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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109352
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】食材の撹拌洗浄機
(51)【国際特許分類】
   A23N 12/02 20060101AFI20240806BHJP
   A47J 43/24 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A23N12/02 Q
A47J43/24
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014097
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】392035019
【氏名又は名称】吉泉産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 啓輔
【テーマコード(参考)】
4B053
4B061
【Fターム(参考)】
4B053AA01
4B053BA20
4B053BK01
4B053BK52
4B053CA01
4B053CA30
4B053CB02
4B061AA01
4B061AA02
4B061BA01
4B061BA03
4B061CA15
4B061CA33
(57)【要約】
【課題】本発明は、籠に大量の食材を入れても、食材を洗浄・撹拌することができる撹拌洗浄機を提供する。
【解決手段】本発明に係る食材の撹拌洗浄機10は、洗浄すべき食材80が投入される食材投入口52が上部に形成され、側面及び/又は底面の少なくとも一部が通水性を有する通水部を具える撹拌洗浄籠50と、前記撹拌洗浄籠を収容する撹拌洗浄槽30と、前記撹拌洗浄槽に撹拌洗浄水を注水する注水手段と、を具え、前記撹拌洗浄槽に前記撹拌洗浄籠を収容し、前記撹拌洗浄槽に前記撹拌洗浄水を注入することで前記食材を洗浄する食材の撹拌洗浄機であって、前記撹拌洗浄籠の上側から前記食材投入口を囲むように装着される延長筒60であって、非通水性の周面と、上側に注水用開口61が形成され、下側に連結用開口62が形成される延長筒を具える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄すべき食材が投入される食材投入口が上部に形成され、側面及び/又は底面の少なくとも一部が通水性を有する通水部を具える撹拌洗浄籠と、
前記撹拌洗浄籠を収容する撹拌洗浄槽と、
前記撹拌洗浄槽に撹拌洗浄水を注水する注水手段と、
を具え、
前記撹拌洗浄槽に前記撹拌洗浄籠を収容し、前記撹拌洗浄槽に前記撹拌洗浄水を注入することで前記食材を洗浄する食材の撹拌洗浄機であって、
前記撹拌洗浄籠の上側から前記食材投入口を囲むように装着される延長筒であって、非通水性の周面と、上側に注水用開口が形成され、下側に連結用開口が形成される延長筒を具える、
食材の撹拌洗浄機。
【請求項2】
前記食材が投入された前記撹拌洗浄籠を前記撹拌洗浄槽に収容した状態で、前記延長筒は、前記連結用開口が前記食材投入口を囲むように装着され、
前記注水手段は、前記注水用開口を通して前記撹拌洗浄水の注水を行なう、
請求項1に記載の食材の撹拌洗浄機。
【請求項3】
前記注水手段は、前記注水用開口から注水された前記撹拌洗浄水の一部が前記撹拌洗浄籠の前記通水部から流出しつつ、前記延長筒内まで水位を上げる量の前記撹拌洗浄水を注水する、
請求項2に記載の食材の撹拌洗浄機。
【請求項4】
前記延長筒は、前記撹拌洗浄籠の深さの0.2倍以上の高さを有する、
請求項3に記載の食材の撹拌洗浄機。
【請求項5】
前記撹拌洗浄槽は、前記延長筒の周縁に前記撹拌洗浄籠の前記通水部から流出した撹拌洗浄水を回収するオーバーフロー水回収部を有する、
請求項4に記載の食材の撹拌洗浄機。
【請求項6】
前記撹拌洗浄槽と並んで濯ぎ槽を有し、前記撹拌洗浄槽で前記食材の撹拌及び洗浄が行なわれた前記撹拌洗浄籠は、前記濯ぎ槽に移送される、
請求項5に記載の食材の撹拌洗浄機。
【請求項7】
