(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109342
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】非水電解液二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0525 20100101AFI20240806BHJP
H01M 10/0569 20100101ALI20240806BHJP
H01M 4/133 20100101ALI20240806BHJP
H01M 4/587 20100101ALI20240806BHJP
H01M 10/0567 20100101ALI20240806BHJP
【FI】
H01M10/0525
H01M10/0569
H01M4/133
H01M4/587
H01M10/0567
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014082
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】武下 宗平
(72)【発明者】
【氏名】進藤 洋平
(72)【発明者】
【氏名】細江 健斗
【テーマコード(参考)】
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5H029AJ02
5H029AJ04
5H029AK01
5H029AK03
5H029AK18
5H029AL07
5H029AL08
5H029AM02
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM05
5H029AM07
5H029HJ08
5H050AA02
5H050AA10
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA08
5H050CA09
5H050CA29
5H050CB08
5H050CB09
5H050HA08
(57)【要約】
【課題】入力特性と高温保存特性とに優れる非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】ここに開示される非水電解液二次電池は、正極と、負極と、非水電解液と、を備える。前記負極は、負極活物質を含有する負極活物質層を備える。前記負極活物質は、平均円形度が0.86以上の炭素材料粒子を含む。前記負極活物質層の見かけ密度が、1.30g/cm
3~1.69g/cm
3である。前記非水電解液は、非水溶媒と、電解質塩と、を含有する。前記非水溶媒は、炭素数4以下のカルボン酸エステルを1体積%~30体積%含有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極と、
負極と、
非水電解液と、
を備える非水電解液二次電池であって、
前記負極は、負極活物質を含有する負極活物質層を備え、
前記負極活物質は、平均円形度が0.86以上の炭素材料粒子を含み、
前記負極活物質層の見かけ密度が、1.30g/cm3~1.69g/cm3であり、
前記非水電解液は、非水溶媒と、電解質塩と、を含有し、
前記非水溶媒は、炭素数4以下のカルボン酸エステルを1体積%~30体積%含有する、非水電解液二次電池。
【請求項2】
前記負極活物質層の見かけ密度が、1.30g/cm3~1.50g/cm3である、請求項1に記載の非水電解液二次電池。
【請求項3】
前記非水溶媒が、前記カルボン酸エステルを6体積%~30体積%含有する、請求項1に記載の非水電解液二次電池。
【請求項4】
前記カルボン酸エステルが、酢酸メチルである、請求項1に記載の非水電解液二次電池。
【請求項5】
前記非水電解液が、被膜形成剤をさらに含有する、請求項1に記載の非水電解液二次電池。
【請求項6】
前記負極活物質層の目付量が、10mg/cm2以上である、請求項1に記載の非水電解液二次電池。
【請求項7】
ハイブリッド車の車両駆動電源用である、請求項1に記載の非水電解液二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非水電解液二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
【0003】
車両駆動用電源用途において、非水電解液二次電池は、高入力化および高容量化に対する要望が益々高くなっている。非水電解液二次電池の高容量化に関し、負極密度(すなわち、負極活物質層の見かけ密度)を高くすることで、体積あたりの電池容量が大きくなることが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、負極密度を1.3~1.7g/cm3にすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、以下の問題点を見出した。非水電解質二次電池がHEVの駆動用電源として用いられた場合、その充電の機会はHEV走行中の発電時に限られる。そのため、HEVの航続距離のさらなる延長の観点から、非水電解液二次電池の入力特性のさらなる向上が望まれている。これに対し、上記従来技術においては、非水電解液二次電池の入力特性が未だ不十分である。また、上記従来技術においては、非水電解液二次電池を高温(例えば60℃程度)下に長期置いた際の容量劣化が大きい。
【0006】
