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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109348
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/12 20060101AFI20240806BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20240806BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H05K7/12 M
H05K7/00 F
G06F1/16 312F
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014090
(22)【出願日】2023-02-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】滝澤 博至
(72)【発明者】
【氏名】桑田 武則
(72)【発明者】
【氏名】▲塚▼崎 遥
【テーマコード(参考)】
4E352
4E353
【Fターム(参考)】
4E352AA09
4E352BB02
4E352BB03
4E352BB08
4E352CC18
4E352CC52
4E352DD05
4E352DR34
4E352GG25
4E353AA30
4E353BB02
4E353BB04
4E353CC22
4E353CC32
4E353CC40
4E353GG30
(57)【要約】
【課題】小型化が可能な電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、表示装置と、前記表示装置の設置面と、前記設置面の周囲から前記表示装置の厚さ方向に突出するとともに前記設置面を囲む第1壁と、を有し、前記表示装置を収容する筐体と、前記表示装置を前記筐体の前記設置面に接着するストレッチリリーステープと、を備え、前記ストレッチリリーステープは、前記表示装置の縁と前記第1壁との間において多層化された摘み部を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、
前記表示装置の設置面と、前記設置面の周囲から前記表示装置の厚さ方向に突出するとともに前記設置面を囲む第1壁と、を有し、前記表示装置を収容する筐体と、
前記表示装置を前記筐体の前記設置面に接着するストレッチリリーステープと、
を備え、
前記ストレッチリリーステープは、前記表示装置の縁と前記第1壁との間において多層化された摘み部を有する、
電子機器。
【請求項2】
前記筐体に収容されるとともに前記第1壁よりも内側に位置する配線をさらに備え、
前記筐体は、前記設置面から突出するとともに前記配線よりも内側に位置する第2壁を有し、
前記摘み部は、前記縁と前記第2壁との間に位置する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記摘み部は、前記第2壁を横断して前記配線を覆う、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記筐体に収容されるとともに前記第1壁よりも内側に位置する配線をさらに備え、
前記摘み部は、前記配線を前記設置面に貼り付けるとともに覆う、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記筐体には、前記第1壁と前記第2壁とのうち少なくとも一つに溝部が設けられ、
前記溝部は、前記設置面に向かって凹む、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項6】
表示装置と、
前記表示装置の設置面と、前記設置面の周囲から前記表示装置の厚さ方向に突出するとともに前記設置面を囲む第1壁と、前記設置面から突出するとともに前記第1壁よりも内側に位置する第2壁と、を有し、前記第1壁と前記第2壁とのうち少なくとも一つに溝部が設けられ、前記表示装置を収容する筐体と、
前記表示装置を前記筐体の前記設置面に接着するストレッチリリーステープと、
を備え、
前記ストレッチリリーステープは、前記表示装置の縁と前記第2壁との間において多層化された摘み部を有し、
前記溝部は、前記設置面に向かって凹む、
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラップトップ型のパーソナルコンピュータ(PC)のような電子機器は、液晶ディスプレイ(LCD)のような表示装置を有する。表示装置は、例えば、電子機器の表示部の筐体に収容されるとともに、複数のストレッチリリーステープによって当該筐体に固定されている。