前記濯ぎ槽と並んで脱水槽を有し、前記濯ぎ槽で前記食材の濯ぎが行なわれた前記撹拌洗浄籠は、前記脱水槽に移送される、
請求項6に記載の食材の撹拌洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜等の食材を水流で撹拌・洗浄することのできる撹拌洗浄機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネギ、キャベツ、にんじんなどのカット野菜等の食材を洗浄する洗浄機が提案されている。たとえば、特許文献1では、洗浄籠に食材を投入し、蓋体を装着した状態で洗濯機の如き洗浄機に洗浄籠を収容し、食材を洗浄水で洗浄している。蓋体は、洗浄中に食材が洗浄籠から飛散することを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3210319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の蓋体は、ほぼフラットな形状であるから、洗浄籠に大量の食材を詰め込んで洗浄を行なっても、内部の食材に十分に洗浄水が届かず、食材を十分に洗浄できない。また、このように食材を詰め込んだ状態では、食材が洗浄籠内で撹拌されることもない。このため、複数の食材、たとえば、キャベツとにんじんを洗浄籠に投入しても、食材の洗浄はもちろん、食材どうしを撹拌する効果は期待できない。
【0005】
このため、食材どうしの撹拌が必要な、たとえば、ミックス野菜を作製するには、食材の洗浄前或いは洗浄後に別途撹拌工程を挿入する必要がある。
【0006】
本発明の目的は、籠に大量の食材を入れても、食材を洗浄・撹拌することができる撹拌洗浄機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の食材の撹拌洗浄機は、
洗浄すべき食材が投入される食材投入口が上部に形成され、側面及び/又は底面の少なくとも一部が通水性を有する通水部を具える撹拌洗浄籠と、
前記撹拌洗浄籠を収容する撹拌洗浄槽と、
前記撹拌洗浄槽に撹拌洗浄水を注水する注水手段と、
を具え、
前記撹拌洗浄槽に前記撹拌洗浄籠を収容し、前記撹拌洗浄槽に前記撹拌洗浄水を注入することで前記食材を洗浄する食材の撹拌洗浄機であって、
前記撹拌洗浄籠の上側から前記食材投入口を囲むように装着される延長筒であって、非通水性の周面と、上側に注水用開口が形成され、下側に連結用開口が形成される延長筒を具える。
【0008】
前記食材が投入された前記撹拌洗浄籠を前記撹拌洗浄槽に収容した状態で、前記延長筒は、前記連結用開口が前記食材投入口を囲むように装着され、
前記注水手段は、前記注水用開口を通して前記撹拌洗浄水の注水を行なう構成とすることができる。
【0009】
前記注水手段は、前記注水用開口から注水された前記撹拌洗浄水の一部が前記撹拌洗浄籠の前記通水部から流出しつつ、前記延長筒内まで水位を上げる量の前記撹拌洗浄水を注水する構成とすることができる。
【0010】
前記延長筒は、前記撹拌洗浄籠の深さの0.2倍以上の高さを有することが望ましい。
【0011】
前記撹拌洗浄槽は、前記延長筒の周縁に前記撹拌洗浄籠の前記通水部から流出した撹拌洗浄水を回収するオーバーフロー水回収部を有する構成とすることができる。
【0012】
前記撹拌洗浄槽と並んで濯ぎ槽を有し、前記撹拌洗浄槽で前記食材の撹拌及び洗浄が行なわれた前記撹拌洗浄籠は、前記濯ぎ槽に移送される構成とすることができる。
【0013】
前記濯ぎ槽と並んで脱水槽を有し、前記濯ぎ槽で前記食材の濯ぎが行なわれた前記撹拌洗浄籠は、前記脱水槽に移送される構成とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の食材の撹拌洗浄機によれば、撹拌洗浄籠に非通水性の延長筒を装着することで、撹拌洗浄籠の上方向に延長できる。これにより、注水手段から注水された撹拌洗浄水の水位を、延長筒内まで上げることができ、食材を撹拌・洗浄する撹拌洗浄容積を大きくすることができる。撹拌洗浄容積が大きくなることで、撹拌洗浄籠に多量の食材を入れた場合であっても、食材は大容積の撹拌洗浄容積に満たされた撹拌洗浄水中で広がり、水流によって、浮遊、撹拌されると共に、効果の高い洗浄を行なうことができる。従って、食材として、撹拌洗浄槽に複数種類の野菜、カット野菜などを順次投入した場合にあっては、野菜の洗浄はもちろん、撹拌も行なうことができるから、別工程で撹拌を行なわなくても、ミックス野菜を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の食材の撹拌洗浄機の説明図である。
