(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109347
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G01N 27/02 20060101AFI20240806BHJP
G06F 3/00 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G01N27/02 A
G06F3/00 Y
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014089
(22)【出願日】2023-02-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕道
(72)【発明者】
【氏名】富永 隼人
【テーマコード(参考)】
2G060
【Fターム(参考)】
2G060AA05
2G060AA09
2G060AC01
2G060AF06
2G060HC06
(57)【要約】
【課題】Type-Cコネクタにおける水滴検知の精度を向上すること。
【解決手段】本実施形態に係る電子機器は、コネクタと、確認用電源と、検知回路と、第1コントローラとを備える。前記コネクタは、外部デバイスが接続される。前記確認用電源は、前記コネクタに上限付きの電流を供給可能に構成されている。前記検知回路は、前記コネクタのインピーダンス変化に応じて前記コネクタへの水滴付着を検知可能に構成されている。前記第1コントローラは、インピーダンス変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着が前記検知回路により検知された場合に前記確認用電源により前記上限付きの電流を前記コネクタに供給させ、前記コネクタに流れる電流が予め定められた閾値以上の場合には前記コネクタへの前記外部デバイスの接続であると判別するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部デバイスが接続されるコネクタと、
前記コネクタに上限付きの電流を供給可能に構成された確認用電源と、
前記コネクタのインピーダンス変化に応じて前記コネクタへの水滴付着を検知可能に構成された検知回路と、
インピーダンス変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着が前記検知回路により検知された場合に前記確認用電源により前記上限付きの電流を前記コネクタに供給させ、前記コネクタに流れる電流が予め定められた閾値以上の場合には前記コネクタへの前記外部デバイスの接続であると判別するように構成された第1コントローラと、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記検知回路は、前記コネクタに第1電流値又は当該第1電流値より大きい第2電流値の電流を供給可能に構成され、インピーダンス変化に応じて前記コネクタへの水滴付着が検知された場合に前記コネクタに供給する電流を前記第1電流値から前記第2電流値に切り替えるように構成された電流源を有する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
電圧レベルを周期的に切り替えながら出力するように構成された第2コントローラをさらに備え、
前記検知回路は、
前記第2コントローラと前記コネクタとの間に接続された第1スイッチと、
前記第1スイッチの前記第2コントローラ側及び前記コネクタ側のそれぞれに接続され、前記第2コントローラから出力された電圧レベルと前記コネクタの電圧レベルとに応じて、前記コネクタへの前記外部デバイスの接続と前記コネクタへの水滴付着とを判定し、前記コネクタへの前記外部デバイスの接続を検知した場合に前記第1スイッチをオンする判定回路と、をさらに有する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第2コントローラと前記検知回路との間に接続された第2スイッチと、
前記検知回路と前記第2スイッチとの間の信号線に接続された第3スイッチと、
前記第3スイッチを介して前記検知回路に接続されたプルアップ抵抗と、をさらに備え、
前記第1コントローラは、インピーダンス変化に応じて前記コネクタへの水滴付着が検知された場合に前記第2スイッチをオフするとともに前記第3スイッチをオンすることにより、前記検知回路に前記第1スイッチをオフさせる、
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記確認用電源は、
前記コネクタと前記検知回路との間の信号線に接続されたセンス抵抗と、
前記センス抵抗を介して前記コネクタに接続された第4スイッチと、
前記第4スイッチ及び前記センス抵抗を介して前記コネクタに供給する前記上限付きの電流を発生する電源回路と、を有し、
前記第1コントローラは、
インピーダンス変化に応じて前記コネクタへの水滴付着が検知された場合に前記第4スイッチをオンすることにより、前記コネクタに前記上限付きの電流を供給するとともに、前記コネクタに流れる電流を前記センス抵抗により検出する、
請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、Type-C規格に対応したType-Cインターフェース(I/F)が搭載されたタブレットPC(Personal Computer)やクラムシェルPC、コンバーチブルPC、スマートフォン、ウェアラブル端末などのモバイル端末(電子機器)が知られている。これらの電子機器においては、例えばバッテリ駆動により屋外での使用が想定されるため、防水機能を有することが好ましい一方、例えばデザインやユーザビリティの観点から、Type-Cコネクタを覆うカバーを搭載せず、Type-Cコネクタにおいて端子が露出している場合がある。
【0003】
Type-CコネクタのCC(Configuration Channel)端子には、Type-Cデバイスの接続を検出するための信号が供給されている。このため、Type-Cコネクタに水滴が付着すると、CC端子とコネクタ内の他端子とのショートが発生し、端子腐食が発生したり、電子機器や外部デバイスの破損が発生したりするおそれがある。このような中、例えばType-CコネクタのCC端子のインピーダンス変化を検出することにより、水滴付着を検知する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、不活性化状態のデバイスがType-Cコネクタに接続された場合、海水同等のインピーダンス変化が検出されて水滴の誤検知が発生する場合があった。
【0006】
本発明の課題の一つは、上記に鑑みてなされたものであって、Type-Cコネクタにおける水滴検知の精度を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る電子機器は、コネクタと、確認用電源と、検知回路と、第1コントローラとを備える。前記コネクタは、外部デバイスが接続される。前記確認用電源は、前記コネクタに上限付きの電流を供給可能に構成されている。前記検知回路は、前記コネクタのインピーダンス変化に応じて前記コネクタへの水滴付着を検知可能に構成されている。前記第1コントローラは、インピーダンス変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着が前記検知回路により検知された場合に前記確認用電源により前記上限付きの電流を前記コネクタに供給させ、前記コネクタに流れる電流が予め定められた閾値以上の場合には前記コネクタへの前記外部デバイスの接続であると判別するように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の上記態様によれば、Type-Cコネクタにおける水滴検知の精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る電子機器のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1の水滴検知回路のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3A】
図3Aは、
図1の電子機器において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3B】
図3Bは、
図1の電子機器において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3C】
図3Cは、
