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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024109357
(43)【公開日】2024-08-14
(54)【発明の名称】車両用入力装置及び車両用入力方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20240806BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20240806BHJP
   G06F 3/04817 20220101ALI20240806BHJP
【FI】
B60R16/02 630L
G06F3/041 530
G06F3/041 512
G06F3/04817
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014104
(22)【出願日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大泉 透
(72)【発明者】
【氏名】上島 宏幸
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA03
5E555AA54
5E555BA01
5E555BA23
5E555BB01
5E555BB23
5E555BC01
5E555BE10
5E555CA12
5E555CA42
5E555CB14
5E555CB34
5E555CB59
5E555CC01
5E555DA01
5E555DA26
5E555DD06
5E555EA07
5E555EA14
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザの操作負荷が大きい時に、ボタン操作を認識し易くした車両用入力装置及び車両用入力方法を提供する。
【解決手段】車両の室内に設けられるボタン3と、ボタン3の下に設けられる静電センサ10と、ボタン3の表面上で所定の操作認識範囲内のタッチ操作を認識する操作認識装置50を備え、操作認識装置50は、ユーザによるボタン3の操作負荷を算出し、算出された操作負荷が大きい場合には、操作負荷が低い場合と比較して、操作認識範囲の面積及び/又は前記タッチ操作の感度を大きくする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の室内に設けられるボタンと、
前記ボタンの下に設けられる静電センサと、
前記静電センサの出力に基づき、前記ボタンの表面上で所定の操作認識範囲内のタッチ操作を認識する操作認識装置を備え、
前記操作認識装置は、
ユーザによる前記ボタンの操作負荷を算出し、
算出された前記操作負荷が大きい場合には、前記操作負荷が低い場合と比較して、前記操作認識範囲の面積及び/又は前記タッチ操作の感度を大きくする車両用入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用入力装置において、
前記操作認識装置は、前記車両から他車両までの車間距離又は車間時間に基づき、前記操作負荷を算出する車両用入力装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用入力装置において、
前記操作認識装置は、前記車両の自律運転レベルに基づき、前記操作負荷を算出する車両用入力装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の車両用入力装置において、
前記操作認識装置は、前記車両の走行シーンに基づき、前記操作負荷を算出する車両用入力装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の車両用入力装置において、
前記ボタンの下から照射するバックライトを備え、
前記操作認識装置は、算出された前記操作負荷が大きい場合には、前記操作負荷が低い場合と比較して、前記バックライトの輝度を低くする車両用入力装置。
【請求項6】
請求項1又は2記載の車両用入力装置において、
室内のユーザを検出するユーザ検出部を備え、
前記操作認識装置は、
前記ユーザ検出部の出力に基づき、前記ボタンを操作する操作ユーザを特定し、
前記操作ユーザが運転者であり、前記操作負荷が大きい場合には、前記操作負荷が低い場合と比較して、前記操作認識範囲の位置を前記運転者側に移動させる車両用入力装置。
【請求項7】
請求項1又は2記載の車両用入力装置において、
室内のユーザを検出するユーザ検出部を備え、
前記操作認識装置は、
前記ユーザ検出部の出力に基づき、前記ボタンを操作する操作ユーザを特定し、
前記操作ユーザが運転者であり、前記操作負荷が大きい場合には、前記操作負荷が低い場合と比較して、前記操作認識範囲の面積を前記運転者側に大きくする車両入力装置。
【請求項8】