【0003】
解体および修理時において、表示装置が筐体から取り外されることがある。上述の従来の電子機器では、表示装置を筐体から取り外すため、ストレッチリリーステープが引っ張られて表示装置および筐体から剥がされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-186357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
筐体には、ストレッチリリーステープを引っ張るための部分を収容する空間が設けられる。さらに、筐体には、例えば、WLANケーブルを収容するためのスペースが設けられ、電子機器の小型化が困難となっている。
【0006】
本発明が解決する課題の一例は、小型化が可能な電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電子機器は、表示装置と、前記表示装置の設置面と、前記設置面の周囲から前記表示装置の厚さ方向に突出するとともに前記設置面を囲む第1壁と、を有し、前記表示装置を収容する筐体と、前記表示装置を前記筐体の前記設置面に接着するストレッチリリーステープと、を備え、前記ストレッチリリーステープは、前記表示装置の縁と前記第1壁との間において多層化された摘み部を有する。
【0008】
前記電子機器は、前記筐体に収容されるとともに前記第1壁よりも内側に位置する配線をさらに備え、前記筐体は、前記内面から突出するとともに前記配線よりも内側に位置する第2壁を有し、前記摘み部は、前記縁と前記第2壁との間に位置する。
【0009】
前記電子機器では、前記摘み部は、前記第2壁を横断して前記配線を覆う。
【0010】
前記電子機器は、前記筐体に収容されるとともに前記第1壁よりも内側に位置する配線をさらに備え、前記摘み部は、前記配線を前記内面に貼り付けるとともに覆う。
【0011】
前記電子機器では、前記筐体には、前記第1壁と前記第2壁とのうち少なくとも一つに溝部が設けられ、前記溝部は、前記内面に向かって凹む。
【0012】
本発明の電子機器は、画像を表示可能な表示面と、前記表示面に沿う第1方向に向く縁と、を有する表示装置と、内部に向く内面と、前記内面から突出するとともに前記内面を囲む第1壁と、前記内面から突出するとともに前記第1壁よりも内側に位置する第2壁と、を有し、前記第1壁と前記第2壁とのうち少なくとも一つに溝部が設けられ、前記表示装置を収容する筐体と、前記表示装置を前記筐体に接着するストレッチリリーステープと、を備え、前記ストレッチリリーステープは、前記第1方向における端を含む多層化された摘み部を有し、前記摘み部は、前記縁と前記第2壁との間に位置し、前記溝部は、前記内面に向かって凹む。
【発明の効果】
【0013】
本発明の上記態様によれば、小型化が可能な電子機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、第1実施形態のノートPCの斜視図である。
図2図2は、第1実施形態の表示部筐体の平面図である。
図3図3は、第1実施形態のノートPCの一部を拡大した断面図である。
図4図4は、第2実施形態のノートPCの一部を拡大した断面図である。
図5図5は、第3実施形態のノートPCの一部を拡大した断面図である。
図6図6は、変形例のノートPCの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態)
以下、実施形態に係るノートPC1を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
【0016】
また、以下に開示される複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれる。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。なお、本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0017】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態のノートPC1の斜視図である。本実施形態のノートPC1は、ラップトップ型のPCである。しかしながら、ノートPC1は、これに限定されず、例えばタブレット、スマートフォン、又はモニター等であっても良い。なお、ノートPC1は、電子機器の一例である。
【0018】
図1に示すように、ノートPC1は、ベース部2と、ヒンジ3と、表示装置4と、表示部筐体5と、を備える。なお、表示部筐体5は、筐体の一例である。
【0019】
