(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109327
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】芳香剤ボトル
(51)【国際特許分類】
B65D 85/00 20060101AFI20240806BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
B65D85/00 A
B65D83/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014062
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】500367067
【氏名又は名称】株式会社カインズ
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】中村 敦
(72)【発明者】
【氏名】張 箴
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 慶
(72)【発明者】
【氏名】磯部 宥子
【テーマコード(参考)】
3E068
【Fターム(参考)】
3E068AA40
3E068CC03
3E068DD08
3E068DD40
3E068DE03
3E068DE11
3E068DE15
3E068EE25
(57)【要約】
【課題】香りの放散性を好適に確保でき、かつ、ねじ部を隠すことにより見栄えを良くすることができる芳香剤ボトルを提供する。
【解決手段】芳香剤ボトル10は、ボトル本体12と、外蓋15と、ろ紙台16と、を備える。ボトル本体は、内部に芳香剤液が蓄えられ、使用時に取り外される内キャップが着脱可能なねじ部24aを有する。外蓋は、ねじ部を覆うようにボトル本体に着脱自在で、かつ、周壁31に形成された第1通気穴37を有する。ろ紙台は、外蓋の内部に配置され、吸水棒13に接触する位置にろ紙17を保持し、かつねじ部を覆うとともに第1通気穴37に対向する位置を避けて形成された通気口47を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に芳香剤液が蓄えられ、使用時に取り外される内キャップが着脱可能なねじ部を有するボトル本体と、
前記ねじ部を覆うように前記ボトル本体に着脱自在で、かつ、周壁に形成された通気用の第1開口部を有する外蓋と、
前記外蓋の内部に配置され、前記ボトル本体から突出した吸水棒に接触する位置にろ紙を保持し、かつ前記ねじ部を覆うとともに第1開口部に対向する位置を避けて形成された通気用の第2開口部を有するろ紙台と、を備えた、
ことを特徴とする芳香剤ボトル。
【請求項2】
前記ろ紙台は、
前記ろ紙を載せる台部と、
前記台部に載せられたろ紙を保持するために前記台部の周縁に設けられた突起部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の芳香剤ボトル。
【請求項3】
前記外蓋は、上面視において長円に形成され、頂部に形成された通気用の他の開口部を有し、
前記台部は、前記外蓋に沿って形成され、前記外蓋の長円の向きに合わせて前記外蓋の内部に配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の芳香剤ボトル。
【請求項4】
前記外蓋は、
前記周壁の内周面から内部に向けて突出する第1リブと、
頂部の内面から内部に向けて突出する第2リブと、を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の芳香剤ボトル。
【請求項5】
前記ろ紙台は、
前記ろ紙を載せる台部に形成されたもう一つの他の開口部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の芳香剤ボトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香剤ボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