図1の電子機器において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本開示に係る電子機器の実施形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は、実施形態に係る電子機器1のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0012】
実施形態に係る電子機器1は、Type-Cコネクタ13を搭載し、Type-Cコネクタ13により他のデバイスを接続可能に構成された情報処理装置である。本実施形態では、Type-Cコネクタ13を介して電子機器1に接続される他のデバイスを「外部デバイス」と記載する。
【0013】
Type-Cコネクタ13は、Universal System Bus (USB) Type-C/USB Power Delivery(以下、「Type-C/UPD」という。)規格に準拠するコネクタである。Type-Cコネクタ13は、USB信号及びGPIO(General Purpose Input/Output)信号による通信を中継する。Type-Cコネクタ13は、専用信号線であるCC(Configuration Channel)と、USB信号を伝送する信号線と、電源供給経路としての電源線とを有する。
【0014】
電子機器1としては、スマートフォン、電子ペーパ、タブレットPC(Personal Computer)、クラムシェルPC及びコンバーチブルPCなどの種々のモバイル端末、情報処理装置が適宜利用可能である。
【0015】
外部デバイスとしては、Type-Cコネクタを有するデバイスであればよく、USBメモリ、モバイルバッテリ、ポートリプリケータなど、種々の不活性化デバイス、ソースデバイス及びシンクデバイスがあり得る。
【0016】
電子機器1は、Type-Cコネクタ13と外部デバイスのType-Cコネクタとが嵌合することにより、当該外部デバイスと電気的に接続される。一例として、電子機器1のType-Cコネクタ13は、差し込まれる側のコネクタ(Receptacle)である。また、外部デバイスのType-Cコネクタは、差し込み側のコネクタ(Plug)である。ここで、Type-Cコネクタ13は、外部デバイスが接続されるコネクタの一例である。
【0017】
なお、電子機器1は、一端が差し込み側のコネクタとして構成され、他端が差し込まれる側のコネクタとして構成されたケーブル又はアダプタを介して外部デバイスと電気的に接続されても構わない。
【0018】
なお、電子機器1は、両端が差し込み側のコネクタとして構成されたケーブル又はアダプタを介して外部デバイスと電気的に接続されても構わない。この場合、電子機器1のType-Cコネクタ13と外部デバイスのType-Cコネクタとは、それぞれ差し込まれる側のコネクタとして構成され得る。
【0019】
なお、以下の説明では、Type-Cコネクタ13の端子への液体の付着又は侵入を検知することを水滴検知と記載する。ここで、液体とは、海水や精製水などの液体である。したがって、水滴検知は、水検知や水分検知、液体検知、液滴検知と読み替えることができる。
【0020】
電子機器1は、
図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)11、Type-C_I/Fコントローラ12、SPI(Serial Peripheral Interface) ROM(Read Only Memory) BIOS(Basic Input/Output System)15、組み込み(Embedded)コントローラ16及びType-C PD(Power Delivery)コントローラ17をさらに有する。
【0021】
また、電子機器1は、
図1に示すように、水滴検知回路21、CC用ハードウェア(HW)スイッチ22、プルアップ用HWスイッチ24、プルアップ抵抗25、電流制限電源回路27、電流測定用HWスイッチ28及びセンス抵抗29をさらに有する。
【0022】
CPU11は、電子機器1の全体を制御するプロセッサである。CPU11は、SPI_ROM_BIOS15から読み出したファームウェアを実行することにより、電子機器1の有する各機能を実現する。
【0023】
Type-C_I/Fコントローラ12は、Type-C I/Fバスを介してCPU11のType-Cポートと、Type-Cコネクタ13のType-C I/F又はUSB3 I/Fとのそれぞれに電気的に接続される。Type-C_I/Fコントローラ12は、Type-Cコネクタ13に接続された外部デバイスに関し、上下反転接続や供給電流の管理を実行する。
【0024】
SPI_ROM_BIOS15は、SPIバスを介してCPU11に電気的に接続される。また、SPI_ROM_BIOS15は、他のSPIバスを介して組み込みコントローラ16に電気的に接続される。SPI_ROM_BIOS15は、電子機器1において実行される各種ファームウェア、例えばBIOSを格納するメモリである。SPI_ROM_BIOS15としては、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)やFlash ROMが適宜利用可能である。
【0025】
組み込みコントローラ16は、eSPI(Enhanced SPI)バスを介してCPU11に電気的に接続される。また、組み込みコントローラ16は、GPIO信号のための信号線であるGPIO_DETにより水滴検知回路21に電気的に接続される。また、組み込みコントローラ16は、GPIO信号のための信号線であるGPIO_CFMにより、CC用HWスイッチ22、プルアップ用HWスイッチ24、電流測定用HWスイッチ28及び電流制限電源回路27のそれぞれに接続される。また、組み込みコントローラ16は、信号線SENSEを介してセンス抵抗29に電気的に接続される。
【0026】
組み込みコントローラ16は、外部デバイス接続検知及び水滴検知に係る各機能を実現するように構成されたプロセッサである。例えば、組み込みコントローラ16は、SPI_ROM_BIOS15又は内部メモリから読み出したファームウェアを実行することにより、外部デバイス接続検知及び水滴検知に係る各機能を実現する。ここで、組み込みコントローラ16は、第1コントローラの一例である。
【0027】
一例として、組み込みコントローラ16は、インピーダンス変化に基づくType-Cコネクタ13への水滴付着の検知が水滴検知回路21からのGPIO_DETにより通知された場合にCC用HWスイッチ22をオフするとともにプルアップ用HWスイッチ24をオンすることにより、水滴検知回路21のCCスイッチ213をオフさせる。
【0028】
一例として、組み込みコントローラ16は、インピーダンス変化に基づくType-Cコネクタ13への水滴付着の検知が水滴検知回路21からのGPIO_DETにより通知された場合に水滴確認用電源26によりType-Cコネクタ13に上限付きの電流を供給させる。例えば、組み込みコントローラ16は、電流測定用HWスイッチ28をオンすることにより、電流測定用の上限付きの電流をType-Cコネクタ13に供給させる。
【0029】
一例として、組み込みコントローラ16は、インピーダンス変化に基づくType-Cコネクタ13への水滴付着の検知が水滴検知回路21からのGPIO_DETにより通知された場合にセンス抵抗29により発生する電圧に基づいて、上限付きの電流に応じてType-Cコネクタ13に流れる電流を検出する。
【0030】
一例として、組み込みコントローラ16は、上限付きの電流の供給に対して予め定められた閾値以上の電流がType-Cコネクタ13に流れた場合には水滴誤検知、すなわちType-Cコネクタ13への外部デバイスの接続であると判別する。
【0031】
Type-C_PDコントローラ17は、CC通信用の信号線であるCCラインCC_PDを介してCC用HWスイッチ22に電気的に接続される。また、Type-C_PDコントローラ17は、I2Cバスにより組み込みコントローラ16に電気的に接続される。
【0032】
Type-C_PDコントローラ17は、外部デバイスの接続検出や電源供給、電源需要に関する制御を行うように構成されたプロセッサである。Type-C_PDコントローラ17は、例えばType-C/UPDに準拠したシステムに搭載される、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。Type-C_PDコントローラ17は、I2Cバスを介して組み込みコントローラ16との間でI2C通信を実行する。また、Type-C_PDコントローラ17は、CC用HWスイッチ22を介して水滴検知回路21との間でCC通信を実行する。ここで、Type-C_PDコントローラ17は、第2コントローラの一例である。
【0033】
一例として、Type-C_PDコントローラ17は、HighレベルとLowレベルとの間で電圧レベルを周期的に切り替えながら、Highレベルの信号及びLowレベルの信号をCCラインCC_PDに出力するように構成されている。
【0034】