プロセッサにより実行される、車両の室内に設けられたボタンへのタッチ操作を検出する車両用入力方法であって、
前記ボタンの下に設けられ静電センサの出力に基づき、前記ボタンの表面上で所定の操作認識範囲内のタッチ操作を認識し、
ユーザによる前記ボタンの操作負荷を算出し、
前記操作負荷が大きい場合には、前記操作負荷が低い場合と比較して、前記タッチ操作の感度及び/又は前記操作認識範囲の面積を大きくする車両用入力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用入力装置及び車両用入力方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に取り付けて使用される車両用入力装置が知られている。例えば特許文献1記載の車両用入力装置は、不透明な板状部材であって、車両の内装の一部を提供する内装パネルと、内装パネルを車両に対して固定するための固定部と、を備える。内装パネルには、乗員が指示可能な制御内容を示す複数の図柄が配されている操作エリア部と、操作エリア部以外の部分である非操作エリア部とが設定される。操作エリア部の背面側には、 操作エリア部の表面において図柄が配されている部分であるスイッチ部に対するユーザの押下操作を検出するための押下センサと、操作エリア部の表面と直交する方向である操作面直交方向に、操作エリア部を振動させる加振装置と、が配置され、押下センサの検出結果に基づいて乗員の操作内容を特定するとともに、加振装置を振動させる制御部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2020-003792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の車両用入力装置は、ボタンを操作する時のユーザの負荷が大きい時には、ユーザが操作エリア部を触りにくくなり、ユーザの操作を認識し難くなるという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザの操作負荷が大きい時に、ボタン操作を認識し易くした車両用入力装置及び車両用入力方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、静電センサの出力に基づき、ボタンの表面上で所定の操作認識範囲内のタッチ操作を認識し、ユーザによる前記ボタンの操作負荷を算出し、操作負荷が大きい場合には、操作負荷が低い場合と比較して、タッチ操作の感度及び/又は前記操作認識範囲の面積を大きくすることによって、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、タッチ操作を認識し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る車両用入力装置のブロック図である。
図2図2は、ダッシュボードの正面図である。
図3図3は、ボード、静電センサ、及びバックライトの断面図である。
図4図4は、見通しの悪いカーブ路を走行中の車両の概要図である。
図5図5は、図3に示すボードの一部を拡大した拡大平面図である。
図6図6は、ボードの一部を拡大した拡大平面図である。
図7図7は、図1に示す操作認識装置の制御フローを示すフローチャートである。
図8図8は、ボードの一部を拡大した拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る車両用入力装置及び車両用入力方法の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る車両用入力装置100のブロック図である。車両用入力装置は、静電センサ10、カメラ20、振動素子30、及び操作認識装置50を備えている。車両用入力装置100は、車両に設けられており、ユーザが車両の室内に設けられたボタンに触れた場合に、ボタンへの入力を検知し、タッチ操作に応じた操作指令をECUに送信する。
【0010】
車両用入力装置100は車室内に設けられている。図2に示すように、車室前部に位置するインストルメントパネルには、ナビゲーションシステムやオーディオシステム等の車室内のシステムを操作するためのタッチパネル式ディスプレイ1が設けられており、ディスプレイ1の下部には、ボード2が設けられている。またボード2には、タッチ操作による入力を受け付けるための複数のボタン3が配置されている。複数のボタン3は、空調システムを操作用のボタンになっており、例えば、オートエアコンのオン/オフボタン、温度設定用の上下ボタン、風量設定用のプラス/マイナスボタン、デフロスターのオン/オフボタン、デフォッガーのオン/オフボタンなどである。ボード2に設けられるメインスイッチ4がオンになると、ボタン3に含まれるアイコンが点灯し、ユーザにとってアイコンが見やすくなる。メインスイッチ4は、車両全体の電源のオンオフを制御するためのスイッチであり、パワースイッチ又はイグニッションスイッチに相当する。メインスイッチ4は機械的なスイッチである。