そこで本発明は、入力特性と高温保存特性とに優れる非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに開示される非水電解液二次電池は、正極と、負極と、非水電解液と、を備える。前記負極は、負極活物質を含有する負極活物質層を備える。前記負極活物質は、平均円形度が0.86以上の炭素材料粒子を含む。前記負極活物質層の見かけ密度が、1.30g/cm3~1.69g/cm3である。前記非水電解液は、非水溶媒と、電解質塩と、を含有する。前記非水溶媒は、炭素数4以下のカルボン酸エステルを1体積%~30体積%含有する。
【0008】
このような構成によれば、入力特性と高温保存特性との両方に優れる非水電解液二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式分解図である。
【
図3】炭素材料粒子の平均円形度が低い場合の例について説明するための負極の模式断面図である。
【
図4】炭素材料粒子の平均円形度が高い場合の例について説明するための負極の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。なお、本明細書において言及していない事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚み等)は実際の寸法関係を反映するものではない。なお、本明細書において「A~B」として表現される数値範囲には、AおよびBが含まれる。
【0011】
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイスを指す。また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
【0012】
以下、扁平形状の捲回電極体と扁平形状の電池ケースとを有する扁平角型のリチウムイオン二次電池を例にして、本発明について詳細に説明するが、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。
【0013】
図1に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解液80とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型電池である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36とが設けられている。また、電池ケース30には、非水電解液80を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。なお、
図1は、非水電解液80の量を正確に表すものではない。
【0014】
捲回電極体20は、
図1および
図2に示すように、正極シート50と、負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。正極シート50は、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された構成を有する。負極シート60は、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成されている構成を有する。正極活物質層非形成部分52a(すなわち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)および負極活物質層非形成部分62a(すなわち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)は、捲回電極体20の捲回軸方向(すなわち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の両端から外方にはみ出すように形成されている。正極活物質層非形成部分52aおよび負極活物質層非形成部分62aには、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
【0015】
捲回電極体20には、その厚み方向に荷重を印加してもよい。当該荷重は、好ましくは0.1kN/cm2以上であり、より好ましくは0.4kN/cm2以上である。この範囲の荷重は、特にHEVの駆動用電源用途において、有利である。当該荷重は、リチウムイオン二次電池100を組電池として構成した際の、組電池に印加される拘束荷重であり得る。
【0016】
正極シート50を構成する正極集電体52としては、リチウムイオン二次電池に用いられる公知の正極集電体を用いてよく、その例としては、導電性の良好な金属(例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)製のシートまたは箔が挙げられる。正極集電体52としては、アルミニウム箔が好ましい。
【0017】
正極集電体52の寸法は特に限定されず、電池設計に応じて適宜決定すればよい。正極集電体52としてアルミニウム箔を用いる場合には、その厚みは、特に限定されないが、例えば5μm以上35μm以下であり、好ましくは7μm以上20μm以下である。
【0018】
正極活物質層54は、正極活物質を含有する。正極活物質としては、リチウムイオン二次電池に用いられる公知の正極活物質を用いてよい。具体的に例えば、正極活物質として、リチウム複合酸化物、リチウム遷移金属リン酸化合物等を用いることができる。正極活物質の結晶構造は、特に限定されず、層状構造、スピネル構造、オリビン構造等であってよい。
【0019】