芳香剤ボトルとして、例えばボトル本体の内部に芳香剤液が蓄えられ、芳香剤液に浸漬された吸水棒の上端にろ紙が接触され、ろ紙が外蓋で覆われ、外蓋に通気用の開口部が形成されたものが知られている。吸水棒は、ボトル本体の首部からボトル本体の内部に差し込まれることにより芳香剤液に浸漬されている。また、ろ紙は、ろ紙台により保持される。
この芳香剤ボトルによれば、ボトル本体に蓄えた芳香剤液を吸水棒で吸い上げ、吸い上げた芳香剤液でろ紙を湿らせ、ろ紙に湿らせた芳香剤液から揮発した香りを外蓋の開口部から外部に放散させる。
ここで、芳香剤ボトルのなかには、外蓋の開口部が頂部に形成され、ろ紙に湿らせた芳香剤液の香りを頂部の開口部から外部に放散させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の芳香剤ボトルは外蓋の開口部が頂部にのみ形成されている。このため、ろ紙に湿らせた芳香剤液の香りを開口部から外部に好適に放散させることが難しい。この対策として、例えば外蓋の頂部の開口部に加えて、外蓋の周壁とろ紙台の周壁とにそれぞれ開口部を形成し、それぞれの開口部を連通させることが考えられる。これにより、外蓋の頂部の開口部から芳香剤液の香りを外部に放散させるとともに、外蓋の周壁の開口部からも芳香剤液の香りを外部に放散させることが可能になる。
【0005】
しかし、芳香剤ボトルは、使用前の状態において、首部のねじ部(ねじ山)に内キャップがねじ結合されることにより、首部の開口が内キャップにより塞がれている。このため、芳香剤ボトルを使用開始する際には、内キャップを首部から取り外す必要がある。このため、例えば外蓋の周壁や、ろ紙台の周壁に開口部を形成した場合、それぞれの周壁の開口部を通して首部に形成したねじ部が見えてしまい、芳香剤ボトルの見栄えを良好に保つことが難しい。
【0006】
本発明は、香りの放散性を好適に確保でき、かつ、ねじ部を隠すことにより見栄えを良くすることができる芳香剤ボトルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明に係る芳香剤ボトルは、内部に芳香剤液が蓄えられ、使用時に取り外される内キャップが着脱可能なねじ部を有するボトル本体と、前記ねじ部を覆うように前記ボトル本体に着脱自在で、かつ、周壁に形成された通気用の第1開口部を有する外蓋と、前記外蓋の内部に配置され、前記ボトル本体から突出した吸水棒に接触する位置にろ紙を保持し、かつ前記ねじ部を覆うとともに第1開口部に対向する位置を避けて形成された通気用の第2開口部を有するろ紙台と、を備える。
【0008】
上記構成によれば、外蓋の周壁に第1開口部を形成し、第1開口部により外蓋の外部と内部とを連通させた。また、ろ紙台に第2開口部を形成した。よって、外蓋の内部において、ろ紙に湿らせた芳香剤液から外蓋の内部に揮発させた香りを第1開口部から外部に放散できる。また、ろ紙に湿らせた芳香剤液からろ紙台の内部に揮発させた香りを、第2開口部を経て第1開口部から外部に放散できる。よって、ろ紙に湿らせた芳香剤液から揮発させた香りを外部に良好に放散できる。これにより、芳香剤液による香りの放散性を好適に確保できる。
【0009】
さらに、ろ紙台の第2開口部を第1開口部に対向する位置から避けて形成した。よって、ろ紙台の周壁を第1開口部に対向させて配置できる。よって、ろ紙台の周壁によりボトル本体のねじ部を覆うことができる。これにより、ボトル本体に形成されたねじ部を第1開口部から見えないように隠すことにより芳香剤ボトルの見栄えを良くすることができる。
【0010】
(2)上記態様において、前記ろ紙台は、前記ろ紙を載せる台部と、前記台部に載せられたろ紙を保持するために前記台部の周縁に設けられた突起部と、を有してもよい。
【0011】