一方、ボタン3は機械的なスイッチではなく、ボード2と一体になっており、静電容量式のタッチスイッチ(無接点スイッチ)になっている。例えば、ユーザはメインスイッチ4をオンにした後、ユーザが、空調システムをオートエアコンモードで動作させる場合には、ユーザは「AUTO」アイコンのボタンを指で触れればよい。車室前部のステアリングには、ステアリングスイッチ5が設けられている。なお、以下の説明では、車両用入力装置100をボタン3に適用した例を説明するが、車両用入力装置100はステアリングスイッチ5に適用してもよい。車両用入力装置100は、空調システムを操作するためのボタンに限らず、例えばナビゲーションシステムやオーディオシステム等のシステムを操作するためのボタンに適用してもよい。
【0011】
静電センサ10はボタン3の下(背面)に設けられ、ユーザのボタン3へのタッチ操作を検出する。ユーザの指がボタン3に触れる、又は、ボタン3に近づくと、静電センサ10に含まれる電極と指との間で電流が流れ、静電容量が変化する。静電センサ10は、この静電容量の変化を検知して検出値を操作認識装置50に出力する。
【0012】
カメラ20は、車両に搭載され、車両の室内を撮像することで室内のユーザ(乗員)を検出する。カメラ20は、撮像画像を操作認識装置50に出力する。
【0013】
振動素子30は、ボタン3の付近に設けられており、操作認識装置50によりタッチ操作を認識した時に振動素子30を振動させる。振動素子30は、圧電素子等を有している。ユーザは、振動素子30の振動を通じて、タッチ操作が正常に認識されたことを把握できる。
【0014】
静電センサ10の周囲の構造を、図3を参照して説明する。図3は、ボード2、静電センサ10、振動素子30、及びバックライト40の断面図である。静電センサ10は、電極11及び誘電体12を有している。静電センサ10の表面は、ボード2に覆われている。複数の電極11は、複数のボタン3に対応して、誘電体12の底面に設けられている。誘電体12の表面には、複数のボタン3がボード2に埋め込まれている。すなわち、複数のボタン3及び複数の電極11は誘電体12を介して対向する。また電極11の裏面には、振動素子30とバックライト40が設けられている。
【0015】
バックライト40は、複数のボタン3の下にそれぞれ設けられており、ボタン3の下から照射する。バックライト40の照度は操作認識装置50により制御できる。
【0016】
操作認識装置50は、静電センサ10の出力に基づき、ボタン3の表面上で所定の操作認識範囲内のタッチ操作を認識する。また操作認識装置50は、ユーザによるボタン3の操作負荷を算出し、算出された操作負荷が大きい場合には、操作負荷が低い場合と比較して、操作認識範囲の面積及び/又はタッチ操作の感度を大きくする。操作認識装置50は、コントローラ(プロセッサ)であり、操作認識装置50の有する機能を発揮するための機能ブロックとして、操作認識部51と、負荷算出部52と、操作認識範囲制御部53を有している。
【0017】
操作認識部51は、静電センサ10の出力値に基づき、ボタン3のタッチ操作を認識する。具体的には、操作認識部51は、静電センサ10の出力から静電センサ10の静電容量を取得する。ユーザがボタン3へのタッチ操作をした場合には、静電センサ10の静電容量が増加する。操作認識部51は、取得した静電容量と所定の判定閾値を比較し、静電容量が判定閾値以上である場合に、タッチ操作有りと判定し、出力値が判定閾値未満である場合には、タッチ操作なしと判定する。なお、ノイズのような短時間あたりの静電容量変化を、タッチ操作有りと判定しないように、操作認識部51は、所定期間の静電容量が判定閾値以上である場合に、タッチ操作有りと判定してもよい。なお、静電センサ10は、タッチ操作時に静電容量を減少させる構造である場合には、操作認識部51は、静電容量が判定閾値未満である場合に、タッチ操作有りと判定すればよい。なお、操作認識部51は、静電容量の変化量と変化量閾値とを比較して、タッチ操作の有無を判定してもよい。
【0018】
タッチ操作有りと判定した場合には、操作認識部51は、タッチ操作を認識したボタンの操作指令をECUに出力する。例えば、ECUは、デフロスターがオフの状態で、操作認識部51から、デフロスター操作用のボタン3を操作した旨の操作指令を受信した場合には、デフロスターをオフからオンに切り替える。
【0019】
負荷算出部52は、ユーザによるボタン3の操作負荷を算出する。操作負荷は、ユーザがボタン3を操作するときの困難性(ボタン操作の難しさ)を示す指標であり、操作負荷が大きい程、ユーザはボタン3を的確に操作することが困難になる。負荷算出部52は、車両の走行状態に基づき、操作負荷を算出する。車両の走行状態は、車両の周囲環境、車両の運転レベル、走行シーン等で示される。車両の周囲環境は、車両の周囲の障害物と車両との接近度、障害物の数等で示される。運転レベルは、自律運転で走行可能な車両の自律運転レベル(自動運転レベル)であり、運転レベルが高い程、運転支援のレベル、すなわちシステムの介入度が高い。走行シーンは、車両が現在走行している道路環境であり、例えばカーブ、勾配、見通しの良さ等で示される。