リチウム複合酸化物としては、遷移金属元素として、Ni、Co、Mnのうちの少なくとも1種を含むリチウム遷移金属複合酸化物が好ましく、その具体例としては、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系複合酸化物、リチウム鉄ニッケルマンガン系複合酸化物等が挙げられる。これらの正極活物質は、1種単独で用いてよく、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
なお、本明細書において「リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物」とは、Li、Ni、Co、Mn、Oを構成元素とする酸化物の他に、それら以外の1種または2種以上の添加的な元素を含んだ酸化物をも包含する用語である。かかる添加的な元素の例としては、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Na、Fe、Zn、Sn等の遷移金属元素や典型金属元素等が挙げられる。また、添加的な元素は、B、C、Si、P等の半金属元素や、S、F、Cl、Br、I等の非金属元素であってもよい。このことは、上記したリチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系複合酸化物、リチウム鉄ニッケルマンガン系複合酸化物等についても同様である。
【0021】
リチウム遷移金属リン酸化合物としては、例えば、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO4)、リン酸マンガン鉄リチウム等が挙げられる。
【0022】
正極活物質としては、リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物が特に好ましい。
【0023】
正極活物質の平均粒子径(メジアン径:D50)は、特に限定されないが、例えば、0.05μm以上25μm以下であり、好ましくは1μm以上20μm以下であり、より好ましくは3μm以上15μm以下である。なお、正極活物質の平均粒子径(D50)は、例えば、レーザ回折散乱法により求めることができる。
【0024】
正極活物質層54は、正極活物質以外の成分、例えば、リン酸三リチウム、導電材、バインダ等を含んでいてもよい。導電材としては、例えばカーボンブラック(例、アセチレンブラック(AB))、カーボンナノチューブ、グラファイトなどの炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等を使用し得る。
【0025】
正極活物質層54中の正極活物質の含有量(すなわち、正極活物質層54の全質量に対する正極活物質の含有量)は、特に限定されないが、70質量%以上が好ましく、より好ましくは80質量%以上97質量%以下であり、さらに好ましくは85質量%以上96質量%以下である。正極活物質層54中のリン酸三リチウムの含有量は、特に制限はないが、1質量%以上15質量%以下が好ましく、2質量%以上12質量%以下がより好ましい。正極活物質層54中の導電材の含有量は、特に制限はないが、1質量%以上15質量%以下が好ましく、3質量%以上13質量%以下がより好ましい。正極活物質層54中のバインダの含有量は、特に制限はないが、1質量%以上15質量%以下が好ましく、1.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。
【0026】
正極活物質層54の厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm以上400μm以下であり、好ましくは20μm以上300μm以下である。
【0027】
正極シート50は、正極活物質層非形成部分52aと正極活物質層54との境界部に絶縁層(図示せず)を有していてもよい。当該絶縁層は、例えば、セラミック粒子等を含有する。
【0028】
負極シート60を構成する負極集電体62としては、リチウムイオン二次電池に用いられる公知の負極集電体を用いてよく、その例としては、導電性の良好な金属(例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)製のシートまたは箔が挙げられる。負極集電体62としては、銅箔が好ましい。
【0029】
負極集電体62の寸法は特に限定されず、電池設計に応じて適宜決定すればよい。負極集電体62として銅箔を用いる場合には、その厚みは、特に限定されないが、例えば5μm以上35μm以下であり、好ましくは6μm以上20μm以下である。
【0030】
負極活物質層64は負極活物質を含有する。本実施形態においては、当該負極活物質として、平均円形度が0.86以上の炭素材料粒子が少なくとも用いられる。当該粒子を構成する炭素材料の例としては、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボンなどが挙げられ、なかでも黒鉛が好ましい。黒鉛は、天然黒鉛であっても人造黒鉛であってもよく、黒鉛が非晶質な炭素材料で被覆された形態の非晶質炭素被覆黒鉛であってもよい。黒鉛としては、天然黒鉛が非晶質な炭素材料で被覆された形態の非晶質炭素被覆黒鉛が特に好ましい。
【0031】
負極活物質の、好ましくは75質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは100質量%が、平均円形度が0.86以上の炭素材料粒子である。
【0032】