水滴検知回路21は、CC通信用の信号線であるCCラインCC_DETを介してCC用HWスイッチ22に電気的に接続される。つまり、水滴検知回路21は、CCラインCC_DET、CC用HWスイッチ22及びCCラインCC_PDを介してType-C_PDコントローラ17に電気的に接続される。また、水滴検知回路21は、CC通信用の信号線であるCCラインCC_CNを介してType-Cコネクタ13のCC端子に電気的に接続される。
【0035】
水滴検知回路21は、外部デバイス接続検知及び水滴検知に係る各機能を実現するように構成されたプロセッサである。例えば、水滴検知回路21は、水滴付着によるType-Cコネクタ13の端子腐食や端子間ショートを防ぐために、Type-Cコネクタ13のCC端子のインピーダンス変化を検出可能に構成される。水滴検知回路21は、防滴検知ICや水滴検知ICと称されてもよい。ここで、水滴検知回路21は、検知回路の一例である。
【0036】
一例として、水滴検知回路21は、Type-Cコネクタ13のインピーダンス変化に応じてType-Cコネクタ13への外部デバイスの接続と、Type-Cコネクタ13への水滴付着とを検知可能に構成されている。
【0037】
具体的には、水滴検知回路21は、CCラインCC_CNの電圧レベルを複数の内部コンパレータによって分類することにより水滴を検知可能に構成されている。
図2は、
図1の水滴検知回路21のハードウェア構成の一例を示す図である。水滴検知回路21は、
図2に示すように、判定回路211、CCスイッチ213、電流源215、プルダウンスイッチ217及びプルダウン抵抗219を有する。
【0038】
判定回路211は、CCスイッチ213の両端部に電気的に接続される。つまり、判定回路211は、CCスイッチ213のType-C_PDコントローラ17側のCCライン_DETに電気的に接続される。また、判定回路211は、CCスイッチ213のType-Cコネクタ13側のCCライン_CNに電気的に接続される。
【0039】
判定回路211は、複数の内部コンパレータを有する。判定回路211は、CCラインCC_CNの電圧レベルと、CCラインCC_DETの電圧レベルとのそれぞれを複数の内部コンパレータによって分類するように構成される。例えば、判定回路211は、CCラインCC_CNの電位と、予め定められた少なくとも3つの基準電位とを比較する少なくとも3つの内部コンパレータを有する。当該少なくとも3つの基準電位は、例えば、電流源215からの第1電流値及び第2電流値のそれぞれに対するCCラインCC_CNの電圧レベル「Low」及び「High」の4つの電圧レベルを判別するために予め定められた少なくとも3つの電位を含む。また、例えば、判定回路211は、CCラインCC_DETの電位と、予め定められた基準電位とを比較する少なくとも1つの内部コンパレータをさらに有する。当該少なくとも1つの基準電位は、例えば、CCラインCC_DETの電圧レベル「Low」及び「High」の2つの電圧レベルを判別するために予め定められた少なくとも1つの電位を含む。
【0040】
一例として、判定回路211は、Type-C_PDコントローラ17から出力された電圧レベルとType-Cコネクタ13の電圧レベルとに応じて、Type-Cコネクタ13への外部デバイスの接続と、Type-Cコネクタ13への水滴付着とを判定する。換言すれば、判定回路211は、CCラインCC_DETの電圧レベルとCCラインCC_CNの電圧レベルとに応じて、Type-Cコネクタ13への外部デバイスの接続と、Type-Cコネクタ13への水滴付着とを判定する。
【0041】
一例として、判定回路211は、CCラインCC_DETの電圧レベルとCCラインCC_CNの電圧レベルとに応じて、すなわちType-Cコネクタ13のインピーダンス変化に基づいてType-Cコネクタ13への外部デバイスの接続を検知した場合、CCスイッチ213をオンする。
【0042】
CCスイッチ213は、Type-Cコネクタ13と、Type-C_PDコントローラ17との間に電気的に接続される。換言すれば、CCスイッチ213は、Type-Cコネクタ13と、Type-C_PDコントローラ17との間でCC通信を行うための信号線であるCCラインCC_DET及びCCラインCC_CNの間に電気的に接続される。CCスイッチ213は、Type-Cコネクタ13と、Type-C_PDコントローラ17との間のCC通信の疎通/分断を切り替えるスイッチである。ここで、CCスイッチ213は、第1スイッチの一例である。
【0043】
電流源215は、CCスイッチ213と、Type-Cコネクタ13との間において、CCラインCC_CNに電気的に接続される。電流源215は、第1電流値又は第2電流値の電流をCCラインCC_CNに供給可能に構成される。ここで、電流源215からの第1電流値(Icc_src)は、水滴付着の場合に大きな電流が流れることによるType-Cコネクタ13の端子腐食を防止するため、限りなく小さな電流値である。第2電流値(Isrc)は、「シンクデバイス接続」及び「水滴付着」のいずれであるかを確認するための電流値である。なお、第2電流値(Isrc)は、電圧変化確認用の電流値であり、第1電流値(Icc_src)より大きい。
【0044】
一例として、電流源215は、インピーダンス変化に応じてType-Cコネクタ13への水滴付着が検知された場合にCCラインCC_CNを介してType-Cコネクタ13に供給する電流を第1電流値(Icc_src)から第2電流値(Isrc)に切り替える。
【0045】
プルダウンスイッチ217は、CCスイッチ213と、Type-Cコネクタ13との間において、CCラインCC_CNに電気的に接続される。プルダウンスイッチ217は、プルダウン抵抗219の有効/無効を切り替えるスイッチである。
【0046】
プルダウン抵抗219は、プルダウンスイッチ217を介してCCラインCC_CNに電気的に接続される。プルダウン抵抗219は、CCラインCC_CNをプルダウンするための抵抗素子である。
【0047】
CC用HWスイッチ22は、Type-C_PDコントローラ17と、水滴検知回路21との間に電気的に接続される。換言すれば、CC用HWスイッチ22は、Type-C_PDコントローラ17と、水滴検知回路21との間でCC通信を行うための信号線であるCCラインCC_DET及びCCラインCC_PDの間に電気的に接続される。CC用HWスイッチ22は、Type-C_PDコントローラ17と、水滴検知回路21との間のCC通信の疎通/分断を切り替えるスイッチである。ここで、CC用HWスイッチ22は、第2スイッチの一例である。
【0048】
プルアップ用HWスイッチ24は、水滴検知回路21とCC用HWスイッチ22との間のCC通信用の信号線であるCCラインCC_DETに電気的に接続される。プルアップ用HWスイッチ24は、プルアップ抵抗25の有効/無効を切り替えるスイッチである。ここで、プルアップ用HWスイッチ24は、第3スイッチの一例である。
【0049】
プルアップ抵抗25は、プルアップ用HWスイッチ24を介してCCラインCC_DETに電気的に接続される。換言すれば、プルアップ抵抗25は、プルアップ用HWスイッチ24を介して水滴検知回路21に電気的に接続される。プルアップ抵抗25は、CCラインCC_DETをプルアップするための抵抗素子である。
【0050】
電流制限電源回路27、電流測定用HWスイッチ28及びセンス抵抗29は、水滴確認用電源26を構成する。水滴確認用電源26は、Type-Cコネクタ13に上限付きの電流を供給可能に構成されている。ここで、水滴確認用電源26は、確認用電源の一例である。
【0051】
電流制限電源回路27は、電流測定用HWスイッチ28及びセンス抵抗29を介してCCラインCC_CNに電気的に接続される。電流制限電源回路27は、電流測定用の上限付きの電流を発生するように構成される。ここで、電流制限電源回路27は、電源回路の一例である。
【0052】
電流測定用HWスイッチ28は、Type-Cコネクタ13と、電流制限電源回路27との間に電気的に接続される。電流測定用HWスイッチ28は、電流制限電源回路27からType-Cコネクタ13へ確認用の上限付きの電流を供給する水滴確認用電流経路の有効/無効を切り替えるスイッチである。ここで、電流測定用HWスイッチ28は、第4スイッチの一例である。
【0053】
センス抵抗29は、Type-Cコネクタ13と、水滴検知回路21との間でCC通信を行うための信号線であるCCラインCC_CNに電気的に接続される。センス抵抗29は、電流制限電源回路27からの上限付きの電流に応じてType-Cコネクタ13を流れる電流に応じた電圧を発生する。
【0054】
なお、電子機器1のプロセッサとしては、CPUやMPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの各種のプロセッサが適宜利用されればよい。