この構成によれば、台部の周縁に突起部を設けることにより、台部に載せられたろ紙を突起部で保持できる。よって、ろ紙が台部に載せられた位置から前後左右方向にズレたり、上下方向に傾いたりすることを防止できる。これにより、ろ紙を台部に載せた位置に確実に保持できる。
【0012】
(3)上記態様において、前記外蓋は、上面視において長円に形成され、頂部に形成された通気用の他の開口部を有し、前記台部は、前記外蓋に沿って形成され、前記外蓋の長円の向きに合わせて前記外蓋の内部に配置されていてもよい。
【0013】
この構成によれば、外蓋を長円に形成し、台部を外蓋に沿って形成した。また、台部を外蓋の向きに合わせて外蓋の内部に配置した。よって、台部(すなわち、ろ紙台)が外蓋に対して周方向に回転することを外蓋で防止できる。これにより、ろ紙台の第2開口部が外蓋の第1開口部に重ね合わされることを防止できる。したがって、ボトル本体に形成されたねじ部を、第2開口部を経て第1開口部から見えないように一層確実に隠すことができる。
【0014】
さらに、外蓋の頂部に通気用の他の開口部を形成した。よって、外蓋の内部において、ろ紙に湿らせた芳香剤液から外蓋の内部に揮発させた香りを他の開口部から外部に放散できる。これにより、ろ紙に湿らせた芳香剤液から揮発させた香りを外部に良好に放散できる。
【0015】
(4)上記態様において、前記外蓋は、前記周壁の内周面から内部に向けて突出する第1リブと、頂部の内面から内部に向けて突出する第2リブと、を有してもよい。
【0016】
この構成によれば、周壁の内周面から第1リブを突出させることにより、第1リブにろ紙台を係止させることができる。よって、ろ紙台を第1リブにより外蓋の内部に保持できる。これにより、ろ紙台とともに紙台に載せたろ紙を外蓋の内部に一体に保持できる。
ここで、芳香剤ボトルの使用を開始する際には、外蓋、ろ紙台およびろ紙をボトル本体から外した後、ボトル本体から内キャップを除去する必要がある。よって、ろ紙台およびろ紙を外蓋の内部に一体に保持することにより、芳香剤ボトルの使用を開始する際に、外蓋をボトル本体から外すことにより、外蓋とともにろ紙台およびろ紙をボトル本体から外すことができる。これにより、外蓋、ろ紙台およびろ紙をボトル本体に容易に着脱できる。
【0017】
また、頂部の内面から第2リブを突出させることにより、ろ紙の上面全体が頂部の内面に押し付けられることを第2リブで防ぐことができる。よって、ろ紙の上面全体が頂部の内面に押し付けられて張り付くことを防止できる。これにより、例えばろ紙に湿らせた芳香剤液の香りをろ紙の表面全域から好適に揮発させることができ、香りを良好に放散できる。
【0018】
(5)上記態様において、前記ろ紙台は、前記ろ紙を載せる台部に形成されたもう一つの他の開口部を有してもよい。
【0019】
この構成によれば、台部にもう一つの他の開口部を形成することにより、もう一つ他の開口部を外蓋の第1開口部を経て外蓋の外部に連通させることができる。これにより、ろ紙に湿らせた芳香剤液から揮発した香りを、もう一つの他の開口部および第1開口部を経て外蓋の外部に放散できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、香りの放散性を好適に確保でき、かつ、ねじ部を隠すことにより見栄えを良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る実施形態の芳香剤ボトルを示す斜視図である。
【
図2】実施形態の芳香剤ボトルを示す左側面図である。
【
図3】実施形態の芳香剤ボトルを示す上面図である。
【
図4】実施形態の芳香剤ボトルを分解した状態を正面左寄りからみた側面図である。
【
図5】実施形態の芳香剤ボトルに備えた外蓋を想像線で示す正面図である。
【
図6】実施形態の外蓋を下方からみた斜視図である。
【
図7】実施形態のろ紙台にろ紙を載せた状態を正面左寄り上方からみた斜視図である。
【
図8】実施形態のろ紙台を正面左寄り上方からみた斜視図である。
【