【0020】
以下、負荷算出部52による操作負荷の算出方法について説明する。負荷算出部52は、カメラ20の撮像画像から車両周囲の他車両を検出する。負荷算出部52は、撮像画像に限らず、測距装置の検出データから他車両を検出してもよい。他車両が、自車両の走行車線上を走行している場合には、負荷算出部52は、車両(自車両)から他車両までの車間距離又は車間時間を算出する。負荷算出部52は、GPSシステムで測定される自車両の位置と、他車両の位置から、車間距離を算出する。また、負荷算出部52は、車間距離から自車両の車速を除算することで、車間時間を算出する。なお、車間距離及び車間時間は、他車両の接近度に相当する。
【0021】
負荷算出部52は、算出された車間距離が短いほど操作負荷が高くなるように、操作負荷を算出する。また負荷算出部52は、算出された車間時間が短いほど操作負荷が高くなるように、操作負荷を算出する。なお、操作負荷は、車間距離又は車間時間に対して連続的に変化する値に限らず、車間距離又は車間時間に対して段階的に変化する値としてもよい。
【0022】
負荷算出部52は、他車両が自車両の前方に実際に位置する場合に限らず、他車両が仮想的に位置するものとして、仮想的な前方車両との車間距離又は車間時間を算出してもよい。例えば、見通しの悪いカーブ路を走行している場合や、逆光等で前方車両を検出できない場合には、負荷算出部52は、仮想的な車間距離又は仮想的な車間時間を算出する。
【0023】
図4は、仮想的な車間距離又は車間時間の算出方法を説明するための図であり、見通しの悪いカーブ路を走行中の車両の概要図である。図4に示すように、自車両Xが、カーブ径Rのカーブ路を車速vで走行している。wはカーブ路の車幅を示す。直線Qは見通し限界を表している。例えば、自車両が、カーブ径の小さい山道でのカーブ路や、峠などの急登坂直後の降板等、見通しの悪い道路を走行している場合には、運転者は前方車両を確認することが難しく、見通しの悪い道路の先には他車両が走行している可能性もある。負荷算出部52は、自車両の現在位置が見通しの悪い道路上である場合には、仮想的な前方車両Yとの間で車間距離又は車間時間を算出する。負荷算出部52は、地図情報から見通しの悪い道路の情報を抽出し、自車両の現在位置が見通しの悪い道路上であるか否かを判定する。
【0024】
自車両の現在位置が見通しの悪い道路上である場合には、負荷算出部52は、地図情報と、現在の車両走行状態を示す車両情報から、仮想的な車間距離又は仮想的な車間時間を算出する。例えば、自車両が、図4に示すような見通しの悪いカーブ路を走行している場合には、負荷算出部52は、地図情報からカーブ径R及び車幅w特定し、車両情報から現在の車速vを特定する。カーブ径Rは、カーブの円の中心から道路の中央までの距離である。なお、車幅wは、必ずしも地図情報から特定される必要はなく、一般的な道路幅(例えば3m)の固定値でもよい。負荷算出部52は、下記式(1)により、仮想的な車間時間(P)を算出する。
【数1】
【0025】
負荷算出部52は、仮想的な車間距離(P)を算出する際には、下記式(2)により算出すればよい。
【数2】
【0026】
なお上記の式(1)、(2)では、簡易のために、例えば、Rをカーブの円の中心からドライバの視点までの距離としたが、Rは必ずしもドライバの視点までの距離である必要はなく、また車間時間(P)及び車間距離(P)の算出方法は上記の式(1)、(2)には限定されず、他の算出式でもよく、また算出式は、式(1)、(2)に含まれるパラメータ以外のパラメータを含んでいてもよい。
【0027】
負荷算出部52は、仮想的な車間時間(P)又は車間距離(P)を算出する際には、地図情報から傾斜角度の道路情報等を抽出し、道路情報で示されるパラメータを算出要素に含めてもよい。また負荷算出部52は、峠などの急登坂直後の降板等、カーブ路以外の見通しの悪い道路を走行している場合には、自車両から所定距離、離れた位置に、仮想的な前方車両が位置すると仮定し、所定距離から現在の車速を除算することで、仮想的な車間時間(P)を算出してもよい。なお、所定距離は、予め設定される固定値でもよい。
【0028】
なお、負荷算出部52は、カメラ20の撮像画像及び/又は測距装置の検出データに基づき、他車両を検出できない(前方検出不可状態である)と判定した場合に、上記と同じ算出方法で、仮想的な車間時間(P)又は車間距離(P)を算出してもよい。また、自車両がカーブ路や登降坂を走行している場合には、前方の見通しが、直線路や平坦路を走行している場合よりも良くない可能性が高い。そのため、負荷算出部52は、カメラ20の撮像画像及び/又は測距装置の検出データに基づき、他車両を検出できない状態であるか否か判定せず、自車両の現在位置と走行している道路の状態から、見通しの悪い道路上であるか否か判定してもよい。