本明細書において、円形度とは、粒子投影像の周長に対する、粒子の投影面積と同じ面積を有する真円の周長の比を指す(すなわち、円形度=粒子の投影面積と同じ面積を有する真円の周長/粒子投影像の周長)。よって、円形度が1に近いほど、粒子投影像が真円に近いことを意味し、粒子は真球に近くなる。平均円形度は、例えば、市販の静的自動画像分析装置(例、Malvern Panalytical社製のMorphologiシリーズ)を用いて、1000個以上の炭素材料粒子に対して円形度を求め、その平均値を算出することにより、求めることができる。
【0033】
炭素材料粒子の平均円形度は、好ましくは0.87以上であり、より好ましくは0.88以上であり、さらに好ましくは0.89以上である。
【0034】
本実施形態で用いられる炭素材料粒子の平均円形度は、一般的な鱗片状黒鉛の平均円形度よりも高い。よって、このような平均円形度の高い炭素材料粒子は、典型的には、公知方法に従って、鱗片状黒鉛に球状化処理を施すことにより得ることができる。一例として、このような平均円形度の高い炭素材料粒子は、鱗片状黒鉛を球状に造粒することによって得ることができる。具体的には例えば、鱗片状黒鉛を転動させながら、それぞれの粒子が強固に密着するよう衝撃を与え、数μm~数十μmの球状粒子に成るまで造粒処理を行う。このような造粒処理には、ボールミル、ビーズミル、奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステム、ホソカワミクロン社製ノビルタ、日本コークス工業社製FMミキサ、日本コークス工業社製コンポジなどの装置を使用することができる。このとき、処理条件(特に、処理時間、処理回数など)を変更することで、平均円形度を調整することができる。
【0035】
負極活物質の平均粒子径(メジアン径:D50)は、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上50μm以下であり、好ましくは1μm以上25μm以下であり、より好ましくは5μm以上20μm以下であり、さらに好ましくは7μm以上15μmである。なお、負極活物質の平均粒子径(D50)は、例えば、レーザ回折散乱法により求めることができる。
【0036】
負極活物質層64は、活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
【0037】
負極活物質層64中の負極活物質の含有量は、90質量%以上が好ましく、95質量%以上99質量%以下がより好ましい。負極活物質層64中のバインダの含有量は、0.1質量%以上8質量%以下が好ましく、0.5質量%以上3質量%以下がより好ましい。負極活物質層64中の増粘剤の含有量は、0.3質量%以上3質量%以下が好ましく、0.5質量%以上2質量%以下がより好ましい。
【0038】
負極活物質層64の厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm以上400μm以下であり、好ましくは20μm以上300μm以下である。
【0039】
本実施形態において、負極活物質層64の見かけ密度(いわゆる、負極密度)は、1.30g/cm3~1.69g/cm3である。当該見かけ密度が1.69g/cm3を超えると、入力特性向上効果と高温保存特性向上効果が得られなくなる。当該見かけ密度は、より高い入力特性の観点から、1.30g/cm3~1.50g/cm3が好ましい。また、当該見かけ密度は、特に高い入力特性と特に高い高温保存特性の観点から、1.30g/cm3~1.40g/cm3がより好ましい。負極活物質層64の見かけ密度は、負極60作製時の負極活物質層64に対するプレス処理によって高めることができ、そのプレス処理の条件を変更することで、調整することができる。
【0040】
なお、負極活物質層64の見かけ密度は、負極活物質層64の空隙部を含めた見かけ体積(cm3)に対する、負極活物質層64の重量(g)の比であるが、例えば、負極活物質層64の目付量と、極活物質層64の厚さとを測定し、負極活物質層64の目付量/負極活物質層64の厚さとして容易に算出することができる。
【0041】
負極活物質層64の目付量は、特に限定されないが、好ましくは8.5mg/cm2以上であり、より好ましくは10mg/cm2以上であり、さらに好ましくは15mg/cm2以上であり、特に好ましくは20mg/cm2以上である。負極活物質層64の目付量は、50mg/cm2以下、または40mg/cm2以下であってよい。このような目付量は、HEVの駆動用電源用途において特に有利である。なお、上記の目付量は、負極集電体62の片面あたりの負極活物質層64の目付量である。
【0042】
セパレータ70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から構成される多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70の表面には、セラミック粒子等を含有する耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
【0043】
セパレータ70の厚みは特に限定されないが、例えば5μm以上50μm以下であり、好ましくは10μm以上30μm以下である。セパレータ70のガーレー試験法によって得られる透気度は特に限定されないが、好ましくは350秒/100cc以下である。
【0044】
非水電解液80は、非水溶媒と電解質塩(支持塩とも呼ばれる)とを含有する。本実施形態においては、非水溶媒は、炭素数4以下のカルボン酸エステルを1体積%~30体積%含有する。