図9】実施形態のろ紙台を正面左寄り下方からみた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る芳香剤ボトルを説明する。
なお、以下の説明において、芳香剤ボトルの前方を図面の矢印FRで示し、前後や上下、左右については、特別に断らない限り、芳香剤ボトルを前方の正面からみて前後や上下、左右を意味するものとする。また、図面には、芳香剤ボトルの前方を指す矢印FRに加えて、芳香剤ボトルの上方を指す矢印UP、芳香剤ボトルの左側方を指す矢印LHが記されている。
【0023】
<芳香剤ボトル>
図1は、実施形態の芳香剤ボトルを示す斜視図である。
図2は、実施形態の芳香剤ボトルを示す左側面図である。
図3は、実施形態の芳香剤ボトルを示す上面図である。
図4は、実施形態の芳香剤ボトルを分解した状態を正面左寄りからみた側面図である。
図5は、実施形態の芳香剤ボトルに備えた外蓋を想像線で示す正面図である。
図1から
図5に示すように、芳香剤ボトル10は、例えば、ボトル本体12に蓄えられた芳香剤液(図示せず)を吸水棒13で吸い上げ、吸い上げた芳香剤液でろ紙17を湿らせ、ろ紙17に湿らせた芳香剤液から香りを放散させる。芳香剤ボトル10は、例えば、ボトル本体12と、吸水棒13と、内キャップ14と、外蓋(上蓋)15と、ろ紙台16と、ろ紙17と、を備えている。
【0024】
<ボトル本体>
ボトル本体12は、上面視において周壁21が長円に形成され、周壁21の下端が底部22で塞がれている。また、ボトル本体12は、周壁21の上端が頂部23で塞がれ、頂部23の中央から上方に向けて首部24が筒状に突出されている。首部24は、円筒状に形成され、開口がボトル本体12の内部に連通されている。首部24は、外周に形成されたねじ部(ねじ山)24aを有する。また、ボトル本体12は、周壁21の上端に周方向に沿って凹部25が形成されている。
【0025】
<吸水棒>
ボトル本体12には首部24の開口から充填された芳香剤液が内部に蓄えられている。首部24の開口からボトル本体12の内部に吸水棒13が差し込まれている。吸水棒13は、ボトル本体12の内部に差し込まれることにより芳香剤液に浸漬され、首部24から上部 が突出されている。吸水棒13は、ボトル本体12に蓄えられた芳香剤液を吸い上げ、吸い上げた芳香剤液を上端からろ紙17(後述する)に給水してろ紙17を芳香剤液で湿らせる。
【0026】
<内キャップ>
芳香剤ボトル10の使用開始前の状態においてボトル本体12の首部24には内キャップ14が取り付けられる。具体的には、内キャップ14は、首部24のねじ部24aにねじ結合により着脱可能に取り付けられる。内キャップ14が首部24に取り付けられることにより、首部24から突出された吸水棒13の上部13aが内キャップ14で覆われ、かつ首部24の開口が内キャップ14で塞がれる。内キャップ14は、芳香剤ボトル10を使用開始する際(すなわち、芳香剤ボトル10の使用時)にねじ部24aに対するねじ結合が解除され、首部24から取り外される。
【0027】
<外蓋>
ボトル本体12に外蓋15が着脱自在に取り付けられている。外蓋15は、上面視において長円に形成されている。外蓋15は、周壁31と、頂部32と、第1リブ33と、第2リブ34と、を有する。
周壁31は、上面視において、ボトル本体12の周壁21と同じ長円に形成されている。周壁31は、例えば、下端の内面から内側に向けて複数の突起36が周方向に間隔をあけて突出されている。複数の突起36がボトル本体12の凹部25に係止されることにより、外蓋15がボトル本体12に着脱自在に取り付けられる。周壁31は、一対の第1通気穴(第1開口部)37を有する。
【0028】
一対の第1通気穴37は、一方の第1通気穴37が周壁31の左側部に開口され、他方の第1通気穴37が周壁31の右側部に開口されている。一対の第1通気穴37は、左右対称に形成されている。以下、一方の第1通気穴37を「第1通気穴37」と略記して説明し、他方の第1通気穴37の説明を省略する。第1通気穴37は、外蓋15の外部と内部とを連通するために周壁31に形成された通気用の開口である。第1通気穴37は、例えば円形に形成されているが、形状を任意に選択可能である。