【0029】
そして、負荷算出部52は、車間距離又は車間時間が短いほど、操作負荷が高くなるように、操作負荷を算出する。これにより、負荷算出部52は、自車両から他車両までの車間距離又は車間時間に基づき、操作負荷を算出する。なお、負荷算出部52は、車両周囲の他車両の数に応じて、操作負荷を算出してもよい。例えば、負荷算出部52は、車両周囲の他車両の数が多いほど操作負荷が高くなるように、操作負荷を算出すればよい。
【0030】
負荷算出部52は、車両の自動運転レベルに基づき操作負荷を算出する。具体的には、負荷算出部52は、自動運転レベルが低い程、操作負荷が高くなるように、操作負荷を算出する。自動運転レベルが低い場合には、自律運転におけるシステムの介入度が低く、運転者の運転負荷が大きいため、ボタン3の操作の困難性は高くなる。そのため、負荷算出部52は、自動運転レベルと操作負荷が相関性をもつように、自動運転レベルに応じて操作負荷を算出してもよい。なお、自動運転レベルが段階的に設定されている場合には、運転負荷もレベルに応じた段階的な値としてもよい。
【0031】
負荷算出部52は、自車両の走行シーンに基づき操作負荷を算出してもよい。上記の例では、負荷算出部52は、操作負荷を算出するために、車間時間又は車間距離を算出したが、車間時間又は車間距離を算出せず、自車両の現在の走行シーンから操作負荷を算出してもよい。例えば、操作認識装置50は、カーブ路、登降坂、混雑度の高い道路、交差点、高速道路、直線路、平坦路等の走行シーンと、操作負荷とを対応付けて、テーブルとしてメモリに格納する。カーブ路、登降坂、混雑度の高い道路、交差点等、運転者が運転に集中しなければならないような走行シーンでは、ボタン3の操作の困難性は高くなる。運転のために高い集中力を要するような走行シーンには、大きい操作負荷が割り当てられ、高い集中力を必ずしも必要としない走行シーンには、小さい操作負荷が割り当てられる。そして、テーブルにおいて、走行シーン毎に、操作負荷が割り当てられている。負荷算出部52は、地図情報に基づき、現在、自車両が走行している走行シーンを特定し、テーブルを参照して走行シーンに対応する操作負荷を特定することで、操作負荷を算出する。
【0032】
操作認識範囲制御部53は、負荷算出部52により算出された操作負荷に応じて、操作認識範囲の面積を設定する。操作認識範囲は、ボタン3の表面上で、タッチ操作を有効に認識できる範囲を示しており、複数のボタン3毎に決められている。図5を参照し、ボタン3の操作認識範囲について説明する。図5はボード2の一部を拡大した拡大平面図である。操作認識範囲は、ボタン3の表面上の閉空間で規定され、図5に示すように、ボタン3のアイコンを中心とした所定範囲である。また操作認識装置50は、操作認識範囲の大きさを変えることができる。例えば、電極11が平面に沿って縦方向と横方向にアレイ上に配置されており、静電センサ10は、ボタン3へのタッチ操作の位置に応じて静電容量の変化を検出できるような構造になっている。操作認識部51は、アレイ状に配置された電極11の座標のうち、操作認識範囲に対応する部分で、静電容量の変化を検出した場合には、タッチ操作有りと判定する。操作認識範囲制御部53は、静電容量の変化を検出可能な、電極11の座標範囲を広げることで、操作認識範囲の面積を大きくする。
【0033】
なお、操作認識範囲制御部53は、操作認識範囲の面積を設定のためには、例えば、タッチ操作の位置に応じた閾値の設定を利用してもよい。操作認識範囲制御部53は、アレイ状に配置された電極11の座標位置毎に、タッチ操作の有無を判定するための閾値を設定する。操作認識部51は、静電センサ10の静電容量が判定閾値以上である場合にタッチ操作有りと判定し、静電センサ10の静電容量が判定閾値未満である場合にタッチ操作無しと判定する。操作認識範囲制御部53は、ボタン3の表面上に位置する、静電センサ10の検出可能範囲のうち操作認識範囲に該当する部分では、タッチ操作の有無を検出できるように判定閾値を初期値に設定する。静電センサ10の検出可能範囲は、電極11の配列された範囲に対応する。一方、操作認識範囲制御部53は、ボタン3の表面上に位置する、静電センサ10の検出可能範囲のうち操作認識範囲に該当しない部分では、タッチ操作の有りと検出しないように判定閾値を初期値より高くする。このとき、操作認識範囲制御部53は、タッチ操作の有りと検出しないように、判定閾値を、タッチ操作で変化する静電容量の上限値以上の値に設定する。これにより、操作認識部51は、操作認識範囲に該当しない部分のタッチ操作により、静電容量が変化した場合でも、タッチ操作無しと判断できる。そして、操作認識範囲制御部53は、電極11の座標位置毎に、判定閾値を変えることで、操作認識範囲の大きさを変えることができる。
【0034】