【0055】
なお、電子機器1は、外部I/Oインタフェースとして、キーボードやタッチパネル、マウスなどの各種の入力装置やディスプレイなどの各種の表示装置に接続するためのType-Cコネクタ13の他のコネクタなどをさらに有していてもよい。
【0056】
図3A、
図3B及び
図3Cは、
図1の電子機器1において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図3A、
図3B及び
図3Cは、電子機器1に対して外部デバイスが接続されていないデバイス未接続の状態、あるいは電子機器1において水滴検知されていない水滴未検知の状態において開始される場合の処理を例示する。
【0057】
なお、本実施形態の説明では、Highレベル又はその信号を「High」と記載する。同様に、Lowレベル又はその信号を「Low」と記載する。同様に、中間電位又はその信号を「中間電位」と記載する。
【0058】
Type-C_PDコントローラ17は、CCラインCC_PDに「High」及び「Low」を周期的に切り替えながら出力する(S101)。
【0059】
ここで、Type-C_PDコントローラ17からの「High」及び「Low」のそれぞれは、CC用HWスイッチ22及びCCラインCC_DETを介して、水滴検知回路21に供給される。
【0060】
Type-C_PDコントローラ17からの出力が「Low」の場合(S102:Yes)、すなわちCCラインCC_DETが「Low」の場合、水滴検知回路21は、プルダウン抵抗219による「Low」をCCラインCC_CNに出力する(S103)。具体的には、水滴検知回路21は、プルダウンスイッチ217をオンしてプルダウン抵抗219を有効化することにより、プルダウン抵抗219による「Low」をCCラインCC_CNに出力する。これにより、電子機器1は、外部デバイスとしてのソースデバイスの検出待ちの状態に移行する。
【0061】
CCラインCC_DETが「Low」、かつ、CCラインCC_CNが「Low」の場合(S104:Yes)、水滴検知回路21は、「デバイス接続なし」を検知する(S105)。具体的には、水滴検知回路21の判定回路211は、CCラインCC_CNの「Low」と、CCラインCC_DETの「Low」とに応じてGPIO_DETの値を制御することにより、組み込みコントローラ16を介してシステム側に「デバイス接続なし」を通知する。その後、処理は終了する。
【0062】
このように、実施形態に係る電子機器1では、Type-C_PDコントローラ17からの出力が「Low」の場合、かつ、CCラインCC_CNが「Low」の場合、外部要因、すなわち外部デバイスによるCCラインCC_CNのレベル変化なしであることから、「デバイス接続なし」と判断される(END1)。
【0063】
一方、CCラインCC_DETが「Low」、かつ、CCラインCC_CNが「High」の場合(S104:No)、水滴検知回路21は、ポートリプリケータなどの「ソースデバイス接続」を検知する(S106)。具体的には、水滴検知回路21の判定回路211は、外部デバイスでプルアップされたCCラインCC_CNの「High」と、CCラインCC_DETの「Low」とに応じてGPIO_DETの値を制御することにより、組み込みコントローラ16を介してシステム側に「ソースデバイス接続」を通知する。
【0064】
また、水滴検知回路21は、CCスイッチ213をオンするとともに、CCラインCC_CNへの「Low」の出力を停止する(S107)。具体的には、水滴検知回路21は、電子機器1のシステム側と外部デバイスとの間のCC通信の疎通のため、CCスイッチ213をオンする。また、水滴検知回路21は、プルダウンスイッチ217をオフしてプルダウン抵抗219を無効化することにより、CCラインCC_CNへの「Low」の出力を停止する。その後、処理は終了する。
【0065】
このように、実施形態に係る電子機器1では、Type-C_PDコントローラ17からの出力が「Low」の場合、かつ、CCラインCC_CNが「High」の場合、外部要因、すなわち外部デバイスのプルアップ要因によりCCラインCC_CNのレベルが「Low」から「High」に変化したことから、「ソースデバイス接続」と判断される(END2)。
【0066】
一方、Type-C_PDコントローラ17からの出力が「High」の場合(S102:No)、すなわちCCラインCC_DETが「High」の場合、水滴検知回路21は、電流源215からの第1電流値(Icc_src)による「High」をCCラインCC_CNに出力する(S108)。具体的には、水滴検知回路21は、電流源215からの第1電流値(Icc_src)の出力を有効化する。電流源215からの第1電流値(Icc_src)によりCCラインCC_CNが「High」になる。これにより、電子機器1は、外部デバイスとしてのシンクデバイス検出待ち、あるいは水滴検知チェック待ちの状態に移行する。
【0067】
CCラインCC_DETが「High」、かつ、CCラインCC_CNが「High」の場合(S109:Yes)、水滴検知回路21は、「デバイス接続なし」を検知する(S105)。具体的には、水滴検知回路21の判定回路211は、CCラインCC_CNの「High」と、CCラインCC_DETの「High」とに応じてGPIO_DETの値を制御することにより、組み込みコントローラ16を介してシステム側に「デバイス接続なし」を通知する。その後、処理は終了する。
【0068】
このように、実施形態に係る電子機器1では、Type-C_PDコントローラ17からの出力が「High」の場合、かつ、CCラインCC_CNが「High」の場合、外部要因、すなわち外部デバイスによるCCラインCC_CNのレベル変化なしであることから、「デバイス接続なし」と判断される(END1)。
【0069】
一方、CCラインCC_DETが「High」、かつ、CCラインCC_CNが「Low」又は「中間電位」の場合(S109:No)、水滴検知回路21は、「シンクデバイス接続」又は「水滴付着」を検知する(S110)。
【0070】
このように、実施形態に係る電子機器1では、Type-C_PDコントローラ17からの出力が「High」の場合、かつ、CCラインCC_CNが「Low」又は「中間電位」の場合、外部デバイスのプルダウン要因、もしくは水滴付着によるレベル変化が発生したと判断される(END3~END8)。
【0071】
また、水滴検知回路21の電流源215は、電流出力値を第1電流値(Icc_src)から第2電流値(Isrc)に変更する(S111)。
【0072】
電流源215からの第2電流値(Isrc)の出力に対してCCラインCC_CNが「Low」の場合(S112:Yes)、水滴検知回路21は、「PDシンクデバイス接続」を検知する(S113)。具体的には、水滴検知回路21の判定回路211は、電流源215から第2電流値(Isrc)の出力と、CCラインCC_CNの「Low」とに応じてGPIO_DETの値を制御することにより、組み込みコントローラ16を介してシステム側に「シンクデバイス接続」を通知する。その後、処理は終了する。
【0073】
また、水滴検知回路21は、CCスイッチ213をオンするとともに、CCラインCC_CNへの「High」の出力を停止する(S114)。具体的には、水滴検知回路21は、電子機器1のシステム側と外部デバイスとの間のCC通信の疎通のため、CCスイッチ213をオンする。また、水滴検知回路21は、電流源215からの第2電流値(Isrc)の出力を無効化することにより、CCラインCC_CNへの「High」の出力を停止する。その後、処理は終了する。
【0074】
このように、実施形態に係る電子機器1では、電流源215からの第2電流値(Isrc)の出力に対して、CCラインCC_CNが「Low」の場合、外部デバイスのプルダウン値が小さく、電流源215からの第2電流値(Isrc)の出力よりも外部デバイスのPD値が大きいため、「シンクデバイス接続」と判断される(END3)。
【0075】
一方、電流源215からの第2電流値(Isrc)の出力に対してCCラインCC_CNが「中間電位」又は「High」の場合(S112:No)、「不活性化デバイス接続」検知(END4)又は水成分の判別(END5~6)に進む。
【0076】
電流源215からの第2電流値(Isrc)の出力に対してCCラインCC_CNが「中間電位」の場合(S115:No)、水滴検知回路21は、CCラインCC_CNに「Low」を出力する(S116)。具体的には、水滴検知回路21は、プルダウンスイッチ217をオンしてプルダウン抵抗219を有効化するとともに、電流源215からの第2電流値(Isrc)の出力を無効化することにより、CCラインCC_CNに「Low」を出力する。
【0077】