【0029】
周壁31は、上端が頂部32で塞がれている。頂部32は、第2通気穴(他の開口部)38を有する。第2通気穴38は、外蓋15の外部と内部とを連通するために頂部32に形成された通気用の開口である。第2通気穴38は、例えば頂部32の中央において、頂部32の外周に沿って長円に形成されているが、形状を任意に選択可能である。
【0030】
図6は、実施形態の外蓋を下方からみた斜視図である。
図5、
図6に示すように、周壁31は、内周面に第1リブ33を有する。第1リブ33は、周壁31の内周面において頂部32に対して下方に間隔をあけて配置されている。第1リブ33は、内周面から外蓋15の内部に向けて突出され、周方向に間隔をあけて複数設けられている。実施形態では、複数の第1リブ33として4つの第1リブ33を例に説明するが、第1リブ33の個数は任意に選択可能である。
第1リブ33は、一対の第1通気穴37より上方に配置されている。第1リブ33と頂部32との間の間隔は、上下方向において、後述するろ紙台16の台部41およびろ紙17が嵌め込まれるように設定されている。
【0031】
また、頂部32は、内面に第2リブ34を有する。第2リブ34は、第2通気穴38の周縁に沿って配置されている。具体的には、第2リブ34は、頂部32の内面において第2通気穴38の周縁に沿って連続して長円に形成され、頂部32の内面から外蓋15の内部に向けて突出されている。実施形態では、第2リブ34として第2通気穴38の周縁に沿って連続する例に説明するが、第2リブ34を第2通気穴38の周縁に沿って周方向に間隔をあけて複数個を設けることも可能である。
このように形成された外蓋15の内部にはろ紙台16およびろ紙17が配置されている。
【0032】
<ろ紙台>
図7は、実施形態のろ紙台にろ紙を載せた状態を正面左寄り上方からみた斜視図である。
図8は、実施形態のろ紙台を正面左寄り上方からみた斜視図である。
図5、
図7、
図8に示すように、ろ紙台16は、台部41と、一対の第1突起部(突起部)42と、一対の第2突起部(突起部)43と、口部(ろ紙台16の周壁)44と、を有する。
【0033】
台部41は、外蓋15の内部に配置された状態において外蓋15の周壁31に沿って形成されている。例えば、台部41は、周縁41aのうち、左縁端部41bが周壁31の左端部に沿って湾曲に形成され、右縁端部41cが周壁31の右端部に沿って湾曲に形成されている。さらに、周縁41aは、左縁端部41bおよび右縁端部41cを連結する一対の中央縁部41dが直線に形成されている。台部41(すなわち、ろ紙台16)は、外蓋15の周壁31に沿って形成され、外蓋15の向きに合わせて外蓋15の内部に配置される。
この状態において、ろ紙台16は、外蓋15に対して周方向にズレることを阻止できる。すなわち、ろ紙台16は、外蓋15の向きに合わせて外蓋15の内部に配置された状態に外蓋15の周壁31により保持される。台部41にはろ紙17の全体が載せられる。
【0034】
左縁端部41bおよび左縁端部41bには上方に向けて突出する一対の第1突起部42がそれぞれ設けられている。左縁端部41bの第1突起部42と右縁端部41cの第1突起部42とは、左右対称の部材である。よって、左縁端部41bの第1突起部42と右縁端部41cの第1突起部42とに同じ符号を付し、左縁端部41bの第1突起部42について説明して右縁端部41cの第1突起部42についての説明を省略する。
【0035】
第1突起部42は、突起本体42aと、爪部42bと、を有する。突起本体42aは、左縁端部41bのうち前後方向の中央から上方に向けて突出されている。よって、一対の突起本体42aは、台部41に載せられたろ紙17の周縁17aのうち左右側に沿って位置し、ろ紙17が左右方向にズレる(移動する)ことを阻止する。