図2図2は、撹拌洗浄槽に撹拌洗浄籠を収容する過程を示す説明図である。
図3図3は、撹拌洗浄槽に撹拌洗浄籠を収容し、延長筒を載せた状態を示す説明図である。
図4図4は、図3の撹拌洗浄籠及び延長筒を断面して示す説明図である。
図5図5は、食材を収容した撹拌洗浄籠と延長筒の斜視図である。
図6図6は、食材を収容した撹拌洗浄籠と延長筒の断面図である。
図7図7は、食材を収容した撹拌洗浄籠に延長筒を載せた状態を示す斜視図である。
図8図8は、撹拌洗浄槽に撹拌洗浄籠を収容し、撹拌・洗浄を行なっている状態を示す説明図である。
図9図9は、撹拌・洗浄を行なっている状態の撹拌洗浄籠及び延長筒の斜視図である。
図10図10は、撹拌・洗浄後の撹拌洗浄籠を撹拌洗浄槽から引き上げ、延長筒を取り外した状態を示す斜視図である。
図11図11は、撹拌洗浄機による濯ぎ、脱水状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態に係る食材の撹拌洗浄機10について図面を参照しながら説明を行なう。撹拌・洗浄される食材として、ネギ、キャベツ、にんじんのみじん切りや千切りなどのカット野菜を例示できるが、食材は、これに限定されるものではない。なお、撹拌効果については、食材が複数種類の場合には食材が一種類の場合に比べてよりより大きな効果を得ることができるが、食材が一種類のみの場合であっても撹拌を受けることで、異なる部位どうしを混ざり合わせることができるため、本発明の撹拌洗浄機10は効果がある。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る撹拌洗浄機10の縦断面図である。撹拌洗浄機10は、食材80の撹拌・洗浄を行なう撹拌洗浄槽20と、濯ぎを行なう濯ぎ槽30、脱水を行なう脱水槽40を並べて配置して構成することができる。なお、本発明は、撹拌洗浄機10に少なくとも撹拌洗浄槽20を具える構成であれば実施可能である。
【0018】
撹拌洗浄槽20は、図1乃至図4に示すように、撹拌洗浄籠50が収容可能であって、撹拌洗浄水70(図1)が貯溜可能な有底容器である。撹拌洗浄槽20は、少なくとも撹拌洗浄籠50が、その上縁のフランジ51の近傍まで浸かることができる深さを有している。図示の実施形態では、撹拌洗浄槽20は、撹拌洗浄籠50の外径よりもやや大きい内径と深さ(望ましくは1-10cm大きい)を有し、下向きに縮径している。
【0019】
撹拌洗浄槽20の上縁は、図に示すように、外向きに拡径したオーバーフロー水回収部21を具える。オーバーフロー水回収部21の周壁の高さは、撹拌洗浄籠50が余裕をもって浸かる(すなわち、撹拌洗浄籠50から流れ出た撹拌洗浄水70がこぼれでない程度の深さ)程度とすることが好適である。
【0020】
オーバーフロー水回収部21には、図示のように流れ出たオーバーフロー水72を排出(符号75)する排水部22が設けられている。排水部22で回収されたオーバーフロー水72は、フィルター等で濾過した後、一部又は全部を撹拌洗浄水70として再利用することが望ましい。
【0021】
上記撹拌洗浄槽20には、食材80が投入可能な撹拌洗浄籠50が収容される。撹拌洗浄籠50は、図5図6(ただし、これら図面はすでに食材80が収容された状態を示す)等に示すように、有底円筒状の上面が開口した容器であり、上面の開口は、食材を投入する食材投入口52の役割をなす。撹拌洗浄籠50は、図に示す逆円錐台形状や、碗状、円筒状、角錐形状、角柱形状等とすることができる。撹拌洗浄籠50は、周面と底面の少なくとも一部、望ましくは全面が通水性を具備する通水部を有する構造とする。たとえば、撹拌洗浄籠50の周面及び/又は底面をメッシュやパンチングメタルから構成した場合、メッシュの目やパンチングメタルの孔が通水部となる。図示の逆円錐台形状の撹拌洗浄籠50では、周面と底面の全面をメッシュから構成している。撹拌洗浄籠50は、所定の強度を具備し、錆発生を防止して、撹拌洗浄籠50の高温洗浄、殺菌等を行なうことができるように、ステンレス鋼から作製することが望ましい。撹拌洗浄籠50の上縁には、作業者或いは作業用アーム等が掴むフランジ51を外向きに突出して形成している。