ここで、CCラインCC_CNが「中間電位」の場合には、「不活性化デバイス接続」及び「海水付着」の可能性がある。そこで、「不活性化デバイス接続」及び「海水付着」のいずれであるかを判別するため、上述したように、水滴検知回路21によりCCラインCC_CNに「Low」を出力してプルダウン成分のみとした状態で、以下に説明するように、CCラインCC_CNのレベル変化を監視する。
【0078】
電流源215からの第2電流値(Isrc)の出力に対してCCラインCC_CNが「中間電位」であった場合に、プルダウン抵抗219による「Low」の出力に対してCCラインCC_CNが「Low」の場合(S117:No)、水滴検知回路21は、「不活性化デバイス接続」を検知する(S118)。具体的には、水滴検知回路21の判定回路211は、電流源215の無効化と、CCラインCC_CNの「Low」とに応じてGPIO_DETの値を制御することにより、組み込みコントローラ16を介してシステム側に「不活性化デバイス接続」を通知する。
【0079】
また、水滴検知回路21は、CCスイッチ213をオンするとともに、CCラインCC_CNに「Low」を出力する(S119)。具体的には、水滴検知回路21は、外部デバイス側が電源喪失していることによりデバイス側のCCラインに電気的処理がなく不定状態であるため、電子機器1のシステム側と外部デバイスとの間のCC通信を疎通する場合と同様に、CCスイッチ213をオンする。また、水滴検知回路21は、プルダウンスイッチ217をオンしてプルダウン抵抗219を有効化することにより、CCラインCC_CNに「Low」を出力する。その後、処理は終了する。
【0080】
このように、実施形態に係る電子機器1では、プルダウン成分のみとした状態で、CCラインCC_CNが「Low」の場合には、容量的な変化が見えず水分付着の可能性が無いため、CCラインが非終端となっている状態の不活性化デバイス(Dead Battery Accessary)が接続された「不活性化デバイス接続」であると判断される(END4)。
【0081】
電流源215からの第2電流値(Isrc)の出力に対してCCラインCC_CNが「中間電位」であった場合に、プルダウン抵抗219による「Low」の出力に対してCCラインCC_CNが「中間電位」のままの場合(S117:Yes)、水滴検知回路21は、「海水付着」を検知する(S120)。
【0082】
ここで、不純物の多い海水の容量成分は、約1μFと非常に大きい。このため、その容量成分によりCCラインCC_CNから電荷が抜けず、CCラインCC_CNのレベルは時定数をもって変化する。なお、水滴検知回路21の海水についてのモデルインピーダンスは、数十kΩ+1μFである。
【0083】
このように、実施形態に係る電子機器1では、プルダウン抵抗219を有効化して電流源215からの第2電流値(Isrc)の出力を無効化してもCCラインCC_CNの「中間電位」が継続されている場合、「海水付着」であると、一時的に、判断される(END5)。
【0084】
一方、電流源215からの第2電流値(Isrc)の出力に対してCCラインCC_CNが「High」の場合(S115:Yes)、水滴検知回路21は、「精製水付着」を検知する(S121)。
【0085】
ここで、不純物の少ない精製水は、容量成分がnFオーダと非常に小さい。このため、CCラインCC_CNのレベルは、電流源215からの第1電流値(Icc_src)の出力に対しては「中間電位」であった一方、電流源215からの出力を第2電流値(Isrc)に切り替えると即座に「High」に切り替わる。なお、水滴検知回路21の精製水についてのモデルインピーダンスは、数百kΩ+数百nFである。
【0086】
このように、実施形態に係る電子機器1では、プルダウン抵抗219を有効化して電流源215からの第2電流値(Isrc)の出力を無効化した際、CCラインCC_CNの「中間電位」がただちに「High」に切り替わった場合、「精製水付着」であると、一時的に、判断される(END6)。
【0087】
また、水滴付着が検知された場合(END5又はEND6)、水滴検知回路21は、CCスイッチ213のオフを継続してCCラインCC_CNへの「High」の出力を停止し、CCラインCC_CNに「Low」を出力する(S122)。具体的には、水滴検知回路21は、CCスイッチ213をオフのままにして、電流源215からの第2電流値(Isrc)の出力を無効化することにより、CCラインCC_CNへの「High」の出力を停止する。また、水滴検知回路21は、第2電流値(Isrc)の出力が無効化された状態でプルダウンスイッチ217をオンしてプルダウン抵抗219を有効化することにより、CCラインCC_CNに「Low」を出力する。
【0088】
このように、実施形態に係る電子機器1では、水滴付着が検知された場合(END5又はEND6)、水分が付いた状態でType-Cコネクタ13においてCC端子間に電流が流れることを防ぐために、CCラインCC_CNに「Low」を出力してプルダウン成分のみとする。
【0089】
また、水滴検知回路21は、GPIO_DETの値を制御することにより、組み込みコントローラ16に「水滴検知」を通知する(S123)。なお、組み込みコントローラ16は、この段階ではシステム側に水滴検知を通知しない。
【0090】
具体的には、「海水付着」が検知された場合(END5)、水滴検知回路21の判定回路211は、電流源215の無効化と、CCラインCC_CNの「中間電位」とに応じてGPIO_DETの値を制御することにより、組み込みコントローラ16に「海水付着」を通知する。
【0091】
具体的には、「精製水付着」が検知された場合(END6)、水滴検知回路21の判定回路211は、電流源215から第2電流値(Isrc)の出力と、CCラインCC_CNの「High」とに応じてGPIO_DETの値を制御することにより、組み込みコントローラ16に「精製水付着」を通知する。
【0092】
組み込みコントローラ16は、水滴検知回路21からのGPIO_DETによる「水滴付着」の通知に応じて、確認用の上限付きの電流を用いた電流測定による水滴検知の確認に係る処理(S122~S132)を行う。
【0093】
組み込みコントローラ16は、水滴検知回路21からのGPIO_DETによる「水滴付着」の通知に応じてCC用HWスイッチ22をオフする(S124)。具体的には、組み込みコントローラ16は、GPIO_CFMの値を制御することによりCC用HWスイッチ22をオフすることにより、Type-C_PDコントローラ17と水滴検知回路21と間のCC信号を分断する。このとき、Type-C_PDコントローラ17からのCC信号は、フロート状態になる。このため、Type-C_PDコントローラ17は、以下の電流測定処理において「デバイス接続なし」と判断することができ、外部デバイスの誤検知の発生を抑制することができる。
【0094】
また、組み込みコントローラ16は、GPIO_CFMの値を制御することにより、電流測定用HWスイッチ28及びプルアップ用HWスイッチ24をオンする(S125)。電流測定用HWスイッチ28がオンされることにより、Type-Cコネクタ13と、水滴検知回路21と、水滴確認用電源26との間の水滴確認用電流経路が有効状態になる。
【0095】
また、組み込みコントローラ16は、GPIO_CFMの値を制御することにより、電流制限電源回路27をオンする(S126)。これにより水滴確認用電源26が有効状態になりType-CコネクタのCC端子に対して上限付きの電流が供給される。
【0096】
このとき、水滴検知回路21のType-C_PDコントローラ17側のCCラインCC_DETは、プルアップ用HWスイッチ24がオンされたことに伴い、プルアップ抵抗25によりプルアップされている。このため、CCラインCC_DETが「High」になり、S108と同様に、シンクデバイス接続待ちとなるため、CCラインCC_CNは、電流源215からの第1電流値(Icc_src)により「High」になる。水滴検知回路21は、確認用の上限付きの電流を供給する電流測定によりCCラインCC_CNが「High」になることにより、「デバイス接続なし」を検知する(END1)。
【0097】
これにより、水滴検知回路21においてCCスイッチ213のオフが継続するため、確認用の上限付きの電流は、水滴検知回路21の側には流れない。つまり、確認用の上限付きの電流を供給する電流測定は、Type-Cコネクタ13だけを対象とすることができる。具体的には、電流測定において組み込みコントローラ16は、Type-Cコネクタ13のCC端子に流れる電流値に応じてセンス抵抗29が発生した電圧値を、信号線SENSEを介してモニタする。
【0098】
確認用の上限付きの電流の供給に対してType-Cコネクタ13のCC端子に閾値以上の電流が流れていない場合(S127:No)、組み込みコントローラ16は、システム側への水滴検知の通知を行わない(S128)。具体的には、Type-Cコネクタ13のCC端子に流れる電流値に応じてセンス抵抗29が発生した電圧値が予め定められた閾値未満である場合、組み込みコントローラ16は、水滴誤検知であると判断し、システム側への通知は行わない。