爪部42bは、突起本体42aの上端から台部41に沿って内側に向けて突出されている。一対の爪部42bは、台部41に載せられたろ紙17の上方に位置し、ろ紙17が上下方向に傾く(移動する)ことを阻止する。
【0036】
さらに、一対の中央縁部41dには上方に向けて突出する一対の第2突起部43がそれぞれ設けられている。一対の第2突起部43は同様に形成されている。よって、一対の第2突起部43に同じ符号を付して説明する。一対の第2突起部43は、台部41に載せられたろ紙17の周縁17aのうち前後側に沿って位置し、ろ紙17が前後方向にズレる(移動する)ことを阻止する。
【0037】
これにより、一対の第1突起部42および一対の第2突起部43は、台部41に載せられたろ紙17が前後左右方向へのズレを阻止するとともに上下方向への傾きを阻止することにより、ろ紙17を所定位置に保持する。台部41は、ろ紙17を所定位置に保持した状態において、弾性変形することにより外蓋15に形成された4つの第1リブ33(
図6も参照)を下方から上方に向けて乗り越える。よって、台部41は、4つの第1リブ33の上方に配置された状態に保持される。
台部41の中央には、後述する口部44が設けられている。台部41は、口部44の周囲に形成された複数の第3通気穴(もう一つの他の開口部)46を有する。実施形態においては、複数の第3通気穴46として6つの第3通気穴46を例に説明するが、第3通気穴46の個数は任意に選択可能である。
【0038】
図9は、実施形態のろ紙台を正面左寄り下方からみた斜視図である。
図5、
図8、
図9に示すように、口部44は、台部41の中央から下方に向けて突出されている。すなわち、口部44は、台部41の中央に一体に連結されている。口部44は、円筒状に形成され上端部が台部41の中央において開口されている。また、口部44は、下端部44aから首部24に嵌込可能に開口されている。口部44が首部24に嵌め込まれた状態において、内キャップ14(
図4参照)や首部24のねじ部24aが口部44により覆われる。具体的には、芳香剤ボトル10の使用開始前の状態において、口部44が内キャップ14を覆う。また、芳香剤ボトル10の使用開始後の状態において、口部44が首部24のねじ部24aを覆う。
【0039】
さらに、口部44は、一対の通気口(第2開口部)47を有する。一対の通気口47は、口部44に形成されることにより口部44の内部と外部とを連通する通気用の開口である。一対の通気口47は、口部44の下端部44aに開口されている。なお一対の通気口47の形状は任意に選択可能である。
一対の通気口47は、一方の通気口47が口部44の正面部に開口され、他方の通気口47が口部44の背面部に開口されている。ここで、一対の第1通気穴37は、一方の第1通気穴37が周壁31の左側部に開口され、他方の第1通気穴37が周壁31の右側部に開口されている。よって、一対の通気口47は、一対の第1通気穴37に対向する位置を避けて配置される。これにより、一対の通気口47から口部44の外側に露出するねじ部24aおよび吸水棒13の上部13aを外蓋15の周壁31で覆うことができる(
図2参照)。
【0040】
<ろ紙>
図5、
図7に示すように、ろ紙台16の台部41にはろ紙17が載せられる。ろ紙17は、台部41の左縁端部41b、右縁端部41c、および一対の中央縁部41d(
図7には正面側の中央縁部41dを図示する)に沿って周縁17aが形成されている。ろ紙17は、台部41に全体が載せられる。この状態において、ろ紙17は、一対の突起本体42aおよび一対の第2突起部43の内側に配置され、一対の爪部42bの下方に位置する。一対の突起本体42aおよび一対の爪部42bは、一対の第1突起部42を構成する。よって、ろ紙17は、台部41に載せた状態からズレない(移動しない)ように一対の第1突起部42、および一対の第2突起部43により所定位置に保持される。
【0041】
ろ紙17は、台部41の所定位置に保持された状態において、台部41が4つの第1リブ33(