以下の各図では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、ベース部2の短手方向に沿う方向であり、前後方向とも称され得る。Y方向は、ベース部2の長手方向に沿う方向であり、左右方向とも称され得る。Z方向は、ベース部2の厚さ方向に沿う方向であり、上下方向とも称され得る。なお、本実施形態における前後左右上下のような方向を示す表現は、便宜上の呼称であり、ノートPC1の位置、姿勢、及び使用態様を限定するものではない。
【0020】
さらに、図1では、便宜上、表示装置4の短手方向がDwがとして定義される。短手方向Dwは、ベース部2に対する表示装置4の傾き(開き角度)によって変わる。図1の例では、短手方向DwがZ方向に沿っている。
【0021】
ベース部2は、上面21を有する。上面21は、略上方向(+Z方向)に向く略平坦な面である。上面21は、上下方向(Z方向)と直交する方向(XY平面)に沿って延びている。なお、上面21は、この例に限られず、凹凸を有しても良い。
【0022】
ベース部2は、例えば、基板、CPU、ROM、RAM、HDD又はSSDのようなストレージ、バッテリ、アンテナ、及び他の種々の部品を収容する。ベース部2の上面21には、入力手段である複数のキー22およびタッチパッド23が設けられている。
【0023】
ヒンジ3は、ベース部2と表示部筐体5とが互いに回動可能なように接続するものである。ヒンジ3は、後方向(-X方向)におけるベース部2の端部である後端部2aに設けられる。ヒンジ3は、ベース部2の後端部2aと、短手方向Dwの下方向における表示部筐体5の端部である下端部5aと、を互いに接続している。
【0024】
表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)または有機ELディスプレイのような画像を表示可能な装置である。表示装置4は、表示面41を有する。表示面41は、略平坦に形成され画像を表示可能である。表示面41に、例えば、タッチパネルが設けられても良い。その場合、ユーザは、表示面41へのタッチ操作により表示装置4を操作することができる。
【0025】
図2は、第1実施形態の表示部筐体5の平面図である。図2に示すように、表示装置4は、上縁42と、下縁43と、を有する。なお、上縁42は縁の一例である。
【0026】
上縁42は、表示装置4の短手方向Dwにおける上方向に向く縁である。短手方向Dwは、表示面41に沿う方向である。本実施形態において、上縁42は、短手方向Dwにおける上方向の表示装置4の端部に設けられる。なお、上縁42は、この例に限られない。
【0027】
下縁43は、表示装置4の短手方向Dwにおける下方向に向く縁である。下縁43は、上縁42の反対側に位置する。本実施形態において、下縁43は、表示装置4のパネルの、短手方向Dwにおける下方向の端部に設けられる。例えば、表示装置4の基板が幅方向における表示装置4のパネルの略中央部分から、短手方向Dwにおける下方向に突出している。なお、下縁43は、この例に限られない。
【0028】
表示部筐体5は、ヒンジ3に回転可能に取り付けられる。本実施形態において、ヒンジ3に取り付けられた表示部筐体5は、ベース部2およびヒンジ3に対して回転することができる。表示部筐体5は、例えば、金属製又は樹脂製であり、略矩形(四角形)の薄い箱状に形成されている。表示部筐体5の内部の空間には、例えば、表示装置4等の種々の部品が収容されている。
【0029】
図1に示すように、表示部筐体5は、バックカバー51と、ベゼル52と、を有する。バックカバー51とベゼル52とは、表示部筐体5の厚さ方向に組み合わされ、例えば分解時において互いに分割可能である。
【0030】
図2に示すように、バックカバー51は、後壁511と、周壁512と、を有する。なお、周壁512は、第1壁の一例である。後壁511は、表示装置4のうち表示面41の反対側に位置する背面を覆う。
【0031】
後壁511は、内面513と、ガイドリブ514と、を有する。なお、内面513は、設置面の一例であり、ガイドリブ514は、第2壁の一例である。内面513は、表示部筐体5の内部に向く略平坦な面である。なお、内面513に、凹凸が設けられても良いし、曲面が設けられても良い。内面513は、表示装置4の背面に向いている。
【0032】
図3は、第1実施形態のノートPC1の一部を拡大した断面図である。図3に示すように、ガイドリブ514は、表示装置4の上縁42に隣接する位置で、内面513から表示部筐体5の厚さ方向に突出している。すなわち、表示装置4の上縁42は、ガイドリブ514に面している。なお、ガイドリブ514は、上縁42から僅かに離れている。
【0033】