【0099】
このように、実施形態に係る電子機器1では、確認用の上限付きの電流の供給に対してType-Cコネクタ13のCC端子に閾値以上の電流が流れていない場合には、水滴検知ではなく海水についてのモデルインピーダンスと同等のCC信号インピーダンスを有する不活性化デバイスが接続された「不活性化デバイス接続」であると判断され、システム側への水滴検知の通知が行われない(END7)。
【0100】
一方、確認用の上限付きの電流の供給に対してType-Cコネクタ13のCC端子に閾値以上の電流が流れている場合(S127:Yes)、組み込みコントローラ16は、システム側への水滴検知の通知を行う(S129)。Type-Cコネクタ13のCC端子間に実際に水滴が付いていた場合、コネクタ内の他端子、あるいはGND接続されたコネクタシェル経由で予め定められた閾値以上の電流が流れる。このため、組み込みコントローラ16は、センス抵抗29により閾値以上の電流が流れていることを検知した場合、水滴検知であると判断し、「水滴検知」をシステム側に通知する(END8)。
【0101】
その後、組み込みコントローラ16は、電流測定を完了させるために、GPIO_CFMの値を制御することにより、電流制限電源回路27をオフする(S130)。また、組み込みコントローラ16は、GPIO_CFMの値を制御することにより、プルアップ用HWスイッチ24及び電流測定用HWスイッチ28をオフする(S131)。また、組み込みコントローラ16は、CC用HWスイッチ22をオンにして電流測定前のHW接続に戻す(S132)。その後、処理は終了する。
【0102】
以上説明したように、本実施形態に係る電子機器1は、Type-Cコネクタ13と、水滴確認用電源26と、水滴検知回路21と、組み込みコントローラ16とを備える。Type-Cコネクタ13は、外部デバイスが接続される。水滴確認用電源26は、Type-Cコネクタ13に上限付きの電流を供給可能に構成されている。水滴検知回路21は、Type-Cコネクタ13のインピーダンス変化に応じてType-Cコネクタ13への水滴付着を検知可能に構成されている。組み込みコントローラ16は、インピーダンス変化に基づいてType-Cコネクタ13への水滴付着が水滴検知回路21により検知された場合に水滴確認用電源26により上限付きの電流をType-Cコネクタ13に供給させ、Type-Cコネクタ13に流れる電流が予め定められた閾値以上の場合にはType-Cコネクタ13への外部デバイスの接続であると判別するように構成されている。
【0103】
従来、Type-C規格に対応したType-Cインターフェース(I/F)が搭載されたタブレットPC(Personal Computer)やクラムシェルPC、コンバーチブルPC、スマートフォン、ウェアラブル端末などのモバイル端末(電子機器)が知られている。これらの電子機器においては、例えばバッテリ駆動により屋外での使用が想定されるため、防水機能を有することが好ましい一方、例えば利用のたびにカバーを着脱する手間によってユーザの快適性が損なわれるなど、デザインやユーザビリティの観点からType-Cコネクタを覆うカバーを搭載せず、Type-Cコネクタにおいて端子が露出している場合がある。
【0104】
一般に、Type-CコネクタのCC端子には、Type-Cデバイスの接続を検出するため、PDコントローラの電源電圧にプルアップされたCC信号が供給されている。Type-Cコネクタに水滴が付着すると、CC端子とコネクタ内の他端子とのショートが発生した状態になる。この状態でCC信号により電圧印加されて電流が流れると、端子腐食が発生するおそれがある。また、印加時間が長いほど端子腐食が進行し、Type-Cコネクタの劣化により外部デバイスが認識不可となるおそれがある。さらに、Type-Cコネクタに水滴が付着した状態で外部デバイスが認識された場合には、意図しない電流が流れてしまい、電子機器1や外部デバイスの破損が発生するおそれがある。
【0105】
このような中、水滴検知確認のための構成が搭載されていない従来の技術では、例えば、END5又はEND6の段階でGPIO_DETを使用して組み込みコントローラ16経由でシステム側へ水滴検知の通知が行われる。このため、不活性化デバイスを接続しているにも関わらず、例えば、海水付着と判断されるケースが存在した。これは、電気的に不定状態である不活性化デバイス内のCC信号が、海水についてのモデルインピーダンスと類似の容量成分を持つ場合があるためである。この場合、プルダウン抵抗219を有効化した後、CCラインCC_CNのレベルが即座に「Low」にならないため、従来の技術では「海水付着」と区別できなかった。
【0106】
したがって、水滴検知確認のための構成が搭載されていない従来の技術では、不活性化デバイスが接続された場合、すなわち外部デバイスが電源喪失状態の場合、外部デバイスの回路構成や温度といった動作環境などの要因により水分付着との誤検知が発生する場合があった。また、この誤検知により、外部デバイスを電子機器に接続している状態にも関わらず、水滴検知の通知が組み込みコントローラ16経由でシステム側に行われ、ユーザに対して水滴検知の誤通知をしてしまう場合があった。誤検知が発生すると、ユーザに水分拭き取りを指示する通知が行われたり、Type-C機能が停止したりするなど、ユーザに与える影響は小さくない。
【0107】
一方で、水滴検知確認のための構成を有する実施形態に係る電子機器1によれば、インピーダンス変化に応じて水滴検知された場合に水滴確認用電源26からの上限付きの電流をType-Cコネクタ13に供給し、Type-Cコネクタ13を流れる電流値をモニタすることができる。したがって、実施形態に係る構成によれば、インピーダンス変化では区別が困難であった「海水付着」と「不活性化デバイス接続」とを適切に切り分けることができる。このように、実施形態に係る構成によれば、水滴検知に係る誤検知の一要因を除去し、Type-Cコネクタにおける水滴検知の精度を向上することができる。
【0108】
また、実施形態に係る構成によれば、電子機器1のシステム側の構成に依らず、Type-Cコネクタにおける水滴検知の精度を向上することができるため、システムプラットフォームのハードウェア及びソフトウェアとの組合せによる動作を不要とすることができる。
【0109】
また、実施形態に係る電子機器1において、水滴検知回路21は、Type-Cコネクタ13に第1電流値又は当該第1電流値より大きい第2電流値の電流を供給可能に構成され、インピーダンス変化に応じてType-Cコネクタ13への水滴付着が検知された場合にType-Cコネクタ13に供給する電流を第1電流値から第2電流値に切り替えるように構成された電流源215を有する。この構成によれば、外部デバイスとしてのソースデバイス及びシンクデバイスの接続を検知することができる。
【0110】
また、実施形態に係る電子機器1は、電圧レベルを周期的に切り替えながら出力するように構成されたType-C_PDコントローラ17をさらに備える。また、実施形態に係る電子機器1において、水滴検知回路21は、CCスイッチ213と、判定回路211とを有する。CCスイッチ213は、Type-C_PDコントローラ17とType-Cコネクタ13との間に接続されている。判定回路211は、CCスイッチ213のType-C_PDコントローラ17側及びType-Cコネクタ13側のそれぞれに接続されている。判定回路211は、Type-C_PDコントローラ17から出力された電圧レベルとType-Cコネクタ13の電圧レベルとに応じて、Type-Cコネクタ13への外部デバイスの接続とType-Cコネクタ13への水滴付着とを判定する。判定回路211は、Type-Cコネクタ13への外部デバイスの接続を検知した場合にCCスイッチ213をオンする。この構成によれば、インピーダンス変化に応じて水滴付着を検知することができる。
【0111】
また、実施形態に係る電子機器1は、CC用HWスイッチ22と、プルアップ用HWスイッチ24と、プルアップ抵抗25とをさらに備える。CC用HWスイッチ22は、Type-C_PDコントローラ17と水滴検知回路21との間に接続されている。プルアップ用HWスイッチ24は、水滴検知回路21とCC用HWスイッチ22との間のCCラインCC_DETに接続されている。プルアップ抵抗25は、プルアップ用HWスイッチ24を介して水滴検知回路21に接続されている。また、実施形態に係る電子機器1において、組み込みコントローラ16は、インピーダンス変化に応じてType-Cコネクタ13への水滴付着が検知された場合にCC用HWスイッチ22をオフするとともにプルアップ用HWスイッチ24をオンすることにより、水滴検知回路21にCCスイッチ213をオフさせる。この構成によれば、インピーダンス変化に応じて水滴付着が検知された場合について、不活性化デバイス接続であるか海水付着であるかを切り分けることができる。換言すれば、上記構成によれば、インピーダンス変化に応じて水滴付着が検知された場合のうちの不活性化デバイス接続を判別することができる。