【0022】
撹拌洗浄籠50には、食材スライサーなどの食材加工機によりカット等された食材80が食材投入口52から投入される。本発明の場合、後述するとおり延長筒60により撹拌洗浄籠50の撹拌洗浄容積を大きく採れるから、食材80は、図5図6のように、撹拌洗浄籠50のフランジ51の高さまで一杯に入れることができる。複数の食材80a,80bを撹拌洗浄籠50に投入する場合、食材80a,80bは予め撹拌しておく必要はなく、図6に示すように、食材80aの塊の上に食材80bの塊(図5図7も参照)を投入するような形態であってよい。
【0023】
食材80を収容した撹拌洗浄籠50は、図2に示すように撹拌洗浄槽20に収容される。上記のとおり、撹拌洗浄槽20は、撹拌洗浄籠50の外径よりもやや大きい内径に形成されているため、図に示すように、撹拌洗浄籠50は撹拌洗浄槽20に収まる。
【0024】
この状態で、撹拌洗浄籠50に延長筒60を載せる。延長筒60は、図4乃至図7、とくに図5に示すように、撹拌洗浄籠50の食材投入口52を囲むように、撹拌洗浄籠50のフランジ51に載せて装着される筒状体である。延長筒60は、上下端面が開口しており、上側が注水用開口61、下側が撹拌洗浄籠50への連結用開口62である。延長筒60の周面は、通水を許容しない非通水性の構成、たとえば、金属板を環状に丸めて形成することができる。なお、延長筒60は、周面全体が非通水性の構成であることが望まれるが、注水用開口61に近い上部側は通水可能な構成、たとえば、孔やメッシュを含む構成であっても構わない。また、注水用開口61はメッシュやパンチングメタルなどで一部又は全部を塞いでもよい。
【0025】
食材80の撹拌洗浄容積を確保するために、図4に示すように、延長筒60の高さHは、撹拌洗浄籠50の深さDの0.2~1倍とすることが好適であり、望ましくは、下限が0.3倍、上限が0.5倍である。具体的には、撹拌洗浄槽20の内底までの深さDを80cmとしたとき、延長筒60の高さHは、16cm~80cmである。撹拌洗浄槽20の深さDを100cmとしたとき、延長筒60までの高さHは、20cm~100cmである。なお、これらよりも延長筒60の高さHが低い構成、或いは、高い構成であっても構わない。
【0026】
延長筒60は、撹拌洗浄籠50からの位置ずれや、撹拌・洗浄中の食材80の漏れ出しを防ぐために、図示しないパッチン錠の如きファスナー止め具、ボルト・ナット等の係止手段により、延長筒60を撹拌洗浄籠50に係止することができる。また、延長筒60の下面にシリコーンゴムなどの滑り止めを装着し、撹拌洗浄籠50から延長筒60がずれないようにしてもよい。
【0027】
延長筒60は、図示及び上記説明では、撹拌洗浄籠50を撹拌洗浄槽20に収容した後に装着しているが、撹拌洗浄籠50に先に延長筒60を載せて、撹拌洗浄槽20に収容するようにしてもよい。
【0028】
この状態で、図8に示すように、注水手段の注水ホース23により撹拌洗浄籠50に撹拌洗浄水70の注水71を行なう。撹拌洗浄水70は、水、或いは、水に殺菌効果を有する次亜塩素酸ナトリウムなどを加えた水とすることができる。注水手段は、注水タンク、注水ポンプ(何れも図示せず)などに接続された注水ホース23から行なうことができる。注水ホース23は、延長筒60の注水用開口61に向けて撹拌洗浄水70を注水71すればよい。注水ホース23は、作業者が手で掴んで注水71を行なうことができるし、撹拌洗浄槽20や延長筒60に固定や係止可能な構成とすることもできる。
【0029】
注水ホース23から撹拌洗浄水70を注水71すると、図8に示すように、撹拌洗浄水70は、延長筒60から撹拌洗浄籠50に向けて勢いよく流れ、撹拌洗浄籠50内に注ぎ込まれる。撹拌洗浄籠50の周面及び/又は底面は、通水性を有するメッシュ等の構造であるから、撹拌洗浄籠50に注ぎ込まれた撹拌洗浄水70は、撹拌洗浄籠50から一部が流出しつつ(符号73)、撹拌洗浄槽20内に貯溜され、水位を上げる。なお、撹拌洗浄水70は、撹拌洗浄槽20に予め貯溜しておき、撹拌洗浄籠50を収容してから、注水手段によりさらに撹拌洗浄水70を注入するようにしてもよい。