操作認識範囲制御部53は、操作認識範囲の面積を設定のためには、例えば静電センサ10の出力波形に対する信号処理を用いてもよい。操作認識装置50は、静電センサ10の出力波形からタッチ操作の位置を特定できる。操作認識範囲制御部53は、静電センサ10の出力波形に対してフィルタリング処理を行い、電極11の外周部分からの信号波形をカットする。そして、操作認識範囲制御部53は、カットする部分を狭める、言い換えると、フィルタリング処理で通過させる信号波形を拡げることで、操作認識範囲の面積を大きくする。
【0035】
また、操作認識範囲制御部53は、負荷算出部52により算出された操作負荷が所定値以上である場合に、操作認識範囲の面積を大きくする。操作負荷が高い場合には、ユーザ(特に運転者)がボタンを触りにくくなる。例えば、運転者が運転に集中している状態で、デフロスターのアイコンを押したつもりが、タッチの位置がずれて、デフロスターのボタン3に触れていない、あるいは、別のボタン3やボタン3を配置していない位置を触れてしまう。このようなボタン3の誤操作の可能性は、操作負荷が大きいほど、高くなる。そのため、本実施形態では、操作負荷を算出し、操作負荷が所定値以上である場合に、操作認識範囲の面積を大きくする。
【0036】
操作認識範囲制御部53には、操作認識範囲の面積を大きくするか否かを判定するための面積設定用の閾値が設定されている。面積設定用の閾値は操作負荷で規定される。例えば、操作認識範囲制御部53は、操作負荷が操作負荷閾値以上である場合には、操作認識範囲を、初期設定時の操作認識範囲(以下、初期範囲とも称する)よりも大きくする。また操作認識範囲制御部53は、操作負荷が操作負荷閾値未満である場合には、操作認識範囲を、初期範囲に設定する。
【0037】
なお、操作認識範囲制御部53は、操作負荷が大きいほど、操作認識範囲を大きくしてよい。操作負荷が大きいほど操作認識範囲を大きくする際には、操作認識範囲制御部53は、操作負荷が大きくなるに従って、操作認識範囲を段階的又は連続的に大きくしてもよい。
【0038】
操作認識範囲制御部53は、操作認識範囲を大きくする際には、操作認識範囲の周囲を拡げることで、前記操作認識範囲の面積を大きくする。図5の例では、ボタン3の囲う実線のエリアが、拡大前の操作認識範囲(初期範囲に相当)であり、点線のエリアが拡大後の操作認識範囲である。操作認識範囲制御部53は、図5に示すように、操作認識範囲の周囲を拡げて、実線で囲う範囲から、点線で囲う範囲に変更する。これにより、操作認識範囲制御部53は、算出された操作負荷が大きい場合には、操作負荷が低い場合と比較して、操作認識範囲の面積を大きくする。
【0039】
操作認識範囲制御部53は、負荷算出部52により算出された操作負荷に応じて、操作認識範囲内のタッチ操作の感度を制御してもよい。図6を参照し、ボタン3の操作認識範囲とタッチ操作の感度について説明する。図6はボード2の一部を拡大した拡大平面図である。操作認識範囲60は、ボタン3の表面上で、タッチ操作を有効に認識できる範囲を示しており、複数のボタン3毎に決められている。操作認識範囲60は、ボタン3の中央部61と、中央部61の周囲を囲う周辺部62を有している。中央部61はアイコンの部分に相当する。操作認識装置50は、操作認識範囲60内の位置に応じてゲインを設定できる。例えば、電極11が平面に沿って縦方向と横方向にアレイ上に配置されており、静電センサ10は、ボタン3へのタッチ操作の位置に応じて静電容量の変化を検出できるような構造になっている。また静電センサ10の増幅回路は、電極11の座標に応じてゲインを設定できるような回路構成になっている。なお、増幅回路は、必ずしも電極11の座標ごとにゲインを変える必要はなく、操作認識範囲60内のエリア毎にゲインを変えてもよい。図6の例では、静電センサ10の増幅回路は、中央部61と周辺部62との間で、異なるゲインを設定できるような回路になっている。操作認識部51は、アレイ状に配置された電極11の座標のうち、操作認識範囲に対応する部分で、静電容量の変化を検出した場合には、タッチ操作有りと判定する。操作認識範囲制御部53は、操作負荷の大きさに応じて、操作認識範囲60におけるタッチ操作の感度を制御する。
【0040】
操作認識範囲制御部53には、感度を大きくするか否かを判定するための感度制御用の閾値が設定されている。感度制御用の閾値は操作負荷で規定される。例えば、操作認識範囲制御部53は、操作負荷が操作負荷閾値以上である場合には、操作認識範囲におけるタッチ操作の感度を、初期設定時の感度(以下、初期感度とも称する)よりも大きくする。また操作認識範囲制御部53は、操作負荷が操作負荷閾値未満である場合には、タッチ操作の感度を初期感度に設定する。
【0041】
なお、操作認識範囲制御部53は、操作負荷が大きいほど、タッチ操作の感度を大きくしてよい。操作負荷が大きいほどタッチ操作の感度を大きくする際には、操作認識範囲制御部53は、算出された操作負荷が大きくなるに従って、タッチ操作の感度を段階的又は連続的に大きくしてもよい。
【0042】