図6も参照)の上方に保持されることにより、台部41と外蓋15の頂部32との間に保持される。よって、ろ紙17は、台部(すなわち、ろ紙台16)とともに外蓋15の内部に配置された状態に保持される。ろ紙17は、上面17bが第2通気穴38から外蓋15の外部に露出される。また、ろ紙17は、下面17cが複数の第3通気穴46(
図8参照)から台部41の下方に露出される。
この状態において、外蓋15がボトル本体12に取り付けることにより、ろ紙17が台部41により吸水棒13の上部に接触する位置に保持される。ろ紙17は、吸水棒13で吸い上げられた芳香剤液を湿らせ、芳香剤液から揮発した香りを放散させる。
【0042】
図4、
図5に示すように、芳香剤ボトル10は、使用開始前の状態において、ボトル本体12の首部24(具体的には、ねじ部24a)に内キャップ14がねじ結合により取り付けられている。よって、芳香剤ボトル10は、使用開始前の状態において、外蓋15がボトル本体12に取り付けられることにより、一対の通気口47から口部44の外側に露出する内キャップ14を外蓋15の周壁31で覆うことができる。
【0043】
一方、芳香剤ボトル10は、使用開始の際に、首部24のねじ部24aから内キャップ14が取り外される。よって、芳香剤ボトル10は、使用開始の際に、外蓋15がボトル本体12に取り付けられることにより、一対の通気口47から口部44の外側に露出するねじ部24aを外蓋15の周壁31で覆うことができる。
覆うことができる。
ここで、外蓋15がボトル本体12に取り付けられることにより、外蓋15の内部において、外蓋15の周壁31と口部44との間に連通空間52が形成される。
【0044】
以上説明したように、実施形態の芳香剤ボトル10によれば、
図5、
図8、
図9に示すように、外蓋15の周壁31に一対の第1通気穴37を形成した。よって、第1通気穴37により外蓋15の内部の連通空間52が外蓋15の外部に連通されている。また、台部41において口部44の周囲を6つの第3通気穴46により開口した。6つの第3通気穴46は、連通空間52および一対の第1通気穴37を経て外蓋15の外部に連通されている。これにより、ろ紙17に湿らせた芳香剤液から揮発した香りを、6つの第3通気穴46、連通空間52、および一対の第1通気穴37を経て外蓋15の外部に矢印Aの如く放散できる。
【0045】
さらに、台部41において中央を口部44により開口し、口部44に一対の通気口47を形成した。よって、台部41における中央の開口が、口部44の内部、一対の通気口47、連通空間52、および一対の第1通気穴37を経て外蓋15の外部に連通されている。これにより、ろ紙17に湿らせた芳香剤液から揮発した香りを、台部41における中央の開口、口部44の内部、一対の通気口47、連通空間52、および一対の第1通気穴37を経て外蓋15の外部に矢印Bの如く放散できる。
【0046】
加えて、外蓋15の頂部32に第2通気穴38を形成した。第2通気穴38により外蓋15の内部のうち台部41の上方の空間が外部に連通されている。よって、ろ紙17に湿らせた芳香剤液から揮発した香りを、第2通気穴38を経て外蓋15の外部に矢印Cの如く放散できる。
【0047】
このように、ろ紙17に湿らせた芳香剤液の香りを、外蓋15に開口した一対の第1通気穴37や第2通気穴38を経て外蓋15の外部に放散することにより、外蓋15の外部に香りを良好に放散できる。これにより、芳香剤液による香りの放散性を好適に確保できる。
【0048】
ここで、外蓋15の第1通気穴37や第2通気穴38を、外蓋15の表面積(すなわち、周壁31およびや頂部32の表面積)に対して比較的小さな開口率で形成した。これにより、ろ紙17に湿らせた芳香剤液の香りを一対の第1通気穴37や第2通気穴38により外蓋15の外部にほのかに香るように放散できる。
【0049】