【0112】
また、実施形態に係る電子機器1において、水滴確認用電源26は、センス抵抗29と、電流測定用HWスイッチ28と、電流制限電源回路27とを有する。センス抵抗29は、Type-Cコネクタ13と水滴検知回路21との間の信号線に接続されている。電流測定用HWスイッチ28は、センス抵抗29を介してType-Cコネクタ13に接続されている。電流制限電源回路27は、電流測定用HWスイッチ28及びセンス抵抗29を介してType-Cコネクタ13に供給する確認用の上限付きの電流を発生する。また、実施形態に係る電子機器1において、組み込みコントローラ16は、インピーダンス変化に応じてType-Cコネクタ13への水滴付着が検知された場合に電流測定用HWスイッチ28をオンすることにより、Type-Cコネクタ13に確認用の上限付きの電流を供給するとともに、Type-Cコネクタ13に流れる電流をセンス抵抗29により検出する。この構成によれば、インピーダンス変化に応じて水滴付着が検知された場合について、不活性化デバイス接続であるか海水付着であるかを切り分けることができる。
【0113】
なお、本実施形態の電子機器1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0114】
さらに、本実施形態の電子機器1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態の電子機器1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0115】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、Type-Cコネクタにおける水滴検知の精度を向上することができる。
【0116】
本発明の実施形態及び変形例を説明したが、この実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0117】
(付記)
(1)
外部デバイスが接続されるコネクタと、
前記コネクタに上限付きの電流を供給可能に構成された確認用電源と、
前記コネクタのインピーダンス変化に応じて前記コネクタへの水滴付着を検知可能に構成された検知回路と、
インピーダンス変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着が前記検知回路により検知された場合に前記確認用電源により前記上限付きの電流を前記コネクタに供給させ、前記コネクタに流れる電流が予め定められた閾値以上の場合には前記コネクタへの前記外部デバイスの接続であると判別するように構成された第1コントローラと、
を備える電子機器。
(2)
前記検知回路は、前記コネクタに第1電流値又は当該第1電流値より大きい第2電流値の電流を供給可能に構成され、インピーダンス変化に応じて前記コネクタへの水滴付着が検知された場合に前記コネクタに供給する電流を前記第1電流値から前記第2電流値に切り替えるように構成された電流源を有する、
上記(1)に記載の電子機器。
(3)
電圧レベルを周期的に切り替えながら出力するように構成された第2コントローラをさらに備え、
前記検知回路は、
前記第2コントローラと前記コネクタとの間に接続された第1スイッチと、
前記第1スイッチの前記第2コントローラ側及び前記コネクタ側のそれぞれに接続され、前記第2コントローラから出力された電圧レベルと前記コネクタの電圧レベルとに応じて、前記コネクタへの前記外部デバイスの接続と前記コネクタへの水滴付着とを判定し、前記コネクタへの前記外部デバイスの接続を検知した場合に前記第1スイッチをオンする判定回路と、をさらに有する、
上記(1)又は上記(2)に記載の電子機器。
(4)
前記第2コントローラと前記検知回路との間に接続された第2スイッチと、
前記検知回路と前記第2スイッチとの間の信号線に接続された第3スイッチと、
前記第3スイッチを介して前記検知回路に接続されたプルアップ抵抗と、をさらに備え、
前記第1コントローラは、インピーダンス変化に応じて前記コネクタへの水滴付着が検知された場合に前記第2スイッチをオフするとともに前記第3スイッチをオンすることにより、前記検知回路に前記第1スイッチをオフさせる、
上記(3)に記載の電子機器。
(5)
前記確認用電源は、
前記コネクタと前記検知回路との間の信号線に接続されたセンス抵抗と、
前記センス抵抗を介して前記コネクタに接続された第4スイッチと、
前記第4スイッチ及び前記センス抵抗を介して前記コネクタに供給する前記上限付きの電流を発生する電源回路と、を有し、
前記第1コントローラは、
インピーダンス変化に応じて前記コネクタへの水滴付着が検知された場合に前記第4スイッチをオンすることにより、前記コネクタに前記上限付きの電流を供給するとともに、前記センス抵抗により前記コネクタに流れる電流を検出する、
上記(1)から上記(4)のうちのいずれか一項に記載の電子機器。
【符号の説明】
【0118】
1 電子機器
11 CPU
12 Type-C_I/Fコントローラ
13 Type-Cコネクタ、
15 SPI_ROM_BIOS
16 組み込みコントローラ
17 Type-C_PDコントローラ
21 水滴検知回路
22 CC用HWスイッチ
24 プルアップ用HWスイッチ
25 プルアップ抵抗
26 水滴確認用電源
27 電流制限電源回路
28 電流測定用HWスイッチ
29 センス抵抗
211 判定回路
213 CCスイッチ
215 電流源
217 プルダウンスイッチ
219 プルダウン抵抗
【手続補正書】
【提出日】2024-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部デバイスが接続されるコネクタと、
前記コネクタに上限付きの電流を供給可能に構成された確認用電源と、
前記コネクタに電圧変化確認用の電流を供給可能に構成され、前記コネクタのインピーダンス変化に応じた、前記電圧変化確認用の電流の供給に対する電圧レベルの変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着を検知可能に構成された検知回路と、
前記コネクタのインピーダンス変化に応じた、前記電圧変化確認用の電流の供給に対する電圧レベルの変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着が前記検知回路により検知された場合に、前記確認用電源により前記上限付きの電流を前記コネクタに供給させ、前記コネクタに流れる電流が予め定められた閾値未満の場合には、前記コネクタへの水滴付着ではなく前記コネクタへの前記外部デバイスの接続であると判別し、システム側への水滴検知の通知を行わないように構成された第1コントローラと、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記検知回路は、前記コネクタに第1電流値又は当該第1電流値より大きい第2電流値の電流を供給可能に構成され、前記コネクタのインピーダンス変化に応じた、前記第1電流値の電流の供給に対する電圧レベルの変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着が検知された場合に、前記コネクタに供給する電流を前記第1電流値から前記第2電流値の前記電圧変化確認用の電流に切り替えるように構成された電流源を有する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
電圧レベルを周期的に切り替えながら出力するように構成された第2コントローラをさらに備え、
前記検知回路は、
前記第2コントローラと前記コネクタとの間に接続された第1スイッチと、
前記第1スイッチの前記第2コントローラ側及び前記コネクタ側のそれぞれに接続され、前記第2コントローラから出力された電圧レベルと前記コネクタの電圧レベルとに応じて、前記コネクタへの前記外部デバイスの接続と前記コネクタへの水滴付着とを判定し、前記第1電流値又は前記第2電流値の電流の供給に対する前記コネクタの電圧レベルの変化に基づいて前記コネクタへの前記外部デバイスの接続であると判定した場合に前記第1スイッチをオンする判定回路と、をさらに有する、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第2コントローラと前記検知回路との間に接続された第2スイッチと、
前記検知回路と前記第2スイッチとの間の信号線に接続された第3スイッチと、
前記第3スイッチを介して前記検知回路に接続されたプルアップ抵抗と、をさらに備え、