操作認識範囲制御部53は、タッチ操作の感度を大きくする場合には、操作認識範囲60の全体の感度を一律に大きくしてもよいが、中央部61の感度を周辺部62の感度よりも高くしてもよい。図6の例では、風量の「+」のボタン3及びデフロスターのボタン3の中央部61の感度を、周辺部62の感度より大きくする。
【0043】
なお、本実施形態において、操作認識装置50は、静電センサ10の出力が高まるようにゲインを大きくしたが、操作認識部51に設定される判定閾値の値を変更することで、タッチ操作に対する感度を設定してもよい。操作認識部51は、静電センサ10から取得した静電容量が判定閾値以上である場合にタッチ操作有りと判定する。例えば、操作認識範囲制御部53は、操作負荷が所定値以上である場合に、操作認識範囲制御部53は判定閾値を低くしてもよい。なお、操作認識範囲制御部53は、中央部61のタッチ操作を判定するための判定閾値を、周辺部62のタッチ操作を判定するための判定閾値より低くすることで、中央部61の感度を周辺部62の感度よりも高くしてもよい。これにより、操作認識範囲制御部53は、算出された操作負荷が大きい場合には、操作負荷が低い場合と比較して、タッチ操作の感度を大きくする。
【0044】
次に、操作認識装置50の制御フローを説明する。図7は、操作認識装置50の制御フローを示すフローチャートである。なお、図7の制御フローは、メインスイッチのオン状態で実行される。ステップS1にて、負荷算出部52は操作負荷を算出する。ステップS2にて、操作認識範囲制御部53は、負荷算出部52により算出された操作負荷が操作負荷閾値以上であるか否かを判定する。ステップS3にて、操作負荷が操作負荷閾値以上である場合には、操作認識範囲制御部53は、操作認識範囲の面積を大きくする(操作認識範囲を拡大する)。ステップS4にて、操作負荷が操作負荷閾値未満である場合には、操作認識範囲制御部53は操作認識範囲を初期範囲に設定する。
【0045】
ステップS5にて、操作認識部51は、操作認識範囲内における静電センサ10の検出値を取得する。つまり、操作認識部51は、操作認識範囲内で変化する、静電センサ10の静電容量の検出値を取得する。ステップS6にて、操作認識部51は、静電センサ10の検出値(静電容量)が判定閾値以上であるか否かを判定する。静電センサ10の検出値(静電容量)が判定閾値以上である場合には、ステップS7にて、操作認識部51はタッチ操作有りと認識し、制御フローは終了する。静電センサ10の検出値(静電容量)が判定閾値未満である場合には、操作認識部51は、タッチ操作有りと認識せずに、制御フローは終了する。すなわち、操作認識装置50は、ステップS5~S7の制御フローを実行することで、静電センサの出力に基づき、ボタン3の表面上で所定の操作認識範囲内のタッチ操作を認識する。なお、操作認識範囲制御部53は、操作負荷に応じて、操作認識範囲内のタッチ操作の感度を制御する場合には、ステップS3にて、操作負荷が操作負荷閾値以上である場合には、操作認識範囲制御部53はタッチ操作の感度を大きし、ステップS4にて、操作負荷が操作負荷閾値未満である場合には、操作認識範囲制御部53はタッチ操作の感度を初期感度に設定すればよい。
【0046】
上記のように本実施形態では、車両用入力装置100は、静電センサ10と、ボタン3の表面上で所定の操作認識範囲内のタッチ操作を認識する操作認識装置50を備える。操作認識装置50は、ユーザによるボタン3の操作負荷を算出し、算出された操作負荷が大きい場合には、操作負荷が低い場合と比較して、操作認識範囲の面積及び/又はタッチ操作の感度を大きくする。これにより、操作負荷が大きく、ユーザがボタン3のタッチ操作を的確にできない可能性が高い場合には、ボタン3の操作性が高まるように、操作認識範囲の面積又はタッチ操作の感度が大きくなる。その結果として、操作負荷が大きい時に、ボタン操作を認識し易くすることができる。
【0047】
また本実施形態において、操作認識装置50は、車両から他車両までの車間距離又は車間時間に基づき、操作負荷を算出する。これにより、車間距離又は車間時間が狭まり、運転に集中する必要がある場合には、ボタン3の操作性が高まるように、操作認識範囲の面積又はタッチ操作の感度が大きくなる。その結果として、操作負荷が大きい時に、ボタン操作を認識し易くすることができる。
【0048】
また本実施形態において、操作認識装置50は、車両の自律運転レベルに基づき、操作負荷を算出する。これにより、自動運転レベルが低く、操作負荷が高い場合には、ボタン3の操作性が高まるように、操作認識範囲の面積又はタッチ操作の感度が大きくなる。その結果として、操作負荷が大きい時に、ボタン操作を認識し易くすることができる。
【0049】
また本実施形態において、操作認識装置50は、車両の走行シーンに基づき、操作負荷を算出する。これにより、操作負荷が高くなるような走行シーンでは、ボタン3の操作性が高まるように、操作認識範囲の面積又はタッチ操作の感度が大きくなる。その結果として、操作負荷が大きい時に、ボタン操作を認識し易くすることができる。
【0050】