周壁512は、内面513の縁から表示部筐体5の厚さ方向に突出した枠状の壁であり、表示装置4および内面513を囲んでいる。さらに、周壁512の内側には、ガイドリブ514が位置する。
【0034】
ノートPC1は、ケーブル6をさらに備える。なお、ケーブル6は、配線の一例である。ケーブル6は、例えば、WLANケーブル等である。ケーブル6は、周壁512とガイドリブ514との間に嵌め込まれて、表示部筐体5に収容されている。すなわち、ガイドリブ514は、表示部筐体5においてケーブル6の位置決めをしている。
【0035】
ベゼル52は、バックカバー51の周壁512に取り付けられる。図1に示すように、ベゼル52は、前面521を有する。前面521は、図1のようにノートPC1が開かれた状態において、おおよそ前方向に向く略平坦な面である。前面521は、当該前面521が向く方向と直交する方向に沿って延びている。
【0036】
ベゼル52には、開口部522が設けられている。開口部522は、前面521に開口している。開口部522は、表示面41を表示部筐体5の外部に露出させる。すなわち、表示面41は、開口部522を通じて表示部筐体5のおおそよ前方向へ向く。さらに、ベゼル52は、表示装置4の表示面41を囲んでいる。
【0037】
図2に示すように、ノートPC1は、ストレッチリリーステープ7をさらに備える。ストレッチリリーステープ7は、表示装置4を表示部筐体5の内面513に接着するものである。すなわち、ストレッチリリーステープ7は、表示部筐体5に収容されている。なお、本実施形態では、二つのストレッチリリーステープ7が設けられている。しかし、ストレッチリリーステープ7の数は二つに限られず、適宜変更されて良い。
【0038】
各ストレッチリリーステープ7は、互いに表示部筐体5の幅方向に離間して内面513に貼り付けられている。なお、各ストレッチリリーステープ7が互いに離間する方向は、表示部筐体5の幅方向に限られない。例えば、各ストレッチリリーステープ7は、互いに表示装置4の短手方向Dwに離間して表示部筐体5の内面513に貼り付けられても良い。
【0039】
各ストレッチリリーステープ7は、表示部筐体5の内面513に貼り付けられるとともに、表示装置4の短手方向Dwに沿って延びている。
【0040】
図3に示すように、ストレッチリリーステープ7は、介在部71と、摘み部72と、を有する。介在部71は、表示部筐体5に表示装置4が収容された状態において、表示装置4と表示部筐体5の内面513との間に位置して表示装置4を表示部筐体5の内面513に接着する部分である。すなわち、介在部71は、表示装置4に向く表示部筐体5の内面513と表示装置4とを接着させている。
【0041】
介在部71は、接着面711と、非接着面712と、を有する。接着面711は、介在部71の一方の面であり、表示部筐体5に表示装置4が収容された状態において、介在部71における表示装置4に面している。なお、接着面711は、これに限られず、例えば、表示部筐体5に表示装置4が収容された状態において、表示部筐体5の内面513に面しても良い。
【0042】
未使用のストレッチリリーステープ7の接着面711には、非接着性の層であるセパレーターが貼られている。非接着面712は、例えば、接着面711にセパレーター等を貼り付けることで形成される。すなわち、非接着面712は、接着面711においてセパレーターが残っている部分である。これにより、表示装置4は、表示部筐体に対する位置決めを行い易くなる。
【0043】
摘み部72は、作業者がストレッチリリーステープ7を表示部筐体5の内面513から剥がす際に掴む部分である。摘み部72は、短手方向Dwの上方向におけるストレッチリリーステープ7の端7aを含み多層化されている。
【0044】
摘み部72は、まず、作業者が短手方向Dwの上方向におけるストレッチリリーステープ7の端7aを周壁512横断させて表示部筐体5の外面515に貼り付ける。そして、外面515に貼り付けられている端7aを丸めることで形成される。
【0045】
本実施形態では、表示部筐体5の角部は丸みを帯びている。これにより、作業者は、外面515に貼り付けられたストレッチリリーステープ7の端7aを当該外面515から剥がし易くなる。
【0046】
なお、本実施形態では、摘み部72は、端7aを丸めることで多層化させているが、これに限らない。例えば、摘み部72は、端7aを折り畳むことで多層化させても良い。また、ストレッチリリーステープ7の長さは、形成したい摘み部72の厚さに応じて、適宜変更しても良い。
【0047】
摘み部72は、短手方向Dwの上方向においてガイドリブ514に当接するとともに当該ガイドリブ514と表示装置4の上縁42との間に位置する。すなわち、摘み部72は、短手方向Dwの上方向において周壁512と表示装置4の上縁42との間に位置する。