さらに、ろ紙台16の口部44において一対の通気口47を外蓋15の一対の第1通気穴37に対向する位置から避けて形成した。よって、ボトル本体12に形成された首部24のねじ部24aを口部44により覆うことができる。これにより、首部24のねじ部24aを第1通気穴37から見えないように口部44で隠すことにより芳香剤ボトル10の見栄えを良くすることができる。
【0050】
また、ろ紙台16の台部41において、左縁端部41bおよび右縁端部41cにそれぞれ第1突起部42を設け、一対の中央縁部41dにそれぞれ第2突起部43を設けた。一対の第1突起部42および一対の第2突起部43は、台部41に載せられたろ紙17が前後左右方向にズレたり、上下方向に傾いたりすることを防止できる。これにより、ろ紙17を台部41に載せた位置に確実に保持できる。
【0051】
さらに、外蓋15の周壁31を長円に形成し、ろ紙台16の台部41を外蓋15に沿って形成した。この台部41を外蓋15の長円の向きに合わせてろ紙台16を外蓋15の内部に配置した。よって、ろ紙台16が外蓋15に対して周方向に回転することを外蓋15の周壁31で防止できる。これにより、ろ紙台16の口部44に形成された一対の通気口47が外蓋15に形成された一対の第1通気穴37に重ね合わされることを防止できる。したがって、首部24に形成されたねじ部24aが、通気口47を経て第1通気穴37から見えないように口部44で一層確実に隠すことができる。
【0052】
加えて、外蓋15の周壁31において内周面から第1リブ33を外蓋15の内部に向けて突出させることにより、第1リブ33にろ紙台16の台部41を係止できる。よって、台部41を第1リブ33により外蓋の内部に着脱可能に保持できる。これにより、ろ紙台16および台部41に載せたろ紙17を外蓋15の内部に一体に保持できる。
ここで、芳香剤ボトル10を使用開始する際には、外蓋15、ろ紙台16およびろ紙17をボトル本体12から外した後、ボトル本体12のねじ部24aから内キャップ14を除去する必要がある。よって、ろ紙台16およびろ紙17を外蓋15の内部に一体に保持することにより、芳香剤ボトル10を使用開始する際に、外蓋15をボトル本体12から外すことにより、外蓋15とともにろ紙台16およびろ紙17をボトル本体12から外すことができる。これにより、外蓋15、ろ紙台16およびろ紙17をボトル本体12に容易に着脱できる。
【0053】
さらに、外蓋15の頂部32において内面から第2リブ34を外蓋15の内部に向けて突出させることにより、ろ紙17の上面17b全体が頂部32の内面に押し付けられることを第2リブ34で防ぐことができる。よって、ろ紙17の上面17b全体が頂部32の内面に押し付けられて張り付くことを防止できる。これにより、例えばろ紙17に湿らせた芳香剤液の香りをろ紙17の表面全域から好適に揮発させることができ、香りを良好に放散できる。
【0054】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
前記実施形態では、外蓋15の周壁31に一対の第1通気穴37を開口した例について説明したが、第1通気穴37の個数は任意に選択可能である。
また、前記実施形態では、外蓋15の頂部32に1つの第2通気穴38を開口した例について説明したが、第2通気穴38の個数は任意に選択可能である。
さらに、前記実施形態では、ろ紙台16の口部44に一対の通気口47を形成した例について説明したが、通気口47の個数は任意に選択可能である。
【0055】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0056】
10 芳香剤ボトル
12 ボトル本体
13 吸水棒
14 内キャップ
15 外蓋
16 ろ紙台
17 ろ紙
24 首部
24a ねじ部
31 周壁
32 頂部
33 第1リブ
34 第2リブ
37 第1通気穴(第1開口部)
38 第2通気穴(他の開口部)
41 台部
41a 台部の周縁
42 第1突起部(突起部)
42a 突起本体
42b 爪部
43 第2突起部(突起部)
44 口部(ろ紙台の周壁)
46 第3通気穴(もう一つの他の開口部)
47 通気口(第2開口部)