【0045】
炭素数4以下のカルボン酸エステルは、非水電解液80の粘度を低減するように作用する。よって、カルボン酸エステルの炭素数が5以上だと、非水電解液80の粘度低減が不十分となる。炭素数4以下のカルボン酸エステルの例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、プロピオン酸メチル等が挙げられる。なかでも、非水電解液80の粘度低減作用が特に高いことから、酢酸メチルが好ましい。
【0046】
非水溶媒は、カルボン酸エステル以外の有機溶媒を含む。当該有機溶媒の例としては、カーボネート類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等が挙げられ、なかでも、カーボネート類が好ましい。カーボネート類の例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F-DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が例示される。このような有機溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0047】
より高い入力特性の観点から、非水溶媒は、炭素数4以下のカルボン酸エステルを3体積%~30体積%含有することが好ましく、6体積%~30体積%含有することがより好ましく、15体積%~30体積%含有することがさらに好ましい。非水溶媒は、好ましくは、炭素数4以下のカルボン酸エステル、およびカーボネート類を含有し、炭素数4以下のカルボン酸エステル、およびカーボネート類のみを含有していてもよい。カーボネート類は、鎖状カーボネートと環状カーボネートとの両方を含有することが好ましい。
【0048】
電解質塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)等のリチウム塩(好ましくはLiPF6)を好適に用いることができる。電解質塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
【0049】
非水電解液80は、非水溶媒および電解質塩以外の成分(以下、任意成分ともいう)を含有していてもよい。当該任意成分の好適な例としては、ビニレンカーボネート、オキサラト錯体等の被膜形成剤が挙げられる。なかでも、オキサラト錯体が好ましく、その例としては、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)、リチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB)等が挙げられる。非水電解液80が被膜形成剤を含有することにより、リチウムイオン二次電池100の高温保存特性をさらに向上させることができる。非水電解液80中の被膜形成剤の濃度は特に限定されないが、例えば0.05質量%~1.2質量%であり、好ましくは0.1質量%~1.0質量%である。
【0050】
その他の任意成分としては、増粘剤、ガス発生剤(例、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等)などの各種添加剤が挙げられる。
【0051】
以上のように、負極活物質層64が、平均円形度が0.86以上の炭素材料粒子を含み、負極活物質層64の見かけ密度が、1.30g/cm
3~1.69g/cm
3であり、非水電解液80の非水溶媒は、炭素数4以下のカルボン酸エステルを1体積%~30体積%含有することにより、リチウムイオン二次電池100の入力特性と、高温保存特性とを顕著に高めることができる。その理由について以下、
図3および
図4を用いて説明する。
【0052】
負極活物質の炭素材料粒子の平均円形度が低い場合(すなわち、平均円形度が0.86未満の場合)の例の負極の模式断面図を
図3に示す。
図3に示すように、負極密度が大きい場合、高密度化のためのプレス処理によって、炭素材料粒子166の長軸が、負極集電体162と平行になるように配向する。この場合、リチウムイオン(Li
+)を含有する非水電解液が負極活物質層164に侵入するための隙間が少なくかつ狭くなる。よって、非水電解液が、負極活物質層164に含浸し難い。加えて、
図3の矢印が示すように、負極活物質層164の最深部(すなわち、負極集電体162の近傍)にLi
+が到達するまでの経路が長くなる。
【0053】
これに対し、負極活物質の炭素材の円形度が高い場合(すなわち、0.86以上)の例の負極の断面図を
図4に示す。炭素材料粒子66の円形度が高い場合、リチウムイオン(Li
+)を含有する非水電解液が負極活物質層64に侵入するための隙間が多くあり、また、負極活物質層64の最深部(すなわち、負極集電体62の近傍)にLi
+が到達するまでの経路も短い。このため、入力特性は向上する。
【0054】
しかしながら、負極活物質層64を高密度化した場合には、入力特性向上が不十分となり、また高温保存特性も不十分となる。本発明者らはその原因が、炭素材料粒子66の粒子間の隙間が狭くなり、その結果、Li+を含む非水電解液80が負極活物質層64に含浸し難くなることにあることに想到した。
【0055】