【0048】
ノートPC1を製造する際、表示装置4は、ストレッチリリーステープ7を介して表示部筐体5に取り付けられる。ストレッチリリーステープ7は、表示部筐体5の内面513に短手方向Dwに渡って貼り付けられる。この場合、短手方向Dwの上方向におけるストレッチリリーステープ7の端7aは、周壁512を横断して表示部筐体5の外まで延びて、外面515に貼り付けられている。
【0049】
作業者によってセパレーターが剥がされた後、外面515に貼り付けられたストレッチリリーステープ7の端7aは、表示部筐体5に向かって丸められて摘み部72が形成される。形成された摘み部72は、ガイドリブ514に当接して表示部筐体5に収容される。
【0050】
表示装置4をストレッチリリーステープ7に貼り付ける際、作業者は、表示装置4の上縁42をセパレーターが残っている非接着面712と摘み部72とに当接させながらストレッチリリーステープ7に貼り付ける。摘み部72は、ガイドリブ514に当接している。そのため、表示装置4は、摘み部72を介して表示部筐体5に対して位置決めされる。
【0051】
また、ノートPC1を解体および修理する際、作業者は、ストレッチリリーステープ7を引っ張ることで表示装置4を表示部筐体5から取り外す。
【0052】
従来のノートPCでは、例えば、表示部筐体には、内面から突出した突起が設けられている。ストレッチリリーステープの摘み部は、突起によって表示部筐体の内面から浮かされることで作業者が摘み易くなっている。このような構成のため、表示部筐体の幅は、少なくとも突起の幅だけ広くなる。
【0053】
一方、本実施形態のノートPC1では、ストレッチリリーステープ7の摘み部72は、丸められているため、一定の厚みを有しており、作業者は摘み部72を摘み易い。そのため、本実施形態の表示部筐体5には、摘み部72を内面513から浮かすための突起が設けられていない。これにより、表示部筐体5では、従来の突起を設けるための空間を削減できる。従って、本実施形態のノートPC1では、表示部筐体5の小型化が可能である。
【0054】
以上のように、本実施形態のノートPC1は、表示装置4と、表示部筐体5と、ストレッチリリーステープ7と、を備える。表示部筐体5は、周壁512と、表示装置4の設置面である内面513と、を有し、表示装置4を収容する。周壁512は、内面513の周囲から表示装置4の厚さ方向に突出するとともに内面513を囲む。ストレッチリリーステープ7は、表示装置4を表示部筐体5の内面513に接着させる。さらに、ストレッチリリーステープ7は、摘み部72を有する。摘み部72は、表示装置4の上縁42と周壁512との間において多層化されている。
【0055】
電子機器を解体および修理する場合、作業者は表示装置4と表示部筐体5とを接着しているストレッチリリーステープ7を剥がすことによって、表示部筐体5から表示装置4を取り外す。ストレッチリリーステープ7を表示装置4および表示部筐体5から剥がす際、作業者はストレッチリリーステープ7の摘み部72を摘まんで引っ張り、ストレッチリリーステープ7の接着力を低減又は消失させる。
【0056】
従来のノートPCでは、ストレッチリリーステープの摘み部を表示部筐体の内面から離間させて、作業者がストレッチリリーステープの摘み部を摘み易くするための突起が設けられていた。一方で、本実施形態のノートPC1では、摘み部72は多層化されることで一定の厚みを有している。そのため、作業者は、摘み部72を摘み易くするための突起が無くとも摘み部72を容易に掴むことができる。これにより、表示部筐体5の幅を細くすることが可能となり、ノートPC1は小型化可能となる。
【0057】
また、摘み部72は、周壁512の内側に位置するとともに一定の幅を有している。そのため、表示装置4をストレッチリリーステープ7に貼り付ける際、表示装置4の上縁42を摘み部72に当接させながら貼り付けることで、表示部筐体5に対する表示装置4の位置決めが可能である。
【0058】
また、本実施形態では、ノートPC1は、ケーブル6をさらに備える。ケーブル6は、表示部筐体5に収容されるとともに周壁512よりも内側に位置する。表示部筐体5は、内面513から突出するとともにケーブル6よりも内側に位置するガイドリブ514を有する。摘み部72は、上縁42とガイドリブ514との間に位置する。
【0059】
ケーブル6は、周壁512とガイドリブ514とに挟まれることで設置位置からの移動を抑制されている。さらに、摘み部72は、ガイドリブ514よりも内側に位置している。これにより、表示部筐体5は、ケーブル6の移動を抑制するガイドリブ514を設けつつ小型化が可能である。
【0060】
<第2実施形態>