前記第1コントローラは、前記コネクタのインピーダンス変化に応じた、前記第2電流値の電流の供給に対する電圧レベルの変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着が前記検知回路により検知された場合に、前記第2スイッチをオフするとともに前記第3スイッチをオンすることにより、前記検知回路に前記第1スイッチをオフさせる、
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記確認用電源は、
前記コネクタと前記検知回路との間の信号線に接続されたセンス抵抗と、
前記センス抵抗を介して前記コネクタに接続された第4スイッチと、
前記第4スイッチ及び前記センス抵抗を介して前記コネクタに供給する前記上限付きの電流を発生する電源回路と、を有し、
前記第1コントローラは、
前記コネクタのインピーダンス変化に応じた、前記電圧変化確認用の電流の供給に対する電圧レベルの変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着が検知された場合に、前記第4スイッチをオンすることにより、前記コネクタに前記上限付きの電流を供給するとともに、前記コネクタに流れる電流を前記センス抵抗により検出する、
請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の電子機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の一態様に係る電子機器は、コネクタと、確認用電源と、検知回路と、第1コントローラとを備える。前記コネクタは、外部デバイスが接続される。前記確認用電源は、前記コネクタに上限付きの電流を供給可能に構成されている。前記検知回路は、前記コネクタに電圧変化確認用の電流を供給可能に構成されている。前記検知回路は、前記コネクタのインピーダンス変化に応じた、前記電圧変化確認用の電流の供給に対する電圧レベルの変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着を検知可能に構成されている。前記第1コントローラは、前記コネクタのインピーダンス変化に応じた、前記電圧変化確認用の電流の供給に対する電圧レベルの変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着が前記検知回路により検知された場合に、前記確認用電源により前記上限付きの電流を前記コネクタに供給させ、前記コネクタに流れる電流が予め定められた閾値未満の場合には、前記コネクタへの水滴付着ではなく前記コネクタへの前記外部デバイスの接続であると判別し、システム側への水滴検知の通知を行わないように構成されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
一例として、組み込みコントローラ16は、上限付きの電流の供給に対して予め定められた閾値以上の電流がType-Cコネクタ13に流れなかった場合には水滴誤検知、すなわちType-Cコネクタ13への外部デバイスの接続であると判別する。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部デバイスが接続されるコネクタと、
前記コネクタに上限付きの電流を供給可能に構成された確認用電源と、
前記コネクタに電圧変化確認用の電流を供給可能に構成され、前記コネクタのインピーダンス変化に応じた、前記電圧変化確認用の電流の供給に対する電圧レベルの変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着を検知可能に構成された検知回路と、
前記コネクタのインピーダンス変化に応じた、前記電圧変化確認用の電流の供給に対する電圧レベルの変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着が前記検知回路により検知された場合に、前記確認用電源により前記上限付きの電流を前記コネクタに供給させ、前記コネクタに流れる電流が予め定められた閾値未満の場合には、前記コネクタへの水滴付着ではなく前記コネクタへの前記外部デバイスの接続であると判別し、機器全体を制御するプロセッサへの水滴検知の通知を行わないように構成された第1コントローラと、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記検知回路は、前記コネクタに第1電流値又は当該第1電流値より大きい第2電流値の電流を供給可能に構成され、前記コネクタのインピーダンス変化に応じた、前記第1電流値の電流の供給に対する電圧レベルの変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着が検知された場合に、前記コネクタに供給する電流を前記第1電流値から前記第2電流値の前記電圧変化確認用の電流に切り替えるように構成された電流源を有する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
電圧レベルを周期的に切り替えながら出力するように構成された第2コントローラをさらに備え、
前記検知回路は、
前記第2コントローラと前記コネクタとの間に接続された第1スイッチと、
前記第1スイッチの前記第2コントローラ側及び前記コネクタ側のそれぞれに接続され、前記第2コントローラから出力された電圧レベルと前記コネクタの電圧レベルとに応じて、前記コネクタへの前記外部デバイスの接続と前記コネクタへの水滴付着とを判定し、前記第1電流値又は前記第2電流値の電流の供給に対する前記コネクタの電圧レベルの変化に基づいて前記コネクタへの前記外部デバイスの接続であると判定した場合に前記第1スイッチをオンする判定回路と、をさらに有する、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第2コントローラと前記検知回路との間に接続された第2スイッチと、
前記検知回路と前記第2スイッチとの間の信号線に接続された第3スイッチと、
前記第3スイッチを介して前記検知回路に接続されたプルアップ抵抗と、をさらに備え、
前記第1コントローラは、前記コネクタのインピーダンス変化に応じた、前記第2電流値の電流の供給に対する電圧レベルの変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着が前記検知回路により検知された場合に、前記第2スイッチをオフするとともに前記第3スイッチをオンすることにより、前記検知回路に前記第1スイッチをオフさせる、
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記確認用電源は、
前記コネクタと前記検知回路との間の信号線に接続されたセンス抵抗と、
前記センス抵抗を介して前記コネクタに接続された第4スイッチと、
前記第4スイッチ及び前記センス抵抗を介して前記コネクタに供給する前記上限付きの電流を発生する電源回路と、を有し、
前記第1コントローラは、
前記コネクタのインピーダンス変化に応じた、前記電圧変化確認用の電流の供給に対する電圧レベルの変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着が検知された場合に、前記第4スイッチをオンすることにより、前記コネクタに前記上限付きの電流を供給するとともに、前記コネクタに流れる電流を前記センス抵抗により検出する、
請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の電子機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の一態様に係る電子機器は、コネクタと、確認用電源と、検知回路と、第1コントローラとを備える。前記コネクタは、外部デバイスが接続される。前記確認用電源は、前記コネクタに上限付きの電流を供給可能に構成されている。前記検知回路は、前記コネクタに電圧変化確認用の電流を供給可能に構成されている。前記検知回路は、前記コネクタのインピーダンス変化に応じた、前記電圧変化確認用の電流の供給に対する電圧レベルの変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着を検知可能に構成されている。前記第1コントローラは、前記コネクタのインピーダンス変化に応じた、前記電圧変化確認用の電流の供給に対する電圧レベルの変化に基づいて前記コネクタへの水滴付着が前記検知回路により検知された場合に、前記確認用電源により前記上限付きの電流を前記コネクタに供給させ、前記コネクタに流れる電流が予め定められた閾値未満の場合には、前記コネクタへの水滴付着ではなく前記コネクタへの前記外部デバイスの接続であると判別し、機器全体を制御するプロセッサへの水滴検知の通知を行わないように構成されている。