そこで、本実施形態では、非水電解液80に所定量の炭素数4以下のカルボン酸エステルを含有させて、非水電解液80の粘度を低減している。このため、負極活物質層64を高密度化して炭素材料粒子66の粒子間の隙間が狭い場合でも、非水電解液80が隙間に入り易く、非水電解液80を負極活物質層64に十分に含浸させることができる。その結果、リチウムイオン二次電池100の入力特性をさらに向上させることができる。また、非水電解液80を負極活物質層64に十分に含浸できることで、負極活物質層64全体に均一に被膜形成を行うことができ、これにより、高温下に長期置かれた際の容量劣化を抑制することができる。すなわち、高温保存特性を向上させることができる。また、炭素材料粒子66の円形度が高く、炭素材料粒子66の形状が略球状となることで、炭素材料粒子66の表面の被膜形成も均一となる。これにより、高温保存特性をいっそう向上させることができる。すなわち、リチウムイオン二次電池100の入力特性および高温保存特性を顕著に向上させることができる。なお、上記の被膜は、非水電解液80の分解によって形成されるが、非水電解液80に被膜形成剤を含有させた場合には、被膜の質が向上して、高温保存特性をより高めることができる。
【0056】
以上の説明のように、リチウムイオン二次電池100は、入力特性と、高温保存特性との両方に優れる。リチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。また、リチウムイオン二次電池100は、小型電力貯蔵装置等の蓄電池として使用することができる。
【0057】
ここで、HEVにおいて駆動用電源の充電の機会は、充電の機会はHEV走行中の発電時に限られる。このため、入力特性に特に優れるリチウムイオン二次電池100は、HEV用途において特に有利である。よって、リチウムイオン二次電池100の特に好適な用途は、HEVの駆動用電源である。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
【0058】
以上、一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウムイオン二次電池100について説明した。しかしながら、リチウムイオン二次電池は、積層型電極体(すなわち、複数の正極と、複数の負極とが交互に積層された電極体)を備えるリチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、リチウムイオン二次電池は、円筒形リチウムイオン二次電池、ラミネートケース型リチウムイオン二次電池等として構成することもできる。
【0059】
本実施形態に係る二次電池は、公知方法に従ってリチウムイオン二次電池以外の非水電解液二次電池として構成することができる。
【0060】
以下、本発明に関する実施例を詳細に説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
【0061】
〔実施例1~11および比較例1~4〕
<評価用リチウムイオン二次電池の作製>
負極活物質として、以下の3種類の炭素材料(天然黒鉛粒子)を用意した。なお、これらの天然黒鉛粒子には、非晶質炭素で被覆されているものを用いた。
【0062】
【0063】
なお、天然黒鉛粒子の平均円形度は、市販の静的自動画像分析装置(Malvern Panalytical社製「Morphologi G3/G3SE」)を用いて次のようにして求めた。まず、天然黒鉛粒子を基材の上に、凝集しないように分散配置し、光学顕微鏡を用いて、その粒子投影像を取得した。これを装置付属のソフトウェアを用いてデジタルデータに変換し、1000個以上の粒子の円形度を算出した。さらに平均値をさらに算出して、平均円形度を得た。また、平均粒子径は、市販のレーザ回折散乱式粒度分布測定装置を用いて、天然黒鉛粒子のメジアン径D50を測定することにより求めた。
【0064】
上記負極活物質と、結着剤としてのスチレンブタジエンラバー(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、活物質:SBR:CMC=99:0.5:0.5の質量比で、イオン交換水と混合し、負極スラリーを調製した。このスラリーを、厚さ8μmの長尺状の銅箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより負極シートを作製した。片面あたりの負極活物質層の目付量は10mg/cm2とした。このとき、プレス条件を変更することによって、表2に示す負極密度(負極活物質層の見かけ密度)に調整した。
【0065】
正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2(LNCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、LNCM:AB:PVdF=92:5:3の質量比でN-メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極スラリーを調製した。このスラリーを、厚さ15μmの長尺状のアルミニウム箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより正極シートを作製した。
【0066】
セパレータとして、PP/PE/PPの三層構造の多孔質ポリオレフィンシート(厚み20μm)にHRL(厚み4μm)が設けられたものを用意した。上記で作製した正極シートと、負極シートと、2枚の上記用意したセパレータシートとを積層し、捲回して捲回電極体を作製した。このとき、セパレータのHRLを正極シートに対向させた。
【0067】
エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)と、カルボン酸エステルとを、30:30:40-x:xの体積比で含む混合溶媒を用意した。なお、カルボン酸エステルとしては、表2示すように、酢酸メチル(MA)またはプロピオン酸メチル(MP)を使用し、xの値(体積比;体積%でもある)は、表2に示す値とした。この混合溶媒に、リチウムビス(オキサレート)ボレートを1.0質量%の濃度で溶解させ、電解質塩としてのLiPF6を1.0mol/Lの濃度で溶解させた。これにより、非水電解液を得た。
【0068】
上記作製した電極体に端子類を取り付け、これを非水電解液と共に電池ケースに収容し、封止して、評価用リチウムイオン二次電池を得た。
【0069】
<活性化処理>
上記作製した各評価用リチウムイオン二次電池を、25℃の恒温槽内に置いた。各評価用リチウムイオン二次電池を、0.3Cの電流値で4.10Vまで定電流充電した。その後、0.3Cの電流値で3.00Vまで定電流放電した。
【0070】
<初期特性評価>
上記活性化した各評価用リチウムイオン二次電池を、0.2Cの電流値で4.10Vまで定電流充電した後、電流値が1/50Cになるまで定電圧充電を行う定電流-定電圧充電により、満充電状態にした。その後、0.2Cの電流値で3.00Vまで定電流放電した。このときの放電容量を測定し、初期容量とした。
【0071】
上記の初期容量をSOC100%として、25℃の恒温槽中にて0.3Cの電流値でSOCが50%になるまで各評価用リチウムイオン二次電池を充電した。次いで、-10℃の恒温槽中にて、1C、3C、5C、および10Cの電流値で10秒間充電を行い、各電流値で充電した後の電池電圧を測定した。各電流値と各電池電圧とをプロットして充電時におけるI-V特性を求め、得られた直線の傾きから放電時におけるIV抵抗(Ω)を初期抵抗として求めた。比較例1の評価用リチウムイオン二次電池の初期抵抗を100とした場合の、比較例1の評価用リチウムイオン二次電池に対するその他の評価用リチウムイオン二次電池の初期抵抗の比を求めた。結果を表2に示す。なお、初期抵抗の比の値が小さいほど、入力特性が高い。
【0072】
<高温保存特性評価>
上記活性化した各評価用リチウムイオン二次電池を、0.3Cの電流値でSOC80%になるまで充電した。この各評価用リチウムイオン二次電池を60℃に設定した恒温層内に置き、60日間保存した。その後、0.2Cの電流値で3.00Vまで定電流放電した。続いて、各評価用リチウムイオン二次電池を、0.2Cの電流値で4.10Vまで定電流充電した後、電流値が1/50Cになるまで定電圧充電を行う定電流-定電圧充電により、満充電状態にした。その後、0.2Cの電流値で3.00Vまで定電流放電し、このときの放電容量を測定し、これを回復容量とした。式:(回復容量/初期容量)×100より、容量維持率(%)を求めた。結果を表2に示す。なお、容量維持率の値が大きいほど、高温保存特性が高い。
【0073】
【0074】
表2の結果が示すように、負極活物質層が、平均円形度が0.86以上の炭素材料粒子を含み、負極活物質層の見かけ密度が、1.30g/cm3~1.69g/cm3であり、非水電解液80の非水溶媒が、炭素数4以下のカルボン酸エステルを1体積%~30体積%含有する場合に、リチウムイオン二次電池の入力特性と高温保存特性とが高かった。この結果より、ここに開示される非水電解液二次電池によれば、入力特性と高温保存特性との両方に優れることがわかる。
【0075】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0076】
すなわち、ここに開示される非水電解液二次電池は、以下の項[1]~[6]である。
[1]正極と、
負極と、
非水電解液と、
を備える非水電解液二次電池であって、
前記負極は、負極活物質を含有する負極活物質層を備え、
前記負極活物質は、平均円形度が0.86以上の炭素材料粒子を含み、
前記負極活物質層の見かけ密度が、1.30g/cm3~1.69g/cm3であり、
前記非水電解液は、非水溶媒と、電解質塩と、を含有し、
前記非水溶媒は、炭素数4以下のカルボン酸エステルを1体積%~30体積%含有する、非水電解液二次電池。
[2]前記負極活物質層の見かけ密度が、1.30g/cm3~1.50g/cm3である、項[1]に記載の非水電解液二次電池。
[3]前記非水溶媒が、前記カルボン酸エステルを6体積%~30体積%含有する、項[1]または[2]に記載の非水電解液二次電池。
[4]前記カルボン酸エステルが、酢酸メチルである、項[1]~[3]のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池。
[5]前記非水電解液が、被膜形成剤をさらに含有する、項[1]~[4]のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池。
[6]前記負極活物質層の目付量が、10mg/cm2以上である、項[1]~[5]のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池。
[7]ハイブリッド車の車両駆動電源用である、項[1]~[6]のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池。
【符号の説明】
【0077】
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
80 非水電解液
100 リチウムイオン二次電池