図4は、第2実施形態のノートPC1Aの一部を拡大した断面図である。図4に示すように、第2実施形態のノートPC1Aは、下記に説明される構成を除き、前記第1実施形態のノートPC1と同様の構成を備えている。よって、第2実施形態によっても、前記第1実施形態と同様の構成に基づく効果が得られる。
【0061】
第2実施形態の表示部筐体5Aは、前記第1実施形態よりも高さが低くなったガイドリブ514Aを有する。さらに、図4においてストレッチリリーステープ7の摘み部72は、ガイドリブ514Aを横断してケーブル6を上方から覆っている。
【0062】
本実施形態では、前記第1実施形態とは異なり、摘み部72の位置がケーブル6の上方にある。そのため、第2実施形態の表示部筐体5Aの幅は、少なくとも摘み部72の幅だけ狭くなる。これにより、本実施形態のノートPC1Aは、更なる小型化が可能である。
【0063】
以上のように、本実施形態では、摘み部72は、ガイドリブ514Aを横断してケーブル6を覆う。摘み部72は、ガイドリブ514Aを横断してケーブル6を上方から覆っている。すなわち、摘み部72は、ケーブル6の上方に位置する。これにより、表示部筐体5Aは、ガイドリブ514Aを設けつつ、少なくとも摘み部72の幅だけ小型化が可能である。
【0064】
<第3実施形態>
図5は、第3実施形態のノートPC1Bの一部を拡大した断面図である。図5に示すように、第3実施形態のノートPC1Bは、下記に説明される構成を除き、前記第1実施形態のノートPC1及び前記第2実施形態のノートPC1Aと同様の構成を備えている。よって、第3実施形態によっても、前記第1実施形態及び前記第2実施形態と同様の構成に基づく効果が得られる。
【0065】
第3実施形態の表示部筐体5Bは、前記第1実施形態及び前記第2実施形態とは異なり、ガイドリブ514、514Aを有していない。そのため、第3実施形態の表示部筐体5Bの幅は、少なくともガイドリブ514、514Aの幅だけ狭くなる。これにより、本実施形態のノートPC1Bは、更なる小型化が可能である。
【0066】
また、本実施形態では、ストレッチリリーステープ7の摘み部72は、図5においてケーブル6と当接するとともに上方から覆っている。すなわち、摘み部72は、ケーブル6を表示部筐体5Bの内面513に貼り付けるとともに上方から覆っている。そのため、例えば、表示部筐体5Bに衝撃が加わった際、摘み部72はケーブル6の振動を抑制するダンパーとして機能する。これにより、ケーブル6は設置位置から外れ難くなる。
【0067】
以上のように、本実施形態では、摘み部72は、ケーブル6を内面513に貼り付けるとともに覆う。これにより、例えば、表示部筐体5Bに衝撃が加わった際、摘み部72はケーブル6の振動を抑制する。従って、摘み部72は、ケーブル6の振動を抑制するダンパーとして機能する。
【0068】
<変形例>
図6は、変形例のノートPC1の斜視図である。例えば、図6に示すように、周壁512と、ガイドリブ514と、にはそれぞれ溝部516が設けられても良い。
【0069】
溝部516は、表示部筐体5の内面513に向かって凹んでいる。また、溝部516の幅は、少なくとも作業者の握力によって変形したストレッチリリーステープ7が通過可能な広さである。
【0070】
表示部筐体5から表示装置4を取り外すためにストレッチリリーステープ7を引っ張る際、ストレッチリリーステープ7の摘み部72とガイドリブ514との間に空間が無い場合、ストレッチリリーステープ7の摘み部72を表示部筐体5の内面513に対して水平方向に引っ張り難い。言い換えると、表示部筐体5の内面513に対してストレッチリリーステープ7の摘み部72を引っ張る角度が急になる。
【0071】
また、ストレッチリリーステープ7の摘み部72とガイドリブ514との間に空間が無い場合、表示部筐体5の内面513に貼り付けられたストレッチリリーステープ7に対して摘み部72が左右方向にズレながら引っ張られる虞がある。
【0072】
そのため、ストレッチリリーステープ7の摘み部72とガイドリブ514との間に空間が無い状態において当該摘み部72を引っ張ると、ストレッチリリーステープ7が千切れる、ストレッチリリーステープ7に貼り付いている表示装置4が撓む等の虞がある。
【0073】
変形例では、周壁512と、ガイドリブ514と、に溝部516が設けられていることで、作業者は摘み部72を溝部516に通過させながらストレッチリリーステープ7を引っ張ることが可能である。これにより、変形例では、ストレッチリリーステープ7の摘み部72を表示部筐体5の内面513に対して水平方向に引っ張り易くなる。
【0074】
さらに、溝部516を通過しながら引っ張られるストレッチリリーステープ7は、当該溝部516によって表示部筐体5における左右方向にガイドされる。これにより、摘み部72は、表示部筐体5の内面513に貼り付けられたストレッチリリーステープ7に対して左右方向にズレ難くなる。
