水平方向に洗浄液が噴射される、上記〔1〕に記載の洗浄装置。
〔3〕更に、上記フレームの下端から延びるL字形のガイドを備え、上記ガイドは、上下方向の辺と、横方向の辺と、上記上下方向の辺と横方向の辺とを接続するコーナー部と、を有し、上記上下方向の辺が上記フレームの下端から延びており、上記昇降ユニットが下方向に移動すると、フレキシブルホースの他方の端部が上記ガイドに沿って上下方向から横方向に移動し、上記昇降ユニットが上方向に移動すると、フレキシブルホースの他方の端部が上記ガイドに沿って横方向から上下方向に移動する、上記〔1〕又は〔2〕に記載の洗浄装置。
〔4〕上記ガイドが、フレキシブルホースの移動方向に沿って回転する回転体を有している、上記〔3〕に記載の洗浄装置。
【符号の説明】
【0058】
1 フレキシブルホース用洗浄装置(洗浄装置)
10 フレーム
11 部材
12 接続部材
13 補助部材
14 台座
15 カバー
15a 開口部
16 柱
20 動力装置
21 チェーン
22 フック
30 昇降ユニット
31 取り付け具
31a 中空部
32 吊りピース
33 天板
33a 孔
34 底板
34a 孔
34b 取り付け片
35 側柱
36 ソケット
36a 孔
37 キャスター
37a 車輪
37b 取り付け部
40 洗浄液供給部
41 供給管
42 洗浄ノズル
42a 先端
42b 接続部
50 ガイド
50A 上下方向の辺
50B コーナー部
50C 横方向の辺
50a 底壁部
50b 側壁部
51 回転体
60 スライダー
61 そり部
62 固定金具
63 ホース支持部
100 フレキシブルホース
OB 操作盤
P 洗浄ポンプ
T 洗浄タンク
WP 洗浄液供給管

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7