【0030】
撹拌洗浄槽20内に貯溜した撹拌洗浄水70は、一部が撹拌洗浄籠50と撹拌洗浄槽20から流出し、オーバーフロー水72となって、排水部22より排水75されるが、撹拌洗浄水70の注水量を撹拌洗浄籠50と撹拌洗浄槽20との隙間から流れ出る量よりも多くすることで、撹拌洗浄水70は、図9に示すように、撹拌洗浄籠50内から延長筒60内でその水位を高める。これにより、撹拌洗浄籠50と、延長筒60の一部が撹拌洗浄水70で満たされ、水流が形成される食材80の撹拌洗浄容積となり、内部に生じる撹拌洗浄水70の水流74により、食材80が広がる。撹拌洗浄容積は、撹拌洗浄籠50と、延長筒60の一部の空間から構成されるから、撹拌洗浄籠50よりも大きな容積、たとえば1.2倍以上の容積となる。従って、撹拌洗浄籠50に食材80を詰め入れた場合であっても、撹拌洗浄容積が大きいから、食材80が撹拌洗浄水70中で分散し、浮遊、撹拌され、食材80間を撹拌洗浄水70が通過することで、効果の高い洗浄を行なうことができる。複数種類の食材80a,80b(図6参照)を撹拌洗浄籠50に投入している場合には、食材80a,80bが撹拌を受けて、図8図9に示すように好適にかき混ぜられた食材となる。このように、食材80a,80bの洗浄だけでなく撹拌も行なうことができるから、これら食材の撹拌工程を省略できる利点がある。
【0031】
食材80の撹拌・洗浄が完了すると、注水を止める。これにより、撹拌洗浄水70の水位は下がり、延長筒60内に浮遊していた食材80は、撹拌洗浄籠50に戻る。この状態で、延長筒60を取り外し、撹拌洗浄籠50を撹拌洗浄槽20から引き上げればよい。図10は、撹拌洗浄槽20から引き上げられ、延長筒60が取り外された撹拌洗浄籠50を示している。図示のとおり、複数種類の食材80a,80bを投入した場合では、食材80a,80bが撹拌されて万遍なく混ざり合ったミックス野菜の形態となっていることがわかる。
【0032】
撹拌洗浄槽20にて食材80を撹拌・洗浄した後、撹拌洗浄籠50は、隣接する濯ぎ槽30に移送して濯ぎ、さらに脱水槽40に移送して脱水が行なうことができる。
【0033】
濯ぎ槽30は、撹拌洗浄水70に殺菌成分などを有する薬剤を添加した場合に必要になる。撹拌洗浄水70を水のみとする場合には濯ぎ槽30は不要である。濯ぎ槽30は、撹拌洗浄籠50を収容し、図11に示すように、濯ぎ水76を注水ホース32から濯ぎ槽30内にいで、食材80の濯ぎを行なう。食材80が飛び出ることを防ぐには、図11に示すように、撹拌洗浄籠50のフランジ51上にメッシュやパンチングメタルの通水性を有する蓋65を載せて、濯ぎを行なうことが望ましい。なお、濯ぎ槽30も撹拌洗浄槽20と同様の構成とし、オーバーフロー水回収部31を設けて、上記した延長筒60で塞ぎつつ、撹拌洗浄水に代えて濯ぎ水76を注水手段から注水して濯ぎを行なってもよい。これにより、撹拌洗浄籠50よりも容積の大きい容積で濯ぎを行なうことができる。濯ぎが完了すると、濯ぎ槽30から撹拌洗浄籠50を引き上げる。
【0034】
脱水槽40は、濯ぎが完了、或いは、濯ぎ不要の場合には撹拌・洗浄が完了した撹拌洗浄籠50の食材80から脱水を行なう装置である。脱水槽40は、たとえば、図11に示すように、脱水モーター41を具えた構成とすることができ、脱水モーター41に撹拌洗浄籠50を連結し、軸回転(R)させることで、撹拌洗浄籠50内の水分を遠心力によって外部に飛散させて、食材80からの脱水を行なうことができる。なお、食材80が食材投入口52から飛び出ることを防止するために、上記した蓋65などを撹拌洗浄籠50に載せることが望ましい。脱水が完了すると、脱水槽40から撹拌洗浄籠50を引き上げる。その後、撹拌洗浄籠50内の洗浄、脱水が完了した食材80は、移送用の容器等に移し替えればよい。
【0035】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0036】
10 撹拌洗浄機
20 撹拌洗浄槽
21 オーバーフロー水回収部
50 撹拌洗浄籠
52 食材投入口
60 延長筒
70 撹拌洗浄水
80 食材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11