【0075】
従って、変形例のノートPC1では、ストレッチリリーステープ7を引っ張る際に発生し得るストレッチリリーステープ7の千切れ、表示装置4の撓み等を抑制することが可能である。
【0076】
なお、図6に示す変形例では、溝部516は、周壁512と、ガイドリブ514と、にそれぞれ設けられているが、周壁512とガイドリブ514とのうち少なくとも一つに設けられていれば良い。
【0077】
以上のように、本実施形態では、表示部筐体5には、周壁512とガイドリブ514とのうち少なくとも一つに溝部516が設けられる。溝部516は内面513に向かって凹む。作業者がストレッチリリーステープ7の摘み部72を引っ張る際、摘み部72とガイドリブ514との間に空間が無い場合、ストレッチリリーステープ7を正常に剥がすことは困難である。そのため、作業者は、ガイドリブ514に設けられた溝部516にストレッチリリーステープ7を通過させながら摘み部72を引っ張る。これにより、作業者は、ストレッチリリーステープ7を正常に剥がすことができる。
【0078】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0079】
1、1A、1B ノートPC(電子機器)
4 表示装置
42 上縁(縁)
5、5A、5B 表示部筐体(筐体)
512 周壁(第1壁)
513 内面(設置面)
514、514A ガイドリブ(第2壁)
516 溝部
6 ケーブル(配線)
7 ストレッチリリーステープ
72 摘み部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-06-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、
前記表示装置の設置面と、前記設置面の周囲から前記表示装置の厚さ方向に突出するとともに前記設置面を囲む第1壁と、を有し、前記表示装置を収容する筐体と、
前記表示装置を前記筐体の前記設置面に接着するストレッチリリーステープと、
を備え、
前記ストレッチリリーステープは、前記表示装置の縁と前記第1壁との間において当該ストレッチリリーステープの端を丸めることで形成される摘み部又は当該ストレッチリリーステープの端を折り畳むことで形成される摘み部を有する、
電子機器。
【請求項2】
前記筐体に収容されるとともに前記第1壁よりも内側に位置する配線をさらに備え、
前記筐体は、前記設置面から突出するとともに前記配線よりも内側に位置する第2壁を有し、
前記摘み部は、前記縁と前記第2壁との間に位置する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記摘み部は、前記第2壁を横断して前記配線を覆う、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記筐体に収容されるとともに前記第1壁よりも内側に位置する配線をさらに備え、
前記摘み部は、前記配線を前記設置面に貼り付けるとともに覆う、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記筐体には、前記第1壁と前記第2壁とのうち少なくとも一つに溝部が設けられ、
前記溝部は、前記設置面に向かって凹む、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項6】
表示装置と、
前記表示装置の設置面と、前記設置面の周囲から前記表示装置の厚さ方向に突出するとともに前記設置面を囲む第1壁と、前記設置面から突出するとともに前記第1壁よりも内側に位置する第2壁と、を有し、前記第1壁と前記第2壁とのうち少なくとも一つに溝部が設けられ、前記表示装置を収容する筐体と、
前記表示装置を前記筐体の前記設置面に接着するストレッチリリーステープと、
を備え、
前記ストレッチリリーステープは、前記表示装置の縁と前記第2壁との間において多層化された摘み部を有し、
前記溝部は、前記設置面に向かって凹む、
電子機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の電子機器は、表示装置と、前記表示装置の設置面と、前記設置面の周囲から前記表示装置の厚さ方向に突出するとともに前記設置面を囲む第1壁と、を有し、前記表示装置を収容する筐体と、前記表示装置を前記筐体の前記設置面に接着するストレッチリリーステープと、を備え、前記ストレッチリリーステープは、前記表示装置の縁と前記第1壁との間において当該ストレッチリリーステープの端を丸めることで形成される摘み部又は当該ストレッチリリーステープの端を折り畳むことで形成される摘み部を有する。