なお本実施形態の変形例では、操作認識装置50は、負荷算出部52により算出された操作負荷が大きい場合には、操作負荷が低い場合と比較して、バックライト40の輝度を低くしてもよい。操作負荷が大きい場合には、運転者が運転に集中している可能性が高い。このような状態では、バックライト40の輝度を低くして、バックライト40の光が運転者の視界に入りにくいようにする。これにより、運転への集中力の低下を防止できる。
【0051】
また本実施形態の変形例では、室内のユーザを検出するユーザ検出部を備え、操作認識装置50は、ユーザ検出部の出力に基づき、ボタン3を操作する操作ユーザを特定し、操作ユーザが運転者であり、負荷算出部52により算出される操作負荷が大きい場合には、操作負荷が低い場合と比較して、操作認識範囲の面積を運転者側に移動させる。
【0052】
まず、操作認識範囲制御部53は、カメラ20の撮像画像に基づいて、操作ユーザを特定する。操作認識範囲制御部53は、カメラ20の撮像画像から、室内に乗車しているユーザの位置を特定する。また、操作認識範囲制御部53は、カメラ20の撮像画像から、ボタン3を操作する時のユーザの動きを検出する。例えば、運転席側のユーザがボタン3を操作する際には、操作認識範囲制御部53は、カメラ20の撮像画像から、運転席にユーザ(運転者)が乗車していることを検出した上で、カメラ20により撮像された連続静止画又は動画から、運転者の指の動きを検出する。そして、操作認識範囲制御部53は、運転者の指がボタン3に近づいたことを特定することで、操作ユーザを特定する。これにより、操作認識範囲制御部53は、ボタン3の操作前に、ボタン3を操作しようとしているユーザ、すなわち操作ユーザを特定する。また操作認識範囲制御部53は、操作ユーザの位置も特定できる。なお、操作ユーザは、カメラ20の撮像画像に限らず、例えば、座席に設置された重量センサを用いて検出されてもよい。カメラ20が本発明の「ユーザ検出部」に相当する。
【0053】
そして、操作認識範囲制御部53は、操作ユーザが運転者であり、負荷算出部52により算出された操作負荷が大きい場合には、操作負荷が低い場合と比較して、操作認識範囲の位置を運転者側に移動させる。操作認識範囲制御部53は、算出された操作負荷が操作負荷閾値以上である場合には、操作認識範囲を、初期設定時の操作認識範囲の位置(以下、初期位置とも称する)よりも操作ユーザ側に移動させる。また操作認識範囲制御部53は、算出された操作負荷が振幅閾値未満である場合には、操作認識範囲の位置を初期位置とする。
【0054】
図8の例では、ボタン3を囲う実線のエリアが、初期位置の操作認識範囲であり、点線のエリアが移動後の操作認識範囲である。操作認識範囲制御部53は、図8に示すように、操作認識範囲の位置を、操作ユーザに近い運転者側に移動させる。これにより、操作負荷が大きい時に、ボタン操作を認識し易くすることができる。なお、操作認識範囲の移動量は、固定値又は変動値でもよい。また、操作認識範囲の移動量は、ボタン3に応じて異なる値としてもよい。
【0055】
また操作認識範囲制御部53は、操作認識範囲を移動させる際には、隣のボタン上の操作認識範囲と重ならないように、操作認識範囲の位置を移動させる。つまり、移動後の操作認識範囲は対応するボタン上のアイコンを含み、かつ、移動後の操作認識範囲が他の操作認識範囲と重ならないように、操作認識範囲制御部53は操作認識範囲を移動させる。図8の例では、風量設定用のプラス「+」ボタン上の操作認識範囲を操作ユーザ側に移動させる際には、プラス「+」ボタン上の操作認識範囲はアイコン「+」を含み、かつ、プラス「+」ボタン上の操作認識範囲はデフロスターのボタン上の操作認識範囲と重ならないように、操作認識範囲制御部53は、アイコン「+」上の操作認識範囲を移動させる。
【0056】
なお本実施形態の変形例では、室内のユーザを検出するユーザ検出部を備え、操作認識装置50は、ユーザ検出部の出力に基づき、ボタン3を操作する操作ユーザを特定し、操作ユーザが運転者であり、負荷算出部52により算出される操作負荷が大きい場合には、操作負荷が低い場合と比較して、操作認識範囲の面積を運転者側に大きくする。図5の例では、操作認識範囲の周囲を拡げることで、操作認識範囲の面積を大きくしたが、初期範囲に対して、操作認識範囲を運転席側に拡げて、運転席側以外の部分は拡げない(矩形状の操作認識範囲のうち、運転席側の辺を運転席側に移動させる)。これにより、操作負荷が大きい時に、ボタン操作を認識し易くすることができる。
【0057】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0058】
1 ディスプレイ
2 ボード
3 ボタン
4 メインスイッチ
5 ステアリングスイッチ
10 静電センサ
20 カメラ
30 振動素子
40 バックライト
50 操作認識装置
51 操作認識部
52 負荷算出部
53 操作認識範囲制御部
100 車両用入力装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8